第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 当社グループは、以下の企業理念及び行動指針をもとに事業展開を行っております。

a.企業理念

① モノづくりを通し地球環境に配慮した商品を提供することにより社会貢献を行なう

② 「デザイン」「品質」「価格」に魅力ある商品を提供し豊かな生活文化に貢献する

③ 国際感覚を持ち既成概念にとらわれる事無く新たな創造を続ける

b.行動指針

① 法令遵守はもとより社会から尊敬される会社でありつづける

② 自由闊達な社風を維持し、共生と調和のとれた会社でありつづける

③ 企業活動を通し、お客様、社員、株主、さらに広く社会の幸福を実現する

 

 また、当社グループは、現状に満足することなく、新たな「挑戦」へ強い意欲を持ち、これからもお客様にとって価値のあるものを提供し続ける存在でありたいという思いを込めたスローガン「挑戦するって面白い」を全役員及び社員で共有しております。さらに、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、雑貨製品の企画・生産(委託)・販売の事業を展開しており、その業態及び製品の特性上、急激な成長・発展ではなく、安定的かつ継続的な事業成長を志向しております。そのためには持続的に売上を積み上げていくことに加え、利益率向上についても重要な要素であると考えております。特に、継続的な成長を遂げるべく、新製品の開発や製造原価の低減等の取り組みを事業全体で遂行するとともに、利益率が高く、今後のさらなる成長が期待されるeコマースに注力し、その売上高構成比を高めていくことで、グループ全体の営業利益率20%以上を維持することを目標としております。

 また、持続可能な社会の実現に向けた取り組みとしては、当社グループにおける「サステナビリティ重要課題」(マテリアリティ)を特定し、企業理念と行動指針のもと、これらの課題に対処・挑戦することで企業としての成長を続けるとともに、企業価値の向上とSDGsの達成を目指してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、「モノづくり」を通じた事業を展開しておりますが、社会環境や自然環境、消費者動向などの変化をいち早くキャッチアップし、各事業へ反映させなければ大きな成長を図ることができません。

 2025年8月期を最終年度とする3ヶ年の「トランザクショングループ第4次中期経営計画」においては、今後のさらなる成長を目指し5つの重点戦略を設定しております。

 第4次中期経営計画につきましては、初年度である2023年8月期の経営成績を踏まえ、2023年10月に最終年度の目標数値を見直し、上方修正を行っております。加えて、5つの重点戦略について優先度を見直すとともに、「Afterコロナに訪れるリベンジ需要」の名称を「リオープンから生れる需要」へ変更しております。

 

1.eコマースの強化

 eコマース事業においては、2025年8月期に連結売上高に占める割合を30%以上とする目標に向けて、ECシステムを拡充するための投資を強化し、当社グループが運営するBtoB及びDtoCサイトの売上拡大を目指しております。

 BtoBサイトである主力の「MARKLESS STYLE」においては、「MARKLESS Connect」が軌道に乗ったことに加え、営業担当者が受注から納品までを対応していた体制から、案件の規模に応じて営業担当者とECサイト「MARKLESS STYLE」を効率よく使い分けることで、リアルとeコマースを融合したハイブリッド型の営業活動を行うことができる体制を構築いたしました。これにより、従来以上に効率的かつ効果的な営業活動が可能となり、今後の需要拡大に対応し売上拡大に繋がることを見込んでおります。

 また、BtoBサイト以外に、エンドユーザー企業向けの主力サイト「販促STYLE」では、登録製品の拡充やユーザビリティを向上するなどの施策により会員数の増加や利用促進に努めております。物販・OEM向けの自社プラットフォームサイト「オリジナルグッズプレス」や企業のオリジナル物販品や記念品などを製作する「オリジナルグッズドットコム」に加えて、オリジナルブランドサイトにおいては、ペットウェア・関連製品を取り扱う「Calulu ONLINE STORE」やトラベル関連製品を取り扱う「gowell」のサイトなどにおいて、SNSを効果的に活用することで会員数の増加とリピート率の向上に努めております。これらのDtoCサイトを拡充・拡大することで、これまで対応しきれていなかった顧客層へのアプローチを強化しております。

 これらの取り組みをより一層推し進めることで事業規模を拡大することで、売上、利益の拡大を計画しております。

※「Direct to Consumer」の略で、メーカーが自社で企画・製造した商品を、卸売業者や店舗などの中間業者を介さず、直接最終顧客に販売するビジネスモデル

 

2.SDGs推進から生れる製品需要

 2030年までに「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成するには、国や企業による積極的な投資が不可欠です。また、企業や個人においては、環境に配慮した製品を選択することで、環境負荷を低減させる行動を重ねることが目標達成に繋がり、この動きは更に加速していくと考えられます。

 オリジナルブランド「MARKLESS STYLE」が展開しているエコプロダクツは、素材にオーガニックコットンや再生素材、バイオマスプラスチック、天然素材などを原材料とした繰り返し使える製品や、廃棄資源にアイデアやデザインなどの付加価値を与え、より価値の高い製品に生まれ変わらせたアップサイクル製品です。これらの製品は、SDGs達成に寄与する製品であるため、社会経済活動が正常化する中で、セールスプロモーション用のノベルティやイベントでの物販品等の用途として、環境問題を意識した顧客企業から評価・支持が高まっております。また、小売り向けに展開している“使い捨てを使わない”“繰り返し使える”をブランドコンセプトとするエシカルブランド「MOTTERU」においては、4度目のグッドデザイン賞を受賞したことで知名度がさらに向上しております。

 SDGsの目標「つくる責任 つかう責任」、「海の豊かさを守ろう」の達成に向けた社会貢献への取り組みと新製品開発を行うことで売上及び利益の拡大を計画しております。

 

3.リオープンから生れる需要/4.コト消費から生れるモノ消費

 近年、人々のライフスタイルは大きく変化してきました。しかしながら、ライフスタイルが変化しても、様々な「コト消費から生れるモノ消費」のかたちには変化はなく、趣味、嗜好の数だけ需要は増加します。また、コロナ禍が明けて、「リオープンから生れる需要」により、顧客企業のセールスプロモーションによる需要が増加することが見込まれます。

