第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当社は、平成29年6月29日開催の第12期定時株主総会の決議により、事業年度末日を従来の3月31日から12月31日に変更いたしました。これにより、当第13期事業年度が平成29年4月1日から平成29年12月31日までの9ヶ月となったため、当連結会計年度においては、業績に関する前期比増減の記載を省略しております。

 

当連結会計年度においては、車載用製品の需要が好調であったことや、株式会社テラプローブ会津を完全子会社化したことなどから、売上高は17,869百万円、営業利益は1,845百万円、経常利益は1,790百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は334百万円となりました。これは、台湾子会社の業績が好調だったことで非支配株主に帰属する当期純利益が817百万円となったことなどによるものです。

 

セグメント別の業績は以下のとおりであります。なお、セグメント別の業績には連結調整、為替換算レート調整額及びセグメント別に配分されない費用を含んでおりません。 

 

(メモリ事業)

当連結会計年度においては、高性能スマートフォン用製品や車載用製品の受託量は増えたものの、主要顧客の製品ミックスの変化の継続による影響が大きく、売上高は8,386百万円、セグメント利益は1,437百万円となりました。

 

(システムLSI事業)

当連結会計年度においては、株式会社テラプローブ会津を完全子会社化したことや、車載用製品の受託量が大幅に増えたことなどから、売上高は9,333百万円、セグメント利益は1,657百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は8,910百万円となり、前連結会計年度末比632百万円の減少となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、6,870百万円の純収入となりました。これは主に、減価償却費の計上5,338百万円及び税金等調整前当期純利益の計上1,735百万円により資金が増加したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、12,065百万円の純支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出12,751百万円により資金が減少したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、4,503百万円の純収入となりました。これは主に、設備投資資金の調達等で借入金による収入が長短合わせて19,293百万円あったことにより資金が増加した一方、借入金の返済による支出が長短合わせて14,744百万円あったことにより資金が減少したことによるものです。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成26年
3月期

平成27年
3月期

平成28年
3月期

平成29年
3月期

平成29年
12月期

自己資本比率(%)

60.5

57.7

57.0

47.4

41.5

時価ベースの自己資本比率(%)

30.2

29.1

20.5

31.3

21.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.81

1.00

1.03

2.17

2.69

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

64.8

59.8

69.6

59.8

54.2

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

(注5)平成29年6月29日開催の第12期定時株主総会決議により、決算期を3月31日から12月31日に変更しました。従って、平成29年12月期は平成29年4月1日から平成29年12月31日の9ヶ月間となっております。

(注6)平成29年12月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、平成29年3月期の連結財務諸表について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映しております。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社グループの生産品はその大部分が入庫後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載はしておりません。下記(3)販売実績をご参照ください。

 

(2)受注状況

当社グループの取引形態においては、当月の受注のほとんどが、同月中に出荷完了しているため、受注実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、受注状況の記載はしておりません。下記(3)販売実績をご参照ください。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成29年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

メモリ事業

8,386,645

システムLSI事業

9,333,637

調整額 (注1)

149,161

合計

17,869,444

 

(注) 1.調整額は、円換算に用いた為替相場の相違による差異調整額、及び連結消去であります。

2.平成29年12月期は決算期の変更により、4月1日から12月31日の9ヶ月の決算期間となっております。このため、前年同期比は記載しておりません。

3.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

  なお、当該割合が100分の10未満の場合は記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成29年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

マイクロンメモリ ジャパン㈱

5,843,561

31.1

3,410,455

19.1

ルネサス エレクトロニクス㈱

1,726,803

9.2

2,792,010

15.6

Cypress Semiconductor Corporation

865,950

4.6

1,824,508

10.2

 

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

半導体製品は、情報通信・自動車など、現代の社会において無くてはならないものとなり、今後もより一層の市場拡大が期待されております。一方、この成長市場におけるグローバルな企業間の競争はこれまで以上に激しくなってきております。また、近年の半導体市場を牽引してきたスマートフォンの成長には陰りが出てきております。
  このように機会と脅威が交錯する環境のなか、当社グループは、グローバルに飛躍し続ける企業への変革を目指し、昨年(平成29年)6月より世界有数のOSAT企業であるPTIグループの一員となり、以下のような取り組みを進めております。

 

① 顧客との長期的な関係の強化

テスト開発から量産まで高い品質のサービスを提供することのみならず、ソフトウエアを含めた様々なソリューションを提供することで顧客製品の価値向上に貢献し、顧客にとって信頼できるパートナーとして長期的な関係を強化してまいります。

