第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、2019年度をスタートとする3か年の中期経営計画を策定し、2019年4月に公表しました。当社グループは「The Brand Builder ~ “最強のブランドビルダー”になる」をテーマとして、事業の重心とグループ構造の変革を図るという基本方針のもと、以下の項目を重点施策としてグループ全体で取り組む所存です。

 

(1) 収益構造の改革

グループとしてのスケールメリットを発揮し、全体最適の観点から売上原価及び販売管理費の双方について徹底的な効率化を図ってまいります。

① 固定費削減による損益分岐点の引き下げ

全社横断的な販管費削減プロジェクトを組成し、要員配置の抜本的な見直しや重複業務の解消を図ることにより生産性の大幅な向上を図ります。また、人件費以外の販売管理費についても集中購買による調達単価の引き下げを図り、損益分岐点を引き下げます。

② 粗利構造の改善

商品の調達ルートを見直すとともに、値引販売及び評価損を抑制し、また商品ロスを低減させるよう商品の製造及び在庫の管理を徹底します。

③ 効率化投資

当社グループが使用している会計システムの更新期到来に伴い、新たにERPパッケージとして“SAP S/4HANA”を導入します。SAPの導入により単純なシステムアップデートに留まらず既存の業務フローを見直すことで業務効率の一層の向上を図ります。また、将来的にはSAPを適用する業務を拡大することにより、業務プロセスの可視化、透明性の向上を目指します。

 

(2) 事業選別の徹底

低収益事業の選別をより速やかに実行するとともに、将来に向けた事業投資を厳選して実施することにより、成長が見込める事業に経営資源を集中します。

① 低収益事業の見直し

国内外の低収益事業を選別し、収益性の改善を見込むことができる子会社については役割の見直しや事業構造の改革による収益化を図ってまいります。

② 新規展開

既存事業の強みを活かした新規ブランドの創設や新たな海外ブランドのライセンス事業を図るとともに、国内の優良事業については積極的な海外展開を進めます。また、新たにファッションテック分野に特化したベンチャーファンドへの出資も行うことで将来の新規事業展開に備えてまいります。

 

(3) 組織再編

当社グループ全体の意思決定及び実行をスピードアップさせ、当社のアパレル事業子会社群をより効率的なかたちに再編するとともに、子会社に分散していた生産やECプラットフォームなどの機能を統合します。

① カンパニー制の導入

アパレル事業を営む当社の各子会社を4つのカンパニーに再編し、当社の経営幹部が各カンパニーを直接管掌することで、各社に共通する経営課題に対する迅速且つ一体感のある対応を可能にするとともに、重複する機能の整理、統合を図ります。

② プラットフォーム部の新設

現在、当社及び複数の機能子会社に分散している当社の情報システム、電子商取引、物流及び生産管理といったアパレル事業を支える基盤となるべき各機能を当社プラットフォーム部として集約、統合し、当社において一括管理することとします。アパレル事業を営む各子会社が共通の事業基盤を使用することにより効率化を図り事業の収益率向上に繋げます。

 

また、これらの重点施策とともに、持続可能な社会の実現を目指すCSR(Corporate Social Responsibility)の推進とコーポレートガバナンスの強化を通じて、これからも継続して長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。

なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(2020年5月22日)現在において当社グループが判断したものです。

(1) ファッション・アパレル商品の特性について

当社グループの主力商品であるファッション・アパレル商品は、その性格上、流行に左右されやすい傾向があります。消費者ニーズに柔軟に対応すべくマーケット情報の収集に努め、商品企画力の向上・差別化に努めていますが、急激な流行の変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 経済状況や気象状況について

ファッション・アパレル商品の売れ行きは、景気の変動、特に個人可処分所得の変動等による個人の購買意欲の低下等に左右される傾向があり、経済状況の変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、長梅雨、冷夏、暖冬、台風等の予測不能な気象状況の変化は、売上の低迷や在庫の処分等を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 品質管理について

当社グループは、商品の品質管理には万全の体制を敷いていますが、予測しえない品質上のトラブルや製造物責任に起因する事故が生じた場合は、企業イメージが損なわれ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 出店政策について

当社グループでは、出店候補地周辺の商圏環境や立地条件、店舗損益予測等の分析を行いながら店舗の出店を進めていますが、計画通りに出店が行えなかった場合や、ブランド閉鎖、不採算店舗整理等により多数の退店が発生する場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 知的財産権の使用について

