第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、Purpose(存在意義)とMission(社会的使命)を次のとおり定義しております。
 

  Purpose(存在意義)

技術と挑戦で「ワクワクするみらい」を共創する

Mission(社会的使命)

・ お客様の期待にお応えし、豊かな社会の実現に貢献する

・ 常に技術とビジネスモデルを磨き、高い付加価値を創造する

・ パートナー会社と協力し合い 「みらいのインフラ」を創り守り続ける

・ 多様な社員がいきいきと働く「魅力的な企業グループ」であり続ける

・ サステナビリティとコンプライアンスを重視し、社会の信頼に応える

これらを踏まえ、従来の事業やサービスをしっかり育てながら、今後の成長分野を「みらいドメイン」と定め、街づくり・里づくり/企業DX・GX、グリーンエネルギー事業、ソフトウェア事業、グローバル事業の拡大などにグループのリソースを結集し一層の事業成長の加速を図りつつ、お客様や社会の課題解決、地域活性化の支援に取り組むことで、企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいります。

 

(2) 会社の経営環境と中長期的な経営戦略

当社グループを取り巻く事業環境は、大きく変化しています。当社の主力事業である「通信基盤ドメイン」については、足元は堅調に推移しているものの、主要顧客である通信キャリアの投資は、通信インフラの建設から通信品質の向上や新たなサービス分野へとシフトしており、中長期的には縮小傾向となることが見込まれます。

一方、「企業/環境社会基盤ドメイン」については、デジタルトランスフォーメーション(DX)や生成AIの急速な普及等に伴うクラウドサービスやデータセンター(DC)需要の急拡大、道路、橋梁、上下水道管などのインフラ老朽化対策、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組み、気候変動に伴う自然災害への対応など、今後の更なる成長機会が生まれています。

このような環境のなか、当社グループは、幅広い社会インフラ領域における様々な社会課題の解決に貢献し続ける企業グループへ進化していくことを目指しております。未来の社会インフラを「創り・守る」、信頼ある企業グループであり続けるため、当社グループは2030年に向けた事業ビジョンとして、『MIRAIT ONE Group Vision 2030』及び2026年度を最終年度とする5ヶ年の第5次中期経営計画を推進しています。

 

〔『MIRAIT ONE Group Vision 2030』における経営戦略の概要〕

『MIRAIT ONE Group Vision 2030』においては、我々が「変わり」、未来が「変わる」をキーワードに、成長戦略として5つの事業変革(5Changes)を柱としております。

◇ Change1「人間中心経営」

 ・みらいカレッジ (「学び」と「つながり」を提供する“事業構造改革の原動力”)

 ・社員にとって働きやすい職場づくりと心身の健康を守る「健康経営」

 ・ワーク・ライフバランスに対応した“ミライト・ワン流”働き方改革

◇ Change2「事業成長の加速」

 ・人財成長による事業成長に戦略的に取り組み、成長分野である「みらいドメイン」にグループ内のリソースを有機的に組み合わせて結集(フルバリュー型モデルへの事業構造改革の推進)

  ◆街づくり・里づくり事業や、企業のDX とグリーン化推進事業(GX)の加速

  ◆脱炭素化に貢献するグリーンエネルギー事業の拡大

  ◆顧客のDX に貢献するSI 事業の強化

  ◆国内外のデータセンター関連事業、並びにインフラシェア事業を推進するグローバル事業の強化

 ・既存事業の顧客基盤を強化 (顧客の拡大、顧客の成長への対応)

◇ Change3「利益性トップクラス」

 ・3社統合による徹底した集約・効率化による経営基盤の強化

 ・データインサイト及び生成AI等の活用による業務運営の抜本的な見直しと効率化

 ・グループ連携の推進による既存オペレーションとコストの見直し

◇ Change4「データインサイトマネジメント」

 ・ナレッジベースのデータ環境整備、営業アプローチの最適化(攻めのDX)

 ・バリューチェーン改革、スマート施工、BPO/RPA・ロボティクス活用(守りのDX)

 ・エキスパートおよびコア人財の育成、全社リテラシーの向上(DX 人財の育成)

◇ Change5「ESG 経営基盤強化」

 ・温室効果ガス削減目標(SBT)の達成に向けた取り組み

 ・ミライト・ワン パートナー会による社会価値の共創

 ・監査体制充実と三線ディフェンスによる監査機能強化

 ・新たなグループマネジメント体制によるコーポレートガバナンス強化

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下、「KPI」という。)として、第5次中期経営計画において、売上高、みらいドメイン比率(※1)、営業利益(率)、EBITDA(率)(※2)、ROE(自己資本利益率)、EPS(1株当たり当期純利益)を採用し、2026年度における目標を売上高7,200億円以上、みらいドメイン比率45%以上、営業利益(率)6.5%以上、EBITDA(率)8.5%以上、ROE10%以上、EPS年成長率10%以上に設定しております。

なお、非財務目標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の通りであります。

(※1)売上高に占めるみらいドメイン(事業成長を目指す分野)の比率

(※2)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額の合計

当該KPIを採用しているのは、株主をはじめとする全てのステークホルダーが、当社グループの経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であるとともに、その進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能であるとの認識によるものであります。

また、連結営業利益、EBITDA及びROE、並びに非財務目標の「温室効果ガス排出量」については、グループ会社の業績並びに企業価値向上への貢献意識を高めるため、導入している業績連動型株式報酬制度「株式給付信託」における付与ポイント算定のための指標にも採用しております。

 

(注)当該KPIの各数値については、本報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、「(2) 会社の経営環境と中長期的な経営戦略」に記載のとおり、事業環境の変化に対応した事業運営を推進していく必要があります。

2026年度は、第5次中期計画の最終年度として、データセンター関連事業において営業から保守運用までをワンストップで提供する体制を構築し、データセンターの投資拡大にスピーディに対応していくことに加えて、モバイルの基地局の拡充などの需要増に対して柔軟で強力な施工体制を構築すること等により、中期経営計画の目標達成に向けて最大限の挑戦を続けてまいります。また、「安全第一」と「コンプライアンス」を最優先する組織風土の醸成にも全社を挙げて取り組んでまいります。

あわせて、2030年に向けた礎づくりとして、以下の三つの軸による「掛け算の連結経営」を推進します。

 ・顧客軸: CMOを中心としたフロント機能強化によるクロスセルの推進

 ・技術軸: AI利活用の定着と「イノベーションセンター」による新ビジネスの創出

 ・制度軸: 専門人財を確保する人事制度改革やグループ連携を推進する管理会計整備

加えて、急速な事業環境変化(AI等の技術革新とお客様需要の変化)に対応するため、グループ子会社の株式会社ミライト・ワン・システムズの吸収合併を行うほか、西武建設や国際航業等との「三位一体の事業シナジー」の最大化を図ること等により、グループ全体の付加価値の創造と生産性向上に邁進し、中期的な成長を目指します。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

