文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) グループの基本理念「TOKAI-WAY」
当社は、2011年4月、「企業理念」、「ミッション」、「ビジョン」、「バリュー」の4層から成る「TOKAI-WAY」を理念体系として策定し、当社グループ全体で共有することで、新たなスタートを踏み出しました。
社会環境や顧客ニーズが急速に変化する中で、当社グループが一体となって運営し、「顧客力」、「総合力」、「機動力」を十分に活かし、グループ全体で持続的成長を図ってまいります。
① 企業理念(当社グループの信条)
「お客様の暮らしのために。地域とともに、地球とともに、成長・発展し続けます。」
私たちは暮らしを総合的に支える企業体として、創業以来培ってきた自らの力と可能性を原動力に、地域そして地球とのつながりを深めながら、お客様の幸せへの貢献を続けていきます。
② ミッション(当社グループが社会・顧客・株主に対して果たすべき使命)
「変革し、挑戦し、実現する。」
私たちは、お客様のお役に立つ強い信念のもと、自己変革に絶えず挑戦して暮らしのニーズを先取りし、「安心・安全」「便利・快適」「喜び・生きがい」のご提供を実現します。
③ ビジョン(当社グループが目指すべき長期事業目標)
「全国展開から世界への持続的な歩みを通してお客様の求める商品サービスをワンストップで提供するTLC(トータルライフコンシェルジュ)へ。」
グローバル化する社会環境の中でグループの総合力をさらに強化し、生活密着・地域密着の多彩なサービスを次々とお届けして、21世紀の日本を代表するトータルライフコンシェルジュを目指します。
④ バリュー(当社グループの社員が行動する上で大切にするべき共通価値観)
「ずっと、あなたとともに笑顔と感動を。」
・みんなをつなぐコミュニケーションで。
身近なパートナーとして、大切にするのはコミュニケーション。チームの力を活かして、皆様に新たな感動を生みだします。
・安心・安全・充実をあなたのそばに。
安心・安全を第一に、常に感謝の心と、最善のサービスをお届けします。
・心にいつもプロの熱意と誇りを持って。
いつまでも選ばれ続けるプロフェッショナルであるために、日々自己を磨き、自由な発想で仕事を面白くしていきます。
・地域と共に未来につなぐ成長を。
子供からお年寄りまで安心して暮らせる地域環境、自然環境づくりや地域活性化に貢献します。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年3月期は顧客獲得の推進や受注案件の増加などの取り組みが奏功し、計画通りに過去最高益を更新いたしました。2021年3月期は、この最高益をさらに更新し、成長基調を継続することを目標としております。
2021年3月期の連結業績は、主要事業の顧客獲得推進とともに営業エリアの拡大を図り、事業基盤を拡充することにより、売上高2,053億円(前連結会計年度比93億円(4.8%)の増収)、営業利益150億円(同8億円(5.5%)の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益85億円(同2億円(2.7%)の増益)、期末顧客件数311万件(同10万件の純増)を目指します。また、上記以外にM&Aの推進についても引続き積極的に取り組み、さらなる上伸を目指します。
しかしながら、国内外においては新型コロナウイルス感染症拡大により、経済活動から国民生活に至るまで様々な影響が生じております。
このような状況下において当社グループは、一般消費者向けにはお客様の生活に欠かせないインフラサービスを提供しており、消費マインドの冷え込みなどの影響は受け難いと考えますが、今後発生する様々な事象、またそれらに起因する影響について、現時点で合理的に見積もることは困難であると判断しました。一方、法人向けサービスについても、現時点では感染拡大防止の対応を実施する期間等を合理的に見通すことは難しく、クライアント企業の対応等が不明であることから、同じく影響規模を算定することは困難であると判断しました。
以上により、上記の2021年3月期連結業績予想には、新型コロナウイルスの影響は織り込んでおりません。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題
当社グループにおいて認識している対処すべき課題及びそれらの課題に対する取り組みについては、以下に記載する通りであります。
(全社共通)
当社グループのサービスは、大別すると一般消費者向けと法人向けにサービスが分かれており、なかでも一般消費者向けサービスについて、①「お客様に末永くご利用頂く」、②「複数のサービスをご利用頂く」ことが当社グループの成長に向けた最重要課題の位置づけとしております。
①については、現在、国内外においては新型コロナウイルス感染症拡大により、外出自粛など国民生活に様々な負担が生じております。当社グループは、LPガス・都市ガス・アクア・インターネット・放送・介護などライフラインを担う事業者として、お客様に今後も安心かつ継続してご利用いただくよう、従業員に対しては、自身の健康管理やマスクの常用、アルコール消毒の具備など感染防止を徹底するよう注意喚起や事業体制の整備等に努めております。また全社的には、テレビ会議システムの活用による地域間の移動の抑止、会議の少人数化などの感染防止策に取り組んでおり、加えて在宅テレワークが可能な間接部門や事業本部、システム開発部門などの従業員については、極力在宅勤務や時差出勤を実施しております。②については、当社グループにおいては、2012年12月より「TLC会員サービス」制度を開始いたしました。本制度は、当社グループのサービスの利用数・利用額等に応じて、当社の独自のポイント「TLCポイント」を付与する制度であります。多くのサービスをご利用いただくお客様に、より多く還元することで、お客様の満足度向上や同業他社との差別化を図り、お客様の定着化に繋げることを目的としております。会員数については順調に増加し、2020年3月末時点で896千件となり、グループ横断でのお客様との接点として定着してまいりました。
今後も本制度の充実を図るなどして、サービスの長期利用、複数利用に繋がるよう取り組んでまいります。
また、AIやビッグデータなど新しい技術の取り込みについても、当社グループが持続的成長を遂げる上で必要不可欠であります。当社グループにおきましては、「* ABCIR+S(アブサーズ)」の活用により、お客様との接点強化、事業システムの刷新などに着手いたしました。またお客様が日々発信する情報について、アブサーズを活用して積上げ・分析することで、お客様に対して最適な提案から提供を行う仕組み作りも進めております。
