第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やウクライナ情勢等に伴う影響については、当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を及ぼす可能性がある事象が発生していないことから、軽微であると判断しております。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、

①情報通信を核とし、常に新しい価値を創造する「総合エンジニアリング&サービス会社」として、お客様から最高の満足と信頼を得られる日本のリーディング・カンパニーを目指します。

②安全と品質を大切に、最高のサービスを提供することによって豊かで快適な社会の実現に寄与します。

③企業の社会的責任を果たし、常に人間を尊重する企業として、人や社会と共存共栄する企業であり続けます。

以上の経営理念のもと、企業価値の向上と持続的な成長を図ってまいります。

 

(2) 会社の経営環境と中長期的な経営戦略

当社グループを取り巻く事業環境は、5G関連サービス拡大への期待やオンラインサービスの利用拡大、社内システムのクラウド化などDX推進等に伴う新たなICTソリューションに対するニーズの高まり、さらには脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーをはじめとする政府のグリーン成長戦略を支えるデジタルインフラの強化や地方創生に資する地域脱炭素の推進などにより、今後も大きく変化していくことが予想されます。

このような環境のなか、当社グループは、役員、社員14,000人の想いを込めてPurpose(存在意義)とMission(社会的使命)を再定義し、幅広い社会インフラ領域における様々な社会課題の解決にこれまで以上にしっかりと貢献できる企業グループへと進化していくことを目指し、2030年に向けた新たな事業ビジョンとして、『MIRAIT ONE Group Vision 2030』を策定いたしました。合わせて、2022年度を初年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定しており、これを達成することを目標といたします。

 

〔『MIRAIT ONE Group Vision 2030』および新中期経営計画〕

『MIRAIT ONE Group Vision 2030』における経営戦略(概要)

『MIRAIT ONE Group Vision 2030』においては、我々が「変わり」、未来が「変わる」をキーワードに、成長戦略として5つの事業変革(5Changes)を柱としております。

◇ Change1「人間中心経営」

 ・みらいカレッジ (「学び」と「つながり」を提供する“事業構造改革の原動力”)

 ・社員にとって働きやすい職場づくりと心身の健康を守る「健康経営」

 ・With コロナへの“ミライト・ワン流”働き方改革

◇ Change2「事業成長の加速」

 ・成長分野を「みらいドメイン」として明確に再定義し経営リソースを投入(フルバリュー型モデルへの事業構造改革の推進)

  ◆街づくり・里づくり事業(地方創生事業)や、企業のDX とグリーン化推進事業の加速

  ◆脱炭素化に貢献するグリーン発電事業への参入

  ◆顧客のDX に貢献するSI 事業の強化(戦略子会社化)

  ◆海外のデータセンタ関連事業やインフラシェア事業を推進するグローバル事業の強化

 ・既存事業の顧客基盤を強化 (顧客の拡大、顧客の成長への対応)

◇ Change3「利益性トップクラス」

 ・3社統合による徹底した集約・効率化による経営基盤の強化

 ・業務運営の抜本見直しとデータインサイトの活用による効率化

 ・グループ連携の推進による既存オペレーションとコストの見直し

◇ Change4「データインサイトマネジメント」

 ・ナレッジベースのデータ環境整備、営業アプローチの最適化(攻めのDX)

 ・バリューチェーン改革、スマート施工、BPO/RPA・ロボティクス活用(守りのDX)

 ・エキスパートおよびコア人財の育成、全社リテラシーの向上(DX 人財の育成)

◇ Change5「ESG 経営基盤強化」

 ・温室効果ガス削減目標(SBT)の達成に向けた取り組み

 ・ミライト・ワン パートナー会による社会価値の共創

 ・監査体制充実と三線ディフェンスによる監査機能強化

 ・新たなグループマネジメント体制によるコーポレートガバナンス強化

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下、「KPI」という。)として、第5次中期経営計画において、売上高、みらいドメイン比率(※)、営業利益(率)、ROE(自己資本利益率)、EPS(1株当たり当期純利益)を採用し、2026年度における目標を売上高7,200億円以上、みらいドメイン比率40%以上、営業利益(率)7.5%以上、ROE10%以上、EPS年成長率10%以上に設定しております。

