第2【事業の状況】

「(*)」を付している用語については、「第一部 企業情報 第1 企業の概況」の末尾に用語解説を設け、説明しております。なお、当社は、単一セグメントであるため、セグメントの情報は記載しておりません。

 

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度におけるわが国経済は、9年半ぶりに利上げを実施した堅調な米国経済に支えられ、輸出企業を中心に景気は緩やかな回復基調で推移している一方、平成28年11月8日に実施された第58回米国大統領選挙において選出された米国ドナルド・トランプ次期大統領による経済政策に対する警戒感や欧州の政治的混乱、中国をはじめとする新興国の減速懸念等もあり、先行きは不透明な状況が続いております。

製薬業界におきましては、厚生労働省による医療費抑制策が進められており、平成28年度の薬価基準改定において薬価ベースで6.47%と大幅に薬価が引き下げられた他、一部の革新的な医薬品において期中にも関わらず薬価引き下げを行うなど極めて異例の厳しい事業環境に直面しております。このため製薬各社におきましては、医薬品の開発候補化合物の厳選化を一層進めており、当社のような創薬ベンチャー企業のライセンス活動におきましても少なからず影響が生じております。

このような環境下において、当社は医薬品開発化合物の継続的な創出、研究開発ポートフォリオの拡充及びそれら開発化合物の導出を目指し、研究開発活動及び営業活動に取り組んでまいりました。

導出先の臨床試験の状況につきましては、CJ HearthCare Corporation(韓国、以下、「CJ社」)に導出したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、以下「tegoprazan」)については、韓国における第Ⅲ相臨床試験が順調に進められております。またCJ社において中国での臨床試験の開始に向けて準備が進められております。Meiji Seika ファルマ株式会社(以下、「Meiji Seika ファルマ社」)に導出した第二世代(非定型)統合失調症治療薬ジプラシドンについては、日本における第Ⅲ相臨床試験が順調に進んでおります。

Aratana Therapeutics Inc.(米国、以下「アラタナ社」)に導出した犬の変形性関節症に伴う痛みの治療薬Galliprant®及び犬の食欲不振症治療薬Entyce®の2剤については、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、以下「FDA」)より承認を取得し、平成29年12月期の発売開始に向けて準備が進められております。Galliprant®につきましては、アラタナ社は、Eli Lilly and Companyの動物薬部門であるElanco Animal Health(以下、「エランコ社」)と全世界における戦略的提携を締結した他、欧州医薬品庁(European Medicines Agency、以下「EMA」)に欧州承認申請も行っております。Entyce®につきましては、アラタナ社は、平成28年12月に猫における長期毒性試験を開始し、猫の食欲不振治療薬としての開発も進められております。

当社実施の臨床試験の状況につきましては、日本におけるtegoprazanの第Ⅰ相臨床試験が平成27年8月に終了し、胃食道逆流症治療の既存薬と比べて速やかに胃酸分泌抑制効果があることが確認されました。引き続き導出に向けた取り組みを進めてまいります。このほか、下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)を適応症として開発中の5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)の英国における第Ⅰ相臨床試験は順調に進んでおります。

臨床研究につきましては、共同研究先であるヴァージニア・コモンウェルス大学 パーキンソン病・運動障害疾患センター(米国、Virginia Commonwealth University, Parkinson's and Movement Disorders Center、以下「VCU」)による、当社5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)の医師主導治験において、パーキンソン病患者への投薬が開始されました。

この他、神経障害性疼痛を主たる適応症として進めてきたTRPM8遮断薬のプロジェクトでは、開発候補化合物(RQ-00434739)の特性評価を完了し、平成28年8月の取締役会において前臨床段階への移行を承認いたしました。

産学連携面では、新たに岐阜薬科大学生体機能解析学講座薬効解析学研究室(原英彰教授兼副学長)との網膜疾患治療薬に関する共同研究、及び名古屋大学環境医学研究所分子代謝医学分野(菅波孝祥教授)と、非アルコール性脂肪肝炎(NASH:Non-alcoholic steatohepatitis)治療薬に関する共同研究について契約を締結し、積極的な産学連携による共同研究活動が進んでおります。

 

以上の結果、当事業年度の業績は、事業収益705百万円、営業損失759百万円、経常損失720百万円、当期純損失728百万円となりました。なお、事業費用の総額は1,465百万円であり、その内訳は、支払ロイヤルティ117百万円を事業原価に計上したほか、研究開発費796百万円、その他の販売費及び一般管理費551百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ1,155百万円減少し、1,087百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、680百万円(前事業年度は2,116百万円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失722百万円及び減価償却費79百万円のほか、利息及び配当金の受取額61百万円、特別退職金の支払額32百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、441百万円(前事業年度は665百万円の回収)となりました。これは主に、保有する有価証券の償還による収入300百万円及び投資有価証券の償還による収入185百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出426百万円、定期預金の預入による支出323百万円及び有価証券の取得による支出200百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローはありませんでした(前事業年度は1,701百万円の調達)。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

(2)受注実績

当社は研究開発を主体としており、受注生産を行っておりませんので、受注実績は記載しておりません。

 

(3)販売実績

当事業年度の販売実績は、以下のとおりであります。

 

事業年度

(自 平成28年1月1日

  至 平成28年12月31日)

前年同期比(%)

事業収益 合計      (千円)

705,235

484.7

 

(注)1.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、それぞれ以下のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成27年1月1日

  至 平成27年12月31日)

当事業年度

(自 平成28年1月1日

  至 平成28年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Aratana Therapeutics, Inc.