今後とも、グループの大切な顧客基盤である3,003千件のお客様の生活をより充実させるよう努めるとともに、当社グループの顧客基盤拡充に繋げてまいります。
* アブサーズ 当社グループの技術革新へ向けた戦略のこと。AI(A)、Big Data(B)、Cloud(C)、IoT(I)、Robotics(R)、Smart Phone(S)、それぞれの頭文字を繋げた造語。
なお、主要事業における対処すべき課題は以下のとおりであります。
① ガス事業(LPガス・都市ガス)
当社グループのガス事業を取り巻く環境は、原油価格の変動や温暖化、人口の減少や消費者の省エネ志向、エネルギー事業者間での競合など、今後も環境的には厳しいことが予見され、これらへの対応が課題と認識しております。
LPガス事業につきましては、アブサーズ活用による業務の自動化、配送業務・検針等の客先業務の効率化等、コストの低減に取り組んでまいります。また、新規エリア展開及びM&A戦略により新規顧客の獲得を進め、顧客基盤の拡充を図り、持続的成長に繋げてまいります。
また、都市ガス事業につきましては、従来からの静岡県志太エリアに留まらず広域展開に着手し、群馬県下仁田町、秋田県にかほ市からガス事業を譲受けました。今後におきましてもM&Aによる拡大施策に積極的に取り組んでまいります。また、既存・新規エリアとも地域密着の事業者として、TLC推進による複数サービスの利用や保安体制の充実により顧客との接点強化、事業基盤の拡充に取り組んでまいります。
② CATV事業
CATV事業につきましては、大手通信事業者との競合が年々激しさを増している状況にあります。このような状況に対し、当社グループは、放送・通信セット加入による割引サービス、大手携帯キャリアとの連携によるスマホセット割引など価格競争力を高めることで、新規獲得及び解約防止に取り組んでおります。またコミュニティチャンネルについては、視聴者参加型番組、地域のイベント・スポーツの生中継など、当社グループならではの独自コンテンツとして番組提供を行い、放送サービスの魅力を訴求しております。それらにより顧客の獲得・定着化に繋げるなど、今後もCATVの価値を高め、顧客基盤の強化、拡充に取り組んでまいります。
③ 情報通信事業
コンシューマー向け事業につきましては、国内ブロードバンド市場は成熟期を迎え、FTTHの伸びが鈍化している状況にあるなか、大手携帯キャリアの参入により競合が激化しております。当社グループにおいては、獲得ルートの見直しや獲得コストの効率的な配分、解約率の低減に努めるなど、顧客基盤の維持・拡大に取り組み、収益基盤の強化に繋げてまいります。
法人向け事業につきましては、技術革新の変化への対応とそれを実現する技術者の確保が課題と認識しております。当社グループにおいては、従来からの自社光ファイバーネットワークとデータセンター、システム開発を三位一体で提供するソリューションサービスに加え、クラウドサービスを取り込むなど、ストックサービスの拡充に取り組んでまいりました。また、発展著しいAI・IoT・ビッグデータを活用したサービスの商品化についても進めております。このような新しい技術に対応するため、技術者の確保・育成については、教育・研修プログラムを充実させるなど、より一層力を入れて取り組んでまいります。
④ アクア事業
アクア事業につきましては、物流業界の待遇改善、ドライバー不足等を背景とした宅配事業者からの配送単価の値上げ要請や製造原価の上昇等、コストの抑制が課題と認識しております。当社グループにおいては、顧客獲得の強化と並行して同業他社とのアライアンス等、コストの抑制に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 自然災害等リスク
① 大規模災害の発生について
当社グループの事業展開エリアは、静岡県及び関東地区が大きな割合を占めておりますが、静岡県は東海地震・南海トラフ地震、関東は首都直下型地震など大規模地震の発生が想定されています。BCP (事業継続計画)を策定し災害時の事業継続に備えておりますが、想定を超えた地震・風水害等の大規模災害の発生により、当社グループの人員・施設等に大きな被害が発生するだけでなく、事業継続に不可欠な電力の供給不能や、通信回線等の障害が長期化する場合や、道路等の交通インフラの遮断が長期化する場合には、事業の維持・継続に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 感染症の発生について
現在、国内外においては新型コロナウイルス感染症拡大により、外出自粛など国民生活に様々な負担が生じております。このような感染症の発生に対し、当社グループはLPガス・都市ガス・アクア・インターネット・放送・介護など多くのライフラインを担っていることから、お客様と従業員の健康と安全を最大限考慮し、事業ごとに対応ルールを設けて感染防止を徹底しております。また感染者が発生した場合の緊急時体制についても、事業ごとに事業継続に向けた仕組みを整備しております。しかし、感染症拡大が長期に、あるいは大規模に亘った場合、お客様への対応に遅延を生ずるなど、安定的なサービスの提供に支障を来し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業リスク
① 気候変動の影響について
ガス及び石油事業、アクア事業においては、当社サービスの需要が、天候、特に気温・水温の影響を受けます。冷夏・暖冬等の異常気象が発生した場合には、想定した需要と変化する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 他社との競合について
ガス及び石油事業や情報及び通信サービス事業等における競合事業者には、当社グループより大きな資本力、技術力、販売力等を有している企業が数多く存在しております。近年では都市ガスや電力の小売市場の自由化、NTT東日本・西日本による光回線卸サービスの提供等もあって、益々競合関係が激化する傾向にあります。
また、LPガス、都市ガス、電力等、エネルギー間競争が激化して当社の収益基盤の拡大が計画通り進捗しなくなるリスクがあります。
