第2【事業の状況】

「(*)」を付している用語については、「第一部 企業情報 第1 企業の概況」の末尾に用語解説を設け、説明しております。なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメントの情報は記載しておりません。

 

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国トランプ政権の政策運営や北朝鮮情勢の不透明感による為替リスクを抱える中、輸出が好調なほか、家電の買い替え需要等を背景とした個人消費の回復や企業の省力化投資により国内総生産は7四半期連続の成長を記録しており、政府・日銀が目指すデフレ脱却への道筋が視野に入りつつあります。

製薬業界におきましては、国内製薬会社においても長期収載品を中心に製品や事業レベルでの売却・買収が活発化しており、特許切れ製品を軸とした事業再編が進んでおります。特に特定疾患領域に特化したスペシャリティ・ファーマ化及びカーブアウトベンチャー設立の動きは、当社グループのような創薬ベンチャー企業のライセンス活動におきましても少なからず影響が生じております。

このような環境下において、当社グループは医薬品開発化合物の継続的な創出、研究開発ポートフォリオの拡充及びそれら開発化合物の導出を目指し、研究開発活動及び営業活動に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度において、マルホ株式会社(以下「マルホ社」)との間で選択的ナトリウムチャネル遮断薬に関するライセンス契約を、CJ HealthCare Corporation(韓国、以下「CJ社(韓国)」)との間でカリウムイオン競合型アシッドブロッカーtegoprazanの権利地域をメキシコ、ブラジルなどの中南米、ロシアを含む東欧圏諸国、及びアラブ、イスラエルなどの中東地域(ROW: Rest Of World)に拡大する契約を締結することができました。

導出先の状況につきましては、Aratana Therapeutics, Inc.(米国、以下「アラタナ社(米国)」)に導出したイヌの変形性関節症に伴う痛みの治療薬Galliprant®は、同社の戦略提携先であるElanco Animal Health(米国、Eli Lilly and Company動物薬部門、以下「エランコ社(米国)」)の強力な販売網を活かして平成29年1月から、アラタナ社(米国)に導出したグレリン受容体作動薬Entyce®につきましては、平成29年10月から、それぞれ米国で販売を開始し、順調に売上を伸ばしております。また、CJ社(韓国)に導出中のtegoprazanは、平成29年8月に韓国食品医薬品安全処(MFDS: Ministry of Food and Drug Safety、以下「MFDS」)への承認申請が行われました。今後、tegoprazanは、新薬許可の手続きを経て、薬価収載後、平成30年12月に発売される予定です。一方で当社グループは、ポートフォリオの見直しを行い、丸石製薬株式会社に導出していたEP4拮抗薬とCJ社(韓国)に導出していた5-HT4部分作動薬のライセンス契約につきましては、それぞれの会社と開発方針の協議を行い総合的に考慮した結果、ライセンス契約を終了することとしました。5-HT4部分作動薬につきましては、自社開発を検討するとともに、新たなライセンス先の開拓を含めて価値最大化に向けた活動に取り組んでまいります。

共同研究においては、旭化成ファーマ株式会社(以下「旭化成ファーマ社」)との共同研究においてマイルストン達成に伴う一時金を平成29年7月に計上しました。旭化成ファーマ社との共同研究は引き続き進展しており、インタープロテイン株式会社及びXuanZhu Pharma Co., Ltd.(中国)との間の共同研究も、それぞれ順調に進展しております。EAファーマ株式会社(以下「EA社」)との共同研究契約は、平成29年4月に満了いたしましたが、本共同研究の結果創出された化合物はEA社において開発が継続しており、当社権利につきましては本契約終了後も引き続き存続しております。

産学連携においては、平成23年8月から進めてきた東京大学大学院医学系研究科コンチネンス医学講座(井川靖彦特任教授)との「泌尿器疾患に対する新規治療メカニズムの評価」に関する共同研究契約をさらに1年間延長し、TRPM8遮断薬(化合物コード: RQ-00434739)の泌尿器疾患領域への応用可能性の検討も含めて共同で探索を継続してまいります。

また平成29年2月にテムリック株式会社を株式交換により完全子会社化しました。同社は、がん疾患/希少疾患領域に特化したバイオベンチャーであり、東光薬品工業株式会社から導入したTM-411(一般名:タミバロテン)をSyros Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州)に導出する等の活動を行っております。本子会社化により、当社グループは、同社が有するがん疾患/希少疾患領域の新規治療薬の研究開発及び導出活動のノウハウを活用し、アカデミアから創出される新規の作用機序に基づく研究開発及び導出活動を行うことで事業領域の拡大を図ってまいります。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績は、事業収益1,419百万円、営業損失150百万円、経常損失80百万円、親会社株主に帰属する当期純損失58百万円となりました。なお、事業費用の総額は1,569百万円であり、その内訳は、支払ロイヤルティ144百万円を事業原価に計上した他、研究開発費848百万円、その他の販売費及び一般管理費571百万円となりました。

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、期首に比べ1,229百万円増加し、2,473百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、307百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失59百万円及び減価償却費85百万円のほか、利息及び配当金の受取額40百万円、売上債権の増加380百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により獲得した資金は、533百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入340百万円及び投資有価証券の売却による収入1,096百万円のほか、投資有価証券の取得による支出719百万円及び有価証券の取得による支出110百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による獲得した資金は、1,007百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入996百万円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社グループは研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

(2)受注実績

当社グループは研究開発を主体としており、受注生産を行っておりませんので、受注実績は記載しておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績は、以下のとおりであります。

なお、当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。

 

連結会計年度

(自 平成29年1月1日

  至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

事業収益 合計      (千円)

1,419,195

 

(注)1.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、それぞれ以下のとおりであります。

相手先

連結会計年度

(自 平成29年1月1日

  至 平成29年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

Aratana Therapeutics, Inc.

