第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社グループは、「私たちは お客さまの幸せと感動を通して 社会に貢献します」を企業グループの使命として掲げ、以下の信念と4ヶ条を経営理念としております。

 

 信念:お客さまの幸せと感動のために

  一.誠実・信用・信頼

  一.私たちは、お客さまの幸せと感動のために、心あたたまるパーソナルウェディングを

実現します

  一.私たちは、お客さまの幸せと感動のために、素直な心で互いに協力し良いことは即実

行します

  一.私たちは、お客さまの幸せと感動のために、国籍・宗教・性別・年齢・経験に関係な

能力を発揮する人財(ひと)になり、素晴らしい未来を創るために挑戦します

 

 これは、お客さまの幸せと感動のために、誠実、信用、信頼を企業経営の根底に置き、お客さまの幸せと感動を追求し、人財を育成していく真摯な経営そのものを表現したものであります。当社グループは、経営理念に基づいた企業経営を行い、お客さまの幸せと感動を通して社会に貢献することを経営の基本方針とし、この方針をベースに、お客さまや株主の皆さまをはじめとしたステークホルダーの方々の高いご期待に応える「感動創造カンパニー」を目指します。そして、より一層の人財育成とお客さまのニーズの多様化に対応できる経営を志向することで、企業の継続的な発展と企業価値の向上を図ってまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、持続的な成長を図っていく方針であり、そのためには、経営資源の効果的な配分による利益率の向上と強固な財務基盤の構築が不可欠であると考えております。従いまして、収益性や投資効率については総資産経常利益率を、財務バランスについては自己資本比率を、それぞれ重要な経営指標と認識しております。具体的には、総資産経常利益率は主に既存店の戦略的なリニューアルやスタッフの人間力、接客力向上により稼働率を向上させることで伸長させ、自己資本比率は利益処分における配当や内部留保への配分、設備投資における外部負債調達を通じ、適切な水準で保持する方針であります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、ウェディング業界における環境変化に対応し、多様化するお客さまのニーズを汲み取りながら、それぞれのお客さまに応じた挙式・披露宴を提供してまいりました。今後も、経営理念に基づいた戦略を立案し実行することにより顧客創造に努め、中長期的には、婚礼事業を柱として当社グループの強みを発揮できる分野への進出を国内外を問わず進めていく方針であります。

 内部管理面では、健全で透明性の高い企業として市場から継続的に高い評価を得られるよう、コーポレート・ガバナンス体制、内部統制システムの更なる充実、強化を推進していく方針であります。

 

(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 現状の認識について

 国内のウェディング業界では、結婚適齢期人口の減少や晩婚化等を背景に、挙式・披露宴件数は、緩やかに減少傾向をたどっていくものと予想されます。しかし、伝統や格式にとらわれないオリジナルな挙式・披露宴志向の高まりによって、ゲストハウス・ウェディングの市場は、順調に拡大してきました。こうしたトレンドを踏まえ、専門式場がゲストハウス・ウェディングの形態へ進出してきたほか、ホテルのリニューアルや価格競争の激化等、競合状況は一段と厳しさが増してきております。一方で、海外のウェディング業界では、東南アジアエリアの人口増や経済発展に伴う所得水準の上昇が見込まれており、同エリアでのウェディング市場は拡大していくことが見込まれております。また、介護業界では、高齢者のライフスタイルやニーズにあったサービスが求められており、様々な業種からの新規参入も相次いでおります。

 新型コロナウイルス感染症の影響は、2020年5月の緊急事態宣言解除により一時収束に向かったかに思われましたが、7月以降再び感染者が増加する等、未だに予断を許さない状況が続いております。

 現時点においては、新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことは困難ではありますが、感染防止対策を徹底し、安全で安心できる結婚式の提供に努めております。

 こうした中、当社グループは、お客さまの意識の変化や業界・競合企業の動向を十分に踏まえ、お客さまに感動していただける心のこもったサービスを提供し、お客さまの感動を通して社会に貢献していく方針であります。このため、(イ)情報収集力・分析力・活用力の強化、(ロ)優秀な人財の採用と育成、(ハ)お客さまに関する安全対策の強化、(ニ)既存店のクオリティの維持・強化、(ホ)接客力・企画提案力の更なる向上、(ヘ)堅実な店舗展開、(ト)コーポレート・ガバナンスの強化、(チ)新規事業の開発・創出の8項目を重要な課題として掲げております。

