文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やウクライナ情勢等に伴う影響については、当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を及ぼす可能性がある事象が発生していないことから、軽微であると判断しております。
当社グループは、2022年7月の経営統合において、Purpose(存在意義)とMission(社会的使命)を再定義いたしました。従来の事業やサービスをしっかり育てながら、今後の成長分野を「みらいドメイン」と定め、街づくり・里づくりや企業DX・GX、グリーンビジネスへの参入やグローバル事業の拡大等に注力していくことで一層の事業成長の加速を図りつつ、お客様や社会の課題解決、地域活性化の支援に取り組むことで、企業価値の向上と持続的な成長を図ってまいります。
Purpose(存在意義)
技術と挑戦で「ワクワクするみらい」を共創する
Mission(社会的使命)
・ お客様の期待にお応えし、豊かな社会の実現に貢献する
・ 常に技術とビジネスモデルを磨き、高い付加価値を創造する
・ パートナー会社と協力し合い 「みらいのインフラ」を創り守り続ける
・ 多様な社員がいきいきと働く「魅力的な企業グループ」であり続ける
・ サスティナビリティとコンプライアンスを重視し、社会の信頼に応える
当社グループを取り巻く事業環境は、通信キャリアのインフラに関わる設備投資は中長期には減少トレンドにあり、今後も投資の中身がソリューション系にシフトしている流れは進むと予想されます。
一方、デジタル田園都市国家構想の実現に向け、全国的なデジタルインフラの基盤整備や、地方におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されております。さらに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた地方創生に資する地域脱炭素の推進、グリーントランスフォーメーション(GX)に対するニーズの高まりに加え、近年、激甚化する自然災害に対する地域のレジリエンス向上が求められております。
このような環境のなか、当社グループは、新たに再定義したパーパス、ミッションのもと、幅広い社会インフラ領域における様々な社会課題の解決にこれまで以上にしっかりと貢献できる企業グループへと進化していくことを目指し、2030年に向けた新たな事業ビジョンとして、『MIRAIT ONE Group Vision 2030』を策定いたしました。合わせて、2022年度を初年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定しており、これを達成することを目標といたします。
〔『MIRAIT ONE Group Vision 2030』および新中期経営計画〕
『MIRAIT ONE Group Vision 2030』における経営戦略(概要)
『MIRAIT ONE Group Vision 2030』においては、我々が「変わり」、未来が「変わる」をキーワードに、成長戦略として5つの事業変革(5Changes)を柱としております。
◇ Change1「人間中心経営」
・みらいカレッジ (「学び」と「つながり」を提供する“事業構造改革の原動力”)
・社員にとって働きやすい職場づくりと心身の健康を守る「健康経営」
・With コロナへの“ミライト・ワン流”働き方改革
◇ Change2「事業成長の加速」
・人財成長による事業成長に戦略的に取り組み、成長分野である「みらいドメイン」にグループ内のリソースを有機的に組み合わせて結集(フルバリュー型モデルへの事業構造改革の推進)
◆街づくり・里づくり事業(地方創生事業)や、企業のDX とグリーン化推進事業(GX)の加速
◆脱炭素化に貢献するグリーンエネルギー事業の拡大
◆顧客のDX に貢献するSI 事業の強化(戦略子会社化)
◆海外のデータセンタ関連事業やインフラシェア事業を推進するグローバル事業の強化
・既存事業の顧客基盤を強化 (顧客の拡大、顧客の成長への対応)
◇ Change3「利益性トップクラス」
・3社統合による徹底した集約・効率化による経営基盤の強化
・業務運営の抜本見直しとデータインサイトの活用による効率化
・グループ連携の推進による既存オペレーションとコストの見直し
◇ Change4「データインサイトマネジメント」
・ナレッジベースのデータ環境整備、営業アプローチの最適化(攻めのDX)
・バリューチェーン改革、スマート施工、BPO/RPA・ロボティクス活用(守りのDX)
・エキスパートおよびコア人財の育成、全社リテラシーの向上(DX 人財の育成)
◇ Change5「ESG 経営基盤強化」
・温室効果ガス削減目標(SBT)の達成に向けた取り組み
・ミライト・ワン パートナー会による社会価値の共創
・監査体制充実と三線ディフェンスによる監査機能強化
・新たなグループマネジメント体制によるコーポレートガバナンス強化
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下、「KPI」という。)として、第5次中期経営計画において、売上高、みらいドメイン比率(※)、営業利益(率)、ROE(自己資本利益率)、EPS(1株当たり当期純利益)を採用し、2026年度における目標を売上高7,200億円以上、みらいドメイン比率40%以上、営業利益(率)7.5%以上、ROE10%以上、EPS年成長率10%以上に設定しております。
(※)売上高に占めるみらいドメイン(事業成長を目指す分野)の比率
当該KPIを採用しているのは、株主をはじめとする全てのステークホルダーが、当社グループの経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であるとともに、その進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能であるとの認識によるものであります。
なお、営業利益及びROEについては、グループ会社の業績並びに企業価値向上への貢献意識を高めるため、導入している業績連動型株式報酬制度「株式給付信託」における付与ポイント算定のための指標にも採用しております。
(注)当該KPIの各数値については、本報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