 

② ターンキーサービスの提供

顧客により多くの選択肢とより良いサービスを提供し、顧客にとって当社グループの価値を高めていくため、ターンキーサービスの提供に努めてまいります。

 

③ テスト技術の開発と人材育成

半導体の設計や製造の高度化に伴い、テストサービスにおいてもより高度な技術が求められています。先進のテスト技術の開発を進めるとともに、これを支えるテストエンジニアの育成に努めてまいります。

 

④ 生産性の向上

国内においては、本年(平成30年)6月末までに広島事業所から退去し、主に九州事業所への移転を行う計画です。また、台湾においては現在建設中の新棟が今年度から新たに稼動を開始する予定です。当社グループ全体の人員配置を随時最適化するとともに、最新技術を取り入れた積極的な生産性の向上を進めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

当社グループは、これらのリスクの発生の回避および発生した場合の対応に努めております。なお、以下に記載された事項は、当社グループのすべてのリスクを網羅するものではありません。また、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 主に外部環境に由来するリスク

① 経済状況について

当社グループが業務を受託する半導体製品は、スマートフォンなどのモバイル機器を中心に、PC、デジタル家電、車載用途など幅広い分野で使用されております。これらの最終製品の市場動向、顧客の生産動向、同業他社との競争、為替相場の変動等といった当社グループを取り巻く経済状況の変化は、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 資金について

当社グループの事業は設備投資に多額の資金が必要であり、現状の事業計画においても新たなビジネスの獲得に伴う設備投資が予定されています。また、設備投資以外に負債の返済やM&A に関わる資金需要が発生する可能性もあります。これらの資金需要に関して、必要な資金の確保は可能であると判断しておりますが、経済環境の急激な変動等により予定していた資金の確保ができない場合や資金調達コストが増加する場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術革新の影響について

当社グループの属する半導体業界は、技術革新の速度が非常に速く、製品の高機能化、低価格化が急激に進行するという特徴があります。このため、新たな技術開発がなされた場合、当社グループの保有する設備、技術が陳腐化する可能性があり、その場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 自然災害等について

当社グループの事業拠点は、主に神奈川県横浜市港北区、広島県東広島市 、熊本県葦北郡芦北町、熊本県熊本市、福島県会津若松市及び台湾新竹縣に立地しており、当地及びその周辺で地震、台風等の自然災害、事故又はその他当社グループがコントロールできない事象が発生した場合、操業の停止等様々な損害を受ける可能性があります。当社はBCM(事業継続マネジメント)活動に取り組んで上記損害の影響軽減に努めており、さらに損害保険にも加入しておりますが、考えうる全ての損失について保険に加入しているわけではなく、当社グループの受ける損失の全てが保険により補填される保証はありません。そのため、上記のような事象が発生した場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 (2) 主に事業運営に由来するリスク

① 特定顧客への依存について

当社グループは、米国のMicron Technology,Inc.(以下、MTI)の100%子会社であるマイクロンメモリ ジャパン株式会社(旧エルピーダメモリ株式会社)を主要顧客として事業を展開しております。当社グループにおけるMicronグループへの売上高比率は年々低下しており、以下のような推移となっております。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成29年12月期

売上高比率

51.6%

 41.6%

36.3%

    25.3%

内、マイクロンメモリ ジャパン㈱分

45.0%

 35.6%

31.1%

    19.1%

 

マイクロンメモリ ジャパン株式会社を中心としたMicronグループが、生産数量や生産品種の見直しを行うことにより、当社グループへのテスト業務の委託を大きく減少させた場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、平成29年4月14日に公表いたしました「事業譲渡及び重要な契約等の終了予定に関するお知らせ」に記載のとおり、マイクロンメモリ ジャパン株式会社に対する半導体テストサービス事業については、平成30年5月1日に約35百万米ドルで譲渡する予定です。

また当社グループが業務を受託しているその他の大手顧客のいずれかが、当社グループへのテスト業務の委託等を大きく減少させた場合、又は何らかの理由により顧客の事業環境に大きな変化が生じた場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 固定資産の減損について

