第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における国内経済は、個人消費は持ち直しの状況にあり、雇用情勢についても改善が見られるなど、緩やかな回復基調で推移したものの、中国をはじめアジア新興国経済の下振れリスクや米国新政権の政策動向など、海外情勢の不安材料により、先行きについては不透明な状況が続いております。

当社グループは、中期経営計画「Innovation Plan 2016 “Growing”」を「事業収益力の強化」を実現する3ヵ年計画として平成26年度よりスタートさせ、当連結会計年度はその最終年度でありました。当社グループは、エネルギーや情報通信などのサービスを個人から法人のお客様まで幅広く提供しておりますが、新規参入や規制緩和等により、いずれのサービスも顧客獲得競争は年々激しさを増しております。そのような中、「取引の複数化」「お客様との強固な関係づくり」を目的とするTLC(Total Life Concierge[トータルライフコンシェルジュ]の略、以下同じ)構想の推進・実現をテーマに掲げ、ガス・ISP・CATV・アクアなどのサービスに、当連結会計年度より新たに電力を加え、単独からセット販売(セット割引・契約数によるポイント付与)まで、お客様のニーズに合ったサービスの提供に積極的に取り組んでまいりました。

当連結会計年度における業績については、売上高はガスの販売価格の引下げ等により178,631百万円(前連結会計年度比1.3%減)となりましたが、利益面では当期の重点方針であった光コラボ、アクア事業の収益改善が順調に進んだことなどにより、営業利益は12,750百万円(同54.6%増)、経常利益は12,775百万円(同56.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,337百万円(同112.1%増)といずれの利益項目も過去最高益を更新いたしました。

また、当連結会計年度末における継続取引顧客件数は2,564千件(同6千件増)、TLC会員サービスの会員数は、586千件(同94千件増)となりました。

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 

(ガス及び石油)

液化石油ガス事業につきましては、当連結会計年度は新たに岐阜県に進出を果たすなど、1都11県で顧客獲得活動に積極的に取り組み、その結果、需要家件数は前連結会計年度から8千件増加し、588千件となりました。一方、液化石油ガスの販売数量については前年並みとなりましたが、前連結会計年度に実施した仕入価格低下による販売価格の引下げにより、売上高は前連結会計年度を下回りました。

都市ガス事業につきましても、需要家件数は前年並みの54千件となりましたが、原料費調整制度による販売単価の低下などにより、売上高は前連結会計年度を下回りました。

これらにより、当セグメントの売上高は73,344百万円(同9.2%減)となりましたが、営業利益は6,942百万円(同0.4%減)と前連結会計年度並みとなりました。

 

(建築及び不動産)

建築及び不動産事業につきましては、住宅販売やリフォーム事業などの受注が減少したことで、当セグメントの売上高は19,511百万円(同7.0%減)、建物管理サポートなどが好調に推移したものの営業利益は461百万円(同31.7%減)となりました。

 

(CATV)

CATV事業につきましては、引き続き放送及び通信のセット販売による割引施策に加え、大手携帯キャリアとの連携によるスマートフォンとのセット割引により、新規顧客の獲得を推し進めました。

加えて、コミュニティチャンネルによる地域の情報発信の充実や解約予防策としてカスタマーサポートの強化を行うなど、顧客満足度の向上に努めた結果、放送サービスの顧客件数は前連結会計年度末から9千件増加し、508千件となりました。また通信サービスの顧客件数は前連結会計年度末から15千件増加し、225千件となりました。

当セグメントの売上高は、顧客件数の増加により25,396百万円(同3.2%増)、営業利益は2,331百万円(同100.7%増)となりました。

 

(情報及び通信サービス)

ブロードバンド事業につきましては、新規顧客の獲得、及び既存顧客の光コラボサービス「@T COMヒカリ」「TNCヒカリ」への転用を積極的に推進した結果、光コラボの顧客件数は前連結会計年度末から79千件増加し、299千件となりました。大手携帯キャリアを始めとした新規参入者の競合が激しい中、FTTH全体の顧客件数は720千件、ADSLを含むブロードバンド全体の件数は794千件と前連結会計年度末から39千件減少しました。

当セグメントの売上高は、光コラボの顧客増等により49,508百万円(同11.9%増)、営業利益についても3,065百万円(同269.5%増)と大幅な増益となりました。

 

(アクア)

アクア事業につきましては、当社ブランド「おいしい水の贈りもの うるのん」について、国内各地の大型商業施設などで顧客獲得活動に積極的に取り組み、その結果、アクアの顧客件数は前連結会計年度末から2千件増加し、135千件となりました。

