文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、投資に際して生ずるさまざまなリスクの分析を行い、お客さまの立場に立って、お客さまにとって最適な商品のご提供を行うことを目的として2001年11月に設立され、それ以来、その目的の下企業価値の向上に努めてまいりました。
直近では、新型コロナウイルス感染症の世界的流行などの環境変化を、収益構造の多角化や構造改革を図る好機と捉え、新たな成長路線へシフトし、具体的には、第1の柱であるリースファンド事業に加え、第2の柱として不動産ファンド事業の拡大を図り、第3の柱とすべく新たに海外不動産投資商品の開発などを行っております。加えて、国際社会が目指す持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の達成に貢献すべく、航空機や船舶を対象としたリースファンド事業案件におけるトランジション・ファイナンスを積極的に推進しております。
今般、当社の使命についてステークホルダーの皆様にお示しすべく、2022年12月22日付で新たな企業理念を以下のとおり制定いたしました。
また、新たな企業理念を反映すべく、当社の英文社名も同日付けで、これまでのFinancial Products Group Co., Ltd.からFinancial Partners Group Co., Ltd.へと変更しております。
当社は、新たな企業理念のもと今後も企業価値の向上に努めてまいります。
(2)経営環境、中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき課題
2020年9月期連結会計年度以降、世界各国における新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び感染拡大防止活動は、各国の経済環境、特に航空業界の経営環境へ悪影響を与え、当社の経営成績及び財政状態にも影響を与えましたが、足元の状況については、各国政府の政策や各企業の自助努力の成果により、経済社会活動は総じて正常化に向かっております。また、当社の業績についても、各種施策の成果もあり、リースファンド事業及び不動産ファンド事業が好調に推移した結果、前年度比で大幅な増収・増益となり、当社はコロナ禍から脱却し、新たな成長路線にシフトしております。
中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題は、以下のとおりであります。
前年度の有価証券報告書に掲げた2022年9月期から2024年9月期を対象とする中期経営計画では、基本方針として、当社が持続的成長を続けていくための変革と挑戦に取り組み2023年9月期以降、安定的に経常利益100億円以上を目指すとし、施策として不動産ファンド事業の拡大のための不動産小口化商品の組成及び新規商品の組成の開始や、企業価値向上のためのSDGs(持続可能な開発目標)への取組等を進めていくものとしておりました。
2022年9月期においては、第1の柱であるリースファンド事業は好調に推移しながら、第2の柱である不動産ファンド事業において、国内不動産については不動産小口化商品の組成と販売の好循環を確立し、海外不動産については第1号案件の販売を開始する等、好調に推移した結果、前年度の有価証券報告書の中で掲げておりました中期経営計画の公約である経常利益100億円を1年前倒しで達成いたしました。加えてSDGsの取組みを進めました。
これらの成果を踏まえたうえで、当社は、新たに2023年9月期から2025年9月期までを対象期間とする中期経営計画を策定し、さらなる成長に向けて、各種施策を実施してまいります。
当該中期経営計画の概要は、以下のとおりであります。
<方針>
金融・不動産等のライセンスを活用した新たな商品・サービスを創出し、各分野でリーディングカンパニーとしての地位を維持・獲得
<戦略>
・早期に連結ベースでの過去最高益(経常利益143.9億円、純利益(注)100.3億円)の更新を目指す
・第2の柱である国内不動産のさらなる成長
・第3の柱とすべく海外不動産の取り組みを拡大
・SDGsへの取り組み
(注)親会社株主に帰属する当期純利益
<株主還元>
配当性向(連結) 50%を目安とする方針を維持
なお、当社のSDGs(持続可能な開発目標)への取組状況は以下のとおりです。
当社グループの業績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)リースファンド事業のリスクについて
オペレーティング・リース事業案件について
当社は、匿名組合方式又は任意組合方式、金銭の信託方式によるオペレーティング・リース事業案件の組成及び管理並びに投資家への匿名組合出資持分・任意組合出資持分・信託受益権の販売を行うことで、手数料等の収益を得ております。
当社が提供するオペレーティング・リース事業案件は、主に匿名組合方式又は金銭の信託方式であり、匿名組合方式においては匿名組合の営業者となる当社子会社(SPC)が、また、金銭の信託方式の場合は信託の受託者である株式会社FPG信託が、それぞれリース物件を取得し、オペレーティング・リース事業を行います。当該オペレーティング・リース事業の事業収支・損益は、投資家に匿名組合出資持分又は信託受益権を譲渡することで投資家に帰属することになります。投資家に帰属する当該事業収支・損益が、当初想定したものよりも悪化し、損失が発生する場合、投資家の投資意欲が減退し、今後の出資金販売額が減少する等して、当社の手数料等の収益が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
オペレーティング・リース事業の事業収支・損益が、当初想定したものよりも悪化する主な要因として、①為替変動、②リース物件賃借人のリース料支払の不履行、③将来のリース物件の価額変動があげられます。①について、将来のリース物件の売却や投資家への出資金等の償還が外貨で行われる場合で、リース組成時点よりも為替レートが円高傾向にある場合、円換算後のオペレーティング・リース事業の事業収支・損益が悪化し、投資家が損失を被る可能性があります。②について、賃借人が法的倒産手続の開始を含む何らかの理由で当社子会社(SPC)又は受託者に対して契約条件どおりにリース料を支払わない場合、オペレーティング・リース事業の事業収支・損益が悪化して、投資家が損失を被る可能性があります。③について、リース期間終了時に賃借人がリース物件を購入しない場合には、当社子会社(SPC)又は受託者は市場を通じて第三者にリース物件を売却又は再リースを行うことになりますが、当初想定したリース物件の売却価額より低い価額で売却する場合又は再リースの条件によっては、オペレーティング・リース事業の事業収支・損益が悪化し、投資家が損失を被る可能性があります。
