第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当第2四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

(1) 業績の状況

当第2四半期累計期間における当社事業の進捗状況は以下のとおりです。

① 国内

[抗がん剤 SyB L-0501(凍結乾燥注射剤) / SyB L-1701(RTD製剤) / SyB L-1702(RI製剤) / SyB C-0501(経口剤)(一般名:ベンダムスチン塩酸塩、製品名:トレアキシン®)]

トレアキシン®については、再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫(平成22年10月に製造販売承認を取得)に加え、平成28年12月に製造販売承認を受けた未治療(初回治療)の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫並びに平成28年8月に製造販売承認を受けた慢性リンパ性白血病を適応症として、業務提携先のエーザイ株式会社(以下「エーザイ」という)を通じ、国内販売を行っています。これらの適応症拡大を受けて未治療(初回治療)領域でトレアキシン®が従来の標準療法であるR-CHOPに取って代わることで市場浸透が堅調に進んでおり、薬価ベースの売上は対前年比プラス22.3%と大きく伸長しました。当社からエーザイへの製品売上については計画通りに推移しています。

本剤については、既に承認を取得した上記の3つの適応症に加え、4つ目の適応症である再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の第Ⅲ相臨床試験を開始し承認取得に向けて鋭意、症例登録に取り組んでいます。本適応症の追加については、優れた標準療法がないことから医療現場の切実なニーズがあり患者団体からも審査当局に対してBR療法を使えるようにして欲しいという強い要望書が出ておりました。当社は新しい治療の選択肢を提供すべく、また、製品価値の最大化を図るべく、平成29年8月に第Ⅲ相臨床試験を開始し、平成30年1月に最初の患者登録を完了後、症例集積を鋭意進めております。

この追加適応症の取組みに加え、トレアキシン®の製品ライフサイクル・マネジメントをより一層強力に推進すべく、平成29年9月にイーグル・ファーマシューティカルズ社(本社:米国ニュージャージー州)との間でトレアキシン®液剤(RTD製剤及びRI製剤(注1))の日本における独占的ライセンス契約を締結しました。これにより患者さんと医療従事者の負担を軽減することにより大きな付加価値を提供し、特許保護を通じてトレアキシン®の製品ライフサイクルを2031年まで延長することが可能となっております。トレアキシン®液剤については、既にRTD製剤の承認申請内容およびRI製剤の臨床試験デザインに関する医薬品医療機器総合機構との相談を経て、2021年度以降の国内での発売に向けて鋭意準備を進めています。

また、平成30年7月には製造販売承認事項に係わる一部変更の承認を取得したことにより、低悪性度非ホジキンリンパ腫に対して、リツキシマブのみならず、オビヌツズマブ(注2)発売後には同剤との併用療法が可能となり、患者さんに新たな治療選択肢を提供することができるようになります。

さらに、経営基盤の強化のためにトレアキシン®を当社事業のより強固な土台とすべく、現在開発・販売中の注射剤に加えて経口剤の開発を推進することにより固形がんや自己免疫疾患に取り組み、さらなる事業拡大を図ってまいります。そのような取り組みの中で、平成30年1月に進行性固形がんを対象としてトレアキシン®経口剤の推奨投与量・投与スケジュール及び忍容性・安全性の検討を行い、がん腫を絞り込むことを目的として、第Ⅰ相臨床試験を開始し、平成30年5月の最初の患者登録後、症例集積を鋭意進めております。また、トレアキシン®の経口投与による免疫系への作用を評価すべく、自己免疫疾患の一種である全身性エリテマトーデス(SLE)に対する治療効果の確認を目的とする前臨床試験を実施するため、同じく平成30年5月に慶應義塾大学との間で共同研究契約を締結し試験に着手しています。

 

(注1) RTD製剤及びRI製剤は、従来の凍結乾燥注射剤(FD)とは異なり既に液化された製剤です。RTD製剤(Ready To Dilute)は調剤作業を大幅に低減し、さらに急速静注であるRI製剤(Rapid Infusion)により点滴時間を従来の60分間から10分間に短縮することにより、FD製剤に比べ患者さんの負担を大幅に軽減し、さらには医療従事者に大きな付加価値を提供することが可能になります。