これらにより、当セグメントの売上高は5,762百万円(同5.0%増)となり、加えて顧客獲得費用、広告宣伝費の抑制を図ったこと等により、営業利益は101百万円(前連結会計年度は1,275百万円の損失)と、黒字に転換しました。

 

(その他)

介護事業につきましては、利用者数の増加により、前連結会計年度と比べ売上高は増加しました。

造船事業につきましては、船舶の修繕工事量が増加したことにより、前連結会計年度と比べ売上高は増加しました。

婚礼催事事業につきましては、婚礼挙式組数、催事の利用が前連結会計年度並みに推移し、売上高も同様に前連結会計年度並みとなりました。

これらにより、当セグメントの売上高は5,108百万円(同4.8%増)と増加し、営業利益は112百万円(前連結会計年度は197百万円の損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末から933百万円減少し3,111百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、26,692百万円の資金の増加(前連結会計年度比+5,296百万円)となりました。これは税金等調整前当期純利益及び非資金項目である減価償却費等の要因により資金が増加したことによるものであります。

また、前連結会計年度に比べて営業活動によるキャッシュ・フローが大幅に増加しておりますが、これは税金等調整前当期純利益の増加等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、10,985百万円の資金の減少(前連結会計年度比+30百万円)となりました。これは有形及び無形固定資産の取得等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、16,643百万円の資金の減少(前連結会計年度比△7,492百万円)となりました。これは有利子負債の削減に努めたこと等によるものであります。

また、前連結会計年度に比べ財務活動によるキャッシュ・フローが大幅に減少しておりますが、これは、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入がないこと、及び有利子負債の削減を積極的に進めたこと等によるものであります。

 

2【仕入、受注及び販売の状況】

(1)仕入実績

当連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)の仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

ガス及び石油

29,386

78.3

建築及び不動産

7,091

88.0

CATV

情報及び通信サービス

3,230

87.6

アクア

379

82.3

その他

895

93.0

合計

40,983

80.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注実績

当連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前連結会計
年度比(%)

受注残高

(百万円)

前連結会計
年度比(%)

ガス及び石油

建築及び不動産

7,793

97.3

2,708

128.5

CATV

情報及び通信サービス

10,851

105.6

1,262

142.3

アクア

その他

930

86.0

18

19.6

合計

19,575

101.1

3,988

129.2

(注)当社グループは一部を除き受注生産を行っておりません。「建築及び不動産」は住宅等の請負工事、「情報及び通信サービス」はソフトウェア開発、「その他」は船舶修繕の受注高を記載しております。

(3)販売実績

当連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

ガス及び石油

73,344

90.8

建築及び不動産

19,511

93.0

CATV

25,396

103.2

情報及び通信サービス

49,508

111.9

アクア

5,762

105.0

その他

5,108

104.8

合計

178,631

98.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) グループの基本理念「TOKAI-WAY」

当社は、平成23年4月、「企業理念」、「ミッション」、「ビジョン」、「バリュー」の4層から成る「TOKAI-WAY」を理念体系として策定し、当社グループ全体で共有することで、新たなスタートを踏み出しました。

社会環境や顧客ニーズが急速に変化する中で、当社グループが一体となって運営し、「256万件の顧客力」、「総合力」、「機動力」を十分に活かし、グループ全体で持続的成長を図ってまいります。

 

① 企業理念(当社グループの信条)

「お客様の暮らしのために。地域とともに、地球とともに、成長・発展し続けます。」

私たちは暮らしを総合的に支える企業体として、創業以来培ってきた自らの力と可能性を原動力に、地域そして地球とのつながりを深めながら、お客様の幸せへの貢献を続けていきます。

 

② ミッション(当社グループが社会・顧客・株主に対して果たすべき使命)

「変革し、挑戦し、実現する。」

私たちは、お客様のお役に立つ強い信念のもと、自己変革に絶えず挑戦して暮らしのニーズを先取りし、「安心・安全」「便利・快適」「喜び・生きがい」のご提供を実現します。

 

③ ビジョン(当社グループが目指すべき長期事業目標)

「全国展開から世界への持続的な歩みを通してお客様の求める商品サービスをワンストップで提供するTLC(トータルライフコンシェルジュ)へ。」

グローバル化する社会環境の中でグループの総合力をさらに強化し、生活密着・地域密着の多彩なサービスを次々とお届けして、21世紀の日本を代表するトータルライフコンシェルジュを目指します。

 

④ バリュー(当社グループの社員が行動する上で大切にするべき共通価値観)