(※)売上高に占めるみらいドメイン(事業成長を目指す分野)の比率

当該KPIを採用しているのは、株主をはじめとする全てのステークホルダーが、当社グループの経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であるとともに、その進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能であるとの認識によるものであります。

なお、営業利益及びROEについては、グループ会社の業績並びに企業価値向上への貢献意識を高めるため、導入している業績連動型株式報酬制度「株式給付信託」における付与ポイント算定のための指標にも採用しております。

 

(注)当該KPIの各数値については、本報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、「(2) 会社の経営環境と中長期的な経営戦略」に記載のとおり、外部環境の変化に対応し、当社グループは、当社及び連結子会社である㈱ミライト、㈱ミライト・テクノロジーズとの3社の合併契約を締結し、2022年7月1日より株式会社ミライト・ワンとして新たなスタートをいたします。合わせて、傘下にあるグループ会社のシステムインテグレーション(以下「SI」という。)事業組織ならびに5社のSI事業会社について再編に取り組むとともに、2022年3月31日より傘下に加わった西武建設株式会社の土木・建築事業との連携推進など、事業環境の変化に対応した事業構造の転換を加速しております。

新型コロナウイルス感染症からの経済活動正常化時期やウクライナ情勢等による半導体供給不足、原材料・エネルギー価格の高騰、サプライチェーンを通じた影響等、先行き不透明な状況が継続することが懸念されるものの、当社グループは2030年に向けた新たな事業ビジョン『MIRAIT ONE Group Vision 2030』の実現に向けて、新たな働き方も積極的に活用しながら、元気で活き活きとした企業グループづくりとともに企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

①特定取引先への依存に伴うリスク

当社グループの主たる取引先は、NTTグループをはじめとする通信事業各社であり売上高に占める割合が高く、通信事業各社の設備投資動向や技術革新等によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは通信キャリア事業からソリューション事業への事業構造の転換を加速するとともに、従来の事業分野や技術の枠組みを超えた新たな事業機会の創出へチャレンジしております。

 

②安全・品質に関するリスク

重大な事故等による不測の事態や品質に重大な問題を発生させた場合、取引先からの信用を失うとともに営業活動に制約を受けるなど当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは事業会社が導入している安全や品質に関する統合マネジメントシステム等を活用し、お客様に信頼、評価される高品質なエンジニアリングとサービスをお届けできるよう安全・品質管理にグループ一体となって取り組んでおります。

 

③重要な情報の管理に関するリスク

事業活動を通して、取引先からの技術データ、個人情報等の重要な情報を入手することがあります。予期せぬ事態により情報が流出や悪用された場合には、取引先からの信用を失うとともに損害賠償責任の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは事業会社が導入しているISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を活用し、グループ一体となって情報漏洩防止を徹底しております。

 

④取引先の信用不安に関するリスク

取引先の信用不安が発生した場合は、工事代金の回収不能や工事の施工遅延等が生じ当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループは外部調査機関等を利用した取引先の与信管理と、法務担当による契約書審査を行う等により信用不安リスクの回避に取り組んでおります。

 

⑤保有資産に関するリスク

事業運営上の必要性から有価証券等の資産を保有しておりますが、著しい時価の変動等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、定量的・定性的検証を通じ保有意義が希薄と考えられる有価証券等は段階的に縮減し、時価変動リスクの回避に取り組んでおります。

 

⑥自然災害・感染症等に関するリスク

大規模災害や感染症の大流行等により当社グループの従業員、協働者、設備等への直接被害やサプライチェーン分断による資機材の調達遅延等不測の事態が発生した場合は、施工がストップして契約工期に遅れが出る等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは地震等の自然災害や感染症が発生した場合に備え、BCP(事業継続計画)の策定、社員安否確認システムの構築、防災訓練や新しいワークスタイルへの移行、一部資機材の調達在庫管理を集約する等各種対策を講じております。

