第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
 2025年3月より新たな事業としてグローバルテック・グロース投資事業を開始しておりますが、2025年6月末時点では、当該事業は当社グループ全体に占める事業規模は小さく、当社グループ全体に重要な影響を及ぼす事業上のリスクは認識しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。本書において、当社グループが運用するファンド名は以下の総称にて記載しております。

ファンドの総称

対象ファンド

投資期間のステータス(注)1

(2025年6月末時点)

2号ファンドシリーズ

インテグラル2号投資事業有限責任組合

Integral Fund II (A) L.P.

投資期間終了

3号ファンドシリーズ

インテグラル3号投資事業有限責任組合

Innovation Alpha L.P.

投資期間終了

4号ファンドシリーズ

インテグラル4号投資事業有限責任組合

Innovation Alpha IV L.P.

Initiative Delta IV L.P.

投資期間終了

5号ファンドシリーズ

インテグラル5号投資事業有限責任組合

Innovation Alpha V L.P.

Initiative Delta V L.P.

Infinity Gamma V L.P.

投資期間中

(注)1.投資期間とは、各ファンドシリーズの組合契約にて新規投資実行が許容される期間であり、ファンドの運用開始から約5年間となります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当中間連結会計期間における当社グループの主な事業活動は、以下の通りです。

 

主たる事業であるプライベートエクイティ(以下「PE」といいます。)投資事業における投資活動としては、4号ファンドシリーズによる株式会社ヤマネホールディングスへの資本参画を行いました。また、2025年1月より5号ファンドシリーズの投資期間が開始致しましたが、5号ファンドシリーズでは旭化成メディカル株式会社への投資実行及び株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインへのMBOを目的とした公開買付けを行いました。

Exit活動としては、3号ファンドシリーズの投資先であるプリモグローバルホールディングス株式会社が東京証券取引所スタンダード市場へ上場したことに伴い、3号ファンドシリーズが保有する株式の一部について売出しを行いました。

 

不動産投資事業では、インテグラル・リアルエステート・ファンド1号において、2025年3月までに、主要政令指定都市(東京、名古屋、仙台など)所在の賃貸住宅8物件、東京都所在のオフィスビル、福岡県所在のホテルの取得を行い、2025年5月までに東京都及び福岡県所在の賃貸住宅3物件の取得を行いました。

 

また2025年3月より、新たな事業としてグローバルテック・グロース投資事業を開始しており、今後は日本・アジア・米国等のグロース企業への投資及び経営支援を行っていく予定です。当該事業においては、アジア地域でグロース投資事業を展開しているGranite Asia Capital Pte. Ltd.と共同でGranite Integral Capital Pte. Ltd.を設立し、日本を含むアジア地域におけるグロース投資及び同ファンドGranite Integral Investments運営事業を開始いたしました。さらに、米国においてソフトウエア・AI関連スタートアップ企業への投資を行うTouring Capital LLCとのアライアンスも開始いたしました。今後は、グローバルテック・グロース領域での投資活動も積極的に行ってまいります。

 

 

当中間連結会計期間における当社グループの収益及び費用は、以下の通りです。

 

収益における公正価値変動の内容は次の通りです。

PE投資事業における上場会社の投資先は、各投資先の株価の変動により、全体として公正価値が増加しております。非上場会社である投資先は、総じて財務内容の改善が進んだ一方で、足元の業績が調整局面にある投資先もあり、全体として公正価値は減少致しました。

不動産投資事業においては、取得した投資アセットの公正価値評価を開始したことで、公正価値が増加しております。

結果として、PE投資事業における投資先及び不動産投資事業における投資アセットの全体の公正価値変動は前年同期比で減少いたしました。

 

受取管理報酬については、2025年1月より5号ファンドシリーズの投資期間が開始したことにより、前年同期比で増加いたしました。

キャリードインタレストについては、3号ファンドシリーズが保有するプリモグローバルホールディングス株式会社の株式を同社の上場時に売出しを行ったこと及び当該対価の分配を行うことにより、キャリードインタレストが実現しており、当社グループが3号ファンドシリーズより受領予定である金額を収益として計上しております。