「ずっと、あなたとともに笑顔と感動を。」

・みんなをつなぐコミュニケーションで。

身近なパートナーとして、大切にするのはコミュニケーション。チームの力を活かして、皆様に新たな感動を生みだします。

・安心・安全・充実をあなたのそばに。

安心・安全を第一に、常に感謝の心と、最善のサービスをお届けします。

・心にいつもプロの熱意と誇りを持って。

いつまでも選ばれ続けるプロフェッショナルであるために、日々自己を磨き、自由な発想で仕事を面白くしていきます。

・地域と共に未来につなぐ成長を。

子供からお年寄りまで安心して暮らせる地域環境、自然環境づくりや地域活性化に貢献します。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社グループは、平成23年4月にホールディングス体制に移行し、主に財務体質改善を最優先課題として経営を進めてまいりました。当連結会計年度は中期経営計画「Innovation Plan 2016 “Growing”」の最終年度にあたり、本計画期間では収益力の回復、また継続的に財務体質の改善に取り組んでまいりました。その結果財務面では、経営統合前に1,240億円あった有利子負債残高を541億円まで削減し、自己資本比率についても利益の蓄積、自己株式の処分などにより経営統合前の7.7%を34.5%まで向上させる等成果を収めることができました。さらに収益面においても、光コラボレーションサービス(以下「光コラボ」という。)の顧客件数が順調に増加するとともに、アクア事業において黒字化を達成したこと等により、平成29年3月期の営業利益は12,750百万円となり、過去最高益を達成しました。一方で、当社グループの収益基盤である顧客件数は、各事業における競争が激化し、当連結会計年度末で256万件と微増に留まりました。当社グループは今後一層収益力の強化を図るべく、リテール各事業における競争力の強化、顧客基盤の維持・拡大を図ってまいります。

また、エネルギー分野においては、電力及び都市ガスの小売全面自由化により、エネルギー関連事業者を中心として電力・都市ガスへの新規参入、またセット販売による顧客獲得競争の激化が予想されます。当社グループは東京電力(現:東京電力エナジーパートナー㈱)との業務提携契約により、平成28年4月より電力をラインナップに加えました。LPガス・都市ガスをはじめ、情報通信、CATV、といった当社グループの生活インフラサービスを複合的に提供することで、他社との差別化を図り、新規顧客の獲得、既存顧客の解約防止を積極的に推進してまいります。

今後も当社グループは、顧客の生活を支えるインフラサービスをワンストップ・ワンコントラクトで提供するTLC構想に基づき、事業環境の変化に柔軟に対応し、新事業・サービスの創出に取り組むとともに、お客様との接点を強化し、あらゆる生活インフラサービスを総合的に提供することを目指してまいります。

当社グループのガス事業を取り巻く環境は、人口の減少や消費者のライフスタイルの変化、さらにはエネルギー事業者間での競合、原油価格の変動等により、販売競争・価格競争がさらに激化することが想定されております。

液化石油ガス事業につきましては、地域社会の生活を支えるとともに、緊急時にも貢献できる分散型エネルギーとして、社会的に重要性が再認識されております。当社グループは配送業務や検針等の客先業務の効率化を進め、効率化・コスト低減による価格競争力の強化を図るとともに、エリアの拡大及びM&Aによる新規顧客の獲得を進めることで、顧客基盤の維持・拡大を図ってまいります。

また、都市ガス事業につきましては、平成29年4月より小売が全面自由化され、事業環境が大きく変化することが想定されております。これに対し、当社グループは地域密着の都市ガス事業者として、一層の保安体制の充実や、地域・顧客に根差した付加サービス・商品の提供に取り組むとともに、新たな事業拡大を目指し、事業基盤の確立と継続的な成長を実現してまいります。

CATV事業につきましては大手通信事業者が提供する放送・通信・電話サービスと依然競合しており、厳しい状況にあります。これに対し、本業である放送サービス顧客の獲得を進めるとともに、通信サービスとのセット商品の提供を推進してまいります。また、独自のサービスであるコミュニティチャンネルについては、視聴者参加型番組、また地域イベント、スポーツの生中継など、より地域に密着した活動と情報発信に努めることで、本コンテンツを活用した営業活動を推進してまいります。今後も地域に根差したサービスを開発・展開していくことで、CATVの価値を訴求し、収益の維持・拡大を図ってまいります。