社会課題の解決と事業成長の両立を目指し、更なる企業の持続的成長(サステナビリティ)を推進することを目的とし、2025年7月にコーポレートの機関とした運営体制をESG経営推進委員会からサステナビリティ委員会に変更しました。

代表取締役会長と代表取締役社長を共同委員長としサステナビリティ全体に関連する事項として、マテリアリティの特定、環境関連、社会関連などグループ横断的な課題について方向性の整理や具体的な施策推進、各種イニシアチブへの対応等を実施しております。なお、重要課題の特定や各種環境イニシアチブへの対応等についてグループ経営会議、取締役会への報告等を実施しております。

 

サステナビリティ推進体制

 


 

(2)マテリアリティの特定

中長期かつ持続的な成長と企業価値向上の実現にあたっては、世界的な脱炭素社会への取り組みの加速など豊富な事業機会を取り込むと同時に、人的資本や気候変動にまつわる各種リスクを見据え、対応策を講じることが必要です。こうした機会とリスク認識のもとで策定したマテリアリティへの取り組みにおいては、ミライト・ワン グループが注力すべき社会的課題等を明らかにし、また、マテリアリティごとの機会とリスクも特定のうえ、中期経営計画の重点施策として推進しております。

マテリアリティの特定にあたっては、2021年度にESG経営推進委員会において、お客様や社員アンケート、ステークホルダーからのご意見、社会的責任に関する国際的ガイドラインから抽出した社会の重要課題、および当社グループへの期待を踏まえて議論を重ね、経営会議、取締役会の審議を経て決定しております。

 


 

 

<マテリアリティの特定プロセス>

■STEP1 社会課題の抽出、カテゴライズ

GRIスタンダード、ISO26000等組織の社会的責任に関する代表的な国際的ガイドラインや、SDGs、ESG評価機関の評価項目等を参照し、検討すべき課題を包括的に抽出。

 

■STEP2 優先順位付け

抽出した課題を、ステークホルダーからの期待やミライト・ワン グループの存在意義、使命を通して、課題解決に貢献すべき、価値創造につながる等の観点で評価・優先順位付け。

ESG経営推進委員会において議論し、当社グループが優先的に取り組むべき重要課題項目を選定。

 

■STEP3 妥当性確認・特定

選定した重要課題項目の妥当性について、当社グループの経営課題との整合を確認。現状事業へのリスクと将来の機会についてESG経営推進委員会にて協議し、経営会議、取締役会の審議を経て重要課題(マテリアリティ)として特定。特定したマテリアリティについて、関連各部門と協議し、施策、目標を決定。

 

■STEP4 レビュー

目標と実績に基づき、マテリアリティに対する活動の評価を行い、統合報告書に開示。

当社グループ内外へのアンケートや外部有識者からいただいたご意見、SDGs等の国際的目標・ガイドラインやESG評価機関の評価等を踏まえ、レビューを実施。これらをマテリアリティや目標の見直し、事業への反映、開示内容の改善に活用。


 

(3)重要なサステナビリティ項目

上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は①気候変動に対する取組み、②人的資本に関する取組みの2項目を重要項目と認識しております。

なお、②人的資本に関する取組みについては、「第4提出会社の状況5従業員の状況(1)人材戦略に関する基本方針等」に記載しております。

 

①気候変動に対する取組み

■ガバナンス

2021年9月にESG経営推進委員会を設置し、マテリアリティ「環境にやさしい社会をつくる、まもる」を経営会議と取締役会の審議を経て決議したほか、脱炭素社会の実現への貢献を本格化するべく、中期経営計画KPIのひとつである「温室効果ガス排出量削減目標(2030年度)」を設定し、進捗をモニタリングする体制を整備しました。

2030年温室効果ガス排出量削減目標については、SBT(Science Based Targets:科学的根拠に基づく目標)として2023年2月に認定されました。

なお、2025年7月以降は、ESG経営推進委員会からサステナビリティ委員会に変更し、取組み推進のモニタリングを実施しております。

2025年度は、4月にESG経営推進委員会を1回、7月以降はサステナビリティ委員会を3回開催し、グループ全体の具体的な温室効果ガス排出量の削減状況と削減施策を議論、各種ESG格付機関からの評価対応と結果の分析を行い戦略の策定、各種施策推進を実施しております。

 

■リスク管理

企業集団としてのリスク管理の基本方針と推進体制を「リスク管理規程」により定めるとともに、リスク管理計画に基づき、様々なリスクに対し的確に対応しております。

気候変動関連のリスクと機会については、サステナビリティ委員会が主管となり、気候変動に伴う外部・内部環境の変化をモニタリングし、事業に影響を与える気候変動のリスクと機会を洗い出しております。洗い出されたリスクと機会については当社グループへの影響度等も評価・分析し、影響度の高いリスクと機会を特定しております。その後、グループ経営会議、取締役会にて審議した上で全社のリスクと機会として組み込んでおります。

 

■戦略

当社グループは、リスクと機会の管理プロセスのもと、2℃未満(1.5℃等)と4℃シナリオを参照し、将来的に発生しうる気候変動関連のリスクと機会を分析しました。その結果、脱炭素社会への移行(政策・法規制/市場・評判)により、今後想定される事象による影響および気候変動による物理的(急性/慢性)影響が顕在化すると評価しました。

これらのリスクに対して中期経営戦略を見直し、「事業を通した脱炭素社会の実現」が重要課題であることを再認識しました。また、当社事業の関わりとして、スマートインフラ/エネルギーソリューションの需要拡大を今後見込まれる機会として特定しました。

 

 

2℃未満の目標(1.5℃等)が達成される未来:急速に脱炭素社会が実現するシナリオ

想定シナリオ

特定したリスク

機会の考察

取組み

 

種別

内容

 

種別

内容

内容

炭素排出規制の強化

中長期

政策

法規制

•炭素課税による資材・燃料調達コスト増加

•カーボンプライシングの導入などの規制未対応による事業負担増

•削減未達となった場合の排出量に対するクレジット買取によるコスト増加リスク

中長期

製品・サービス/エネルギー

•再エネ・省エネ事業(太陽光発電、EV充電、LED照明等)の需要拡大

•DX、働き方改革による節電の推進

•車両の燃料添加剤の利用等による燃費向上、EV化促進

電力のRE化

短中長期

政策

法規制

•再生可能エネルギー由来電力への転換による電力コスト増

短中長期

製品・サービス/エネルギー

•省エネ設備への転換ニーズ増加

•IoT活用による電力使用の効率化推進

脱炭素化に向けた意識の高まり

短期

市場

評判

•環境への取り組みが不十分となった場合

•新規建設工事の受注減少

•既存保守契約の解除

•レピュテーションリスク増加による顧客離れ

短中長期

市場

•リニューアル工事需要の増加

•ZEB、スマートシティ関連の需要の増加

•低炭素製品の特定と調達推進

•ステークホルダーへの適切な情報開示

 