 ライフスタイルプロダクツを牽引しているゲーム・アニメ業界やVTuber、2.5次元やスポーツイベントなどの業界においても、大型リアルイベントが開催されることで、イベント会場での物販品も多様化するとともに、クオリティが求められることが予想されます。また、企業によっては値上げなどにより、セールスプロモーションを効果的に実施できたとは言えない状況が見受けられました。しかしながら、今後は、キャンペーン企画などのセールスプロモーション全体が活性化することが見込まれます。これらの需要に対応するため、国内自社工場においては、新たな印刷設備を導入するとともに需要増に対応した生産体制を整備しております。これにより、新たなカテゴリーの製品や鮮明なフルカラー印刷を施した製品を提供することを可能にしております。

 ペットウェア・関連製品においては、販路拡大と新製品の開発を強化することで、引き続き堅調な業績を見込んでおります。トラベル関連製品においては、“コト消費”を代表する旅行需要において、国内に加え海外への旅行需要も急激に拡大することを見込んでおりましたが、本格的な回復は見受けられませんでした。しかしながら、今後は、海外への旅行需要が増加し、本格化することが予想されます。これらの需要に対して、トラベル関連製品ブランド「gowell」においては、販路の拡大と新製品の開発により、ブランドテーマである“より安全に、より快適に、より充実したものに”をキーワードに、「世界中できっと役にたつ旅行用品を!」を念頭に開発した新製品の提供に取り組んでまいります。

 

5.国内自社製造の強化

 生産面においては、国内自社工場のキャパシティ拡大に向けて、2024年5月に第2工場の竣工を予定しております。また、新規設備の投資により、物販需要が高い製品の内製化を推し進めてまいります。内製化の推進により、2025年8月期における国内自社工場の売上高27.9億円を目指すとともに、為替リスクを回避し、利益率の向上に繋げてまいります。

 

 2023年10月に上方修正した「トランザクショングループ第4次中期経営計画」の計画達成に向けて5つの重点戦略に取り組んでまいります。

 

(4)経営環境

 当社を取り巻く経営環境につきましては、雇用、所得環境の改善や新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等により緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方で、円安による生活必需品の値上げやエネルギーコストの上昇が相次ぎ、再び円安が進むなど先行きは不透明な状況で推移しております。

 このような状況下において、当社グループは、「トランザクショングループ第4次中期経営計画」において掲げた5つの重点戦略により、「エコプロダクツ」「ライフスタイルプロダクツ」「ウェルネスプロダクツ」の3プロダクツを中心に、引き続き社会環境や消費動向の変化を逃すことなく適時適切に捉え、効果的に事業を拡大してまいります。

 

 エコプロダクツにおいては、「(3)中長期的な会社の経営戦略 2.SDGs推進から生れる製品需要」に記載のとおり、世界を取り巻く環境問題に「モノづくり」を通じて、社会貢献とサステナブル社会の実現に貢献してまいります。

 

 ライフスタイルプロダクツにおいては、「(3)中長期的な会社の経営戦略 3.リオープンから生れる需要 4.コト消費から生れるモノ消費」に記載のとおり、今後は、コロナ禍からの反動により社会環境や消費動向が著しく変化していくことが予想されます。また、これまで抑制されていた消費行動を取り戻す動きが活発になることが期待されるため、新しいものに目を向け、挑戦することで事業の拡大を図ってまいります。

 

 ウェルネスプロダクツにおいては、一定の需要に留まるものと考えています。しかしながら、当社グループは、大きな環境変化に対応した迅速な製品開発・供給を可能とする体制を引き続き強化してまいります。

 

 eコマース及び生産面につきましては、「(3)中長期的な会社の経営戦略 1.eコマースの強化、5.国内自社製造の強化」に記載のとおりであります。

 

(5)会社の対処すべき課題

 当社グループを取り巻く環境は、コロナ禍が明け、社会経済活動が加速するなかで、これまでの消費行動に変化が生じ、上手にライフスタイルを楽しむ時代になり、“コト消費”が活発化することで、コト消費から生れる“モノ消費”が大きく動きだすものと予測されます。また、SDGsという言葉、意味が広く浸透し意識が高まる中、環境に配慮した素材を使った製品を取り扱うことが求められます。

 この状況に対応していくために、継続的に企業価値を高め、さらなる企業成長及び収益基盤の強化のため、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① サステナビリティへの対応

 当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けるために、サステナビリティへの取り組みを重視しております。経営上の課題として、事業、環境、社会、ガバナンスの観点から当社グループが取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しており、特に、環境問題は優先して取り組まなければならない重要課題のひとつと認識しております。当社グループは、創業以来、エコバッグ、タンブラー・サーモボトルを始めとした「エコプロダクツ」の開発、供給に注力しております。単に環境に配慮した素材や再生素材を使用した製品を開発するだけではなく、“使い捨てを使わない”“繰り返し使える”を理念とし、「モノづくりから環境を考える」をテーマとして、SDGs達成に向けて環境に配慮した製品の開発・提供を強化してまいります。当社グループは、経営理念と行動指針のもと、マテリアリティに対処・挑戦することで企業として成長を続け、企業価値の向上とサステナブル社会の実現への貢献を継続してまいります。

 

② 適地生産・最適物流の徹底

 当社グループは、製品製造にあたり、中国及びその他のアジア諸国のサプライヤーに生産を委託しております。生産委託先のある各国・各地域には、政治的・社会的な混乱、自然災害、テロ、紛争、疾病、通貨切り上げ等のリスクが存在しますが、有事の際の損害を最小限に抑えるべく、その国や地域の特色を把握したうえで適切な製品生産地を選定し、製造計画を立てるなどの対応を図ってまいります。

 また、地政学的リスクによるエネルギー価格や原材料価格の変動、生産国賃金、輸送コスト、為替変動、感染症による生産地のロックダウンやサプライチェーンの混乱、気候変動等によるコストへの影響を踏まえ、機動的な生産地の切り替えや複数の生産拠点の確保、物流、国内在庫の最適化に加え、国内自社工場での製造を強化してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは以下のとおりであります。

なお、本文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、以下の企業理念と行動指針をもとに、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めております。