対応策として、LPガス事業につきましては、アブサーズ活用による業務の自動化、配送業務・検針等の客先業務の効率化等のコストの低減や、新規エリア拡大及びM&Aによる新規顧客獲得に取り組んでおります。都市ガス事業につきましては、M&Aによる拡大施策や、TLC推進による複数サービスの利用や保安体制の充実により顧客との接点強化、事業基盤の拡充等に取り組んでおります。情報及び通信事業やCATV事業につきましては、獲得コストの効率的配分、放送・通信セット加入による割引サービス、大手携帯キャリアとの連携によるスマホセット割引など価格競争力を高めることで、新規獲得及び解約防止に取り組んでおります。
しかしながら、これらの同業者、異業種業者との競争が当社グループの想定を上回って激化した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ CATV事業、情報及び通信サービス事業等における技術陳腐化について
当社グループが行っているCATV事業、情報及び通信サービス事業では、技術革新が目覚ましいスピードで進んでおります。このような新しい技術に対応するため、技術者の確保・育成については、教育・研修プログラムを充実させるなど、より一層力を入れて取り組んでおりますが、技術革新により当社製品及びサービスの陳腐化や市場の喪失が発生した場合、技術革新に対応できない場合及び新たなサービス提供のための設備投資が十分でない場合には、競争力の低下につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 仕入先、業務委託先、下請先との関係について
当社グループは、ガス及び石油事業、建築及び不動産事業、CATV事業、情報及び通信サービス事業、アクア事業等、多くの事業において商品の仕入を行い、また、業務の一部を他社に委託するもしくは下請に出す等を行っております。これらの仕入・業務委託・下請先において、何らかのトラブル等が発生し、お客様へ安定的な商品・サービスの提供が困難になる事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 特定の取引先・受注先への依存について
当社グループのソフトウェア開発事業は、特定のシステムインテグレータに対する依存度が比較的高い水準にありますが、高度な要請に的確に応えることにより、システム構築・運用ノウハウ等を培い、より強固な関係を築いてまいりました。しかしながら、取引先システムインテグレータの経営状況や事業戦略の変更等があった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのブロードバンドサービスは、キャリア事業者から回線の提供を受けたうえで、主に直販もしくは家電量販店等を通じて個人向けに販売しておりますが、キャリア事業者、家電量販店等の事業戦略等に変更があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、モバイル事業として、当社グループはソフトバンク株式会社の代理店事業及び株式会社NTTドコモより回線を借り受けたMVNO事業を行っております。当該各社の事業戦略、代理店施策及び回線の借り受け価格等に重要な変更があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 受注業務における不採算取引の発生について
当社グループの建築及び不動産事業等における、大手メーカー・ゼネコン等からの受注・下請業務においては、適正な施工管理を行っておりますが、何らかのトラブル等が発生し、納期が遅れる、受注先の検収条件を満たせない等の事態により、採算が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのソフトウェア開発事業等においては、引き合い・見積もり・受注段階から、プロジェクト管理の徹底を図り、効率的なシステム構築・開発を目指しております。しかしながら、納入後の不具合の発生、お客様からの開発方式の変更要求、仕様追加の発生等、工数の追加、開発途上の不測事故等により採算が悪化した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 事業提携やM&Aについて
当社グループは、既存サービス等との相乗効果が期待できる場合や、新サービスを導入することにより将来的な事業展開につながる可能性があると判断した場合には、事業提携やM&A等について積極的に検討を進めていく方針です。そして、個別の投資案件に係る収支状況については担当事業部等が常に把握し、必要に応じて事業計画の見直しを行うなど、投資資金の回収可能性について厳格に管理を行っておりますが、提携先の事業や譲受事業等が計画どおりに進展せず、期待した成果が上がらない場合は、取得株式等の減損損失を計上することも想定され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 投資資金の回収について
当社グループの事業の中核を形成するガス及び石油事業、CATV事業、情報及び通信サービス事業は、事業拡大のために多額の設備投資を行っております。また、新たな技術の開発・導入やこれに伴う新しいサービスを提供し、事業を拡大していくためには、既存の投資計画の変更・見直しを余儀なくされることがあります。投資効果を検証し、投資計画の見直しを適宜行っておりますが、景気動向・市場動向等、情勢に大きな変化が生じた等の理由により、当初想定していた投資収益が期待できなくなる可能性があります。その場合には、投下した投資資金の回収が遅れる可能性があります。個別の投資案件に係る収支状況については担当事業部等が常に把握し、必要に応じて事業計画の見直しを行うなど、投資資金の回収可能性について厳格に管理を行っておりますが、経済情勢の急激な変化、突然の需要減退等の環境変化に対応できず、所期の投資成果が期待できない可能性が高くなった場合には、固定資産の減損処理が必要になるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 海外事業展開に係るリスクについて
当社グループは、ガス及び石油事業、アクア事業、情報及び通信サービス事業等において、海外への事業展開及び海外企業との取引を行っております。自社並びに外部委託先を利用して市場環境、政策動向等の情報収集を行っておりますが、現地の商習慣や法律・規制等の制約、人件費の高騰、為替レートの変動、テロ等による社会的混乱等により、事業展開及び取引に重大な支障が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 債権管理・与信リスク
① 与信管理について
