当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)経営理念、方針及び基本戦略
当社グループは、「常に、チャレンジ精神と誇りをもってビジネスに取り組み、技術を磨き、生産の効率化を進め、世界中のお客様が心から満足し信頼できるパートナーとして、新たな価値創造に貢献する」ことを経営理念として掲げております。
この経営理念のもと、当社グループは、ルーツである日本の大手半導体メーカーが築いた技術を基に、2005年の創業以来培ってきた半導体テスト技術・ノウハウや関連するハードウエア・ソフトウエアの開発力をさらに進化・発展させ、今後も世界中のビジネス獲得に努めてまいります。
また、顧客の半導体製品のテストを行うだけでなく、その上流工程であるテスト設計の開発など、顧客の製品企画・開発段階からソリューションを提供していくことで、単なるテスト受託会社にとどまらないパートナーとして顧客の半導体製品の製造に不可欠な存在になることを目指しています。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、高い収益性の確保と企業価値の向上を目指しており、その指標として売上高営業利益率と自己資本利益率(ROE)が重要であると認識しておりますが、過去数年の当社事業における変化を踏まえ、まずは、継続的に安定した収益を確保しうる事業基盤の構築が先決であると考えております。車載分野への取り組みやコスト削減活動の継続などにより、事業基盤の構築には一定の成果が出てきたと考えておりますが、経営指標の具体的な数値目標については、さらに十分な事業基盤等の条件が整った段階で、お示ししたいと考えております。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題等
経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せない中、不透明な状況が一定期間継続することが予想されますが、中長期的には、半導体製品は、IoT(Internet of things)製品、AI(人工知能)や自動運転、さらに新たな通信規格である5Gなどの分野を支えるキーデバイスとして、今後も市場の成長が期待されております。一方で、この成長市場における競争は激しく、市場の変化も速いことから、それらに応じたスピード感のある事業運営が求められています。半導体テストにおいては、半導体製品の種類によって最適な検査装置が異なり、かつ、半導体製品の進歩に合わせた能力の高度化が求められます。当社グループのテスト受託事業は、当社グループが設備投資を行って各種検査装置を揃え、これを数年に渡って様々な顧客からの受託量に応じて課金し、回収していくビジネスモデルが中心となっております。この事業形態においては、複数の顧客から様々な製品のテストを受託し、設備を最大限活用することで平均稼働率を高く維持することが重要となります。また、長期に渡って安定した稼働を維持するため、高度な工場管理能力も必要となります。
当社グループは顧客の様々なニーズに迅速且つ柔軟に対応することにより、顧客満足を高め、より強力な取引関係を構築することで安定的・継続的に事業を運営し、企業価値の向上を実現するため、以下の①から④を特に優先的に対処すべき課題として取り組みを進めております。
当社グループでは、今後も数量の増加が見込まれ、かつ高品質・高信頼性が要求される車載分野のテスト受託の拡大に注力するとともに、AI、5G及びセンサなどの先端製品に対して、当社の実績・経験を活かしうる成長分野を開拓してまいります。
② 顧客との長期的な関係の強化
テスト開発から量産まで高い品質のサービスの提供に加えて、関係会社等との連携による後工程受託まで含めたターンキーサービスによるソリューションを提供することで顧客製品の価値向上に貢献し、顧客にとって信頼できるパートナーとして長期的な関係を強化してまいります。
③ テスト技術の開発と人材育成
半導体製品の小型化・高密度化・高機能化による設計や製造の高度化・短期化に伴い、テストの重要性は高まり、より高度な技術が求められています。最先端のテスト技術の開発を進めるとともに、技術優位性を確保するためにテストエンジニアの育成に努めてまいります。
④ 生産性の向上
変化の激しい半導体市場において安定した収益を確保するため、当社グループ全体の設備及び人員配置を随時、柔軟に最適化するとともに、AIなど最新の技術を活用することで、オペレーションの効率化を図り、生産性の向上を進めてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、各リスクが顕在化する可能性の程度及びその影響額につきましては、合理的な想定は困難ですが、当社グループは、これらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努めており、その対応策は以下に記載のとおりです。
なお、以下に記載した事項は、当社グループのすべてのリスクを網羅するものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 主に外部環境に由来するリスク
① 経済状況・市場環境について
当社グループが業務を受託する半導体製品は、スマートフォンなどのモバイル機器を中心に、PC、デジタル家電、車載用途など幅広い分野で使用されております。これらの最終製品の市場動向、顧客の生産動向、同業他社との競争、貿易摩擦、為替相場の変動等といった当社グループを取り巻く経済状況の変化は、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、最先端の製品分野の積極的な獲得を図るとともに、他の製品分野よりも相対的に需要が安定している車載分野に注力し、また、売上高の減少が見込まれる場合でも利益が確保出来るように、業務の効率化、費用削減に継続して取り組んでおります。