<企業理念>

モノづくりを通し地球環境に配慮した商品を提供することにより社会貢献を行う

「デザイン」「品質」「価格」に魅力ある商品を提供し豊かな生活文化に貢献する

国際感覚を持ち既成概念にとらわれる事無く新たな創造を続ける

<行動指針>

法令遵守はもとより社会から尊敬される会社でありつづける

自由闊達な社風を維持し、共生と調和のとれた会社でありつづける

企業活動を通し、お客様、社員、株主、さらに広く社会の幸福を実現する

また、現状に満足することなく、新たな「挑戦」へ強い意欲を持ち、これからもお客様にとって価値のあるものを提供し続ける存在でありたいという思いを込めたコーポレートスローガン「挑戦するって面白い」を制定し役員及び社員全員で共有しております。

 

サステナビリティへの取り組みを加速させるため、経営上の課題として、以下のとおり「事業」「環境」「社会」「ガバナンス」の観点から取り組むべき16項目のマテリアリティ(重要課題)を特定しております。

当社グループのマテリアリティ(重要課題)は以下のとおりであります。

マテリアリティ

取り組み

事業

製品・サービスの向上

価格競争力の強化

社会動向に対応した製品の提供

・当社の企業理念に基づき、「モノづくり」において環境に配慮した製品の提供を行うとともに、社会動向にも対応したデザイン・品質・価格に魅力ある製品を提供し続ける。また、当社の「移動型ファブレス」という特性を活かし、国内外のサプライヤーとの友好なパートナー関係を築き、一丸となってSDGs達成へ貢献する。

環境

Environment

製品を通じた環境貢献

リサイクル推進とCO2排出量削減

・「使い捨てを使わない」ための製品開発、販売の推進(エコプロダクツ)

・リサイクル素材等を使った製品開発を強化し、CO2削減を推進

・持続可能な農法であるオーガニック素材の推進

社会

Social

人権の尊重

人財の育成

ダイバーシティの推進

コミュニティへの貢献

フェアトレード

サプライチェーンマネジメントの推進

ワーク・ライフ・バランス

・企業活動において、すべての人の尊厳と権利を尊重するとともに、多様なステークホルダーの人権を尊重し侵害および不当な差別を行わない

・明確な人事評価制度、階層別の教育プログラムにより中長期的な観点での人財の育成・開発を進める

・国籍、性別、年齢、信条などにとらわれることなく、多様な人材、多様な価値観を積極的に取り入れ、企業活動、企業価値向上へ活かす

・事業活動を通じて広く社会へ貢献するとともに、さまざまなコミュニティに対する理解を深め、コミュニティからの要請・期待に応え続ける

・国際フェアトレード認証コットンを使用した製品の開発

・サプライヤー現地確認および是正活動の実施

 

 

マテリアリティ

取り組み

ガバナンス

Governance

コーポレート・ガバナンス

コンプライアンス

リスクマネジメント

情報セキュリティの強化

・監査等委員会設置会社方式を採用し、取締役会における自由闊達な討議を基盤に監督機能を強化

・任意の諮問委員会である報酬委員会の活動により、経営の公正性、実効性、透明性を確保

・「内部統制システム構築の基本方針」に基づく内部統制の実践

・「コンプライアンス基本方針」「コンプライアンス管理規則」に基づき、定期的なコンプライアンス・リスク管理委員会を開催

・内部通報制度として「コンプライアンス相談窓口」「コンプライアンス・ヘルプライン」を設置

・情報セキュリティ基本方針に基づく管理体制の強化

 

(1)気候変動への取り組み

当社グループは、「環境」に関する課題は優先して取り組まなければならない重要課題のひとつとして認識し、「製品を通じた環境貢献」「リサイクル推進とCO2排出削減」をマテリアリティとしております。創業以来、エコバッグ、タンブラー・サーモボトルを始めとした「エコプロダクツ」の開発、供給に注力し、単に環境に配慮した素材や再生素材を使用した製品を開発するだけではなく、“使い捨てを使わない”“繰り返し使える”を理念とし、「モノづくりから環境を考える」をテーマとして、環境に配慮した製品の開発・提供を継続しております。

当社は、当社グループの持続可能性の目標達成に向けて、気候変動への対応を中心としたサステナビリティへの取り組みを強化するため、2023年5月31日に取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置いたしました。また同日、「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)」提言への賛同を表明いたしました。TCFD提言は、世界共通の比較可能な気候関連情報開示の枠組みであり、すべての企業に対し、4つの開示推奨項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に沿って開示することを推奨しています。

当社グループは、気候変動への取り組みを推進するとともに、TCFD提言を気候変動対応の適切さを検証するガイドラインとして活用し積極的に情報開示を推進してまいります。

 

①ガバナンス

a.取締役会の役割・監視体制

当社グループでは、TCFD等の枠組みに基づく気候変動リスクへの取り組みを含むサステナビリティ方針、重要課題及び目標について、取締役会が決定し開示することとしております。

重要な気候関連リスク・機会を特定し、適切にマネジメントするために、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、年2回開催いたします。代表取締役社長は、環境課題に係る経営判断の最終責任を負っております。

気候変動に関するリスクや事業機会、目標や具体的な取り組み施策については、サステナビリティ委員会で協議・決定、進捗管理・モニタリングを定期的に実施し、必要に応じて是正策を検討します。取締役会は、サステナビリティ委員会より取り組み状況や目標の達成状況の報告を受け、報告内容に関する管理・監督を行っております。

 

b.サステナビリティ推進体制

当社グループのサステナビリティ推進体制は以下のとおりであります。

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②戦略

a.短期・中期・長期のリスク・機会の詳細

当社グループは、脱炭素社会の実現及び気候変動により今後起こりうるさまざまな事態を想定し、戦略の妥当性や課題を把握すべく、物理的リスクについて想定される事業活動、期間、資産等を考慮したシナリオ分析を行っております。

また、移行リスクについて法制化、技術開発、市況に係る潜在的なシナリオに基づき評価し、事業活動に与える気候関連のリスクと機会を認識して対応しております。

シナリオ分析に当たっては、第4次中期経営計画の実行期間である2025年までを短期、2030年までを中期、2050年までを長期と位置づけしております。

 