当社グループは、「(2) 会社の経営環境と中長期的な経営戦略」に記載のとおり、事業環境の変化に対応した事業運営を推進していく必要があり、昨年度、新たに再定義したパーパス、ミッションのもと、これまで以上に幅広い社会インフラ領域における様々な社会課題の解決に貢献し続ける企業グループへ進化していくことを目指しております。2030年に向けた新たな事業ビジョン『MIRAIT ONE Group Vision 2030』においては、5つの事業変革(5Changes)に取り組むこととしており、昨年度の主な取り組みとして、昨年7月に開校したみらいカレッジを進展させリスキリング促進によるマルチ資格取得者の育成や、グリーンエネルギー事業の取り組みの強化、西武建設㈱とのシナジーによるフルバリュー型先進事例の共同推進などを進めてまいりました。
今後も、未来の社会インフラを「創り・守る」、信頼ある企業グループであり続けるよう取り組んでまいります。
なお、東京証券取引所より要請されている「資本コストや株価を意識した経営の実現」については、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向け、これまでの施策も踏まえた検討をしております。取締役会での議論を踏まえて当社ホームページにて公表させていただく予定です。
当社グループのサスティナビリティに関する考え方及び取組は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サスティナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループでは、代表取締役社長を委員長とするESG経営推進委員会が、ESG経営全般にまつわる基本方針や戦略の策定、重要課題の特定や各種環境イニシアティブへの対応等を実施しています。
また、2022年7月からは、コンプライアンス担当役員を委員長とする「リスク管理委員会」「コンプライアンス委員会」および「人権・D&I委員会」をESG経営推進委員会のもとで運営する体制としております。
リスク管理委員会ではリスク管理を効果的・効率的に実施するための方針・体制等を審議・決定し、コンプライアンス委員会では当社グループのコンプライアンス上の問題となる事例の報告・是正やコンプライアンス意識向上施策等の検討を実施しております。人権・D&I委員会では人権に関するリスク状況の報告や対処する課題、D&Iの推進等にまつわる議論・検討を実施しております。

(2)重要なサスティナビリティ項目
上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサスティナビリティ項目は次の通りであります。
①気候変動に対する取組み
■ガバナンス
ESG経営推進委員会を2021年9月に設置後、マテリアリティの1つである「環境にやさしい社会をつくる、まもる」を取締役会と経営会議の審議を経て決議したほか、脱炭素社会の実現への貢献を本格化するべく、中期経営計画KPIのひとつである「温室効果ガス排出量削減目標(2030年度)」を設定し、進捗をモニタリングする体制を整備しました。
2022年度はESG経営推進委員会を計5回(内、ミライト・ワン発足後は計4回)開催し、SBTi(Science Based Targets initiative)へのコミットメントレターを提出して、当社の作成した2030年温室効果ガス排出量削減目標がSBT(Science Based Targets:科学的根拠に基づく目標)として認定されました。
また、2022年7月ミライト・ワン発足後、ESG経営推進委員会の構成、運営スケジュールを作成し、具体的なGHG排出量の削減状況と削減施策を議論、各種ESG格付機関からの評価対応と結果の分析を実施しました。
■リスク管理
企業集団としてのリスク管理の基本方針と推進体制を「リスク管理規程」により定めるとともに、リスク管理計画に基づき、様々なリスクに対し的確に対応しています。
気候変動関連のリスクと機会についても、ESG経営推進委員会が主管となり、気候変動に伴う外部・内部環境の変化をモニタリングし、事業に影響を与える気候変動のリスクと機会を洗い出しています。
洗い出されたリスクと機会については当社グループへの影響度等も評価・分析し、影響度の高いリスクと機会を特定しています。その後、取締役会および経営会議にて審議した上で全社のリスクと機会として組み込んでいます。
■戦略
当社グループは、リスクと機会の管理プロセスのもと、2℃未満(1.5℃等)と4℃シナリオを参照し、将来的に発生しうる気候変動関連のリスクと機会を分析しました。その結果、脱炭素社会への移行(政策・法規制/市場・評判)により、今後想定される事象による影響および気候変動による物理的(急性/慢性)影響が顕在化すると評価しました。
これらのリスクに対して中期経営戦略を見直し、「事業を通した脱炭素社会の実現」が重要課題であることを再認識しました。また、当社事業の関わりとして、スマートインフラ/エネルギーソリューションの需要拡大を今後見込まれる機会として特定しました。
2℃未満の目標(1.5℃等)が達成される未来: 急速に脱炭素社会が実現するシナリオ
平均気温4℃上昇する未来:物理的影響が顕在化するシナリオ
また、経営陣のESGへの取り組み意識の向上を目的に役員報酬制度を改定し、従来からの業績連動報酬の指標である「連結営業利益」「連結ROE」に加え、非財務目標の「温室効果ガス排出量」を2022年度より新たな指標として導入しました。
■目標
2021年度に、2030年度に向けた温室効果ガス排出量削減目標を設定しています。2023年2月には科学的根拠に基づいた目標として、SBTi(Science based Targets initiative)よりSBT認定を受けました。また、中期経営計画においても非財務目標として設定することで、脱炭素における当社事業の成長機会を着実に取り込んでおります。
■実績
2020年度、および2021年度の温室効果ガス排出量実績は以下の通りです。
なお、2022年度の温室効果ガス排出量実績については、現在算定中であり、弊社Webサイト
②人的資本に関する取組み
<人財育成方針>
新事業戦略として5つの事業変革「5Changes」を掲げている中から、Change1「人間中心経営」へ注力している当社は、価値創造の源泉である人的資本への投資を拡充しています。
特にChange2「事業成長加速」のため、事業成長戦略として『成長分野への事業シフトの加速』『既存事業のDX改革を促進』を図るため、みらいカレッジをプラットフォームとしてリスキリング等により『戦略的な人財育成』を展開し、成長分野への人財流動の促進を図ります。また、マクロCDP(事業戦略)とミクロCDP(社員CDP)を対話によりマッチさせるプロセスにより、社員が安心感とワクワク感を持って新しい事業分野へ挑戦できるように育成する方針です。
また、人財育成を支えるためにミライト・ワン流スマートワークライフスタイル改革を進め、社員のリスキリングのための時間を生み出すとともに、D&I施策を進め、多様な社員が参画できる働き方を進める考えです。
<社内環境整備方針>
