第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

  当社グループは、「お客様とともに未来を創造し、ITで夢のある社会づくりに貢献します」を企業理念としており、多様な情報化ニーズにお応えすべく、ソフトウエア開発と運用が一体となった柔軟でスピーディーなITソリューションを基盤とした総合情報サービス企業として、お客様に満足感のあるサービスを提供することを使命として経営に努めております。

 

(2)経営戦略

  当社グループは、「IT事業を通じて社会課題の解決に取り組み、夢のある未来の創造に貢献する企業」を目指し、お客様から選ばれ続けるITパートナーであるために、弛まぬ努力と変革を続けることを「長期経営ビジョン」として掲げ、その実現のため経営目標である「持続的に成長可能な経営基盤の構築」の更なる前進を図るべく、2022年度を開始年度とする経営計画「Keep On Changing ~事業を通じて社会課題を解決し、変革し続ける~」を策定しております。

2024年度末で終了する第一期中期経営計画に続き、2025年度から始まる第二期中期経営計画においては、以下の4つの重点施策(成長戦略・経営基盤強化)に取り組んでおります。

Ⅰ.クラウド・インフラセキュリティビジネスの推進

Ⅱ.コアビジネスの深化

Ⅲ.人事戦略の推進

Ⅳ.経営効率化の推進

 

(3)経営環境

① 企業構造

  当社グループは、AGS株式会社を中心に、ソフトウエア開発やシステム機器販売などを行うAGSビジネスコンピューター、システムの管理・運用や人材派遣などを行うAGSプロサービス、ITコンサルティングやBCMコンサルティングなどを行うAGSシステムアドバイザリー(※)の4社で構成され、当社の強みの一つである「コンサルティングから、システム構築、保守・運用までのワンストップでのサービス提供」が可能な企業構造としております。こうした企業構造を基盤として、グループ全体のシナジー効果を最大限発揮し、多様な情報化ニーズに迅速かつ柔軟に対応していくことにより、企業価値の一層の向上を図っております。

※なおAGSシステムアドバイザリーについては、経営資源の最大活用による成長戦略推進に向け、2025年4月1日をもって、当社が吸収合併いたしました。合併に伴い、当社法人事業本部内に「コンサルティング部」を新設しております。

 

② 市場環境

  当社グループが属します情報サービス産業におきましては、地方公共団体の基幹業務システム標準化推進や、老朽化が懸念される民間企業の基幹システム刷新、及び官民を問わず、生成AIの活用をはじめとしたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の更なる加速が期待されております。また、組織を標的としたサイバー攻撃による被害が増加し、自社の防衛策のみならず関係する外部組織も含めたセキュリティ対策の重要性が高まっており、今後も中長期的に市場規模の拡大が継続するものとみられます。一方、原材料価格や人件費の高騰等による原価の増加及び顧客のIT投資抑制などについて、十分に注視していく必要があります。

  当社グループでは、このような事業環境の変化を積極的な成長の機会と捉え、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取組みを強化し、更なる高品質・高付加価値のサービス提供に努めてまいります。

 

③ 顧客基盤

  当社は、都市銀行のシステム関連の子会社であったことから、金融関連のお客様や、自治体・諸団体のお客様、銀行取引に関連する法人のお客様など、金融・公共・法人の幅広い分野で、優良な顧客基盤を有しており、長年にわたってお客様の信頼と実績を積み重ねてまいりました。現在、各分野の売上高の割合はほぼ均等で、市場環境に柔軟に対応できるバランスのとれた顧客ポートフォリオを構成し、安定的な成長を維持しております。

 

④ 競合他社との競争優位性

  当社グループは、コンサルティングやシステム構築などの「SIビジネス」と「データセンタービジネス」による総合的なソリューション・サービスを提供しており、「コンサルティングから、システム構築、保守・運用までのワンストップでのサービス提供」を強みとして、多様化・複雑化する情報化ニーズへの迅速かつ柔軟な対応を行っております。

  SIビジネスにおいては、金融機関様、自治体様といった、優良なお客様の業務に関し、長年積み重ねてきた経験や専門性の高い業務ノウハウに強みを持っております。

  データセンタービジネスは、クラウドサービスの需要増加などから今後も拡大を続けていくものとみられる一方、同業他社との競合が予想されますが、当社グループのデータセンターは、東京都心部から約25㎞、東京・新宿から電車で40分以内の利便性の高い「都市型データセンター」としており、また震災の影響を受けにくい強固な地盤と洪水による水害の危険性が少ない立地地盤、最新のビル免震技術を導入している点等は、競合他社比で大きな強みであると認識しております。

