第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調で推移したものの、後半は新興国経済の減速や、年明け以降の円高、株安などの影響もあり、足踏み感が継続しております。海外においては、先進国は緩やかな景気回復が続く一方、新興国、特に中国経済の減速が影響し、全体的な成長は鈍化傾向が続きました。
 当社グループが属する半導体業界におきましては、スマートフォンの出荷数量拡大にかげりが見え、PC・タブレットの出荷は減少していることから、需要が調整局面を迎えております。
 以上のような状況のもと、当社では、台湾子会社を含めグループ内の保有資産を効率的に活用し、受託生産の拡大と更なるコスト削減に取り組んでまいりました。これにより、システムLSI事業のテスト受託や台湾子会社における第4四半期の売上高が過去最高額となり、また、連結会計年度を通して、システムLSI事業の黒字化を達成することができました。
 その結果、当連結会計年度の売上高は22,731百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益は2,783百万円(前年同期比109.4%増)、経常利益は2,555百万円(前年同期比95.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別損失等として、ウエハレベルパッケージに関する事業の譲渡の決定に伴う減損損失等として1,292百万円を計上したことなどから465百万円(前年同期は477百万円の損失)となりました。

 

セグメント別の業績は以下のとおりであります。なお、セグメント別の業績には連結調整額、為替換算レート調整額及びセグメント別に配分されない費用を含んでおりません。

 

(メモリ事業)

当連結会計年度においては、国内では生産ミックスの変化などにより大口顧客向けの売上高が大きく減少しました。しかしながら、台湾子会社では幅広いメモリ製品の受託を獲得することで、既存設備の稼働率が向上したため、売上高が増加し、利益も増加いたしました。

これらの結果、当連結会計年度のメモリ事業の売上高は13,396百万円(前年同期比7.8%減)、セグメント利益は3,717百万円(前年同期比9.5%増)となりました。

(システムLSI事業)

当連結会計年度においては、テスト受託では、新規顧客獲得に伴う設備投資の結果、減価償却費が国内・台湾子会社ともに増加したものの、売上高も増加し、利益は増加いたしました。WLP・BUMP受託では、売上高の増加とともに、昨年度実施いたしました構造改革の効果により、コスト削減が大きく貢献し、売上高・利益ともに増加いたしました。

これらの結果、当連結会計年度におけるシステムLSI事業の売上高は9,179百万円(前年同期比41.3%増)、セグメント利益は428百万円(前年同期は853百万円の損失)となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は7,073百万円となり、前連結会計年度末比193百万円の増加となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、6,616百万円の純収入(前年同期比6.1%の収入増)となりました。これは主に、減価償却費の計上5,220百万円及び税金等調整前当期純利益の計上1,215百万円により資金が増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、7,091百万円の純支出(前年同期比7.5%の支出増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,908百万円により資金が減少したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、772百万円の純収入(前年同期は783百万円の純支出)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出が2,410百万円となりましたが、長期借入金の増加2,419百万円、セール・アンド・リースバック取引による収入988百万円などにより資金が増加したことによるものです。

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成24年
3月期

平成25年
3月期

平成26年
3月期

平成27年
3月期

平成28年
3月期

自己資本比率(%)

47.1

56.6

60.5

57.7

57.0

時価ベースの自己資本比率(%)

19.5

25.6

30.2

29.1

20.5

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.36

1.20

0.81

1.00

1.03

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

38.9

42.2

64.8

59.8

69.6

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社グループの生産品は全て入庫後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載はしておりません。下記(3)販売実績をご参照ください。

 

(2)受注状況

当社グループの取引形態においては、当月の受注のほとんどが、同月中に出荷完了しているため、受注実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、受注状況の記載はしておりません。下記(3)販売実績をご参照ください。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

メモリ事業

13,396,840

△7.8

システムLSI事業

9,179,897

41.3

調整額 (注1)

154,372

合計

22,731,110

6.7

 

(注) 1.調整額は、円換算に用いた為替相場の相違による差異調整額、及び連結消去であります。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

