第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

第1四半期累計期間において、従来、連結子会社であった株式会社AskAtについて当社が実質支配する状況が解消されたため、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「(9)その他 ④ 子会社の設立について」は消滅しております。

なお、上記以外に、当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期会計期間において、新たに締結した重要な契約及び契約期間満了により終了した契約は、ありません。

 

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

なお、前第3四半期累計期間は四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っておりません。

 

(1)業績の状況

当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、昨年夏より景気回復局面で推移しておりましたが、チャイナクラッシュへの不安感から金融市場は一時混乱したほか、中国経済の景気減速も顕著となってきたため、我が国経済の先行きにも少なからず影響があるものと予想されております。

わが国の製薬業界を取り巻く環境は、市場のグローバル化や異業種からの参入や再編、企業間競争の激化のほか、政府による後発医薬品使用促進による医療費抑制策など、より厳しい経営環境となっております。一方、創薬研究開発分野におきましては、本年4月に独立行政法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development、略称「AMED」。)が設立され、国家プロジェクトによる創薬支援体制が構築されております。現在AMEDにおいては、今年度の創薬基盤推進研究事業として「産学官共同創薬研究プロジェクト」の開始が予定されており、創薬研究開発事業への支援体制が着実に進展しております。

このような環境下において、当社は医薬品開発化合物の継続的な創出、研究開発ポートフォリオの拡充及びそれら開発化合物の導出を目指して研究開発活動及び営業活動に取り組んでまいりました。

事業面では、旭化成ファーマ株式会社との創薬研究に関する共同研究により研究協力金収入を得たほか、CJヘルスケア株式会社(本社:韓国ソウル市)に導出中のアシッドポンプ拮抗薬は、韓国において開始された第Ⅲ相臨床試験が順調に進んでおります。Meiji Seika ファルマ株式会社に導出した第二世代(非定型)統合失調症治療薬ジプラシドンは、日本における第Ⅲ相臨床試験が順調に進んでおります。Aratana Therapeutics Inc.(本社:米国カンザスシティ)に導出したグレリン受容体作動薬は、動物薬臨床試験の最終段階においても良好な結果が得られており、2016年中の承認申請及び販売開始を目指した取り組みが進んでおります。

昨年7月より実施していたアシッドポンプ拮抗薬の日本における第Ⅰ相臨床試験は本年8月に終了し、胃食道逆流症治療の既存薬と比べて速やかに胃酸分泌抑制効果があることが確認されました。韓国でのアシッドポンプ拮抗薬の第Ⅲ相臨床試験と併せ、製品化に向けた取り組みを進める予定であります。また本年7月には、下痢型過敏性腸症候群(IBS)を適応症として開発中の5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)の第Ⅰ相臨床試験を英国において開始し、安全性、忍容性及び薬物動態を健康成人男性において評価するとともに、食事及び性差がそれらに与える影響を検討しております。なお、POC(Proof of Concept, 開発コンセプトの妥当性の傍証)は上記試験の終了後に実施する予定であります。

産学連携面では、本年2月に国立大学法人名古屋大学(以下、「名古屋大学」)との間で新たに締結した産学協同研究講座「薬剤科学・分析化学講座」と「新薬創成化学講座」の設置に関する契約に従い、本年8月にこれまで愛知県知多郡武豊町で研究活動を行っておりました当社の化学研究部が名古屋大学東山キャンパス内へ移転いたしました。これにより、名古屋大学との産学連携による創薬研究活動がより一層本格化することとなりました。

本年8月には名古屋大学との産学連携による創薬研究活動を事業化するスキームが、経済産業省による「平成27年度商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)」に採択され、産学官共同による創薬研究活動に対する支援と成果が期待されます。

 

以上の結果、当第3四半期累計期間の業績は、事業収益58百万円、営業損失1,518百万円、経常損失1,467百万円、四半期純損失1,493百万円となりました。なお、事業費用の総額は1,576百万円であり、そのうち研究開発費は1,031百万円、その他の販売費及び一般管理費は545百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ262百万円減少し、1,728百万円となりました。

当第3四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、1,766百万円となりました。これは主に、税引前四半期純損失1,487百万円を計上したことによるほか、前渡金の増加76百万円及び前払費用の増加80百万円及び未払金の減少額61百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により獲得した資金は、697百万円となりました。これは主に、有価証券の償還による収入1,357百万円及び有価証券の取得による支出620百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により調達した資金は、819百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入803百万円であります

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当社の研究開発活動における当第3四半期累計期間の研究開発費は、1,031百万円となりました。また、当第3四半期累計期間における主な研究開発の概況は、以下のとおりであります。

 

(探索段階)

炎症性疼痛及び神経因性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトでは、見出された化合物の適切な投与方法の検討を継続して実施いたしました。

神経因性疼痛を主たる適応症としたTRPM8遮断薬のプロジェクトでは、開発候補化合物の特性評価を継続して実施いたしました。

 

製薬企業等との共同研究について、以下のとおり実施しております。

会社名

開始月

内容

味の素製薬株式会社

平成24年10月

消化器領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

インタープロテイン株式会社

平成25年2月

疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究

旭化成ファーマ株式会社

平成27年4月

特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

(注)1.カルナバイオサイエンス株式会社と平成25年3月から実施しておりました「特定のキナーゼを標的とした創薬研究」は平成27年7月に終了いたしましたが、今後も引き続き相互に新規標的に対する共同研究の可能性を模索することとなりました。

(注)2.旭化成ファーマ株式会社と平成27年4月から実施しております「特定のイオンチャネルを標的とした共同研究」は、契約期間の終了時期を平成27年9月から平成28年3月に延長いたしました。

 

(前臨床開発段階)

① グレリン受容体作動薬(RQ-00433412)

癌に伴う食欲不振を主たる適応症とした本化合物については、特性評価を完了しており、次のステージである前臨床開発試験の実施について現在検討を進めております。

② モチリン受容体作動薬(RQ-00201894)

消化管運動障害を適応症として開発中の本化合物については、第Ⅰ相臨床試験実施に必要な前臨床試験(in vivo薬効薬理試験、薬物動態試験、毒性試験(GLP基準)、安全性薬理試験(GLP基準))が終了いたしました。これまでに得られた成績からは、更なる開発に問題となるような知見は認められておりません。

 

(臨床開発段階)

① 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)

機能性胃腸障害(FGID)を適応症として開発中の本化合物については、Virginia Commonwealth University(VCU)での医師主導治験実施を目的として既にFDA(アメリカ食品医薬品局)からのIND承認を取得しております。現在、VCUにて試験実施のための資金獲得が進められており、VCUへのサイエンス面からのサポートを継続しております。

② アシッドポンプ拮抗薬(RQ-00000004)

胃食道逆流症(GERD)を適応症として米国及び韓国で開発中の本開発化合物については、日本での臨床開発も進めるべく日本国内での第Ⅰ相臨床試験を実施し、治験総括報告書が完成しました。なお、韓国において第Ⅲ相試験が現在進行しております。

③ 5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)

下痢型過敏性腸症候群(D-IBS)を適応症として開発中の本化合物については、前臨床試験(in vivo薬効薬理試験、薬物動態試験、毒性試験(GLP基準)、安全性薬理試験(GLP基準))の結果を評価し、臨床ステージに進めることが可能と判断いたしました。健康成人並びに患者への本化合物を初めて投与する第Ⅰ相臨床試験を本年7月より英国で開始いたしました。