646,235

91.6

旭化成ファーマ株式会社

99,000

68.0

50,000

7.1

XuanZhu Pharma Co., Ltd.

20,000

13.7

9,000

1.3

CJ HealthCare Corporation

20,000

13.7

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【対処すべき課題】

当社は、以下の点を主要な経営課題として取り組んでまいります。

(1) 研究開発ポートフォリオの強化

創薬ベンチャー企業として企業価値を高めていくためには、新規性の高い開発化合物を継続的に創出し、研究開発ポートフォリオを強化していく必要があります。医薬品開発先進国である米国では、新たに上市される医薬品の約6割がアカデミアや創薬ベンチャー企業発と言われております。我が国においてもアカデミアや創薬ベンチャー企業からの創薬が進む中、当社は平成26年度から名古屋大学に産学協同研究部門を設置し、アカデミアにおける最先端の創薬研究から革新的な開発化合物の創出に取り組んでおります。当社では、以下の方策を採ってまいります。

・独自の評価系及びデータベース等を活用した開発化合物の早期創出と新規適応症の拡大

・イオンチャネル創薬における当社の強みを活かした共同研究による開発化合物の早期創出

・産学官連携による共同研究を推進し、最先端の創薬研究に基づく開発化合物の拡充

 

(2) リソースの選択と集中による各プロジェクトの価値向上

当社は、保有する開発化合物の研究開発について、資金や人的リソースを効率的に活用して研究開発を進めるために開発化合物のステータスに応じて以下の方策を採ってまいります。

・導出準備プログラム:当社が強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラム

・導出済みプログラム:第Ⅱ~Ⅲ相臨床試験を中心に導出先が主軸となって進める臨床開発について当社がサポートをメインに行うプログラム

・共同研究プログラム:探索ステージを基本に当社と製薬会社、双方が持つ強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物の創出を目指す共同研究プログラム

 

(3) 導出活動とアライアンスマネジメントの強化

当社が有する開発化合物を製品上市するためには、臨床開発を実施しなければなりませんが、開発を推進し、リスクを最小化するためには、パートナーとなる製薬会社と提携し導出を行う必要があります。現在、当社はこれを最重要課題として様々なチャネルを通じてグローバルな導出活動に取り組んでおります。導出後は、一日も早い製品上市を目指して導出先企業へのデータ提供や定期的なコミュニケーションを図ることで開発の推進を積極的に支援してまいります。

 

(4) 財務基盤の強化

当社のような創薬ベンチャー企業は、製品が上市するまでの間、パイプラインの開発進展、開発化合物の増加等に伴い、事業活動に合わせて資金調達を確実に行っていく必要があります。そのため、当社は、資金調達手段の確保・拡充に向けて、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資を行うなど、資金調達の多様化を図ってまいります。また、予算管理の徹底を通じてコスト抑制を図ることで財務基盤の更なる強化に努めてまいります。

 

(5) 人材の獲得

当社の経営資源の第一は、人であると考えています。今後、新薬の探索及び開発、適応拡大を進捗させるために、適切な人材を適宜、確保していく予定であります。

 

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しないと思われる事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。これらリスクの顕在化に伴う問題が生じた場合には、当社の事業展開、財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性が、状況によっては事業存続が困難になる可能性があります。

当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。

なお、文中の将来に関する事項は当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

 

(1)事業の内容について

① 医薬品の研究開発を取り巻く環境について

一般的に医薬品の研究開発は探索研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、巨額の研究開発費用が必要とされる一方、成功確率は他産業に比して極めて低いものとされています。また、研究開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法その他関係法令や規則、及びそれに関わる行政指導により、様々な規制を受けております。加えて、医薬品分野は、技術革新が著しい分野でもあります。そのため、品質、有効性および安全性に関する十分なデータが得られず、医薬品としての有用性を示すことができない可能性、規制の変更に伴う承認要件の変更の結果、当社あるいは導出先における開発費用の増大や承認取得時期の遅延が発生する可能性、新技術等への対応が遅れる可能性があります。また、これらのリスクは、既に他社に導出した開発品に関しても同様に発生する可能性があります。

② 競合について

当社は、疼痛疾患及び消化管疾患を重点領域として医薬品の研究開発を行っておりますが、これらの領域においては、多くの製薬会社や創薬ベンチャー企業等による研究開発活動が行われており、当社の研究開発との間に競合関係が生じております。競合品の存在やその研究開発の進捗等が当社の開発化合物の導出等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 製薬会社等への導出等による収益獲得について

一般的に、製薬会社等において共同研究の実施や開発化合物の導入に際しての評価・判断は、個々の製薬会社等により異なります。当社が契約締結を企図するプロジェクトや開発化合物が製薬会社等における導入や当社との業務提携の意欲を充足する保証はなく、契約締結に結び付かない、又は契約条件が当社の想定と大きく異なる等の可能性があります。

④ 為替リスクについて

当社は、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動や海外企業とのライセンスにおいて外貨建取引が存在します。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化する可能性があります。

 