マイクロンメモリ ジャパン㈱

9,587,215

45.0

8,085,559

35.6

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【対処すべき課題】

半導体市場は、従来からのコンピューティング機器向けに加え、スマートフォンやIoT製品と言ったモバイル機器や電子化が進む車載機器向けの成長などにより、中長期的にはグローバルな成長が期待されております。また同時に、これまで同様、厳しい企業間競争がグローバルに継続すると考えております。このような状況の中で、当社グループは、既存の人的能力と設備能力を最大限に引き出し、企業価値の向上を目指してまいります。

具体的には、技術提案力、開発力、治工具設計力と、高品質で効率的なオペレーションを実現してまいります。そのために、工程運営能力を有する経験豊富なエンジニアと、世界的な規模を有するメモリテスタや国内最大規模のロジックテスタを、市場動向に合わせて日本と台湾の各生産拠点に最適配置することで、他社との差別化を図り、顧客開拓、受託製品の拡大を目指してまいります。

また、当社グループが対処すべき課題については、以下のような施策を実行してまいります。

 

(1) 新たな市場の開拓

当社グループは、特定の顧客や製品分野への依存度が高いことから、財務体質の健全性に留意しつつ、新規顧客・分野への展開を進めてまいります。

まず、日本及び台湾の双方で取得したISO/TS16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)の認証を活かし、車載向け半導体のテスト受託を強化してまいります。また、将来的に生産量の増加が期待されるイメージセンサ向けのテスト受託も引き続き強化してまいります。上記のテスト受託に加え、テストプログラムの作成などテスト受託に関連したビジネスも合わせて強化してまいります。

さらに、ソフトウエアの開発、販売など新たな分野へ積極的に進出してまいります。具体的には、顔認証技術をマイコンに組み込み、様々な機器への拡販を進めてまいります。また、長期的な目標として生体信号を用いたヒューマンインターフェイス技術の研究を進めてまいります。

 

(2) 更なる生産性の向上

当社グループの事業の特徴として、設備の固定費負担が大きく、稼動状況が収益に大きく影響いたします。

既存の保有設備においては、その稼動率向上に向けた営業活動の強化や、グループ全体での生産体制の見直し、他社との協力関係の構築などにより、安定的に高稼動率を維持できる体制の構築を目指します。

また、グループ全体の人員配置を随時見直し、業務の効率化と経費の削減を推進してまいります。

 

 

 

4【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) マイクロンメモリ ジャパン株式会社(旧エルピーダメモリ株式会社)との資本関係について

当連結会計年度末現在における当社の総株主の議決権のうち39.64%をマイクロンメモリ ジャパン株式会社が保有しており、当社はマイクロンメモリ ジャパン株式会社の関連会社であります。

大株主としてのマイクロンメモリ ジャパン株式会社による当社株式の株主権行使が、当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。

 

前連結会計年度(自平成26年4月1日 至平成27年3月31日)

種類

会社等の名
称又は氏名

所在地

資本金又
は出資金
(百万円)

事業の内容又は職業

議決権等の
所有(被所
有)割合(%)

関連当事者
との関係

取引の内容

取引金額
(千円)

科目

期末残高
(千円)

その他の関係会社

マイクロンメモリ ジャパン株式会社

東京都
中央区

30,000

半導体製品の
開発・設計、
製造、販売

(被所有)
直接39.6

ウエハテス
ト業務受託
設備の賃借
役員の兼任

製品の販売

(注1)

9,176,515

売掛金

578,689

破産更生
債権等
(注3)

201

設備賃借

料、電力料

他の立替

(注2)

1,924,809

未払費用

129,511

 

上記の金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。

取引条件及び取引条件の決定方針等

(注) 1.製品の販売価格は、総コストを勘案して交渉により決定しております。

2.設備賃借料については、対象資産の償却費に固定資産税、保険料、金利相当額を加えた価格で取引を行っております。電力料については、当社の電力使用量に応じた電気料金相当額の請求となっております。他の立替の主な要素である業務委託料については、当社に対する用役提供の割合に応じた人件費相当額の請求となっております。

3.マイクロンメモリ ジャパン株式会社への破産更生債権等に対し、84千円の貸倒引当金を計上しております。また当連結会計年度において17,339千円の貸倒引当金戻入額を計上しております。なお、貸借対照表及び損益計算書上の計上額との差額は、治工具売却に伴うものです。

 

当連結会計年度(自平成27年4月1日 至平成28年3月31日)

種類

会社等の名
称又は氏名

所在地

資本金又
は出資金
(百万円)