 

平均気温4℃上昇する未来:物理的影響が顕在化するシナリオ

想定シナリオ

特定したリスク

機会の考察

取組み

 

種別

内容

 

種別

内容

内容

自然災害の頻発・激甚化

短中長期

急性

•豪雨や台風等による通信設備・基地局の損傷と復旧コストの増加

短中長期

市場/レジリエンス

•異常気象により無電柱化ニーズの増加

•蓄電池設備や非常用電源確保などの設備強化、需要増加

•マルチスキル人材の育成

•ミライト・ワンパートナー会の連携強化

短中長期

急性

•バリューチェーン寸断による製品・サービスの中止

中長期

市場

•自然災害の頻発・激甚化による通信設備・基地局の防災・減災工事の需要増加

•水道ソリューション

平均気温上昇

長期

慢性

•データセンターなどの空調コストの増大

長期

市場

•空調設備の高効率機器への更改

•空調装置の運用改善

•空調事業の強化

中長期

慢性

•通信設備など建設技能者の熱中症等の健康被害の増加

中長期

レジリエンス

•DX推進、リモート型働き方の一層の推進

•DXによる施工省力化、作業者の健康管理強化

 

なお、2022年度より経営陣のESGの取り組み意識の向上を図るため、業績連動報酬の指標に連結ESG指標として「温室効果ガス削減目標」を導入しています。 

 

 

■目標

2021年度に当社グループ(国際航業を除く)として2030年度に向けた温室効果ガス排出量削減目標を設定しております。2023年2月には科学的根拠に基づいた目標として、SBTi(Science based Targets initiative)よりSBT認定を受けました。また、中期経営計画においても非財務目標として設定することで、脱炭素における当社事業の成長機会を着実に取り込んでおります。

国際航業は、グループ参画以前の2021年9月に削減目標を設定し、SBT認定を取得しております。2025年3月には、新たにネットゼロの目標としてLong-Termの目標設定を行いSBT認定を取得しました。併せてNear-Term目標の見直しを行い、より積極的な目標に改めてSBT認定を取得しております。

当社グループ(国際航業除く)

 

 


 

目 標

SBT

Scope

1+2

2030年度までに当社グループの温室効果ガス排出量を2020年度(基準年)比で42%削減する

2023年2月

認定取得

Scope
3

2030年度までに当社グループの温室効果ガス排出量を2020年度(基準年)比で25%削減する

2023年2月

認定取得

 

 

 

 

国際航業

 

 



目 標

SBT

2050年度までにバリューチェーン全体で温室効果ガスのネットゼロ排出量を達成する。

2025年3月

認定取得

Near-Term目標

SBT

Scope

1+2

2030年度までにScope1および2のGHG排出量の絶対量を基準年(2019年)比で70%削減する。

2025年3月

更新認定取得

Scope

3

2030年度までにScope3のC3燃料およびエネルギー関連活動、C6出張、C7通勤、C11販売した製品の使用によるGHG排出量の絶対量を基準年(2019年)比で50%削減する。

サプライヤエンゲージメント目標:C1購入した商品やサービス、C2資本財を対象とする排出量で、2026年度までにサプライヤーの65%が科学的根拠に基づく目標を設定する。

2025年3月

更新認定取得

Long-Term目標

SBT

Scope

1+2

2050年度までにScope1および2のGHG排出量の絶対量を基準年(2019年)比で90%削減する。

2025年3月

認定取得

Scope

3

2050年度までにScope3のGHG排出量の絶対量を基準年(2019年)比で90%削減する。

2025年3月

認定取得

 

 

 

■温室効果ガス排出量実績

当社グループでは、気候変動への対応を重要課題と捉え、温室効果ガス排出量の削減を進めております。各Scope(Scope1、Scope2、Scope3)毎の温室効果ガス排出量実績値、および過年度からの推移等の詳細なデータにつきましては、当社ウェブサイト(https://www.mirait-one.com/esg/environment/)環境:TCFD提言を踏まえた情報開示において開示しております。

Scope1およびScope2:2020年度~2025年度実績

Scope3:2020年度~2024年度実績(2025年度実績については9月掲載予定)

 

<働き方改革、健康経営の推進>

■トップの主導による健康経営を推進

マテリアリティのひとつである健康経営の推進に注力し、中期経営計画のChange1「人間中心経営」の根本に健康経営を据えている当社グループは、これら取り組みの実効性をさらに高めるべく、2025年10月に「ミライト・ワン グループ健康経営宣言」を更新し、代表取締役社長の主導による健康経営を推進していきます。


■健康管理の支援

全社員を対象とする定期健康診断のほか、特定年齢での人間ドックや特定保健指導等を実施し、社員の健康管理に役立てております。また、国内各地の保養施設の提供によるリフレッシュの機会づくりや、健康保険組合と協働開催しているウォーキングイベント等の健康増進施策も継続的に実施しております。

 

■人間ドックへの補助

健康保険組合からの補助の他に、会社からの補助も実施することにより、自身の健康管理充実に役立てております。

 

■『健康News』『みまもりメール』の定期配信

健康関連の周知等、基本毎月発行。その時に合わせた健康情報を当社グループで共有し、活用しております。『みまもりメール』は、現場の方へのスマホ健康情報で、パッと見て内容が分かるように工夫しております。

 

■メンタルヘルス

厚生労働省が義務付けている「ストレスチェック制度」は社員自身のストレスへの気づきや職場改善を通じて、メンタル不調となることを未然に防止する一次予防を目的としております。当社グループは同制度の義務化に先立ってメンタルフォロ-体制(相談窓口等)を整備し、ストレスチェック実施後の集団分析を踏まえ、部門ごとのメンタルヘルス研修を実施して職場改善につなげることで、メンタル不調の未然防止に努めております。

 

 

■メンタル不調による病気休職者の復職支援

メンタル不調による傷病休暇・傷病休職にある社員に対しては、メンタルヘルス推進担当者によるサポートをはじめ、休業開始から復職後のフォローアップまで全面的に支援しております。休業中はリワーク施設を活用した「リワークプログラム」を実施し、復職の意思表示があった場合には主治医による診断をもとに、産業医・会社と連携しながら復職審査委員会にて復職の判断を行います。復職後は、短時間勤務の励行や時間外勤務の制限等、就業上の配慮を行っております。

