当第1四半期会計期間において、新たに締結した重要な契約は、次のとおりであります。
新たに締結した重要な契約
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契約書名 |
共同研究契約書 |
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契約先 |
旭化成ファーマ株式会社 |
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契約期間 |
平成28年1月1日から3年間 |
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主な契約内容 |
① 当社は、旭化成ファーマ株式会社と疼痛領域の特定のイオンチャネルに対する活性を持つ開発候補化合物の探索に関する共同研究を実施する。 ② 当社は、上記①の遂行の対価として研究助成金を受領する。また共同研究の結果開発候補化合物が創出された場合にその段階に応じて成功報酬を受領する。 |
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、円高が急速に進展したことにより輸出関連企業の業績に悪影響が出始めているほか、これまで世界経済を牽引してきた中国の経済情勢が悪化してきており、我が国経済の先行きは厳しい状況が予想されております。
製薬業界におきましては、厚生労働省より後発医薬品(ジェネリック)の数量ベースでのシェアを2020年度末までに80%以上とする目標設定がなされるなど、高齢化社会に向けた医療費抑制策が進められております。平成28年度の薬価基準改定では、薬価ベースで6.47%と大幅に薬価が引き下げられ、製薬業界は厳しい事業環境に直面しております。このため製薬各社におきましては、医薬品の開発候補化合物の厳選化を一層進めており、当社のような創薬ベンチャー企業のライセンス活動におきましても少なからず影響が生じております。
このような環境下において、当社は医薬品開発化合物の継続的な創出、研究開発ポートフォリオの拡充及びそれら開発化合物の導出を目指し、研究開発活動及び営業活動に取り組んでまいりました。
事業面では、導出先であるAratana Therapeutics Inc.(本社:米国カンザス州、以下「アラタナ社(米国)」)がEP4拮抗薬(以下、「Galliprant®」)及びグレリン受容体作動薬(以下、「Entyce®」)を米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration、以下「FDA」)に動物薬承認申請を行いました。
アラタナ社(米国)がイヌの変形性関節症に伴う痛みの治療薬として開発を進めておりましたGalliprant®は、平成28年3月にFDAより承認を取得したほか、欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)に欧州承認申請を行いました。また、同じくアラタナ社(米国)がイヌの食欲不振症治療薬として開発を進めておりましたEntyce®につきましては、平成28年3月にFDAの動物用医薬品センターに動物薬承認申請を行いました。以上の開発活動の進展により、当社は、当第1四半期累計期間においてマイルストーン収入を592百万円計上しております。
産学連携面では、前事業年度において当社の創薬研究部門の全てが名古屋大学東山キャンパス内に移転を完了し、産学連携による研究活動が本格的に始動しております。現在、複数の共同研究活動が、名古屋大学との産学連携により進められております。
以上の結果、当第1四半期累計期間の業績は、事業収益604百万円(前年同四半期は事業収益12百万円)、営業利益119百万円(前年同四半期は営業損失460百万円)、経常利益94百万円(前年同四半期は経常損失427百万円)、四半期純利益88百万円(前年同四半期は四半期純損失412百万円)となりました。なお、事業費用の総額は484百万円(前年同四半期比2.5%増)となりました。その内訳は、支払ロイヤルティ117百万円を事業原価に計上したほか、研究開発費219百万円(前年同四半期比22.6%減)、その他の販売費及び一般管理費148百万円(前年同四半期比22.0%減)であります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ805百万円減少し、1,437百万円(前年同四半期は1,718百万円)となりました。
当第1四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、420百万円(前年同四半期は722百万円の使用)となりました。これは主に、税引前四半期純利益92百万円を計上したことによるほか、売上債権の増加504百万円及び仕入債務の増加112百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、351百万円(前年同四半期は454百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出216百万円、有価証券の取得による支出200百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増減はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当社の研究開発活動における当第1四半期累計期間の研究開発費は、219百万円(前年同四半期比22.6%減)となりました。また、当第1四半期累計期間における主な研究開発の概況は、以下のとおりであります。
① 自社の研究開発及び共同研究
(探索段階)
炎症性疼痛及び神経障害性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトでは、見出された化合物の適切な投与方法の検討を継続して実施しました。さらに新規リード化合物探索を実施し、複数の候補化合物を見出しました。
神経障害性疼痛を主たる適応症としたTRPM8遮断薬のプロジェクトでは、開発候補化合物の特性評価を継続して実施しました。
製薬企業等との共同研究については以下のとおり実施しております。
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会社名 |
開始月 |
内容 |