当社グループは、当該リスクへ対応するため、オペレーティング・リース事業のリスクを投資家に十分に説明するとともに、賃借人のリース料支払の不履行リスクを減少させるため、賃借人には、信用力の高い世界的に大手の海運会社、航空会社及びリース会社を選定し、また、リース物件価格の変動リスク等に対処するため、当社グループのリース物件のリマーケティング能力を向上させるとともに、案件によっては、リース物件の売却価額について、残価保証会社による残価保証を利用することにより一定額以上でのリース物件の換価を確保するなどの対策を行っております。もっとも、これらの対処にもかかわらず、オペレーティング・リース事業の事業収支・損益が悪化し、投資家に損失が発生する可能性はあり、この場合、投資家の投資意欲が減退し、今後の出資金販売額が減少する等して、当社の手数料等の収益が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループが一時的に取得する匿名組合出資持分、任意組合出資持分又は信託受益権について
当社グループは、オペレーティング・リース事業の組成時に、投資家に譲渡することを前提に匿名組合出資持分または任意組合出資持分(以下併せて「出資持分」といいます。)を一時的に取得する場合があり、当該出資持分を(連結)貸借対照表に「商品出資金」として計上いたします。また、金銭の信託方式の場合、信託受益権の未販売相当額を、(連結)貸借対照表に「金銭の信託(組成用航空機)」として計上いたします。
出資持分又は信託受益権を投資家へ譲渡するまでに、リース物件の価値の下落、賃借人の信用の悪化、為替相場が円高になる等の事由により当該出資持分又は信託受益権の価値が低下し、実質的に損失が発生する場合には、当社は当該出資持分又は信託受益権の価額を切り下げたうえ、損失を計上する可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社は匿名組合出資持分を投資家に円建で譲渡する場合、譲渡価格をオペレーティング・リース事業案件の組成時点の為替レートの水準を基礎として決定しております。このため、当該匿名組合出資案件の組成後に急激に為替相場が円高傾向になった場合には、譲渡価格が、譲渡時点における為替レートの水準で算定される匿名組合出資持分の価格に比して割高になり、投資家の投資意欲が減退し、当該匿名組合出資持分を購入する投資家が減少するなどの事由により、当初の販売計画に遅れが生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、出資持分又は信託受益権を外貨建で投資家に譲渡する場合は、当社グループが為替リスクを負います。
譲渡する投資家を最終的に見つけることができなかった場合には、当社グループが投資家として、オペレーティング・リース事業案件に関与することになるため、リース物件の価額の下落等の事情が生じる場合等において、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、保有する出資持分又は信託受益権について、賃借人には信用力の高い世界的に大手の海運会社、航空会社及びリース会社を選定し、短期間で投資家に譲渡することが可能な案件の組成に努めております。
案件組成用資産について
当社グループは、オペレーティング・リース事業の案件組成を行うため、組成用の航空機を取得する場合があり、この場合(連結)貸借対照表上に計上いたします。これらの資産は、取得後、短期間のうちに投資家等へ譲渡することを想定しておりますが、経済環境の急激な変化が生じた場合や、当初想定どおりに譲渡できない場合等、資産の価値が変動し、場合によっては、評価損を計上すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
特定業種への依存について
リースファンド事業におけるオペレーティング・リース事業案件のリース物件は、航空機、海上輸送用コンテナ及び船舶であり、航空業界及び海運業界の設備投資動向にオペレーティング・リース事業案件の組成動向が影響を受ける可能性があり、結果として当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、海運業界や航空業界の業績次第では、投資家の賃借人に対する信頼度の低下や、リース期間終了時の物件売却価額の低下が生じる可能性があるため、投資家の投資意欲が減退し、出資金販売額が減少する等して、当社の収益が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
販売用航空機について
当社グループは、販売目的で保有する航空機について、販売用航空機として(連結)貸借対照表上に計上いたします。当該販売用航空機の実質価値が変動した場合には、評価損を計上すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)不動産ファンド事業のリスクについて
当社グループでは、不動産ファンド事業において、国内不動産を対象とした不動産小口化商品を投資家に提供するため、不動産(不動産信託受益権を含む。)を取得し、「組成用不動産」として(連結)貸借対照表上に計上いたします。また、海外不動産を対象とする集団投資事業案件については、事業開始日時点で、当社子会社である株式会社FPG証券は、投資家に譲渡することを前提に、一時的に任意組合出資持分を立替取得し、「商品出資金」として(連結)貸借対照表に計上いたします。
当社は投資対象とする不動産の投資方針を定め、その方針に合致する優良物件を取得し、取得後短期間のうちに投資家へ譲渡することが可能な案件の組成に努めております。しかしながら経済環境の急激な変化が生じた場合や、当初想定どおりに譲渡できない場合等、資産の価値が変動し、場合によっては、評価損を計上すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)リースファンド事業及び不動産ファンド事業以外の事業のリスクについて
プライベートエクイティ事業
プライベートエクイティ事業において、未上場企業を対象に投資を行っておりますが、これらの未上場企業等は、成長過程にある企業であり、収益基盤や財務基盤が不安定であったり、経営資源も限られるといったリスク要因があるため、投資額については一定限度に抑制しておりますが、投資から株式上場もしくは第三者等への売却までは通常長期間を要するため、企業価値が当初の見込みより悪化する可能性があるというリスクが存在するとともに、投資先企業の業績が、当社の見込みどおりに推移しない場合には営業投資有価証券について評価損を計上することで当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
航空事業
連結子会社である株式会社FPGエアサービスが、航空運送事業者及び航空機使用事業者として離島に所在する病院へのドクター搬送に特化したチャーターフライト事業を行っております。航空機の運用については、法令に従った機体の点検・整備の確実な実施を図ることで、安全運航の確保に努めておりますが、航空機の喪失又は損傷等につながる重大な航空機事故等が発生した場合で、その損失を保険で適切にカバーできない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)法的規制について
事業遂行に関連する法令
当社がリースファンド事業で取り扱う出資持分及び信託受益権は、金融商品取引法第2条第2項の有価証券に該当し、私募の取扱いや売買により投資家に譲渡するためには、金融商品取引法及び金融商品販売法その他法的規制を遵守する必要があります。当社は、金融商品取引法第29条に基づく第二種金融商品取引業の登録を行っておりますが、同法第52条にて、登録の取消、業務の停止等となる要件を定めており、これに該当した場合、当社に対して登録の取消、業務の停止が命じられることがあります。