(2)社内体制について

① 小規模組織であることについて

当社は、役員7名(取締役(監査等委員である取締役を除く)4名、監査等委員である取締役3名)、従業員50名(平成28年12月31日現在)と小規模であり、内部管理体制も相応の規模となっております。当社においては、業務上必要な人員の増強及び内部体制の充実を図っていく方針ではありますが、人材流出や代替要員の不在などの問題が生じる可能性があります。

② 人材の確保について

当社は、事業活動には高度な専門的な知識・技能を持った優秀な人材の確保が必要であると考えております。当社では、このため常に優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、人材確保に支障が生じる可能性や、優秀な人材が社外に流出する可能性があります。

③ 情報管理体制について

当社事業において、研究開発における技術及び知見等は極めて重要性の高いものであり、事業の競争性を確保するものであります。また導出先である製薬会社等と共有する情報等は高い機密性を保持することが要請されます。当社は、情報管理体制の強化に努めておりますが、重要な機密情報の漏洩等を完全に回避することは困難であり、問題が生じる可能性があります。

 

(3)知的財産権について

① 当社の保有する知的財産権について

特許は、出願及び取得した場合においても出願した全てが成立する保証はなく、また特許出願によっても当社の権利を確実に保全できる保証はありません。更に、当社が所有又は使用許諾を受けた知的所有権に優位する知的財産権が第三者によって生み出される可能性や、第三者の知的所有権の侵害に基づく将来の係争を完全に回避することは困難です。

なお、日本その他の国の特許関連法規、或いは各国当局の解釈により、競合他社、或いはその他の組織が当社に補償等を行うことなく技術を使用し、医薬品等の開発及び販売を行うことができる可能性があります。

② 職務発明に係る社内対応について

平成17年4月1日から施行された特許法の改正に伴い、当社では、代表取締役、執行役員及び従業員が協議の上、取締役会決議により「知的財産権管理規程」を作成し、運用しております。しかしながら、将来、発明者の認定及び職務発明の対価の相当性についての係争を完全に回避することは困難であり、問題が生じる可能性があります。

 

(4) 事業における事故やトラブル等のリスクについて

① 当社の臨床開発における健康被害について

当社は、研究開発活動において、開発化合物の有効性及び安全性を評価するため、前臨床試験を実施した上で、細心の注意を払って臨床試験を実施しております。しかしながら、被験者における重大な健康被害の発生を完全に回避することは困難であり、問題が生じる可能性があります。

② 研究施設における事故等について

当社は、研究開発活動において、各種化学物質、特に危険物質を取り扱っております。何らかの要因により火災や爆発事故又は環境汚染事故等が発生する可能性があります。

③ 自然災害等のリスクについて

当社が本拠地とする中部地域において、地震(東南海地震含む)、津波又は台風等の自然災害や大規模な事故、火災、テロ等により、当社設備の損壊や各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生する可能性があります。

④ 訴訟の可能性について

当社は、事業を展開する上で、当社の瑕疵又は責任の有無に拘わらず、第三者の権利又は利益を侵害した場合には、損害賠償等の訴訟を提起される可能性があります。また、取引関係や労使関係その他において何らかのトラブルが生じた場合、訴訟等に発展する可能性があります。さらに、業務委託先においてコンプライアンス違反が発生した場合、発注元である当社に対しても責任が問われる可能性があります。

 

(5) 経営上の重要な契約について

「第一部 企業情報、第2 事業の状況、5.経営上の重要な契約等」に記載した、当社の経営上の重要な契約について、将来、期間満了、解除、中断、延期等、又は当該契約の更新に際し当社にとって不利な改定が行われる可能性があります。

 

(6) 経営成績及び財政状態について

① 今後における損失計上の見通しについて

当社は、引き続き多額の研究開発費を先行投資する必要があることから、当面は損失の計上を想定しております。販売計画や研究開発計画が当社の想定どおりに進捗しなかった場合は、想定以上に損失計上が継続する可能性があり、その状況によっては当社の事業継続が困難となる可能性があります。

② 事業資金の確保について

当社は、研究開発型のバイオベンチャー企業であることから営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスが創業以来継続しており、今後も研究開発投資、運転資金及び設備投資等の資金需要が予想されます。適時適切な資金調達ができなかった場合、当社の事業継続が困難となる可能性があります。

 

(7) ファイザーグループの当社株式の保有及び経営関与に係る方針について

当事業年度末現在、ファイザーグループは、当社株式の7.92%を保有する大株主であります。ファイザーグループによる当社株式の保有は、純投資を目的としたものであり、今後も当社株式を継続保有する意向を有しておりますが、当社株式の買い増し等の考えはないものと認識しております。

また、同グループと当社の間では、役員受入や人員出向等の関係はなく、同社の当社経営への重要な影響は生じておらず、今後も当社経営に積極的に関与する等の考えはないものと認識しております。

しかしながら、将来において、何らかの要因により、ファイザーグループの経営方針や事業戦略等に変更が生じる可能性があります。

 

(8)大学及び公的研究機関等との関係について

当社は、新たな技術の導入・移転を目的として、国立大学法人名古屋大学をはじめとする大学や公的研究機関との共同研究を実施しております。企業と大学等との関係は、法令等の改正や組織改正などに影響を受ける可能性があり、その結果共同研究の方向性や権利関係につき当社にとって不利となる変更を余儀なくされる可能性があります。