② 資金について
当社グループの事業は設備投資に多額の資金が必要であり、現状の事業見通しにおいても新たなビジネスの獲得に伴う設備投資が予定されています。また、設備投資以外に負債の返済やM&Aに関わる資金需要が発生する可能性もあります。これらの資金需要に関して、経済環境の急激な変動等により予定していた資金の確保ができない場合や資金調達コストが増加する場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。現時点では、必要な金額の確保は可能であり、当該リスクが顕在化する可能性は低いと認識しておりますが、今後も一定水準の資金の維持を図りつつ、設備投資の判断を慎重に行ってまいります。
③ 技術革新の影響について
当社グループの属する半導体業界は、技術革新の速度が非常に速く、製品の高機能化、低価格化が急激に進行するという特徴があります。このため、新たな技術開発がなされた場合、当社グループの保有する設備、技術が陳腐化する可能性があり、その場合、保有設備の処分や新規投資による費用が発生するなど、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、技術動向の把握と、設備の最適な機種及び台数の見極めに努めてまいります。
④ 自然災害等について
当社グループの事業拠点は、主に神奈川県横浜市港北区、熊本県葦北郡芦北町、福島県会津若松市及び台湾新竹縣湖口郷に立地しており、当地及びその周辺で地震、台風等の自然災害、事故、感染症の流行、又はその他当社グループがコントロールできない事象が発生した場合、操業の停止等様々な損害を受け、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループはBCM(事業継続マネジメント)活動に取り組んで損害の影響軽減に努めており、さらに損害保険にも加入しております。しかしながら、考えうる全ての損失について保険に加入しているわけではなく、当社グループの受ける損失の全てが保険により補填される保証はありません。なお、各事業拠点において、近年発生した地震、台風等の自然災害によって受けた被害は、一時的及び限定的なものです。
⑤ 新型コロナウイルス感染症について
当社グループでは、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による受託量の減少など業績に一定の悪影響がありましたが、当連結会計年度末現在においては、その影響からは回復基調にあります。しかしながら、今後の当該感染症の状況によっては、当社グループの業績に更なる悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、売上高の確保に最善を尽くすとともに、引き続き業務の効率化やコスト削減に取り組み、売上減少が見込まれる場合でも利益を確保できるよう努めてまいります。また、十分な流動性資金の確保等、事業が継続できる体制の整備に努めます。従業員に対しては、マスク着用、アルコール消毒の実施、国内出張の抑制及び海外出張の禁止などを指示するほか、在宅勤務や時差出勤の活用など、感染防止のための施策を継続いたします。
(2) 主に事業運営に由来するリスク
① 特定顧客への依存について
当社グループが業務を受託している大手顧客のいずれかが、当社グループへのテスト業務の委託等を大きく減少させた場合、又は何らかの理由により顧客の事業環境に大きな変化が生じた場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、相対的に安定性が高く、かつ、参入障壁の高い製品分野に取り組むことや、単なるテスト受託に留まらない高度な技術的サポートを提供することで、一度当社グループに委託された製品の他社流出の可能性低減に努めてまいります。
② 減価償却費及び固定資産の減損について
当社グループは、半導体のテスト受託を主な事業としており、この事業は受託量の増加や受託対象製品の増加に際して、使用する半導体検査装置等の投資が先行し、数年にわたって回収していく構造となっております。このため当社グループは、当該装置を中心に多くの固定資産を保有しており、固定的な費用である減価償却費が費用に占める割合が高くなっております。顧客からの需要が低迷した場合は、売上高に連動して費用を下げることが困難であることから、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、固定資産の連結貸借対照表計上額は、会計基準に則り、必要に応じて、対象資産の将来キャッシュ・フローを見積り、回収可能性を評価しております。稼働率の低下などの何らかの要因で、将来キャッシュ・フローの見込みや割引率に用いる加重平均資本コストが変動し、十分なキャッシュ・フロー又はその現在価値が確保できない見込みとなった場合には、減損損失の認識が必要となり、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、投資判断を慎重に行うとともに、保有設備に対しては、継続的に稼働状況の確認と、保有要否の検討をいたします。すなわち、顧客からの需要減少が継続し、稼働率が著しく低下した場合には、その稼働を上げるための他顧客の獲得に努め、それでもなお、稼働の改善が見込まれない設備につきましては、早期に売却等の処分を行い、投資の回収と保有コストの削減を図ります。
③ 人材の確保について