  今後も、これらの強みを最大限に活かした業務運営を行ってまいります。

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループを取り巻く市場環境においては、クラウドの主流化が進み、ITインフラや情報セキュリティの重要性もますます拡大していくなかで、当社グループとしては、お客様におけるDXへの取り組み加速、基幹システムの更改やクラウドシフト、サイバーセキュリティ対策などのニーズに的確に対応し、お客様の課題解決に一層貢献していくことが必要であります。そのためには、クラウド・インフラセキュリティ戦略の更なる推進と、人材活躍領域シフトへの取り組み強化が必要と認識しております。

このような認識のもと、当社グループの企業価値向上を実現するため、第二期中期経営計画にて、「クラウド時代においてもお客様から選ばれ続けるITパートナーとなる」ことを目指す姿として掲げ、以下の4つの重点施策を推進してまいります。

Ⅰ.クラウド・インフラセキュリティビジネスの推進

お客様のニーズに合わせたクラウドサービスの組合せによる短納期・高品質なシステム導入、信頼性の高いインフラ構築、及びお客様資産を守るサイバー攻撃対策などにより、お客様の課題解決を総合的に支援してまいります。

Ⅱ.コアビジネスの深化

お客様とのリレーション拡大を推進するとともに、基幹システム更改などの主要案件を着実に遂行いたします。また、高速開発ツールや生成AIの活用などを通じて、より質の高いサービスをお客様に提供してまいります。

Ⅲ.人事戦略の推進

将来の事業構想の実現に向けて、人材の育成・採用・配置を戦略的に展開し、社員一人ひとりが自身の成長を実感しながら働くことができる環境を実現してまいります。

Ⅳ.経営効率化の推進

成長戦略をより確実なものとすべく、業務改革や組織の最適化、収益マネジメント強化など更なる変革を実行し、生産性向上・経営効率化を進めてまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  2022年度にスタートした長期経営計画「Keep On Changing ~事業を通じて社会課題を解決し、変革し続ける~」における第一期中期経営計画(2022~2024年度)については、重点施策への取り組みや、お客様の基幹システム更改等の受注増、品質・生産性向上等により、売上高248.6億円、営業利益18.4億円(2024年度上方修正目標比136%)を達成いたしました。またROEにつきましても、目標を上回る8.9%(一過性の要因を除いた数値としております)を達成しております。

指 標

2021年

実績

2024年度

目標

2024年度

実績

目標達成率

売上高(億円)

211.8

235

248.6

105%

営業利益(億円)

9.4

当初  10.0

修正  13.5

18.4

当初比 184%

修正比 136%

営業利益率

4.4%

当初 4.2%

修正 5.7%

7.4%

ROE

5.0%

5.0%

8.9%

 

 また2025年4月より、持続的な成長や一層の企業価値向上に向けて、同長期経営計画における第二期中期経営計画をスタートしており、計数目標を、以下の通りとしております。

 なお、営業利益目標につきましては、第一期中期経営計画の成果と第二期中期経営計画の戦略を踏まえ、2030年度の目標を15億円から28億円に上方修正しております。

指 標

2024年度実績

<第一期>

2027年度計画

<第二期>

2030年度計画

<第三期>

売上高(億円)

248.6

275.0

300.0

営業利益(億円)

18.4

23.0

28.0

営業利益率

7.4%

8%

9%

ROE

8.9%

9%程度

9.5%~10%程度

※2024年度実績のROEについては、一過性の要因を除いた数値としております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、中長期的な企業価値の向上のためにサステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)が重要な経営課題であると認識し、以下の基本方針のもと、積極的かつ能動的に取り組んでおります。

サステナビリティの基本方針:

「当社グループ「企業理念」及び「倫理綱領」を誠実に実践することにより、ステークホルダーの満足度を高め、社会に貢献する」

具体的には、SDGsの達成に向けた取り組みと位置づけ、以下の方針・マテリアリティ(重要課題)等を定めて推進しております。

SDGsの基本方針:

「IT事業を通じて社会課題の解決に取り組み、夢のある未来の創造に貢献する」

・4つのマテリアリティ …IT事業を通じて、「豊かな社会の実現」「安心・安全な社会の実現」「資源の効率的利用」「地球環境の保全」の実現に取り組む。

・取り組みを支える基盤 …「社会への貢献」「組織体制の強化・充実」「人材の創出」の実現を図る。

上記については、当社取締役会にて決議し公表している「コーポレートガバナンス・ガイドライン」においても、「サステナビリティへの取り組み」として定めております。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