また、当社グループは、リースファンド事業に加えて、不動産ファンド事業、保険事業、証券事業、信託事業、航空事業等を遂行しておりますが、これらの多角的な事業を遂行するために、宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業者の免許取得、不動産特定共同事業法に基づく許可取得、保険業法に基づく特定保険募集人の登録、金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業及び投資運用業の登録、貸金業法に基づく貸金業者の登録、信託業法に基づく信託業の免許取得、航空運送事業及び航空機使用事業の許可取得を行っており、保険業法、宅地建物取引業法、不動産特定共同事業法、金融商品取引法、貸金業法、信託業法、航空法その他関連する法令等を遵守する必要があります。
当社グループは、事業を遂行するにあたり役職員への企業倫理・コンプライアンス教育を定期に実践し、グループ全体の法令遵守意識の啓発に努める等により各法令等の遵守を徹底しており、本書提出日現在において、かかる登録・許可・免許の取消事由に該当する事実はないと認識しておりますが、今後、何らかの事由により当社グループが業務停止命令や登録・許可・免許の取消等の行政処分等を受けた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、連結子会社である株式会社FPG証券は、第一種金融商品取引業者として、金融商品取引法に基づき、同法に定める自己資本規制比率を120%以上に維持する必要があります。本書提出日現在において、自己資本規制比率を120%以上に維持していると認識しておりますが、今後、何らかの事由により、維持できない場合には、業務停止命令や登録の取消等の行政処分等を受けること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
税務その他関連する法令
リースファンド事業におけるオペレーティング・リース事業案件を含む当社グループが提供する商品・サービスは、現行の税務、会計その他当該商品・サービスに関連する法令等に基づきその設計を行っております。当社は、必要に応じて、個別に税理士、弁護士等から意見書を取得することなどにより、関連する法令等の内容及びその法解釈について必要な検証を行っております。しかしながら、将来、当該法令等が改正され又は新たに制定されることにより課税の取扱いに変更が生じる場合等、当社グループが提供する商品・サービスに対する投資家の投資・購入意欲が減退して、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
過去においては、2005年度税制改正における「租税特別措置法第67条の12(組合事業に係わる損失がある場合の課税の特例)」により、匿名組合の営業者から投資家へ分配される損失及び利益のうち、投資家が損金として計上できる額は出資額を上限とするなど、税当局による規制強化が図られております。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、事業や商品の多角化に努め、関係法令等の動向について適宜情報収集及びその分析を行い、関連部署を中心に適切に対応することとしております。
(5)個人情報・機密情報の取扱いについて
当社グループは、各事業の遂行にあたり、顧客・紹介者の個人情報・機密情報を取得・保有しております。
当社グループは、外部からの不正アクセス及びウイルス感染の防御、内部管理体制の強化等の対策を行っておりますが、万一、当社グループが扱う個人情報・機密情報が外部に漏洩した場合は、行政処分、損害賠償、当社グループの信用力の低下等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)金融資本市場及び経済状況の混乱による影響について
過去、リーマンショックが発生した際には、世界的な金融システムの混乱が生じ、金融業界の事業環境に深刻な信用収縮、金融システムへの信頼性の低下、また、それを原因とした世界経済の悪化等、様々な影響が生じました。当社グループではリスクモニタリング体制を整備するなど、今後、世界経済の悪化や金融システムが不安定となる状況が発生した場合の影響を最小化するための体制整備に努めておりますが、当社の想定を超える状況となった場合には、リースファンド事業や不動産ファンド事業における商品組成・販売が困難になる可能性がある等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び感染拡大防止活動による事業への影響については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおり、経済活動は正常化に向かっており、当社の事業活動に重大な影響を与えないと見込んでおりますが、今後、当社の想定と異なる状況となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)資金調達に関するリスク
当社グループは、リースファンド事業及び不動産ファンド事業における案件組成資金その他運転資金の一部を金融機関からの借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーによって調達しております。
また、主に案件組成資金を機動的に調達するため、金融機関と、また、コミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。これら契約の大半は、その契約期間が概ね1年です。
世界経済の悪化等何らかの理由により、個別の借入れができなくなる場合、コミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結できなくなる場合、適時に資金調達ができなくなる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、コミットメントライン契約及び当座貸越契約には、財務制限条項が付されているものがあり当社グループの業績が悪化した場合には、財務制限条項に抵触し、借入について期限の利益を喪失する可能性があります。期限の利益を喪失し、一括返済が求められた場合、当社グループの事業運営に重大な影響が生じる可能性があります。
なお、当連結会計年度末における資金調達枠の総額及び財務制限条項の内容については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」をご参照下さい。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、流動性を管理し、資金調達方法の多様化に努め、適時に必要な資金調達が実施できる体制を整備しております。
(8)連結の範囲決定に関する事項