767,230

54.1

A社

300,000

21.1

B社

150,000

10.6

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.共同研究開発契約において秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。

 

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

① 会社の経営の基本方針

当社グループは、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬企業であり、独自に創出した新薬の開発化合物を製薬会社等に対して導出することにより契約一時金収入、マイルストン収入、ロイヤルティ収入を獲得することを事業展開の基本としております。当社グループの基本方針は、以下のとおりであります。

(A)探索研究から初期開発さらに導出までを一体化して進める創薬ビジネスモデルを確立し、体制の整備及び効率化を図る。

(B)産学官連携による最先端の創薬研究から革新的な開発化合物の創出を目指す。

(C)事業パートナーとの信頼関係を構築し、確実なビジネス成果に結びつける。

 

② 目標とする経営指標

当社グループは、医薬品の研究開発を推進し、探索研究、前臨床試験及び初期の臨床試験の成果として創出した開発化合物の導出、さらには導出先での上市・販売によって収益を確保することにより、持続的な成長を図ってまいります。研究開発プロジェクトを一層充実させ、各開発化合物の研究開発を促進することにより、早期に多くの開発化合物を導出することを目標として事業活動を推進しております。

 

③ 中長期的な会社の経営戦略

一般的に医薬品の研究開発は長期かつ多額の費用を要するものであります。また、研究開発の各段階においては、有効性、安全性やその他の問題により研究開発の中止や遅延等の事態が生じる等、開発化合物が上市に至るまでには様々なリスクがあり、その成功確率は高いものではありません。

こうした中、当社グループは、以下のような戦略をもって事業を展開しております。

(A)導出及びアライアンスマネジメント戦略

当社グループの営業活動は、初期探索段階から開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオのすべてを導出対象とすることにより、機動的かつ柔軟な導出活動を展開しております。当社グループの研究開発ポートフォリオは、その研究開発戦略の特性から、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利の導出を最優先の目標としておりますが、各プロジェクトの特性と顧客である製薬会社等のニーズに応じて、地域別の導出、あるいは剤形ごとの導出、さらには動物用医薬品用途での導出等、収益の最大化を図るべく様々な形態で導出を図る方針であります。

また、当社グループは、既に導出されている開発候補化合物等に対し、各導出先企業との協力体制のもと、順調な開発の推進を支援し、収益獲得を可能な限り早期に実現させること、更には長期的かつ安定的な収益を獲得することを目的として、アライアンスマネジメントを遂行しております。

(B)研究開発戦略

a)継続的な研究開発ポートフォリオの強化

当社グループは、創業時より疼痛疾患領域及び消化管疾患領域を研究開発の重点領域として開発化合物の創出に取り組んできました。平成26年度からは、名古屋大学に産学協同研究部門を設置し、アカデミアにおける最先端の創薬研究から革新的な開発化合物の創出に取り組んでおります。

また、現在国内外製薬会社と行っている「Research Collaboration」も引き続き取り組むことで研究開発ポートフォリオを継続的に強化してまいります。

b)開発プロジェクトの価値向上と早期の収益化の実現

臨床試験段階においては、多額の研究開発費が必要となるため、当社グループにおける研究開発に係る費用及びリスク負担を軽減することを目的とし、当社グループ保有の開発化合物について「選択と集中」を図ってまいりました。選択したプログラムへの内部リソースの集中に加え、必要に応じて、外部プロジェクト・ファイナンス等を活用したさらなるプロジェクト価値の向上により早期収益を実現し、開発の加速化による将来的な収益の獲得を目指します。

 

(2) 経営環境

医薬品市場は、先進国においては、高齢化によって、途上国においては医療の発展による市場拡大が続いており、医療費をはじめとする社会保障費用も増加の一途を辿っています。このため、先進国においては、医療費の抑制と効率化が急務となっておりますが、各国において法規制は年々厳しくなっていることから新薬の開発難易度とコストは高騰しており、かつての「ハイリスク・ハイリターン」型のビジネスモデルから、「超ハイリスク・ミドルリターン」型のビジネスモデルへのシフトを余儀なくされております。日本においては、少子高齢化も相まって現役世代の負担がますます重くなっており、一定の自己負担で高水準の医療を受けられる仕組みの維持が困難になったことから、新薬の薬価抑制とともに、ジェネリック医薬品のシェアを「平成29年央に70%以上とするとともに平成30年度から平成32年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする」ことが掲げられた「経済財政運営と改革の基本方針2015」が平成27年6月末に閣議決定され、実施に向けた政策が実行に移されつつあります。

