第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、英国の欧州連合離脱や中国・アジア新興国を中心に設備投資が減速するなど世界的な景気減速を受けた円高ドル安による影響が顕在化し始める一方、公共投資による官公需や住宅設備投資の上振れにより景気は一部で持ち直しの動きが出てきました。

製薬業界におきましては、厚生労働省より後発医薬品(ジェネリック)の数量ベースでのシェアを平成32年度末までに80%以上とする目標設定がなされるなど、高齢化社会に向けた医療費抑制策が進められております。平成28年度の薬価基準改定では、薬価ベースで6.47%と大幅に薬価が引き下げられ、製薬業界は厳しい事業環境に直面しております。このため製薬各社におきましては、医薬品の開発候補化合物の厳選化を一層進めており、当社のような創薬ベンチャー企業のライセンス活動におきましても少なからず影響が生じております。

このような環境下において、当社は医薬品開発化合物の継続的な創出、研究開発ポートフォリオの拡充及びそれら開発化合物の導出を目指し、研究開発活動及び営業活動に取り組んでまいりました。

事業面では、米国ヴァージニア・コモンウェルス大学 パーキンソン病・運動障害疾患センター(Virginia Commonwealth University, Parkinson's and Movement Disorders Center、以下「VCU」)による、当社5-HT4部分作動薬(化合物コード:RQ-00000010、以下「RQ-10」)の医師主導治験において、パーキンソン病患者への投薬が開始されました。また、神経障害性疼痛を主たる適応症として進めてきたTRPM8遮断薬のプロジェクトでは、開発候補化合物(化合物コード:RQ-00434739)の特性評価を完了し、平成28年9月の取締役会において前臨床段階への移行を承認いたしました。

産学連携面では、新たに岐阜薬科大学生体機能解析学大講座薬効解析学研究室(原英彰教授兼副学長)との網膜疾患治療薬に関する共同研究、及び名古屋大学環境医学研究所分子代謝医学分野(菅波孝祥教授)と、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)治療薬に関する共同研究について契約を締結しました。

 

以上の結果、当第3四半期累計期間の業績は、事業収益638百万円(前年同四半期は事業収益58百万円)、営業損失475百万円(前年同四半期は営業損失1,518百万円)、経常損失542百万円(前年同四半期は経常損失1,467百万円)、四半期純損失548百万円(前年同四半期は四半期純損失1,493百万円)となりました。なお、事業費用の総額は1,114百万円(前年同四半期比29.3%減)となりました。その内訳は、支払ロイヤルティ117百万円を事業原価に計上したほか、研究開発費593百万円(前年同四半期比42.5%減)、その他の販売費及び一般管理費403百万円(前年同四半期比26.1%減)であります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ960百万円減少し、1,282百万円(前年同四半期は1,728百万円)となりました。

当第3四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、410百万円(前年同四半期は1,766百万円の使用)となりました。これは主に、税引前四半期純損失544百万円を計上したことによるほか、売上債権の減少72百万円及び前払費用の増加53百万円のほか、仕入債務の増加68百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、470百万円(前年同四半期は697百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出376百万円及び定期預金の預入による支出323百万円のほか、有価証券の償還による収入300百万円によるものであります。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増減はありません

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当社の研究開発活動における当第3四半期累計期間の研究開発費は、593百万円(前年同四半期比42.5%減)となりました。また、当第3四半期累計期間における主な研究開発の概況は、以下のとおりであります。

 

① 自社の研究開発及び共同研究

(探索段階)

炎症性疼痛及び神経障害性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトでは、見出された化合物の適切な投与方法の検討を継続して実施しました。さらに新規リード化合物探索を実施し、複数の候補化合物を見出しました。

神経障害性疼痛を主たる適応症としたTRPM8遮断薬のプロジェクトでは、開発候補化合物(RQ-00434739)の特性評価を完了し、平成28年9月の取締役会において前臨床段階への移行を承認いたしました。

 

製薬企業等との共同研究については以下のとおり実施しております。

会社名

開始月

内容

EAファーマ株式会社(注)

平成24年10月

消化器領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

インタープロテイン株式会社

平成25年2月

疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究

XuanZhu Pharma Co., Ltd.