情報通信事業につきましては、技術革新のスピードが速く、同時にお客様ニーズへの迅速な対応が要求されており、激しい競争下に置かれています。情報通信システム分野では、クラウドコンピューティングの進展に合わせ、グループの光ファイバーネットワーク網とデータセンター、システム開発を三位一体で提供するソリューションサービスを展開するなど、ストックビジネスの拡充により一層の成長を図るとともに、発展著しいビックデータ・IoT分野のサービス・ソリューションの創出と展開に取り組んでまいります。ブロードバンド分野につきましては、国内ブロードバンド市場におけるFTTHの伸びが鈍化することが予測される中、平成27年2月よりNTTより光回線サービスの卸提供を受け、光回線によるインターネット接続サービスをワンストップ提供する光コラボのサービス提供を開始し、新規獲得・既存ISP顧客のサービス変更(転用)によるARPUの上昇に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度末における光コラボの顧客件数は299千件となり、収益拡大の大きな原動力となりましたが、一方では光コラボにおける事業者間の顧客獲得競争は激化しております。今後も光コラボ顧客の新規獲得・転用を積極的に推進することで、事業基盤の強化を進めてまいります。モバイル分野につきましては、平成29年2月より格安SIMサービス「LIBMO」を開始致しました。今後も成長が期待される格安SIM市場において、競争力のある価格設定による独自サービスを展開し、収益拡大を図ってまいります。また、光コラボ等の固定回線とのセット販売に取り組むことで、両サービスのさらなる拡販・顧客の解約防止に取り組んでまいります。

アクア事業につきましては東日本大震災以降、安心・安全でおいしい水を求める消費者のニーズが高まる一方で、宅配水における事業者間の顧客獲得競争は激化しております。当社グループは自然豊かな富士山麓で汲み上げたミネラル豊富な天然水を、リターナブル方式によるブランド「おいしい水の宅配便」にて静岡県で展開し、ワンウェイ方式によるブランド「うるのん」を全国展開しております。また、「アクア富士山プラント」等自社工場では、製造設備改修による品質向上と管理体制の強化を図り、引き続き安心・安全で高品質な飲料水を提供してまいります。中国上海市に進出している拓開(上海)商貿有限公司では、「富士思源」を販売ブランドとして、中国上海市にて宅配水サービスを展開しております。世界遺産に登録された富士山の水というブランド力を武器に、新たに開発したインテリア性を備えた自社製ウォーターサーバーと定期メンテナンスサービスを組み合わせて安心・安全を訴求し、大手百貨店での対面販売、またWeb・SNSを活用した顧客獲得を図ってまいります。

平成23年4月に施設運営を開始した介護事業は順調に推移しておりますが、今後日本の社会の高齢化がますます進んでいく中で、デイサービスを中心に、介護付有料老人ホーム等、運営施設の拡大を図ってまいります。さらに当社グループが培った情報通信技術を活用し、介護利用者とご家族を繋ぐサービス等を展開することで、利用者の利便性にも配慮した介護サービスの展開を進めてまいります。

各種の生活インフラサービスを提供する当社グループにとって、顧客との継続取引を維持するとともに、複数取引を推進し、取引を拡大することが今後の成長に不可欠であると考え、平成24年12月より、グループ横断の会員サービス「TLC会員サービス」を提供しております。本制度は当社グループのサービスの利用数・利用額等に応じて、当社の独自のポイントである「TLCポイント」を付与し、複数取引等多くご利用いただくお客様に、より多く還元する制度です。

本制度の会員数は順調に増加し、平成29年3月末時点で586千件になりました。当社グループのお客様への還元制度として、またグループ横断でのお客様との接点として定着しつつあります。今後もポイント還元メニューの拡大・強化、会員組織を活かしたイベントやサービス提供・優遇等によるメリット提供を推進し、各事業において本制度を活用した新規顧客の獲得と解約防止を図り、収益基盤を強化してまいります。

また、当社グループとお客様との接点をより総合的に活用していくために、各事業・サービスにおける取り組みに加え、グループ全体で対面・コールセンター・Webといったあらゆるチャネルの強化を図ってまいります。日々収集される顧客情報を集積して分析し、お客様のニーズ・ライフスタイルに最適なサービスの提案・提供が可能な体制を構築してまいります。

ホールディングス体制のもと、以上のような取り組みにより、グループの大切な顧客基盤である256万件のお客様に、グループが有する多彩な商品・サービス、さらには新たな商品・サービスを提供し続けることで「TLC構想」の実現を目指してまいります。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)  有利子負債依存度について

当社グループの連結総資産に対する借入金及び社債等の有利子負債の割合は以下のとおりとなっております。

 

連結純資産等の推移

項目

第1期

(平成24年3月期)

 

第4期

(平成27年3月期)

第5期

(平成28年3月期)

第6期

(平成29年3月期)

金額

(百万円)

構成比

(%)

 