 

 

(9) その他

① 新株予約権について

当社は、従業員に対するインセンティブ・プランとしてストック・オプション制度を採用しております。今後、これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後ストック・オプションを付与する際に費用が計上されることにより、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

② ベンチャーキャピタル及び投資事業組合の株式保有比率について

当事業年度末現在、ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「VC等」)が所有している株式数は2,516,200株存在し、発行済株式総数に占める比率は13.4%であります。一般的に、VC等が未公開株式に投資を行う目的は、株式公開後に当該株式を売却してキャピタルゲインを得ることにありますので、VC等は当社の株式の一部または全部を売却することが想定されます。当該株式売却により、一時的に需給のバランスの悪化が生じる可能性があり、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。

他社との戦略的提携・企業買収等の成否について

当社は、競争力の強化及び事業分野の拡大等のため、他社の事業部門の譲り受け、他社の買収、他社との業務提携、合弁会社の設立、他社への投資等の戦略的提携など(以下「戦略的提携等」といいます。)を行うことがあります。こうした戦略的提携等において、パートナー企業との思惑に相違が生じて提携・統合が円滑に進まない可能性や、当初期待していた効果が得られない可能性、投資した金額の全部又は一部が回収できない可能性等があります。またパートナー企業が当社の利益に反する決定を行う可能性があり、パートナー企業が事業戦略を変更した場合などには戦略的提携等の関係を維持することが困難になる可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)産学協同研究部門(又は講座)の設置に関する契約

契約書名

産学協同研究部門設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成26年2月18日

契約期間

平成26年4月1日から3年間

主な契約内容

① 当社は、名古屋大学 環境医学研究所内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究部門(講座名: 薬効解析部門)を設置する。

② 産学協同研究部門の設置に伴い、国立大学法人 名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③ 当社は、国立大学法人 名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

契約書名

産学協同研究講座設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成27年2月17日

契約期間

平成27年4月1日から3年間

主な契約内容

① 当社は、名古屋大学 大学院医学研究科内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究講座(講座名: 薬剤科学・分析化学講座)を設置する。

② 産学協同研究講座の設置に伴い、国立大学法人 名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③ 当社は、国立大学法人 名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

 

契約書名

産学協同研究講座設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成27年2月17日

契約期間

平成27年4月1日から3年間

主な契約内容

① 当社は、名古屋大学 大学院創薬科学研究科内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究講座(講座名: 新薬創成化学講座)を設置する。

② 産学協同研究講座の設置に伴い、国立大学法人 名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③ 当社は、国立大学法人 名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

(2)知的財産権の譲渡及びライセンスに関する契約

契約書名

INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT

(知的財産権の譲渡及びライセンスに係る契約)

契約先

Pfizer Inc.(米国)

契約締結日

平成20年6月30日

契約期間

平成20年6月30日から50年間

主な契約内容

① Pfizer Inc.は、探索段階及び開発段階の複数のプロジェクトに関して、知的財産権を当社に譲渡、又は知的財産権の使用を当社に許諾(再許諾する権利を含む)する。

② 当社は、Pfizer Inc.に対し、①並びに下記「ANIDULAFUNGIN MARKETING RIGHTS AGREEMENT」、「DALBAVANCIN MARKETING RIGHTS AGREEMENT」及び「ZIPRASIDONE HCL / ZIPRASIDONE MESYLATE MARKETING RIGHTS AGREEMENT」の対価を支払う。

③ 上記①の対象となった複数の化合物のうち特定の化合物に関して、当社はPfizer Inc.に対し、ロイヤルティを支払う。

(注)上記②の対価については、平成20年7月14日に支払を完了しております。

 

契約書名

ANIDULAFUNGIN MARKETING RIGHTS AGREEMENT

(アニデュラファンギンの開発・販売権に係る契約)

契約先

Pfizer Inc.(米国)

契約締結日

平成20年6月30日

契約期間

平成20年6月30日から日本国内での販売終了まで

主な契約内容

① Pfizer Inc.は、当社にアニデュラファンギンの日本国内における開発、販売及び製剤の製造に関する権利並びに再許諾する権利を許諾し、当社は別途「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」に定める対価を支払う。

② 当社は、本化合物の特許権を所有するEli Lilly and Companyに対して、国内承認時にマイルストン、上市後にロイヤルティを支払う。

 

契約書名

ZIPRASIDONE HCL / ZIPRASIDONE MESYLATE MARKETING RIGHTS AGREEMENT

(ジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の開発・販売権に係る契約)

契約先

Pfizer Inc.(米国)

契約締結日

平成20年6月30日

契約期間

平成20年6月30日から日本国内での販売終了まで

主な契約内容

Pfizer Inc.は、当社にジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の日本国内における開発、販売及び製剤の製造に関する権利並びに再許諾する権利を許諾し、当社は別途「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」に定める対価を支払う。

(注)ジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の日本国内における開発、販売及び製剤の製造に関する権利は、平成23年3月14日付で一定の対価の受領と引き換えに、Meiji Seikaファルマ株式会社に再許諾しております。契約内容の詳細については、後述「(5)権利の再許諾に関する契約 ライセンス契約」に記載のとおりであります。

 

(3)権利の譲渡に関する契約

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、EP4拮抗薬(RQ-00000007、grapiprant)に関するすべての知的財産権を譲渡する。