当社グループは、現在海外提携先と契約し、提携先所有の知的財産権を使用した商品を販売しています。これら海外提携先とは現時点では概ね友好な取引関係を維持していますが、今後、事由の如何にかかわらず契約の終了、解除または条件変更された場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、新たに企画開発する商品について、万一第三者から損害賠償および使用差し止め請求等が為され金銭の支払いが発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 個人情報管理について

当社グループは、店頭販売、WEB販売等での顧客管理上、多くの個人情報を保有しており、その管理には万全を期していますが、今後、万一お客様の情報が外部に漏洩する事態となった場合には、信用の低下等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) クレジットリスクについて

保有債券の発行体、あるいは取引先の財務破綻に起因するデフォルトリスクについては、その回避・軽減のため管理体制を強化していますが、今後、万一そのリスクが現実化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 自然災害・人的災害

当社グループは、国内外の取引先から商品の供給を受けており、また、国内外の物流網を通じて各店舗やお客様に商品を供給しております。従いまして、国内外において自然災害や戦争等の人的災害が発生した場合、当社グループのサプライチェーンが影響を受け、事業や商品供給を停滞させる可能性があります。

また、感染症の拡大等により消費が停滞することで当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) その他

以上のほか、公的規制適用、各種事故、訴訟等、様々なリスク要因が考えられます。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度(2019年3月1日から2020年2月29日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 

(経営成績等の状況の概要)

(1) 経営成績の状況

 当連結会計年度(2019年3月1日から2020年2月29日まで)における当アパレル業界は、インバウンド需要が減速し、増税による消費の反動減や全国各地で発生した台風などの災害、暖冬による冬物衣料の不振に加え、2020年2月以降は世界中に感染が拡大した新型コロナウイルスの影響により消費動向が悪化するなど、総じて厳しい状況となりました。

 このような経営環境のもと当社グループは、2019年4月に発表した新中期経営計画に基づき、グループ構造の見直しを最優先で進めることにより、グループ体制の最適化に向けた施策に取り組むと同時に、プロパー消化率の改善を目指し、セールに頼らないブランディングとビジネスモデルの構築に努めるなど、利益率向上に向けた施策を推し進めました。

 また、海外事業についてはグローバルブランドの展開地域の拡大を図るとともに、新規事業も視野に入れつつ海外進出に向けた取り組みも併せて進めてまいりました。成長市場であるEC事業においては、引き続きオムニチャネル化の推進を図るとともに、デジタル化への継続投資ならびに自社ECの強化を進めてまいりました。
 その結果、売上高については、1,700億68百万円(前期比3.1%増)となりました。

 しかし、販管費抑制策を推進することによりグループ全体の利益率向上に努めたものの、既存事業においては厳しい収益環境が続き、営業利益は70百万円(前期比96.9%減)となり、経常利益は18億51百万円(前期比52.6%減)となりました。

 また、当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益は21億81百万円(前期は1億85百万円の損失)となりました。

セグメント別の売上の概況は次のとおりです。

 

(アパレル関連事業)

 当社のグループ子会社につきましては、2019年4月に発表した新中期経営計画に基づき、主として既存ブランドの改革と業務の効率化による収益の向上に取り組みました。
 マーケットにおける節約志向は依然として続き、個性が際立ち、価格競争に巻き込まれない市場価値の高いブランド運営が求められているなか、既存事業については、ゴルフブランドの「パーリーゲイツ」、レディースブランドの「エヌ ナチュラルビューティーベーシック」、スニーカーを主軸に事業を行う「アンディフィーテッド」、前期よりグループに迎え入れた㈱上野商会が手掛ける「アヴィレックス」が、特色を活かした商品を展開することにより収益力の更なる拡大を目指しましたが、消費税増税や自然災害の影響などによる消費抑制傾向が継続しており、百貨店販路を中心に厳しい環境が続いています。
 EC事業につきましては、9月に一部実施した自社ECサイトでの必須登録項目などを減らしてよりスムーズな会員登録を可能とした仕組みの展開を進めることにより、自社ECサイトの新規会員登録数最大化を推進し、EC売上における自社EC化率の向上に努めました。
 これらの取り組みにより、アパレル関連事業の売上高は、1,650億54百万円(前期比3.0%増)となりました。

 

(その他の事業)