 

② 課題への対応について

(イ)情報収集力・分析力・活用力の強化

 当社グループは、環境の変化に対応して行くことが企業の永続性につながるものと認識しており、情報収集力・分析力・活用力の強化を重要な課題と位置づけております。このため、当社グループは、情報収集のチャネルを拡大すると共に社内及びグループ企業間における情報の共有を進めてまいりました。

 今後も、市場ニーズの変化に対応していくため、情報収集力・分析力・活用力の強化に努め、迅速な経営判断を行うことにより、企業価値の向上に努めていく方針であります。


(ロ)
優秀な人財の採用と育成

 当社グループでは、人は財産であるという考え方のもと、一般的な「人材」ではなく「人財」という表現に統一しております。

 当社グループは、優秀な人財の採用と育成が他社との差別化を図る重要なファクターと認識し、人財の採用と育成に鋭意努めてまいりました。具体的には、人財採用については、全国規模の新卒採用活動や各出店エリアでの中途採用活動を実施し、当社グループが求める潜在能力や適性を有する人財を積極的に採用してまいりました。人財育成については、理念の浸透を目的とした理念研修、お客さま満足度向上のための業務別の実務研修、業務知識・管理能力向上のための階層別研修等を組合せた研修体系により、当社グループの成長につなげてまいりました。今後も採用活動の充実・強化と経営理念に基づいた社内外での研修を推進していくことによって、優秀な人財の採用と育成に努めていく方針であります。


(ハ)お客さまに関する安全対策の強化

 当社グループは、お客さまに関する安全対策を強化するため、婚礼事業においては、2009年8月に当社福岡支店において食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000の認証を取得し、同支店と同水準の衛生管理体制の構築を全社横断的に推進してきたほか、ノロウイルスを原因とする食品事故を未然に防止するため、2014年10月よりグループ全体で「次亜塩素酸水超音波噴霧器」を導入し、衛生管理体制の強化に努めてまいりました。また、介護事業においては、高齢者の方々にサービスを提供していることから安全面の一層の強化に努め、マニュアルに基づいた従業員教育を徹底してまいりました。

 なお、従来より、インフルエンザ等の感染拡大防止のためアルコール消毒や除菌装置の設置、従業員の手洗い・うがいの徹底等を実施しておりましたが、そちらに加え、新型コロナウイルスの感染防止対策として、30分に1度のアルコール消毒及び換気措置を徹底する他、ソーシャルディスタンスの確保に配慮した運営をいたしております。また、従業員は出社前の検温並びに体調確認を行い、感染が懸念される場合は出勤停止の措置をとっております。介護施設においても、アルコール消毒液や除菌装置の設置に加え、外部との面会禁止の措置をとる等、感染防止に最大限努めております。

 今後も、諸規程やマニュアルの見直し、内部管理体制の強化、社外の専門家や監督官庁との連携により、安全対策の強化を更に進め、お客さまの期待に応えていく方針であります。

 

 

 

(ニ)既存店のクオリティの維持・強化

 当社グループは、長期・安定的な店舗運営を目指す観点から、既存店のクオリティの維持・強化を経営の重要な課題と認識しております。このため、当社グループでは、ハード面に関してはメンテナンスやリニューアルにより、ソフト面に関しては社内外での研修等により、クオリティの維持・強化を図ってまいりました。

 今後も、お客さまのニーズを反映したメンテナンスやリニューアルを継続的に実施することによって各施設のクオリティを維持・強化していくと共に、お客さまの声、現場の声、社内外での研修の成果をソフト面に反映させることによって、挙式・披露宴や介護サービス等の質の向上に努めていく方針であります。

 

(ホ)接客力・企画提案力の更なる向上

 当社グループは、経営理念に基づいた社内外での研修を通じて「人間力」アップを図り、現場での実践を通してホスピタリティを高め、情報の共有を図ることによりグループ全体のレベルを維持・改善しながら、お客さまの幸せと感動のお手伝いに努めてまいりました。

 今後も、「感動創造カンパニー」として、お客さま満足度の向上を図り、出店エリアにおいてお客さまから最も支持される「トップ・ブランド」を構築していくため、接客力・企画提案力の更なる向上に努めていく方針であります。

 

