第2【事業の状況】

「(*)」を付している用語については、「第一部 企業情報 第1 企業の概況」の末尾に用語解説を設け、説明しております。なお、当社は、単一セグメントであるため、セグメントの情報は記載しておりません。

 

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度におけるわが国経済は、景気回復局面で推移しておりましたが、年末にかけては円安効果が一巡したことに加え、チャイナクラッシュの顕在化や原油などのコモディティ市場の下落などにより、我が国経済の先行きは厳しい状況になるものと予想されております。

わが国の製薬業界を取り巻く環境は、市場のグローバル化や企業間競争の激化が進み、国内では政府による後発医薬品使用促進による医療費抑制策などにより一層厳しい経営環境となっており、国内外でM&Aによる業界の再編が活発化してきております。一方、創薬研究開発分野におきましては、4月に独立行政法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development、略称「AMED」。)が設立され、国家プロジェクトによる創薬事業への支援体制が整ってまいりました。

このような環境下において、当社は医薬品開発化合物の継続的な創出、研究開発ポートフォリオの拡充、及びそれら開発化合物の導出を目指して研究開発活動並びに営業活動に取り組んでまいりました。

事業面では、旭化成ファーマ株式会社との創薬研究に関する共同研究により研究協力金を得たほか、新たに中国のXuanZhu Pharma Co.,Ltd.(本社:中国山東省)との間で、新しい鎮痛薬の創出を目指した特定のイオンチャネルについての共同研究契約を締結いたしました。

臨床試験の状況につきましては、CJヘルスケア株式会社(本社:韓国ソウル市、以下、「CJ社(韓国)」)に導出中のアシッドポンプ拮抗薬が、4月より韓国で第Ⅲ相臨床試験が開始され、試験が順調に進んでおります。Meiji Seika ファルマ株式会社(以下、「Meiji Seika ファルマ」)に導出した第二世代(非定型)統合失調症治療薬ジプラシドンが、日本で第Ⅲ相臨床試験が開始され、試験が順調に進んでおります。Aratana Therapeutics Inc.(本社:米国カンザス州、以下、「アラタナ社(米国)」)に導出したEP4拮抗薬は、必要な試験が終了しており、平成28年中の承認申請及び発売開始に向けての準備が進んでおります。また、グレリン受容体作動薬につきましても、動物薬臨床試験の最終段階において良好な結果が得られており、平成28年中の承認申請及び発売開始を目指して取り組みが進んでおります。

平成26年より当社が日本国内で実施しておりましたアシッドポンプ拮抗薬の第Ⅰ相臨床試験は8月に終了し、胃食道逆流症治療の既存薬と比べて速やかに胃酸分泌抑制効果があることが確認されました。アシッドポンプ拮抗薬は、前述のように韓国において第Ⅲ相臨床試験が順調に進んでおりますが、日本国内におきましても、引き続き製品化に向けた取り組みを進めてまいります。このほか、下痢型過敏性腸症候群(IBS)を適応症として開発中の5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)は、7月より英国で第Ⅰ相臨床試験を開始いたしました。

産学連携面では、国立大学法人名古屋大学(以下、「名古屋大学」)との間で新たに産学協同研究講座「薬剤科学・分析化学講座」と「新薬創成化学講座」を設置し、これまで愛知県知多郡武豊町で研究活動を行っておりました当社の化学研究部を、8月に名古屋大学東山キャンパス内に移しました。今後、名古屋大学との産学連携による創薬研究活動をより一層深化させてまいります。

また平成27年7月に、経済産業省中部経済産業局「平成27年度第1回異分野連携新事業分野開拓計画(新連携計画)」の認定を取得し、平成27年8月に同省同局「平成27年度商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)」に採択され、初年度3,000万円を上限として補助対象経費の2/3以内、2年度目は原則として初年度の補助金交付決定額と同額を上限に補助を受ける予定です。

 

以上の結果、当事業年度の業績は、事業収益145百万円、営業損失1,864百万円、経常損失1,795百万円、当期純損失1,854百万円となりました。なお、事業費用の総額は2,010百万円であり、そのうち研究開発費は1,302百万円、その他の販売費及び一般管理費は707百万円となりました。

また、当事業年度におきましては、投資有価証券売却益65百万円、事業所移転費用43百万円及び希望退職に伴う特別退職金69百万円を計上しております。

 

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ251百万円増加し、2,243百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、2,116百万円となりました。これは主に、研究開発費等の事業費用2,010百万円及び移転費用の支払額43百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により獲得した資金は、665百万円となりました。これは主に、保有する有価証券の償還による収入1,557百万円及び有価証券の取得による支出620百万円、並びに有形固定資産の取得による支出195百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により調達した資金は、1,701百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入1,686百万円によるものであります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

(2)受注実績

当社は研究開発を主体としており、受注生産を行っておりませんので、受注実績は記載しておりません。

 

(3)販売実績

当事業年度の販売実績は、以下のとおりであります。

 

事業年度

(自 平成27年1月1日

  至 平成27年12月31日)

前年同期比(%)

事業収益 合計      (千円)

145,500

94.5

 

(注)1.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、それぞれ以下のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成26年1月1日

  至 平成26年12月31日)

当事業年度

(自 平成27年1月1日

  至 平成27年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

旭化成ファーマ株式会社

97,500

63.4

99,000

68.0

味の素製薬株式会社

33,333

21.7

CJヘルスケア株式会社

20,000

13.0

20,000

13.7

XuanZhu Pharma Co., Ltd.