事業の内容又は職業

議決権等の
所有(被所
有)割合(%)

関連当事者
との関係

取引の内容

取引金額
(千円)

科目

期末残高
(千円)

その他の関係会社

マイクロンメモリ ジャパン株式会社

東京都
中央区

30,000

半導体製品の
開発・設計、
製造、販売

(被所有)
直接39.6

ウエハテス
ト業務受託
設備の賃借
役員の兼任

製品の販売

(注1)

7,948,569

売掛金

632,783

破産更生
債権等
(注3)

187

設備の売却

(注2)

売却代金

売却益

 

 

193,500

24,561

 

上記の金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。

取引条件及び取引条件の決定方針等

(注) 1.製品の販売価格は、総コストを勘案して交渉により決定しております。

2.設備の売却価格については、中古市場の価格を勘案して交渉により決定しております。

3.マイクロンメモリ ジャパン株式会社への破産更生債権等に対し、79千円の貸倒引当金を計上しております。また当連結会計年度において4千円の貸倒引当金戻入額を計上しております。なお、貸借対照表及び損益計算書上の計上額との差額は、治工具売却に伴うものです。

 

 

(2) 特定顧客への依存について

当社グループは、米国のMicron Technology,Inc.の100%子会社であるマイクロンメモリ ジャパン株式会社(旧エルピーダメモリ株式会社)を主要顧客として事業を展開しております。当社グループにおけるMicronグループへの売上高比率の推移は以下のとおりとなっております。

 

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

売上高比率

61.4%

51.6%

 41.6%

内、マイクロンメモリ ジャパン㈱分

54.0%

45.0%

 35.6%

 

マイクロンメモリ ジャパン株式会社が、生産数量や生産品種の見直しを行うことにより、当社グループへのテスト業務の委託を大きく減少させた場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また当社グループが業務を受託しているその他の主要顧客のいずれかが、当社グループへのテスト業務の委託等を大きく減少させた場合、又は何らかの理由により顧客の事業環境に大きな変化が生じた場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 経済状況について

当社グループが業務を受託する半導体製品は、スマートフォンなどのモバイル機器を中心に、PC、デジタル家電、車載用途など幅広い分野で使用されております。これらの最終製品の市場動向、顧客の生産動向、同業他社との競争、為替相場の変動等といった当社グループを取り巻く経済状況の変化は、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの資産には多額の固定資産が含まれており、当社顧客が当社グループに委託する業務内容(品種、数量、価格等)によっては、これらの固定資産の稼動率が低下する可能性があります。このような場合には当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 資金について

当社グループの事業は設備投資に多額の資金が必要であり、現状の事業計画においても新たなビジネスの獲得に伴う設備投資が予定されています。また、M&Aに関わる資金需要も発生する可能性があります。これらの資金需要に関して、必要な資金の確保は可能であると判断しておりますが、経済環境の急激な変動等により予定していた資金の確保が出来なくなった場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 知的財産について

当社グループが特許等の知的財産権を取得しようとする場合に、適時に特許等の登録を受けられるとは限りませんし、あるいは第三者が保有する知的財産権についての実施許諾を適時に受けられ、かつ継続できるとは限りません。また、当社グループも第三者から知的財産権の侵害や、実施許諾等に関する違反を主張される可能性があり、その場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 技術革新による影響について

当社グループの属する半導体業界は、製品の高機能化、低価格化が急激に進行する技術革新の速度が非常に速いという特徴があります。このため、新たな技術開発がなされた場合、当社グループの保有する設備、技術が陳腐化する可能性があり、その場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 自然災害等について

当社グループの事業拠点は、主に神奈川県横浜市港北区、広島県東広島市、熊本県葦北郡芦北町、熊本県熊本市及び台湾新竹縣に立地しており、当地及びその周辺で地震、台風等の自然災害、事故又はその他当社グループがコントロールできない事象が発生した場合、操業の停止等様々な損害を受ける可能性があります。当社はBCM(事業継続マネジメント)活動に取り組んで上記損害の影響軽減に努めており、さらに損害保険にも加入しておりますが、考えうる全ての損失について保険に加入しているわけではなく、当社グループの受ける損失の全てが保険により補填される保証はありません。そのため、上記のような事象が発生した場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 特定サプライヤーへの依存について