短期

第4次中期経営計画の実行期間である2025年まで

中期

2030年まで

長期

2050年まで

 

 

b.リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度

当社グループは、気候変動が当社グループに与えるリスク・機会とそのインパクトの把握、2030年時点の世界を想定した当社グループの戦略のレジリエンス、及びさらなる施策の必要性の検討を目的にシナリオ分析を実施しております。

当社グループは、TCFD提言に沿って、気候関連リスク・機会を抽出いたしました。その上で、気候変動がもたらす移行リスク及び物理的リスク、また、気候変動への適切な対応による機会を特定いたしました。また、抽出・特定した気候関連リスク・機会の中から、当社グループにとっての影響度及び発生可能性、並びにその重要性を評価いたしました。

なお、定性的財務影響については、以下の3段階で表示しております。

 

当社グループの事業及び財務への影響が非常に大きくなることが想定される

当社グループの事業及び財務への影響がやや大きくなることが想定される

当社グループの事業及び財務への影響が軽微であることが想定される

 

 

c.当社グループにおける気候関連リスク・機会の概要

当社グループにおける気候関連リスク・機会の概要は以下のとおりであります。

 

気候関連リスク・機会の種類

発現

時期

気候関連リスク・機会の概要

財務

影響

リスク

移行

リスク

政策

規制

短・

中期

・炭素税等の政策導入

・規制強化によるエネルギーコストの増加

・地政学的リスクに伴う再生可能エネルギー需要増によるエネルギー調達コストの増加

技術

中・

長期

・高効率な省エネルギー機器への対応によるオペレーションコストの増加

・水素等の新たな脱炭素エネルギーの普及によるエネルギー調達コストの増加

・原油の使用量減少に伴うプラスチック等原油由来の原材料の供給縮小による価格の上昇

市場

短・

中期

・再生可能エネルギー由来電力使用量の増加による再生可能エネルギー調達コストの増加

・低炭素製品の需要増等、マーケット変化への対応の遅れによる成長機会の喪失

・気候変動に起因する感染症リスク増加への対応の遅れによる成長機会の喪失

評判

短・

中期

・環境課題に対する対応の遅れや、消費行動の多様化への対応の遅れによるレピュテーションの低下

・投資家からの環境情報開示要求への対応の遅れ・不備によるレピュテーションの低下

・ステークホルダーからのレピュテーション低下による新規・キャリア採用及び社員のエンゲージメントへの悪影響

物理的

リスク

急性

中・

長期

・気候変動に起因する自然災害による生産地サプライヤーの生産不能・縮小による製品の仕入減少に伴う販売機会の喪失及び代替製品の確保等による調達コストの上昇

・気候変動に起因する自然災害による物流ルート断絶に伴う、製品の販売機会の喪失

・気候変動に起因する自然災害による生産設備の損害、操業不能・縮小による収益の減少

慢性

中・

長期

・降雨量増加や気象パターンの変化に伴う綿花・麻等の農業生産の不安定化による調達コストの増加

・気候変動に起因する感染症による社員の健康被害の増加

 

 

 

気候関連リスク・機会の種類

発現

時期

気候関連リスク・機会の概要

財務

影響

機会

資源効率

中・

長期

・省エネルギー施策の強化によるエネルギー使用量の減少

・環境価値の高い事業所への転換によるエネルギー調達コストの減少

エネルギー源

短・

長期

・最新のエネルギー高効率機器導入によるエネルギー調達コストの減少

・再生可能エネルギーに係る新たな政策・制度の進展による再生可能エネルギー調達コストの減少

製品及びサービス

短・

中期

・アップサイクル素材製品、バイオマスプラスチックやフェアトレード認証製品、エコマーク認証製品等の認証マーク製品等環境配慮型製品の需要増への対応による収益の拡大

・環境配慮型製品への関心の高まりに伴う認知度向上による収益の拡大

・規制強化に対応した製品の市場投入による収益の拡大

市場

中・

長期

・事業ポートフォリオの再構築と、低炭素製品市場の拡大による収益力の向上

・環境価値の高い製品への転換に伴う環境意識の高い顧客の製品選択による収益の拡大

・規制強化による新たな成長機会の獲得

・気候変動に起因する感染症リスクの増加への対応による新たな成長機会の獲得

レジリエンス

中期

・再生可能エネルギー・省エネルギー推進に伴うエネルギーレジリエンスの向上

 

③リスク管理

当社グループでは、リスク管理を企業価値向上のための重要な取り組みと位置づけており、サステナビリティ委員会を設置し、リスク管理を行っております。サステナビリティ委員会では、リスクのモニタリング、発生可能性・重要性の評価を行ったうえで、グループの経営戦略に反映し、対応しております。

また、サステナビリティ委員会で認識、評価を行ったリスクについては、コンプライアンス・リスク管理委員会に報告し、他のリスクと併せてリスク管理を行っております。

 

④指標と目標

当社グループは、第4次中期経営計画において、グループ全体で使用する電力に対する再生可能エネルギー比率を2025年までに50%、2050年までに100%とすることを掲げています。

2021年10月に「再エネ100宣言 RE Action(注)」に参加し、2030年までに再エネ率50%、2050年までには再エネ率100%達成を最低限とし、可能な限り前倒しすることを目標といたしました。翌2022年10月20日公表の「第4次中期経営計画(2023年8月期~2025年8月期)」において、再エネ率50%達成を2030年から2025年に5年前倒しいたしました。

目標達成に向け、オフィスでの再エネ電力の活用や、2023年8月に子会社株式会社クラフトワークが運営する当社グループの工場に太陽光パネルを設置し、工場内で使用する電力の一部を再生可能エネルギーへ切り替えました。今後は、2024年6月に竣工予定の第2工場においても太陽光パネルを設置する計画です。

 

(注)再エネ100宣言 RE Actionは、企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ100%利用を促進するためのイニシアチブであります。

 

 使用電力に対する再生可能エネルギーの比率の目標及び実績は以下のとおりであります。

 

使用電力に対する再生可能エネルギーの比率の目標

 

2025年8月期

2050年8月期

(遅くとも)

再エネ電力使用率

50.0%

100.0%

 