 

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00000007(grapiprant)により得た収益の一定料率をロイヤルティ収入として受領する。

(注) 本契約の締結に関わらず、当社は平成22年8月4日付けで丸石製薬株式会社と、また平成22年12月27日付けでAratana Therapeutics, Inc.と締結した各導出契約上の地位は株式会社AskAtに委譲しません。なお、各企業との当該導出契約の詳細については、後述「(4)導出に関する契約 ① EP4拮抗薬(RQ-00000007、grapiprant)」のそれぞれ「ライセンス契約」「EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000007(導出契約)」に記載のとおりであります。

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、EP4拮抗薬(RQ-00000008)に関するすべての知的財産権を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00000008により得た収益の一定料率をロイヤルティ収入として受領する。

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬 (RQ-00317076)に関するすべての知的財産権、関連するデータ及び当該化合物原体を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00317076により得た収益の一定料率をロイヤルティ収入として受領する。

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、5-HT4部分作動薬(RQ-00000009)に関するデータ及び研究に必要な化合物を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00000009により得た収益の一定料率をロイヤルティ収入として受領する。

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成27年11月1日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、CB2拮抗薬プロジェクトに関する全ての知的財産権及び関連するデータ並びに化合物原体を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtが当該プロジェクトにより得た収益の一定料をロイヤルティ収入として受領する。

 

 

(4)導出に関する契約

① EP4拮抗薬(RQ-00000007、grapiprant)

本開発化合物は、Pfizer Inc.より譲渡を受けたものであり、当社が第三者に権利を導出する場合、導出によって得られる収益(契約一時金収入、マイルストン収入及びロイヤルティ収入等)に一定の料率を乗じた金額をPfizer Inc.に支払う旨、平成20年6月30日付「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」で当社とPfizer Inc.との間で合意しております。なお、「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」の詳細については、前述「(2) 知的財産権の譲渡及びライセンスに関する契約」に記載のとおりであります。

契約書名

ライセンス契約

契約先

丸石製薬株式会社

契約締結日

平成22年8月4日

契約期間

契約締結日から丸石製薬株式会社又は同社の再許諾先による本開発化合物の開発、製造及び販売が終了するまで

主な契約内容

当社は、丸石製薬株式会社に対して、剤形を注射剤とするEP4拮抗薬(RQ-00000007、grapiprant)の日本及び東アジア(韓国・中国・台湾)地域におけるヒト及び動物用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

丸石製薬株式会社は、①の権利について、日本及び東アジア以外のアジア諸国並びに欧米各国を契約地域に加えるオプション権を持つ。

当社は、丸石製薬株式会社への原薬供給に責任を負う。

④ 当社は、上記①から③の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金、開発ステージに応じたマイルストンおよび製品販売高に応じたロイヤルティを受領する。また、日本国内での医薬品販売高が一定金額を超えた場合には、インセンティブを受領する。

⑤ 丸石製薬株式会社が日本国外で第三者へ権利を再許諾した場合、当社は、再許諾により同社が受領した収入の一定料率を受領する。

(注)1.本契約の契約内容の一部変更に伴い、平成22年12月24日付で「ライセンス契約書の一部変更に関する契約書」を締結しており、上記の内容は、当該変更契約の内容を反映しております。

2.上記②のオプション権のうち、動物用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権については、当社とAratana Therapeutics, Inc.(米国)との導出契約締結に伴い、消滅しております。なお、同社との導出契約の詳細については、後述「EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000007」に記載のとおりであります。

 

契約書名

EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000007(導出契約)

契約先

Aratana Therapeutics, Inc.(米国)

契約締結日

平成22年12月27日

契約期間

契約締結日から契約所定の条項により解除されるまで

主な契約内容

① 当社は、Aratana Therapeutics, Inc.に対して、EP4拮抗薬(RQ-00000007、grapiprant)の全世界における動物用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。(但し、日本、韓国、中国及び台湾地域における剤形を注射剤とする動物用医薬品としての権利を除く。)

当社は、既に保有する原薬及び製剤の一定量を、臨床試験用としてAratana Therapeutics, Inc.へ無償で供給する。

当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストン収入及び製品販売高に応じたロイヤルティ収入を受領する。

(注)当社は、当事業年度末現在、Aratana Therapeutics, Inc.の普通株式を保有しております。

 

 

② グレリン受容体作動薬(RQ-00000005、capromorelin

契約書名

EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000005(導出契約)

契約先

Aratana Therapeutics, Inc.(米国)

契約締結日

平成22年12月27日

契約期間

契約締結日から契約所定の条項により解除されるまで

主な契約内容

① 当社は、Aratana Therapeutics, Inc.に対して、グレリン受容体作動薬(RQ-00000005、capromorelin)の全世界における動物用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、既に保有する原薬及び製剤の一定量を、臨床試験用としてAratana Therapeutics, Inc.に無償で供給する。

当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストン収入及び製品販売高に応じたロイヤルティ収入受領する。

(注)当社は、当事業年度末現在、Aratana Therapeutics, Inc.の普通株式を保有しております。

 

③ 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)

契約書名

LICENSE AGREEMENT(導出契約)

契約先

CJ HealthCare Corporation(韓国)