当社は 、リースファンド事業におけるオペレーティング・リース事業の匿名組合営業者として利用する子会社について、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第5条第1項第2号に基づき、連結の範囲に含めることで利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがある子会社と判断し、連結の範囲から除いております。また、リースファンド事業及び不動産ファンド事業において当社及び当社の子会社が業務執行組合員となる任意組合については、その業務執行権が管理業務に準ずるものに過ぎないため、実務対応報告第20号「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 )に基づき、連結の範囲に含めておりません。海外不動産の集団投資事業案件で投資ビークルとして利用する子会社については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第5条第1項第1号に基づき、子会社に対する支配が一時的であると判断し、連結の範囲から除いております。当社は、上記会計基準等に照らし、匿名組合営業者として利用する子会社、任意組合及び投資ビークルとして利用する子会社の運営についての当社グループの関与状況を検討したうえで、連結の範囲から除外しておりますが、今後、新たな基準の設定や、実務指針等の公表により、特別目的会社(SPC)に関する連結範囲の決定について、当社が採用している方針と大きく異なる会計方針が確立された場合や、当社グループの関与状況に変更が生じた場合には、当社グループの連結範囲決定方針においても大きな変更が生じ、子会社の判断や連結の範囲の判断に変更が生じる可能性があります。また連結の範囲に含めることによって、当社の個別財務諸表においてもリース事業の損益及び資産・負債を計上する可能性があります。
(9)重要な訴訟事件等に関わるリスク
当社グループは、オペレーティング・リースを利用したリースファンド事業及びその他事業を展開していますが、これらに関連して、投資家・紹介先を含めた取引先等より法的手続等を受ける可能性があります。当社グループは法令や契約条件の遵守に努めており、今後当事者となる可能性のある訴訟及び法的手続の発生や結果を予測することは困難ではありますが、当社グループに不利な結果が生じた場合は、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(10)代表取締役社長への依存及び当社の事業推進体制について
当社の代表取締役社長である谷村尚永は、当社の創業者であるとともに、設立時より最高経営責任者であり、また、本書提出日現在、当社の発行済株式総数の2.47%(HTホールディングス株式会社(同氏が代表取締役を務める資産管理会社)の保有割合27.28%と合計した保有割合は29.75%)を保有する大株主であります。同氏は、オペレーティング・リース事業案件の組成・販売に関する豊富な経験と知識や、取引先、投資家等各分野にわたる人脈を有しており、また、経営方針や事業戦略等の立案及び決定を始め、当社グループの事業推進の中心的役割を担っていることから、当社グループにおける同氏への依存度は高いものとなっております。
このため当社グループでは、取締役会や社内会議において、役職員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかし、現時点においては、何らかの理由により同氏が当社グループの経営者として業務執行が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
上記の主要なリスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に予測することは困難でありますが、(1)リースファンド事業のリスクに記載した信託受益権についてのリスクにつきまして、当社は、信託受益権を投資家に譲渡する目的で、貸借対照表上、商品として流動資産「金銭の信託(組成用航空機)」に計上しておりますが、当連結会計年度末において、会計上の評価を見直した結果、評価損を計上する等、リスクが顕在化し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与えました。
当該信託受益権は、外貨建で販売する大口投資家向け商品として組成したものですが、新型コロナウイルス感染症による航空機投資事業への不安の高まり、また、昨今の対ドル円安の影響により投資家の必要資金が多額になることもあって、当社の保有期間が長期化しているものです。当該信託受益権は、航空会社の与信に問題がなくコロナ禍においても安定したリース料収入を得ており、商品性に問題はないと考えているものの、当社の保有期間が長期化している事実に加え、会計上、商品として評価してきた当該信託受益権の処分について今後様々な選択肢が考えられる中、正味売却価額が低下していると判断し、会計上の評価額を切り下げることにしたものです。
今後につきましては、当社は新型コロナウイルス感染症の感染拡大や感染拡大防止活動の影響について、当社の事業活動に重大な影響を与えないと見込んでおりますが、今後、当社の想定と異なる状況となった場合には、評価損の計上や匿名組合営業者として利用する子会社を連結の範囲に含めるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
<収益認識に関する会計基準の適用について>
当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
収益認識会計基準の適用によって、不動産ファンド事業における不動産小口化商品の販売に関する会計処理について、前連結会計年度の当社利益相当額(当社役務手数料相当額)を売上高に計上する方法から、当連結会計年度においては、販売価額相当額を売上高に計上する方法に変更しており、売上高及び売上原価の各金額は、従来の会計処理の方法に比べ、大きく増加することになりました。なお、当該変更による各損益への影響はありません。また、収益認識会計基準の適用にあたっては収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従い、前連結会計年度の連結財務諸表に対しては遡及修正を行っておりません。
これらの結果、当連結会計年度の売上高及び売上原価は、前連結会計年度と比較して大きく増加することになったため、本項目における売上高及び売上原価の前年度比増減率は記載しておりません。
なお、収益認識会計基準の適用の詳細は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
また、不動産ファンド事業の不動産小口化商品の販売に関する会計処理に関し、前連結会計年度の連結財務諸表について、当連結会計年度と同じ方法で処理した場合の各金額を「<参考>2021年9月期連結会計年度」に記載しております。
(単位:百万円)
|
|
<実績> 2021年9月期 連結会計年度 |
<参考> 2021年9月期 連結会計年度 |
2022年9月期 連結会計年度 |
増減率 |
|
売上高 |
14,924 |
33,584 |
59,193 |
- |
|
売上原価 |
3,246 |
21,906 |
40,564 |
- |
|
売上総利益 |
11,677 |
11,677 |
18,628 |
59.5% |
|
販売費及び一般管理費 |
6,443 |
6,443 |
6,883 |
6.8% |
|
営業利益 |
5,233 |
5,233 |
11,744 |
124.4% |