電力使用量及び使用電力に対する再生可能エネルギーの比率の実績

 

前連結会計年度

(2022年8月期)

当連結会計年度

(2023年8月期)

電力使用量(kWh)

843,215

843,502

再エネ電力使用率

0.0%

14.6%

(注)1 電力使用量は、当社並びに国内子会社及び海外子会社を対象としております。

2 当社子会社株式会社トレードワークスが運営する5店舗(vape studio)のうち、把握が不能である1店舗の電力使用量を含んでおりません。

 

(2)人的資本・多様性に関する取り組み

当社グループは、企業としての成長を続け、企業価値の向上とサステナブル社会の実現への貢献を継続するため、「人権の尊重」「人財の育成」「ダイバーシティの推進」「ワーク・ライフ・バランス」をマテリアリティとして、企業理念、行動指針、コーポレートスローガンの浸透を図り、人財の確保・育成の強化、ダイバーシティの推進への取り組みを継続しております。

 

①戦略

当社グループにおける人材の多様性を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

a.人材育成に関する方針

当社グループは、企業理念、行動指針、コーポレートスローガンの浸透を図り、国籍、性別、信条などにとらわれることなく、多様な人財、多様な価値観を積極的に取り入れ、企業活動や企業価値向上へ活かすこと、明確な人事評価制度、役職などに対応した階層別の教育プログラムにより中長期的な観点での人財の育成・開発を進めることを方針としております。

人財育成の強化に向けては、役職などに対応した階層別研修や昇格候補者を対象とした研修の充実、グループ会社間での人事交流等を実施しております。また、次世代の経営層を育成するため事業会社の取締役を経験する仕組みや、幹部社員育成のため、泊りがけで実施する中期戦略の議論への参加等の機会を設けております。

 

b.社内環境整備に関する方針

女性社員の活躍促進に向けて、2023年1月より育児短時間勤務の適用対象期間を最長小学校4年生になる前まで延長いたしました。また、多様な働き方を前提としたオフィスレイアウトの変更、システム化などに加え、2022年9月より時差出勤制度を導入、2023年9月より年次有給休暇の半日取得回数の上限を撤廃、年間所定労働時間の削減など社員が働きやすい社内環境の整備を進めております。

 

c.人材の多様性の確保について

当社グループにおいては、設立間もない時期より新卒採用を行う一方で、事業拡大と体制強化のため、国籍、性別を問わず、経験・能力等に基づいたキャリア採用を行ってまいりました。また、国籍、性別、新卒社員・キャリア採用社員を問わず、多様な人財の積極的な登用を進めてまいりました。今後も、多様な人財、多様な価値観を積極的に取り入れる観点から、新卒採用・キャリア採用のバランスを考慮した戦略的な採用活動を継続いたします。

・女性の管理職への登用

2023年8月末の女性社員比率は54.3%、管理職比率は26.4%であります。当社グループの事業内容から女性ならではの視点を経営に活かすことは大変有用であると判断しており、引き続き女性社員の積極的な管理職への登用とその環境整備に取り組んでまいります。

・外国人の管理職への登用

2023年8月末の外国人社員比率は9.0%、管理職比率は5.7%であります。当社グループは、国籍を問わず、経験・能力等に基づいた採用、管理職への登用を行っております。また、中国及びその他のアジア諸国のサプライヤーに生産を委託し、輸入していることから、関係する部門について戦略的な必要性を考慮し、適宜、外国人の採用及び管理職への登用を進めてまいります。

・キャリア採用者の管理職への登用

2023年8月末のキャリア採用社員比率は42.0%、管理職比率は55.7%であります。引き続き、事業拡大と体制強化のため、国籍、性別を問わず、経験・能力等に基づいた採用及び管理職への登用を行ってまいります。

 

②指標及び目標

当社グループの指標及び目標並びに実績は以下のとおりであります。

指標

目標

目標年

実績

当連結会計年度

(2023年8月期)

女性管理職比率(注)1

30.0%

2025年8月期

26.4%

男性正社員の育児休業取得率(注)2、3

100.0%

2028年8月期

50.0%

女性正社員の育児休業取得率(注)2、3

100.0%

2025年8月期

107.7%

正社員の男女の賃金の差異(注)2

85.0%

2028年8月期

79.6%

(注)1 当社及び海外の連結子会社を含む当社グループ全体を対象としております。

2 海外の連結子会社を除く、当社及び国内の連結子会社を対象としております。

3 過年度に出産した社員又は配偶者が出産した社員が、当連結会計年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因は以下に記載するとおりですが、これらのリスクの存在を認識したうえで、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力を継続してまいります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ・事業機会リスク

   事業機会の獲得・縮小・撤退などに関係するリスク

 ・オペレーショナルリスク

   内部プロセス・人・システムが不適切であることなどに関係するリスク

 ・外部環境リスク

   当社グループでは、自らコントロールできない外部与件としてのリスク

 

<事業機会リスク>

① 市場や景気動向により、事業に悪影響を及ぼすリスク

 当社グループは、企業向けにセールスプロモーション用の雑貨製品を販売しております。従って、顧客企業がその属する市場や景気動向により、広告宣伝費や販売促進費等のセールスプロモーション費用の削減や投入時期の延期を行った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、卸売事業者や小売業者向けに雑貨製品の販売も行っており、これら企業の業績動向の他、景気悪化による消費マインドの冷え込み等による一般消費者の購入減少により、当社グループの業績及び財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

② 製品の不具合及び供給停止によるリスク

 当社グループの提供する製品、サービスにおきまして、何らかの事情により不良品が発生することがあります。不良品が発生した場合、値引きや製品の再生産、再検品、回収等の負担がかかる可能性があります。不良品の発生防止のため、品質管理、生産管理等には十分注意しておりますが、受注金額の大きな案件で不良品が発生した場合には、当社グループの業績及び財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、万一の欠陥製品の発生に備え、製造物責任保険を付保しておりますが、製品の欠陥が理由で製造物責任法(PL法)による損害賠償問題が発生し、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、雑貨製品の製造ノウハウを活かしてキャラクターや各種ブランドの商材を取り扱っております。これら版権元と商品化許諾契約を締結し、良好な関係を構築しているものと考えておりますが、契約更新時の条件変更や条件が折り合わないことによる更新拒絶、版権元の倒産・ブランド廃止等による解除、終了となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<オペレーショナルリスク>