当社グループは、生産設備、原材料等について、供給に関連する問題の発生を回避するため、複数の供給者と緊密な関係を構築するように努めております。しかし、設備・治具、原材料等の中には特定の供給元からしか入手できないものも含まれているため、需給が逼迫した場合の供給能力不足や供給元の事故等により、これらを適切なタイミングで調達できない可能性があります。また、調達できる場合でも調達価格が大幅に上昇するなど、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 顧客資産管理について

当社グループは顧客の製品であるウエハや顧客の資産であるプローブカードやテスタ等の支給を受けて業務を行っております。これらの製品及びプローブカードやテスタ等は高価であり、その扱いには細心の注意を払っておりますが、事故等でこれらを破損した場合、その損害を賠償することとなります。当社グループは、保険契約によりこれら受託品の事故に対して備えておりますが、全ての補償を可能にするものではなく、事故等の発生により当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、顧客の資産を破損した場合、顧客の信用を失い、業務の受託が極端に減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 情報管理について

当社グループは顧客からの業務受託にあたり、テストプログラムなど顧客の重要情報を取り扱っております。これらの重要情報の取扱については細心の注意を払い、情報管理を徹底しておりますが、情報漏洩等が発生した場合、顧客の信用を失い、業務の受託が極端に減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 品質について

当社グループは顧客からの業務受託にあたり、要求された品質を満たすべく注力しております。しかしながら、顧客の要求する品質を満たせない状況が発生した場合、顧客の信用を失い、業務の受託が極端に減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)半導体テストサービスに関する契約

契約会社名

契約締結先

内容

契約締結日

契約期間

㈱テラプローブ

マイクロンメモリ ジャパン㈱

取引基本契約 (注)1

平成17年10月1日

平成17年10月1日から
平成18年9月30日まで
以後1年ごとの自動更新

㈱テラプローブ

マイクロンメモリ ジャパン㈱

Micron Technology, Inc.

包括契約 (注)2

平成27年5月1日

平成27年5月1日から
平成30年4月30日まで
以後1年ごとの自動更新

 

(注) 1.当契約の内容は取引の一般的、基本的な事項を定めたものであります。

2.当契約の概要は以下のとおりです。

当社とマイクロンメモリ ジャパン㈱(旧エルピーダメモリ㈱)及びMicron Technology, Inc.は、マイクロンメモリ ジャパン㈱がFab15(広島工場)において生産するウエハの実質全量のウエハテストについて、平成27年5月1日から3年間、当社が受託する旨定めております。

 

(2)その他の契約

契約会社名

契約締結先

内容

契約締結日

㈱テラプローブ

アオイ電子㈱

事業譲渡契約 (注)

平成27年9月1日

 

(注) 当社のウエハレベルパッケージに関する事業(以下「本事業」)を新設分割し、新設会社の全株式をアオイ電子㈱に譲渡することを定めております。なお、当該譲渡は、平成28年4月1日に完了しております。新設分割の詳細については以下のとおりです。

(1) 会社分割の目的
 アオイ電子㈱への本事業の譲渡を目的とするものです。

(2) 会社分割の方法
 当社を新設分割会社とし、分割により設立する新設会社に本事業に関して有する資産及びその他の権利義務を承継させる新設分割です。

(3) 会社分割の期日
 平成28年4月1日

(4) 会社分割に際して発行した株式及び割当
 新設会社は会社分割に際して普通株式(株式数:180,000株)を発行し、会社分割により承継する権利義務に代えて、そのすべてを当社に割当て交付いたしました。

(5) 会社分割に係る割当の内容の算定根拠
 当社単独での新設分割であり、新設会社の株式のみが当社に割当てられるため、第三者機関による算定は実施しておりません。割当て株式数につきましては、新設会社の資本金等の額を考慮して決定いたしました。

(6) 承継する資産、負債の状況
 資産合計    933,082千円
 負債合計    277,465千円

(7) 新設会社の概要
 商号      青梅エレクトロニクス株式会社
 本店所在地   東京都青梅市藤橋三丁目3番地の2
 事業内容    ウエハレベルパッケージに関する事業
 代表者     代表取締役社長 上田 泰裕
 資本金     9,000万円

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、システムソリューションセンター(熊本県熊本市)において、画像処理技術を応用したソフトウェア開発や、生体信号を使用したヒューマンインターフェース技術の研究を行っております。