契約締結日

平成23年7月28日

契約期間

契約締結日からCJ HealthCare Corporationによる当社へのロイヤルティ支払い義務が終了するまで

主な契約内容

① 当社は、CJ HealthCare Corporationに対して、5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)の韓国、中国(香港を含む)、台湾、インド及び東南アジア地域におけるヒト用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、上記①の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストン収入及び製品販売高に応じたロイヤルティ収入を受領する。

 

④ カリウムイオン拮抗型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan及びRQ-00000774)

契約書名

LICENSE AGREEMENT(導出契約)

契約先

CJ HealthCare Corporation(韓国)

契約締結日

平成22年9月3日

契約期間

契約締結日からCJ HealthCare Corporationによる当社へのロイヤルティ支払い義務が終了するまで

主な契約内容

① 当社は、CJ HealthCare Corporationに対して、カリウムイオン拮抗型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan及びRQ-00000774)の韓国、中国(香港を含む)及び台湾地域におけるヒト用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、CJ HealthCare Corporationにバックアップ化合物について、上記①と同様の権利を保証するオプション権を許諾する。

③ 当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストン収入及び製品販売高に応じたロイヤルティ収入を受領する。

 

 

契約書名

LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000004 (CJ-12420) AND RQ-00000774 IN SOUTHEAST ASIAN COUNTRIES(導出契約)

契約先

CJ HealthCare Corporation(韓国)

契約締結日

平成26年11月27日

契約期間

契約締結日からCJ HealthCare Corporationによる当社へのロイヤルティ支払い義務が終了するまで

主な契約内容

① 当社は、CJ HealthCare Corporationに対して、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan及びRQ-00000774)の東南アジアにおけるヒト用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、CJ HealthCare Corporationにバックアップ化合物について、上記①と同様の権利を保証するオプション権を許諾する。

③ 当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入及び製品販売高に応じたロイヤルティ収入を受領する。

 

(5)権利の再許諾に関する契約

契約書名

ライセンス契約(再許諾契約)

契約先

Meiji Seikaファルマ株式会社

契約締結日

平成23年3月14日

契約期間

契約締結日から契約所定の状況による解約を除き、日本での販売を中止する日まで

主な契約内容

① 当社は、Meiji Seikaファルマ株式会社に対して、「ZIPRASIDONE HCL / ZIPRASIDONE MESYLATE MARKETING RIGHTS AGREEMENT」によりPfizer Inc.より許諾を受けているジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の日本における開発、販売及び製剤の製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、上記①の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストン収入、および製品販売高に応じたロイヤルティ収入を受領する。また、日本国内での医薬品販売高が一定金額を超えた場合には、インセンティブを受領する。

(注)上記②のマイルストン収入及びロイヤルティ収入については、臨床試験の状況により増減される場合があります。

 

(6)共同研究に関する契約

契約書名

共同研究契約書

契約先

EAファーマ株式会社(注)1

契約締結日

平成24年10月31日

契約期間

契約締結日から30ヶ月(注)2

主な契約内容

① 当社は、EAファーマ株式会社と特定のイオンチャネルに対する活性を持つ化合物の探索に関する共同研究を実施する。

② 共同研究の結果創出された化合物は、EAファーマ株式会社が開発及び販売を行う。

③ 当社は、上記①の開始時の対価として本契約の締結に伴う契約一時金収入を、また①の遂行の対価として研究援助金収入を受領する。また、共同研究の結果、創出された化合物の開発・承認・販売に応じたマイルストン収入を受領する。

④ 当社は、製品の上市後、医薬品販売高の一定料率をロイヤルティ収入として受領する。

(注)1.平成28年4月1日付で味の素製薬株式会社はエーザイ株式会社の消化器疾患領域事業を統合し、味の素製薬株式会社を承継会社とする新統合会社EAファーマ株式会社となりました。これに伴い、本契約は平成28年4月1日に味の素製薬株式会社よりEAファーマ株式会社へ継承されています。

2.契約期間は、覚書により平成29年4月30日まで延長しております。

 

契約書名

共同研究契約書

契約先

旭化成ファーマ株式会社

契約締結日

平成28年1月1日

契約期間

平成28年1月1日から3年間

主な契約内容

① 当社は、旭化成ファーマ株式会社と特定のイオンチャネルに対する活性を持つ開発候補化合物の探索に関する共同研究を実施する。

② 当社は、上記①の遂行の対価として研究助成金を受領する。また共同研究の結果開発候補化合物が創出された場合にその段階に応じて成功報酬を受領する。

③ 共同研究の結果開発候補化合物が創出された場合、旭化成ファーマ株式会社と当該開発候補化合物に関するライセンス契約を締結する。

 

契約書名

Collaboration Agreement(共同研究契約)

契約先

XuanZhu Pharma Co., Ltd.(中国)

契約締結日

平成27年12月22日

契約期間

平成27年12月22から3年間

主な契約内容

① 当社は、XuanZhu Pharma Co., Ltd.と特定のイオンチャネルに対する活性を持つ化合物の探索に関する共同研究を実施する。

② 当社は、上記①の開始時の対価として本契約の締結に伴う契約一時金、および①の遂行の対価として研究助成金を受領する。

③ 共同研究の結果化合物が創出された場合、XuanZhu Pharma Co., Ltd.と当該化合物に関するライセンス契約を締結する。

 