 

■働きやすい労働環境の整備

当社グループは、労働基準法をはじめとする労働関係法令の遵守はもとより、社員の働き甲斐に資するよう、労働関係法令を上回る処遇制度を設けております。また、同一労働・同一賃金の考えを尊重し、非正規社員も正社員と同等の待遇となるよう、特別勤務手当や時間外勤務手当等を正社員と同じ割増率で支給するほか、特別休暇の付与や社員への登用等を実施しております。

 

■ミライト・ワン流スマートワークライフスタイル改革の推進

当社グループは、昨今の労働市場の変化や事業環境の変化に対応しつつ持続的成長を図るため、「ミライト・ワン流スマートワーク・ライフ宣言」を制定しております。当宣言に基づき、①多様なライフスタイルに対応した時間と場所に拘らない働き方の推進、②リスキリングのための仕組みの整備、③外部人財の獲得、多様な人材の確保、④健康経営推進などからなるワークライフスタイル改革を、整合的・統合的に進めております。

 

■「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定

当社は2026年3月、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されました。

「健康経営優良法人」認定とは、経済産業省による環境整備施策の一環であり、「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」が社会的に評価を受けることが出来、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度となります。

 

<人権尊重とダイバーシティ&インクルージョンの推進>

■人権尊重

人や社会と共存するより良い環境づくりを最大のミッションとし、お客様から最高の満足と信頼を得られるようグループ全体で取り組んできたミライト・ワン グループは、企業活動に関わる全てのステークホルダーの人権を理解し、グループ全体で人権尊重の責任を果たすことが、今後の持続的な成長と企業価値向上に不可欠であると考えております。

 

■ミライト・ワン グループで人権基本方針を改定

前述の基本認識のもと、マテリアリティのひとつである「人権尊重とダイバーシティ&インクルージョンの推進」に注力している当社グループは、人権尊重へのコミットメントを強く発信し、グループ内での認識をより明確にするとともに、事業活動における人権尊重の取り組みを一層強化するため、人権デューデリジェンスを踏まえ、2022年7月に制定した「ミライト・ワン グループ人権基本方針」を改定し、新たに取り組むべき「優先人権課題」を新設しました。当社グループの全社員が本方針に基づき、あらゆる事業活動の根底に人権尊重の意識をもって行動し、広く社会の皆様から信頼される企業を目指すとともに、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

 

■推進体制

あらゆる企業活動に関係する人権課題について全ての役員・従業員の理解・浸透を図るため、コーポレートの機関として「コンプライアンス・リスク管理・人権委員会」を設置しております。同委員会では人権に関するリスク状況の報告と対処する課題、施策等を議論し、人権マネジメントの強化に取り組んでおります。

 

■具体的取り組み例

当社グループは、児童労働や強制労働を行わせることはなく、労働者の権利保護に留意し、法で定められた最低賃金以上の賃金としております。

また、人権意識の啓発・向上のための階層別研修やコンプライアンス推進活動によってハラスメント行為の禁止等に取り組むとともに、「コンプラ目安箱」「なんでも相談室」「社外通報窓口」の3種のヘルプラインを設置し、通報者保護に配慮した上で問題解決に向けて対応しております。

 

■労使関係

当社グループは、労使の相互信頼を基盤とし、企業の発展と従業員の労働条件の維持・向上を図るため、定期的な労使協議の機会を設け、安定した労使関係の構築に努めております。積極的な事業運営を行い、企業の健全な発展を図るため、事業計画やその他の重要課題について労使で意見交換を行う情報連絡会や労働時間適正化委員会を定期的に開催しております。

 

■多様な社員がいきいきと働く「魅力的な企業グループ」であり続けるために

当社グループは、年齢、性別、学歴、国籍、障がいの有無、性的指向、性自認等に関わらず、個性を尊重し、もてる能力を最大限に発揮できる職場環境づくりを推進しております。

多様な視点や価値観を企業経営に活かすため、DEIを推進する専門組織「DEI推進室」を総務人事本部に設置し、個々の人財の特性や能力を最大限に活かせる職場環境の整備や、マネジメント層の育成等に注力しております。

マテリアリティのひとつであるダイバーシティ&インクルージョンを重要な取り組みとして位置づけているほか、各ステークホルダーに向けて当社の姿勢を明文化したMissionにおいても、『多様な社員がいきいきと働く「魅力的な企業グループ」であり続ける』を掲げております。

加えて中期経営計画Change1「人間中心経営」の一環として、外国人技術者含む多彩な人財集団の形成に注力しております。

これら一連の取り組みをさらに発展させるべく、「DEI宣言」を制定しました。

 

■女性社員の活躍推進

女性が幅広い分野における能力の発揮やキャリア形成ができるよう、その目的に沿った行動計画を策定するとともに、新卒採用における女性比率や女性管理職数等において具体的な数値目標を設定し、達成に向け取り組んでおります。なお、連結グループに属する全ての会社で数値目標を設定しているわけではないため、連結グループにおける記載が困難であります。

このため、下記の目標及び実績は当社単体のものを記載しております。

 

■目標・実績 (女性活躍推進)

指標

目標

実績

女性管理職数

2026年3月まで20%

(2022年7月比)

68人(+21.4%)(2026年3月末)

新卒採用の女性比率

2026年3月まで25%

27.5%(2026年4月入社)

年休取得率

2026年3月まで70%

72.6%(2026年3月末)

 

※管理職に占める女性労働者の割合の実績は、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 

■キャリアと育児・介護の両立支援

ワーク・ライフ・バランスや、キャリアと育児・介護の両立支援による就労環境の整備も積極的に進めており、社員が長く安心して働き続けられるよう、子どもが3歳に達するまで取得できる育児休業のほか、小学校3年生修了まで利用できる短時間勤務制度を設けるなど、出産や育児、介護をはじめとするライフイベントに合わせて活用できる制度を、法で定める基準を上回る内容で整備しております。

2025年度末現在で、当社の女性社員の育児休業取得率は88.9%、男性の育児目的休暇を含めた育児休業取得率は97.6%となっております。取得率の維持とさらなる向上に向けた取り組みを進めるとともに、育児休職者がスムーズに復職し活躍できるよう、休職中における会社動向等の情報提供、復職前の面談等のサポート施策を実施しております。

 

■シニア人財の活躍支援

日本の少子高齢化の進展に対応し、通信建設業に必要な高度技術の有資格者であるシニア人財の活躍を支援すべく、定年後再雇用制度を定め、希望者が引き続き活躍できる環境を整備しております。さらに2025年度からは定年後再雇用の際の雇用条件を再構築し、より本制度を利用しやすくすることによりシニア人材のモチベーションを高め活躍できるように改善を図りました。