当社グループは、債権管理規程等の社内ルールを策定し、取引先の与信管理・債権管理に係る体制整備・強化に努めておりますが、取引先の経営状況が悪化し、売掛金・貸付金等の回収が遅延したり、貸し倒れ等が発生すること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) マーケットリスク
① ガス仕入価格及び為替の変動について
ガス及び石油事業における主力商品であるLPガスの仕入価格は、その大半を輸入に依存している関係上、地政学的要因や需給バランス等に起因する市況や為替変動の影響を受けます。この市況や為替変動による影響を最小限に食い止めるべく、一部固定化のためのヘッジ取引を実施する場合があります。これは、原料価格の急激な上昇による販売価格への影響を抑えるために行うものですが、実際の仕入時点における商品価格が、予想に反して大幅に下落した場合には、価格の固定化により損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 不動産市況悪化のリスクについて
当社グループは不動産事業を行っておりますが、不動産価格が大幅に下落した場合には、販売用不動産の評価額の引下げ、自社不動産の減損処理が必要になるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 資金調達構造ならびに金利動向の影響について
当社グループは、ガス及び石油事業、建築及び不動産事業、CATV事業、情報及び通信サービス事業、アクア事業等において経営基盤の強化・拡充を図っております。一方で、中期経営計画に基づくキャッシュ・フロー経営によって有利子負債の削減、自己資本比率の向上に努めてまいりましたが、今後、M&A等による投資拡大を進める中で、有利子負債が増加し金利上昇のリスクを受けやすくなる恐れがあります。資金調達にあたっては、長短のバランスの適正化及び長期借入の固定金利調達により金利上昇リスクを抑えて参りますが、急激な金利上昇があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) システムリスク
① 個人情報の管理について
当社グループは、個人情報取扱事業者として、「個人情報保護ポリシー」を定め、ウェブサイト等で開示しております。当社グループでは、個人情報保護法等の法令及び社内規程に基づき顧客情報の取り扱いに細心の注意を払っておりますが、万一、不正ログイン、サイバー攻撃等により、大規模な顧客情報の流出等が生じた場合には、風評による社会的信用の失墜や損害賠償金の支払等によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 情報システムの障害発生について
当社グループでは、情報及び通信サービス事業を中心に、自社の情報処理システムやデータセンター・自社回線等によるサービスを提供しております。システム障害の防止には細心の注意を払っておりますが、機器不良及び人為的なミス、大規模な自然災害等により情報システムの停止、誤作動等の障害が発生する可能性があり、これらの事故によって、当社グループにおけるサービス提供の継続が困難となった場合には、風評による社会的信用の失墜や損害賠償金の支払等によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 自社業務系システム構築に係るリスクについて
当社及びグループ会社が、自社の業務系システムの開発を効率的に進めることを目的に、グループ内企業に発注することがあります。一方で、開発要員が不足した場合等に、当該案件の納期が遅れることで業務に支障をきたす可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) コンプライアンスリスク
① 法的規制について
当社グループの事業は多岐に亘っており、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律、ガス事業法、宅地建物取引業法、建設業法、放送法、電気通信事業法、青少年ネット規制法等、関係する法令や監督官庁も様々です。また、訪問販売等の事業に適用される特定商取引法や景品表示法、下請会社を使う事業に共通な下請法の規制を受けております。さらに一般消費者に直結した事業が多いため、昨今の消費者保護行政の強化を受け、適用される法令や行政指導も増加する傾向にあります。また、将来において、現在予測し得ない法的規制等が設けられる可能性があり、これらに適切に対応できなかった場合には、行政当局等からの指導・摘発等を受けることとなり、風評による社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② トラブル・クレームの発生並びに訴訟について
当社グループが事業活動を行う過程において、相手方が法人・個人を問わず、トラブル・クレームが発生する可能性があります。かかるトラブル・クレームの発生を未然に防止すべく、従業員教育を徹底し、当社顧客(潜在的顧客も含む)に対しましては丁寧な対応かつ正確な説明を心掛けております。加えて、必要に応じ法務室やコンプライアンス・リスク管理統括室等の専門管轄部署が中心となり、契約書面の事前チェックや契約先の与信管理等、法務面、信用面からの検討を行っております。また、トラブル・クレーム発生の際は、早期解決に努めるとともに、発生原因を追求し類似事案の再発防止に努めており、これらの活動状況につきましては、経営への重要度に応じ取締役会や監査役会に報告等を行っております。しかし、トラブル・クレーム等が長期化、社会問題化した場合や訴訟が提起された場合は、風評による社会的信用の失墜や損害賠償金等解決にかかるコストの負担等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人的資源に係るリスク
① 採用、退職、労務管理等に係るリスク
働き方改革の機運が高まっており、当社グループは、従業員のワークライフバランスの実現、育児・介護と仕事の両立支援、女性活躍及び様々な健康増進施策の取り組みを通じて、社員一人ひとりが働きやすく活き活きと輝いて働ける環境づくりを積極的に取り組んでおります。こうしたなか、毎年、新卒社員及びキャリア社員を積極的に採用しておりますが、採用が想定通り進捗しなかった場合や、離職者が継続して発生した場合は、長時間労働が余儀なくされるなど労務環境の悪化により、労働生産性の低下や人材流出に繋がる可能性があります。また、顧客へのサービスの提供や内部統制に支障をきたす恐れがあります。これらの懸念事項が実際に発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