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味の素製薬株式会社 (注) |
平成24年10月 |
消化器領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究 |
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インタープロテイン株式会社 |
平成25年2月 |
疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究 |
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XuanZhu Pharma Co., Ltd. |
平成27年12月 |
疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究 |
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旭化成ファーマ株式会社 |
平成28年1月 |
疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究 |
(注)平成28年4月1日にエーザイ株式会社が消化器疾患領域事業を分割し、味の素製薬株式会社を承継会社とするEAファーマ株式会社となっております。
(前臨床開発段階)
(a) グレリン受容体作動薬(RQ-00433412)
食欲不振・癌性悪液質を目標適応症として開発中の本化合物は、特性評価を完了し、次段階である前臨床開発試験の実施について検討中です。
(b) モチリン受容体作動薬(RQ-00201894)
消化管運動障害を目標適応症として開発中の本化合物は、第Ⅰ相臨床試験実施に必要な前臨床試験(薬物動態試験、毒性試験(GLP基準)、安全性薬理試験(GLP基準))が終了いたしました。現時点で次の臨床開発段階に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。
(臨床開発段階)
(a) 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)
機能性胃腸障害(FGID)を目標適応症として開発中の本化合物は、Virginia Commonwealth University(VCU)での医師主導治験のIND承認をアメリカ食品医薬品局(FDA)から取得しており、現在、VCUにて試験実施の最終準備が進められております。
(b) アシッドポンプ拮抗薬(RQ-00000004、テゴプラザン)
胃食道逆流症(GERD)を目標適応症として開発中の本化合物は、米国に引き続き、日本での第Ⅰ相臨床試験を終了し、ガイドラインに基づいた治験総括報告書の作成が完了いたしました。本試験において、良好な安全性、忍容性、薬物動態プロファイルが確認され、優れた薬理学的性質が明らかとなる成績が得られました。具体的には、投薬後速やかに強力な胃酸分泌抑制作用を示し、長時間に亘りその効果が持続したこと(24時間pH≧4保持時間率が90%)が確認されました。引き続き導出に向けて活動を進めてまいります。
(c) 5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)
下痢型過敏性腸症候群(IBS)を目標適応症として開発中の本化合物は、初めてヒトに投与する第Ⅰ相臨床試験(健康成人及び患者を対象)を昨年7月に英国で開始し、現在継続実施中です。
(d) 抗MRSA抗菌剤(ダルババンシン)
平成22年12月にDurata Therapeutics, Inc.(現:Allergan社)との間で、当社が保有していたダルババンシンに関する権利を譲渡する契約を締結しておりましたが、権利譲渡契約の規定に従い、平成27年6月23日付で当社が日本の権利を再取得いたしました。現在、日本での導出に向けて協議を進めております。なお本剤は、米国において急性細菌性皮膚および皮膚組織感染症(ABSSSI)治療薬としてDALVANCETMの商標で上市され、欧州においては平成27年3月にXYDALBATMの商標で販売承認を得ております。
② 導出先の開発状況
(a) アシッドポンプ拮抗薬(RQ-00000004、テゴプラザン)
胃食道逆流症(GERD)を目標適応症としてCJ社(韓国)で開発中の本化合物は、韓国において第Ⅲ相臨床試験を実施しており、CJ社(韓国)のライセンス先において、中国での開発が準備されております。
(b) セロトニン5-HT2AおよびドパミンD2受容体遮断薬(ジプラシドン)
統合失調症治療薬としてMeiji Seikaファルマ社で開発中の本化合物は、日本において第Ⅲ相臨床試験を実施中です。本剤は、米国ファイザー社によって既に83ヶ国で販売されており、米国の治療ガイドラインには第一選択薬として収載されています。
(c) EP4拮抗薬(Galliprant®、 RQ-00000007、 AT-001、グラピプラント、動物薬)
ペットの疼痛治療薬としてアラタナ社(米国)で開発中の本化合物は、米国におけるイヌを対象とした臨床試験での良好な成績を受けてFDAの製造販売承認を得ており、今秋の発売開始に向けて準備が進められております。また本年2月には、アラタナ社(米国)が動物薬としての欧州承認申請を行っております。
(d) グレリン受容体作動薬(Entyce®, RQ-00000005、AT-002、カプロモレリン、動物薬)
ペットの食欲不振治療薬としてアラタナ社(米国)で開発中の本化合物は、イヌを対象とした臨床試験での良好な成績を受け、アラタナ社(米国)がFDAへの動物薬としての承認申請を行っております。
(e) EP4拮抗薬(RQ-00000007、 AAT-007、グラピプラント)
AskAt社に導出した本化合物については、AskAt社と製薬ベンチャーRMX社(中国)が中国での疼痛領域におけるライセンス契約締結を行い、今後、中国での開発が進められます。
(f) シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬(RQ-00317076、AAT-076)
AskAt社に導出した本化合物については、AskAt社と製薬ベンチャーRMX社(中国)が中国での疼痛領域におけるライセンス契約締結を行い、今後、中国での開発が進められます。