|
営業外収益 |
2,427 |
2,427 |
1,874 |
△22.8% |
|
営業外費用 |
2,512 |
2,512 |
1,152 |
△54.1% |
|
経常利益 |
5,148 |
5,148 |
12,466 |
142.2% |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
2,946 |
2,946 |
8,475 |
187.6% |
当連結会計年度においては、世界経済は世界的な金融引き締めが進む中での金融資本市場の変動や物価上昇、供給面での制約等はありましたが、景気は緩やかな持ち直しが続きました。一方、日本経済においても、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、各種政策の効果もあり、景気は緩やかに持ち直しました。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に従い、各種施策の実施に努めました。
この結果、リースファンド事業、不動産ファンド事業ともに好調に推移し、当連結会計年度において金銭の信託(組成用航空機)に関する評価損1,217百万円を計上したものの、前連結会計年度において計上したAir Mauritius Limitedが賃借人となるオペレーティング・リース事業(以下、当該リース事業を「AML案件」という。)に関する損失998百万円が、前年度で損失処理が完了したことで当連結会計年度には損失計上がなかったこともあり、連結売上高は59,193百万円、営業利益は11,744百万円(前年度比124.4%増)、経常利益は12,466百万円(前年度比142.2%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は8,475百万円(前年度比187.6%増)となりました。売上高は、前連結会計年度について不動産小口化商品の販売に関する会計処理に関して、当連結会計年度と同じ方法で処理した場合と比較し、前年度比で約1.8倍となりました。
売上高/売上原価/売上総利益
(単位:百万円)
|
|
<実績> 2021年9月期 連結会計年度 |
<参考> 2021年9月期 連結会計年度 |
2022年9月期 連結会計年度 |
増減率 |
|
売上高 |
14,924 |
33,584 |
59,193 |
- |
|
リースファンド事業 |
11,161 |
11,161 |
14,232 |
27.5% |
|
不動産ファンド事業 |
2,621 |
21,282 |
43,691 |
- |
|
国内不動産 |
2,621 |
21,282 |
42,890 |
- |
|
海外不動産 |
- |
- |
801 |
- |
|
その他事業 |
1,141 |
1,141 |
1,268 |
11.2% |
|
売上原価 |
3,246 |
21,906 |
40,564 |
- |
|
売上総利益 |
11,677 |
11,677 |
18,628 |
59.5% |
|
リースファンド事業 |
|
|
|
|
|
リース事業組成金額 |
158,751 |
158,751 |
308,922 |
94.6% |
|
出資金販売額 |
94,557 |
94,557 |
68,720 |
△27.3% |
|
不動産ファンド事業 |
|
|
|
|
|
不動産ファンド事業組成金額 |
34,800 |
34,800 |
74,752 |
114.8% |
|
不動産小口化商品販売額 |
20,800 |
20,800 |
42,570 |
104.7% |
|
出資金販売額(海外不動産) |
- |
- |
5,010 |
- |
用語の説明
[リース事業組成金額]
組成したオペレーティング・リース事業案件のリース物件の取得価額の合計額であります。
[出資金販売額][出資金販売額(海外不動産)]
出資金(オペレーティング・リース事業の匿名組合出資持分及び任意組合出資持分並びに海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分)について、リース開始日までに投資家へ私募の取り扱いを行った額及びリース開始日時点で当社及び当社子会社が一旦立替取得し、(連結)貸借対照表の「商品出資金」に計上したものについて、投資家へ譲渡した額の合計額であります。なお、信託機能を活用した航空機リース事業案件に係る信託受益権譲渡価額を含めております。
[不動産ファンド事業組成金額]
国内不動産の不動産小口化商品について信託受益権1個当たりの価額に組成個数を乗じた額及び海外不動産についてのリース物件の取得価額の合計額であります。
[不動産小口化商品販売額]
信託受益権1個当たりの価額に販売個数を乗じた額となります。
売上高は、59,193百万円となりました。
(リースファンド事業)
出資金販売額は68,720百万円(前年度比27.3%減)となりましたが、収益率の高い案件の出資金販売が好調に継続した結果、売上高は、14,232百万円(前年度比27.5%増)と伸長しました。
また、リース事業組成金額は、航空機・船舶・コンテナ全ての組成金額が前連結会計年度と比べ概ね倍増した結果、308,922百万円(前年度比94.6%増)となりました。
(不動産ファンド事業)
国内不動産は組成と販売の好循環を確立し、不動産小口化商品販売額が、42,570百万円(前年度比104.7%増)となり、また、海外不動産についても第1号案件の販売を2022年6月より開始し、出資金販売額が5,010百万円となった結果、国内不動産・海外不動産合算の売上高は43,691百万円となりました。また、不動産ファンド事業組成金額は、国内不動産・海外不動産合算で、前連結会計年度と比べ倍増となる74,752百万円(前年度比114.8%増)となりました。
(その他事業)
その他事業の売上高は1,268百万円(前年度比11.2%増)となりました。このうち、FinTech事業の売上高は450百万円(前年度比4.8%増)、保険事業の売上高は448百万円(前年度比22.4%増)となりました。
(注)FinTech事業、保険事業、M&A事業、プライベートエクイティ事業及び航空事業等を総称して、「その他事業」としております。
売上原価は、金銭の信託(組成用航空機)に関する評価損を1,217百万円計上したことや、不動産小口化商品の販売に係る原価の計上等により40,564百万円となりました。
上記の結果、売上総利益は、18,628百万円(前年度比59.5%増)となりました。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、6,883百万円(前年度比6.8%増)となりました。
これは主に人件費が3,970百万円(前年度比6.3%増)、その他の費用が2,912百万円(前年度比7.5%増)となったことによるものであります。
(注)人件費には、給料手当、賞与(引当金繰入額含む)、法定福利費、福利厚生費、退職給付費用、人材採用費等を含めております。
営業利益
上記の結果、営業利益は、11,744百万円(前年度比124.4%増)となりました。
営業外収益/営業外費用