当社グループでは、経営会議にてサステナビリティに関する各施策や方針を協議・決定し、取締役会にて重要な方針の協議・決定、並びに取り組み状況のモニタリングを行うことで、サステナビリティに関するガバナンスを確保しております。また、テーマに応じた協議機関として、働き方改革・健康推進委員会、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会を設置しており、各委員会を四半期ごとに開催して、その活動の実効性向上を図っています。

サステナビリティに関するリスク管理は、リスク管理委員会にて実施しております。リスク管理の取り組みについては、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(2)戦略並びに指標及び目標

SDGsの達成に向けた取り組みと位置づけ、以下のマテリアリティ等に関して、指標・目標を設定して取り組んでおります。

戦略

指標・目標

マテリアリティ

基盤

取り組みにより実現すること

取り組み

2024年度

2030年度

目標

達成率

目標

マテリアリティ

豊かな社会の実現

DXソリューションを通じた、利便性の高い社会の実現。お客様の生産性・効率性の向上による「時間」の創出。

DXソリューションの提供

(提供社数)

280社

127%

500社

安心・安全な社会の実現

情報セキュリティソリューションを通じた、お客様の企業活動の信頼性・安全性の向上。データセンターサービスによるお客様の情報資産の保護。

セキュリティソリューションの提供

(提供社数)

180社

180%

300社

資源の効率的利用

データセンタービジネスを通じた、電力の効率的な利用の促進、社会で使用される電力量の削減。

データセンターにおける再生可能エネルギーの利用率向上

(利用率)

30%

100%

100%

地球環境の

保全

お客様のペーパーレス化の推進による、社会の紙資源の削減。

ペーパーレスサービス

(利用社数)

260社

159%

400社

 

 

 

 

(3)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標

経営計画「Keep On Changing ~事業を通じて社会課題を解決し、変革し続ける~」を踏まえ、人的資本の強化・活用により経営計画の実現を図るための「人事戦略」を策定し、以下の基本方針のもと、個の成長を後押しする、並びに組織変革を推進する施策に取り組んでいます。

基本方針:

・当社及びお客様の持続的な成長の実現に向けて、経営人材・IT人材の中長期的な育成・確保を図る。

・多様な人材が多様な環境の中で、お客様や社会への貢献、自身の成長を実感し、働きがいを感じることができる会社にする。

 

①人材成長戦略

当社グループの企業価値向上に向けて、社員の持続的な成長を実現する施策に取り組んでいます。

具体的には、将来の経営人材候補を選抜し、経営幹部養成プログラム(外部研修)による最新のマネジメントスキルの習得や社外人脈形成などにより経営人材を育成するとともに、今後主流となるクラウドインテグレーション、インフラ・セキュリティの技術スキル習得を目指し、ベンダー系資格の取得促進、外部研修受講などの学びの機会を充実させ、技術者を育成しています。

 

②中期的採用/多様な人材活用戦略

多様・多才な人材が集い協働し、個々の強みを活かし活躍できる組織・チームを実現する施策に取り組んでいます。

具体的には、新卒による安定的な採用に加え、即戦力となる人材の中途採用を戦略的に行うなど、年齢・性別・学歴・出身地・働き方など問わず多様な人材を受け入れ、当社グループ内での多様な価値観や専門性の融合を図り、新たな価値を生み出す風土を醸成しています。また、チーフ以上(係長相当職以上、役員を含む)全体に占める女性の割合を2030年度末までに30%以上にすることを中長期目標に掲げ、女性リーダー候補者の育成、キャリア形成を支援すべく、働く女性応援講座や社内交流会などに取り組んでいます。

 

③エンゲージメント重視戦略

社員が心身ともに充実し、事業への貢献や自身の成長を実感して働くことができる環境を実現する施策に取り組んでいます。

具体的には、2023年度よりエンゲージメントサーベイ、1on1ミーティングを導入し、社員のエンゲージメント状態把握を行っています。全社・各組織の強みや課題を捉え、エンゲージメント向上への取り組みを実施しています。

 

<主な指標・目標>

2025年3月31日現在

個別戦略

指標

2024年度実績

2027年度目標

人材成長戦略

クラウド・インフラ関連の資格取得者数

累計788

中上級レベル資格

累計300名以上

中期的採用/多様な

人材活用戦略

チーフ以上に占める女性労働者の割合

17.0

22.0

中途採用比率(新規採用全体に占める

中途採用者の割合)

40.9

30%を維持

エンゲージメント

重視戦略

エンゲージメントサーベイ結果(全項目(経営・働き方・上司・同僚・やりがい・成長機会・評価など)の回答平均(5段階評価))

3.5

3.6

 