当社グループは、半導体検査装置を中心に多くの固定資産を保有しております。また、固定資産の連結貸借対照表計上額は、会計基準に則り必要に応じて、対象資産の将来キャッシュ・フローを見積もり、回収可能性を評価しております。稼働率の低下など何らかの要因で、将来キャッシュ・フローの見込みや割引率に用いる加重平均資本コストが変動し、十分なキャッシュ・フローまたはその現在価値が確保できない見込みとなった場合には、減損の認識が必要となり、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人材の確保について

当社グループの円滑な事業運営には、各分野の優秀な人材確保が必要不可欠となっております。しかしながら、人材確保の難易度は年々増しております。新たな人材の獲得ができない又は優秀な人材が流出してしまう場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 特定サプライヤーへの依存について

当社グループは、事業に使用する設備、冶工具等について、多数の外部の取引先から調達しております。しかしながら、設備、冶工具等の中には特定の供給元からしか入手できないものも含まれているため、需給が逼迫した場合の供給能力不足や供給元の事故等により、これらを適切なタイミングで調達できない可能性があります。また、調達できる場合でも調達価格が大幅に上昇するなど、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 顧客資産管理について

当社グループは顧客の製品であるウエハや顧客の資産であるプローブカードやテスタ等の支給を受けて業務を行っております。これらの製品及びプローブカードやテスタ等は高価であり、その扱いには細心の注意を払っておりますが、事故等でこれらを破損した場合、その損害を負担する可能性があります。当社グループは、保険契約によりこのような事態に対して備えておりますが、全ての補償を可能にするものではなく、事故等の発生により当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、顧客の資産を破損した場合、顧客の信用を失い、業務の受託が極端に減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 情報管理について

当社グループは顧客からの業務受託にあたり、テストプログラムなど顧客の重要情報を取り扱っております。当社は、安定したサービスを提供し続けられる情報システムの構築と運用に努め、情報管理を徹底しておりますが、不正アクセスによる情報漏洩やシステム障害等が発生した場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 品質について

当社グループは顧客からの業務受託にあたり、要求された品質を満たすべく注力しております。しかしながら、顧客の要求する品質を満たせない状況が発生した場合、顧客の信用を失い、業務の受託が極端に減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

 

⑧ 広島事業所の移転について

当社は、マイクロンメモリ ジャパン株式会社からの要請を受けて、平成30年6月末までに同社広島工場内に賃借しているフロアから当社グループ他拠点への移転を進めております。想定を超えるプロジェクト遂行上の問題が発生した場合は当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 

 (3) その他

① 親会社グループとの関係について

平成 29年6月5日に公開買付けにより、力成科技股份有限公司が当社の親会社となりました。力成科技股份有限公司はグループ全体で当社株式の59.44%の議決権を所有しております。また、同社グループから非常勤取締役4名、非常勤監査役1名が派遣されております。現状において、当社グループは同社グループ内において競合となりうる情況は発生しておりません。しかしながら、力成科技股份有限公司による当社株式の株主権行使が、当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。

 

② 知的財産について

当社グループが特許等の知的財産権を取得しようとする場合に、適時に特許等の登録を受けられるとは限りませんし、あるいは第三者が保有する知的財産権についての実施許諾を適時に受けられ、かつ継続できるとは限りません。また、当社グループも第三者から知的財産権の侵害や、実施許諾等に関する違反を主張される可能性があり、その場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)半導体テストサービスに関する契約

契約会社名

契約締結先

内容

契約締結日

契約期間

㈱テラプローブ

マイクロンメモリ ジャパン㈱

取引基本契約 (注)1

平成17年10月1日

平成17年10月1日から
平成18年9月30日まで
以後1年ごとの自動更新

㈱テラプローブ

マイクロンメモリ ジャパン㈱

Micron Technology, Inc.

包括契約 (注)2

平成27年5月1日

平成27年5月1日から
平成30年4月30日まで
(注)3

 

(注) 1.当契約の内容は取引の一般的、基本的な事項を定めたものであります。

2.当契約の概要は以下のとおりです。

当社とマイクロンメモリ ジャパン㈱(旧エルピーダメモリ㈱)及びMicron Technology, Inc.は、マイクロンメモリ ジャパン㈱がFab15(広島工場)において生産するウエハの実質全量のウエハテストについて、平成27年5月1日から3年間、当社が受託する旨定めております。

3.当契約は、平成30年4月30日をもって期間満了により終了する見込みです。

 

(2)その他の契約

契約会社名

契約締結先

内容

契約締結日

㈱テラプローブ

Micron Technology, Inc.