以下に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、期の半ばまでは雇用・所得環境が改善するなど、景気は緩やかな回復基調で推移してまいりましたが、昨年10月の消費増税後の個人消費の落ち込みに加え、期末にかけて新型コロナウイルスによる影響が深刻化しており、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
そのような状況のなか、当連結会計年度は中期経営計画「Innovation Plan 2020 “JUMP”」4か年の3期目となります。事業の推進については、従来に引き続き* TLC(Total Life Concierge[トータルライフコンシェルジュ]の略、以下同じ)構想の実現と、「ABCIR+S(アブサーズ)」をテーマとして、既存事業の深耕やM&A、新規事業への参入などの収益基盤拡充戦略に取り組んでまいりました。当社グループの当連結会計年度における業績については、顧客獲得の推進や受注案件の増加などの取り組みが奏功し、売上高は195,952百万円(前連結会計年度比2.3%増)、各利益項目についても、営業利益は14,224百万円(同8.9%増)、経常利益は14,479百万円(同9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,241百万円(同6.0%増)と増加いたしました。なお、売上高については3期連続の増収、各利益項目については2期連続で増益となり、いずれも過去最高を更新いたしました。
当連結会計年度末における継続取引顧客件数は、前連結会計年度末から101千件増の3,003千件、TLC会員サービスの会員数は同91千件増の896千件となりました。
当連結会計年度におけるトピックスとして、ガス及び石油事業につきましては、2019年4月に都市ガス事業及びLPガス事業を営む伊勢崎ガス株式会社(群馬県伊勢崎市)の株式を取得して持分法適用関連会社とし、同年8月に業務提携しました。また同年同月にかほガス株式会社(秋田県にかほ市)を設立し、秋田県にかほ市からの都市ガス事業の受入れ準備に入りました。同年10月にはT&Tエナジー株式会社を東京電力エナジーパートナー株式会社と共同で設立し、中京圏での都市ガス小売事業に進出しました。
建築及び不動産事業につきましては、2019年9月に日産工業株式会社(岐阜県下呂市)を連結子会社化しました。同社は公共土木工事に強みを持っており、同社を起点として中京圏での総合建設事業の拡大に取り組み始めました。
CATV事業につきましては、2019年10月に有限会社シオヤ(静岡県三島市)より静岡県東部のCATV事業を譲受け静岡県内のエリアを拡大するとともに、2020年3月には、宮城県仙台市と名取市を提供エリアとするケーブルテレビ事業者の仙台CATV株式会社(宮城県仙台市青葉区)を連結子会社化しました。東北エリアで先行して事業展開しておりましたLPガス、インターネットにCATV事業が加わることで、同エリアにおける事業基盤の拡充につなげてまいります。
情報及び通信事業につきましても、2019年7月にソフトウェア開発事業を営む株式会社アムズブレーン(岡山県岡山市北区)を連結子会社化し、西日本エリアにおける開発体制を強化しました。
* TLC構想 当社グループが提供する様々なサービスにより、お客様の快適な生活を総合的、且つきめ細やかにサポートし、お客様の満足度の向上を目指すビジョンのこと。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(ガス及び石油)
LPガス事業につきましては、既存エリアでの獲得強化・解約防止に加え新規エリアに進出を図る等、顧客獲得に注力し、当連結会計年度で需要家件数は23千件増加し652千件となり大幅な増益につながりました。一方、工業用及び卸売のガス仕入価格が変動したことにより、売上高は65,235百万円(前連結会計年度比0.5%減)となりました。
都市ガス事業につきましては、需要家件数はM&A等により前連結会計年度末から5千件増加し61千件となりました。原料費調整制度により販売単価が減少したものの設備機器の販売増加等により、売上高は12,919百万円(同4.1%増)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は78,154百万円(同0.2%増)となり、営業利益は4,907百万円(同10.7%増)となりました。
(建築及び不動産)
建築及び不動産事業につきましては、建築及び設備機器販売の増加等に加えM&Aが寄与し、当セグメントの売上高は22,383百万円(同11.4%増)となり、営業利益は1,379百万円(同44.5%増)となりました。
(CATV)
CATV事業につきましては、通信事業者との競合が激しさを増すなか、放送・通信セット加入による割引サービス、大手携帯キャリアとの連携によるスマホセット割引に加え、地域に根ざしたコミュニティチャンネルの番組作りの強化等、競争力を高め顧客増加を図るとともに、解約防止に取り組んでまいりました。加えて、M&Aによるエリア拡大が寄与し、放送サービスの顧客件数は前連結会計年度末から73千件増加し862千件、通信サービスの顧客件数は前連結会計年度末から18千件増加し292千件となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は31,385百万円(同2.9%増)、営業利益は4,543百万円(同2.3%増)となりました。
(情報及び通信サービス)
コンシューマー向け事業につきましては、大手携帯キャリアとの競合が激化するなか、単体サービスに加えて光コラボとMVNOサービス「LIBMO」とのセット販売などプランの充実を図り、顧客獲得に取り組んでまいりました。LIBMOの顧客件数は前連結会計年度末から7千件増加し48千件となった一方、ISP顧客については34千件減少し713千件(内、光コラボ324千件、従来型ISP389千件)となりました。これらにより、売上高は28,606百万円(同7.2%減)となりました。
法人向け事業につきましては、ITサービス市場が活況のなか、グローバルプラットフォーマーから認定事業者として評価を受け、クラウドサービスを中心に順調に法人顧客を増加させる等、ストックビジネスの拡大につなげてまいりました。また、システムの受託開発案件も堅調に増加したこと等により、売上高は23,147百万円(同13.3%増)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は51,753百万円(同1.0%増)となり、営業利益は2,959百万円(同14.1%増)となりました。