<健康経営・働き方改革への取り組み>

当社グループは、社員の健康を重要な経営資源の一つであると捉え、持続的な発展成長を実現するためには、その主体である社員一人ひとりの健康が不可欠であるとの考えから、2016年7月1日に「AGSグループ健康経営宣言」を制定しました。代表取締役社長を最高責任者とした健康経営推進体制のもと、社員個人の自発的な健康活動に対する積極的な支援や組織的な健康活動を推進することにより、全社的に健康経営に取り組んでいます。また、2024年には、健康経営をより確実に推進するため、課題や目標指標を定めた「健康経営戦略マップ」を策定し、社内外に公表しております。多様な人材が心身ともに充実し、健康でいきいきと活躍できる「最も働きやすく働きがいのある会社」を目指し、健康管理やメンタルヘルス対策、ヘルスリテラシーの向上、エンゲージメントの強化、ワークライフバランスの推進などに取り組んでいます。こうした姿勢や取り組み内容が評価され、2018年度より8年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されています。

3【事業等のリスク】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)当社グループのリスク管理体制について

  当社グループにおいては、グループの事業継続に重大な影響を及ぼす様々なリスクを的確に把握し、その発現を未然に防止するとともに、緊急事態発生時においては経営への被害を最小限に抑え、適切かつ迅速な回復を図るため、当社取締役会において、グループリスク管理規程を制定しております。

  同規程において、リスク管理重視の企業風土の確立に努めること、リスク最小化に向けて最大限に努力すること、過度なリスクテイクは行わないことを取組方針として、各種リスク管理に取り組んでおります。

 

① リスク管理に係る組織

当社グループにおいては、当社がグループ全体のリスク管理体制の整備を行うとともに、グループ各社に対して指導・助言等を行う体制としております。

当社の体制といたしましては、取締役会が、グループリスク管理の基本方針に則り、当社の事業の規模・特性等を踏まえ、リスク管理体制の構築・整備等の重要事項の決議を行い、経営会議が、具体的なリスク管理手続きの制定、リスク管理に係る具体的事項の協議・決定を行うこととしている他、社長を委員長とした「リスク管理委員会」を設置し、同委員会が当社グループ全体のリスクの状況の把握及び管理・運営等についての検討・協議を行っております。

また、企画部担当役員をリスク管理統括責任者、企画部をリスク管理統括部署とし、当社のリスクに係る事項の統括・管理、企画・立案を行う他、リスク管理部署が、各所管するリスクの状況の把握及び管理手続きの策定等、管理・運営等を行っております。

 

② 具体的な活動

上記管理体制のもと、リスク管理部署が対応すべきリスクの抽出、対応策の検討を行い、リスク管理委員会での協議を経て、経営会議での決定により年度ごとのリスク管理計画を策定、計画に沿ったリスク管理を実施しております。リスク管理計画の内容については、取締役会が報告を受けております。

また、年度ごとのリスク管理計画の実施状況については、四半期ごとにリスク管理委員会及び経営会議、取締役会が報告を受け、管理状況の監督を実施しております。

 

 

③ 体制図

当社におけるリスク管理体制図は以下のとおりです。

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(2)主要なリスクについて

  当社グループにおいては、前記の管理体制に基づき、事業等における各種リスクの管理に取り組んでおりますが、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

  当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社グループの株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

  なお、文中における状態に関する事項は、当連結会計年度において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクの全てを網羅しているものではありません。

 

① 顧客情報等漏洩の影響

当社グループは、グループのビジネスにおける大きな柱の一つである「データセンタービジネス」において、IDCサービス、クラウドサービス、アウトソーシングサービス、受託計算などの「情報処理サービス」を中心に、総合的なソリューションサービスを展開しており、こうした業務の遂行において、お客様の情報システムの構築、保守並びに運用を行うにあたり、多くの個人の方やお客様情報を含んだ情報資産をお預かりしております。

こうした事業環境下において、お預かりしている個人情報やお客様情報の漏洩が発生した場合は、お客様からの損害賠償請求への対応はもとより、当社グループの信頼性を大きく毀損し、当社グループの重要な顧客基盤である公共分野における入札への参加や、特に社会からの信用・信頼を重要なものとしている金融分野をはじめ、その後の業務受託の可否という観点から、業績や財政状態に及ぼす影響は極めて大きいものと認識しております。

こうしたことから、当社グループでは、このような情報資産の漏洩、紛失、破壊のリスクを回避するために、様々な対策を講じております。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)適合性評価制度(ISO/IEC27001)やプライバシーマークの認定取得はもとより、情報セキュリティ委員会を設置し、従業員教育、各種ソフトウエアによる監視、情報資産へのアクセス証跡の記録など各種の情報セキュリティ対策を講じることで、個人情報を含む重要な情報資産の管理を実施し、情報漏洩のリスク回避を図っております。