具体的には、新規分野として顔認証技術に注目し、日本電気株式会社(NEC)製、顔検出/顔照合エンジン「NeoFace」(*1)のアルゴリズムを採用し、ARM Core(*2)等に対応した製品開発を行い、世界で販売されている様々なマイクロコントローラー製品向けソフトウエアの開発を行っております。

また、脳波や心電等を用いて、ハンズフリーでのウエアラブル機器の操作や、医療、福祉用途の身体情報収集などが可能になる技術を研究しております。

以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、24百万円となりました。

なお、当社グループのメモリ事業及びシステムLSI事業における研究開発活動は、受託業務に関連した開発内容が中心であり、これらの研究開発は事業活動に密接に関わる内容であるため、売上原価として処理しております。

 

(*1)「NeoFace」は、日本電気株式会社の登録商標です。

(*2)ARM は ARM Limited の登録商標または商標です。その他の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者
    に属する商標または登録商標です。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

① 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を検討し、評価性引当金を設定することにより減額しております。評価性引当金の必要性を検討するに当たり、将来の課税所得を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の検討は毎期行っており、計上されている繰延税金資産の金額と回収見込み金額との差額は、法人税等調整額に計上され、当期純利益を増減させることになります。

② 固定資産の減損

当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、当連結会計年度において帳簿価額の回収が困難と見込まれる固定資産につき減損処理を行なっております。なお、前述以外の固定資産については、将来の収益計画に基づき減損処理の必要性を判断していますが、将来の収益獲得が見込めなくなった場合には、減損損失が発生する可能性があります。

③ 退職給付債務

当社の従業員退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件を変更した場合、その影響額は数理計算上の差異として認識し、退職給付に係る制度を変更した場合、その影響額は過去勤務費用として認識します。これら数理計算上の差異及び過去勤務費用のうち、当期に費用処理されない部分については、税効果を考慮の上その他の包括利益として認識し、退職給付に係る負債に含めて計上しております。よって、前提条件と実際の差異が生じたり、制度変更を行った場合、その他の包括利益、繰延税金資産及び退職給付に係る負債に影響を及ぼします。

④ 貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、破産更生債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、貸倒引当金を計上しております。なお、相手先の財政状態の悪化により支払能力が低下した場合、引当金の追加計上が必要になる場合があります。

 

(2) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、22,731百万円となり、前連結会計年度と比較して1,427百万円の増加となりました。その主な要因は、システムLSI事業のテスト受託及びWLP・BUMP受託や台湾子会社が増加したことによるものです。

(売上原価)

当連結会計年度における売上原価は、17,594百万円となり、前連結会計年度と比較して81百万円の減少となりました。その主な要因は、青梅事業所の事業再構築に伴う人件費等の減少によるものです。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,353百万円となり、前連結会計年度と比較して55百万円の増加となりました。その主な要因は、租税公課の増加等によるものです。

 

(営業利益)

上記の諸要因により、当連結会計年度における営業利益は、2,783百万円となり、前連結会計年度と比較して1,453百万円の増加となりました。

(営業外収益)

当連結会計年度における営業外収益は、133百万円となり、前連結会計年度と比較して46百万円の減少となりました。その主な要因は、為替差益の減少等によるものです。

(営業外費用)

当連結会計年度における営業外費用は、361百万円となり、前連結会計年度と比較して158百万円の増加となりました。その主な要因は、支払補償費の増加等によるものです。

(経常利益)

上記の諸要因により、当連結会計年度における経常利益は、2,555百万円となり、前連結会計年度と比較して1,249百万円の増加となりました。

(特別利益)

当連結会計年度における特別利益は、100百万円となり、前連結会計年度と比較して47百万円の増加となりました。その主な要因は、固定資産の売却益が49百万円増加したことによるものです。

(特別損失)

当連結会計年度における特別損失は、1,440百万円となり、前連結会計年度と比較して438百万円の増加となりました。その主な要因は、前連結会計年度においては、事業構造改善費用951百万円を計上しており、当連結会計年度においては、ウエハレベルパッケージに関する事業の譲渡の決定に伴う減損損失及び事業譲渡損失引当金繰入額として1,292百万円を計上したことなどによるものです。

(親会社株式に帰属する当期純利益)