① 個人情報・顧客情報等の漏洩及び喪失等によるリスク

 当社グループが有している個人情報や顧客情報等につきましては、細心の注意を払い外部漏洩の防止に努めております。具体的には、社内では個人情報管理規則、情報システム管理規則等に則して、情報管理に関する社員への意識付けを行うとともに、データを取り扱う外部委託先に対しては秘密保持の契約を取り交わしております。しかし、万一、外部からの不正手段によるコンピュータ内への侵入や、会社関係者の過失等により、機密情報や個人情報が漏洩し、信用の低下を招いた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 法令等の遵守状況が十分でないことによるリスク

 当社グループが事業展開するうえでの主な法規制として、「製造物責任法(PL法)」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「食品衛生法」、「薬機法(旧薬事法)」等があります。事業を展開するにあたっては、これら規制に抵触することがないよう細心の注意を払っておりますが、抵触する事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが提供する製品、サービスにおきましては、提案する企画内容によっては第三者の知的財産権を侵害する(または不正競争行為に該当する)可能性があるため、企画の提案、製品化にあたっては、一般的な汎用品を除き知的財産権の有無を確認しております。この確認は、基本的には弁理士を通じて行っておりますが、製品、サービスの提供後、予想外の係争が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ CSR調達に関するリスク

 当社グループは、生産を委託している中国をはじめとするアジア諸国の生産委託先サプライヤーに対して、米国の公正労働基準法等を遵守し労働者に公正で安全な労働環境を提供するよう厳しく要求しています。しかしながら、サプライヤーの工場において遵守していないことが指摘された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<外部環境リスク>

① 正常な製品生産の阻害要因の発生に関するリスク

 当社グループは、製品生産にあたり「移動型ファブレス」(※)の形態をとっており、中国をはじめとするアジア諸国のサプライヤーに生産を委託しております。従って、生産委託先の倒産等により納期遅れや再生産等が必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があり、また、生産委託先サプライヤーのある各国の政治的・社会的な混乱、自然災害、テロ、紛争、疾病、通貨切上げ、インフラの障害等の要因で材料仕入れ、生産、流通に問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが提供する製品は、エコバッグ等の縫製品やデザイン雑貨等の成型品を多く扱っており、綿花や石油化学製品などの原材料価格が急激に高騰した場合には、仕入価格に影響を及ぼす可能性があります。「移動型ファブレス」という特性を最大限に活かし、中国をはじめとするアジア諸国から安価な生産地を選定するとともに、製品価格の見直しなどの対策を講じておりますが、想定外の原材料の高騰が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

※製造原価を低減するため、常に最適な生産国・生産地を選択して生産を委託する形態。

② 米中貿易摩擦に関するリスク

 当社グループは、中国をはじめとするアジア諸国のサプライヤーに製品生産を委託しております。「移動型ファブレス」の形態を活かし、コロナ禍においても同一製品を地域の異なる複数のサプライヤーに生産を委託するなど、様々な状況に対応して製品の供給を継続してまいりました。しかしながら、近年の米中貿易摩擦による貿易規制に起因する原材料価格の急激な高騰や、中国の政治又は法規制等による予期せぬ事象により、製品の調達に問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 海上輸送に伴うリスク

 当社グループは、中国をはじめとするアジア諸国からの製品の輸入を主として海上輸送によっております。このため、テロや地域紛争、国際関係の悪化による治安、情勢不安などによる運航リスク、原油価格の高騰などによる輸送コストの上昇、コンテナ需給の逼迫による輸送遅延や輸送コストの上昇などのリスクがあります。状況に応じて生産拠点からの物流経路の見直し等物流方法の最適化を図っておりますが、想定を超えた事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 金融・為替に関するリスク

 当社グループは、前記に記載のように中国をはじめとするアジア諸国との輸入取引が多く、これらの輸入取引は主として米ドル建で行っているため、為替の変動により仕入価格に影響を及ぼす可能性があります。このような為替変動リスクを回避するため、為替予約をはじめとする対応を講じておりますが、大幅な為替変動は当社グループの業績及び財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 災害に関するリスク

 当社グループは、事業所所在地における大規模な自然災害の発生等により、事業活動が長期間停止する可能性があります。当社グループでは、事業継続計画(BCP)を策定し、各拠点における備蓄品保管、通信・情報システムのバックアップ体制、適正在庫確保による供給維持などの施策を講じており、活動停止の影響を最小限にする対策を講じておりますが、想定を超える大規模災害の発生や原子力発電所の事故等により、大規模な経済活動の停滞が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 感染症に関するリスク

 新型コロナウイルス感染症の再拡大及び新たな感染症が発生し想定を超える規模となった場合は、各種イベントの縮小・延期・中止や企業活動の停滞等による需要の低下及び販売機会の喪失等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、生産拠点のある国や地域のロックダウンに備えて、中国及びその他のアジア諸国において複数の生産拠点の確保や物流経路の最適化により、継続した安定供給の実現と価格競争力を維持する体制を整えておりますが、世界的な新型感染症の拡大により、複数の生産拠点が同時期にロックダウンとなった場合、製品の円滑な供給や仕入価格に影響を与える可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループは、事業継続計画(BCP)を策定し、従業員の健康や当社グループの事業活動への影響が最小限になるよう感染予防と感染拡大防止のための措置を講じておりますが、従業員が新型感染症に感染し、全社若しくは部分的に一定期間事業を停止した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 気候変動に関するリスク

 当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けるために、サステナビリティへの取り組みを重視しており、気候変動リスクへの対応についても、積極的に取り組んでおります。環境問題に関しては、「製品を通じた環境貢献」「リサイクル推進とCO2排出削減」をマテリアリティとして製品開発に取り組んでおります。また、グループで使用する電力を2050年までに100%再生可能エネルギーにすることを目標として、中間目標として2025年までには50%達成に向けた取り組みを進めており、省エネ活動の実施、節電効果のある機械設備への投資、国内工場の生産ラインの再編及び太陽光パネル設置による自家発電・消費など、CO2排出量の削減に向けた対応を継続しております。