(7)その他重要な契約

(簡易株式交換によるテムリック株式会社の子会社化)

当社は、平成28年12月26日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、テムリック株式会社(以下、「テムリック」といいます。)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本株式交換」といいます。)を行うことを決議し、同日付でテムリックとの間で株式交換契約を締結いたしました。なお、本株式交換は平成29年2月3日付で予定通り実施いたしました。

なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

 

6【研究開発活動】

当社の研究開発活動における当事業年度の研究開発費は、796百万円(前年同期比38.9%減)となりました。なお、当事業年度における主な研究開発の概況は、以下のとおりであります。

 

(1) 自社の研究開発及び共同研究

(探索段階)

炎症性疼痛及び神経障害性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトでは、見出された化合物の適切な投与方法の検討を継続して実施しました。さらに新規リード化合物探索を実施し、複数の候補化合物を見出しました。

 

製薬企業等との共同研究については以下のとおり実施しております。

会社名

開始月

内容

EAファーマ株式会社(※注)

平成24年10月

消化器領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

インタープロテイン株式会社

平成25年2月

疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究

XuanZhu Pharma Co.,Ltd

平成27年12月

疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

旭化成ファーマ株式会社

平成28年1月

疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

(注)平成28年4月1日付で味の素製薬株式会社はエーザイ株式会社の消化器疾患領域事業を統合し、味の素製薬株式会社を承継会社とするEAファーマ株式会社となりました。

 

(前臨床開発段階)

① グレリン受容体作動薬(RQ-00433412)

がんに伴う食欲不振/悪液質症候群を目標適応症として開発中の本化合物は、特性評価を完了し、次段階である前臨床開発試験に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

TRPM8遮断薬(RQ-00434739)

神経障害性疼痛(化学療法起因性冷アロディニア)を目標適応症として開発中の本化合物は、特性評価を完了し、次段階である前臨床開発試験に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

③ モチリン受容体作動薬(RQ-00201894)

胃不全麻痺、 機能性胃腸症、術後イレウスを目標適応症として開発中の本化合物は、第Ⅰ相臨床試験実施に必要な前臨床試験(in vivo薬効薬理試験、薬物動態試験、毒性試験(GLP基準)、安全性薬理試験(GLP基準))が終了いたしました。現時点で次の臨床開発段階に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

 

(臨床開発段階)

① 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)

胃不全麻痺、 機能性胃腸症、慢性便秘を目標適応症として開発中の本化合物は、共同研究先であるVCUによる医師主導治験が平成28年8月から開始されました。本試験につきましては、VCUがマイケル・J・フォックス財団パーキンソン病研究機関から研究助成金を受けて、パーキンソン病患者における合併症である胃不全麻痺に対する安全性と有効性の検討を目的とする臨床研究として進められています。

カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan

胃食道逆流症(RE/NERD)を目標適応症として開発中の本化合物は、米国に引き続き、日本での第Ⅰ相臨床試験を終了しています。開発が進んでいる韓国の臨床試験データも活用して、導出に向けて引き続き協議を進めてまいります。

③ 5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)

下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)を目標適応症として開発中の本化合物は、本化合物を初めてヒトに投与する第Ⅰ相臨床試験(健康成人及び患者を対象)を平成27年7月に英国で開始し、現在継続実施中であります。

 

④ 第2世代半合成リポグリコペプチド系抗菌薬(dalbavancin)

現在、日本での導出に向けて協議を進めております。なお本剤は、米国において急性細菌性皮膚および皮膚組織感染症(ABSSSI)治療薬としてDALVANCETMの商標で上市され、欧州においては平成27年3月にXYDALBATMの商標で販売承認を得ております。

 

(2) 導出先の開発状況

カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan)

胃食道逆流症(RE/NERD)を主目標適応症としてCJ社で開発中の本化合物は、韓国において第Ⅲ相臨床試験を実施中であり、中国での開発も準備が進められております。

セロトニン5-HT2AおよびドパミンD2受容体遮断薬(ziprasidone)

統合失調症治療薬としてMeiji Seikaファルマ社で開発中の本化合物は、日本において第Ⅲ相臨床試験を実施中です。本剤は、米国ファイザー社によって既に83ヶ国で販売されており、米国の治療ガイドラインには第一選択薬として収載されています。

EP4拮抗薬(Galliprant®、 RQ-00000007、 AT-001、grapiprant)

ペットの疼痛治療薬として導出先であるアラタナ社にて開発を行った本化合物は、米国における犬を対象とした臨床試験での良好な成績をもってFDAの製造販売承認を得ました。現在、アラタナ社及びエランコ社により平成29年第1四半期の発売開始に向けた準備が進められております。また、欧州においては平成28年2月にアラタナ社がEMAに承認申請を行っており、現在、承認審査中です。

グレリン受容体作動薬(Entyce®、 RQ-00000005、AT-002、capromorelin)

ペットの食欲不振治療薬としてアラタナ社にて開発を行った本化合物は、犬を対象とした臨床試験での良好な成績をもってFDAの製造販売承認を得ました。平成29年2月の北米獣医学会にあわせた販売開始に向けて準備が進められております。

またアラタナ社は、本剤について猫を対象とした食欲不振治療薬としても開発を進めており、平成28年12月に猫における長期毒性試験を開始しました。

⑤ EP4拮抗薬(RQ-00000007、AAT-007、grapiprant)