 

② ソフトウエア開発プロジェクト管理及び品質

当社グループのビジネスにおいて、前記のデータセンタービジネスとともに大きな柱としているのが「SIビジネス」であります。ソフトウエア開発はこの「SIビジネス」の中核を占める重要な業務として取り組んでいることから、当社グループが開発したシステムに不備や不具合が発生した場合、あるいは開発段階での大幅な仕様変更による作業工数の増加などの想定外の要因が発生した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、ソフトウエアの品質を管理するため、事業本部から独立した専管部署により、引合いや見積り段階での検証や、プロジェクトの進捗管理、出荷時の品質管理を実施し、品質保証強化はもとより、プロジェクトマネジメントの強化に取り組んでおります。また、当社では、国際標準/デファクト標準のベストプラクティスや動向を考慮した質の高い標準プロセスとなるAGS統合開発標準(INDESTA:INtegrated DEvelopment STandards for Ags)を構築し、品質の向上に取り組んでおります。

 

③ データセンターの業務継続における障害等

当社グループは、お客様のシステム保守・運用を主要業務の一つとしており、IDCサービスでは、24時間365日ノンストップのサービスを提供しております。このデータセンターにおいて、地震や水害などの天災等により業務継続が困難となった場合や、情報セキュリティ事故、設備の不具合、運用ミスが発生した場合に、機会損失やお客様からの損害賠償請求、当社グループの信用失墜等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて2019年12月に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大のようなパンデミック(疫病の蔓延等)リスクについては、社内での感染者の発生や、日本国政府による緊急事態宣言等の法令に基づく外出自粛等に起因し、データセンター業務の継続が困難となった場合に、上記同様の影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、このような業務を行うデータセンターの業務継続リスクや障害リスクを回避するために、同センターをさいたま市内の非常に強固な地盤の上に配置するとともに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)やITサービスマネジメントシステム(ITMS)の適用はもとより、建物の耐震及び免震構造化、自家発電装置による無停電電源の確保や防犯設備を完備するなど、設備環境を整備しております。また、当社グループにおいては、ITを通じて社会インフラの一翼を担っているとの認識のもと、パンデミック発生時に備え、事業継続マネジメント(BCM)の一環として、対策マニュアルを策定しており、発生時にはマニュアルに基づく対策本部の設置や各種感染拡大防止策の実施など、従業員の安全確保と業務継続に向けた対応を行うことでリスク軽減を図っております。

 

④ 特定の販売先への依存

当社グループは、株式会社りそな銀行のシステム関連の子会社であったことから、株式会社りそなホールディングス及び同社の連結子会社(以下、「りそなグループ」という。)に対する売上の割合が高くなっており、2025年3月期の当社グループの連結売上高に占めるりそなグループの割合は、間接取引を含めて30.3%となっております。

りそなグループは、当社グループにとって長期間にわたり安定した取引先でありますが、経営の方針・業績の変化などにより契約が期間満了、更新拒絶、解除その他の理由で終了した場合や当社に不利な形で変更された場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

こうした状況下、当社グループでは、特定の取引先への依存による業績への影響を回避するため、これまで培ってきた得意分野におけるIT技術力と品質の高いサービス、コンサルティングや人材派遣などのグループ力を活かして、新規事業の推進、アライアンスの強化など、積極的な事業展開による新規取引先の拡大を図り、営業基盤再構築の実現に取り組んでおります。

 

⑤ 特定の仕入先への依存

当社グループは、顧客ニーズや用途に応じてハードウエアやソフトウエアの調達先を選定するマルチベンダーであり、特に依存度の高い仕入先はありませんが、仕入先との契約が更新拒絶、解除その他の理由で終了した場合や当社グループに不利な形で変更された場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社といたしましては、今後も、マルチベンダーとして、仕入先各社との良好な関係を維持し、一層の仕入先拡大を図ることでリスク軽減を図ってまいります。

 

⑥ 法的規制等

当社グループの事業は、現状において特殊な法的規制を受けるものではありませんが、ソフトウエアの開発業務等を労働者派遣の形態で受ける場合には、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の適用を受け、当社グループの各社は、同法に基づく労働者派遣事業の許可を得ております。

また、当社グループの情報処理サービス等においては、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の適用を受ける場合があります。さらに、当社は電気通信事業者として届け出ており、電気通信事業法の適用を受けます。