また、一定年齢以上の社員を対象にライフプランセミナー等を開催し、社員の雇用延長後の働き方や資金計画等についても支援しております。

 

定年後の再雇用状況(2026年3月31日現在)

定年退職対象者数

172名

再雇用者数

151名

再雇用率

87.8%

 

※㈱ミライト・ワン、㈱TTK、㈱ソルコム、四国通建㈱、西武建設㈱、㈱ミライト・ワン・システムズ、国際航業㈱の7社平均

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

①特定取引先への依存に関するリスク

当社グループの主たる取引先は、NTTグループをはじめとする通信事業各社であり売上高に占める割合が高く、通信事業各社の設備投資動向や技術革新等によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、通信キャリア事業からソリューション事業への事業構造の転換と新たな成長分野として位置付ける「みらいドメイン」へのシフトを加速し、従来の事業分野や技術の枠組みを超えた新たな事業機会の創出に向けた取り組みを進めております。

 

②新たな分野への取り組みに関するリスク

新たな分野へのチャレンジにより想定外の重大なリスクが発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは個別案件に関するリスクチェックの徹底とリスクマネジメントの円滑な推進、及びリスクをマネジメントするための事例とノウハウの共有を図ることを目的として、「ビジネスリスク管理室」を設置して最適なリスクマネジメントに努めております。

 

③安全・品質に関するリスク

重大な事故等による不測の事態や品質に重大な問題を発生させた場合、取引先からの信用を失うとともに営業活動に制約を受けるなど当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは安全や品質に関する統合マネジメントシステム等を活用し、お客様に信頼、評価される高品質なエンジニアリングとサービスをお届けできるよう安全・品質管理にグループ一体となって取り組んでおります。

 

④重要な情報の管理に関するリスク

事業活動を通して、取引先からの技術データ・個人情報等の重要な情報を入手することがあります。予期せぬ事態により情報が流出や悪用された場合には、取引先からの信用を失うとともに損害賠償責任の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループではISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を活用し、グループ一体となって情報漏洩防止を徹底しております。

 

⑤取引先の信用不安に関するリスク

取引先の信用不安が発生した場合は、工事代金の回収不能や工事の施工遅延等が生じ当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループは外部調査機関等を利用した取引先の与信管理と、法務担当による契約書審査を行う等により信用不安リスクの回避に取り組んでおります。

 

⑥資材の調達・価格上昇に関するリスク

自然災害、戦争やテロ、新型の感染症の流行などにより、資材の供給が困難または納入遅延の発生のほか、原材料や資機材、エネルギーの価格高騰や為替変動等により建設コストが上昇した場合は、工事が中断または遅延するなどの影響のほか、発注者による投資抑制や判断の先送りなどにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

そのため、当社グループでは物品不足が生じていない工程を優先的に進めるなど、工期延伸を最小化するための工程管理を綿密に行っています。また、建設コストの上昇については、原材料価格上昇時の条件の契約条項への盛り込み、工事価格への転嫁等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。

 

⑦保有資産に関するリスク

事業運営上の必要性から有価証券等の資産を保有しておりますが、著しい時価の変動等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、定量的・定性的検証を通じ保有意義が希薄と考えられる有価証券等は段階的に縮減し、時価変動リスクの回避に取り組んでおります。

 

⑧自然災害等に関するリスク

大規模災害や感染症の大流行等により当社グループの従業員、協働者、設備等への直接被害のほか、ライフラインの停止、燃料の不足等、不測の事態が発生した場合は、工事が中断または遅延するなど当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは地震等の自然災害や感染症が発生した場合に備え、BCP(事業継続計画)の策定、社員安否確認システムの構築、防災訓練や新しいワークスタイルへの移行等各種対策を講じております。

 

⑨海外事業に関するリスク

当社グループでは、アジア、オセアニアを中心とした諸外国で事業を展開しており、進出国での政治・経済情勢、為替や法的規制等に著しい変化、感染症の大流行や資材価格の高騰及び労務単価の著しい上昇等が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、グループ内での情報収集、進出国の適度な分散等により、その予防・回避に努めております。

 

⑩気候変動に関するリスク  

地球規模での気候変動による問題が顕在化してきており、企業においても温室効果ガス排出量の削減、産業廃棄物の低減等、環境に対する配慮が求められています。このような配慮は、自社のみならず、サプライチェーンを構成する企業群に亘って要請される傾向であり、当社グループ、パートナー企業等が適切な対応を行えない場合、取引先各社との取引が制限される等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは重要課題(マテリアリティ)において「環境にやさしい社会をつくる、まもる」ことを明確にしており、「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同、そのフレームワークに沿った当社グループの事業におけるリスクと機会の分析や、事業活動を通して排出する温室効果ガスの把握とその低減に向けた取り組み、産業廃棄物の一層の低減に向けた取り組み等を進めております。

 

⑪M&Aに関するリスク

当社グループは、事業領域の拡大およびビジネスモデルの変革に向けて、シナジー効果が期待できるM&Aを実践していくことでグループの企業価値向上を目指しておりますが、M&A対象会社に期待する利益成長やシナジー効果等が実現できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループではM&Aの実施の際に当社グループの成長戦略と整合しているか、また今後の市場動向の見通しや事業計画、当社グループとのシナジー効果を慎重に検討するとともに、買収後の統合プロセスにおいては、実施すべき事項とその達成時期を定めモニタリングを強化し、シナジー効果の最大化に取り組んでまいります。

 

⑫法令遵守に関するリスク

当社グループは、建設業法、電気通信事業法、電波法等の法令に基づく許認可等を受けるとともに、事業の遂行に関連する各種の法令に則り事業活動を行っておりますが、万一これらにおいて違反が発生した場合は、当社グループの業績と信用に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループでは社内関係部署において法改正等の動向を注視し、速やかにグループ内への共有を図り必要に応じて社内規程の見直しを行うと共に、当社グループおよびパートナー企業の社員へ向けた啓発活動の実施と実効性のある内部監査や相談体制を構築することにより、法令遵守に継続的に取り組んでおります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

2025年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善の動きが続き、緩やかな回復基調を維持しました。一方、地政学リスクの高まりや米国の通商政策の動向、継続的な物価上昇など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループを取り巻く事業環境については、DX(デジタルトランスフォーメーション)や生成AIの普及等によるクラウドサービスやデータセンター需要の拡大が継続しております。さらに、近年激甚化する自然災害等に対する防災、減災、国土強靭化が推進されております。また、広域的な道路、上下水道といった複数自治体・多分野のインフラを群として捉えた群マネ(地域インフラ群再生戦略マネジメント)が進展しております。加えて、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けた再生可能エネルギーの利用や水素の活用が期待されております。