 

⑦海外事業に関するリスク

当社グループでは、アジア、オセアニアを中心とした諸外国で事業を展開しており、進出国での政治・経済情勢、為替や法的規制等に著しい変化、感染症の大流行や資材価格の高騰及び労務単価の著しい上昇等が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループではグループ内での情報収集、進出国の適度な分散等により、その予防・回避に努めております。

 

⑧気候変動に関するリスク  

地球規模での気候変動による問題が顕在化してきており、企業においても温室効果ガス排出量の削減、産業廃棄物の低減等、環境に対する配慮が求められています。このような配慮は、自社のみならず、サプライチェーンを構成する企業群に亘って要請される傾向であり、当社グループ、パートナー企業等が適切な対応を行えない場合、取引先各社との取引が制限される等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは重要課題(マテリアリティ)の見直しにおいて「環境にやさしい社会をつくる、まもる」ことを明確にし、「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同、そのフレームワークに沿った当社グループの事業におけるリスクと機会の分析や、事業活動を通して排出する温室効果ガス(GHG)の把握とその低減に向けた取り組み、産業廃棄物の一層の低減に向けた取り組み等を進めております。

 

⑨M&Aに関するリスク

当社グループは、事業領域の拡大およびビジネスモデルの変革に向けて、シナジー効果が期待できるM&Aを実践していくことで、グループの企業価値向上を目指しておりますが、M&A対象会社に期待する利益成長やシナジー効果等が実現できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループではM&Aの実施の際に当社グループの成長戦略と整合しているか、また今後の市場動向の見通しや事業計画、当社グループとのシナジー効果を慎重に検討するとともに、買収後の統合プロセスにおいては、実施すべき事項とその達成時期を定めモニタリングを強化し、シナジー効果の最大化に取り組んでまいります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やウクライナ情勢等に伴う影響については、当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を及ぼす可能性がある事象が発生していないことから、軽微であると判断しております。

 

(1) 経営成績

2021年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が続くものの、徐々に経済活動の正常化に向けた動きが見られました。一方足元ではウクライナ情勢により先行き不透明な状況になりました。今後につきましても、感染症の動向やウクライナ情勢等による半導体供給不足、原材料・エネルギー価格の高騰、サプライチェーンを通じた影響による下振れリスクに注意する必要があります。

当社グループを取り巻く事業環境については、引き続き工事部材の納入遅れなどにより一部工事の進捗に遅れが生じているものの、第5世代移動通信システム(5G)関連サービス拡大に向けた基地局整備計画前倒しによるモバイル工事の増加や、オンラインサービスの利用拡大や社内システムのクラウド化などデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進等に伴う新たなICTソリューションに対するニーズの高まりに加え、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーをはじめとする政府のグリーン成長戦略を支えるデジタルインフラの強化や地方創生に資する地域脱炭素の推進が期待されております。

こうしたなか、当社グループは、「総合エンジニアリング&サービス会社」として、新型コロナウイルス感染症拡大防止策を継続しながら、未来の社会インフラ(通信・エネルギー)を「創り・守る」、信頼あるグループであり続けるよう、当社グループ自身の働き方改革の進展とDXの推進による事業運営の効率化に取り組み、企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいりました。

また、当社は、気候変動が当社グループ事業に与えるリスクと機会を経営戦略に反映するとともに、適切な非財務指標の開示、脱炭素へ向けた取り組みと、事業を通して環境全般の課題を含めた社会全体への貢献に取り組むため、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明するとともに、TCFDコンソーシアムにも加盟いたしました。

NTT事業においては、高度無線環境整備推進事業による光ファイバ整備工事の増加により売上高の拡大に努めるとともに、設備運営業務の稼働効率化による利益率の改善を図りました。

マルチキャリア事業においては、5G関連サービスの拡大に向けたモバイル工事の増加や楽天モバイル向け工事の増加に加え、CATV工事の増加により売上高の拡大に努めるとともに、技術力・人材基盤の強化を目的に固定通信設備とモバイル通信設備の工事・保守を複合的に行えるマルチスキル技術者の育成に取り組みました。