Change1「人間中心経営」をベースとした社内環境の整備として、ミライト・ワン流スマートワークライフスタイル改革を進めるとともに、リスキリングの手段として2022年7月に設立した「みらいカレッジ」の拡大充実(裾野の拡大:パートナー企業への展開加速、事業戦略に沿った講座拡充、戦略的な学びの充実:成長分野(みらいドメイン)創出を支える育成、リアルキャンパスの設備充実等)やJOB型・社内副業等の人事制度の創設、戦略的な他企業への出向や海外トレーニー制度の整備など、「自発的な学び」から「戦略的な学び」を行える環境を整えていく方針です。
<人財育成に関する取組み>
■未来を変える人財の育成に注力
中期経営計画におけるChange1「人間中心経営」に注力するミライト・ワン グループは、価値創造の源泉である人的資本への投資を拡充しています。
特に、Change2「事業成長の加速」において今後の成長分野として位置づけるみらいドメイン(街づくり・里づくり/企業DX・GX事業/グリーン発電事業/ソフトウェア事業/グローバル事業)およびフルバリュー型モデルの強化・拡大にあたっては事業構造改革が必須であり、これを担う人財集団の形成に向けて、「内部人財の戦略的強化」と「外部人財の積極的登用」を行っていきます。
内部人財の戦略的強化では「モバイル」「クラウド」「再生可能エネルギー」「企画提案」「プロジェクトマネジメント」といった複数のスキルを個々の人財が身につける「マルチスキル化」のほか、「データインサイト活用スキル」「DXスキル」等を強化するべく、2022年7月に企業内大学「みらいカレッジ」を開学しました。リアルキャンパス(千葉/埼玉/兵庫)とデジタルキャンパスからなるみらいカレッジは、「テクニカル学部(技術力)」「マネジメント学部(管理能力)」「ソーシャル学部(社会力)」の3分野で2023年3月末現在、約180講座を提供し、当社グループおよびパートナー会社を含む1.4万人規模の利用登録者数となっています。個々人が確実にスキルを修得するためにLMS(Learning Management System)による学習管理とサポートを行うほか、ビジネスチャット機能や動画投稿による情報交換といったコミュニティ機能も拡充し、会社の枠にとらわれない交流を促進し、自発的な学びから戦略的な学びを行える環境を整備しています。
また、外部人財の積極的登用においては、みらいドメインやフルバリュー型モデルなど成長分野を強化するための中途採用を拡大するため、JOB型等の新しい人事制度を設ける他、M&A等を通じた人財獲得を図ります。
これら一連の人的資本への投資の実効性を高めるため、中期経営計画における非財務目標として、2026年度のマルチ資格取得者率50%以上の目標を制定しました。
■人財育成体系
前述を含む当社グループ全体の人財育成体系は、事業展開に必要な専門能力を高めていくための「分野別モデル体系」と、階層ごとに共通的に求められる知識等の修得を図る「階層別育成体系」で構成することで、社員一人ひとりの成長を支援し、今後の事業成長を支える人的資本の強化を計画的に推進しています。
具体的には、入社直後の導入研修から幹部社員研修に至るまで、各階層で期待される役割やキャリアステージに応じて身につけるべきスキルやナレッジを修得できるよう設計しています。なかでも新入社員向けについては、理系・文系を問わず活躍できるよう特に充実した教育研修体系を準備しています。また、面談制度を整備し、マクロCDP(事業戦略)とミクロCDP(社員CDP)を対話によりマッチさせるプロセスにより、各種資格取得への積極的なチャレンジを促すとともに、難易度に応じた報奨金制度を設け、個々の社員の成長意欲に応えるとともに、成長分野への人財シフトを図っていく考えです。
■メンタリングプログラム
新入社員を対象にメンタリングプログラムを導入しています。配属部署における上司とは別に指導・相談役となる先輩社員(メンター)を任命し、対話による気づきと助言によって新入社員(メンティ)の自発的・自律的な成長を促す仕組みとしています。定期的な報告を受けてのフィードバックや月例面談を通じ、新入社員だけでなく、メンターを務める先輩社員も成長できるプログラムとしています。
■次期の経営マインドを育成する「未来塾」
次世代経営幹部の計画的育成を目的として、2020年7月に「未来塾」を創設しました。ワークショップやディスカッション主体の研修プログラムを通じて会社経営に関する視野を広げ、自社の経営課題について具体的な解決策を検討することにより経営者に相応しい対応能力を高めるほか、研修チーム内・チーム間の議論や検討を通じて自らが未来のミライト・ワンの経営を担うというマインドを醸成します。なお、2023年度からは主要グループ会社も参画しています。
■海外事業拠点における研修プログラム
海外拠点においても、現地社員向けに様々な研修を行っています。例えばLantrovisionグループでは、人財育成・研修の専任担当者を任命し、構内ケーブルの設計・施工・テスト等の基本的な研修から、入札・見積・契約といった実践的な研修まで幅広いプログラムを用意し、社員のスキルとモチベーションの向上を図っています。また、各ケーブルベンダーの認証資格を積極的に取得することで品質管理を強化し、顧客満足度の向上や事業競争力の強化に努めています。
■目標・実績 (人財育成関連)
2年前に定義した現行のマルチ資格取得率はキャリア事業が主体であり、弊社の事業戦略である成長分野への事業構造転換をより一層加速させる観点から、現行の定義をミライト・ワン グループ全体の視点で見直し中のため、22年度実績調査は当社単体のものを記載しております。
※主要グループ会社を含めたミライト・ワン グループ全社の視点であらためて成長分野の事業戦略を鑑みつつ、2023年度は現行定義の①分野、②資格名を拡大する方向で見直す予定です。
2022年3月末時点のマルチ資格保有者比率(2分野にまたがるマルチスキル資格保有率)は26.6%<1,068名>でありましたが、2023年3月末時点は25.6%<1,126名>と退職者等により率は若干減少しております。
<働き方改革、健康経営の推進>
■トップの主導による健康経営を推進
マテリアリティのひとつである健康経営の推進に注力し、中期経営計画のChange1「人間中心経営」の根本に健康経営を据えている当社グループは、これら取り組みの実効性をさらに高めるべく、2022年7月に「ミライト・ワン グループ健康経営宣言」を制定しました。代表取締役社長の主導による健康経営を推進していきます。
■健康管理の支援
全社員を対象とする定期健康診断のほか、特定年齢での人間ドックや特定保健指導等を実施し、社員の健康管理に役立てています。また、国内各地の保養施設の提供によるリフレッシュの機会づくりや、健康保険組合によるウォーキングイベント等の健康増進施策も継続的に実施しています。