こうしたなか、当社グループは、Purpose(存在意義)、Mission(社会的使命)のもと、従来の事業やサービスをしっかり育てながら、今後の成長分野を「みらいドメイン」と定め、街づくり・里づくり/企業DX・GX、グリーンエネルギー事業、ソフトウェア事業、グローバル事業の拡大などにグループのリソースを結集し一層の事業成長の加速を図り、未来の社会インフラを「創り・守る」、信頼ある企業グループであり続けるため、2030年に向けた事業ビジョンとして、『MIRAIT ONE Group Vision 2030』及び2026年度を最終年度とする5ヶ年の第5次中期経営計画を推進しています。

2025年度は、中期計画の達成に向けてグループの成長基盤を確立する年として、事業成長を支える人財成長戦略の推進とリスクマネジメントを始めとする経営基盤の継続的な強化により、データセンター関連事業のさらなる拡大や西武建設㈱、国際航業㈱との三位一体の事業シナジーなどによるトップラインの拡大に取り組んでまいりました。

また、「超・通建」へ更なる成長に向けて、これまでM&Aなど事業拡大を図った「足し算」の連結経営から、各社・各カンパニーの事業間でのシナジーを生み出すために「掛け算」の連結経営を加速し、顧客志向へのシフトによる顧客価値の拡大や新規顧客開拓や急拡大するコンテナ型データセンタービジネスに取り組んでまいりました。加えて、AI活用による抜本的業務変革をはじめとするデータインサイト経営の推進等による現場力・生産性の更なる向上にも取り組んでまいりました。 

環境・社会イノベーション事業においては、再生可能エネルギー関連工事、土木・水道工事で受注が増加したものの、建築・リノベーション工事の受注減があり受注高は減少しました。売上高においても電気・照明工事で売上が増加したものの、前期大型案件の反動により減少となりました。

ICTソリューション事業においては、グローバル事業や、NEXT GIGA関連を中心に物販が拡大したのに加えて、ソフトウェア事業やストック事業が堅調に増加したことにより、受注高・売上高ともに増加となりました。また、㈱Y2Sの子会社化によるO&M(オペレーション&マネジメント)事業の拡大に取り組みました。

NTT事業においては、アクセス工事・モバイル工事等の受注高・売上高が堅調に推移したのに加えて、2025年1月にアクセス系グループ会社5社を合併して発足した㈱ミライト・ワン・ネクストにより生産性の向上、新たなビジネス領域の拡大、ガバナンス強化に取り組みました。

マルチキャリア事業においては、設備投資抑制による減少等があったものの、業務集約や業務分担最適化に継続的に取り組み、利益率の向上に努めました。

以上の結果、当期の連結業績につきましては、

受注高

6,587億1千8百万円

(前期比4.7%増

売上高

6,023億7千7百万円

(前期比4.1%増

営業利益

342億6千7百万円

(前期比22.4%増

経常利益

365億1千7百万円

(前期比32.9%増

親会社株主に帰属する当期純利益

232億8千2百万円

(前期比35.5%増

 

となりました。

また、営業利益率は5.7%、EBITDAは8.0%、ROEは8.6%となりました。

 

報告セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。

 

[ミライト・ワンの業績]

ミライト・ワンは、マルチキャリア事業の設備投資抑制による減少等はあったものの、NTT事業の堅調な推移とグループ内の事業運営体制の効率化等により収益性の向上を図りました。また、成長分野であるデータセンター関連事業やグリーンエネルギー事業の拡大に注力するとともに、不採算案件の防止に向けた継続的なリスクマネジメント強化に取り組み、受注高は3,412億1千3百万円(前期比10.3%増)、売上高は3,077億4千5百万円(前期比0.9%増)、営業利益は181億4千万円(前期比18.9%増)となりました。

 

[ラントロビジョンの業績]

ラントロビジョンは、世界的なインフレと労働者不足に伴うコストの増加、市場競争の激化による影響があったものの、クラウド事業者などによるシンガポール、インド、香港、マレーシア、インドネシアなどのアジア圏におけるデータセンター需要の取り込み、およびシンガポールでの電設事業の堅調な推移により、受注高は476億3千万円(前期比9.7%増)、売上高は443億1千7百万円(前期比29.1%増)、営業利益は26億9千7百万円(前期比91.0%増)となりました。

 

[TTKの業績]

TTKは、環境・社会イノベーション事業において、太陽光発電工事等の受注高、売上高が減少したものの、NTT事業におけるアクセス工事とモバイル工事の増加、事業エリアの拡大に加え、積極的な保全提案と生産性向上の取り組みにより、受注高は508億3千万円(前期比28.3%増)、売上高は453億6千2百万円(前期比19.6%増)、営業利益は33億6千2百万円(前期比39.1%増)となりました。

 

[ソルコムの業績]

ソルコムは、環境・社会イノベーション事業における太陽光工事の受注減少、ICTソリューション事業における道路情報化工事で発生した不採算案件の影響があったものの、繰越工事の完成や、堅調に推移したNTT事業の拡大と生産性向上の取り組みにより、受注高は399億1千1百万円(前期比1.8%減)、売上高は372億4千5百万円(前期比11.5%増)、営業利益は14億2千6百万円(前期比1.4%増)となりました。

 

[四国通建の業績]

四国通建は、NTT事業における工事延伸や環境・社会イノベーション事業における大型公共案件等の失注があったものの、NEXT GIGAスクール案件を中心にICTソリューション事業での受注高・売上高が大きく拡大したことにより、受注高は365億9千9百万円(前期比32.8%増)、売上高は378億1千6百万円(前期比50.7%増)、営業利益は40億3千3百万円(前期比32.7%増)となりました。

 

[西武建設の業績]

西武建設は、堅調な受注環境のもと、土木・リノベーションを中心に民間受注が増加したものの、建築工事において適正な施工人員を踏まえた受注活動に取り組んだことにより、受注高は減少いたしました。また、前期大型案件の反動により売上高が減少したものの、工事採算の改善等により収益性は向上し、受注高は753億8千2百万円(前期比23.8%減)、売上高は616億1千2百万円(前期比13.9%減)、営業利益は15億5千4百万円(前期比17.4%増)となりました。

 

[ミライト・ワン・システムズの業績]

ミライト・ワン・システムズは、前期に完成した大型案件による反動減により売上高や営業利益が減少、受注高は期ずれ案件の影響により微減となりました。一方、生産性向上によるコスト削減、リスク管理強化の取り組みにより営業利益率は改善し、受注高は302億6千8百万円(前期比0.4%減)、売上高は297億7千5百万円(前期比0.7%減)、営業利益は20億2千2百万円(前期比0.5%減)となりました。