営業外収益は1,874百万円(前年度比22.8%減)となりました。これは、不動産賃貸料が634百万円(前年度比363.5%増)となった一方で、前連結会計年度において、AML案件に関連し発生した貯蔵品評価損戻入益393百万円が当連結会計年度においては発生しなかったこと、また、投資家から収受している商品出資金の立替利息相当額の減少に伴い受取利息が234百万円(前年度比41.7%減)、金銭の信託運用益が797百万円(前年度比33.3%減)となったこと等によるものです。
営業外費用は、1,152百万円(前年度比54.1%減)となりました。これは、前連結会計年度において主にAML案件に関連し発生した為替差損672百万円及び減価償却費192百万円が当連結会計年度においては発生しなかったこと、また、支払利息が413百万円(前年度比44.7%減)、支払手数料が569百万円(前年度比34.4%減)となったこと等によるものであります。
経常利益/特別損益/親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は12,466百万円(前年度比142.2%増)となりました。
特別損失は182百万円(前年度は株式会社FPG証券の通貨関連店頭デリバティブ事業の譲渡に伴う事業譲渡損失241百万円、株式会社FPGテクノロジーに係るのれん等の減損損失318百万円の計上等により615百万円)となりました。
上記の結果、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は8,475百万円(前年度比187.6%増)となりました。
なお、当連結会計年度より、当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」へと変更しておりますが、全セグメントに占める「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(単位:百万円)
|
|
2021年 9月末 |
2022年 9月末 |
増減額 |
|
資産合計 |
91,899 |
158,052 |
66,152 |
|
流動資産 |
85,782 |
152,737 |
66,954 |
|
(現金及び預金) |
20,814 |
13,119 |
△7,694 |
|
(組成資産) |
58,629 |
133,190 |
74,560 |
|
(その他) |
6,338 |
6,427 |
89 |
|
固定資産 |
6,117 |
5,315 |
△802 |
|
負債合計 |
62,508 |
121,892 |
59,384 |
|
流動負債 |
47,279 |
107,859 |
60,580 |
|
(借入金・社債) |
38,769 |
86,358 |
47,589 |
|
(前受金・契約負債) |
4,723 |
12,932 |
8,209 |
|
(その他) |
3,786 |
8,568 |
4,781 |
|
固定負債 |
15,228 |
14,032 |
△1,195 |
|
(借入金・社債) |
14,734 |
13,489 |
△1,244 |
|
(その他) |
494 |
542 |
48 |
|
純資産合計 |
29,391 |
36,159 |
6,768 |
|
自己資本比率 |
31.8% |
22.8% |
|
(注)(前受金・契約負債)には、2021年9月末については前受金を、2022年9月末には契約負債を含めております。当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)を適用した結果、従来前受金に計上することとしていたリースファンド事業及び不動産ファンド事業に係る前受手数料は、契約負債として表示しております。
積極的な商品組成によって組成資産が増加し、資産合計は158,052百万円(前年度末比66,152百万円の増加)となりました。組成資産の資金調達のための借入金・社債が増加し、負債合計は、121,892百万円(前年度末比59,384百万円の増加)となりました。前年度の期末配当1,580百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益8,475百万円を計上したことによって、純資産合計は36,159百万円(前年度末比6,768百万円の増加)となりました。
組成資産及び借入金・社債の状況は以下のとおりです。
組成資産の状況
(単位:百万円)
|
|
2021年 9月末 |
2022年 9月末 |
増減額 |
|
組成資産合計 |
58,629 |
133,190 |
74,560 |
|
リースファンド事業 |
39,402 |
96,057 |
56,655 |
|
商品出資金 |
20,866 |
75,189 |
54,323 |
|
金銭の信託(組成用航空機)(注) |
18,535 |
20,868 |
2,332 |
|
不動産ファンド事業 |
19,227 |
37,132 |
17,904 |
|
商品出資金 |
- |
5,500 |
5,500 |
|
組成用不動産 |
19,227 |
31,632 |
12,404 |
(注)当社が組成する信託機能を活用した航空機リース事業案件は、当該リース事業を遂行する特定金外信託契約に係る受益権を投資家に譲渡するものであり、当社は、この法的実態を鑑み、未販売の当該受益権相当額を「金銭の信託(組成用航空機)」に計上しております。当該信託契約は、当社が信託の受託者である株式会社FPG信託に金銭を信託し、同社が当初委託者である当社の指図に基づき、当該金銭をもって航空機を購入したうえで、航空会社にリース・市場売却等を行うものであります。信託受益権を、投資家に譲渡することで、委託者の地位が承継されると共に、信託財産から生じる譲渡後の損益が投資家に帰属いたします。
(リースファンド事業)
未販売の匿名組合出資持分・任意組合出資持分を計上する商品出資金は販売が好調に進んだ一方で、ポストコロナにおける投資家の需要回復が見込まれる中、販売拡大に向けた在庫の確保を積極的に進めた結果、前年度末に比べ増加しました。金銭の信託(組成用航空機)は、評価損の計上や商品の販売を行ったものの、為替の円安影響により、前年度末に比べ増加しました。
(不動産ファンド事業)
不動産ファンド事業のさらなる拡大に向け、旺盛な需要に見合う在庫を確保すべく、新規の物件取得を積極的に進めた結果、組成用不動産は前年度末に比べ増加しました。なお、海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分を商品出資金に計上しております。
借入金・社債の状況
(単位:百万円)
|
|
2021年 9月末 |
2022年 9月末 |
増減額 |
|
借入金・社債合計 |
53,503 |
99,848 |
46,344 |
|
流動負債 |
38,769 |
86,358 |
47,589 |
|
短期借入金 |
28,998 |
72,842 |
43,843 |
|
コマーシャル・ペーパー |
4,500 |
9,000 |
4,500 |
|
1年以内返済予定の長期借入金 |
5,270 |
4,516 |
△754 |
|
固定負債 |
14,734 |
13,489 |
△1,244 |
|
長期借入金 |
13,734 |
12,389 |
△1,344 |
|
社債 |
1,000 |
1,100 |
100 |
|