20,000

13.7

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【対処すべき課題】

当社は、中長期的な研究成果の収益化を目指して、以下の点を主要な経営課題として取り組んでまいります。

(1)研究開発ポートフォリオの強化

創薬ベンチャー企業として企業価値を高めていくためには、新規性の高い開発化合物を継続的に創出し、研究開発ポートフォリオを強化していく必要があります。当社は、以下の方策を採ってまいります。

・独自の評価系及びデータベース等を活用して、開発化合物の早期創出を目指してまいります。

・既存の研究開発ポートフォリオの新規適応症を拡大するプロジェクトに取り組んでまいります。

・当社の技術・ノウハウを積極的に活用できるイオンチャネル創薬プロジェクトについては、他社との共同研究も積極的に進め、開発化合物の早期創出を目指します。

・産学官連携による共同研究を推進し、最先端の創薬研究に基づく開発化合物の増加を目指してまいります。

 

(2)リソースの選択と集中による各プロジェクトの価値向上

当社は、保有する開発化合物の研究開発について、資金や人的リソースを効率的に活用して研究開発を進めるために開発化合物のステータスに応じて以下の方策を採ってまいります。

・導出準備プログラム        当社が強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラム

・導出済プログラム          第Ⅱ~Ⅲ相臨床試験を中心に導出先が主軸となって進める臨床開発について当社がサポートをメインに行うプログラム

・共同研究プログラム        探索ステージを基本に当社と製薬会社、双方が持つ強みを持ち寄り革新的な開発化合物の創出を目指す共同研究プログラム

 

(3)導出活動とアライアンスマネジメントの強化

当社は、開発化合物の製品上市を実現するために以下の方策を採ってまいります。

・当社が有する探索段階から第Ⅰ相臨床試験のステージにある開発化合物を製品上市するためには、臨床開発を実施しなければなりませんが、開発を推進し、リスクを最小化するためには、パートナーとなる製薬会社と提携し、導出を行う必要があります。現在、当社はこれを最重要課題として様々なチャネルを通して導出活動に取り組んでおります。

・導出後は、一日も早い製品上市を目指して、導出先企業へのデータ提供や定期的なコミュニケーションを図ることで開発の推進を積極的に支援してまいります。

 

(4)経営基盤の強化と企業価値の向上

当社のような創薬ベンチャー企業は、製品が上市するまでの間、長期に亘って研究開発費の先行投資が続きます。当社においても第1期事業年度から第8期事業年度に至るまで、継続的な営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスが生じており、今後もこの傾向が続くものと予想されますが、経営基盤を強化し、企業価値の向上を目指すためには資金調達と革新的な開発化合物の創出が必須のものであります。この現状を踏まえて、当社は以下の方策を採ってまいります。

・研究開発推進のための資金調達

平成27年9月に、研究開発推進を目的とした行使価額修正条項付き第11回新株予約権を発行しました。引き続き安定収入獲得まで必要に応じて適切な時期に適切な調達方法を検討し、資金調達に取り組んでまいります。

・産学官連携スキームによる新規性の高い開発化合物の創出

医薬品開発先進国である米国では、新たに上市される医薬品の約6割がアカデミアや創薬ベンチャー企業発と言われております。我が国においてもアカデミアや創薬ベンチャー企業からの創薬が進む中、当社は平成26年度から名古屋大学に産学協同研究部門を設置し、アカデミアにおける最先端の創薬研究から革新的な開発化合物の創出に取り組んでおります。

また平成27年7月に、経済産業省中部経済産業局「平成27年度第1回異分野連携新事業分野開拓計画(新連携計画)」の認定を取得し、平成27年8月に同省同局「平成27年度商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)」に採択され、初年度3,000万円を上限として補助対象経費の2/3以内、2年度目は原則として初年度の補助金交付決定額と同額を上限に補助を受ける予定です。

 

(5)財務体質の健全化

税負担の軽減や現在生じている繰越利益剰余金の欠損額を補填し財務体質の健全化を図るため、平成28年2月12日開催の取締役会において、平成28年3月30日開催予定の第8期定時株主総会に、「資本金の額の減少の件」及び「資本準備金の額の減少の件」を上程することを決議し、第8期定時株主総会で承認を受けました。

 

(6)薬事関連法規制を遵守する体制の更なる充実

医薬品の研究開発は、各国の薬事規制当局の基準に従い、有効性・安全性及び品質が確立された医薬品を創出する必要があります。当社は、設立直後からこれらの基準を遵守する体制の構築を強く意識し、SOP(研究開発に関する標準手順書)の作成・改定やこれらの基準に関する社員教育を実施し、事業活動を行ってまいりました。今後も、上述の基準について常に最新の情報を収集するとともに、遵守体制の更なる強化に努めてまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しないと思われる事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。

なお、文中の将来に関する事項は当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業の内容について

① 医薬品の研究開発について

一般的に医薬品の研究開発は探索研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、巨額の研究開発費用が必要とされる一方、成功確率は他産業に比して極めて低いものとされています。当社の現在及び将来における事業活動においても、これらのリスクは付随しております。当社及び導出先、共同研究先での研究開発過程においてこれらのリスクに伴う問題が生じた場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 薬事規制について

当社が属する医薬品業界は、研究開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法その他関係法令や規則、及びそれに関わる行政指導により、様々な規制を受けております。

品質、有効性および安全性に関する十分なデータが得られず、医薬品としての有用性を示すことができない場合には、当初計画した条件での導出、もしくは導出そのものが困難になる可能性があります。これは他社に導出した開発品に関しても同様であり、承認が計画どおり取得できず上市が困難になる可能性があります。これらの事態が生じた場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術革新について