 

[国際航業の業績]

国際航業は、空間情報技術をベースにした脱炭素や国土強靭化分野、インフラ維持管理DX等に注力し、先進的な技術に積極的に取り組み、グループシナジー効果の高いインフラの包括民間管理や公共施設の脱炭素化等の事業を受注したことにより、受注高は493億8千7百万円(前期比3.0%増)、売上高は496億4千4百万円(前期比0.2%増)、営業利益は18億4千4百万円(前期比19.6%増)となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

なお、当社グループが営んでいる事業の大部分を占める情報通信エンジニアリング事業においては生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。

また、「受注実績」及び「売上実績」については、当社の連結での受注及び売上の状況をセグメント別に記載しております。

 

a. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

ミライト・ワン

334,750

8.8

ラントロビジョン

47,630

9.7

TTK

50,282

27.6

ソルコム

39,911

△ 1.8

四国通建

36,552

32.8

西武建設

73,726

△ 24.1

ミライト・ワン・システムズ

26,509

4.3

国際航業

49,355

2.9

合計

658,718

4.7

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

b. 売上実績

当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(百万円)

前年同期比(%)

ミライト・ワン

304,819

0.9

ラントロビジョン

44,317

29.1

TTK

44,291

17.6

ソルコム

37,128

11.4

四国通建

37,765

50.6

西武建設

58,148

△ 18.3

ミライト・ワン・システムズ

26,290

3.8

国際航業

49,616

0.2

合計

602,377

4.1

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

売上高
(百万円)

割合(%)

売上高
(百万円)

割合(%)

NTT東日本株式会社

(旧 東日本電信電話株式会社)

86,964

15.0

91,494

15.2

NTT西日本株式会社

(旧 西日本電信電話株式会社)

60,149

10.4

61,591

10.2

 

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、5,733億9千3百万円で前連結会計年度末比356億5千4百万円の増加となりました。内訳は、流動資産で前連結会計年度末比258億7千9百万円増加し、固定資産で前連結会計年度末比97億7千4百万円増加しております。主な要因は、流動資産は完成工事高の増加に伴い受取手形・完成工事未収入金等が増加し、固定資産は建物及び構築物、投資有価証券が増加したことによるものであります。

負債は、2,849億4千6百万円で前連結会計年度末比170億8千3百万円の増加となりました。内訳は、流動負債で前連結会計年度末比152億9千3百万円増加し、固定負債で前連結会計年度末比17億9千万円増加しております。主な要因は、流動負債は短期借入金及び未成工事受入金が増加し、固定負債はリース債務が増加したことによるものであります。

純資産は、2,884億4千7百万円で前連結会計年度末比185億7千万円の増加となりました。これは配当金の支払いや、自己株式の取得があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益232億8千2百万円の計上等により利益剰余金が161億8百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は48.7%(前連結会計年度末は48.6%)となり、1株当たり純資産は3,151.61円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して57億3千4百万円増加し、570億8千4百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額121億2千9百万円があったものの、税金等調整前当期純利益367億2百万円を計上したこと等により、240億8千1百万円の増加(前連結会計年度は180億4千9百万円の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出86億4百万円及び無形固定資産の取得による支出24億5千8百万円があったこと等により、112億2百万円の減少(前連結会計年度は93億7千万円の減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金が70億円増加したものの、自己株式の取得による支出30億2百万円及び配当金の支払額71億7千8百万円があったこと等により、67億3千1百万円の減少(前連結会計年度は64億1千2百万円の減少)となりました。

 

(4) 資本の財源、資金の流動性に係る情報

①財務政策

当社グループは、安定した財務基盤と資本効率の両立を基本方針とし、新たな事業機会を創出するとともに事業構造の転換を加速させ、企業価値向上に努めます。そのため、健全な財務体質を維持しつつ資本コストを意識し、戦略的に経営資源を配分してまいります。また、株主還元については、総還元性向50%~70%をターゲットレンジとして、資本政策および業績・資金状況等を勘案し総合的に判断してまいります。

 

②資金需要

当社グループの資金需要は、経常運転資金として工事に係る材料費・外注費及び労務費等があり、投資活動に関する支出として、事業用資産取得にかかる設備投資資金、今後の成長に向けたM&A等の投融資資金があります。

また、総還元性向50%~70%をターゲットレンジとし、安定的・継続的な配当の成長と機動的な資本政策として自己株式取得を行う等、株主還元にも当社グループのキャッシュフローを充当してまいります。

 

③資金調達の方法・状況

資金調達については、内部資金を基本としており、キャッシュマネジメントシステム(CMS)導入によってグループ資金の有効活用を図っておりますが、一時的に必要となる資金については、金融機関からの短期資金調達にて対応しております。また、大型のM&Aや設備投資等の資金については、財務規律の維持と市場環境を勘案し、社債発行やシンジケートローンなどさまざまな調達手段から最適な方法により調達することとしております。

このため、緊急時やM&A等の成長投資に向けた資金需要に備え、適正な手元現預金の確保に努めるとともに、金融機関とのリレーションを維持強化し短期資金借入枠を設定しているほか、外部格付の取得を行う等、資金調達体制の構築に努めております。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、損益又は資産の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【重要な契約等】

(1) 株式会社みずほ銀行をアレンジャー兼エージェント、株式会社三井住友銀行をジョイント・アレンジャーとする6行によるシンジケートローン契約

①契約日

2023年3月24日

②契約の相手方の属性

都市銀行及び信託銀行

③契約に係る債務の期末残高

100億円

④弁済期限

2028年3月28日

⑤担保の内容

該当事項なし

⑥特約の内容

2023年3月期決算以降、各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を2022年3月決算期末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%および直前の決算期末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%のいずれか高い方の金額以上に維持すること。

2023年3月期決算以降の決算期を初回の決算期とする連続する2期について、各年度の決算期における連結の損益計算書に示される営業損益が2期連続して損失とならないようにすること。

 

 

(2) 株式会社みずほ銀行をアレンジャー兼エージェント、株式会社三井住友銀行をジョイント・アレンジャーとする17行によるシンジケートローン契約

①契約日

2023年3月24日

②契約の相手方の属性

都市銀行及び地方銀行

③契約に係る債務の期末残高

200億円

④弁済期限

2028年3月28日

⑤担保の内容

該当事項なし

⑥特約の内容

2023年3月期決算以降、各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を2022年3月決算期末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%および直前の決算期末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%のいずれか高い方の金額以上に維持すること。

2023年3月期決算以降の決算期を初回の決算期とする連続する2期について、各年度の決算期における連結の損益計算書に示される営業損益が2期連続して損失とならないようにすること。

