第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1)会社経営の基本方針

当社グループは、「常に、チャレンジ精神と誇りをもってビジネスに取り組み、技術を磨き、生産の効率化を進め、世界中のお客様が心から満足し信頼できるパートナーとして、新たな価値創造に貢献する」ことを経営理念として掲げ、半導体のテストサービスをお客様に提供しております。

今後のテクノロジーの進化に半導体の存在は不可欠であり、世界的な市場が拡大する一方で、日本の半導体産業は、過去に隆盛を誇った時代からは相対的に競争力を失っている分野もあります。

このような情勢において、当社グループは、最新の技術を積極的に学び、新たなテクノロジーを当社のテストソリューションに取り入れ、当社グループの付加価値を向上させ、日本及び台湾において、お客様である世界中の半導体メーカーに対し、半導体テストに関する様々なソリューションを提供することで、お客様の事業に継続的に貢献するとともに、従業員一人一人がその活動の中で成長できる会社を目指すべきと考えており、2021年に、ビジョンとして、「テクノロジーの進化とともに、日本、台湾から世界中へテストソリューションを届け、お客様と従業員が成長し続ける会社を目指す」ことを新たに設定いたしました。

この経営理念とビジョンの下、当社グループは、ルーツである日本の大手半導体メーカーが築いた技術を基に、2005年の創業以来培ってきた半導体テスト技術・ノウハウや関連するハードウエア・ソフトウエアの開発力をさらに進化・発展させ、今後も世界中のビジネス獲得に努めてまいります。

また、単に顧客の半導体製品のテストを受託するだけでなく、その上流工程であるテスト設計の開発など、顧客の製品企画・開発段階からソリューションを幅広く提供していくことで、単なるテスト受託会社にとどまらないパートナーとして、顧客の半導体製品の製造に不可欠な存在になることを目指しています。また、当社グループは、行動規範である「Code of Conduct」にサステナビリティ、人的資本、知的財産に関する基本方針を定めており、当社のテスト工程で使用する設備の運用効率の向上を通して、稼働に伴い排出される温室効果ガスの設備1台当たりの量を削減するなど、SDGsへの取り組みを行っております。

また、当社は、経営上、従業員の成長と、ワーク・ライフ・バランスが当社の成長につながるものと捉え、人材の維持・育成を重視しており、人材の成長度に連動した人事評価制度を採用しております。その中でも、当社事業及び知的財産の根幹となる技術者の育成は最重要の課題であることから、今後さらにこれらに対する投資を拡充してまいります。また、ワーク・ライフ・バランスにつきましても、その取り組みについて、熊本県より「ブライト企業」に、横浜市より「よこはまグッドバランス賞」に認定されており、引き続き、従業員がその能力を生き生きと発揮できる環境づくりに取り組んでまいります。

当社グループは、創業以来培ってきたテスト技術で、身の回りのあらゆるものに組み込まれている半導体に確かな信頼を与えることで、安全で快適な社会の実現に貢献してまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、高い収益性の確保と企業価値の向上を目指しており、その指標として売上高営業利益率と自己資本利益率(ROE)が重要であると認識し、継続的に安定した収益を確保しうる事業基盤の構築に注力してまいりました。車載分野への取り組みや継続的なコスト削減活動などにより、事業基盤の構築に一定の成果を出すことができたことから、今後については、経営効率をより多角的に把握するため、上記の2指標に加えて、投下資本利益率(ROIC)にも留意していくべきものと考えております。各経営指標の具体的な数値目標については、さらに十分な事業基盤等の条件が整った段階で、お示ししたいと考えております。

 

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題等

2021年12月期の経営環境につきましては、主要国間の貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症が長期化する一方、世界的な半導体関連需要の拡大という、当社グループにとって追い風となる状況となりました。また、中長期的には、半導体製品は、IoT(Internet of things)製品、AI(人工知能)や自動運転、5Gなどの分野を支えるキーデバイスとして、今後も市場の成長が期待されております。