このような経営環境の中で当社グループは、創薬ベンチャーとして画期的な新薬を研究開発・上市するためには、次の(3)にあげた5点が最重要課題であると認識しております。

 

(3) 対処すべき課題

当社グループは、以下の点を主要な経営課題として取り組んでまいります。

① 研究開発ポートフォリオの強化

創薬ベンチャー企業として企業価値を高めていくためには、新規性の高い開発化合物を継続的に創出し、研究開発ポートフォリオを強化していく必要があります。医薬品開発先進国である米国では、新たに上市される医薬品の約6割がアカデミアや創薬ベンチャー企業発と言われております。我が国においてもアカデミアや創薬ベンチャー企業からの創薬が進む中、当社グループは平成26年度から名古屋大学に産学協同研究部門を設置し、アカデミアにおける最先端の創薬研究から革新的な開発化合物の創出に取り組んでおります。当社グループでは、以下の方策を採ってまいります。

・独自の評価系及びデータベース等を活用した開発化合物の早期創出と新規適応症の拡大

・イオンチャネル創薬における当社グループの強みを活かした共同研究による開発化合物の早期創出

・産学官連携による共同研究を推進し、最先端の創薬研究に基づく開発化合物の拡充

 

② リソースの選択と集中による各プロジェクトの価値向上

当社グループは、保有する開発化合物の研究開発について、資金や人的リソースを効率的に活用して研究開発を進めるために開発化合物のステータスに応じて以下の方策を採ってまいります。

・導出準備プログラム:当社グループが強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラム

・導出済みプログラム:第Ⅱ~Ⅲ相臨床試験を中心に導出先が主軸となって進める臨床開発について当社グループがサポートをメインに行うプログラム

・共同研究プログラム:探索ステージを基本に当社グループと製薬会社、双方が持つ強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物の創出を目指す共同研究プログラム

 

③ 導出活動とアライアンスマネジメントの強化

当社グループが有する開発化合物を製品上市するためには、臨床開発を実施しなければなりませんが、開発を推進し、リスクを最小化するためには、パートナーとなる製薬会社と提携し導出を行う必要があります。現在、当社グループはこれを最重要課題として様々なチャネルを通じてグローバルな導出活動に取り組んでおります。導出後は、一日も早い製品上市を目指して導出先企業へのデータ提供や定期的なコミュニケーションを図ることで開発の推進を積極的に支援してまいります。

 

④ 財務基盤の強化

当社グループのような創薬ベンチャー企業は、製品が上市するまでの間、パイプラインの開発進展、開発化合物の増加等に伴い、事業活動に合わせて資金調達を確実に行っていく必要があります。そのため、当社グループは、資金調達手段の確保・拡充に向けて、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資を行うなど、資金調達の多様化を図ってまいります。また、予算管理の徹底を通じてコスト抑制を図ることで財務基盤の更なる強化に努めてまいります。

 

⑤ 人材の獲得

当社グループの経営資源の第一は、人であると考えています。今後、新薬の探索及び開発、適応拡大を進捗させるために、適切な人材を適宜、確保していく予定であります。

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しないと思われる事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。これらリスクの顕在化に伴う問題が生じた場合には、当社グループの事業展開、財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況、当社グループ株式の市場価格に影響を及ぼす可能性が、状況によっては事業存続が困難になる可能性があります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は、本株式への投資に関するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業の内容について

① 医薬品の研究開発を取り巻く環境について

一般的に医薬品の研究開発は探索研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、巨額の研究開発費用が必要とされる一方、成功確率は他産業に比して極めて低いものとされています。また、研究開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法その他関係法令や規則、及びそれに関わる行政指導により、様々な規制を受けております。加えて、医薬品分野は、技術革新が著しい分野でもあります。そのため、品質、有効性および安全性に関する十分なデータが得られず、医薬品としての有用性を示すことができない可能性、規制の変更に伴う承認要件の変更の結果、当社グループあるいは導出先における開発費用の増大や承認取得時期の遅延が発生する可能性、新技術等への対応が遅れる可能性があります。また、これらのリスクは、既に他社に導出した開発品に関しても同様に発生する可能性があります。

② 競合について

当社グループは、疼痛疾患及び消化管疾患を重点領域として医薬品の研究開発を行っておりますが、これらの領域においては、多くの製薬会社や創薬ベンチャー企業等による研究開発活動が行われており、当社グループの研究開発との間に競合関係が生じております。競合品の存在やその研究開発の進捗等が当社グループの開発化合物の導出等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 製薬会社等への導出等による収益獲得について

一般的に、製薬会社等において共同研究の実施や開発化合物の導入に際しての評価・判断は、個々の製薬会社等により異なります。当社グループが契約締結を企図するプロジェクトや開発化合物が製薬会社等における導入や当社グループとの業務提携の意欲を充足する保証はなく、契約締結に結び付かない、又は契約条件が当社グループの想定と大きく異なる等の可能性があります。

④為替リスクについて

当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動や海外企業とのライセンスにおいて外貨建取引が存在します。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化する可能性があります。

 