その他の事業につきましては、販売代行及び人材派遣事業を営む㈱エス・グルーヴ、合成樹脂製品の製造販売を行なう㈱トスカバノック、店舗設計監理や飲食事業を営む㈱プラックス、そして米国カリフォルニア州で人気のオーガニックカフェを日本で運営するUrth Caffe JAPAN㈱などの事業により、売上高は100億86百万円(前期比5.5%減)となりました。

 

 

(2) 財政状態の状況

総資産は、有価証券の減少(前期末比34億91百万円減)、たな卸資産の減少(前期末比9億8百万円減)、流動資産「その他」の減少(前期末比9億72百万円減)、商標権の減少(前期末比9億42百万円減)、のれんの減少(前期末比33億76百万円減)、投資有価証券の減少(前期末比103億76百万円減)、投資不動産の減少(前期末比9億88百万円減)等により、222億48百万円の減少となりました。

負債は、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の増加(前期末比111億5百万円増)等があったものの、支払手形及び買掛金の減少(前期末比18億61百万円減)、短期借入金の減少(前期末比209億62百万円減)、繰延税金負債の減少(前期末比8億71百万円減)等より、137億61百万円の減少となりました。

純資産は、資本剰余金の減少(前期末比10億49百万円減)、純資産の控除項目である自己株式の増加(前期末比11億19百万円増)、その他有価証券評価差額金の減少(前期末比34億12百万円減)、非支配株主持分の減少(前期末比30億96百万円減)等により、84億86百万円の減少となりました。

以上の結果、1株当たり純資産は、39.11円の減少となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務が18億33百万円減少し、法人税等の支払額を30億58百万円計上、投資活動への調整項目である投資有価証券売却益を29億49百万円計上、固定資産売却益を22億43百万円計上したものの、税金等調整前当期純利益を38億59百万円計上、非資金費用である減価償却費を47億59百万円計上、のれん償却額を10億24百万円計上、減損損失を35億96百万円計上、法人税等の還付額を17億58百万円計上したこと等により、47億2百万円の収入(前年同期比25.5%減)となりました。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産(店舗内装資産等)の取得が40億90百万円、投資有価証券の取得が62億51百万円生じたものの、投資有価証券の売却が169億34百万円、投資不動産の売却が29億円、関係会社株式の売却が20億円生じたこと等により、111億50百万円の収入(前年同期は113億13百万円の支出)となりました。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れが190億円生じたものの、短期借入金の純減が209億60百万円、長期借入金の返済が79億55百万円、自己株式の取得が13億40百万円、配当金の支払が16億70百万円、子会社株式の追加取得が39億83百万円生じたこと等により、167億60百万円の支出(前年同期は114億22百万円の収入)となりました。

この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より9億58百万円減少して302億32百万円となりました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

アパレル関連事業

50,209

△5.2

その他事業

992

+9.0

合計

51,201

△4.9

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

アパレル関連事業

28,231

+22.3

その他事業

380

△34.7

合計

28,611

+20.9

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は、仕入価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

アパレル関連事業

164,755

+3.0

その他事業

5,214

+5.7

合計

169,970

+3.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

(1)経営成績の分析

売上高についての当連結会計年度の概要は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営成績等の状況の概要) (1)経営成績の状況」をご参照ください。

(営業利益)

営業利益は、70百万円となりました。これは、主として既存事業において厳しい収益環境が続いたことによるものです。

(経常利益)

経常利益は、18億51百万円となりました。これは、主として営業収益の悪化によるものです。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は21億81百万円となりました。これは、主として当社保有不動産の売却益を含む62億89百万円を特別利益に計上したことによるものです。

(2)財政状態の分析

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営成績等の状況の概要) (2)財政状態の状況」をご参照下さい。

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営成績等の状況の概要) (3)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

(4)資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

当社グループの資金需要の主なものは、運転資金と設備投資資金です。

運転資金は、商品仕入費用、製品製造費用と人件費、賃借料、減価償却費等の販売費及び一般管理費によるものです。

また、設備投資資金は、店舗の新設、改装及びITシステムの開発並びに保証金の差入などによるものです。

(財政政策)

当社グループの運転資金と設備投資資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローで充当するとともに、15,525百万円の当座貸越契約を結ぶなど、必要に応じて金融機関からの借入により資金調達を実施しております。

(5)中長期的な会社の経営戦略

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した中期経営計画の達成並びにこれに向けた主要施策の実現が当社グループの中長期的な会社の経営戦略であります。

(6)目標とする経営指標

当社グループは、営業利益率及び株主資本に対する収益性を示すROEを特に重視しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。