環境・社会イノベーション事業においては、大型太陽光発電設備工事の減少はあったものの、電気・照明工事や空調工事の受注獲得に取り組み、受注高の拡大を図りました。

ICTソリューション事業においては、DC・クラウド工事の増加や海外においてラントロビジョングループによるグローバル事業の増加などにより売上高の拡大に努めました。さらに、中長期的なグローバル事業拡大を目的として、フィリピンにおいて通信タワー事業を営むLBS Digital Infrastructure Corp.に出資することを決定いたしました。

一方、株主還元の充実と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一環として、自己株式の取得(合計 248万株、50億円)を実施いたしました。

以上の結果、当期の連結業績につきましては、受注高は5,213億1千万円(前期比9.8%増)、売上高は4,703億8千5百万円(前期比1.4%増)、営業利益は328億4百万円(前期比8.9%増)、経常利益は341億5千2百万円(前期比7.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益については、政策保有株式の売却もあり、251億6千3百万円(前期比4.0%増)となりました。なお、営業利益率は7.0%、ROEは10.7%となりました。

当社は、2022年2月10日に公表しましたとおり、当社及び連結子会社である㈱ミライト、㈱ミライト・テクノロジーズとの3社の合併契約を締結し、2022年7月1日より株式会社ミライト・ワンとして新たなスタートをいたします。グループ間の意思決定の一層の迅速化や経営体制の効率化、経営資源の集中などを通じてコスト削減を図り、収益力を一層強化し、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。

 

報告セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。

 

[ミライトの業績]

ミライトは、継続的な新型コロナウイルス感染症拡大防止策や働き方改革(出社とテレワークのベストミックス)に取り組むなか、高度無線環境整備推進事業による光ファイバ整備工事の増加や5G関連工事の増加、環境事業における電気・照明工事等の増加やモバイル関連の工事部材等物販の増加により、受注高は2,337億3千5百万円(前期比1.8%増)、売上高は2,331億5千万円(前期比3.3%増)、営業利益は175億6百万円(前期比6.3%増)となりました。

 

[ミライト・テクノロジーズの業績]

ミライト・テクノロジーズは、高度無線環境整備推進事業による光ファイバ整備工事の増加やCATV設備構築工事の完工促進、携帯基地局工事や次期基幹系システム案件の増加に加え、データセンター建設関連工事等の拡大に取り組み、受注高は1,258億1千4百万円(前期比7.1%増)、売上高は1,234億円(前期比3.4%増)、営業利益は68億3千万円(前期比38.4%増)と創業以来最高益となりました。

 

[ラントロビジョンの業績]

ラントロビジョンは、一年を通して新型コロナウイルス感染症による各国の経済活動制限により事業運営は不安定となったものの、継続的に取り組んできた感染症拡大防止策を含めた事業継続運営とその対策コストの合理化に取り組み、受注高は226億6千3百万円(前期比18.2%増)、売上高は211億8千6百万円(前期比39.9%増)、営業利益は13億3千6百万円(前期比103.5%増)となりました。

 

[TTKの業績]

TTKは、高度無線環境整備推進事業による光ファイバ整備工事の増加、NCC系キャリア設備工事の拡大に取り組んだものの、電気事業及びICTソリューション事業における半導体等の工事部材の納入遅れの影響等により、受注高は350億9千9百万円(前期比9.2%減)、売上高は363億4千1百万円(前期比3.3%減)、営業利益は22億7千6百万円(前期比8.8%減)となりました。

 

[ソルコムの業績]

ソルコムは、高度無線環境整備推進事業による光ファイバ整備工事の増加や5G関連サービス拡大に向けた基地局整備計画の前倒しによるモバイル工事の増加などに加え、設備運営業務の生産性向上に取り組み、受注高は354億1千3百万円(前期比23.5%減)、売上高は434億2千8百万円(前期比5.1%増)、営業利益は26億8千2百万円(前期比29.4%増)となりました。