(2)社内体制について

① 小規模組織であることについて

当社グループは、役員7名(取締役(監査等委員である取締役を除く)4名、監査等委員である取締役3名)、従業員60名(平成29年12月31日現在)と小規模であり、内部管理体制も相応の規模となっております。当社グループにおいては、業務上必要な人員の増強及び内部体制の充実を図っていく方針ではありますが、人材流出や代替要員の不在などの問題が生じる可能性があります。

② 人材の確保について

当社グループは、事業活動には高度な専門的な知識・技能を持った優秀な人材の確保が必要であると考えております。当社グループでは、このため常に優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、人材確保に支障が生じる可能性や、優秀な人材が社外に流出する可能性があります。

③ 情報管理体制について

当社グループの行う事業においては、研究開発における技術及び知見等は極めて重要性の高いものであり、事業の競争性を確保するものであります。また導出先である製薬会社等と共有する情報等は高い機密性を保持することが要請されます。当社グループは、情報管理体制の強化に努めておりますが、重要な機密情報の漏洩等を完全に回避することは困難であり、問題が生じる可能性があります。

 

 

(3)知的財産権について

① 当社グループの保有する知的財産権について

特許は、出願及び取得した場合においても出願した全てが成立する保証はなく、また特許出願によっても当社グループの権利を確実に保全できる保証はありません。更に、当社グループが所有又は使用許諾を受けた知的財産権に優位する知的財産権が第三者によって生み出される可能性や、第三者の知的財産権の侵害に基づく将来の係争を完全に回避することは困難です。

なお、日本その他の国の特許関連法規、或いは各国当局の解釈により、競合他社、或いはその他の組織が当社グループに補償等を行うことなく技術を使用し、医薬品等の開発及び販売を行うことができる可能性があります。

② 職務発明に係る社内対応について

平成17年4月1日から施行された特許法の改正に伴い、当社グループでは、代表取締役、執行役員及び従業員が協議の上、取締役会決議により「知的財産権管理規程」を作成し、運用しております。しかしながら、将来、発明者の認定及び職務発明の対価の相当性についての係争を完全に回避することは困難であり、問題が生じる可能性があります。

 

(4)事業における事故やトラブル等のリスクについて

① 当社の臨床開発における健康被害について

当社グループは、研究開発活動において、開発化合物の有効性及び安全性を評価するため、前臨床試験を実施した上で、細心の注意を払って臨床試験を実施しております。しかしながら、被験者における重大な健康被害の発生を完全に回避することは困難であり、問題が生じる可能性があります。

② 研究施設における事故等について

当社グループは、研究開発活動において、各種化学物質、特に危険物質を取り扱っております。何らかの要因により火災や爆発事故又は環境汚染事故等が発生する可能性があります。

③ 自然災害等のリスクについて

当社グループが本拠地とする中部及び関東地域において、地震(東南海地震含む)、津波又は台風等の自然災害や大規模な事故、火災、テロ等により、当社グループの設備の損壊や各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生する可能性があります。

④ 訴訟の可能性について

当社グループは、事業を展開する上で、当社グループの瑕疵又は責任の有無に拘わらず、第三者の権利又は利益を侵害した場合には、損害賠償等の訴訟を提起される可能性があります。また、取引関係や労使関係その他において何らかのトラブルが生じた場合、訴訟等に発展する可能性があります。さらに、業務委託先においてコンプライアンス違反が発生した場合、発注元である当社グループに対しても責任が問われる可能性があります。

 

(5)経営上の重要な契約について

「第一部 企業情報、第2 事業の状況、5.経営上の重要な契約等」に記載した、当社グループの経営上の重要な契約について、将来、期間満了、解除、中断、延期等、又は当該契約の更新に際し当社グループにとって不利な改定が行われる可能性があります。

 

(6)経営成績及び財政状態について

① 今後における損失計上の見通しについて

当社グループは、引き続き多額の研究開発費を先行投資する必要があることから、当面は損失の計上を想定しております。販売計画や研究開発計画が当社グループの想定どおりに進捗しなかった場合は、想定以上に損失計上が継続する可能性があり、その状況によっては当社グループの事業継続が困難となる可能性があります。

② 事業資金の確保について

当社グループは、研究開発型のバイオベンチャー企業であることから営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスが創業以来継続しており、今後も研究開発投資、運転資金及び設備投資等の資金需要が予想されます。適時適切な資金調達ができなかった場合、当社グループの事業継続が困難となる可能性があります。

 

(7)大学及び公的研究機関等との関係について

当社グループは、新たな技術の導入・移転を目的として、国立大学法人名古屋大学をはじめとする大学や公的研究機関との共同研究を実施しております。企業と大学等との関係は、法令等の改正や組織改正などに影響を受ける可能性があり、その結果共同研究の方向性や権利関係につき当社グループにとって不利となる変更を余儀なくされる可能性があります。

(9)その他

① 新株予約権について

当社グループは、従業員に対するインセンティブ・プランとしてストック・オプション制度を採用しております。今後、これらの新株予約権が行使された場合、1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後ストック・オプションを付与する際に費用が計上されることにより、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