当社グループの円滑な事業運営には、各分野の優秀な人材確保が必要不可欠となっております。しかしながら、人材確保の難易度は年々増していることから、新たな人材の獲得ができない又は優秀な人材が流出してしまう場合、当社グループの事業展開及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、優秀な人材の採用を計画的に行いながら、教育制度の充実やモチベーションを向上させる施策を実施し、多様な人材が働きやすい職場環境を作ることで、人材の定着を図ってまいります。
④ 特定サプライヤーへの依存について
当社グループは、事業に使用する設備、治工具等について、多数の取引先から調達しております。しかしながら、設備、治工具等の中には特定の供給元からしか入手できないものも含まれているため、需給が逼迫した場合の供給能力不足や供給元の事故等により、これらを適切なタイミングで調達できない可能性があります。また、調達できる場合でも調達価格が大幅に上昇するなど、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、供給元と緊密な関係を構築するとともに、BCPの観点から、供給元が複数の拠点で生産できる体制を整えているか等を確認し、設備、治工具等の安定的な確保に努めてまいります。
⑤ 顧客資産管理について
当社グループは顧客の製品である半導体ウエハを預かって業務を行っており、また顧客の資産であるプローブカードや検査装置等を借用する場合があります。これらの製品並びにプローブカード及び検査装置等は高価であり、その扱いには細心の注意を払っておりますが、事故等でこれらを破損した場合、その損害を負担する可能性があります。当社グループは、保険を付すことによりこのような事態に対して備えておりますが、全ての補償を可能にするものではなく、事故等の発生により当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、顧客の資産を破損した場合、顧客の信用を失い、業務の受託が極端に減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、作業手順のマニュアル化、システム化を行うことで事故等の発生防止に努めております。また、万が一、顧客資産の破損が発生した場合には、早急に原因究明及び分析を行い、作業手順の見直し、従業員への教育、品質会議での情報共有等を行うことで、再発防止と、顧客の信頼回復に努めてまいります。
⑥ 情報管理について
当社グループは顧客からの業務受託にあたり、テストプログラムなど顧客の重要情報を取り扱っております。当社は、安定したサービスを提供し続けられる情報システムの構築と運用に努め、情報管理を徹底しておりますが、不正アクセスによる情報漏洩やシステム障害等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、社内規程の整備や従業員の教育等を行い、リスクの最小化に努めております。また、全ての補償を可能にするものではありませんが、サイバー攻撃等により生じる損害に対する保険を付すことにより、このような事態に備えております。
⑦ 品質について
当社グループは顧客からの業務受託にあたり、要求された品質を満たすべく注力しております。しかしながら、顧客の要求する品質を満たせない状況が発生した場合、顧客の信用を失い、業務の受託が極端に減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、作業手順のマニュアル化、システム化を行うことで作業ミス等の発生防止に努めております。また、作業ミス等が発生した場合には、早急に原因究明及び分析を行い、作業手順の見直し、従業員への教育、全社会議での情報共有等を行うことで、再発防止に努めてまいります。
(3) その他
① 親会社グループとの関係について
当社の親会社はPowertech Technology Inc.(以下「PTI」といいます。)であり、PTIはグループ全体で当社株式の60.66%の議決権を保有しております。また、2020年12月31日時点において、同社グループの役職員3名が、当社の取締役を兼任しております。現状において、当社グループはPTIグループ内において競合となりうる状況は発生しておらず、当社顧客への営業その他の事業活動において当社グループがPTIグループに依存する関係はありません。しかしながら、PTIグループによる当社株式の株主権行使が、当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。
② 知的財産について
当社グループが特許等の知的財産権を取得しようとする場合に、適時に特許等の登録を受けられるとは限りませんし、あるいは第三者が保有する知的財産権について、実施許諾を適時に受けられ、かつ継続できるとは限りません。また、当社グループが第三者から知的財産権の侵害や、実施許諾等に関する違反を主張される可能性があり、その場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点で認識しておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の状況
当連結会計年度において、当社グループの売上高は、前年同期と比較して増加し、18,339百万円(前年同期比8.5%増)となりました。これは、当連結会計年度において、主要国間の貿易摩擦の影響や、特に車載向けLogic製品に対する新型コロナウイルス感染症の影響による受託量の減少があった一方で、一昨年後半から始まった主要顧客の車載向けLogic製品の生産調整によって減少した受託量が前期第2四半期を底に回復に転じていたことや、新たなファイナルテストの受託を獲得したこと、また、新型コロナウイルス感染症による受託量の減少から回復し始めたこと、Powertech Technology Inc.からのウエハテスト事業の譲受などの寄与があったことによるものです。