■メンタルヘルス
厚生労働省が義務付けている「ストレスチェック制度」は社員自身のストレスへの気づきや職場改善を通じて、メンタル不調となることを未然に防止する一次予防を目的としています。当社グル-プは同制度の義務化に先立ってメンタルフォロ-体制(相談窓口等)を整備し、ストレスチェック実施後の集団分析を踏まえ、部門ごとのメンタルヘルス研修を実施して職場改善につなげることで、メンタル不調の未然防止に努めています。
■メンタル不調による病気休職者の復職支援
メンタル不調による傷病休暇・傷病休職にある社員に対しては、メンタルヘルス推進担当者によるサポートをはじめ、休業開始から復職後のフォローアップまで全面的に支援しています。休業中はリワーク施設を活用した「リワークプログラム」を実施し、復職の意思表示があった場合には主治医による診断をもとに、産業医・会社と連携しながら復職審査委員会にて復職の判断を行います。復職後は、短時間勤務の励行や時間外勤務の制限等、就業上の配慮を行っています。
■働きやすい労働環境の整備
当社グループは、労働基準法をはじめとする労働関係法令の遵守はもとより、社員の働き甲斐に資するよう、労働関係法令を上回る処遇制度を設けています。また、同一労働・同一賃金の考えを尊重し、非正規社員も正社員と同等の待遇となるよう、特別勤務手当や時間外勤務手当等を正社員と同じ割増率で支給するほか、特別休暇の付与や社員への登用等を実施しています。
■ミライト・ワン流スマートワークライフスタイル改革の推進
当社グループは、昨今の労働市場の変化や事業環境の変化に対応しつつ持続的成長を図るため、「ミライト・ワン流スマートワーク・ライフ宣言」を制定しています。当宣言に基づき、①多様なライフスタイルに対応した時間と場所に拘らない働き方の推進、②リスキリングのための仕組みの整備、③外部人財の獲得、多様な人材の確保、④健康経営推進などからなるワークライフスタイル改革を、整合的・統合的に進めています。
■「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定
当社は2023年3月、「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定されました。
「健康経営優良法人」認定とは、経済産業省による環境整備施策の一環であり、「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」が社会的に評価を受けることが出来、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度となります。
<人権尊重とダイバーシティ&インクルージョンの推進>
■人権尊重
人や社会と共存するより良い環境づくりを最大のミッションとし、お客様から最高の満足と信頼を得られるようグループ全体で取り組んできたミライト・ワン グループは、企業活動に関わる全てのステークホルダーの人権を理解し、グループ全体で人権尊重の責任を果たすことが、今後の持続的な成長と企業価値向上に不可欠であると考えています。
■ミライト・ワン グループで人権基本方針を制定
前述の基本認識のもと、マテリアリティのひとつである「人権尊重とダイバーシティ&インクルージョンの推進」に注力している当社グループは、人権尊重へのコミットメントを強く発信し、グループ内での認識をより明確にするとともに、様々なステークホルダーと協働してあらゆる企業活動における人権尊重の行動を進めていくため、2022年7月に「ミライト・ワン グループ人権基本方針」を制定しました。当社グループの全社員が本方針に基づき、あらゆる事業活動の根底に人権尊重の意識をもって行動し、広く社会の皆様から信頼される企業を目指すとともに、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
■推進体制
あらゆる企業活動に関係する人権課題について全ての役員・従業員の理解・浸透を図るため、代表取締役社長を委員長とする「ESG経営推進委員会」のもとに「人権・D&I委員会」を設置しています。同委員会では人権やダイバーシティに関するリスク状況の報告と対処する課題、施策等を議論し、人権マネジメントの強化やダイバーシティ&インクルージョン施策の推進に取り組みます。
■具体的取り組み例
当社グループは、児童労働や強制労働を行わせることはなく、労働者の権利保護に留意し、法で定められた最低賃金以上の賃金としているほか、経営状況が極めて悪化した場合においても最大限社員の雇用維持に努め、これまで指名解雇や整理解雇を実施したことはありません。
また、人権意識の啓発・向上のための階層別研修やコンプライアンス推進活動によってハラスメント行為の禁止等に取り組むとともに、「コンプラ目安箱」「なんでも相談室」「社外通報窓口」の3種のヘルプラインを設置し、通報者保護に配慮した上で問題解決に向けて対応しています。
■労使関係
当社グループは、労使の相互信頼を基盤とし、企業の発展と従業員の労働条件の維持・向上を図るため、定期的な労使協議の機会を設け、安定した労使関係の構築に努めています。積極的な事業運営を行い、企業の健全な発展を図るため、事業計画やその他の重要課題について労使で意見交換を行う情報連絡会や労働時間適正化委員会を定期的に開催しています。
■多様な社員がいきいきと働く「魅力的な企業グループ」であり続けるために
当社グループは、年齢、性別、学歴、国籍、障がいの有無、性的指向、性自認等に関わらず、個性を尊重し、もてる能力を最大限に発揮できる職場環境づくりを推進しています。
多様な視点や価値観を企業経営に活かすため、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する専門組織「ダイバーシティ&インクルージョン推進室」を総務人事本部に設置し、個々の人財の特性や能力を最大限に活かせる職場環境の整備や、マネジメント層の育成等に注力しています。
マテリアリティのひとつであるダイバーシティ&インクルージョンを重要な取り組みとして位置づけているほか、各ステークホルダーに向けて当社の姿勢を明文化したMissionにおいても、『多様な社員がいきいきと働く「魅力的な企業グループ」であり続ける』を掲げています。
加えて中期経営計画Change1「人間中心経営」の一環として、外国人技術者含む多彩な人財集団の形成に注力しています。
これら一連のダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みをさらに発展させるべく、2022年12月「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を制定しました。個々を尊重し、組織の力とする企業風土の実現に向け、ダイバーシティ&インクルージョンを推進してまいります。