 

[四国通建の業績]

四国通建は、高度無線環境整備推進事業による光ファイバ整備工事や5G関連工事の拡大、大型インフラ基盤工事の増加があったものの、ICTソリューション事業におけるGIGAスクール等大型案件の減少に加え、半導体等の工事部材の納入遅れの影響等により、受注高は225億6千2百万円(前期比33.3%減)、売上高は251億4千5百万円(前期比26.7%減)、営業利益は24億4千1百万円(前期比29.3%減)となりました。

 

[当社(持株会社)の業績]

当社は、持株会社として、グループの経営戦略などの企画機能や、財務・IR・総務機能を担っていること等から、事業会社から経営管理料及び受取配当金を受領し、グループの経営管理や事業戦略の推進等を実施してまいりました。その結果、営業収益は166億5千2百万円(前期比19.6%増)、営業利益は144億3千5百万円(前期比18.6%増)となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

なお、当社グループが営んでいる事業の大部分を占める情報通信エンジニアリング事業においては生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。

また、「受注実績」及び「売上実績」については、当社の連結での受注及び売上の状況をセグメント別に記載しております。

 

a. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

ミライト

231,958

1.5

ミライト・テクノロジーズ

116,586

7.1

ラントロビジョン

21,973

14.6

TTK

35,017

△9.1

ソルコム

35,339

△23.6

四国通建

22,404

△33.6

西武建設

58,034

-

その他

-

-

合計

521,310

9.8

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  西武建設の受注高は2022年3月分から計上しております。なお、受注高には子会社化時点での繰越工事額を含めております。

 

b. 売上実績

当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(百万円)

前年同期比(%)

ミライト

231,425

3.0

ミライト・テクノロジーズ

113,880

2.4

ラントロビジョン

20,497

35.4

TTK

36,228

△2.8

ソルコム

43,365

5.2

四国通建

24,987

△26.9

その他

0

△75.0

合計

470,385

1.4

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

売上高
(百万円)

割合(%)

売上高
(百万円)

割合(%)

東日本電信電話株式会社

86,828

18.7

90,257

19.2

西日本電信電話株式会社

62,108

13.4

63,066

13.4

 

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、4,326億8千3百万円で前連結会計年度末比739億3千1百万円の増加となりました。内訳は、流動資産で前連結会計年度末比426億4千万円増加し、固定資産で前連結会計年度末比312億9千1百万円増加しております。流動資産は完成工事高の増加に伴い完成工事未収入金が増加し、固定資産は西武建設株式会社の株式取得に伴うのれんの計上により増加しております。なお、西武建設株式会社の株式取得に伴い、流動資産が479億5千6百万円、固定資産が55億7千1百万円増加しております。

負債は、1,834億4千6百万円で前連結会計年度末比560億1千8百万円の増加となりました。内訳は、流動負債で前連結会計年度末比556億6千4百万円増加し、固定負債で前連結会計年度末比3億5千3百万円増加しております。主な要因は、工事未払金等の買掛債務の増加や、短期借入金の増加によるものであります。なお、西武建設株式会社の株式取得に伴い、流動負債が152億1千1百万円、固定負債が53百万円増加しております。

純資産は、2,492億3千7百万円で前連結会計年度末比179億1千3百万円の増加となりました。これは配当金の支払いや、自己株式の取得があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益251億6千3百万円の計上等により利益剰余金が205億7千5百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は56.0%(前連結会計年度末は63.1%)となり、1株当たり純資産は2,446.54円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して60億4千9百万円増加し、489億1百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額144億2千9百万円等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益375億4百万円を計上したこと等により、129億7千2百万円の増加(前連結会計年度は416億2百万円の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、西武建設株式会社の株式取得による支出434億1千万円により、462億4百万円の減少(前連結会計年度は18億6千9百万円の増加)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出50億3百万円及び配当金の支払額47億9千4百万円があったものの短期借入金の純増減額499億2千万円による資金の増加があったことにより383億9千5百万円の増加(前連結会計年度は322億円の減少)となりました。