当社が事業を展開する医薬品分野は、技術革新が著しいものと考えられます。当業界における急激な研究の進歩等により、医薬品の研究開発に有効と考えられる技術等への当社の対応に支障が生じた場合には、事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、事業に必要となる最先端の技術を導入するためには、多額な費用・投資及び時間を要する可能性もあり、これにより当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 競合について

当社は、疼痛疾患及び消化管疾患を重点領域として医薬品の研究開発を行っておりますが、これらの領域においては、多くの製薬会社や創薬ベンチャー企業等による研究開発活動が行われており、当社の研究開発との間に競合関係が生じております。競合品の存在やその研究開発の進捗等が当社の開発化合物の導出等に影響を及ぼし、当社の事業戦略、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 製薬会社等への導出等による収益獲得について

一般的に、製薬会社等において共同研究の実施や開発化合物の導入に際しては、(a)重点領域、既存医薬品、開発化合物の状況及び研究開発予算等を踏まえた自社の戦略との合致、(b)開発化合物の安全性や有効性に関する科学的検証及び評価、(c)想定される収益、費用及びリスク等の費用対効果等を総合的に判断して決定されるものであり、その評価・判断は個々の製薬会社等により異なります。

当社が契約締結を企図するプロジェクトや開発化合物が製薬会社等における上述の各要素を充足する保証はなく、契約締結に結び付かない、又は契約条件が当社の想定と大きく異なる等の可能性があり、これにより当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥ 為替リスクについて

当社の事業は、全世界の製薬会社等を対象としており、事業収益及び事業費用における海外企業の構成比率が高くなる可能性があります。為替変動が生じた場合には、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)社内体制について

① 特定の人材への依存について

当社の事業活動は、現在の代表取締役以下各部門の責任者や構成員に大きく依存しております。当社では、このため常に優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、計画通りに行えない場合は、当社の業務運営、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報管理体制について

当社事業において、研究開発における技術及び知見等は極めて重要性の高いものであり、導出先である製薬会社等と共有する情報等は高い機密性を保持することが要請されます。当社は、機密情報の漏洩リスクを低減するため、情報管理体制の強化に努めておりますが、これら重要な機密情報の漏洩等が生じた場合には、当社の事業に著しい不利益が生じる可能性があることに加え、当社に対する信頼性低下等により、当社の事業戦略、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)知的財産権について

① 当社の保有する知的財産権について

特許は出願及び取得した場合においても出願した全てが成立する保証はなく、また特許出願によっても当社の権利を確実に保全できる保証はありません。

当社が所有又は使用許諾を受けた知的所有権に優位する知的財産権が第三者によって生み出される可能性や、第三者の知的所有権の侵害に基づく将来の係争を完全に回避することは困難であり、こうした結果、当社の事業戦略、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、日本その他の国の特許関連法規、或いは各国当局の解釈により、競合他社、或いはその他の組織が当社に補償等を行うことなく技術を使用し、医薬品等の開発及び販売を行うことができる可能性があります。

 

② 職務発明に係る社内対応について

平成17年4月1日から施行された特許法の改正に伴い、当社では、代表取締役、執行役員及び従業員が協議の上、取締役会決議により「知的財産権管理規程」を作成し、運用しております。しかしながら、将来、発明者の認定及び職務発明の対価の相当性につき、係争が発生した場合には、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 事業における事故やトラブル等のリスクについて

① 当社の臨床開発における健康被害について

当社は、研究開発活動において、開発化合物の有効性及び安全性を評価するため、前臨床試験を実施した上でヒトでの初期の臨床試験を実施しております。被験者において重大な健康被害が発生した場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 研究施設における事故等について

当社は、研究開発活動において、各種化学物質、特に危険物質を取り扱っております。何らかの要因により火災や爆発事故又は環境汚染事故等が発生した場合には、重大な損失を招くリスクがあり、当社の事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 自然災害等のリスクについて

当社が本拠地とする中部地域において、地震(東南海地震含む)、津波又は台風等の自然災害や大規模な事故、火災、テロ等により、当社設備の損壊や各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生した場合には、事業活動に停滞が生じ、当社の事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

④ 訴訟の可能性について

当社は、事業を展開する上で、当社の瑕疵又は責任の有無に拘わらず、第三者の権利又は利益を侵害した場合には、損害賠償等の訴訟を提起される可能性があります。また、取引関係や労使関係その他において何らかのトラブルが生じた場合、訴訟等に発展する可能性があります。さらに、業務委託先においてコンプライアンス違反が発生した場合、発注元である当社に対しても責任が問われる可能性があります。その結果として、金銭的負担の発生や当社に対する信頼性低下等により、当社の事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(5) 経営上の重要な契約について

当社の経営上の重要な契約について、将来、期間満了、解除、中断、延期等が生じた場合には、当社の事業戦略、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 経営成績及び財政状態について

① 今後における損失計上の見通しについて

当社は、引き続き多額の研究開発費を先行投資する必要があることから、当面は損失の計上を想定しております。販売計画や研究開発計画が当社の想定どおりに進捗しなかった場合は、想定以上に損失計上が継続する可能性があり、その状況によっては当社の事業継続が困難となる可能性があります。

 

② 事業資金の確保について

当社は、研究開発活動の推進等に伴い、第1期から第8期に至るまで、営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスが継続しており、今後も事業活動の進捗に伴って、研究開発投資、運転資金及び設備投資等の資金需要が予想されます。適時適切な資金調達ができなかった場合、当社の事業継続が困難となる可能性があります。また増資による資金調達を実施する場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