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

期末有利子負債残高

105,659

57.5

 

73,114

44.1

71,410

44.5

54,137

33.6

純資産額

26,275

14.3

 

42,544

25.7

41,063

25.6

55,654

34.5

総資産額

183,735

100.0

 

165,702

100.0

160,303

100.0

161,112

100.0

(注)1.上記表中の期末有利子負債残高は、連結会計年度末現在の短期借入金、社債(1年以内に償還予定分を含む)、長期借入金(1年以内に返済予定分を含む)及びセールアンド割賦バック取引の合計額であります。

2.構成比は総資産額に対する比率を記載しております。

3.純資産額より非支配株主持分及び新株予約権は除いております。

 

当社グループは、ガス及び石油事業、建築及び不動産事業、CATV事業、情報及び通信サービス事業、アクア事業等において経営基盤の強化・拡充を図っております。一方で、中期経営計画に基づくキャッシュ・フロー経営によって有利子負債の削減、自己資本比率の向上に努めてまいりましたが、今後、M&A等による投資拡大を進める中で、有利子負債が増加し、金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)  事業提携やM&Aについて

当社グループは、既存サービス等との相乗効果が期待できる場合や、新サービスを導入することにより将来的な事業展開につながる可能性があると判断した場合には、事業提携やM&A等について積極的に検討を進めていく方針です。しかしながら、提携先の事業や譲受事業等が計画どおりに進展せず、期待した成果が上がらない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)  投資資金の回収について

当社グループの事業の中核を形成するガス及び石油事業、CATV事業、情報及び通信サービス事業は、事業拡大のために多額の設備投資を行っております。また、新たな技術の開発・導入やこれに伴う新しいサービスを提供し、事業を拡大していくためには、既存の投資計画の変更・見直しを余儀なくされることがあります。投資効果を検証し、投資計画の見直しを適宜行っておりますが、景気動向・市場動向等、情勢に大きな変化が生じた等の理由により、当初想定していた投資収益が期待できなくなる可能性があります。その場合には、投下した投資資金の回収が遅れる可能性があります。個別の投資案件に係る収支状況については担当事業部等が常に把握し、必要に応じて事業計画の見直しを行うなど、投資資金の回収可能性について厳格に管理を行っておりますが、経済情勢の急激な変化、突然の需要減退等の環境変化に対応できず、所期の投資成果が期待できない可能性が高くなった場合には、固定資産の減損処理が必要になるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)  与信管理について

当社グループは、債権管理規程等の社内ルールを策定し、取引先の与信管理・債権管理に係る体制整備・強化に努めておりますが、取引先の経営状況が悪化し、売掛金・貸付金等の回収が遅延したり、貸し倒れ等が発生すること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)  個人情報の管理について

当社グループは、個人情報取扱事業者として、「個人情報保護ポリシー」を定め、ホームページ等で開示しております。当社グループでは、個人情報保護法等の法令及び社内規程に基づき顧客情報の取り扱いに細心の注意を払っておりますが、万一、大規模な顧客情報の流出等が生じた場合には、風評による社会的信用の失墜や損害賠償金の支払等によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)  情報システムの障害発生について

当社グループでは、情報及び通信サービス事業を中心に、自社の情報処理システムやデータセンター・自社回線等によるサービスを提供しております。システム障害の防止には細心の注意を払っておりますが、機器不良及び人為的なミス、大規模な自然災害等により情報システムの停止、誤作動等の障害が発生する可能性があり、これらの事故によって、当社グループにおけるサービス提供の継続が困難となった場合には、風評による社会的信用の失墜や損害賠償金の支払等によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)  法的規制について

当社グループの事業は多岐に亘っており、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律、ガス事業法、宅地建物取引業法、建設業法、放送法、電気通信事業法、青少年ネット規制法等、関係する法令や監督官庁も様々です。また、訪問販売等の事業に適用される特定商取引法や景品表示法、下請会社を使う事業に共通な下請法の規制を受けております。さらに一般消費者に直結した事業が多いため、昨今の消費者保護行政の強化を受け、適用される法令や行政指導も増加する傾向にあります。また、将来において、現在予測し得ない法的規制等が設けられる可能性があり、これらに適切に対応できなかった場合には、行政当局等からの指導・摘発等を受けることとなり、風評による社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8)  トラブル・クレームの発生並びに訴訟について