 当社グループでは、中国をはじめとするアジア諸国のサプライヤーに製品生産を委託しているため、それらの国や地域において気候変動を起因とする想定を超えた自然災害が発生した場合には、製品の調達・物流の混乱・エネルギー供給の寸断などにより安定的な製品供給を継続することが難しくなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、世界的な気候変動への対策により、新たな法令、規制の導入や強化等がなされた場合には、事業コストの増加により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループは、2023年5月31日にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しております。

 詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

 経営成績等の概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用、所得環境の改善や新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等により緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方で、円安による生活必需品の値上げやエネルギーコストの上昇が相次ぎ、年度後半には再び円安が進むなど先行きは不透明な状況で推移いたしました。

 このような環境のもと、当社グループは、第4次中期経営計画において掲げた5つの重点戦略、「SDGs推進から生れる製品需要」「コト消費から生れるモノ消費」「Afterコロナに訪れるリベンジ需要」「eコマースの強化」「国内自社製造の強化」を柱として、社会環境や消費動向の変化をタイムリーに捉え営業活動、新製品開発を強化いたしました。

 

「エコプロダクツ」

 エコプロダクツにおいては、重点戦略「SDGs推進から生れる製品需要」を掲げ、環境に配慮した製品カテゴリーの拡充に努めました。これらの製品は、素材にオーガニックコットンや再生素材、バイオマスプラスチック、天然素材などを原材料とした繰り返し使える製品です。また、廃棄資源にアイデアやデザインなどの付加価値を与え、より価値の高い製品に生まれ変わらせたアップサイクル製品の拡充、提供を推し進めました。これらは、SDGs達成に寄与するエコプロダクツであるため、SDGsを推進する顧客企業からも評価を受けており、展示会やセミナーなどでノベルティとして活用される機会が増加いたしました。さらに、社会経済活動が正常化する中で、セールスプロモーション全体が活性化した結果、エコバッグやタンブラー・サーモボトルなどの主力製品のほか、ステーショナリーやカトラリー製品などの売上が好調に推移したことから、前期を大きく上回る結果となりました。

 また、当期においても、「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2023」に参加いたしました。エシカルブランド「MOTTERU」では、ジェンダーレスカラーを取り入れたカラーバリエーションの充実やカトラリー製品、傘等の製品カテゴリーを拡充したこと、人気キャラクターとのコラボ製品や機能性、デザイン性を兼ね備えた製品の開発、販売を開始したことにより、更に認知度が向上いたしました。その結果、2021年に続き、環境省主催の「選ぼう!3Rキャンペーン2022」の対象製品に選出されました。さらに、夏休みものづくりワークショップイベント「SHIBUYA WANDERING CRAFT 2023 カラフルフェスティバル ~シブヤをカラフルに彩る4日間~」に賛同し、エコバッグを提供するなど、様々なキャンペーン企画に参加し社会貢献活動にも取り組みました。

 この結果、エコプロダクツ全体では、前期比で25億44百万円、33.3%の増収となりました。

 

「ライフスタイルプロダクツ」

 ライフスタイルプロダクツにおいては、重点戦略「コト消費から生れるモノ消費」「Afterコロナに訪れるリベンジ需要」を掲げ、エンタテイメント業界への営業を強化いたしました。特に、ライフスタイルプロダクツの売上を大きく牽引しているゲーム・アニメ業界やVTuber、2.5次元、スポーツイベントなどの業界においては、イベントの開催制限の大幅な緩和もあり、大型リアルイベントの開催を始めとして業界全体が活性化したことにより、前期を大きく上回る売上高となりました。音楽・舞台などの業界においても徐々に活気を取り戻していることから、今後の需要拡大に向けて営業活動を強化いたしました。ペットウェア・関連製品においては、「ラクルムウェア」が2022年度グッドデザイン賞を受賞したことにより認知度が向上したことや、アウトドア・レジャー関連用品のブランドとのコラボ製品や、有名なお菓子メーカーのパッケージをモチーフにしたペット用ベッド、おもちゃなどを新しく投入し、販路拡大に努めた結果、売上が好調に推移いたしました。一方で、トラベル関連製品では、コロナ禍前の売上水準まで戻っておりませんが、前期に比べ3倍強の売上高となりました。当期は、国内旅行の需要はゴールデンウィークを境に増加いたしましたが、トラベル関連製品の売上に繋がる海外への旅行需要については回復傾向が強まっており、今後の回復に向けて販路拡大などの営業活動や新製品開発に注力いたしました。この結果、ライフスタイルプロダクツ全体では、前期比で24億52百万円、28.0%の増収となりました。

 

「ウェルネスプロダクツ」

 ウェルネスプロダクツにおいては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類へ移行したことを受け、「感染対策製品」の取り扱いを終了することといたしました。残在庫につきましては、当第3四半期連結会計期間において特別損失として棚卸資産廃棄損38百万円を計上いたしました。これらの結果、前期比で3億48百万円、21.9%の減収となりました。

 

 

■eコマース事業

 eコマース事業においては、重点戦略「eコマースの強化」を掲げ、2025年8月期に連結売上高に占める割合を30%以上とする目標に向けて取り組みを強化いたしました。主力サイト「販促STYLE」「MARKLESS STYLE」においては、登録製品の拡充やユーザビリティを向上するなど利用促進に努めた結果、前期に比べ売上が大きく伸長いたしました。特に、「MARKLESS Connect」では、連携先の増加に加え、連携済の企業に対するリアルとeコマースを融合したハイブリッド型の営業活動を始めとした施策の成果が顕著に表れ、前期に対し大幅に売上が拡大いたしました。「DtoC」サイトにおいては、物販・OEM向けの自社プラットフォームサイト「オリジナルグッズプレス」やペットウェア・関連製品を取り扱う「Calulu ONLINE STORE」において、SNSの効果的な活用により売上が拡大いたしました。また、今後の需要拡大に対応するため、トラベル関連製品を取り扱う「gowell」のサイトを一新いたしました。この結果、「DtoC」サイトに加え主力サイトの売上が大きく伸長したことにより、eコマースの売上は前期比で16億19百万円、56.2%の増収となり、売上構成比も前期より3.8ポイント拡大し19.6%となりました。