③ 税務上の繰越欠損金について

当社は、過年度の損失計上により税務上の繰越欠損金を有しております。これにより、将来において利益計上に至った場合でも、当該繰越欠損金が解消されるまでは法人税等の税負担は概ね発生しないと予想されます。但し、将来において当該繰越欠損金が解消又は失効した場合には、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、その場合には当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

(7) ファイザーグループについて

① ファイザーグループの当社株式の保有及び経営関与に係る方針について

当社はファイザー株式会社(以下、「日本ファイザー社」という。)旧中央研究所を前身としており、旧中央研究所閉鎖に起因する当社独立時に、ファイザーグループより支援の一環として出資を受けており、当事業年度末現在、日本ファイザー社は、当社株式の7.91%(潜在株式を除く)を保有しており、同社の当社株式の保有目的は純投資となっております。なお、ファイザーグループと当社間では、役員受入や人員出向等の関係はなく、同社グループが当社経営に関与する意向はないものと認識しております。

しかし、ファイザーグループの経営方針や事業戦略等に変更が生じた場合には、当社の事業戦略、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 取引関係について

当社は、事業の開始に際して、米国ファイザー社から知的財産権を譲り受けており、その後も契約では定められていない詳細な権利調整等については、今後協議を行う可能性があります。

また今後、同社グループに対して当社の開発化合物を導出する可能性もありますが、他の導出先企業と同様の取引を想定しております。

 

 

③ 契約について

当社は、現在、米国ファイザー社との間で当社の事業展開上、重要と考えられる契約を締結しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合又は当社にとって不利な改定が行われた場合には、当社の事業戦略、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)名古屋大学について

当社は、名古屋大学との間で締結した産学協同研究部門設置契約に基づき、研究拠点を名古屋大学内に置いておりますが、契約の満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合、又は当該契約の更新に際し改定が行われた場合には、当社の事業戦略、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) その他

① 新株予約権について

当社は、従業員に対するインセンティブ・プランとしてストック・オプション制度を採用しております。今後、これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後ストック・オプションを付与する際に費用が計上されることにより、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策について

当社は設立以来、当期純損失を計上しており、今後も引き続き研究開発活動に対する投資を先行していく必要があることから、当面は配当を予定しておりません。

しかし、株主への利益還元は重要な経営課題であると認識しており、将来において安定的な収益の獲得が可能となった場合には、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を考慮した上で、利益配当についても検討してまいります。

 

③ ベンチャーキャピタル及び投資事業組合の株式保有比率について

当事業年度末現在、ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「VC等」)が所有している株式数は3,487,100株存在し、発行済株式総数に占める比率は18.58%であります。一般的に、VC等が未公開株式に投資を行う目的は、株式公開後に当該株式を売却してキャピタルゲインを得ることにありますので、VC等は当社の株式の一部または全部を売却することが想定されます。VC等による当社株式売却により、一時的に需給のバランスの悪化が生じる可能性があり、当社株式の市場価格が低下及び低迷する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)産学協同研究部門(又は講座)の設置に関する契約

契約書名

産学協同研究部門設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成26年2月18日

契約期間

平成26年4月1日から3年間

主な契約内容

① 当社は、名古屋大学 環境医学研究所内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究部門(講座名: 薬効解析部門)を設置する。

② 産学協同研究部門の設置に伴い、国立大学法人 名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③ 当社は、国立大学法人 名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

契約書名

産学協同研究講座設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成27年2月17日

契約期間

平成27年4月1日から3年間

主な契約内容

① 当社は、名古屋大学 大学院医学研究科内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究講座(講座名: 薬剤科学・分析化学講座)を設置する。

② 産学協同研究講座の設置に伴い、国立大学法人 名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③ 当社は、国立大学法人 名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

契約書名

産学協同研究講座設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成27年2月17日

契約期間

平成27年4月1日から3年間

主な契約内容

① 当社は、名古屋大学 大学院創薬科学研究科内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究講座(講座名: 新薬創成化学講座)を設置する。

② 産学協同研究講座の設置に伴い、国立大学法人 名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③ 当社は、国立大学法人 名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

(2)知的財産権の譲渡及びライセンスに関する契約

契約書名

INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT

(知的財産権の譲渡及びライセンスに係る契約)

契約先

Pfizer Inc.

契約締結日

平成20年6月30日

契約期間

平成20年6月30日から50年間

主な契約内容

① Pfizer Inc.は、探索段階及び開発段階の複数のプロジェクトに関して、知的財産権を当社に譲渡、又は知的財産権の使用を当社に許諾(再許諾する権利を含む)する。

② 当社は、Pfizer Inc.に対し、下記「ANIDULAFUNGIN MARKETING RIGHTS AGREEMENT」、「DALBAVANCIN MARKETING RIGHTS AGREEMENT」及び「ZIPRASIDONE HCL / ZIPRASIDONE MESYLATE MARKETING RIGHTS AGREEMENT」の対価を支払う。

③ 上記①の対象となった複数の化合物のうち特定の化合物に関して、当社はPfizer Inc.に対し、ロイヤリティーを支払う。

 

 

契約書名

ANIDULAFUNGIN MARKETING RIGHTS AGREEMENT

(アニデュラファンギンの開発・販売権に係る契約)

契約先

Pfizer Inc.