成長が期待されるこの市場における競争は激しく、市場の変化も速いことから、それらに応じたスピード感のある事業運営が求められています。半導体テストにおいては、半導体製品の種類によって最適な検査装置が異なり、かつ、半導体製品の進歩に合わせた能力の高度化が求められます。当社グループのテスト受託事業は、当社グループが設備投資を行って各種検査装置を揃え、これを数年に渡って様々な顧客からの受託量に応じて課金し、回収していくビジネスモデルが中心となっております。この事業形態においては、複数の顧客から様々な製品のテストを受託し、設備を最大限活用することで平均稼働率を高く維持することが重要となります。また、長期に渡って安定した稼働を維持するため、高度な工場管理能力も必要となります。

当社グループは顧客の様々なニーズに迅速且つ柔軟に対応することにより、顧客満足を高め、より強力な取引関係を構築することで安定的・継続的に事業を運営し、企業価値の向上を実現するため、以下の①から④を特に優先的に対処すべき課題として取り組みを進めております。

 

① 安定的な収益構造の構築・強化

当社グループでは、今後も、EVの普及に代表される自動車の電動化に伴い、数量の増加が見込まれ、かつ高品質・高信頼性が要求される車載分野のテスト受託の拡大に注力するとともに、AI、5G及びセンサなどの先端製品に対して、当社の実績・経験を活かしうる成長分野を開拓してまいります。具体的には、車載向けテストの売上高比率を日本国内50%、連結子会社 TeraPower Technology Inc.の拠点である台湾において40%、を目標としております。

また、当社グループは、ウエハテストを中心としてビジネスを拡大してまいりましたが、地政学的リスクやBCPなどを考慮したサプライチェーン見直しの動きが見られる中で、ファイナルテストを次のビジネス機会と捉え、当社がこれまで蓄積したソフト(ノウハウ・知見)、ハード(設備・装置)両方の資産の活用に加え、PTIグループとの連携により、当該分野の受託拡大を図ります。

これらの取り組みにより、安定的な収益構造の構築・強化を目指してまいります。

 

② 顧客との長期的な関係の強化

単に顧客の半導体製品のテストを受託するだけでなく、テスト技術の開発や最適な検査装置・仕様の提案などを行うことや、関係会社等との連携による後工程受託まで含めたターンキーサービスを提供することで、顧客製品の価値向上に貢献し、顧客にとって信頼でき、ともに成長できるパートナーとして長期的な関係を強化してまいります。

 

③ テスト技術の開発と人材育成

半導体製品の小型化・高密度化・高機能化による設計や製造の高度化・短期化に伴い、テストの重要性は高まり、より高度な技術が求められています。最先端のテスト技術の開発を進めるとともに、技術優位性を確保するためにテストエンジニアの育成に努めてまいります。

 

④ 生産性の向上

変化の激しい半導体市場において安定した収益を確保するため、当社グループ全体の設備及び人員配置を随時、柔軟に最適化するとともに、AIなど最新の技術を活用することで、オペレーションの効率化を図り、生産性の向上を進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、各リスクが顕在化する可能性の程度及びその影響額につきましては、合理的な想定は困難ですが、当社グループは、これらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努めており、その対応策は以下に記載のとおりです。

なお、以下に記載した事項は、当社グループのすべてのリスクを網羅するものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 主に外部環境に由来するリスク

① 経済状況・市場環境について

当社グループが業務を受託する半導体製品は、スマートフォンなどのモバイル機器を中心に、PC、デジタル家電、車載用途など幅広い分野で使用されております。これらの最終製品の市場動向、顧客の生産動向、同業他社との競争、貿易摩擦、為替相場の変動等といった当社グループを取り巻く経済状況の変化は、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、最先端の製品分野の積極的な獲得を図るとともに、他の製品分野よりも相対的に需要が安定している車載分野に注力し、ウエハテストだけでなくファイナルテストについても、今まで以上に取り込むことにより、さらに安定した受託を目指し、また、売上高の減少が見込まれる場合でも利益が確保出来るように、業務の効率化、費用削減に継続して取り組んでおります。

 

② 資金について

当社グループの事業は設備投資に多額の資金が必要であり、現状の事業見通しにおいても新たなビジネスの獲得に伴う設備投資が予定されています。また、設備投資以外に負債の返済やM&Aに関わる資金需要が発生する可能性もあります。これらの資金需要に関して、経済環境の急激な変動等により予定していた資金の確保ができない場合や資金調達コストが増加する場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。現時点では、必要な金額の確保は可能であり、当該リスクが顕在化する可能性は低いと認識しておりますが、今後も一定水準の資金の維持を図りつつ、設備投資の判断を慎重に行ってまいります。