他社との戦略的提携・企業買収等の成否について

当社グループは、競争力の強化及び事業分野の拡大等のため、他社の事業部門の譲り受け、他社の買収、他社との業務提携、合弁会社の設立、他社への投資等の戦略的提携など(以下「戦略的提携等」といいます。)を行うことがあります。こうした戦略的提携等において、パートナー企業との思惑に相違が生じて提携・統合が円滑に進まない可能性や、当初期待していた効果が得られない可能性、投資した金額の全部又は一部が回収できない可能性等があります。またパートナー企業が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、パートナー企業が事業戦略を変更した場合などには戦略的提携等の関係を維持することが困難になる可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)産学協同研究部門(又は講座)の設置に関する契約

契約書名

産学協同研究部門設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成26年2月18日

契約期間

平成26年4月1日から3年間(注)

主な契約内容

① 当社は、名古屋大学 環境医学研究所内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究部門(講座名: 薬効解析部門)を設置する。

② 産学協同研究部門の設置に伴い、名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③ 当社は、名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

(注)契約期間は変更契約書により平成30年3月31日まで延長しております。

 

契約書名

産学協同研究講座設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成27年2月17日

契約期間

平成27年4月1日から3年間

主な契約内容

① 当社は、名古屋大学 大学院医学研究科内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究講座(講座名: 薬剤科学・分析化学講座)を設置する。

② 産学協同研究講座の設置に伴い、名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③ 当社は、名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

 

契約書名

産学協同研究講座設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成27年2月17日

契約期間

平成27年4月1日から3年間

主な契約内容

① 当社は、名古屋大学 大学院創薬科学研究科内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究講座(講座名: 新薬創成化学講座)を設置する。

② 産学協同研究講座の設置に伴い、名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③ 当社は、名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

(2)知的財産権の譲渡及びライセンスに関する契約

契約書名

INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT

(知的財産権の譲渡及びライセンスに係る契約)

契約先

Pfizer Inc.(米国)

契約締結日

平成20年6月30日

契約期間

平成20年6月30日から50年間

主な契約内容

① Pfizer Inc.は、探索段階及び開発段階の複数のプロジェクトに関して、知的財産権を当社に譲渡、又は知的財産権の使用を当社に許諾(再許諾する権利を含む)する。

② 当社は、Pfizer Inc.に対し、①及び下記「ZIPRASIDONE HCL / ZIPRASIDONE MESYLATE MARKETING RIGHTS AGREEMENT」の対価を支払う。

③ 上記①の対象となった複数の化合物のうち特定の化合物に関して、当社はPfizer Inc.に対し、ロイヤルティを支払う。

(注)上記②の対価については、平成20年7月14日に支払を完了しております。

 

契約書名

ZIPRASIDONE HCL / ZIPRASIDONE MESYLATE MARKETING RIGHTS AGREEMENT

(ジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の開発・販売権に係る契約)

契約先

Pfizer Inc.(米国)

契約締結日

平成20年6月30日

契約期間

平成20年6月30日から日本国内での販売終了まで

主な契約内容

Pfizer Inc.は、当社にジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の日本国内における開発、販売及び製剤の製造に関する権利並びに再許諾する権利を許諾し、当社は別途「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」に定める対価を支払う。

(注)ジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の日本国内における開発、販売及び製剤の製造に関する権利は、平成23年3月14日付で一定の対価の受領と引き換えに、Meiji Seikaファルマ株式会社に再許諾しております。契約内容の詳細については、後述「(5)権利の再許諾に関する契約 ライセンス契約」に記載のとおりであります。

 

 

(3)権利の譲渡に関する契約

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、EP4拮抗薬(RQ-00000007、grapiprant)に関するすべての知的財産権を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00000007(grapiprant)により得た収益の一定料率をロイヤルティ収入として受領する。

(注)本契約の締結に関わらず、当社は平成22年12月27日付けでAratana Therapeutics, Inc.と締結した導出契約上の地位は株式会社AskAtに委譲しません。なお、Aratana Therapeutics, Inc.との当該導出契約の詳細については、後述「(4)導出に関する契約 ① EP4拮抗薬(RQ-00000007、grapiprant)」の「EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000007(導出契約)」に記載のとおりであります。

 

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、EP4拮抗薬(RQ-00000008)に関するすべての知的財産権を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00000008により得た収益の一定料率をロイヤルティ収入として受領する。

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬 (RQ-00317076)に関するすべての知的財産権、関連するデータ及び当該化合物原体を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00317076により得た収益の一定料率をロイヤルティ収入として受領する。

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成25年1月29日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、5-HT4部分作動薬(RQ-00000009)に関するデータ及び研究に必要な化合物を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtがRQ-00000009により得た収益の一定料率をロイヤルティ収入として受領する。

 

契約書名

SALE AND PURCHASE AGREEMENT(権利売買契約)

契約先

株式会社AskAt

契約締結日

平成27年11月1日

主な契約内容

① 当社は、株式会社AskAtに対して、CB2拮抗薬プロジェクトに関する全ての知的財産権及び関連するデータ並びに化合物原体を譲渡する。

② 本契約の締結に伴い、当社は、本契約締結の対価として、株式会社AskAtが当該プロジェクトにより得た収益の一定料をロイヤルティ収入として受領する。

 