(ヘ)堅実な店舗展開

 当社グループは、地域に根ざした長期・安定的な店舗運営を重要課題と認識し、地方都市を中心に堅実な店舗展開を進めてまいりました。今後も、長期・安定的な視点で厳選した立地に、人財育成とのバランスを図りながら過去の出店ペースを基本に出店してまいりますが、中長期的には、婚礼事業を柱として当社グループの強みを発揮できる分野への進出を国内外を問わず進めていく方針であります。

 

(ト)コーポレート・ガバナンスの強化

 当社グループは、経営の監視機能及び内部統制機能の充実、コンプライアンス経営の徹底を通じて、企業価値の向上に努めることをコーポレート・ガバナンスの基本方針として定め、ステークホルダーの皆さまの信頼に応えてまいりました。今後もこの基本方針のもと、経営の効率性、透明性を高め、企業価値の最大化と持続的な成長、発展に努めていく方針であります。

 

(チ)新規事業の開発・創出

 当社グループは、1995年の設立以来、婚礼事業を柱として事業を展開し成長を続けてまいりました。一方、少子高齢化や晩婚化等の進行により国内婚礼件数は緩やかな減少傾向にあります。そのような事業環境の中、当社グループの持続的な成長のために、介護事業や海外事業、食品事業への進出を行ってまいりました。

 今後も、当社のグループの新たな成長の柱となる新規事業の開発と創出を積極的に行っていく方針であります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業の内容について

 ① 市場について

  国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、わが国の結婚適齢期人口は減少傾向が継続すると予測されており、また挙式・披露宴を実施しないカップルや晩婚化というお客さまの意識の変化によっても、挙式・披露宴市場の規模が縮小していく可能性があると認識しております。こうした中、当社は、接客力・企画提案力を更に向上させ、感動的な挙式・披露宴の提供に努めておりますが、想定を上回るスピードで市場が縮小し、受注が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 ② 競合について

  当社グループの主力事業が属しているウェディング業界では、ゲストハウス・ウェディングの需要が伸張していることを背景に、専門式場がゲストハウス・ウェディングの形態へ進出してきたほか、ホテルのリニューアルや価格競争の激化等、取巻く環境は年々厳しさが増しております。この傾向は今後も継続していくものと考えられ、当社の出店エリアに有力な競合店が複数出店してきた場合には、更に競争が激化し受注に影響が生じるため、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 ③ 婚礼スタイルについて

  当社は、時代のニーズをとらえ、2000年9月に佐賀県鳥栖市においてゲストハウス・ウェディング事業を開始し、以降、店舗展開を進めてまいりました。今後も、時代のニーズやトレンドを把握し対応していく方針でありますが、20代、30代の若者を中心とする顧客層の間で婚礼スタイルに対する意識・嗜好に変化が生じ、ゲストハウス・ウェディングに代わる新たな婚礼スタイルが主流となることも想定されます。こうした婚礼スタイルの変化への対応に遅れが生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 ④ 人財の採用と育成について

  当社グループは、優秀な人財の採用と育成が他社との差別化を図る重要なファクターだと認識し、人財の育成と新卒及び中途の採用活動に積極的に取り組んでおります。特に人財の育成に関しては、経営理念に基づいた体系的な研修を実施することによってその強化を図っております。このように当社グループでは、優秀な人財の採用と育成を強化しておりますが、計画どおりに採用と育成が進まない場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 ⑤ 出店について

  当社グループは、出店候補地の立地条件や商圏動向、競合企業の動向、地域特性、採算性及び設備投資の内容等を総合的に検討しながら店舗展開を行っておりますが、出店条件に合致する物件が見つからない場合は、計画的な出店が進まず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、出店に際しては先行費用が発生するため、出店が集中した場合には短期的に業績に影響を与える可能性があります。当社グループが出店した店舗について、収益性が著しく低下し減損の認識がなされた場合には減損損失が発生し、財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 ⑥ 介護事業について

  当社グループは、2012年12月に介護事業を開始しましたが、当該部門は、老人福祉法、介護保険法等の規制を受けており、法令等の改正による制度見直しや介護報酬の基準額の改定が実施されます。こうした制度見直しや料金体系の改定がなされた場合、その内容によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、介護事業は、高齢者の方々を対象としているため、施設内における事故や感染の発生等を理由としたブランドイメージの低下によって利用者が減少した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 ⑦ 海外事業について