また、売上高の増加に加え、当期上半期に行った先行投資による減価償却費の増加などの費用増はあったものの、その後の設備投資についての市場環境に対応した適正化や、その他費用の抑制に努めたことなどから、営業利益は429百万円(前年同期は110百万円の損失)、経常利益は161百万円(前年同期は393百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は238百万円(前年同期は243百万円の損失)となり、それぞれ損失であった前年同期から改善し、黒字回復いたしました。
なお、当連結会計年度において、不要設備売却による固定資産売却益を特別利益として1,062百万円、株式会社テラプローブ会津の事業終了決定に伴う減損損失及び事業構造改善費用を特別損失として380百万円計上しております。
当社グループの当連結会計年度の売上高の製品別内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は54,740百万円となり、前連結会計年度末比2,187百万円の減少となりました。このうち、流動資産については156百万円の減少、固定資産については2,030百万円の減少となっております。当社グループの当連結会計年度における設備投資額は、6,912百万円(前年同期比1,582百万円の増加)、減価償却費は、8,805百万円(前年同期比997百万円の増加)となっております。
(負債)
負債は23,704百万円となり、前連結会計年度末比2,973百万円の減少となりました。これらは、債務の弁済が主要因となっております。当連結会計年度において、短期借入金が1,456百万円、長期借入金が994百万円、リース債務が211百万円それぞれ減少しております。
なお、当連結会計年度において、事業構造改善引当金を124百万円計上しております。これは、2021年12月末に事業終了を予定している、株式会社テラプローブ会津において発生が見込まれる割増退職金等に係るものです。
(純資産)
純資産は31,036百万円となり、前連結会計年度末比786百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が238百万円、また非支配株主持分が447百万円それぞれ増加したことによるものです。
① 生産実績
当社グループの生産品はその大部分が入庫後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載はしておりません。下記③販売実績をご参照ください。
② 受注実績
当社グループの取引形態においては、当月の受注のほとんどが、同月中に出荷完了しているため、受注実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、受注状況の記載はしておりません。下記③販売実績をご参照ください。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントの名称を半導体テスト事業として記載しております。
(注) 1.半導体テスト事業の販売実績について、当期第2四半期連結累計期間においては、一昨年後半から始まった主要顧客の車載向けLogic製品の生産調整による受託量の減少が回復に転じていたことや、新たに獲得したファイナルテスト受託の寄与があったことなどから、前年同期と比較して、著しい増加がありましたが、その後、新型コロナウイルス感染症や主要国間の貿易摩擦の影響を受け需要が減少したことなどから、当連結会計年度においては、前年同期と比較して、著しい変動はありませんでした。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
なお、当該割合が100分の10未満の場合は記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は10,007百万円となり、前連結会計年度末比1,378百万円の増加となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ3,824百万円増加し、9,696百万円の純収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上739百万円、減価償却費の計上8,805百万円、株式会社テラプローブ会津の事業終了決定等に伴う減損損失の計上265百万円等により資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ566百万円減少し、5,364百万円の純支出となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入3,633百万円に加え、不要設備売却の推進による有形固定資産の売却による収入903百万円により資金が増加した一方、定期預金の預入による支出が2,523百万円、TeraPower Technology Inc.等での有形固定資産の取得による支出7,407百万円により資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ187百万円増加し、2,979百万円の純支出となりました。これは主に、既存借入金の借り換え及び返済として、借入金による収入が長短合わせて8,379百万円あったことにより資金が増加した一方、借入金の返済による支出が長短合わせて10,968百万円あったことにより資金が減少したことによるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)2017年6月29日開催の第12期定時株主総会決議により、決算期を3月31日から12月31日に変更しました。従って、2017年12月期は2017年4月1日から2017年12月31日の9ヶ月間となっております。