 

③ 技術革新の影響について

当社グループの属する半導体業界は、技術革新の速度が非常に速く、製品の高機能化、低価格化が急激に進行するという特徴があります。このため、新たな技術開発がなされた場合、当社グループの保有する設備、技術が陳腐化する可能性があり、その場合、保有設備の処分や新規投資による費用が発生するなど、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、技術動向の把握と、設備の最適な機種及び台数の見極めに努めてまいります。

 

④ 自然災害等について

当社グループの事業拠点は、主に神奈川県横浜市港北区、熊本県葦北郡芦北町、福島県会津若松市及び台湾新竹縣湖口郷に立地しており、当地及びその周辺で地震、台風等の自然災害、事故、感染症の流行、又はその他当社グループがコントロールできない事象が発生した場合、操業の停止等様々な損害を受け、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループはBCM(事業継続マネジメント)活動に取り組んで損害の影響軽減に努めており、さらに損害保険にも加入しております。しかしながら、考えうる全ての損失について保険に加入しているわけではなく、当社グループの受ける損失の全てが保険により補填される保証はありません。なお、各事業拠点において、近年発生した地震、台風等の自然災害によって受けた被害は、一時的及び限定的なものです。

 

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症について

当社グループでは、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による業績への悪影響は限定的であり、当該感染症に端を発する半導体不足を背景とした需要の増加によって、受託量が増える状況にありました。しかしながら、新たな変異株の発生など、今後の感染拡大の状況によっては、当社グループの業績に一定の悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、売上高の確保に最善を尽くすとともに、引き続き業務の効率化やコスト削減に取り組み、売上減少が見込まれる場合でも利益を確保できるよう努めてまいります。また、十分な流動性資金の確保等、事業が継続できる体制の整備に努めます。従業員に対しては、マスク着用、アルコール消毒の実施、国内出張の抑制及び海外出張の禁止などを指示するほか、在宅勤務や時差出勤の活用など、感染防止のための施策を継続いたします。

 

 (2) 主に事業運営に由来するリスク

① 特定顧客への依存について

当社グループが業務を受託している大手顧客のいずれかが、当社グループへのテスト業務の委託等を大きく減少させた場合、又は何らかの理由により顧客の事業環境に大きな変化が生じた場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、相対的に安定性が高く、かつ、参入障壁の高い製品分野に取り組むことや、単なるテスト受託に留まらない高度な技術的サポートを提供することで、一度当社グループに委託された製品の他社流出の可能性低減に努めてまいります。

 

② 減価償却費及び固定資産の減損について

当社グループは、半導体のテスト受託を主な事業としており、この事業は受託量の増加や受託対象製品の増加に際して、使用する半導体検査装置等の投資が先行し、数年にわたって回収していく構造となっております。このため当社グループは、当該装置を中心に多くの固定資産を保有しており、固定的な費用である減価償却費が費用に占める割合が高くなっております。顧客からの需要が低迷した場合は、売上高に連動して費用を下げることが困難であることから、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、固定資産の連結貸借対照表計上額は、会計基準に則り、必要に応じて、対象資産の将来キャッシュ・フローを見積り、回収可能性を評価しております。稼働率の低下などの何らかの要因で、将来キャッシュ・フローの見込みや割引率に用いる加重平均資本コストが変動し、十分なキャッシュ・フロー又はその現在価値が確保できない見込みとなった場合には、減損損失の認識が必要となり、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、投資判断を慎重に行うとともに、保有設備に対しては、継続的に稼働状況の確認と、保有要否の検討をいたします。すなわち、顧客からの需要減少が継続し、稼働率が著しく低下した場合には、その稼働を上げるための他顧客の獲得に努め、それでもなお、稼働の改善が見込まれない設備につきましては、早期に売却等の処分を行い、投資の回収と保有コストの削減を図ります。

 