契約締結日

平成20年6月30日

契約期間

平成20年6月30日から日本国内での販売終了まで

主な契約内容

① Pfizer Inc.は、当社にアニデュラファンギンの日本国内における開発、販売及び製剤の製造に関する権利並びに再許諾する権利を許諾し、当社は別途「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」に定める対価を支払う。

② 当社は、本化合物の特許権を所有するEli Lilly and Companyに対して、国内承認時にマイルストーン、上市後にロイヤリティーを支払う。

 

契約書名

ZIPRASIDONE HCL / ZIPRASIDONE MESYLATE MARKETING RIGHTS AGREEMENT

(ジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の開発・販売権に係る契約)

契約先

Pfizer Inc.

契約締結日

平成20年6月30日

契約期間

平成20年6月30日から日本国内での販売終了まで

主な契約内容

Pfizer Inc.は、当社にジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の日本国内における開発、販売及び製剤の製造に関する権利並びに再許諾する権利を許諾し、当社は別途「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」に定める対価を支払う。

(注)ジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の日本国内における開発、販売及び製剤の製造に関する権利は、平成23年3月14日付で一定の対価の受領と引き換えに、Meiji Seikaファルマ株式会社に再許諾しております。契約内容の詳細については、後述「(5)権利の再許諾に関する契約 ライセンス契約」に記載のとおりであります。

 

(3)権利の譲渡に関する契約

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、EP4拮抗薬(RQ-00000007)に関するすべての知的財産権を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00000007により得た収益の一定料率をロイヤリティー収入として受領する。

(注) 本契約の締結に関わらず、当社は平成22年8月4日付けで丸石製薬株式会社と、また平成22年12月27日付けでAratana Therapeutics, Inc.と締結した各導出契約上の地位は株式会社AskAtに委譲しません。なお、各企業との当該導出契約の詳細については、後述「(4)導出に関する契約 ① EP4拮抗薬(RQ-00000007)」のそれぞれ「ライセンス契約」「EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000007」に記載のとおりであります。

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、EP4拮抗薬(RQ-00000008)に関するすべての知的財産権を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00000008により得た収益の一定料率をロイヤリティー収入として受領する。

 

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬 (RQ-00317076)に関するすべての知的財産権、関連するデータ及び当該化合物原体を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00317076により得た収益の一定料率をロイヤリティー収入として受領する。

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、5-HT4部分作動薬(RQ-00000009)に関するデータ及び研究に必要な化合物を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00000009により得た収益の一定料率をロイヤリティー収入として受領する。

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成27年11月1日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、CB2拮抗薬プロジェクトに関する全ての知的財産権及び関連するデータ並びに化合物原体を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtが当該プロジェクトにより得た収益の一定料をロイヤリティー収入として受領する。

 

(4)導出に関する契約

① EP4拮抗薬(RQ-00000007)

本開発化合物は、Pfizer Inc.より譲渡を受けたものであり、当社が第三者に権利を導出する場合、導出によって得られる収益(契約一時金収入、マイルストーン収入及びロイヤリティー収入等)に一定の料率を乗じた金額をPfizer Inc.に支払う旨、平成20年6月30日付「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」で当社とPfizer Inc.との間で合意しております。なお、「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」の詳細については、前述「(2) 知的財産権の譲渡及びライセンスに関する契約」に記載のとおりであります。

契約書名

ライセンス契約

契約先

丸石製薬株式会社

契約締結日

平成22年8月4日

契約期間

契約締結日から丸石製薬株式会社又は同社の再許諾先による本開発化合物の開発、製造及び販売が終了するまで

主な契約内容

当社は、丸石製薬株式会社に対して、剤形を注射剤とするEP4拮抗薬(RQ-00000007)の日本及び東アジア(韓国・中国・台湾)地域におけるヒト及び動物用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

丸石製薬株式会社は、①の権利について、日本及び東アジア以外のアジア諸国並びに欧米各国を契約地域に加えるオプション権を持つ。

当社は、丸石製薬株式会社への原薬供給に責任を負う。

④ 当社は、上記①から③の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストーン収入及び製品販売高に応じたロイヤリティー収入を受領する。

⑤ 丸石製薬株式会社が日本国外で第三者へ権利を再許諾した場合、当社は、再許諾により同社が受領した収入の一定料率を受領する。

(注)1.本契約の契約内容の一部変更に伴い、平成22年12月24日付で「ライセンス契約書の一部変更に関する契約書」を締結しており、上記の内容は、当該変更契約の内容を反映しております。

2.上記②のオプション権のうち、動物用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権については、当社とAratana Therapeutics, Inc.(米国)との導出契約締結に伴い、当事業年度末現在、消滅しております。なお、同社との導出契約の詳細については、後述「EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000007」に記載のとおりであります。

 

契約書名

EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000007(導出契約)

契約先

Aratana Therapeutics, Inc.

契約締結日

平成22年12月27日

契約期間

契約締結日から契約所定の条項により解除されるまで

主な契約内容

① 当社は、Aratana Therapeutics, Inc.に対して、EP4拮抗薬(RQ-00000007)の全世界における動物用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。(但し、日本、韓国、中国及び台湾地域における剤形を注射剤とする動物用医薬品としての権利を除く。)

当社は、既に保有する原薬及び製剤の一定量を、臨床試験用としてAratana Therapeutics, Inc.へ無償で供給する。

当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストーン収入及び製品販売高に応じたロイヤリティー収入を受領する。

(注)1.当社は、当事業年度末現在、Aratana Therapeutics, Inc.の普通株式を保有しております。

2.当社は本契約上の地位を、平成25年1月29日付で株式会社AskAtと締結した権利売買契約に基づき譲渡しております。なお、同社との当該権利売買契約の詳細については、前述「(3) 権利の譲渡に関する契約 SALE AND PURCHASE AGREEMENT」に記載のとおりであります。

 

② グレリン受容体作動薬(RQ-00000005)

契約書名

EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000005(導出契約)

契約先

Aratana Therapeutics, Inc.