■女性社員の活躍推進
女性が幅広い分野における能力の発揮やキャリア形成ができるよう、その目的に沿った行動計画を策定するとともに、新卒採用における女性比率や女性管理職数等において具体的な数値目標を設定し、達成に向け取り組んでいます。なお、連結グループに属する全ての会社で数値目標を設定しているわけではないため、連結グループにおける記載が困難であります。
このため、下記の目標及び実績は当社単体のものを記載しております。
■目標・実績 (女性活躍推進)
※女性管理職数については、当社は2022年7月1日の㈱ミライト・ワン発足後、定期昇格時期を迎えておりませんので、現時点では増減なしとなっております。
※管理職に占める女性労働者の割合の実績は、「第1企業の状況 5従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
■キャリアと育児・介護の両立支援
ワーク・ライフ・バランスや、キャリアと育児・介護の両立支援による就労環境の整備も積極的に進めており、社員が長く安心して働き続けられるよう、子どもが3歳に達するまで取得できる育児休業のほか、小学校3年生修了まで利用できる短時間勤務制度を設けるなど、出産や育児、介護をはじめとするライフイベントに合わせて活用できる制度を、法で定める基準を上回る内容で整備しています。
2022年度末現在で、当社の女性社員の育児休業取得率は100%、男性の育児目的休暇を含めた育児休業取得率は78%となっています。取得率の維持とさらなる向上に向けた取り組みを進めるとともに、育児休職者がスムーズに復職し活躍できるよう、休職中における会社動向等の情報提供、復職前の面談等のサポート施策を実施しています。
■シニア人財の活躍支援
日本の少子高齢化の進展に対応し、通信建設業に必要な高度技術の有資格者であるシニア人財の活躍を支援すべく、定年後再雇用制度を定め、希望者が引き続き活躍できる環境を整備しています。
また、一定年齢以上の社員を対象にライフプランセミナー等を開催し、社員の雇用延長後の働き方や資金計画等についても支援しています。
定年後の再雇用状況(2022年度末現在)
※㈱ミライト・ワン、㈱TTK、㈱ソルコム、四国通建㈱、西武建設㈱、㈱ミライト・ワン・システムズの6社平均
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
①特定取引先への依存に伴うリスク
当社グループの主たる取引先は、NTTグループをはじめとする通信事業各社であり売上高に占める割合が高く、通信事業各社の設備投資動向や技術革新等によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、通信キャリア事業からソリューション事業への事業構造の転換と新たな成長分野として位置付ける「みらいドメイン」へのシフトを加速し、従来の事業分野や技術の枠組みを超えた新たな事業機会の創出に向けた取組みを進めております。
②安全・品質に関するリスク
重大な事故等による不測の事態や品質に重大な問題を発生させた場合、取引先からの信用を失うとともに営業活動に制約を受けるなど当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは安全や品質に関する統合マネジメントシステム等を活用し、お客様に信頼、評価される高品質なエンジニアリングとサービスをお届けできるよう安全・品質管理にグループ一体となって取り組んでおります。
③重要な情報の管理に関するリスク
事業活動を通して、取引先からの技術データ・個人情報等の重要な情報を入手することがあります。予期せぬ事態により情報が流出や悪用された場合には、取引先からの信用を失うとともに損害賠償責任の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループではISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を活用し、グループ一体となって情報漏洩防止を徹底しております。
④取引先の信用不安に関するリスク
取引先の信用不安が発生した場合は、工事代金の回収不能や工事の施工遅延等が生じ当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループは外部調査機関等を利用した取引先の与信管理と、法務担当による契約書審査を行う等により信用不安リスクの回避に取り組んでおります。
⑤資材の調達・価格上昇に関するリスク
自然災害、戦争やテロ、新型の感染症の流行などにより、資材の供給が困難または納入遅延の発生のほか、原材料や資機材、エネルギーの価格高騰により建設コストが上昇した場合は、工事が中断または遅延するなどの影響のほか、発注者による投資抑制や判断の先送りなどにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
そのため、当社グループでは物品不足が生じていない工程を優先的に進めるなど、工期延伸を最小化するための工程管理を綿密に行っています。また、建設コストの上昇については、原材料価格上昇時の条件の契約条項への盛り込み、工事価格への転嫁等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。
⑥保有資産に関するリスク
事業運営上の必要性から有価証券等の資産を保有しておりますが、著しい時価の変動等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、定量的・定性的検証を通じ保有意義が希薄と考えられる有価証券等は段階的に縮減し、時価変動リスクの回避に取り組んでおります。
⑦自然災害等に関するリスク
大規模災害や感染症の大流行等により当社グループの従業員、協働者、設備等への直接被害のほか、ライフラインの停止、燃料の不足等、不測の事態が発生した場合は、工事が中断または遅延するなど当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは地震等の自然災害や感染症が発生した場合に備え、BCP(事業継続計画)の策定、社員安否確認システムの構築、防災訓練や新しいワークスタイルへの移行等各種対策を講じております。
⑧海外事業に関するリスク
当社グループでは、アジア、オセアニアを中心とした諸外国で事業を展開しており、進出国での政治・経済情勢、為替や法的規制等に著しい変化、感染症の大流行や資材価格の高騰及び労務単価の著しい上昇等が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、グループ内での情報収集、進出国の適度な分散等により、その予防・回避に努めております。