(4)導出に関する契約

① EP4拮抗薬(RQ-00000007、grapiprant)

本開発化合物は、Pfizer Inc.より譲渡を受けたものであり、当社が第三者に権利を導出する場合、導出によって得られる収益(契約一時金収入、マイルストン収入及びロイヤルティ収入等)に一定の料率を乗じた金額をPfizer Inc.に支払う旨、平成20年6月30日付「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」で当社とPfizer Inc.との間で合意しております。なお、「INTELLECTUAL PROPERTY TRANSFER & LICENSE AGREEMENT」の詳細については、前述「(2) 知的財産権の譲渡及びライセンスに関する契約」に記載のとおりであります。

 

契約書名

EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000007(導出契約)

契約先

Aratana Therapeutics, Inc.(米国)

契約締結日

平成22年12月27日

契約期間

契約締結日から契約所定の条項により解除されるまで

主な契約内容

① 当社は、Aratana Therapeutics, Inc.に対して、grapiprantの全世界における動物用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

当社は、既に保有する原薬及び製剤の一定量を、臨床試験用としてAratana Therapeutics, Inc.へ無償で供給する。

当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストン収入及び製品販売高に応じたロイヤルティ収入を受領する。

(注)当社は、当連結会計年度末現在、Aratana Therapeutics, Inc.の普通株式を保有しております。

 

② グレリン受容体作動薬(RQ-00000005、capromorelin

契約書名

EXCLUSIVE IP LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000005(導出契約)

契約先

Aratana Therapeutics, Inc.(米国)

契約締結日

平成22年12月27日

契約期間

契約締結日から契約所定の条項により解除されるまで

主な契約内容

① 当社は、Aratana Therapeutics, Inc.に対して、グレリン受容体作動薬capromorelinの全世界における動物用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、既に保有する原薬及び製剤の一定量を、臨床試験用としてAratana Therapeutics, Inc.に無償で供給する。

当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストン及び製品販売高に応じたロイヤルティ受領する。

(注)当社は、当連結会計年度末現在、Aratana Therapeutics, Inc.の普通株式を保有しております。

 

カリウムイオン拮抗型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan及びRQ-00000774)

契約書名

LICENSE AGREEMENT(導出契約)

契約先

CJ HealthCare Corporation(韓国)

契約締結日

平成22年9月3日

契約期間

契約締結日からCJ HealthCare Corporationによる当社へのロイヤルティ支払い義務が終了するまで

主な契約内容

① 当社は、CJ HealthCare Corporationに対して、tegoprazan及びRQ-00000774の韓国、中国(香港を含む)及び台湾地域におけるヒト用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、CJ HealthCare Corporationにバックアップ化合物について、上記①と同様の権利を保証するオプション権を許諾する。

③ 当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストン及び製品販売高に応じたロイヤルティを受領する。

 

 

契約書名

LICENSE AGREEMENT FOR RQ-00000004 (CJ-12420) AND RQ-00000774 IN SOUTHEAST ASIAN COUNTRIES(導出契約)

契約先

CJ HealthCare Corporation(韓国)

契約締結日

平成26年11月27日

契約期間

契約締結日からCJ HealthCare Corporationによる当社へのロイヤルティ支払い義務が終了するまで

主な契約内容

① 当社は、CJ HealthCare Corporationに対して、tegoprazan及びRQ-00000774の東南アジアにおけるヒト用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、CJ HealthCare Corporationにバックアップ化合物について、上記①と同様の権利を保証するオプション権を許諾する。

③ 当社は、上記①及び②の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入及び製品販売高に応じたロイヤルティを受領する。

 

契約書名

LICENSE AGREEMENT Of TEGOPRAZAN (RQ-00000004/CJ-12420) IN THE REST OF THE WORLD

(Tegoprazanに関するライセンス契約)

契約先

CJ HealthCare Corporation(韓国)

契約締結日

平成29年12月28日

契約期間

契約締結日からCJ HealthCare Corporationによる当社へのロイヤルティ支払い義務が終了するまで

主な契約内容

① 当社は、CJ HealthCare Corporationに対して、tegoprazan の中南米、中東およびCIS加盟国におけるヒト用医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、上記対価として、本契約の締結に伴う契約一時金、および製品販売高に応じたロイヤルティを受領する。

 

④ 選択的ナトリウムチャネル遮断薬

契約書名

ライセンス契約

契約先

マルホ株式会社

契約締結日

平成29年12月25日

契約期間

契約締結日からマルホ株式会社による当社へのすべての支払い義務が終了するまで

主な契約内容

① 当社は、マルホ株式会社に対して、選択的ナトリウムチャネル遮断薬の全世界における医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

当社は、上記対価として、本契約の締結に伴う契約一時金、および製品販売高に応じたロイヤルティを受領する。

 

(5)権利の再許諾に関する契約

契約書名

ライセンス契約(再許諾契約)