契約締結日

平成22年12月27日

契約期間

契約締結日から契約所定の条項により解除されるまで

主な契約内容

① 当社は、Aratana Therapeutics, Inc.に対して、グレリン受容体作動薬(RQ-00000005)の全世界における動物用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、既に保有する原薬及び製剤の一定量を、臨床試験用としてAratana Therapeutics, Inc.に無償で供給する。

当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストーン収入及び製品販売高に応じたロイヤリティー収入受領する。

(注)当社は、当事業年度末現在、Aratana Therapeutics, Inc.の普通株式を保有しております。

 

③ 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)

契約書名

LICENSE AGREEMENT(導出契約)

契約先

CJ CheilJedang Corporation

契約締結日

平成23年7月28日

契約期間

契約締結日からCJ CheilJedang Corporationによる当社へのロイヤリティー支払い義務が終了するまで

主な契約内容

① 当社は、CJ CheilJedang Corporationに対して、5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)の韓国、中国(香港を含む)、台湾、インド及び東南アジア地域におけるヒト用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、上記①の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストーン収入及び製品販売高に応じたロイヤリティー収入を受領する。

(注)本契約は平成26年4月1日にCJ CheilJedang CorporationよりCJ HealthCare Corporationへ継承されております。

 

 

④ アシッドポンプ拮抗薬(RQ-00000004及びRQ-00000774)

契約書名

LICENSE AGREEMENT(導出契約)

契約先

CJ CheilJedang Corporation

契約締結日

平成22年9月3日

契約期間

契約締結日からCJ CheilJedang Corporationによる当社へのロイヤリティー支払い義務が終了するまで

主な契約内容

① 当社は、CJ CheilJedang Corporationに対して、アシッドポンプ拮抗薬(RQ-00000004及びRQ-00000774)の韓国、中国(香港を含む)及び台湾地域におけるヒト用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、CJ CheilJedang Corporationにバックアップ化合物について、上記①と同様の権利を保証するオプション権を許諾する。

③ 当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストーン収入及び製品販売高に応じたロイヤリティー収入を受領する。

(注)本契約は平成26年4月1日にCJ CheilJedang CorporationよりCJ HealthCare Corporationへ継承されております。

 

契約書名

LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000004 (CJ-12420) AND RQ-00000774 IN SOUTHEAST ASIAN COUNTRIES(導出契約)

契約先

CJ HealthCare Corporation

契約締結日

平成26年11月27日

契約期間

契約締結日からCJ HealthCare Corporationによる当社へのロイヤリティー支払い義務が終了するまで

主な契約内容

① 当社は、CJ HealthCare Corporationに対して、アシッドポンプ拮抗薬(RQ-00000004及びRQ-00000774)の東南アジアにおけるヒト用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、CJ HealthCare Corporationにバックアップ化合物について、上記①と同様の権利を保証するオプション権を許諾する。

③ 当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入及び製品販売高に応じたロイヤリティー収入を受領する。

 

(5)権利の再許諾に関する契約

契約書名

ライセンス契約(再許諾契約)

契約先

明治製菓株式会社(現 Meiji Seikaファルマ株式会社)

契約締結日

平成23年3月14日

契約期間

契約締結日から契約所定の状況による解約を除き、日本での販売を中止する日まで

主な契約内容

① 当社は、Meiji Seikaファルマ株式会社に対して、「ZIPRASIDONE HCL / ZIPRASIDONE MESYLATE MARKETING RIGHTS AGREEMENT」によりPfizer Inc.より許諾を受けているジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の日本における開発、販売及び製剤の製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、上記①の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストーン収入及び製品販売高に応じたロイヤリティー収入を受領する。

 

 

(6)共同研究に関する契約

契約書名

共同研究契約書

契約先

味の素製薬株式会社

契約締結日

平成24年10月31日

契約期間

契約締結日から42ヶ月

主な契約内容

① 当社は、味の素製薬株式会社と特定のイオンチャネルに対する活性を持つ化合物の探索に関する共同研究を実施する。

② 共同研究の結果創出された化合物は、味の素製薬株式会社が開発及び販売を行う。

③ 当社は、上記①の開始時の対価として本契約の締結に伴う契約一時金収入を、また①の遂行の対価として研究援助金収入を受領する。また、共同研究の結果、創出された化合物の開発・承認・販売に応じたマイルストーン収入を受領する。

④ 当社は、製品の上市後、医薬品販売高の一定料率をロイヤリティー収入として受領する。

(注)平成27年4月30日付で締結した覚書により、契約期間満了日を1年間延長しております。

 

契約書名

Collaboration Agreement

契約先

XuanZhu Pharma Co., Ltd.