 

 

(3) 株式会社三井住友銀行をアレンジャー兼エージェントとする17行によるシンジケートローン契約

①契約日

2024年10月25日

②契約の相手方の属性

都市銀行及び地方銀行

③契約に係る債務の期末残高

100億円

④弁済期限

2029年10月30日

⑤担保の内容

該当事項なし

⑥特約の内容

2025年3月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、2024年3月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%に相当する金額、又は直近の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。

2025年3月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結損益計算書に記載される営業損益を2回連続して損失としないこと。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動につきましては、事業会社を中心に行っております。当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は393百万円であります。セグメントごとの主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

[ミライト・ワン]

研究開発活動を支える組織としてみらいビジネス推進本部及びNTT事業本部DX推進部等があります。みらいビジネス推進本部は事業本部・支店と連携し、(1)新規事業開拓に資する技術開発、(2)新技術導入関連、(3)全社の知的財産の管理を行っております。NTT事業本部DX推進部はNTT事業本部内の各技術センタと連携して主に(4)ネットワークエンジニアリング事業における工事施工の効率化や安全・品質の向上に資するインフラ技術を中心に開発を行っております。研究開発費は177百万円であります。

 

(1)新規事業開発関連

・当社は、長年蓄積した通信用光ケーブルの実装技術を基盤とし、橋梁をはじめとする社会インフラ構造物の歪みをモニタリングする「光ファイバセンサ技術」の社会実装を推進しております。本技術は、インフラ構造物の施工時における品質管理及び供用後の維持管理業務の合理化を目的としており、先進的なインフラ運用の実現を通じて、社会基盤の効率的かつ持続可能な運用の支援に寄与するものであります。当会計年度における実績といたしましては、大手建設会社との戦略的な事業連携により、計12件の工事案件を受注いたしました。今後は、当該案件を基点として関連技術の更なる拡充を図るとともに、事業領域の拡大による収益基盤の強化を加速させていく方針であります。

 

(2)新技術導入関連

・当社は、次世代型太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池の早期社会実装に向け、独自の施工技術開発に注力しております。当該技術は、既設の太陽光発電設備においてペロブスカイト太陽電池を効率的に追加・運用することを可能とするものであり、本技術に関連する特許を取得しております。これにより、既存の発電インフラを最大限に活用した発電効率の向上が可能となり、再生可能エネルギーの普及拡大に向けた新たなソリューションを提供いたします。今後は、本新工法の検証を通じ、既設発電設備の更なるバリューアップを図るとともに、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた事業基盤の確立を推進してまいります。

 

(3)知的財産関連

・特許(出願4件、登録1件)、商標(出願2件、登録1件)を行いました。

 

(4)ネットワークエンジニアリング事業関連

(通信線路関連)

・通信事業会社を通じたソリューション提案において、顧客より採択されたVE提案(バリューエンジニアリング:作業効率化やコスト削減等を通じて生産性向上を図る制度)は「2件」となりました。当該提案内容に基づき、技術資料が策定・発出された結果、全国の通信建設会社に対して標準的な運用指針として周知・展開されております。

 1. 電磁誘導絶縁対策区間における接続端子かん用ロッドに対する絶縁対策方法の改善

 2. 8心テープドロップのE4心成端モジュール「FA」への心線収納方法の見直し

・通信事業会社を通じたソリューション提案において、顧客より「自由裁量(各現場判断による適用)」として承認を受けたVE提案は「2件」となりました。当該提案内容に基づき、全国の通信建設会社に対して各社の裁量による運用を許容する手法として周知されました。

 1. 軽量型ガスフラッシュコンプレッサの開発

 2. 支線角度事前確認ツールの考案

 

[ラントロビジョン]

該当事項はありません。

 

[TTK]

該当事項はありません。

 

[ソルコム]

該当事項はありません。

 

[四国通建]

該当事項はありません。

 

[西武建設]

該当事項はありません。

 

[ミライト・ワン・システムズ]

該当事項はありません。

 

[国際航業]

空間情報コンサルティング事業において、事業統括本部先端技術開発部が中心となり、同本部内の各部門と連携して、基礎研究、応用技術開発、新製品開発、既存製品の機能強化等に取り組んでおります。当連結会計年度における研究開発費の総額は、216百万円であります。

 

(1) 基礎研究に関するもの

当社グループでは、中長期的な競争力の源泉となる先端技術の獲得を目的とし、先端技術開発部を中心に以下の基礎的研究を推進しております。

・将来的な計算ニーズの増大に対応するため、量子コンピュータの利活用に向けた基礎研究に着手しております。これらは実用化の進展に合わせ、当社の既存事業へ迅速に実装すること、および高度なアルゴリズム等のコア技術を内製化し、社内に蓄積することを目的としております。

・3D都市モデルや3D管内図といった3次元空間情報の高度活用に取り組んでおります。従来のGIS(地理情報システム)やCADの枠組みを超え、3次元の描画性能に優れたゲームエンジンをビジネスビューアに転用することで、より直感的かつ高精細なデータ活用環境を各事業部門へ展開しております。

・先端技術実装を加速させるため、生成AI、特に自律的にタスクを実行するエージェント型AIによるシステム開発の自動化・効率化を検証しております。開発工程の期間短縮とコスト低減を両立しつつ、安全かつ迅速な全社展開に向けたガバナンス体制および運用手法の確立を並行して進めております。

 

(2) 応用技術の開発、新製品の開発等に関する研究

当連結会計年度における応用開発では、各事業部門と密に連携し、現場課題の解決とサービス付加価値の向上を目的とした技術開発を実施しております。

・3次元点群測量におけるノイズ除去効率化ツールの開発や、AI画像診断を用いた漏水検知・下水道管路の劣化診断技術を確立いたしました。これにより、従来人手に頼っていたデータ解析時間の短縮と、判定精度の均質化を実現しております。

・道路モニタリングの自動化技術やデータ取得工程の効率化に向けた研究を推進いたしました。センサーデバイスと解析アルゴリズムを組み合わせることで、低コストかつ高頻度なインフラ管理体制の構築に寄与しております。

・斜面崩落等の予兆を捕捉する高精度GNSSセンサーの開発や固定カメラ映像を用いた異常検知技術の実装を行いました。リアルタイムでの危険検知・通知を可能にすることで、地域社会の安全性向上に直結するソリューションを提供しております。

 

(3) その他

・空間情報コンサルティング事業全般に関わる技術の向上や交流を主な目的として、①技術シンポジウムの開催、 ②国の関連研究機関などへの研修派遣、③学識経験者などを講師とする専門分野の研究会活動などを、先端技術開発部が中心となって継続的に実施しております。