契約先

Meiji Seikaファルマ株式会社

契約締結日

平成23年3月14日

契約期間

契約締結日から契約所定の状況による解約を除き、日本での販売を中止する日まで

主な契約内容

① 当社は、Meiji Seikaファルマ株式会社に対して、「ZIPRASIDONE HCL / ZIPRASIDONE MESYLATE MARKETING RIGHTS AGREEMENT」によりPfizer Inc.より許諾を受けているジプラシドン塩酸塩・ジプラシドンメシル酸塩の日本における開発、販売及び製剤の製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

② 当社は、上記①の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストン、および製品販売高に応じたロイヤルティを受領する。また、日本国内での医薬品販売高が一定金額を超えた場合には、インセンティブを受領する。

(注)上記②のマイルストン収入及びロイヤルティ収入については、臨床試験の状況により増減される場合があります。

 

(6)共同研究に関する契約

契約書名

共同研究契約書

契約先

EAファーマ株式会社

契約締結日

平成24年10月31日

契約期間

契約締結日から30ヶ月(注)

主な契約内容

① 当社は、EAファーマ株式会社と特定のイオンチャネルに対する活性を持つ化合物の探索に関する共同研究を実施する。

② 共同研究の結果創出された化合物は、EAファーマ株式会社が開発及び販売を行う。

③ 当社は、上記①の開始時の対価として本契約の締結に伴う契約一時金収入を、また①の遂行の対価として研究援助金収入を受領する。また、共同研究の結果、創出された化合物の開発・承認・販売に応じたマイルストン収入を受領する。

④ 当社は、製品の上市後、医薬品販売高の一定料率をロイヤルティ収入として受領する。

(注)本契約は平成29年4月30日で満了いたしました。なお、本共同研究の結果創出された化合物のEAファーマ株式会社における開発は継続しており、「主な契約内容」に記載の当社権利につきましては本契約終了後も引き続き存続いたします。

 

 

契約書名

共同研究契約書

契約先

旭化成ファーマ株式会社

契約締結日

平成28年1月1日

契約期間

平成28年1月1日から3年間

主な契約内容

① 当社は、旭化成ファーマ株式会社と特定のイオンチャネルに対する活性を持つ開発候補化合物の探索に関する共同研究を実施する。

② 当社は、上記①の遂行の対価として研究助成金を受領する。また共同研究の結果開発候補化合物が創出された場合にその段階に応じて成功報酬を受領する。

③ 共同研究の結果開発候補化合物が創出された場合、旭化成ファーマ株式会社と当該開発候補化合物に関するライセンス契約を締結する。

 

契約書名

Collaboration Agreement(共同研究契約)

契約先

XuanZhu Pharma Co., Ltd.(中国)

契約締結日

平成27年12月22日

契約期間

平成27年12月22から3年間

主な契約内容

① 当社は、XuanZhu Pharma Co., Ltd.と特定のイオンチャネルに対する活性を持つ化合物の探索に関する共同研究を実施する。

② 当社は、上記①の開始時の対価として本契約の締結に伴う契約一時金、および①の遂行の対価として研究助成金を受領する。

③ 共同研究の結果化合物が創出された場合、XuanZhu Pharma Co., Ltd.と当該化合物に関するライセンス契約を締結する。

 

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動における当連結会計年度の研究開発費は、848百万円となりました。なお、当連結会計年度における主な研究開発の概況は、以下のとおりであります。

 

(1) 自社の研究開発及び共同研究

(探索段階)

炎症性疼痛及び神経障害性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトでは、特性の異なる二つのプロジェクトを進めております。そのうち一つのプロジェクトでは、開発候補化合物の探索毒性試験が完了し、問題となる所見が認められないことを確認したことにより、平成29年12月にマルホ社とライセンス契約を締結することとなりました。今後は、マルホ社が本化合物を有効成分とする治療薬の開発を進めてまいります。もう一つのプロジェクトにおいては、複数のリード化合物を見出し、特性評価を開始しております。

 製薬企業等との共同研究については以下のとおり実施しております。

会社名

開始月

内容

インタープロテイン株式会社

平成25年2月

疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究

XuanZhu Pharma Co.,Ltd.

平成27年12月

疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

旭化成ファーマ株式会社

平成28年1月

疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

 

(前臨床開発段階)

① グレリン受容体作動薬(RQ-00433412)

がんに伴う食欲不振/悪液質症候群を目標適応症として開発中の本化合物は、特性評価を完了し、次段階である前臨床開発試験に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

TRPM8遮断薬(RQ-00434739)

神経障害性疼痛(化学療法起因性冷アロディニア)を目標適応症として開発中の本化合物は、特性評価を完了し、次段階である前臨床開発試験に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

③ モチリン受容体作動薬(RQ-00201894)

胃不全麻痺、機能性胃腸症、術後イレウスを目標適応症として開発中の本化合物は、第Ⅰ相臨床試験実施に必要な前臨床試験(in vivo薬効薬理試験、薬物動態試験、毒性試験(GLP基準)、安全性薬理試験(GLP基準))が終了いたしました。現時点で次の臨床開発段階に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

 

(臨床開発段階)

① 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)