 

(4) 資本の財源、資金の流動性に係る情報

①財務政策

当社グループは、安定した財務基盤と資本効率の両立を基本方針とし、新たな事業機会を創出するとともに事業構造の転換を加速させ、企業価値向上に努めます。そのため、健全な財務体質を維持しつつ資本コストを意識し、戦略的に経営資源を配分してまいります。また、株主還元については、総還元性向50%を目線に、資本政策および業績・資金状況等を勘案し総合的に判断してまいります。

 

②資金需要

当社グループの資金需要は、経常運転資金として工事に係る材料費・外注費及び労務費等があり、投資活動に関する支出として、事業用資産取得にかかる設備投資資金、今後の成長に向けたM&A等の投融資資金があります。

また、総還元性向50%を目線に、安定的・継続的な配当の成長と機動的な資本政策として自己株式取得を行う等、株主還元にも当社グループのキャッシュフローを充当してまいります。

 

③資金調達の方法・状況

資金調達については、内部資金を基本としており、キャッシュマネジメントシステム(CMS)導入によってグループ資金の有効活用を図っておりますが、一時的に必要となる資金については、金融機関からの短期資金調達にて対応しております。また、緊急時やM&A等の成長投資に向けた資金需要に備え、適正な手元現預金の確保に努めるとともに、金融機関とのリレーションを維持強化し短期資金借入枠を設定しているほか、外部格付の取得を行う等、資金調達体制の構築に努めております。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、損益又は資産の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。

 

(一定の期間にわたり認識される完成工事高の計上及び工事損失引当金の計上)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢等の影響に関する会計上の見積り

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やウクライナ情勢等に伴う影響については、先行き不透明な時期が継続するものと予想されますが、翌期における当社グループの(中期)経営計画を推進する環境に与える影響は、現時点では軽微であると判断し、繰延税金資産の回収可能性やのれんの減損の判断等の会計上の見積りを行っております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年1月27日開催の取締役会において、株式会社西武ホールディングスの連結子会社である西武鉄道株式会社が保有する西武建設株式会社株式の95%を取得し子会社化することを決議し、西武鉄道株式会社と同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 注記事項(企業結合等関係) 西武建設株式会社の株式取得」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動につきましては、事業会社を中心に行っております。当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は140百万円であります。セグメントごとの主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

[ミライト] 

研究開発活動を支える組織として技術開発本部があります。当本部は事業本部・支店と連携し、(1)工事施工の効率化や安全・品質の向上に資する技術開発、(2)新規事業開拓に資する技術開発、(3)全社の知的財産の管理を行っております。

研究開発費は86百万円であります。

 

(1)施工技術開発関連

・道路上の工事規制エリアへの車両飛び込みによる人身事故の被害低減を目的に、現場作業員に警告するドップラー式デジタルレーダーシステム「ドレミ®」を開発し2017年4月より販売しておりますが、TOKYO 2020 パラリンピックのマラソン用ガイドライン(走路を示す路面上の線)を敷設する工事で安全確保のため使用されました。

・土木工事の効率化を目指して「地中探査レーダー」の共同研究を仙台高等専門学校と継続し、AIによるレーダー画像の鮮明化および埋設物の判別の研究を進めました。成果の一部は学会、論文で発表しました。

・作業員の作業前の健康状態を数値で客観的に判断するために「理学療法手法」を使用することについて社外の研究機関と共同研究を実施し成果を展示会で発表しました。

 

(2)新規事業開発関連

・太陽光発電システムのメインテナンスビジネス拡大に向けて、当本部で開発した太陽電池モジュール劣化診断装置「SolMaster® (ソルマスター)」を活用して、支店の新規事業として立ち上げた太陽光パネル洗浄サービスを支援しました。

・グリーン電力事業の拡大に向けて、施工後一定年数を経過した太陽光発電所の設備更改(リパワリング)に有効となる市販のパネル出力最適化装置を活用した設計手法と発電量シミュレーション技術を確立しました。