 

営業費用は、当社グループの従業員数増加に伴う人件費の増加やオフィス増床による費用の増加があったものの、前年同期には一時費用である5号ファンドシリーズのファンドレイズ活動に係る支払手数料が発生していたため、対前年同期比で減少いたしました。

 

税金費用に関しては、「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月以後開始する連結会計年度より「防衛特別法人税」の課税が行われることになったことを踏まえて、同連結会計年度以降に解消が見込まれる将来の一時差異等に係る繰延税金負債は新たな法定実効税率に変更して計算を行っており、当中間連結会計期間における税金費用には、税率変更に伴って追加的に発生した法人税等調整額の増加が含まれております。

 

以上の結果、当中間連結会計期間の収益は4,955百万円(前年同期比48.8%減)、営業利益は2,890百万円(前年同期比57.7%減)、税引前中間利益は2,893百万円(前年同期比57.5%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益は1,701百万円(前年同期比64.1%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

当中間連結会計期間末における資産、負債及び資本の状況は次のとおりであります。

 

(資産)

資産合計は、前連結会計年度末比3,484百万円減の75,565百万円となりました。流動資産については、主に現金及び現金同等物が2,145百万円減少したこと及び営業債権及びその他の債権が8,650百万円減少したことにより前連結会計年度末比9,198百万円減の23,871百万円となりました。非流動資産については、主にポートフォリオへの投資が720百万円増加したこと及び公正価値で評価している子会社への投資が4,905百万円増加したことにより前連結会計年度末比5,714百万円増の51,694百万円となりました。

 

(負債)

負債合計は、前連結会計年度末比4,473百万円減の16,942百万円となりました。流動負債については、主に営業債務及びその他の債務が484百万円減少したこと及び未払法人所得税が4,596百万円減少したことにより前連結会計年度末比4,885百万円減の3,309百万円となりました。非流動負債については、主に借入金が399百万円減少した一方で、繰延税金負債が661百万円増加したことにより前連結会計年度末比411百万円増の13,632百万円となりました。

 

(資本)

資本合計は、前連結会計年度末比989百万円増の58,623百万円となりました。主に利益剰余金の増加959百万円によるものになります。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税引前中間利益2,893百万円を計上し、営業債権及びその他の債権が8,650百万円減少した一方で、ポートフォリオへの投資の増加720百万円、公正価値で評価する子会社への投資の増加4,905百万円、法人所得税の支払6,663百万円等により、456百万円のキャッシュ・アウトフロー(前年同期は2,809百万円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出83百万円により、83百万円のキャッシュ・アウトフロー(前年同期は0百万円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは1,605百万円のキャッシュ・アウトフロー(前年同期は1,684百万円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。主に借入金の返済による支出831百万円及び配当金の支払737百万円によるものであります。

 

これらの結果、現金及び現金同等物は2,145百万円減少し、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は19,992百万円(前連結会計年度末22,137百万円)となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありませんが、2025年3月より新たな事業であるグローバルテック・グロース投資事業を開始しており、成長戦略の一つに位置付けているマルチアセット化の更なる推進を図っております。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約として、以下の契約を締結しております。

不動産投資事業では、当社と当社の子会社であるインテグラル・リアルエステート株式会社が運用するインテグラル・リアルエステート1号投資事業有限責任組合との間で、同ファンドへの出資に関する投資事業有限責任組合契約を締結しております。

グローバルテック・グロース投資事業では、インテグラル・グローバルテック・パートナーズ株式会社がアジアにおける有力なグロース投資会社の一つであるGranite Asiaとの間で、両社のジョイントベンチャー会社であるGranite Integral Capital Pte. Ltd.の設立及び同社の事業運営に関する株主間契約を締結しております。