(注2) オビヌツズマブ(ガザイバ®:販売元中外製薬株式会社):非ホジキンリンパ腫の治療薬として国内外の治療ガイドラインで推奨されているリツキシマブと同様、幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質であるCD20に結合する、糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体で、標的となるB細胞を直接、および体内の免疫系とともに攻撃し、破壊するようデザインされています。

 

 [抗がん剤 SyB L-1101(注射剤) / SyB C-1101(経口剤)(一般名:Rigosertib Sodium<リゴセルチブナトリウム>)]

リゴセルチブ注射剤については、導入元であるオンコノバ・セラピューティクス社(本社:米国ペンシルベニア州、以下「オンコノバ社」という)が実施している国際共同第Ⅲ相臨床試験の日本における臨床開発を当社が担当しており、国内では平成27年12月に試験が開始され、平成30年6月末時点で36症例が登録されております。本試験は、現在の標準治療である低メチル化剤による治療において効果が得られない、治療後に再発した、または低メチル化剤に不耐容性を示した高リスク骨髄異形成症候群(MDS)を対象とし、全世界から20ヶ国以上が参加して実施中です。現在、症例集積が順調に進行しておりますが、平成30年1月に行われた中間解析結果を踏まえ、事前に計画した統計学的な基準に基づき症例数を増加の上で本試験を継続することを決定しております。この成績を基に、日本での承認申請を欧米と同時期に行うことを計画しております。

リゴセルチブ経口剤については、オンコノバ社が米国において初回治療の高リスク骨髄異形成症候群(MDS)を目標効能とする第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(アザシチジン(注3)併用)及び輸血依存性の低リスク骨髄異形成症候群(MDS)を目標効能とする第Ⅱ相臨床試験を進めています。当社はリゴセルチブ経口剤の日本人での忍容性及び安全性を確認するために平成29年6月に国内第Ⅰ相臨床試験を開始し、平成29年10月の最初の患者登録の後、現在症例集積が順調に進んでおります。同試験終了後、速やかにアザシチジンとの併用試験を実施し、オンコノバ社が計画している初回治療の高リスク骨髄異形成症候群(MDS)を対象としたアザシチジンとの併用による国際共同第Ⅲ相臨床試験に参加し、リゴセルチブ経口剤についても欧米に遅れることなく日本での承認申請を行うことを計画しております。また、輸血依存性の低リスク骨髄異形成症候群(MDS)を目標効能とした開発については、オンコノバ社の開発状況を見据えながら日本からの参加を検討してまいります。

 

(注3) アザシチジン(ビダーザ®:販売元 日本新薬株式会社):平成23年にMDSに対する第Ⅲ相臨床試験において、初めて生存期間の延長が認められたことから承認された低メチル化剤(注射用)で、現在、造血幹細胞移植が難しいMDS患者に対する第一選択薬として使用されています。MDSは一種の前白血病であり、その病態にはDNAの過剰なメチル化による癌抑制遺伝子の発現の低下が大きく関係していると考えられています。アザシチジンなどの低メチル化剤はDNAのメチル化を阻害する作用により癌抑制遺伝子の発現を回復させ白血病への進行を抑えると考えられています

 

[自己疼痛管理用医薬品 SyB P-1501]

当社が、平成27年10月にザ・メディシンズ・カンパニー社(本社:米国ニュージャージー州、契約の相手先は同社完全子会社であるインクライン・セラピューティクス社)から導入したSyB P-1501については、同社の本製品の事業の継続性について当社が懸念を抱く事実が生じたため、患者さんの利益を最優先する観点から、平成29年4月21日より新規症例登録を一時的に中断しておりました。

その後、当社は平成29年10月11日に、ザ・メディシンズ・カンパニー社によるライセンス契約の不履行に起因して生じた損害の賠償として、82百万米ドル(約90億円)の支払を求める仲裁を国際商業会議所の規定に基づき申し立て、同社が欧米市場で本製品の事業活動の中止・撤退を決定したことに伴い、ライセンス契約に基づく義務を履行する旨の明確な保証を当社に与えなかったことは、ライセンス契約の重大な違反である旨仲裁で主張しています。また、平成29年11月30日に、同社によるライセンス契約の違反が約定期間内に治癒されなかったことを受けて、ライセンス契約を解約し、本製品の開発は平成30年2月9日に中止しました。