(アクア)
アクア事業につきましては、当社ブランド「おいしい水の贈りもの うるのん」を中心に大型商業施設等で顧客獲得に積極的に取り組み、顧客件数は前連結会計年度末から5千件増加し161千件となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は7,416百万円(同5.9%増)、営業利益は401百万円(同22.9%減)となりました。
(その他)
その他の事業のうち、介護事業につきましては、利用者ニーズへの対応に努め、利用回数の増加により売上高は1,243百万円(同15.6%増)となりました。造船事業につきましては、船舶修繕の工事量が減少したことにより、売上高は1,480百万円(同2.6%減)となりました。婚礼催事事業につきましては、新型コロナウイルス感染症を懸念した催事・宴席の中止、婚礼挙式の延期により、売上高は1,359百万円(同8.0%減)となりました。
これらにより、当セグメントの売上高は4,858百万円(同1.6%増)、営業利益は235百万円(同8.3%増)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末における資産合計は169,972百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,366百万円の増加となりました。これは主として、投資有価証券の時価評価差額の減少等により投資その他の資産「投資有価証券」が1,647百万円減少した一方で、M&Aによる新規連結子会社化等により受取手形及び売掛金が1,060百万円、有形固定資産が1,322百万円、デリバティブ評価差額負債の増加等により繰延税金資産が1,700百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
負債合計は103,989百万円となり、前連結会計年度末と比較して278百万円の増加となりました。これは主として、フリー・キャッシュ・フローを有利子負債の返済に充てたことにより短期借入金が2,344百万円減少した一方で、デリバティブ評価差額負債の増加等により流動負債「その他」が1,362百万円、訴訟損失引当金の計上により1,161百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
純資産合計は65,982百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,088百万円の増加となりました。これは主として、剰余金の配当により3,678百万円、その他有価証券評価差額金が1,283百万円減少した一方で、親会社株主等に帰属する当期純利益8,241百万円を計上したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末から27百万円増加し4,046百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、22,535百万円の資金の増加(前連結会計年度比+930百万円)となりました。これは税金等調整前当期純利益及び非資金項目である減価償却費等の要因により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、12,131百万円の資金の減少(同+311百万円)となりました。これは有形及び無形固定資産の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、10,375百万円の資金の減少(同△2,227百万円)となりました。これは借入金及びリース債務の返済、配当金の支払等によるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
ガス及び石油 |
34,092 |
94.3 |
|
建築及び不動産 |
6,957 |
103.1 |
|
CATV |
50 |
125.2 |
|
情報及び通信サービス |
2,474 |
81.4 |
|
アクア |
612 |
134.1 |
|
その他 |
692 |
85.5 |
|
合計 |
44,881 |
95.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前連結会計 |
受注残高 (百万円) |
前連結会計 |
|
ガス及び石油 |
112 |
17.2 |
83 |
12.0 |
|
建築及び不動産 |
9,129 |
103.6 |
2,426 |
68.4 |
|
CATV |
- |
- |
- |
- |
|
情報及び通信サービス |
14,078 |
109.2 |
1,277 |
98.4 |
|
アクア |
- |
- |
- |
- |
|
その他 |
1,094 |
98.9 |
119 |
115.5 |
|
合計 |
24,414 |
104.0 |
3,906 |
69.2 |
(注)1.当社グループは一部を除き受注生産を行っておりません。「ガス及び石油」はガス関連機器等の請負工事、「建築及び不動産」は住宅及び土木建築等の請負工事、「情報及び通信サービス」はソフトウェア開発、「その他」は船舶修繕の受注高を記載しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
ガス及び石油 |
78,154 |
100.2 |
|
建築及び不動産 |
22,383 |
111.4 |
|
CATV |
31,385 |
102.9 |
|
情報及び通信サービス |
51,753 |
101.0 |
|
アクア |
7,416 |
105.9 |
|
その他 |
4,858 |
101.6 |
|
合計 |
195,952 |
102.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
ⅰ.財政状態
当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ⅱ.経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。
(売上高)
売上高は、195,952百万円(前連結会計年度比2.3%増)となりました。売上高の主な内訳をセグメント別でみると、下記のとおりであります。
ガス及び石油事業におきましては、顧客増加による販売数量の増加等により、78,154百万円(同0.2%増)となりました。