コミットメントライン契約 及び当座貸越契約の総額 |
102,860 |
117,495 |
14,635 |
旺盛な案件組成の需要に応えるため、資金調達が増加し、借入金・社債の残高も増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて7,694百万円減少し、11,719百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益を計上した一方で、積極的な組成により、商品出資金、組成用不動産が増加したこと等から、営業活動において使用した資金は50,872百万円(前年度は、26,658百万円の資金収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動において使用した資金は、552百万円(前年度は、1,145百万円の資金支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払いをした一方で、手元現預金の確保及び組成資産取得のための資金調達を進めたため、財務活動から得られた資金は43,646百万円(前年度は、31,916百万円の資金支出)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループでは生産活動は行っておりません。また、当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」でありますが、全セグメントのうち「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しており、セグメント別の生産実績の記載は行っておりませんが、代替的指標として、売上高の多くを占めるリースファンド事業におけるオペレーティング・リース事業組成金額及び不動産ファンド事業における不動産ファンド事業組成金額は、以下のとおりであります。
|
|
当連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
前年度比 |
|
リースファンド事業 |
|
|
|
オペレーティング・リース事業組成金額 (百万円) |
308,922 |
94.6% |
|
オペレーティング・リース事業組成案件数 (件) |
59 |
51.3% |
|
不動産ファンド事業 |
|
|
|
不動産ファンド事業組成金額 (百万円) |
74,752 |
114.8% |
|
不動産ファンド事業組成案件数 (件) |
9 |
- |
(注)1.「オペレーティング・リース事業組成金額」とは、組成したオペレーティング・リース事業案件の
リース物件の取得価額の合計額であります。
2.当社では、オペレーティング・リース事業案件の組成にあたり、投資家の需要に見合った金額を1つ
の案件として組成し、その案件単位で投資家を募集しております。「オペレーティング・リース事業
組成案件数」とは、その募集した案件数を合計したものであります。
3.オペレーティング・リース事業の組成は主に外貨建で行われており、本邦通貨への換算レートは組成
時の為替レートを採用しております。
4. 「不動産ファンド事業組成金額」とは、国内不動産の不動産小口化商品について信託受益権1個当たりの価額に組成個数を乗じた額及び海外不動産についてのリース物件の取得価額の合計額であります。
(b) 受注実績
当社グループは受注生産形態をとっていないため、該当事項はありません。
(c) 販売実績
当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」でありますが、全セグメントのうち「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しており、セグメント別の販売実績の記載は行っておりませんが、当社グループの売上高の多くを占めるリースファンド事業において当社が販売した出資金及び不動産ファンド事業において当社グループが販売した不動産小口化商品販売額・出資金販売額(海外不動産)の最近2連結会計年度の販売額は、以下のとおりです。
|
|
前連結会計年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) |
当連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
|
|
リースファンド事業 |
|
|
|
出資金販売額 |
94,557 |
68,720 |
|
不動産ファンド事業 |
|
|
|
不動産小口化商品販売額 |
20,800 |
42,570 |
|
出資金販売額(海外不動産) |
- |
5,010 |
上記の用語の意味は以下のとおりです。
[出資金販売額][出資金販売額(海外不動産)]
出資金(オペレーティング・リース事業の匿名組合出資持分及び任意組合出資持分並びに海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分)について、リース開始日までに投資家へ私募の取扱いを行った額及びリース開始日時点で当社又は当社子会社が一旦立替取得し、(連結)貸借対照表の「商品出資金」に計上したものについて、投資家へ譲渡した額の合計額であります。なお、[出資金販売額]には、信託機能を活用した航空機リース事業案件に係る信託受益権譲渡価額を含めております。
[不動産小口化商品販売額]
信託受益権1個当たりの価額に販売個数を乗じた額となります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績
2020年9月期連結会計年度以降、世界各国における新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び感染拡大防止活動は、各国の経済環境、特に航空業界の経営環境へ悪影響を与え、当社の経営成績及び財政状態にも影響を与えましたが、足元の状況については、各国政府の政策や各企業の自助努力の成果により、経済社会活動は総じて正常化に向かっております。
当社においても、各種施策の成果もあり、リースファンド事業及び不動産ファンド事業ともに好調に推移し、当連結会計年度において金銭の信託(組成用航空機)に関する評価損1,217百万円を計上したものの、前連結会計年度において計上したAir Mauritius Limitedが賃借人となるオペレーティング・リース事業に関する損失998百万円が、前年度で損失処理が完了したことで当連結会計年度には損失計上がなかったこともあり、連結売上高は59,193百万円、営業利益は11,744百万円(前年度比124.4%増)、経常利益は12,466百万円(前年度比142.2%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は8,475百万円(前年度比187.6%増)となりました。売上高は、前連結会計年度について不動産小口化商品の販売に関する会計処理に関して、当連結会計年度と同じ方法で処理した場合と比較し、前年度比で約1.8倍となりました。
なお詳細は「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載したとおりであります。
財政状態