(注6)2017年12月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2017年3月期の連結財務諸表について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映しております。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、半導体のテスト受託を主な事業としており、この事業は受託量の増加や受託対象製品の増加に際して、使用する検査装置等の投資が先行し、数年にわたって回収していく構造となっております。従って、所要資金の調達については、長期借入金やファイナンス・リース等の長期安定的な調達方法を取ることに留意しております。この結果、キャッシュ・フローに関し、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては減価償却費が、投資活動によるキャッシュ・フローについては新規設備投資による支出が、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては長期借入金等の長期有利子負債の増減が、それぞれ主な構成要素及び変動要因となっております。
手許流動性、すなわち、現金及び現金同等物の水準については、業績の変動に対応するため、連結売上高の3ヶ月分以上の確保が望ましいと考えております。当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物の残高は10,007百万円であり、当連結会計年度売上高の約6.5ヶ月分を確保しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を検討し、評価性引当額を設定することにより減額しております。評価性引当額の必要性を検討するに当たり、将来の課税所得を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の検討は毎期行っており、計上されている繰延税金資産の金額と回収見込み金額との差額は、法人税等調整額に計上され、親会社株主に帰属する当期純利益を増減させることになります。
② 固定資産の減損
当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、当連結会計年度において帳簿価額の回収が困難と見込まれる固定資産につき減損処理を行なっております。なお、前述以外の固定資産については、将来の収益計画に基づき減損処理の必要性を判断していますが、将来の収益獲得が見込めなくなった場合には、減損損失が発生する可能性があります。
③ 退職給付債務
当社の従業員退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件を変更した場合、その影響額は数理計算上の差異として認識し、退職給付に係る制度を変更した場合、その影響額は過去勤務費用として認識します。これら数理計算上の差異及び過去勤務費用のうち、当期に費用処理されない部分については、税効果を考慮の上その他の包括利益として認識し、退職給付に係る負債に含めて計上しております。よって、前提条件と実際の差異が生じたり、制度変更を行った場合、その他の包括利益、繰延税金資産及び退職給付に係る負債に影響を及ぼします。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高営業利益率と自己資本利益率(ROE)が重要であると認識しておりますが、過去数年の当社事業における変化を踏まえ、まずは、継続的に安定した収益を確保しうる事業基盤の構築が先決であると考えております。
当連結会計年度においては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 ① 経営成績の状況」に記載のとおり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益で黒字を確保することができました。今後も継続して黒字を確保し、さらなる利益の拡大に努めてまいります。
なお、当連結会計年度における売上高営業利益率は2.3%、ROEは1.0%となりました。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの売上高は、半導体のテスト受託を中心としており、顧客の生産動向により経営成績が影響を受ける可能性があります。詳しくは「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(注)1. 当契約の内容は、2018年5月1日をもって、マイクロン ジャパン㈱に対して、マイクロンメモリ ジャパン㈱(現社名マイクロンメモリ ジャパン合同会社)を顧客とする一部事業を譲渡することについて定めたものであります。また、当契約において譲渡した設備につき、一定の条件の場合において当社が優先的に買い戻すことができる権利を定めております。
2. 当契約の内容は、2020年10月1日をもって、当社の子会社であるTeraPower Technology Inc.が、当社の親会社であるPowertech Technology Inc.のウエハテスト事業を譲り受けることについて定めたものであります。
該当事項はありません。
なお、当社グループにおける研究開発活動は、テスト受託業務に関連した事項が中心であり、事業活動に密接に関わる内容であるため、これらの研究開発に係る費用は売上原価として処理しております。