建築及び不動産事業におきましては、建築及び設備機器販売の増加等に加えM&Aが寄与し、22,383百万円(同11.4%増)となりました。
CATV事業におきましては、既存エリアの顧客増加と、M&Aによるエリア拡大が寄与したことで、31,385百万円(同2.9%増)となりました。
情報及び通信サービス事業におきましては、法人向けストックビジネスの積み上げやシステム受託開発案件の増加等により、51,753百万円(同1.0%増)となりました。
アクア事業におきましては、顧客件数の増加によりボトルの販売本数が増加したことで、7,416百万円(同5.9%増)となりました。
その他の事業におきましては、介護事業の施設利用者数が増加したことで、4,858百万円(同1.6%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、建築及び不動産事業の売上増加に伴う増加等により1,221百万円増加し、116,662百万円(同1.1%増)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費、賃借料、減価償却費等が増加したこと等により1,963百万円増加し65,065百万円(同3.1%増)となりました。以上により、営業利益は1,166百万円増加し、14,224百万円(同8.9%増)となりました。
(営業外損益)
営業外損益は254百万円の利益(同26.2%増)となりました。なお、支払利息は前連結会計年度から58百万円減少し、301百万円となりました。これらにより、経常利益は14,479百万円(同9.2%増)となりました。
(特別損益)
特別損益は、主として訴訟損失引当金繰入額を1,161百万円計上したこと等により、1,548百万円の損失(前連結会計年度は846百万円の損失)となりました。
以上により、税金等調整前当期純利益は12,930百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の負担(法人税等調整額を含む)、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、8,241百万円(同6.0%増)となりました。1株当たり当期純利益は62円93銭(前連結会計年度は59円36銭)となりました。
ⅲ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当連結会計年度の業績は、顧客件数の増加による増収に加え、法人向け情報通信事業の増収、M&A効果等により、売上高が1,960億円と過去最高を更新、前連結会計年度比44億円(2.3%増)の増収となりました。
利益面も、顧客件数増加に伴う月次課金件数の増加等による増益及び法人向け情報通信事業の増益、M&A効果等により、営業利益が142億円と前連結会計年度比12億円(8.9%増)の増益、全ての利益項目が2期連続過去最高を更新しました。
総資産については固定資産の増加等により前連結会計年度比24億円増の1,700億円、自己資本比率は利益剰余金の増加等により同0.6ポイント増の38.0%となりました。
顧客件数については顧客獲得及び解約防止に努めた結果、前連結会計年度比10万件増の300万件となりました。
(単位:億円)
|
項目 |
2018年3月期 実績 |
2019年3月期 実績 |
2020年3月期 実績 |
2021年3月期 予想 |
|
売上高 |
1,861 |
1,916 |
1,960 |
2,053 |
|
営業利益 |
110 |
131 |
142 |
150 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
66 |
78 |
82 |
85 |
|
総資産 |
1,660 |
1,676 |
1,700 |
- |
|
自己資本比率(%) |
36.3 |
37.4 |
38.0 |
- |
|
顧客件数(万件) |
288 |
290 |
300 |
311 |
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの指標の推移は下記のとおりであります。
|
|
第5期 (2016年3月期) |
第6期 (2017年3月期) |
第7期 (2018年3月期) |
第8期 (2019年3月期) |
第9期 (2020年3月期) |
|
フリー・キャッシュ・フロー (百万円) |
10,379 |
15,706 |
9,421 |
9,161 |
10,403 |
|
自己資本比率(%) |
25.6 |
34.5 |
36.3 |
37.4 |
38.0 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
41.4 |
67.4 |
85.0 |
71.8 |
72.2 |
|
債務償還年数(年) |
3.3 |
2.0 |
2.4 |
2.3 |
2.1 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) |
29.3 |
48.9 |
46.6 |
58.2 |
72.3 |
(注)フリー・キャッシュ・フロー : 営業活動キャッシュ・フロー+投資活動キャッシュ・フロー
自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
債務償還年数 : 有利子負債/営業活動キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業活動キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、社債及び借入金を対象としております。
また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第8期の期首から適用しており、第7期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
b.財務政策
ⅰ.財務戦略の基本的な考え方
当社グループにおける財務戦略の方針については、2017年5月に発表した中期経営計画「Innovation Plan 2020 “JUMP”」において掲げた、M&Aやアライアンス投資による事業の拡大を積極的に行う一方で、株主重視の姿勢は継続し、継続的かつ安定的な配当に努めていくという方針に基づいており、また、余資については有利子負債の返済に努め、財務体質のさらなる改善を図っていく方針であります。手許資金につきましては足許の資金需要に耐えられる必要最小限に留めております。