  当社グループは、成長戦略の一環として2017年1月、インドネシア共和国の首都ジャカルタに挙式・披露宴に関する企画・運営等のサービスの提供を行う現地法人を設立し、同年2月より営業活動を開始しております。関連地域における戦争やテロ、政治・社会・経済動向等の変化等、予期せぬ事象による事業活動への支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 ⑧ 食品事業について

  当社グループは、2020年10月に食品事業を開始しましたが、近年、食品業界において、消費者の安全性に関する関心は一層高まっています。そのような中、素材にこだわり健康にも留意した商品開発に加え、製造元においては安全・安心で高品質な商品の製造先を選定しております。万が一健康被害に関わる問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)法的規制について

 ① 衛生管理について

  当社は、挙式・披露宴時に料理や飲料を提供しているため、食品衛生法の規制を受けており、スタッフの日常の体調管理や調理工程の管理、臨時従業員まで含めた定期的な腸内細菌検査、ノロウイルス検査及び外部機関による定期的な消毒や検査等、全社レベルで体系的な衛生管理に努めております。こうした中、2009年8月に当社福岡支店において食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000の認証を取得し、同支店と同水準の衛生管理体制の構築を全社横断的に推進しております。また、介護事業においても、食事を提供しているため、当社と同様の衛生管理体制を整え、食品事故の未然防止に努めております。
 このように、当社グループは「安全・安心」を調理業務の最優先課題と位置づけ、食品事故の未然防止に努めておりますが、万一食中毒等の食品事故が発生した場合には、営業許可の取消しや営業の停止等を命ぜられるほか、社会的信用の低下、損害賠償請求の発生等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 ② 個人情報の管理について

  当社グループは、婚礼事業における新郎、新婦、ご親族、ゲストの方々、介護事業における入居者、ご家族の方々、食品事業における商品の販売に際してお客さまの個人情報をそれぞれ取扱っております。当社グループは、これらの個人情報を保護するため「個人情報管理規程」を制定し、個人情報の機密保持と個人情報の取扱いには細心の注意を払っておりますが、個人情報が外部に漏洩した場合には、風評被害が懸念される他、内容によっては当局からの勧告、命令、処罰を受ける対象となります。このような事態が発生した場合には、社会的信用の低下、損害賠償請求の発生等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)その他

 ① 感染症による影響について

  当社婚礼施設には新郎新婦さまのご親族やご友人等の多くのお客さまが来館されるため、新型コロナウイルス等の感染症の拡大懸念が生じた場合は挙式・披露宴の延期や中止が発生する場合があります。

  従来より、インフルエンザ等の感染拡大防止のためアルコール消毒や除菌装置の設置、従業員の手洗い・うがいの徹底等を実施しておりましたが、そちらに加え、新型コロナウイルスの感染防止対策として、30分に1度のアルコール消毒及び換気装置を徹底する他、ソーシャルディスタンスの確保に配慮した運営をいたしております。また、従業員は出社前の検温並びに体調確認を行い、感染が懸念される場合は出勤停止の措置をとっております。介護施設においても、アルコール消毒液や除菌装置の設置に加え、外部との面会禁止の措置をとる等、感染防止に最大限努めております。

  また、当社グループにおいて「新型コロナウイルス対策本部」を設置し、グループ全体での安全対策や資金繰り、投資計画の見通し等、日々変化していく状況を踏まえて適宜対応しております。

  なお、2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、婚礼施設は緊急事態宣言発令から2020年5月末まで全店で臨時休業を行い、お客さまと従業員の安全を第一に考え、同年8月末までは延期を推奨しておりました。その結果、挙式・披露宴の延期や一部キャンセル等が発生し、当社グループの経営成績に大きく影響を及ぼしております。今後、新型コロナウイルスの感染拡大が更に続く場合は、その影響がさらに大きくなる可能性があります。

 

 ② 自然災害について

  当社グループは、国内19都市及びその近郊並びに海外1都市で事業を展開しておりますが、これらの出店地域において予測不能の地震・風水害等の自然災害が発生し、施設に影響が生じ、事業を中断せざるを得ない状況となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループはこのような自然災害に備えて保険を付保しておりますが、損害額が保険金額を上回る場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2019年11月1日から2020年10月31日まで)におけるわが国経済は、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、4月に「緊急事態宣言」が発出される状況となったこと等を踏まえ、全国的な営業自粛の広がりや不要不急の外出を控えるといったことから需要が極端に冷え込みました。5月末同宣言の解除後、段階的に経済活動が再開されてきたものの、感染再拡大への警戒感から消費行動も回復が見られず、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 ウェディング業界におきましても、外出自粛や「3密」回避といった消費者の感染防止意識の急速な広がりにより、挙式・披露宴の延期や集客イベントの開催中止等、引き続き大変厳しい状況となりました。