マイクロン ジャパン㈱

ASSET PURCHASE AGREEMENT(注)1

平成29年4月14日

㈱テラプローブ

Micron Technology, Inc.

マイクロン ジャパン㈱

OMNIBUS AMENDMENT AGREEMENT(注)2

平成29年12月6日

㈱テラプローブ

マイクロンメモリ ジャパン㈱

建物賃貸借契約書の変更等に関する覚書(注)3

平成29年12月6日

 

(注) 1.当社は、平成29年4月14日開催の取締役会において、平成30年5月1日をもって、マイクロン ジャパン㈱に対して、マイクロンメモリ ジャパン㈱を顧客とする一部事業を譲渡することについて決議し、同日付けで当契約を締結しております 。当契約において、譲渡した設備につき、一定の条件の場合において当社が優先的に買い戻すことができる権利を定めております。

2.当契約の内容は、ASSET PURCHASE AGREEMENTにおいて定めた譲渡対象資産の変更、及び当社広島事業所の移転に伴い当社に損害が発生した場合の補償等について定めたものであります。

3.当覚書の内容は、当社広島事業所の、マイクロンメモリ ジャパン㈱Fab15(広島工場)からの移転の時期、及び移転に伴う補償金約923百万円の受け取り等について定めたものであります。

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、システムソリューションセンター(熊本県熊本市)において、画像処理技術を応用したソフトウエア開発や、生体信号を使用したヒューマンインターフェース技術の研究を行っております。

具体的には、顔認証技術に注目し、日本電気株式会社(NEC)製、顔検出/顔照合エンジン「NeoFace」(*1)のアルゴリズムを採用し、ARM Core(*2)等に対応した製品開発を行い、世界で販売されている様々なマイクロコントローラー製品向けソフトウエアの開発を行っております。

また、脳波や心電等を用いて、ハンズフリーでのウエアラブル機器の操作や、医療、福祉用途の身体情報収集などが可能になる技術を研究しております。

以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、19百万円となりました。

なお、当社グループのメモリ事業及びシステムLSI事業における研究開発活動は、受託業務に関連した開発内容が中心であり、これらの研究開発は事業活動に密接に関わる内容であるため、売上原価として処理しております。

 

(*1)「NeoFace」は、日本電気株式会社の登録商標です。

(*2)ARM は ARM Limited の登録商標または商標です。その他の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者
    に属する商標または登録商標です。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当社は決算期変更に伴い、当連結会計年度は9ヶ月間の変則決算となっております。このため、前年同期との比較は行っておりません。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

① 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を検討し、評価性引当金を設定することにより減額しております。評価性引当金の必要性を検討するに当たり、将来の課税所得を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の検討は毎期行っており、計上されている繰延税金資産の金額と回収見込み金額との差額は、法人税等調整額に計上され、親会社株主に帰属する当期純利益を増減させることになります。

② 固定資産の減損

当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、前連結会計年度において帳簿価額の回収が困難と見込まれる固定資産につき減損処理を行なっております。なお、前述以外の固定資産については、将来の収益計画に基づき減損処理の必要性を判断していますが、将来の収益獲得が見込めなくなった場合には、減損損失が発生する可能性があります。

③ 退職給付債務

当社の従業員退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件を変更した場合、その影響額は数理計算上の差異として認識し、退職給付に係る制度を変更した場合、その影響額は過去勤務費用として認識します。これら数理計算上の差異及び過去勤務費用のうち、当期に費用処理されない部分については、税効果を考慮の上その他の包括利益として認識し、退職給付に係る負債に含めて計上しております。よって、前提条件と実際の差異が生じたり、制度変更を行った場合、その他の包括利益、繰延税金資産及び退職給付に係る負債に影響を及ぼします。なお、当連結会計年度においては、第5 経理の状況 1.連結財務諸表等の注記事項(会計上の見積りの変更)に記載の通り、数理計算上の差異及び過去勤務費用の処理年数について、従来、従業員の平均残存勤務期間内の一定の年数(14年)で費用処理しておりましたが、平均残存勤務期間がこれを下回ったため、当連結会計年度より、費用処理年数を10年に変更しております。

 ④ 貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、破産更生債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、貸倒引当金を計上しております。なお、相手先の財政状態の悪化により支払能力が低下した場合、引当金の追加計上が必要になる場合があります。

 

 

(2) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、17,869百万円となりました。その主な要因は、車載用製品の需要が好調であったことや、株式会社テラプローブ会津を完全子会社化したことなどの影響によるものです。