契約締結日

平成27年12月22日

契約期間

平成27年12月22から3年間

主な契約内容

① 当社は、XuanZhu Pharma Co., Ltd.と特定のイオンチャネルに対する活性を持つ化合物の探索に関する共同研究を実施する。

② 当社は、上記①の開始時の対価として本契約の締結に伴う契約一時金、および①の遂行の対価として研究助成金を受領する。

③ 共同研究の結果化合物が創出された場合、XuanZhu Pharma Co., Ltd.と当該化合物に関するライセンス契約を締結する。

 

 

6【研究開発活動】

当社の研究開発活動における当事業年度の研究開発費は、1,302百万円となりました。なお、当事業年度における主な研究開発の概況は、以下のとおりであります。

 

(1) 自社の研究開発及び共同研究

(探索段階)

炎症性疼痛及び神経因性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトでは、見出された化合物の適切な投与方法の検討を継続して実施しました。さらに新規リード化合物探索を実施し、複数の候補化合物を見出しました。

神経因性疼痛を主たる適応症としたTRPM8遮断薬のプロジェクトでは、開発候補化合物の特性評価を継続して実施しました。

 

製薬企業等との共同研究については以下のとおり実施しております。

会社名

開始月

内容

味の素製薬株式会社

平成24年10月

消化器領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

インタープロテイン株式会社

平成25年2月

疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究

XuanZhu Pharma Co.,Ltd

平成27年12月

疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

(注)旭化成ファーマ株式会社と平成27年4月から実施していた「特定のイオンチャネルを標的とした共同研究」は平成27年12月に完了し、マイルストーン収入を得ました。現在、次の段階の契約締結に向けて交渉を進めております。

 

(前臨床開発段階)

① グレリン受容体作動薬(RQ-00433412)

癌性悪液質を目標適応症として開発中の本化合物は、特性評価を完了し、次段階である前臨床開発試験の実施について検討中です。

 

② モチリン受容体作動薬(RQ-00201894)

消化管運動障害を目標適応症として開発中の本化合物は、第Ⅰ相臨床試験実施に必要な前臨床試験(in vivo薬効薬理試験、薬物動態試験、毒性試験(GLP基準)、安全性薬理試験(GLP基準))が終了いたしました。現時点で次の臨床開発段階に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

 

(臨床開発段階)

① 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)

機能性胃腸障害(FGID)を目標適応症として開発中の本化合物は、米国のVirginia Commonwealth University(VCU)での医師主導治験のIND承認をFDA(アメリカ食品医薬品局)から取得いたしました。現在、VCUにて試験実施の最終準備が進められており、VCUへのサイエンス面からのサポートを継続しております。

 

② アシッドポンプ拮抗薬(RQ-00000004)

胃食道逆流症(GERD)を目標適応症として開発中の本化合物は、米国に引き続き、日本での第Ⅰ相臨床試験を終了し、ガイドラインに基づいた治験総括報告書の作成が完了しました。本試験において、良好な安全性、忍容性、薬物動態プロファイルが確認されるとともに、優れた薬理学的性質が日本人においても明らかとなる成績が得られました。具体的には、投薬後速やかに強力な胃酸分泌抑制作用を示し、長時間に亘りその効果は持続しました(24時間pH≧4保持時間率が90%)。引き続き導出に向けて活動を進めてまいります。

 

③ 5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)

下痢型過敏性腸症候群(IBS)を目標適応症として開発中の本化合物は、本化合物を初めてヒトに投与する第Ⅰ相臨床試験(健康成人及び患者を対象)を7月に英国で開始し、現在継続実施中です。

 

 

④ 第2世代半合成リポグリコペプチド系抗菌薬(ダルババンシン)

急性細菌性皮膚及び皮膚組織感染症(ABSSSI)治療薬として平成22年12月にDurata Therapeutics, Inc.(現:Allergan社)との間で、当社が保有していたダルババンシンに関する権利を譲渡する契約を締結しておりましたが、権利譲渡契約の規定に従い、平成27年6月23日付で当社が日本の権利を再取得いたしました。日本での開発準備及び新たな導出に向けて活動を進めております。本剤は、米国において急性細菌性皮膚及び皮膚組織感染症 (ABSSSI) の治療薬としてDALVANCETMの商標で上市され、欧州においては平成27年3月にXYDALBATMの商標で販売承認を得ています。

 

(2) 導出先の開発状況

① アシッドポンプ拮抗薬(RQ-00000004、tegoprazan)

胃食道逆流症(GERD)を目標適応症としてCJ社(韓国)で開発中の本化合物は、韓国において第Ⅲ相臨床試験を実施中しており、中国での開発も準備しております。

 

② セロトニン5-HT2A及びドパミンD2受容体遮断薬(ジプラシドン)

統合失調症治療薬としてMeiji Seikaファルマ社で開発中の本化合物は、日本において第Ⅲ相臨床試験を実施中です。本剤は、米国ファイザー社によって既に83ヶ国で販売されており、米国の治療ガイドラインには第一選択薬として収載されています。

 

③ EP4拮抗薬(RQ-00000007、AT-001、grapiprant、動物薬)

ペットの疼痛治療薬としてアラタナ社(米国)で開発中の本化合物は、米国におけるイヌを対象とした臨床試験での良好な成績を受けてFDAへの新規動物薬としての申請作業が進められております。

 

④ グレリン受容体作動薬(RQ-00000005、AT-002、capromorelin、動物薬)

ペットの食欲不振治療薬としてアラタナ社(米国)で開発中の本化合物は、イヌを対象とした臨床試験での良好な成績を受けてFDAへの新規動物薬としての申請作業が進められております。

 

⑤ EP4拮抗薬(RQ-00000007、AAT-007、grapiprant)

AskAt社に導出した本化合物については、AskAt社がヒト用医薬品としてのライセンス活動を進めております。

 

⑥ シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬(RQ-00317076、AAT-076)

AskAt社に導出した本化合物については、AskAt社がヒト用医薬品としてのライセンス活動を進めております。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