・弊社が蓄積した通信ケーブル工事のノウハウを生かし、光ファイバセンサケーブルに関連する工事を受注いたしました。今後の新規事業として拡大していきたいと考えております。

 

(3)知的財産関連(2021年4月1日~2022年3月31日)

・特許(出願2件、登録3件)、商標(出願2件、登録2件)を行いました。

 

 

[ミライト・テクノロジーズ]

研究開発活動を支える組織としてハイパーテクノポートセンタがあり、NTT事業本部内の各技術センタと連携して主に工事施工の効率化や安全・品質の向上に資するインフラ技術を中心に開発を行っています。

研究開発費は37百万円であります。

 

ネットワークエンジニアリング事業関連

(通信線路関連)

(1)通信事業会社により提案内容に対し、即時採用と判断されたVE提案は1件あり、本内容に基づいた技術資料発出により全国の通信建設会社に向けて展開が図られます。・電磁誘導防護カバーの開発(架空線路の支持体引留箇所における電磁誘導を防護するカバー)

・TMライニング工法の適用拡大(管内漏水が著しい不良管の非開削補修の施工方法)

(2)通信事業会社により提案内容に対し、通信建設会社の裁量により導入判断を認めるVE提案は2件あり、通信建設会社にて取り組み展開を図っていきます。

・鋼管柱銘鈑の識別性向上(識別性を向上させた鋼管柱銘板(他通建会社共同提案))

・交通誘導員の機械化(交通誘導員の配置人数を減らせるための機械化した交通誘導員の提案(他通建関西4社と共同提案))

<参考>

 『VE提案』とは、バリューエンジニアリングの略称で作業の効率化、コスト削減等への積極的な取組みにより、電気通信設備請負工事におけるサービス生産性の向上を図ることを目的としたお客様の制度です。

 

[ラントロビジョン]

該当事項はありません。

 

[TTK]

研究開発活動を支える組織としてエキスパートセンタがあり、事業本部・支店と連携し、電気通信工事事業の生産性、品質の向上及び安全確保のため、作業に必要な機械・工具・測定器等各種装置の開発に取り組んでおります。

研究開発費は4百万円であります。

 

(1)2条引留金物への引留柱用絶縁金物適用拡大

アクセス工事において、「2条引留金物」が使用されている線路に対し絶縁対策を実施する場合、引留柱用絶縁金物のサイズが合わず使用できないという課題がありました。

そこで、2条引留金物の付属ボルトの取替え、バンド固定部へ専用のスペーサ追加により、引留柱用絶縁金物を取り付け可能とすることで、既設架渉形態を維持しながら絶縁対策が可能となり、 バンド取替えや電柱建替えに係る材料コスト、設計・施工稼働の削減が可能となります。

 

(2)簡易補修用マンホール鉄蓋開閉・回転装置

マンホール簡易補修業務(不良鉄蓋の解消)において、裏側の堆積物、錆こぶを除去する際、鉄蓋の重量の関係から、鉄蓋を裏返すことなく作業を行っていたため、完全に除去することは困難でした。
 そこで、鉄蓋を簡単かつ安全に開閉・回転できる装置を開発しました。これにより、鉄蓋裏側の堆積物、錆こぶが確実に除去可能となるとともに、経年劣化により再度不良設備になるまでの期間を長くする効果も期待できます。

 

 

[ソルコム]

研究開発活動を実行する組織としてE&S事業改革PTがあります。特に近年は施工品質の確保や現場作業の効率化を目的にデジタルツールの自社開発等DXによる業務効率化に取り組んでおります。

研究開発費は13百万円であります。

 

(エンジニアリング事業関連)

・設計支援システムの改善と間接業務の効率化ツールの開発

   当社ではアクセス工事の上流工程である設計業務における作図後の設計図面から自動で工程抽出する設計支援システムを自社開発し、今年度は受注環境の変化や利用者の利便性向上を目的に設計支援システムの改良や現場でのタブレット利用による設計業務の更なる効率化を図るツールを開発しました。

 

[四国通建]

該当事項はありません。