こうした方針を実現するため、各連結子会社の必要資金を当社が一括して調達した上で各社に貸し付ける体制をとり、加えてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金の一元管理を行うことで、調達コストの削減と効率的な資金管理を行っております。また、急な資金需要に対しては取引銀行3行と貸出コミットメント契約を締結することで、安定した資金調達を可能にしております。
ⅱ.資金需要の主な内容
当社グループにおける主な資金需要は仕入代金や人件費といった営業上の支出のほか、前段記載のM&A及びアライアンス投資に係る資金や、顧客へのサービス提供のために継続的な設備投資を実施することに伴う支出であります。設備投資の例としては、ガス及び石油事業における供給権や供給設備等、情報及び通信サービス事業におけるネットワーク設備等、CATV事業における放送設備や伝送設備等が挙げられます。
ⅲ.資金調達
当社グループにおける資金調達の方法は、設備投資資金や長期運転資金は銀行からの長期借入、社債であり、短期的な運転資金は銀行からの短期借入、短期社債(CP)、売掛債権流動化であります。
当連結会計年度においては、M&A及びアライアンス投資に向けての資金調達手法の検討を進めるとともに、コスト削減を図るべく有利な条件での調達に取り組んでまいりました。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は前連結会計年度末と比べ23億円減少し483億円となりました。
③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきまして、LPガスや都市ガス、CATV、インターネット接続、アクア等一般消費者に継続的なサービスを提供する事業においては、感染症の拡大が重要な影響を与えないものと仮定して会計上の見積りを行っております。また、法人向けサービス等で受注減少などの影響が見込まれる事業につきましては、当該影響は半年程度で概ね回復すると仮定して会計上の見積りを行っております。
a.収益の認識
当社グループの売上高は、主力のガスは計量販売についてはガスメーターの検針時に計上(ただし、最終検針時より期末までの分については推計計上)しており、器具等の商品は引渡時点、住宅等の建築工事は工事進行基準を適用しているものを除き検収引渡時点、役務サービスについては役務の提供が完了した時点で計上しております。なお、ガスについては商品の性格上季節的影響を受け易く、最終検針後の推計計上分については最終検針までの一定期間のガス使用量・平均気温の推移等を基に期末までの使用量を推定しておりますが、特に、推定気温より高めに推移した場合には実質消費量が推計消費量に比べ減少する可能性があります。
b.たな卸資産の評価
当社グループは、主として先入先出法により評価し、営業循環過程から外れた場合や正味売却価額が著しく下落した場合には、収益性の低下に伴う簿価切下げを行っております。将来の市況悪化または滞留在庫が増加した場合等には更なる評価損の計上が必要となる可能性があります。なお、主力のガスは実勢価格により評価し、最終検針時より期末までの使用量を推計し、期末時点の在庫を計上しております。
c.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるために貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
d.投資有価証券の減損
当社グループは、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合にはすべて減損処理を行い、30~50%程度下落した場合及び時価のない株式については、銘柄別に回復可能性を考慮して、必要と認められた額について減損処理を行っておりますが、将来の市況悪化または投資先の業績不振により更なる減損損失の計上が必要となる可能性があります。
e.固定資産の減損
減損の兆候がある資産グループの内、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回った場合に、その差額を減損損失に計上しますが、回収可能価額は、資産グループの正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、今後、業績の顕著な低下、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合等には減損損失の計上が必要となる可能性があります。
f.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を検討しております。回収可能性は、将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高いタックスプランニングをもとに検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、繰延税金資産を計上しない、または取り崩すことが必要となる可能性があります。
g.退職給付に係る資産及び負債
当社グループは、退職給付会計に基づいた退職給付費用及び退職給付に係る資産・退職給付に係る負債を計上しております。前提条件として年金資産に係る長期期待運用収益率、割引率等を計算に用いており、これらが著しく変動した場合は大きく影響を受けることが考えられます。当社グループは日本の優良債券の期末時点の固定利回りを参考に割引率を決定しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されているファンドの予想収益率と過去の実績収益率をもとに決定されます。
当社グループは毎期退職給付債務の計算の基礎となる前提条件を見直しており、割引率の低下等、将来市場環境が悪化した場合、退職給付に係る負債の追加計上が必要となる可能性があります。
株式譲渡契約
当社は、2020年2月20日開催の当社取締役会において、当社100%子会社である株式会社TOKAIケーブルネットワークが、仙台CATV株式会社の株式を取得し、連結子会社化することについて決議し、2020年3月26日に株式譲渡契約を締結し、2020年3月30日に当該株式を取得いたしました。
詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 企業結合等関係」に記載しております。
該当事項はありません。