第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、新たに締結又は契約期間満了等により終了した重要な契約は、次のとおりであります。

 

(1)新たに契約を締結した重要な契約

①産学協同研究部門(又は講座)の設置に関する契約

契約書名

産学協同研究センター設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成30年3月20日

契約期間

平成30年4月1日から7年間

主な契約内容

①当社は名古屋大学内(愛知県名古屋市千種区不老町)に2つの部門(薬効解析部門及び新薬創成科学部門)を設置し、医薬品候補化合物の創出を目指した研究を実施する。

②産学協同研究センターの設置に伴い、名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③当社は、名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

②知的財産権のライセンスに関する契約

契約書名

LICENSE AGREEMENT FOR CJ’S NEW IP related to RQ-00000004 (CJ-12420)

(RQ-00000004(CJ-12420)に関するCJ HealthCare Corporationの特許に関するライセンス契約)

契約先

CJ HealthCare Corporation(韓国)

契約締結日

平成30年1月3日

契約期間

契約締結日から当社によるCJ HealthCare Corporationへのロイヤルティ支払い義務が終了するまで

主な契約内容

①CJ HealthCare Corporationは、当社に対して、CJ HealthCare Corporationが取得したカリウムイオン拮抗型アシッドブロッカー(RQ-00000004(CJ-12420, tegoprazan))の結晶形に関する特許につき、CJ HealthCare CorporationにRQ-00000004の権利を許諾していない地域における医薬品としての開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

②当社は、上記の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金、特許取得の進捗に伴うマイルストン、製品販売高に応じたロイヤルティ、および当社が第三者へ権利許諾した際に得た収入の一定料率を支払う。

 

③導出に関する契約

 

契約書名

ライセンス契約書

契約先

旭化成ファーマ株式会社

契約締結日

平成30年3月26日

契約期間

契約締結日から旭化成ファーマ株式会社による当社へのロイヤルティ支払義務が消滅するまで

主な契約内容

①当社は、旭化成ファーマ株式会社に対してP2X7受容体拮抗薬(化合物コード:RQ-00466479)の全世界を対象とした開発、販売及び製造の再実施許諾権付き独占実施権を許諾する。

②当社は、上記の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金、開発ステージに応じたマイルストン、および製品販売高に応じたロイヤルティを受領する。

 

④合弁会社設立に関する契約

契約書名

JOINT COOPERATION AGREEMENT

契約先

ZTE Coming Biotech Co., Ltd.(中国)

契約締結日

平成30年1月29日

契約期間

契約締結日から6ヶ月

主な契約内容

①当社は、ZTE Coming Biotech Co., Ltd.と5-HT4部分作動薬(化合物コード:RQ-00000010)および5-HT2B拮抗薬(化合物コード:RQ-00310941)の臨床開発実施を目的とする合弁会社を中国に設立する。

②当社は、合弁会社設立に際し、当社が保有する上記化合物に関する知的財産権を現物出資によって35%を出資する。

③当社は、上記の対価として、契約一時金を受領する。

出資割合

ZTE Coming Biotech Co., Ltd. 65%、当社 35%

設立年月日

平成30年5月(予定)

 

(2)契約期間満了等により終了した重要な契約

①産学協同研究部門(又は講座)の設置に関する契約

契約書名

産学協同研究部門設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成26年2月18日

契約期間

平成26年4月1日から3年間(注)

主な契約内容

①当社は、名古屋大学 環境医学研究所内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究部門(講座名: 薬効解析部門)を設置する。

②産学協同研究部門の設置に伴い、名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③当社は、名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

(注)契約期間は変更契約書により平成30年3月31日まで延長しており、同日付で終了いたしました。

 

契約書名

産学協同研究講座設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成27年2月17日

契約期間

平成27年4月1日から3年間

主な契約内容

①当社は、名古屋大学 大学院医学研究科内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究講座(講座名: 薬剤科学・分析化学講座)を設置する。

②産学協同研究講座の設置に伴い、名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③当社は、名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

契約書名

産学協同研究講座設置契約

契約先

国立大学法人 名古屋大学

契約締結日

平成27年2月17日

契約期間

平成27年4月1日から3年間

主な契約内容

①当社は、名古屋大学 大学院創薬科学研究科内(愛知県名古屋市千種区不老町)に産学協同研究講座(講座名: 新薬創成化学講座)を設置する。

②産学協同研究講座の設置に伴い、名古屋大学は、施設、付随サービス及び用役(ユーティリティ)を提供し、当社はこれを利用する。

③当社は、名古屋大学に対し、一定の研究経費及び産学連携推進経費を支払う。

 