当社グループが事業活動を行う過程において、相手方が法人・個人を問わず、トラブル・クレームが発生する可能性があります。かかるトラブル・クレームの発生を未然に防止すべく、従業員教育を徹底し、当社顧客(潜在的顧客も含む)に対しましては丁寧な対応かつ正確な説明を心掛けております。加えて、必要に応じ法務室等の専門管轄部署が中心となり、契約書面の事前チェックや契約先の与信管理等、法務面、信用面からの検討を行っております。また、トラブル・クレーム発生の際は、早期解決に努めるとともに、発生原因を追求し類似事案の再発防止に努めており、これらの活動状況につきましては、経営への重要度に応じ取締役会や監査役会に付議、報告等を行っております。しかし、トラブル・クレーム等が長期化、社会問題化した場合や訴訟が提起された場合は、風評による社会的信用の失墜や損害賠償金等解決にかかるコストの負担等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9)  大規模災害の発生について

当社グループの事業展開エリアは、静岡県及び関東地区が大きな割合を占めておりますが、静岡県は東海地震・南海トラフ地震、関東は首都直下型地震など大規模地震の発生が想定されています。地震等の大規模災害の発生により、当社グループの人員・施設等に大きな被害が発生するだけでなく、事業継続に不可欠な電力の供給不能や、通信回線等の障害が長期化する場合や、道路等の交通インフラの遮断が長期化する場合には、事業の維持・継続に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10) カントリーリスクについて

当社グループは、ガス及び石油事業、アクア事業、情報及び通信サービス事業等において、海外への事業展開及び海外企業との取引を行っております。現地の商習慣や法律・規制等の制約、人件費の高騰、為替レートの変動、テロ等による社会的混乱等により、事業展開及び取引に重大な支障が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 他社との競合について

ガス及び石油事業や情報及び通信サービス事業等における競合事業者には、当社グループより大きな資本力、技術力、販売力等を有している企業が数多く存在しており、近年、益々競合関係が激化する傾向にあります。

また、液化石油ガス、都市ガス、電力等、エネルギー間競争が激化しており、液化石油ガス仕入価格の上昇を販売価格に転嫁することが困難となる可能性があります。

CATV事業においては、大手通信事業者によるIP放送の提供等、従来の事業の枠を越えて競争が激化しております。

これらの同業者、異業種業者との競争が当社グループの想定を上回って激化した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12) ガス仕入価格及び為替の変動について

ガス及び石油事業における主力商品である液化石油ガスの仕入価格は、その大半を中近東からの輸入に依存している関係上、地政学的要因や需給バランス等に起因する市況や為替変動の影響を受けます。この市況や為替変動による影響を最小限に食い止めるべく、一部固定化のためのヘッジ取引を実施する場合があります。これは、原料価格の急激な上昇による販売価格への影響を抑えるために行うものですが、実際の仕入時点における商品価格が、予想に反して大幅に下落した場合には、価格の固定化により損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(13) 不動産市況悪化のリスクについて

当社グループは不動産事業を行っておりますが、不動産価格が大幅に下落した場合には、販売用不動産の評価額の引下げ、自社不動産の減損処理が必要になるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(14) 気候変動の影響について

ガス及び石油事業、アクア事業においては、天候、特に気温・水温の影響を大きく受けます。猛暑・厳冬等の異常気象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(15) CATV事業、情報及び通信サービス事業等における技術陳腐化について

当社グループが行っているCATV事業、情報及び通信サービス事業では、技術革新が目覚ましいスピードで進んでおります。技術革新により当社製品及びサービスの陳腐化や市場の喪失が発生した場合、技術革新に対応できない場合及び新たなサービス提供のための設備投資が十分でない場合には、競争力の低下につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(16) 仕入先、業務委託先、下請先との関係について

当社グループは、ガス及び石油事業、建築及び不動産事業、CATV事業、情報及び通信サービス事業、アクア事業等、多くの事業において商品の仕入を行い、また、業務の一部を他社に委託するもしくは下請に出す等を行っております。これらの仕入・業務委託・下請先において、何らかのトラブル等が発生し、お客様へ安定的な商品・サービスの提供が困難になる事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(17) 特定の取引先・受注先への依存について

当社グループのソフトウェア開発事業は、特定のシステムインテグレータに対する依存度が比較的高い水準にありますが、高度な要請に的確に応えることにより、システム構築・運用ノウハウ等を培い、より強固な関係を築いてまいりました。しかしながら、取引先システムインテグレータの経営状況や事業戦略の変更等があった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループのブロードバンドサービスは、キャリア事業者から回線の提供を受けたうえで、直販もしくは家電量販店等を通じた個人向け販売及び提携関係にあるISP事業者を通した卸売販売がありますが、キャリア事業者、家電量販店等及びISP事業者の事業戦略等に変更があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、モバイル事業として、当社グループはソフトバンク㈱の代理店事業及び㈱NTTドコモより回線を借り受けた格安SIMの販売事業を行っております。同社の事業戦略、代理店施策及び回線の借り受け価格等に重要な変更があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(18) 受注業務における不採算取引の発生について