上記の諸要因により、当連結会計年度における親会社株式に帰属する当期純利益は、464百万円(前連結会計年度は477百万円の損失)となりました。

 

(3) 財政状態に関する分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は35,834百万円となり、前連結会計年度末比509百万円の増加となりました。これは主に、有形固定資産が2,352百万円減少した一方で、現金及び預金が2,593百万円増加したことによるものです。

(負債)

負債は12,180百万円となり、前連結会計年度末比447百万円の増加となりました。これは主に、設備投資のために長期借入金が2,041百万円増加した一方、返済によりリース債務が1,424百万円減少したことによるものです。

(純資産)

純資産は23,653百万円となり、前連結会計年度末比61百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を465百万円計上した一方で、為替レートが円高に振れたことから為替換算調整勘定が313百万円減少したことによるものです。

 

(4) キャッシュ・フローの状況に関する分析

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は7,073百万円となり、前連結会計年度末比193百万円の増加となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、6,616百万円の純収入(前年同期比6.1%の収入増)となりました。これは主に、減価償却費の計上5,220百万円及び税金等調整前当期純利益の計上1,215百万円により資金が増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、7,091百万円の純支出(前年同期比7.5%の支出増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,908百万円により資金が減少したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、772百万円の純収入(前年同期は783百万円の純支出)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出が2,410百万円となりましたが、長期借入金の増加2,419百万円、セール・アンド・リースバック取引による収入988百万円などにより資金が増加したことによるものです。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、半導体のテスト受託を主な事業としており、この事業は受託量の増加や受託対象製品の増加に際して、使用する測定装置等の投資が先行し、数年にわたって回収していく構造となっております。従って、所要資金の調達については、長期借入金等の長期安定的な調達方法を取ることに留意しております。この結果、キャッシュ・フローに関し、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては減価償却費が、投資活動によるキャッシュフローについては新規設備投資の増減が、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては長期借入金及びリース債務等の長期有利子負債の増減が、それぞれ主な変動要因となっております。

手許流動性、すなわち、現金及び現金同等物の水準については、業績の変動に対応するため、連結売上高の3ヶ月分以上の確保が望ましいと考えております。当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物の残高は7,073百万円であり、当連結会計年度売上高の約4ヶ月分を確保しております。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの売上高は、特定顧客への依存度が高いため、当該顧客の生産動向が当社業績に大きな影響を与えます。例えば、当社グループの主力受託品であるDRAMは、スマートフォンやタブレットなどに使用されるテスト時間の長い製品(モバイルDRAM)と主にPCに使用されるテスト時間の短い製品に分かれ、テスト時間の長いモバイルDRAMの生産量の増減や製品ミックスの変化によるテスト装置の稼動率の変化が当社業績に影響を与えます。

また、当社グループの主要顧客であるマイクロンメモリ ジャパン株式会社が、今後の事業を進める中で、当社グループの受託量が増減する可能性があり、当社業績に影響を与える可能性があります。

WLP・BUMP受託におきましては、平成28年4月1日付で、青梅事業所のウエハレベルパッケージに関する事業を会社分割(新設分割)により新たに設立した青梅エレクトロニクス株式会社に承継させるとともに、同社の全株式をアオイ電子株式会社(香川県高松市)に譲渡しております。

当社グループといたしましては、特定の顧客に依存することなく、資源を集中すべきところは集中した上で、より多くの顧客から、様々な種類の製品を受託するべく、営業活動を強化しております。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

半導体市場は、従来からのコンピューティング機器向けに加え、スマートフォンやIoT製品と言ったモバイル機器や電子化が進む車載機器向けの成長などにより、中長期的にはグローバルな成長が期待されております。また同時に、これまで同様、厳しい企業間競争がグローバルに継続すると考えております。このような状況の中で、当社グループは、既存の人的能力と設備能力を最大限に引き出し、企業価値の向上を目指してまいります。

具体的には、技術提案力、開発力、治工具設計力と、高品質で効率的なオペレーションを実現してまいります。そのために、工程運営能力を有する経験豊富なエンジニアと、世界的な規模を有するメモリテスタや国内最大規模のロジックテスタを、市場動向に合わせて日本と台湾の各生産拠点に最適配置することで、他社との差別化を図り、顧客開拓、受託製品の拡大を目指してまいります。