なお、前事業年度は個別キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、キャッシュ・フローの状況は前年同期との比較分析は行っておりません。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用について会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しては、過去の実績、適切な仮定に基づいて合理的に計算しておりますが、実際の結果と相違する場合があります。

 

(2)財政状態の分析

(資 産)

当事業年度末における総資産合計は4,752百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金1,840百万円、有価証券503百万円、投資有価証券1,751百万円であります。

(負 債)

当事業年度末における負債合計237百万円となりました。主な内訳は、未払金123百万円、未払費用57百万円であります。

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は4,514百万円となりました。主な内訳は、資本金9,806百万円、資本剰余金5,090百万円、利益剰余金△10,421百万円、その他有価証券評価差額金28百万円であります。なお、自己資本比率は94.8%となりました。

 

(3)経営成績の分析

事業収益は、味の素製薬株式会社及び旭化成ファーマ株式会社との共同研究に係る研究協力金収入、CJヘルスケア株式会社(本社:韓国ソウル市)及びXuanZhu Pharma Co.,Ltd.(本社:中国山東省)とのライセンス契約締結に伴う契約一時金収入等を計上し、145百万円(前事業年度比5.5%減)となりました。

事業費用は、2,010百万円(前事業年度比11.7%減)となりました。主な内訳は、研究開発費は1,302百万円(前事業年度比12.0%減)、その他の販売費及び一般管理費は707百万円(前事業年度比10.9%減)であります。

研究開発費の主な内訳は、給与手当が409百万円(前事業年度比0.1%減)、委託研究開発費が192百万円(前事業年度比22.5%減)、産学共同研究費が151百万円(前事業年度比148.9%増)、臨床研究費が146百万円(前事業年度は6百万円)であります。

その他の販売費及び一般管理費の主な内訳は、給与手当が215百万円(前事業年度比5.6%減)、業務委託費が116百万円(前事業年度比17.6%減)、特許維持費139百万円(前事業年度比15.4%増)であります。

以上の結果、営業損失は1,864百万円(前事業年度は営業損失2,122百万円)、経常損失は1,795百万円(前事業年度は経常損失1,942百万円)、当期純損失は1,854百万円(前事業年度は当期純損失464百万円)となりました。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は研究開発型の創薬企業であり、開発化合物の導出による契約一時金収入、研究開発の進捗に応じたマイルストーン収入、医薬品の上市後において医薬品販売高に応じたロイヤリティー収入等の対価を受領することにより収益を得る契約形態を採用しております。しかしながら、医薬品が上市され、経常的なロイヤリティー収入が発生する以前の段階では、長期的かつ安定的な収益ではなく、年間数個程度の開発化合物の導出による契約一時金収入、あるいは数個程度の開発の進捗に基づくマイルストーン収入に頼るため、1個当たりの導出交渉及び開発の成否が全体の事業収益に大きな影響を与える可能性があります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ251百万円増加し、2,243百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、2,116百万円となりました。これは主に、研究開発費等の事業費用2,010百万円及び移転費用の支払額43百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により獲得した資金は、665百万円となりました。これは主に、保有する有価証券の償還による収入1,557百万円及び有価証券の取得による支出620百万円、並びに有形固定資産の取得による支出195百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により調達した資金は、1,701百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入1,686百万円によるものであります。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

医薬品開発事業は、①成功確率が極めて低い、②開発に長い期間を必要とする、③多大な研究開発費を必要とするものの一旦成功すれば高い収益が期待できる、ハイリスク・ハイリターン型のビジネスであります。当社は研究開発型の創薬企業として、平成20年に設立と同時に当該事業に参入いたしましたが、ベンチャー企業であるが故に、一般の製薬会社に比べて相対的に経営資源に制約があり、採り得るリスクへの対応にも限界があることから、安全性及び有効性が概ね評価可能となる段階(必要に応じて第Ⅱ相臨床試験を実施)までを当社にて行い、その後製薬会社等へ開発化合物を導出するという経営戦略を採っております。また、複数のプロジェクトを保有して研究開発ポートフォリオを構成することにより、リスク分散を図り、研究開発投資の回収に努める方針であります。

しかしながら、販売計画や研究開発計画が想定どおりに進捗しなかった場合には、継続的な営業損失の発生及び継続的なキャッシュ・フローのマイナス等を計上し続けることとなり、当該状況によっては当社の事業継続が困難となる可能性があります。当社は、これらのリスクを低減し、収益の獲得機会の最大化を図るために、「選択と集中」により選択したプロジェクトに経営資源を集中し、併せて研究開発ポートフォリオを拡充する戦略も採ってまいります。また、初期探索段階から開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオすべてを導出対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を展開しており、この体制を通じて、研究開発投資を段階的に回収できるよう努めてまいります。

 

(7)経営者の問題意識と今後の方針について

当社の経営陣は、事業の環境について入手可能な情報と経験に基づいた仮定により経営判断を行っておりますが、当社は研究開発型の創薬企業であり、開発化合物の導出による契約一時金収入や開発化合物の上市後のロイヤリティー収入により収益が安定化するまで長期間を要する可能性があります。そのため、キャッシュ・フローの動向には常に注意を払い、事業収益実現のための営業(導出)活動及び提携先とのアライアンス・マネジメントには最大の経営努力を注いでまいります。

当社は、研究開発ポートフォリオの拡充、導出の推進、導出後の開発化合物の上市に向けた臨床開発支援活動が、企業価値を向上し、事業の継続性を高めるために重要な要素であると考えており、今後もこれらの諸活動を含めた研究開発活動に経営資源を集中する方針であります。