当社グループがその事業運営上必要としている許可等が何らかの理由で取り消されたり、更新されなかった場合、当社グループが適用を受ける法令が改正された場合、あるいは当社グループが新たに法令の適用を受けることとなった場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは「2  沿革」で記載したとおり、各種の認定、認証、登録等を取得しており、これらが当社グループの信用を補完する機能を果たしている面があります。そのため、当社グループが何らかの理由でこれらの認定、認証、登録等を喪失した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、前記のとおり、当社グループは、中核業務である情報処理サービスにおいて、多くの個人情報等をお預かりしており、また、同サービスの遂行やソフトウエア開発において多くの外注先への委託を行っていることから、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)や行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)、下請代金支払遅延等防止法(下請法)などの規制法令の遵守はコンプライアンス及びリスク管理上重要な事項であり、違反が発生した場合には、罰金や行政処分、信用の失墜などにより当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。こうしたことから、上記の各種認証取得に加え、企画部をコンプライアンス及び法務リスク管理の統括部署として明確化し、適切に管理を行う等により、コンプライアンスの徹底、法務リスクの低減を図っております。

 

⑦ 知的財産権等

当社グループは、業務において、新たなビジネスモデルの構築や自社によるソフトウエア開発、他社の開発したソフトウエアの自社での利用や代理店としての販売を行っていることから、予期せず第三者との間で、知的財産権等の帰属や侵害に関する主張や請求を受ける可能性は完全には否定できず、それに伴い当社グループが損害賠償請求や差止請求を受ける可能性があり、かかる場合には当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、企画部を法務リスク管理の統括部署として明確化しており、特許事務所との顧問契約を締結し、緊密な連携を図ることで商標権をはじめとして当社グループの事業に必要な知的財産権の確保に努めるとともに、具体的な業務の遂行にあたり、第三者の知的財産権その他の権利又は利益を侵害しないよう努めており、現状において、かかる知的財産権等に関する紛争はありません。

 

⑧ 景気変動等の影響

ITの社会インフラ化が進む中、現状、基本的に企業のIT投資意欲は旺盛でありますが、国際問題の発生による景気後退や、地震・風水害など天災、疫病等の蔓延による経済活動の一時的な停止など、様々な社会的要因による景気の変動は、こうした顧客のIT投資動向に影響を及ぼします。こうした景気後退や経済活動の停止等により社会的なIT投資抑制等が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、公共分野を顧客基盤の大きな柱の一つとしており、国や地方自治体などのIT戦略及びIT活用方針の変更が、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループにおいては、売上高ベースで、金融分野、公共分野、法人分野がそれぞれほぼ均等で、景気変動等の環境変化に強いバランスのとれたポートフォリオ構成としており、今後もこうしたバランスを意識しつつ業務に取り組んでまいりますが、営業体制の強化による新規顧客の開拓、新たなサービスや社会的課題の解決に向けたサービスの提供による既存顧客を含めた取引拡大・基盤強化に取り組むことで、一層のリスクの軽減を図ってまいります。

 

⑨ 人材の確保

当社グループが属しております情報通信分野においては、技術革新の進展が著しく、システム内容が複雑化する状況において、当社グループの事業展開にあたっては、専門的な知識が豊富で高度なスキルを有する人材を確保することが重要になっております。

しかしながら、こうした優秀な人材を十分に確保することは難しく、人材の確保・育成が計画通りに進まない可能性があります。そのような事態を招いた場合、事業展開に制約を受け、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、こうした状況に対処し、人材の確保のリスクを低減するため、「人事戦略」の基本方針のもと、多様・多才な人材の確保や人材の定着化、人材育成等に取り組んでおります。具体的には、達成目標・KPIを設定のうえ、中期的採用/多様な人材活用戦略に基づく積極的な採用活動や、エンゲージメント重視戦略、人材成長戦略に基づく、健康経営推進、働き方改革、ITスキル向上など個の成長を後押しする各種施策を実施しております。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの状況の概要は次のとおりであります。

 

①  財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、契約資産が1,346百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末比756百万円増加して21,576百万円となりました。

負債合計は、買掛金が325百万円増加の一方、リース債務が396百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末比53百万円減少して6,915百万円となりました。

純資産合計は、剰余金の配当270百万円、自己株式の取得240百万円による減少の一方、親会社株主に帰属する当期純利益1,379百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度末比809百万円増加して14,661百万円となりました。

 

②  経営成績の状況

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、ソフトウエア開発などの増収により、前連結会計年度比2,770百万円増加して24,862百万円となりました。

売上原価は、前連結会計年度比1,958百万円増加して18,698百万円となり、売上総利益は前連結会計年度比811百万円増加し、6,164百万円となりました。

 