胃不全麻痺、機能性胃腸症、慢性便秘を目標適応症として開発中の本化合物は、共同研究先であるヴァージニア・コモンウェルス大学 パーキンソン病・運動障害疾患センター(米国、Virginia Commonwealth University, Parkinson's and Movement Disorders Center、以下「VCU」)による医師主導治験が平成28年8月から開始されました。本試験につきましては、VCUがマイケル・J・フォックス財団パーキンソン病研究機関から研究助成金を受けて、パーキンソン病患者における合併症である胃不全麻痺に対する安全性と有効性の検討を目的とする臨床研究として進められています。

カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan

胃食道逆流症(RE/NERD)を目標適応症として開発中の本化合物は、米国に引き続き、日本での第Ⅰ相臨床試験を終了しています。開発が進んでいる韓国の臨床試験データも活用して、導出に向けて引き続き協議を進めてまいります。

③ 5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)

下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)を目標適応症として開発中の本化合物は、本化合物を初めてヒトに投与する第Ⅰ相臨床試験(健康成人及び患者を対象)を平成27年7月に英国で開始し、被験者への投与は終了しました。現在データの解析作業を実施中であります。

 

(2) 導出先の開発状況

カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan)

胃食道逆流症(RE/NERD)を主目標適応症としてCJ社(韓国)で開発中の本化合物は、平成29年8月にMFDSへの承認申請がCJ社(韓国)によって行われました。今後、新薬許可の手続きを経て、薬価収載後、平成30年12月に発売される予定です。中国での開発も順調に進められている他、平成29年12月に当社とCJ社(韓国)との間で権利地域をメキシコ、ブラジルなどの中南米、ロシアを含む東欧圏諸国、及びアラブ、イスラエルなどの中東地域(ROW: Rest Of World)に拡大する契約を締結いたしました。

セロトニン5-HT2AおよびドパミンD2受容体遮断薬(ziprasidone)

統合失調症治療薬としてMeiji Seikaファルマ株式会社で開発中の本化合物は、日本において第Ⅲ相臨床試験を実施中です。本剤は、米国ファイザー社によって75ヶ国で販売されており、米国の治療ガイドラインには第一選択薬として収載されています。

EP4拮抗薬(Galliprant®、 RQ-00000007、 AT-001、grapiprant)

ペットの疼痛治療薬として導出先であるアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、アラタナ社(米国)及びエランコ社(米国)により平成29年1月に米国にて販売を開始しました。欧州では欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)に販売承認申請中で、平成30年の承認取得を見込んでおります。

グレリン受容体作動薬(Entyce®、 RQ-00000005、AT-002、capromorelin)

ペットの食欲不振治療薬としてアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、アラタナ社(米国)により平成29年10月に販売を開始しました。

またアラタナ社(米国)は、本剤についてネコを対象とした食欲不振治療薬としても開発を進めており、平成28年12月にネコにおける長期毒性試験を開始しました。

⑤ EP4拮抗薬(RQ-00000007、AAT-007、grapiprant)

株式会社AskAt(以下「AskAt社」)のライセンス先で現在、臨床試験実施のための準備が進められております。

⑥ シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬(RQ-00317076、AAT-076)

AskAt社のライセンス先で現在、臨床試験実施のための準備が進められております。

⑦ 選択的ナトリウムチャネル遮断薬

本化合物は、平成29年12月にマルホ社に導出いたしました。今後は、マルホ社にて開発が進められます

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用について会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しては、過去の実績、適切な仮定に基づいて合理的に計算しておりますが、実際の結果と相違する場合があります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

事業収益は、アラタナ社(米国)とのライセンス契約に伴うマイルストン収入のほか、共同研究契約締結に伴う契約一時金、共同研究に係る研究協力金収入を計上し、1,419百万円となりました。

事業費用は、1,569百万円となりました。主な内訳は、研究開発費は848百万円、その他の販売費及び一般管理費は571百万円であります。研究開発費の主な内訳は、給与手当が296百万円、産学共同研究費が162百万円、臨床研究費が65百万円、委託研究開発費が28百万円、減価償却費が76百万円であります。

その他の販売費及び一般管理費の主な内訳は、給与手当が156百万円、業務委託費が148百万円、特許維持費73百万円であります。

以上の結果、営業損失は150百万円、経常損失は80百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は58百万円となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは研究開発型の創薬企業であり、開発化合物の導出による契約一時金収入、研究開発の進捗に応じたマイルストン収入、医薬品の上市後において医薬品販売高に応じたロイヤルティ収入等の対価を受領することにより収益を得る契約形態を採用しております。しかしながら、医薬品が上市され、経常的なロイヤルティ収入が発生する以前の段階では、長期的かつ安定的な収益ではなく、開発化合物の導出に伴う契約一時金収入、あるいは開発の進捗に基づくマイルストン収入に頼るため、導出交渉及び開発の成否が全体の事業収益に大きな影響を与える可能性があります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、期首に比べ1,229百万円増加し、2,473百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、307百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失59百万円及び減価償却費85百万円のほか、利息及び配当金の受取額40百万円、売上債権の増加380百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により獲得した資金は、533百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入340百万円及び投資有価証券の売却による収入1,096百万円のほか、投資有価証券の取得による支出719百万円及び有価証券の取得による支出110百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による獲得した資金は、1,007百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入996百万円によるものであります。