当社グループの建築及び不動産事業等における、大手メーカー・ゼネコン等からの受注・下請業務においては、何らかのトラブル等が発生し、納期が遅れる、受注先の検収条件を満たせない等の事態により、採算が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループのソフトウェア開発事業等においては、引き合い・見積もり・受注段階から、プロジェクト管理の徹底を図り、効率的なシステム構築・開発を目指しております。しかしながら、納入後の不具合の発生、お客様からの開発方式の変更要求、仕様追加の発生等、工数の追加、開発途上の不測事故等により採算が悪化した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(19) 食品提供における衛生管理・品質管理について

当社グループは、アクア事業において宅配水ボトルの製造販売を、婚礼催事事業部門等において飲食物等の提供を行っておりますが、提供する飲食物等の品質や衛生管理上の問題が生じた場合には、風評による社会的信用の失墜や損害賠償金の支払等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(20) 規制緩和の影響について

電力及び都市ガスのシステム改革による家庭向け小売市場の自由化、また通信業界において、NTT東日本・NTT西日本による光回線卸サービスの提供によって、異業種からの新規参入や大規模事業者の提供エリア・サービス拡大等が進むと考えられます。販売競争や価格競争等が当社グループの想定を上回って激化した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 当連結会計年度の財政状態の分析

① 資産の状況

当連結会計年度末における資産合計は161,112百万円となり、前連結会計年度末と比較して808百万円の増加となりました。これは主として、減価償却等により有形固定資産が1,417百万円減少しましたが、時価の上昇等により投資有価証券が2,196百万円増加したこと等によるものであります。

② 負債の状況

負債合計は104,665百万円となり、前連結会計年度末と比較して13,666百万円の減少となりました。これは主として、転換社債型新株予約権付社債の転換や借入金の返済等により、有利子負債が17,273百万円減少したこと等によるものであります。

③ 純資産の状況

純資産合計は56,446百万円となり、前連結会計年度末と比較して14,475百万円の増加となりました。これは主として、剰余金の配当により2,159百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益7,337百万円を計上したこと及び転換社債型新株予約権付社債の転換により7,200百万円増加したこと等によるものであります。

また、当連結会計年度末における自己株式保有数は12,915,785株となっております。

この結果、当連結会計年度末の1株当たり純資産額は439円04銭(前連結会計年度末362円77銭)となりました。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。

① 売上高

売上高は、178,631百万円(前連結会計年度比1.3%減)となりました。売上高の主な内訳をセグメント別でみると、下記のとおりであります。

ガス及び石油事業におきましては、仕入価格の低下により販売価格を引下げたため、73,344百万円(同9.2%減)となりました。

建築及び不動産事業におきましては、住宅販売やリフォーム事業などの受注が減少したことで、19,511百万円(同7.0%減)となりました。

CATV事業におきましては、顧客件数の増加により、25,396百万円(同3.2%増)となりました。

情報及び通信サービス事業におきましては、光コラボの顧客増等により、49,508百万円(同11.9%増)となりました。

アクア事業におきましては、顧客件数の増加によるボトルの販売本数が増加したことで、5,762百万円(同5.0%増)となりました。

その他の事業におきましては、介護事業における施設利用者の増加や船舶の修繕工事量が増加したこと等により5,108百万円(同4.8%増)となりました。

② 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、ガスの仕入価格の減少等により5,537百万円減少し、105,590百万円(同5.0%減)となりました。販売費及び一般管理費は、光コラボやアクアにおける獲得費用等のコストの抑制を図ったことで1,276百万円減少し60,290百万円(同2.1%減)となりました。以上により、営業利益は4,504百万円増加し、12,750百万円(同54.6%増)となりました。

③ 営業外損益

営業外損益は25百万円の利益(前連結会計年度は95百万円の損失)となりました。なお、支払利息は前連結会計年度から178百万円減少し、531百万円となりました。これらにより、経常利益は12,775百万円(前連結会計年度比56.7%増)となりました。

④ 特別損益

特別損益は、主として固定資産除却損を831百万円計上したこと等により、667百万円の損失(前連結会計年度は1,714百万円の損失)となりました。

 

以上により、税金等調整前当期純利益は12,108百万円(前連結会計年度比88.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の負担(法人税等調整額を含む)、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、7,337百万円(同112.1%増)となりました。1株当たり当期純利益は64円46銭(前連結会計年度は30円01銭)となりました。