※「Direct to Consumer」の略で、メーカーが自社で企画・製造した商品を、卸売業者や店舗などの中間業者を介さず、直接最終顧客に販売するビジネスモデル

 

 生産面においては、複数の生産拠点の確保及び為替変動や原材料価格高騰に対応した機動的な生産地の切り替え、物流経路の最適化を図り、継続した安定供給の実現と価格競争力の強化に努めました。しかしながら、円安の進行が想定を大幅に上回ったことによる負担増から2022年10月以降やむを得ず製品の値上げを実施いたしました。国内自社工場においては、重点戦略「国内自社製造の強化」を掲げ、キャパシティ拡大や新規設備への投資を行い、内製化率、生産性の向上に努めましたが、想定を超える製造コストの上昇から2023年1月以降印刷加工費の値上げを実施いたしました。また、前期に積み増した在庫水準を維持してきましたが、当第4四半期より適正化に向けた対応を進めました。

 

 この結果、売上高及び各段階利益ともに過去最高となり、当連結会計年度の売上高は229億58百万円(前連結会計年度比46億85百万円、25.6%の増加)となりました。営業利益は、社員への還元として決算賞与76百万円及び職場環境改善のためのオフィスリニューアル23百万円を一過性の費用として計上いたしましたが、売上高の伸長による売上総利益の確保、販売費及び一般管理費の計画的支出により46億58百万円(前連結会計年度比14億26百万円、44.1%の増加)、経常利益は47億86百万円(前連結会計年度比14億82百万円、44.9%の増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、感染対策製品の取り扱い終了による特別損失38百万円を計上した一方、賃上げ促進税制の適用により税負担が41百万円軽減されたことなどにより33億5百万円(前連結会計年度比11億9百万円、50.6%の増加)となりました。

 

 当連結会計年度における販売経路別及び製品分類別の販売実績は、以下のとおりであります。

 

<販売経路別販売実績>

区分

売上高

増減

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

エンドユーザー企業向け

8,384

10,686

2,301

27.4

卸売事業者向け

7,005

7,769

763

10.9

eコマース

2,882

4,502

1,619

56.2

合計

18,273

22,958

4,685

25.6

 

<製品分類別販売実績>

区分

売上高

増減

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

エコプロダクツ

7,645

10,189

2,544

33.3

ライフスタイルプロダクツ

8,752

11,205

2,452

28.0

ウェルネスプロダクツ

1,596

1,247

△ 348

△ 21.9

デザインその他

279

316

36

13.2

合計

18,273

22,958

4,685

25.6

(注)デザインその他は、グラフィック・プロダクト・WEBデザインの受託業務や印刷業務等の雑貨製品に該当しないものであります。

 

(2)財政状態

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ23億79百万円増加し、151億90百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加16億71百万円、有価証券の増加5億67百万円、製品の増加3億3百万円、その他流動資産の減少2億14百万円によるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ15億69百万円増加し、54億8百万円となりました。主な要因は、投資その他の資産の増加14億84百万円、有形固定資産の増加46百万円、無形固定資産の増加38百万円によるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ7億72百万円増加し、34億25百万円となりました。主な要因は、未払法人税等の増加4億40百万円、その他流動負債の増加4億9百万円及び買掛金の減少76百万円によるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ2億94百万円増加し、9億36百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加1億96百万円、繰延税金負債の増加98百万円によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ28億82百万円増加し、162億36百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加25億77百万円、その他有価証券評価差額金の増加3億60百万円によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は60億60百万円(前連結会計年度比17億8百万円、39.3%の増加)となりました。なお、当連結会計年度末における有利子負債は7億63百万円であります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、当連結会計年度に得られた資金は37億67百万円(前連結会計年度に得られた資金は2億39百万円)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益48億円、法人税等の還付額96百万円による資金の増加及び法人税等の支払額12億89百万円による資金の減少であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、当連結会計年度に使用した資金は14億81百万円(前連結会計年度に使用した資金は2億13百万円)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出14億87百万円による資金の減少であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、当連結会計年度に使用した資金は5億55百万円(前連結会計年度に使用した資金は8億19百万円)となりました。主な要因は、配当金の支払額7億27百万円、長期借入金の返済による支出4億58百万円による資金の減少及び長期借入れによる収入6億円による資金の増加であります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性について

 当社グループの当連結会計年度末における有利子負債残高及び総資産に占める有利子負債比率は、7億63百万円、3.7%であり、前連結会計年度と比べ、1億41百万円の増加となっております。

 当連結会計年度におきましては、長期借入金として6億円の借入を実施いたしました。また、金融機関4行と13億円の枠で当座貸越契約を締結しております。これらのことから緊急的な資金需要に耐えうるものと認識しており、資金の流動性については確保されているものと認識しております。

 なお、当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用及び納税資金であります。

 

(5)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループにおいては、「SDGsに貢献する」をテーマとして製品開発を推進するとともに、社会及び顧客のニーズに沿ったデザイン性の高い製品をタイムリーに提供するよう努めております。

 研究開発は、連結子会社である株式会社トレードワークスが、連結子会社の株式会社T3デザインと密接な連携・協力関係を保ち、効果的かつ迅速に活動を推進しております。

 当連結会計年度において支出した研究開発費は45,236千円であり、その研究内容、研究成果は、製品分類別に以下のとおりであります。

<エコプロダクツについて>

 “SDGs推進から生れる製品需要”をテーマとし、認証マークを取得したエコバッグやアップサイクル素材を使用した製品の開発を行っております。研究成果として、販売開始に至った製品は、「オーガニックコットンキャンバストート」「Zalattoワンタッチサーモボトル」「エコ箸(バンブーファイバー入タイプ)」であります。

<ライフスタイルプロダクツについて>

 デザイン・品質に魅力のある製品を提供し、豊かな生活文化に貢献することをコンセプトに雑貨製品の製品開発を行っております。研究成果として、販売開始に至った製品は、「カスタムデザインコットンTシャツ」「コットンWフェイス タオル(昇華転写対応)」「クリアワイヤレス充電器」であります。