 このような状況のもと、当社グループは、お客さまと社員の安心・安全を最優先事項とし、緊急事態宣言エリアの店舗では休業を行うとともに、同宣言解除後も、お客さまの承諾を得て、全店で8月末まで挙式・披露宴の施行を延期いたしました。9月からは最大限の感染防止対策を施した上で再開いたしましたが、施行組数及び施行単価が大幅に減少し、創業以来初めての赤字決算を余儀なくされることとなりました。

 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,641百万円減少し、17,898百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,352百万円増加し、9,975百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,993百万円減少し、7,923百万円となりました。

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は8,746百万円(前年同期比56.7%減)、営業損失は3,981百万円(前年同期は1,931百万円の営業利益)、経常損失は3,524百万円(同1,955百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は4,235百万円(同1,350百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 なお、セグメント別の業績は次のとおりであります。

(婚礼事業)

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、挙式・披露宴の延期が発生し、施行組数が減少したことから、売上高は8,210百万円(前年同期比57.7%減)、営業損失は4,035百万円(前年同期は1,893百万円の営業利益)となりました。

(介護事業)

 売上高は536百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益は55百万円(同40.9%増)となりました。

(食品事業)

 当連結会計年度(2020年10月)に食品事業を展開する子会社を設立し、営業損失は1百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,194百万円(前年同期比63.0%減)減少し1,873百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は、4,355百万円(前年同期は2,049百万円の収入)となりました。主な収入要因は、減価償却費1,211百万円及び雇用調整助成金の受取額431百万円であり、主な支出要因は、税金等調整前当期純損失3,893百万円、仕入債務の減少額712百万円、法人税等の支払額611百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、442百万円(前年同期比78.9%減)となりました。これは主に、東京支店オープン等に伴う有形固定資産の取得による支出556百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、1,633百万円(前年同期は90百万円の支出)となりました。主な収入要因は、短期借入金の純増減額2,000百万円、長期借入れによる収入1,566百万円及び自己株式の売却による収入153百万円であり、主な支出要因は、長期借入金の返済による支出1,114百万円、自己株式の取得による支出481百万円及び配当金の支払額359百万円であります。

③ 施行、仕入、受注及び販売の実績

 a.施行実績

当連結会計年度における施行実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日)

施行数

前年同期比(%)

婚礼事業

2,136

44.4

(注)1 介護事業及び食品事業については、該当事項はありません。

2 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、挙式・披露宴の延期が発生し、施行組数が減少しております。

 

 b.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

婚礼事業

2,005,085

44.3

介護事業

40,089

121.7

合計

2,045,174

44.0

(注)1 仕入高には、消費税等は含まれておりません。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

3 食品事業については、該当事項はありません。

4 婚礼事業においては、挙式・披露宴の延期が発生し、施行組数が減少したことから、仕入実績が減少しております。

 

 c.受注実績

当連結会計年度における婚礼事業の受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日)

受注数

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

婚礼事業

3,566組

67.9

5,598組

134.3

(注)1 介護事業及び食品事業については、該当事項はありません。

2 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、集客数が減少し受注数が減少しております。

3 挙式・披露宴の延期が発生したことから、受注残高は増加しております。

 