(3) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

① 収益の認識

当社グループの売上高は、主力のガスは計量販売についてはガスメーターの検針時に計上(ただし、最終検針時より期末までの分については推計計上)しており、器具等の商品は引渡時点、住宅等の建築工事は工事進行基準を適用しているものを除き検収引渡時点、役務サービスについては役務の提供が完了した時点で計上しております。なお、ガスについては商品の性格上季節的影響を受け易く、特に、推定気温より高めに推移した場合には実質消費量が推計消費量に比べ減少する可能性があります。

② たな卸資産の評価

当社グループは、主として先入先出法により評価し、営業循環過程から外れた場合や正味売却価額が著しく下落した場合には、収益性の低下に伴う簿価切下げを行っております。将来の市況悪化または滞留在庫が増加した場合等には更なる評価損の計上が必要となる可能性があります。なお、主力のガスは実勢価格により評価し、最終検針時より期末までの使用量を推計し、期末時点の在庫を計上しております。

③ 貸倒引当金

当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるために貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

④ 投資有価証券の減損

当社グループは、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合にはすべて減損処理を行い、30~50%程度下落した場合及び時価のない株式については、銘柄別に回復可能性を考慮して、必要と認められた額について減損処理を行っておりますが、将来の市況悪化または投資先の業績不振により更なる減損損失の計上が必要となる可能性があります。

⑤ 固定資産の減損

減損の兆候がある資産グループの内、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回った場合に、その差額を減損損失に計上しますが、回収可能価額は、資産グループの正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、今後、業績の顕著な低下、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合等には減損損失の計上が必要となる可能性があります。

⑥ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を検討しております。回収可能性は、将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高いタックスプランニングをもとに検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、繰延税金資産を計上しない、または取り崩すことが必要となる可能性があります。

⑦ 退職給付に係る資産及び負債

当社グループは、退職給付会計に基づいた退職給付費用及び退職給付に係る資産・退職給付に係る負債を計上しております。前提条件として年金資産に係る長期期待運用収益率、割引率等を計算に用いており、これらが著しく変動した場合は大きく影響を受けることが考えられます。当社グループは日本の優良債券の期末時点の固定利回りを参考に割引率を決定しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されているファンドの予想収益率と過去の実績収益率をもとに決定されます。

当社グループは毎期退職給付債務の計算の基礎となる前提条件を見直しており、割引率の低下等、将来市場環境が悪化した場合、退職給付に係る負債の追加計上が必要となる可能性があります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

なお、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの指標の推移は下記のとおりであります。

 

第2期

(平成25年3月期)

第3期

(平成26年3月期)

第4期

(平成27年3月期)

第5期

(平成28年3月期)

第6期

(平成29年3月期)

フリー・キャッシュ・フロー

(百万円)

15,730

13,141

18,414

10,379

15,706

自己資本比率(%)

18.6

21.6

25.7

25.6

34.5

時価ベースの自己資本比率(%)

21.0

23.2

36.3

41.4

67.4

債務償還年数(年)

3.6

3.7

2.7

3.3

2.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(倍)

17.4

19.1

28.0

29.3

48.9

(注)フリー・キャッシュ・フロー      : 営業活動キャッシュ・フロー+投資活動キャッシュ・フロー

自己資本比率             : 自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率       : 株式時価総額/総資産

債務償還年数             : 有利子負債/営業活動キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業活動キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、社債及び借入金を対象としております。

また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

② 財務政策

当社グループは、各連結子会社の必要資金を当社が一括して調達した上で各社に貸し付ける体制をとり、加えてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金の一元管理を行うことで、調達コストの削減と効率的な資金管理を行っております。

調達の方法は、設備投資資金や長期運転資金は銀行からの長期借入、社債であり、短期的な運転資金は銀行からの短期借入、短期社債(CP)、売掛債権流動化であります。また、安定した資金調達を行うため、取引銀行3行と貸出コミットメント契約を締結しております。

当連結会計年度は当社グループの経営統合第6期であり、平成26年6月に発表した中期経営計画「Innovation Plan 2016“Growing”」の最終年度として、前回の中期計画「Innovation Plan 2013」から継続して掲げた財務体質改善を進め経営の安定性を引き上げるという方針の下、有利子負債の削減に取り組んでまいりました。

その結果、営業活動によるキャッシュ・フローの増加や、平成27年度に発行した転換社債型新株予約権付社債の転換が大きく進んだこと等により、有利子負債残高は前連結会計年度末と比べ173億円減少し541億円となりました。