③ 人材の確保について

当社グループの円滑な事業運営には、各分野の優秀な人材確保が必要不可欠となっております。しかしながら、人材確保の難易度は年々増していることから、新たな人材の獲得ができない又は優秀な人材が流出してしまう場合、当社グループの事業展開及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の日本拠点が立地する熊本県において他社の半導体工場の新規の建設・稼働が見込まれていることから、人材確保の難易度が著しく増加し、また人材の確保・維持に要する費用が増大する可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、国籍や性別などにとらわれることなく、優秀な人材の採用を計画的に行いながら、教育制度の充実やモチベーションを向上させる施策を実施し、各種休暇取得制度の運用や在宅勤務可能な環境の整備など、多様な人材が働きやすい職場環境を作ることで、人材の定着を図ってまいります。

 

 

④ 特定サプライヤーへの依存について

当社グループは、事業に使用する設備、治工具等について、多数の取引先から調達しております。しかしながら、設備、治工具等の中には特定の供給元からしか入手できないものも含まれているため、需給が逼迫した場合の供給能力不足や供給元の事故等により、これらを適切なタイミングで調達できない可能性があります。また、調達できる場合でも調達価格が大幅に上昇するなど、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、供給元と緊密な関係を構築するとともに、BCPの観点から、供給元が複数の拠点で生産できる体制を整えているか等を確認し、設備、治工具等の安定的な確保に努めてまいります。

 

⑤ 顧客資産管理について

当社グループは顧客の製品である半導体ウエハを預かって業務を行っており、また顧客の資産であるプローブカードや検査装置等を借用する場合があります。これらの製品並びにプローブカード及び検査装置等は高価であり、その扱いには細心の注意を払っておりますが、事故等でこれらを破損した場合、その損害を負担する可能性があります。当社グループは、保険を付すことによりこのような事態に対して備えておりますが、全ての補償を可能にするものではなく、事故等の発生により当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、顧客の資産を破損した場合、顧客の信用を失い、業務の受託が極端に減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、作業手順のマニュアル化、システム化を行うことで事故等の発生防止に努めております。また、万が一、顧客資産の破損が発生した場合には、早急に原因究明及び分析を行い、作業手順の見直し、従業員への教育、品質会議での情報共有等を行うことで、再発防止と、顧客の信頼回復に努めてまいります。

 

⑥ 情報管理について

当社グループは顧客からの業務受託にあたり、テストプログラムなど顧客の重要情報を取り扱っております。当社は、安定したサービスを提供し続けられる情報システムの構築と運用に努め、情報管理を徹底しておりますが、不正アクセスによる情報漏洩やシステム障害等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、社内規程の整備や従業員の教育等を行い、リスクの最小化に努めております。また、全ての補償を可能にするものではありませんが、サイバー攻撃等により生じる損害に対する保険を付すことにより、このような事態に備えております。

 

⑦ 品質について

当社グループは顧客からの業務受託にあたり、要求された品質を満たすべく注力しております。しかしながら、顧客の要求する品質を満たせない状況が発生した場合、顧客の信用を失い、業務の受託が極端に減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、作業手順のマニュアル化、システム化を行うことで作業ミス等の発生防止に努めております。また、作業ミス等が発生した場合には、早急に原因究明及び分析を行い、作業手順の見直し、従業員への教育、全社会議での情報共有等を行うことで、再発防止に努めてまいります。

 

 (3) その他

① 親会社グループとの関係について

当社の親会社はPowertech Technology Inc.(以下「PTI」といいます。)であり、PTIはグループ全体で当社株式の60.66%の議決権を保有しております。また、2021年12月31日時点において、同社グループの役職員3名が、当社の取締役を兼任しております。現状において、当社グループはPTIグループ内において競合となりうる状況は発生しておらず、当社顧客への営業その他の事業活動において当社グループがPTIグループに依存する関係はありません。しかしながら、PTIグループによる当社株式の株主権行使が、当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。

 

② 知的財産について

当社グループが特許等の知的財産権を取得しようとする場合に、適時に特許等の登録を受けられるとは限りませんし、あるいは第三者が保有する知的財産権について、実施許諾を適時に受けられ、かつ継続できるとは限りません。また、当社グループが第三者から知的財産権の侵害や、実施許諾等に関する違反を主張される可能性があり、その場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点で認識しておりません。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績の状況