⑨気候変動に関するリスク
地球規模での気候変動による問題が顕在化してきており、企業においても温室効果ガス排出量の削減、産業廃棄物の低減等、環境に対する配慮が求められています。このような配慮は、自社のみならず、サプライチェーンを構成する企業群に亘って要請される傾向であり、当社グループ、パートナー企業等が適切な対応を行えない場合、取引先各社との取引が制限される等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは重要課題(マテリアリティ)において「環境にやさしい社会をつくる、まもる」ことを明確にしており、「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同、そのフレームワークに沿った当社グループの事業におけるリスクと機会の分析や、事業活動を通して排出する温室効果ガス(GHG)の把握とその低減に向けた取り組み、産業廃棄物の一層の低減に向けた取り組み等を進めております。
⑩M&Aに関するリスク
当社グループは、事業領域の拡大およびビジネスモデルの変革に向けて、シナジー効果が期待できるM&Aを実践していくことでグループの企業価値向上を目指しておりますが、M&A対象会社に期待する利益成長やシナジー効果等が実現できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループではM&Aの実施の際に当社グループの成長戦略と整合しているか、また今後の市場動向の見通しや事業計画、当社グループとのシナジー効果を慎重に検討するとともに、買収後の統合プロセスにおいては、実施すべき事項とその達成時期を定めモニタリングを強化し、シナジー効果の最大化に取り組んでまいります。
⑪法令遵守に関するリスク
当社グループは、建設業法、電気通信事業法、電波法等の法令に基づく許認可等を受けるとともに、事業の遂行に関連する各種の法令に則り事業活動を行っておりますが、万一これらにおいて違反が発生した場合は、当社グループの業績と信用に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは社内関係部署において法改正等の動向を注視し、速やかにグループ内への共有を図り必要に応じて社内規程の見直しを行うと共に、当社グループおよびパートナー企業の社員へ向けた啓発活動の実施と実効性のある内部監査や相談体制を構築することにより、法令遵守に継続的に取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やウクライナ情勢等に伴う影響については、当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を及ぼす可能性がある事象が発生していないことから、軽微であると判断しております。
(1) 経営成績
2022年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する各種規制が徐々に緩和され、経済活動の正常化に向けた兆しが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化による原材料・エネルギー価格の高騰や物価の上昇、サプライチェーンの制約、世界的な金融引締めなど景気の先行きは不安定な状況で推移しており、引き続き注視する必要があります。
当社グループを取り巻く事業環境については、デジタル田園都市国家構想の実現に向け、全国的なデジタルインフラの基盤整備や、地方におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されております。さらに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた地方創生に資する地域脱炭素の推進、地域特性や気候風土に応じた、再エネ、省エネ、EV等の利用やグリーントランスフォーメーション(GX)に対するニーズの高まりに加え、近年、激甚化する自然災害に対する地域のレジリエンス向上が求められております。
こうしたなか、当社は、新たに再定義したパーパス、ミッションのもと、これまで以上に幅広い社会インフラ領域における様々な社会課題の解決に貢献し続ける企業グループへ進化していくことを目指しております。未来の社会インフラを「創り・守る」、信頼ある企業グループであり続けるため、当社グループは、2030年に向けた事業ビジョンとして、『MIRAIT ONE Group Vision 2030』 及び2022年度を初年度とする5ヶ年の第5次中期経営計画(2026年度目標:売上高7,200億円、営業利益率7.5%+、ROE10%+、EPS成長率年10%+)を策定し、街づくり・里づくり/企業DX・GX、グリーンエネルギー事業、ソフトウェア事業、グローバル事業を今後注力すべき成長分野「みらいドメイン」として取り組んでおります。
また、ミライト・ワン流 スマートワークライフスタイル宣言、ダイバーシティ&インクルージョン宣言を制定するなど、「人間中心経営」への取り組みを進めるとともに、2030年の温室効果ガス排出量削減目標を作成し、SBT(Science Based Targets:科学的根拠に基づいた目標)として、国際的イニシアティブSBTiより認定されたほか、パートナーシップ構築宣言を制定し、「ESG経営基盤強化」に向けて、実効性のある施策を展開しております。
環境・社会イノベーション事業においては、空調工事の増加や太陽光など再生エネルギー関連工事の増加、前年度に子会社化した西武建設㈱の加入により、売上高の拡大を図りました。
ICTソリューション事業においては、物販の大幅な減少やLAN等工事の減少があったものの、「みらいドメイン」として注力しておりますグローバルやソフトウェアの増加により売上高の拡大に努めました。
NTT事業においては、高度無線環境整備推進事業による光ファイバ整備工事が終了したことやモバイル関連工事が大きく減少した一方、生産性の向上に努めました。
マルチキャリア事業においては、700MHzのテレビ放送受信対策工事の減少があったものの、5G整備工事の完成促進により売上高の拡大に努めるとともに、稼働効率化を図りました。
また、株主還元の充実と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一環として、自己株式の機動的な取得(合計 314万株、50億円)を実施する一方、利用目的のない自己株式については一部消却(500万株)をいたしました。