 ザ・メディシンズ・カンパニー社との仲裁手続は現在も継続中です。

 

  [新規開発候補品]

当社は常に中長期的な視点に立ち、収益性と成長性を兼ね備えたバイオ製薬企業へと成長を図るため、新薬開発候補品のグローバルのライセンス権利取得に向け探索評価を継続して実施しており、常時、複数のライセンス案件を検討しております。

また、当社は平成28年5月に、海外事業展開の戦略的拠点として100%出資の米国子会社 SymBio Pharma USA, Inc(本社:米国カリフォルニア州メンローパーク、以下「シンバイオファーマUSA」という)を設立しました。シンバイオファーマUSAをグローバル事業の拠点として新薬候補品の全世界における権利を積極的に取得することにより、米国、日本、欧州をはじめとする主要市場において開発・商業化を目指して、グローバル・スペシャリティファーマへの転換を進めてまいります。

 

②  海外

SyB L-0501については、韓国、台湾、シンガポールにおいても販売されており、当社の製品売上は、概ね計画通りに推移しました。
 

③  経営成績

以上の結果、当第2四半期累計期間の売上高は、トレアキシン®の製品販売等により、1,928,378千円となり、売上高全体で前年同期比8.0%の増加となりました。

一方、販売費及び一般管理費は、トレアキシン®の注射剤、経口剤及びリゴセルチブの注射剤、経口剤の臨床試験費用が発生したこと等により、研究開発費として838,631千円(前年同期比0.1%減)を、その他の販売費及び一般管理費として1,059,306千円(前年同期比16.9%増)を計上したことから、合計で1,897,937千円(前年同期比8.7%増)となりました。

これらの結果、当第2四半期累計期間の営業損失は1,324,638千円(前年同期は営業損失1,235,880千円)となりました。また、為替差損を主とする営業外費用53,620千円を計上したこと等により、経常損失は1,377,648千円(前年同期は経常損失1,268,118千円)、四半期純損失は1,388,502千円(前年同期は四半期純損失1,266,346千円)となりました。

なお、当社の事業は医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

④  財政状態

当第2四半期会計期間末における総資産は、敷金及び保証金が14,139千円減少した一方、売掛金が321,062千円、商品及び製品が199,242千円、現金及び預金が102,554千円、立替金が20,533千円、前払費用が16,733千円増加したこと等により。前事業年度末に比べ593,525千円増加し、4,845,810千円となりました。

負債の部については、未払法人税等が4,483千円減少した一方、買掛金が278,270千円、未払金が62,696千円増加したこと等により、前事業年度末に比べ353,411千円増加し、1,366,293千円となりました。

純資産の部については、四半期純損失の計上により利益剰余金が1,388,502千円減少した一方、資本金が784,194千円、資本剰余金が784,194千円、新株予約権が60,227千円増加したこと等により、前事業年度末に比べ240,114千円増加し、3,479,517千円となりました。

この結果、自己資本比率は59.5%と前事業年度末に比べ4.1ポイント減少しました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ102,554千円増加し3,049,613千円となりました。

当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の減少は1,397,232千円(前年同期は845,852千円の減少)となりました。これは、仕入債務の増加278,270千円、株式報酬費用の計上64,636千円、未払金の増加61,233千円、その他の流動資産の減少31,614千円、為替差損の計上29,870千円等の資金の増加要因があったものの、当第2四半期累計期間において税引前四半期純損失1,386,602千円を計上したこと、売上債権の増加321,062千円、たな卸資産の増加199,242千円、前払費用の増加22,238千円、立替金の増加20,533千円等により資金が減少したことが主な要因です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は17,617千円(前年同期は20,747千円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出27,834千円等があったことが主な要因です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増加は1,547,274千円(前年同期は61,450千円の増加)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,541,756千円等があったことが主な要因です。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第2四半期累計期間における研究開発費の総額は、838,631千円であります。

なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。