当連結会計年度において、当社グループの売上高は、前年同期と比較して増加し、25,942百万円(前年同期比41.5%増)となりました。これは、主要国間の貿易摩擦の影響と思われる受託量の減少などがあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて減少していた車載向けロジック製品の受託量が回復し、好調を維持したこと、通信機器向けやディスプレイコントローラ等のロジック製品の受託量が増加したこと、これらの受託量の増加に伴う新規設備投資分が寄与したことなどによるものです。また、新型コロナウイルス感染症を契機とするPC等の電子機器の需要増によるものと見られるメモリ製品の受託量増加が、特に当連結会計年度前半にあったことや、2020年12月期第4四半期に当社親会社であるPowertech Technology Inc.からウエハテスト事業を譲り受けたことも、売上高の増加に寄与しました。

売上高の増加に伴い、利益も前年同期と比較して増加し、営業利益は4,161百万円(前年同期比870.1%増)、経常利益は4,086百万円(前年同期は161百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,793百万円(前年同期比651.7%増)となりました。

なお、当連結会計年度において、熊本県からの地方自治体助成金や固定資産売却益などによる特別利益412百万円、事業構造改善費用などによる特別損失102百万円、法人税等1,174百万円、過年度法人税等戻入額55百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1,484百万円を計上しております。

 

当社グループの当連結会計年度の売上高の製品別内訳は、以下のとおりです。

 (単位:百万円)

 

メモリ製品

ロジック製品

合計

当連結会計年度

5,344

20,597

25,942

(参考)前連結会計年度

3,847

14,492

18,339

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は62,961百万円となり、前連結会計年度末比8,220百万円の増加となりました。これは主に、売掛金が3,013百万円、未収入金が1,289百万円、有形形固定資産が3,239百万円それぞれ増加したことによるものです。

 負債は26,401百万円となり、前連結会計年度末比2,696百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が776百万円、賞与引当金が642百万円増加したことによるものです。

 純資産は36,560百万円となり、前連結会計年度末比5,523百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,793百万円、また非支配株主持分が2,584百万円それぞれ増加したことによるものです。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当社グループの生産品はその大部分が入庫後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載はしておりません。下記③販売実績をご参照ください。

 

② 受注実績

当社グループの取引形態においては、当月の受注のほとんどが、同月中に出荷完了しているため、受注実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、受注状況の記載はしておりません。下記③販売実績をご参照ください。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントの名称を半導体テスト事業として記載しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

半導体テスト事業

25,942,398

41.5

 

(注) 1.当連結会計年度において、前年同期と比較して、半導体テスト事業の販売実績が著しく増加しております。これは、主要国間の貿易摩擦の影響と思われる受託量の減少などがあったものの、車載向けや通信機器向け、ディスプレイコントローラ等のロジック製品の受託量が増加したこと、これらの受託量の増加に伴う新規設備投資分が寄与したことや、新型コロナウイルス感染症を契機とするPC等の電子機器の需要増によるものと見られるメモリ製品の受託量増加が、特に当連結会計年度前半にあったこと、2020年12月期第4四半期に当社親会社であるPowertech Technology Inc.からウエハテスト事業を譲り受けたこと、などによるものです。

 

2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

  なお、当該割合が100分の10未満の場合は記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ルネサス エレクトロニクス株式会社

5,037,460

27.5

7,747,430

29.9

Novatek Microelectronics Corporation

2,330,845

12.7

3,248,451

12.5

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況に関する分析

① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は10,124百万円となり、前連結会計年度末比117百万円の増加となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1,728百万円増加し、11,424百万円の純収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上4,397百万円、減価償却費の計上10,013百万円、株式会社テラプローブ会津の事業終了決定等に伴う減損損失の計上5百万円等により資金が増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ4,287百万円減少し、9,652百万円の純支出となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入2,300百万円に加え、不要設備売却の推進による有形固定資産の売却による収入199百万円により資金が増加した一方、定期預金の預入による支出が2,300百万円、TeraPower Technology Inc.等での有形固定資産の取得による支出9,834百万円により資金が減少したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ971百万円増加し、2,007百万円の純支出となりました。これは主に、既存借入金の借り換え及び返済として、借入金による収入が長短合わせて7,845百万円あったことにより資金が増加した一方、借入金の返済による支出が長短合わせて9,671百万円あったことにより資金が減少したことによるものです。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2017年
12月期