株式会社AskAt(以下「AskAt社」)のライセンス先で現在、臨床試験実施のための準備が進められております。

⑥ シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬(RQ-00317076、AAT-076)

AskAt社のライセンス先で現在、臨床試験実施のための準備が進められております。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用について会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しては、過去の実績、適切な仮定に基づいて合理的に計算しておりますが、実際の結果と相違する場合があります。

 

(2)当事業年度の経営成績の分析

事業収益は、アラタナ社(米国)とのライセンス契約締結に伴うマイルストン収入、旭化成ファーマ株式会社及びXuanZhu Pharma Co.,Ltd.(本社:中国山東省)との共同研究に係る研究協力金収入を計上し、705百万円(前事業年度比384.7%増)となりました。

事業費用は、1,465百万円(前事業年度比27.1%減)となりました。主な内訳は、研究開発費は796百万円(前事業年度比38.9%減)、その他の販売費及び一般管理費は551百万円(前事業年度比22.1%減)であります。研究開発費の主な内訳は、給与手当が281百万円(前事業年度比31.1%減)、産学共同研究費が163百万円(前事業年度比7.8%増)、委託研究開発費が44百万円(前事業年度比76.8%減)、臨床研究費が19百万円(前事業年度比86.8%減)、減価償却費が69百万円(前事業年度比68.8%増)であります。

その他の販売費及び一般管理費の主な内訳は、給与手当が146百万円(前事業年度比32.3%減)、業務委託費が130百万円(前事業年度比11.4%増)、特許維持費99百万円(前事業年度比28.8%減)であります。

以上の結果、営業損失は759百万円(前事業年度は営業損失1,864百万円)、経常損失は720百万円(前事業年度は経常損失1,795百万円)、当期純損失は728百万円(前事業年度は当期純損失1,854百万円)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は研究開発型の創薬企業であり、開発化合物の導出による契約一時金収入、研究開発の進捗に応じたマイルストン収入、医薬品の上市後において医薬品販売高に応じたロイヤルティ収入等の対価を受領することにより収益を得る契約形態を採用しております。しかしながら、医薬品が上市され、経常的なロイヤルティ収入が発生する以前の段階では、長期的かつ安定的な収益ではなく、開発化合物の導出に伴う契約一時金収入、あるいは開発の進捗に基づくマイルストン収入に頼るため、導出交渉及び開発の成否が全体の事業収益に大きな影響を与える可能性があります。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

医薬品開発事業は、①成功確率が極めて低い、②開発に長い期間を必要とする、③多大な研究開発費を必要とするものの一旦成功すれば高い収益が期待できる、ハイリスク・ハイリターン型のビジネスであります。当社は研究開発型の創薬企業として、平成20年に設立と同時に当該事業に参入いたしましたが、ベンチャー企業であるが故に、一般の製薬会社に比べて相対的に経営資源に制約があり、採り得るリスクへの対応にも限界があることから、安全性及び有効性が概ね評価可能となる段階(必要に応じて第Ⅱ相臨床試験を実施)までを当社にて行い、その後製薬会社等へ開発化合物を導出するという経営戦略を採っております。また、複数のプロジェクトを保有して研究開発ポートフォリオを構成することにより、リスク分散を図り、研究開発投資の回収に努める方針であります。

しかしながら、販売計画や研究開発計画が想定どおりに進捗しなかった場合には、継続的な営業損失の発生及び継続的なキャッシュ・フローのマイナス等を計上し続けることとなり、当該状況によっては当社の事業継続が困難となる可能性があります。当社は、これらのリスクを低減し、収益の獲得機会の最大化を図るために、「選択と集中」により選択したプロジェクトに経営資源を集中し、併せて研究開発ポートフォリオを拡充する戦略も採ってまいります。また、初期探索段階から開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオすべてを導出対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を展開しており、この体制を通じて、研究開発投資を段階的に回収できるよう努めてまいります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ1,155百万円減少し、1,087百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、680百万円(前事業年度は2,116百万円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失722百万円及び減価償却費79百万円のほか、利息及び配当金の受取額61百万円、特別退職金の支払額32百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、441百万円(前事業年度は665百万円の回収)となりました。これは主に、保有する有価証券の償還による収入300百万円及び投資有価証券の償還による収入185百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出426百万円、定期預金の預入による支出323百万円及び有価証券の取得による支出200百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローはありませんでした(前事業年度は1,701百万円の調達)。

 

(6)経営者の問題意識と今後の方針について

当社の経営陣は、事業の環境について入手可能な情報と経験に基づいた仮定により経営判断を行っておりますが、当社は研究開発型の創薬企業であり、開発化合物の導出による契約一時金収入や開発化合物の上市後のロイヤルティ収入により収益が安定化するまで長期間を要する可能性があります。そのため、キャッシュ・フローの動向には常に注意を払い、事業収益実現のための営業(導出)活動及び提携先とのアライアンス・マネジメントには最大の経営努力を注いでまいります。

当社は、研究開発ポートフォリオの拡充、導出の推進、導出後の開発化合物の上市に向けた臨床開発支援活動が、企業価値を向上し、事業の継続性を高めるために重要な要素であると考えており、今後もこれらの諸活動を含めた研究開発活動に経営資源を集中する方針であります。