平成27年12月

疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

旭化成ファーマ株式会社

平成28年1月

疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

(注)平成28年4月1日付で味の素製薬株式会社はエーザイ株式会社の消化器疾患領域事業を統合し、味の素製薬株式会社を承継会社とする新統合会社EAファーマ株式会社となりました

 

(前臨床開発段階)

(a) グレリン受容体作動薬(RQ-00433412)

食欲不振・癌性悪液質を目標適応症として開発中の本化合物は、特性評価を完了し、次段階である前臨床開発試験に進むにあたって問題となる所見は認められておりません

(b) モチリン受容体作動薬(RQ-00201894)

消化管運動障害を目標適応症として開発中の本化合物は、第Ⅰ相臨床試験実施に必要な前臨床試験(in vivo薬効薬理試験、薬物動態試験、毒性試験(GLP基準)、安全性薬理試験(GLP基準))が終了いたしました。現時点で次の臨床開発段階に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

 

(臨床開発段階)

(a) 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)

機能性胃腸障害(FGID)を目標適応症として開発中の本化合物は、VCUでの医師主導治験のIND承認をアメリカ食品医薬品局(FDA)から取得しており、また、マイケル・J・フォックス財団からの当該医師主導治験への助成金授与が決定し、VCUでは平成28年8月から試験が開始されました。

(b) カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、テゴプラザン)

胃食道逆流症(GERD)を目標適応症として開発中の本化合物は、米国に引き続き、日本での第Ⅰ相臨床試験を終了しています。開発が進んでいる韓国の臨床試験データも活用して、導出に向けて引き続き協議を進めてまいります。

 

 

(c) 5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)

下痢型過敏性腸症候群(D-IBS)を目標適応症として開発中の本化合物は、本化合物を初めてヒトに投与する第Ⅰ相臨床試験(健康成人及び患者を対象)を平成27年7月に英国で開始し、現在継続実施中であります。

(d) 抗MRSA抗菌剤(ダルババンシン)

現在、日本での導出に向けて協議を進めております。なお本剤は、米国において急性細菌性皮膚および皮膚組織感染症(ABSSSI)治療薬としてDALVANCETMの商標で上市され、欧州においては平成27年3月にXYDALBATMの商標で販売承認を得ております。

 

② 導出先の開発状況

(a) カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、テゴプラザン)

胃食道逆流症(GERD)を主目標適応症としてCJヘルスケア社(韓国)で開発中の本化合物は、韓国において第Ⅲ相臨床試験を実施中であり、中国での開発も準備が進められております。

(b) セロトニン5-HT2AおよびドパミンD2受容体遮断薬(ジプラシドン)

統合失調症治療薬としてMeiji Seikaファルマ社で開発中の本化合物は、日本において第Ⅲ相臨床試験を実施中です。本剤は、米国ファイザー社によって既に83ヶ国で販売されており、米国の治療ガイドラインには第一選択薬として収載されています。

(c) EP4拮抗薬(Galliprant®、 RQ-00000007、 AT-001、グラピプラント、動物薬)

ペットの疼痛治療薬として導出先であるAratana Therapeutics Inc.(本社:米国カンザス州、以下「アラタナ社(米国)」)にて開発を行った本化合物は、米国におけるイヌを対象とした臨床試験での良好な成績をもってFDAの製造販売承認を得ました。現在、アラタナ社及びエランコ社(イーライリリー社アニマルヘルス事業部)により平成28年秋の発売開始に向けた準備が進められております。欧州では欧州医薬品庁(EMA)に販売承認申請中で、平成29年の許可取得を見込んでおります

(d) グレリン受容体作動薬(Entyce®、 RQ-00000005、AT-002、カプロモレリン、動物薬)

ペットの食欲不振治療薬としてアラタナ社(米国)で開発中の本化合物は、イヌを対象とした臨床試験での良好な成績をもってFDAの製造販売承認を得ました。平成29年2月の北米獣医学会にあわせた販売開始に向けて、準備が進められております。

(e) EP4拮抗薬(RQ-00000007、 AAT-007、グラピプラント)

AskAt社(日本)のライセンス先で現在、臨床試験実施のための準備が進められております

(f) シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬(RQ-00317076、AAT-076)

AskAt社(日本)のライセンス先で現在、臨床試験実施のための準備が進められております