以上の結果、当期の連結業績につきましては、受注高は4,982億6千8百万円(前期比4.4%減)、売上高は4,839億8千7百万円(前期比2.9%増)となりました。一方、利益面においては、西武建設㈱の加入やブランディング費用など統合等に関する費用による販売費及び一般管理費の増加もあり、営業利益は218億3百万円(前期比33.5%減)、経常利益は223億8千4百万円(前期比34.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益については147億8千1百万円(前期比41.3%減)となりました。なお、営業利益率は4.5%、ROEは6.0%となりました。
報告セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。
[ミライト・ワンの業績]
ミライト・ワンは、2022年7月1日の新会社発足・新グループ体制によりスタートを切り、MIRAIT ONE Group Vision 2030および第5次中期経営計画の実現に向けた5つの事業変革「5Changes」への取り組みを進めてまいりましたが、環境・社会イノベーション事業における受注環境等の悪化、物販の大幅な減少、高度無線環境整備推進事業による光ファイバ整備工事やモバイル関連工事の減少により、受注高は3,061億3百万円(前期比8.4%減)、売上高は2,903億2千9百万円(前期比11.3%減)、営業利益は127億7千8百万円(前期比45.5%減)となりました。
[ラントロビジョンの業績]
ラントロビジョンは、一部の国で新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動制限等の影響により事業運営が不安定となったものの、主要顧客である大手金融機関やデータセンター事業者向け通信ケーブル工事が堅調であったことから、受注高は253億9百万円(前期比11.7%増)、売上高は254億9千2百万円(前期比20.3%増)、営業利益は16億3百万円(前期比20.0%増)となりました。
[TTKの業績]
TTKは、高度無線環境整備推進事業による光ファイバ整備工事の減少や通信キャリア各社の投資抑制があったものの、提案営業の強化、警備事業拡大・工事内製化により売上高と利益の拡大に努めるとともに、教育NW案件や電線共同溝工事等の非通信事業での大型案件の受注獲得により、受注高は391億5千7百万円(前期比11.6%増)、売上高は384億3千8百万円(前期比5.8%増)、営業利益は28億1千6百万円(前期比23.7%増)となりました。
[ソルコムの業績]
ソルコムは、入札環境の競争激化や公正取引委員会からの排除措置命令等の影響を受け、民需工事の大型案件受注が確保できず、受注高・売上高共に大幅減となったものの、既存事業の生産性向上や全社による経費削減に取り組み、受注高は341億2千3百万円(前期比3.6%減)、売上高は339億3千3百万円(前期比21.9%減)、営業利益は11億1百万円(前期比58.9%減)となりました。
[四国通建の業績]
四国通建は、官公庁からの端末含むシステム系受注等の獲得や大型工事の着実な完工等による売上確保に取り組んだものの、高度無線環境整備推進事業による光ファイバ整備工事の減少や公共案件の失注等に加え、工事部材の納期遅れや価格の高騰など外的要因による影響により、受注高は222億2千1百万円(前期比1.5%減)、売上高は242億2千2百万円(前期比3.7%減)、営業利益は23億3千9百万円(前期比4.2%減)となりました。
[西武建設の業績]
西武建設は、公共工事や民間鉄道関連工事、マンションや戸建住宅を中心とした建築工事、建物や施設のリニューアル工事等を主に手掛けており、資材価格の高騰等があったものの厳正な受注管理や原価管理を徹底し、受注高は540億6千5百万円、売上高は516億2千4百万円、営業利益は5億6千3百万円となりました。
[ミライト・ワン・システムズの業績]
ミライト・ワン・システムズは、当グループにおけるソフトウェア事業強化、ソフトウェア開発およびシステムインフラ構築・維持による売上高の拡大により、受注高は244億6千1百万円(前期比4.3%減)、売上高は253億6千5百万円(前期比6.3%増)、営業利益は11億8千1百万円(前期比35.1%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループが営んでいる事業の大部分を占める情報通信エンジニアリング事業においては生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
また、「受注実績」及び「売上実績」については、当社の連結での受注及び売上の状況をセグメント別に記載しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
b. 売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、4,367億5千2百万円で前連結会計年度末比9億6千6百万円の増加となりました。内訳は、流動資産で前連結会計年度末比36億2千9百万円減少し、固定資産で前連結会計年度末比45億9千5百万円増加しております。主な要因は、流動資産は現金預金が減少し、固定資産は機械、運搬具及び工具器具備品、及びソフトウェア仮勘定が増加したことによるものであります。
負債は、1,824億4千6百万円で前連結会計年度末比41億2百万円の減少となりました。内訳は、流動負債で前連結会計年度末比336億1千7百万円減少し、固定負債で前連結会計年度末比295億1千5百万円増加しております。主な要因は、流動負債は短期借入金が減少し、固定負債は長期借入金が増加したことによるものであります。
純資産は、2,543億5百万円で前連結会計年度末比50億6千8百万円の増加となりました。これは配当金の支払いや、自己株式の取得があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益147億8千1百万円の計上等により利益剰余金が82億2千6百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は56.5%(前連結会計年度末は55.6%)となり、1株当たり純資産は2,573.50円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して185億1百万円減少し、303億9千9百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額101億円等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益232億4千3百万円を計上したこと等により、53億1千5百万円の増加(前連結会計年度は129億7千2百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出55億9千5百万円及び無形固定資産の取得による支出22億4千1百万円等の資金の減少があったことにより、123億1千4百万円の減少(前連結会計年度は462億4百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出49億9千8百万円及び配当金の支払額59億2千4百万円等があったことにより、125億7千1百万円の減少(前連結会計年度は383億9千5百万円の増加)となりました。