 d.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

婚礼事業

8,209,544

42.3

介護事業

536,715

104.1

合計

8,746,260

43.3

(注)1 販売高には、消費税等は含まれておりません。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

3 食品事業については、該当事項はありません。

4 婚礼事業においては、挙式・披露宴の延期が発生し、施行組数が減少したことから、販売実績が減少しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,641百万円減少し、17,898百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,197百万円減少し3,817百万円となりました。これは主に、現金及び預金が3,272百万円減少し、未収還付法人税等が873百万円増加したことによるものであります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,444百万円減少し14,081百万円となりました。これは主に、繰延税金資産が取崩しにより854百万円、減価償却費及び減損損失の計上により有形固定資産が576百万円それぞれ減少したことによるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,352百万円増加し、9,975百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ744百万円増加し5,138百万円となりました。これは主に、短期借入金が2,000百万円増加し、買掛金が715百万円、未払法人税等が331百万円、賞与引当金が175百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ607百万円増加し4,836百万円となりました。これは主に、長期借入金が494百万円、資産除去債務が103百万円それぞれ増加したことによるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4,993百万円減少し7,923百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失4,235百万円の計上及び剰余金の配当359百万円による減少であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ15.7ポイント下降し44.1%となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度は、売上高8,746百万円(前年同期比56.7%減)、売上総利益4,237百万円(同62.2%減)、営業損失3,981百万円(前年同期は1,931百万円の営業利益)、経常損失3,524百万円(同1,955百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失4,235百万円(同1,350百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

(売上高)

 婚礼事業の売上高は、11,183百万円(前年同期比57.7%減)減少し8,210百万円となりました。この主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、挙式・披露宴の延期が発生し、施行組数が減少したこと等によるものであります。なお、施行組数は2,136組(同55.6%減)、受注組数は3,566組(同32.1%減)となりました。

 介護事業の売上高は、21百万円(同4.1%増)増加し、536百万円となりました。

 なお、食品事業においては、当連結会計年度(2020年10月)に食品事業を展開する子会社を設立しておりますが、売上高は発生しておりません。

(売上原価、売上総利益)

 売上原価は、前連結会計年度に比べ4,468百万円(前年同期比49.8%減)減少し4,508百万円となりました。

 この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ6,974百万円(同62.2%減)減少し4,237百万円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業損益

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1,061百万円(前年同期比11.4%減)減少し8,218百万円となりました。これは主に、施行組数の減少に伴う人件費等の減少に加え、コスト削減を実施したこと等によるものであります。売上高に占める同比率は前連結会計年度に比べ48.0ポイント上昇し94.0%となりました。

 この結果、営業損失は3,981百万円(前年同期は1,931百万円の営業利益)となりました。

(営業外収益及び営業外費用、経常損益)

 営業外収益は、前連結会計年度に比べ441百万円増加し490百万円(前年同期は48百万円)となりました。これは主に、雇用調整助成金を431百万円計上したことによるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ8百万円(前年同期比36.2%増)増加し33百万円となりました。

 この結果、経常損失は3,524百万円(前年同期は1,955百万円の経常利益)となりました。

(特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純損益)

 特別利益は、前連結会計年度に比べ63百万円(前年同期比91.3%減)減少し6百万円となりました。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ363百万円増加し375百万円(前年同期は11百万円)となりました。これは主に、減損損失を343百万円計上したことによるものであります。

 この結果、税金等調整前当期純損失は3,893百万円(同2,013百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 税効果会計適用後の法人税等負担額は、前連結会計年度に比べ319百万円(前年同期比48.6%減)減少し337百万円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は4,235百万円(前年同期は1,350百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本財源及び資金の流動性に関する情報

a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの事業活動における資金需要は、運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要は、食材等の仕入や、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金需要は、新規店舗の建設、既存店のリニューアル等であります。これらの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または金融機関からの借入により調達を行っております。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大とその不測の事態に対応するその備えとして、機動的かつ安定的な資金を確保するため、当期新たに取引銀行6行と貸越限度額9,500,000千円の当座貸越契約を締結しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。具体的には「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。これらの連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、当社グループでは最大限の感染防止対策を施した上で営業活動を継続しておりますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期等を予測することは困難なことから、当社が現在入手している情報等を踏まえて、新型コロナウイルス感染症による影響が翌連結会計年度においても継続するものの、2021年に入ってからは徐々に回復するものと仮定し固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性等の見積りを行っております。

 

④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的な成長を図っていく方針であり、そのためには、経営資源の効果的な配分による利益率の向上と強固な財務基盤の構築が不可欠であると考えております。従いまして、収益性や投資効率については総資産経常利益率を、財務バランスについては自己資本比率を、それぞれ重要な経営指標と認識しております。

 当連結会計年度終了時点における総資産経常利益率及び自己資本比率は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により悪化しております。未だ収束の見通しが立たない状況下ではありますが、受注残組数は5,598組(前年同期比34.3%増)と過去最高の組数を更新しており、キャンセルは低い水準で抑えられていることから、収束後の業績の回復を見込んでおります。

 『経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』に記載の経営戦略に取り組み、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底しながら、施行単価及び施行組数の回復に努めることで、目標とする経営指標の良化に努める方針であります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。