2018年
12月期

2019年

12月期

2020年

12月期

2021年

12月期

自己資本比率(%)

41.5

37.0

40.2

42.5

41.6

時価ベースの自己資本比率(%)

21.1

9.9

14.6

11.9

29.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.66

2.86

3.77

2.00

1.71

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

54.9

38.5

23.3

44.4

63.3

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

(注5)2017年6月29日開催の第12期定時株主総会決議により、決算期を3月31日から12月31日に変更しました。従って、2017年12月期は2017年4月1日から2017年12月31日の9ヶ月間となっております。

(注6)2017年12月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2017年3月期の連結財務諸表について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映しております。

 

 

② 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、半導体のテスト受託を主な事業としており、この事業は受託量の増加や受託対象製品の増加に際して、使用する検査装置等の投資が先行し、数年にわたって回収していく構造となっております。従って、所要資金の調達については、長期借入金やファイナンス・リース等の長期安定的な調達方法を取ることに留意しております。この結果、キャッシュ・フローに関し、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては減価償却費が、投資活動によるキャッシュ・フローについては新規設備投資による支出が、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては長期借入金等の長期有利子負債の増減が、それぞれ主な構成要素及び変動要因となっております。

手許流動性、すなわち、現金及び現金同等物の水準については、業績の変動に対応するため、連結売上高の3ヶ月分以上の確保が望ましいと考えております。当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物の残高は10,124百万円であり、当連結会計年度売上高の約4.7ヶ月分を確保しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、従来、売上高営業利益率と自己資本利益率(ROE)が重要であると認識してまいりましたが、当社の事業基盤構築に一定の成果を出すことができたことから、今後については、上記の2指標に加えて、投下資本利益率(ROIC)にも留意していくべきものと考えております。

当連結会計年度においては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 ① 経営成績の状況」に記載のとおり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益で黒字を確保することができました。今後も継続して黒字を確保し、さらなる利益の拡大に努めてまいります。

なお、当連結会計年度における売上高営業利益率は16.0%、ROEは7.3%となりました。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの売上高は、半導体のテスト受託を中心としており、顧客の生産動向により経営成績が影響を受ける可能性があります。詳しくは「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) 吸収合併契約

当社の連結子会社である株式会社テラプローブ会津は、事業開始当初から、主として車載向けロジック製品のウエハテスト受託を行ってまいりましたが、顧客の生産体制の変化による受託量の減少に加え、新型コロナウイルス感染症や米中貿易摩擦による影響もあり、新規顧客の獲得が容易でない状況であること、また、既存顧客からの受託量も今後更に大きく減少する見込みであり、更なる経営の効率化や追加投資による改善余地が限定的であることなどを踏まえ、当社は、2021年11月12日開催の取締役会において、株式会社テラプローブ会津を合併することを決議いたしました。また、同日に両者は合併契約を締結いたしました。

合併契約の概要は次のとおりです。

 

① 合併の方法 

当社を存続会社とし、株式会社テラプローブ会津は解散します。

 

② 合併に際して発行する株式及び割当

該当事項はありません。

 

③ 合併比率の算定根拠

該当事項はありません。

 

④ 合併の期日

2022年7月1日

 

⑤ 引継資産・負債の状況(2021年12月31日現在)

資産合計      840百万円

負債合計    1,293百万円

 

⑥ 吸収合併存続会社となる会社の概要

資本金    11,823百万円

事業の内容  半導体製造工程におけるテスト受託

 

(2) その他の契約

契約会社名

契約締結先

内容

契約締結日

㈱テラプローブ

Micron Technology, Inc.

マイクロンジャパン㈱

ASSET PURCHASE AGREEMENT (注)

2017年4月14日

 

(注) 当契約の内容は、2018年5月1日をもって、マイクロンジャパン㈱に対して、マイクロンメモリ ジャパン㈱を顧客とする一部事業を譲渡することについて定めたものであります。また、当契約において譲渡した設備につき、一定の条件の場合において当社が優先的に買い戻すことができる権利を定めております。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。

なお、当社グループにおける研究開発活動は、テスト受託業務に関連した事項が中心であり、事業活動に密接に関わる内容であるため、これらの研究開発に係る費用は売上原価として処理しております。