(4) 資本の財源、資金の流動性に係る情報
①財務政策
当社グループは、安定した財務基盤と資本効率の両立を基本方針とし、新たな事業機会を創出するとともに事業構造の転換を加速させ、企業価値向上に努めます。そのため、健全な財務体質を維持しつつ資本コストを意識し、戦略的に経営資源を配分してまいります。また、株主還元については、総還元性向50%を目線に、資本政策および業績・資金状況等を勘案し総合的に判断してまいります。
②資金需要
当社グループの資金需要は、経常運転資金として工事に係る材料費・外注費及び労務費等があり、投資活動に関する支出として、事業用資産取得にかかる設備投資資金、今後の成長に向けたM&A等の投融資資金があります。
また、総還元性向50%を目線に、安定的・継続的な配当の成長と機動的な資本政策として自己株式取得を行う等、株主還元にも当社グループのキャッシュフローを充当してまいります。
③資金調達の方法・状況
資金調達については、内部資金を基本としており、キャッシュマネジメントシステム(CMS)導入によってグループ資金の有効活用を図っておりますが、一時的に必要となる資金については、金融機関からの短期資金調達にて対応しております。また、緊急時やM&A等の成長投資に向けた資金需要に備え、適正な手元現預金の確保に努めるとともに、金融機関とのリレーションを維持強化し短期資金借入枠を設定しているほか、外部格付の取得を行う等、資金調達体制の構築に努めております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、損益又は資産の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動につきましては、事業会社を中心に行っております。当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
[ミライト・ワン]
研究開発活動を支える組織としてみらいビジネス推進本部及びNTT事業本部DX推進部があります。みらいビジネス推進本部は事業本部・支店と連携し、(1)工事施工の効率化や安全・品質の向上に資する技術開発、(2)新規事業開拓に資する技術開発、(3)全社の知的財産の管理を行っております。NTT事業本部DX推進部はNTT事業本部内の各技術センタと連携して主に(4)ネットワークエンジニアリング事業における工事施工の効率化や安全・品質の向上に資するインフラ技術を中心に開発を行っております。
研究開発費は
(1)施工技術開発関連
・土木工事の効率化を目指して「地中探査レーダー」の共同研究を仙台高等専門学校と継続し、AIによるレーダー画像の鮮明化および埋設物の判別の研究を進めました。成果の一部は学会、論文で発表しました。
(2)新規事業開発関連
・グリーン電力事業の拡大に向けて、施工後一定年数を経過した太陽光発電所の設備更改(リパワリング)に有効となる、市販のパネル出力最適化装置を活用した設計手法と発電量シミュレーション技術の事業活用を支援しました。
・弊社が蓄積した通信ケーブル工事のノウハウを生かし、光ファイバセンサケーブルに関連する工事を受注いたしました。今後の新規事業として拡大していきたいと考えております。
(3)知的財産関連(2022年4月1日~2023年3月31日)
・特許(出願1件、登録3件)、商標(登録5件)を行いました。
(4)ネットワークエンジニアリング事業関連
(通信線路関連)
・通信事業会社による提案内容に対し、お客様に「採用」と判断されたVE提案は「2件」あり、本内容に基づいた技術資料発出により全国の通信建設会社に向けて運用指示が図られました。
1. バケット車用輪留め視認性向上シール
2. ドロップリール強化型ブレーキアームの開発
・通信事業会社による提案内容に対し、お客様に「自由裁量」と判断されたVE提案は「7件」あり、本内容に基づき、全国の通信建設会社において各社の裁量によって運用を図っても良いと周知されました。
1. パーカッション用土砂飛散防止シートの開発
2. ダイヤ型鉄蓋用のマンホール昇降用手すり(アタッチメント)の開発
3. マンホール用送風機ダクトの設置および収納方法の効率化
4. 工事予告看板の開発
5. マンホール救助帯の開発
6. IDM接続架・光成端金物の考案
7. 自立型設備点検棒(倒れん棒DX8)
<参考>
『VE提案』とは、バリューエンジニアリングの略称で作業の効率化、コスト削減等への積極的な取組みにより、電気通信設備請負工事におけるサービス生産性の向上を図ることを目的としたお客様の制度です。
[ラントロビジョン]
該当事項はありません。
[TTK]
研究開発活動を支える組織としてエキスパートセンタがあり、事業本部・支店と連携し、電気通信工事事業の生産性、品質の向上及び安全確保のため、作業に必要な機械・工具・測定器等各種装置の開発に取り組んでおります。
研究開発費は
(1)簡易ウォータージェットの拡大
基盤工事において、泥・汚れが通過性能試験に支障となる場合に、高圧洗浄車両を使用して管内洗浄を実施していますが、機械が大きく重量物であるためにスペースの確保、予約や手配に時間を要する、そして排気ガスを排出する等が課題となっていました。
そこで、課題を解決するために、コンパクトで簡単に持ち運びができ、排気ガスを排出しない簡易ウォーターを開発しました。これにより、通過性能試験を効率的かつクリーンに行うことが可能となります。
[ソルコム]
研究開発活動を実行する組織としてE&S事業改革PTがあります。特に近年は現場のデジタイゼーションによる業務効率化と「みえる化」によるプロセス改善を目的にデジタルツールの開発に取り組んでおります。
研究開発費は
(エンジニアリング事業関連)
・「みえる化」ツールの開発
工事のプロセス改善を目的に「施工状況のみえる化」ツールを開発し業務改革に取組んでおります。今後は現在開発中の「施工稼働のみえる化」ツールにより技術者の効率的配置による稼働効率化に取組みます。
・間接業務の効率化ツールの開発
今年度は対象業務の拡大や利用者の利便性向上を目的に自社開発の「設計支援システム」の改良をはじめ工事の設備/保守業務で受発注ツールの開発等により間接業務のデジタイゼーションによる更なる効率化を図る開発を実施しました。
[四国通建]
該当事項はありません。
[西武建設]
該当事項はありません。
[ミライト・ワン・システムズ]
該当事項はありません。