(売上原価)

当連結会計年度における売上原価は、14,191百万円となりました。その主な要因は、株式会社テラプローブ会津を完全子会社化したことなどの影響によるものです。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,831百万円となりました。その主な要因は、株式会社テラプローブ会津を完全子会社化したことなどの影響によるものです。

(営業利益)

上記の諸要因により、当連結会計年度における営業利益は、1,845百万円となりました。

(営業外収益)

当連結会計年度における営業外収益は、155百万円となりました。その主な要因は、固定資産設備貸出による賃貸料の計上によるものです。

(営業外費用)

当連結会計年度における営業外費用は、210百万円となりました。その主な要因は、為替差損の計上によるものです。

(経常利益)

上記の諸要因により、当連結会計年度における経常利益は、1,790百万円となりました。

(特別利益)

当連結会計年度における特別利益は、73百万円となりました。その主な要因は、固定資産設備売却益によるものです。

(特別損失)

当連結会計年度における特別損失は、127百万円となりした。その主な要因は、広島事業移転に関する費用の計上によるものです。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

上記の諸要因により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、334百万円となりました。

 

(3) 財政状態に関する分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は54,329百万円となり、前連結会計年度末比8,012百万円の増加となりました。これは主に、有価証券が1,000百万円減少した一方で、主に台湾子会社において設備投資を実施したことにより有形固定資産が9,374百万円増加したことによるものです。

(負債)

負債は25,165百万円となり、前連結会計年度末比6,069百万円の増加となりました。これは主に、設備投資のために長期借入金が2,756百万円、短期借入金が2,128百万円、未払金が949百万円それぞれ増加したことによるものです。

(純資産)

純資産は29,164百万円となり、前連結会計年度末比1,942百万円の増加となりました。これは主に、非支配株主持分を1,387百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を334百万円それぞれ計上したことによるものです。

 

 

(4) キャッシュ・フローの状況に関する分析

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は8,910百万円となり、前連結会計年度末比632百万円の減少となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、6,870百万円の純収入となりました。これは主に、減価償却費の計上5,338百万円及び税金等調整前当期純利益の計上1,735百万円により資金が増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、12,065百万円の純支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出12,751百万円により資金が減少したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、4,503百万円の純収入となりました。これは主に、設備投資資金の調達で借入金による収入が長短合わせて19,293百万円あったことにより資金が増加した一方、借入金の返済による支出が長短合わせて14,744百万円あったことにより資金が減少したことによるものです。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、半導体のテスト受託を主な事業としており、この事業は受託量の増加や受託対象製品の増加に際して、使用する測定装置等の投資が先行し、数年にわたって回収していく構造となっております。従って、所要資金の調達については、長期借入金やファイナンスリース等の長期安定的な調達方法を取ることに留意しております。この結果、キャッシュ・フローに関し、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては減価償却費が、投資活動によるキャッシュ・フローについては新規設備投資による支出が、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては長期借入金等の長期有利子負債の増減が、それぞれ主な構成要素及び変動要因となっております。

手許流動性、すなわち、現金及び現金同等物の水準については、業績の変動に対応するため、連結売上高の3ヶ月分以上の確保が望ましいと考えております。当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物の残高は8,910百万円であり、当連結会計年度売上高の約4.5ヶ月分を確保しております。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの売上高は、半導体のテスト受託を中心としており、顧客の生産動向により経営成績が影響を受ける可能性があります。

特に、当社グループの主要顧客であるマイクロンメモリ ジャパン株式会社が、当社が保有する半導体検査装置によってテストを行う製品から、MTIグループ製の半導体検査装置によってテストを行う製品にシフトを進めており、これが当社業績に影響を与える可能性があります。なお、当社は同社向け事業を平成30年5月1日に譲渡し、当社の経営資源を成長事業に振り向ける予定です。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

半導体製品は、情報通信・自動車など、現代の社会において無くてはならないものとなり、今後もより一層の市場拡大が期待されております。一方、この成長市場におけるグローバルな企業間の競争はこれまで以上に激しくなってきております。また、近年の半導体市場を牽引してきたスマートフォンの成長には陰りが出てきております。

このように機会と脅威が交錯する環境のなか、当社グループは、昨年6月より世界有数のOSAT企業であるPTIグループの一員となり、グローバルに飛躍し続ける企業への変革を目指し、引続き事業の拡大を図ってまいります。