当社は、リースファンド事業において、匿名組合方式又は任意組合方式、金銭の信託方式によるオペレーティング・リース事業の案件組成、匿名組合出資持分又は任意組合出資持分並びに信託受益権の譲渡を行っております。匿名組合方式又は任意組合方式のオペレーティング・リース事業について、リース開始日時点で、当社は、投資家に譲渡することを前提に、一時的に当該匿名組合出資持分又は任意組合出資持分を立替取得する場合があり、その立替取得した権利を「商品出資金」として(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。金銭の信託方式のオペレーティング・リース事業については、当社が受託者である株式会社FPG信託に金銭を信託し、その取得した信託受益権の未販売相当額を「金銭の信託(組成用航空機)」として、(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。
また不動産ファンド事業において、国内不動産については、不動産小口化商品を投資家に提供するため、不動産(不動産信託受益権を含む。)を取得し、「組成用不動産」として(連結)貸借対照表上に計上し、投資家に譲渡します。海外不動産を対象とする集団投資事業案件については、事業開始日時点で、当社子会社である株式会社FPG証券は、投資家に譲渡することを前提に、一時的に任意組合出資持分を立替取得し、その立替取得した権利を「商品出資金」として(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。
当社グループは、これらの匿名組合出資持分、任意組合出資持分、信託受益権、組成用不動産の取得資金といった案件組成資金は、手元資金の他、金融機関からの借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーによって調達しております。このため当社の連結財務諸表の資産の総額及び負債の総額は、組成資産の組成や販売の状況、その資金調達の状況によって大きく影響を受けます。
当連結会計年度においては、積極的な商品組成によって組成資産が増加し、資産合計は158,052百万円(前年度末比66,152百万円の増加)となりました。組成資産の資金調達のための借入金・社債が増加し、負債合計は、121,892百万円(前年度末比59,384百万円の増加)となりました。前年度の期末配当1,580百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益8,475百万円を計上したことによって、純資産合計は36,159百万円(前年度末比6,768百万円の増加)となりました。
なお詳細は「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載したとおりであります。
また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2. 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループにおける主な資金需要は、投資家に販売する目的で一時的に保有する組成資産の取得資金、人件費その他費用を含む運転資金及びその他法人税等の支払資金等の営業活動によるもの、配当金の支払資金や借入金の返済資金といった財務活動によるものであります。設備投資は、主に当社グループにおける各拠点の維持・拡大、その他事業拡大に関するものであり、重要なものはありません。また、主な資金の源泉は、組成資産の投資家への譲渡代金や当社グループが収受する各種手数料等といった営業活動によるもの、資金需要を賄うための金融機関からの借入の実行やコマーシャル・ペーパーの発行等により調達する資金等の財務活動によるものであります。
当連結会計年度の資金の状況につきまして、積極的な組成により組成資産が増加したこと等から、資金の残高は、前連結会計年度末に比べて7,694百万円減少し、11,719百万円となりました。詳細は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。資金需要につきましては、リースファンド事業と不動産ファンド事業のさらなる成長を見据えた組成資産の取得のための資金需要が、今後も継続して発生する想定です。
資金調達につきましては、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行等を行っております。
当連結会計年度末において、有利子負債の残高は99,977百万円であります。また、当連結会計年度末において、金融機関との間で総額117,495百万円のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております(借入実行残高72,842百万円、借入未実行残高44,652百万円)。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響についての仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
コミットメントライン契約等の締結
当社グループは、主にリースファンド事業及び不動産ファンド事業における案件組成資金を効率的に調達するため、金融機関と、コミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末の資金調達枠の総額は、117,495百万円であります。
これらの契約のうち、主なものは、以下のとおりであります。
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相手方の名称 |
契約内容及び 資金調達枠の総額 |
契約締結日 |
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株式会社三井住友銀行 及びその他2金融機関 (注)1 |
コミットメントライン契約 総額19,700百万円 |
2022年1月31日 |
|
株式会社三菱UFJ銀行 及びその他3金融機関 (注)2 |
コミットメントライン契約 総額15,495百万円 |
2022年3月28日 |
(注)1.当社において、2021年12月に締結した株式会社三井住友銀行及びその他1金融機関との資金調達枠13,600百万円のコミットメントライン契約について、2022年1月31日付で、当該契約の資金調達枠を19,700百万円に増額する変更契約を、同行及びその他2金融機関と締結いたしました。
2.当社において、2021年3月に締結した株式会社三菱UFJ銀行及びその他4金融機関とのコミットメントライン契約について、その契約期間が終了することに伴い、2022年3月28日付で、同行及びその他3金融機関と、コミットメント期限が2023年3月30日までの資金調達枠15,495百万円の新たなコミットメントライン契約を締結いたしました。
株主間契約
当社は、MARCUS JUNG氏及びMICHIEL MULLER氏との間で、FPG Asset & Investment Management B.V.の運営に
関する株主間契約を締結しております。当社は、FPG Asset & Investment Management B.V.及びその子会社から、オペレーティング・リース事業案件の組成サポートを受けております。
該当事項はありません。