(営業利益)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比234百万円増加して4,314百万円、営業利益は前連結会計年度比577百万円増加して1,849百万円となりました。

 

(経常利益)

営業外収益は、前連結会計年度比31百万円増加して99百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比5百万円減少して49百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度比613百万円増加し、1,900百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は、投資有価証券売却益の減少により前連結会計年度比142百万円減少して、2百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度比7百万円減少して、8百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比478百万円増加の1,894百万円、税金費用等控除後の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比443百万円増加し、1,379百万円となりました。

 

③  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ899百万円減少し、5,435百万円(前年同期比14.2%減)となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は、742百万円(同70.4%減)となりました。

増加要因の主なものは、税金等調整前当期純利益1,894百万円、減価償却費1,207百万円などによるものです。また減少要因の主なものは、売上債権の増加2,078百万円などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は、608百万円(同2.2%増)となりました。

これは、有形固定資産の取得による支出356百万円などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は、1,033百万円(同14.2%減)となりました。

これは、リース債務の返済による支出522百万円、配当金の支払270百万円などによるものです。

 

④  生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前連結会計年度比(%)

情報処理サービス                    (千円)

11,982,453

103.3

ソフトウエア開発                    (千円)

7,371,097

132.2

その他情報サービス                  (千円)

2,772,203

103.9

                 合計                (千円)

22,125,754

111.5

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

 

(b)受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

受注高(千円)

前連結会計年度比(%)

受注残高(千円)

前連結会計年度比(%)

情報処理サービス

11,982,518

102.4

1,149,621

100.0

ソフトウエア開発

9,187,119

148.4

3,194,793

234.6

その他情報サービス

3,488,165

108.7

601,230

88.6

システム機器販売

2,174,655

130.0

876,148

132.5

合計

26,832,459

117.8

5,821,793

151.1

(注)1.セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.継続的業務については、各連結会計年度末時点での1ヶ月分の売上見込額を受注残高として計上しております。

 

(c)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前連結会計年度比(%)

情報処理サービス                    (千円)

11,982,453

103.3

ソフトウエア開発                    (千円)

7,354,261

132.0

その他情報サービス                  (千円)

3,565,749

112.2

システム機器販売                    (千円)

1,959,991

112.5

                 合計                (千円)

24,862,456

112.5

(注)1.セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

全国生活協同組合連合会

1,855,562

8.4

2,832,590

11.4

エヌ・ティ・ティ・データ・

ソフィア株式会社

2,709,350

12.3

2,778,426

11.2

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  財政状態

当該事項につきましては、「第2  事業の状況  4  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要  ①  財政状態」に記載のとおりであります。

 

②  経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に足踏みが残るものの、雇用・所得環境が改善するなど緩やかな回復基調となりました。景気の先行きについては、物価上昇の継続による消費者マインドの悪化や、米国の今後の政策動向などにより、依然として不透明な状況が続いております。

当社グループが属します情報サービス産業におきましては、地方公共団体の基幹業務システム標準化推進や、老朽化が懸念される民間企業の基幹システム刷新、さらに官民を問わず、生成AIの活用をはじめとしたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の更なる加速が期待されております。また、組織を標的としたサイバー攻撃による被害が増加しており、自社の防衛策のみならず関係する外部組織も含めたセキュリティ対策の重要性が高まっており、今後も中長期的に市場規模の拡大が継続するものとみられます。

このような経営環境の下、当社グループの第一期中期経営計画の最終年度となる当連結会計年度におきましては、ソフトウエア開発をはじめとする大型案件の確実な遂行、「さいたまiDC」による情報処理サービスやインフラ・セキュリティビジネスの拡大、及びSDGs推進による社会課題の解決に向けたDXソリューションの販売強化等に注力してまいりました。

当連結会計年度の経営成績につきましては、ソフトウエア開発をはじめとする全てのセグメントが堅調に推移したことから、売上高は24,862百万円(前連結会計年度比12.5%増)となりました。

利益面では、売上高の増加及び生産性や利益率の向上などにより、営業利益は1,849百万円(前連結会計年度比45.4%増)、経常利益は1,900百万円(同47.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,379百万円(同47.3%増)となりました。

また、ROEは、当期純利益が増加したことに加え、自己株式の取得及び消却を進めたこと等により、一過性の要因含め9.7%(前連結会計年度比2.8ポイント増)となりました。(一過性を除いたROEは8.9%(前連結会計年度比2.0ポイント増))

次期連結会計年度の業績見通しにつきましては、既に2025年3月期決算短信にて、公表しておりますとおり、売上高においては、一般法人、自治体、及び金融機関向けのソフトウエア開発の大型案件増加などにより増収を見込んでおります。利益面においては、人件費、機械費、及び教育研修費などの増加の影響があるものの、売上高の増加や生産性向上などにより増益を見込んでおります。

(%表示は、対前期増減率)

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する

当期純利益

百万円

百万円

百万円

百万円

26,800

7.8

2,050

10.8

2,090

10.0

1,460

5.8

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、セグメント別の業績に関しては以下のとおりであります。

 

(情報処理サービス)

金融機関向け運用業務の受注増加、及び自治体情報システム標準化対応案件の受注などにより、売上高は11,982百万円(前連結会計年度比3.3%増)となりましたが、データセンターにかかる人件費、機械費、修繕費の増加などにより、セグメント利益は1,924百万円(同0.5%減)となりました。

 

(ソフトウエア開発)

一般法人、自治体、及び金融機関向けの大型案件増加などにより、売上高は7,354百万円(前連結会計年度比32.0%増)、セグメント利益は1,200百万円(同54.3%増)となりました。

 

(その他情報サービス)

自治体、及び金融機関向けパッケージソフト販売の増加や、一般法人向けサーバ更改案件の受注などにより、売上高は3,565百万円(前連結会計年度比12.2%増)、セグメント利益は545百万円(同2.0%増)となりました。

 

(システム機器販売)

一般法人向け機器販売の増加などにより、売上高は1,959百万円(前連結会計年度比12.5%増)、セグメント利益は105百万円(同427.3%増)となりました。

 

セグメント別売上高

セグメント

2024年3月期

(前連結会計年度)

2025年3月期

(当連結会計年度)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

情報処理サービス

11,602

52.5

11,982

48.2

ソフトウエア開発

5,570

25.2

7,354

29.6

その他情報サービス

3,177

14.4

3,565

14.3

システム機器販売

1,741

7.9

1,959

7.9

合    計

22,092

100.0

24,862

100.0

 

③  キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2  事業の状況  4  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要  ③  キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。現在、金融機関からの借入は行っておらず、設備投資等の調達につきましては、自己資金の利用及びリースの活用を原則としております。

なお、当連結会計年度末におけるリース債務は1,654百万円、現金及び現金同等物の残高は5,435百万円となっております。

 

④  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計基準は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内において期末日における資産及び負債の残高、収益及び費用等に影響を与える仮定や見積りを必要としております。これらの見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる合理的見積りを行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。

 

⑤  経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当連結会計年度における目標とした業績予想に対する実績の状況は、以下のとおりです。

 

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する当期純利益

1株当たり当期純利益

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(円)

2025年3月期連結業績予想

(2025年1月29日公表)

24,500

1,800

1,840

1,220

72.28

2025年3月期連結実績

24,862

1,849

1,900

1,379

81.89

増減

362

49

60

159

9.61

増減率(%)

1.5%

2.8%

3.3%

13.1%

 

5【重要な契約等】

締結年月日

契約の名称

相手先

有効期限

契約の概要

1999年12月15日

富士通パートナー契約

富士通株式会社

契約締結日より1年間とし、その後1年ごとの自動更新

富士通製品・サービスなどの継続的な販売活動を行うための契約

2012年4月1日

取引基本契約

富士通Japan株式会社

契約締結日より1年間とし、その後1年ごとの自動更新

富士通製品・サービスなどの継続的な販売活動を行うための契約

 

 

6【研究開発活動】

  当社グループにおいて研究開発活動は、市場動向及び顧客のニーズに対応した商品企画・開発に該当するもの、品質・生産性の向上に資するものであることを基本方針として、金融・公共・法人の幅広い分野で培ったノウハウを、商品及びサービスへ反映することに主眼をおいております。

  当社においては、事業推進本部内に設置するデジタルイノベーション推進部及びシステム統括部にて、新技術、先端技術の利用のための調査研究、実用化支援、新サービスの企画・開発等を行っております。

  また、事業推進本部内に設置するIT基盤・セキュリティビジネス部、クラウドビジネス推進部、営業統括部、並びに他の事業本部の企画部門にて、新サービスの企画・開発等を行っております。
  当連結会計年度における主な研究開発活動は以下のとおりであります。

 

事業推進本部

死活監視サービス「クローリングアシスタント」の新規構築

さいたまiDC「マルチアクセスサービス」の新規構築

さいたまiDC「プロテクトバックアップサービス」の企画

企業・団体向け生成AIサービス「AI-Zanmai(エーアイザンマイ)」の新規構築

 

  なお、上記の研究開発に係る費用は、販売費及び一般管理費又は、売上原価として処理されております。