②共同研究に関する契約

契約書名

共同研究契約書

契約先

旭化成ファーマ株式会社

契約締結日

平成28年1月1日

契約期間

平成28年1月1日から3年間

主な契約内容

①当社は、旭化成ファーマ株式会社と特定のイオンチャネルに対する活性を持つ開発候補化合物の探索に関する共同研究を実施する。

②当社は、上記①の遂行の対価として研究助成金を受領する。また共同研究の結果開発候補化合物が創出された場合にその段階に応じて成功報酬を受領する。

③共同研究の結果開発候補化合物が創出された場合、旭化成ファーマ株式会社と当該開発候補化合物に関するライセンス契約を締結する。

(注)平成30年3月にマイルストンを達成したことに伴い満了しました。

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結累計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、堅調な輸出や個人消費、企業の省力化の設備投資などにより緩やかな景気拡大を続けてまいりましたが、米国の通商政策や北朝鮮情勢のリスク等により円高が進行し、業況感に先行き不透明感が出始めております。

製薬業界におきましては、国内製薬会社においても長期収載品を中心に製品や事業レベルでの売却・買収が活発化しており、特許切れ製品を軸とした事業再編が進んでおります。特に特定疾患領域に特化したスペシャリティ・ファーマ化及びカーブアウトベンチャー設立の動きは、当社グループのような創薬ベンチャー企業のライセンス活動におきましても少なからず影響が生じております。

このような環境下において、当社グループは医薬品開発化合物の継続的な創出、研究開発ポートフォリオの拡充及びそれら開発化合物の導出を目指し、研究開発活動及び営業活動に取り組んでまいりました。

当第1四半期連結累計期間においては、本年1月にZTE Coming Biotech Co., Ltd.(中国、以下「ZTE Biotech社(中国)」)との間で中国における合弁会社設立に関する契約を締結いたしました。両社は協力して臨床開発実施を目的とする合弁会社を設立し、当社グループは、5-HT4部分作動薬(化合物コード:RQ-00000010)及び5-HT2B拮抗薬(化合物コード:RQ-00310941)に関する知的財産権、ノウハウ及び人材を提供し、ZTE Biotech社(中国)は、合弁会社設立のための手続きと臨床開発の資金調達を行い、両社で協力して新薬の上市を目指してまいります。

ライセンス活動の状況においては、本年3月に旭化成ファーマ株式会社(以下「旭化成ファーマ社」)と進めてきた共同研究においてマイルストンを達成し、新たに同社とライセンス契約を締結いたしました。

導出先の活動状況においては、本年1月にEli Lilly and Company の動物薬部門である Elanco Animal Health(米国、以下「エランコ社(米国)」)と当社グループの導出先である Aratana Therapeutics Inc.(米国、以下「アラタナ社(米国)」)が、EP4 拮抗薬(Galliprant®/grapiprant/RQ-00000007/AT-001、以下「Galliprant®」)について、欧州委員会(European Commission)より、イヌの変形性関節症に伴う痛みの治療薬として、欧州における動物薬製造販売承認を取得いたしました。

産学連携の状況においては、本年2月に国立大学法人名古屋大学(以下「名古屋大学」)において「ラクオリア創薬産学協同研究センター」設置が決定されました。これまで当社グループが名古屋大学に設置していた3つの部門・講座を、新たに2つの部門「薬効解析部門」と「新薬創成科学部門」に統合することとなりました。これにより、医学系研究科との臨床研究の推進も視野に入れた研究活動がより活性化され、名古屋大学発の医薬候補化合物の創出が一層期待されております。

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、事業収益396百万円(前年同四半期比5.1%減)、営業損失240百万円(前年同四半期は、営業損失59百万円)、経常損失285百万円(前年同四半期は、経常損失74百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失311百万円(前年同四半期は、親会社株主に帰属する四半期純損失65百万円)となりました。なお、事業費用の総額は636百万円(前年同四半期比33.5%増)となりました。その主な内訳は研究開発費386百万円(前年同四半期比95.8%増)及びその他の販売費及び一般管理費230百万円(前年同四半期比39.2%増)であり、英国での第Ⅰ相臨床試験費用を研究開発費に計上したほか、CJ HealthCare Corporation(韓国、以下、CJ社(韓国)」)との間でカリウムイオン競合型アシッドブロッカーtegoprazanの結晶形に関する特許の使用許諾料をその他の販売費及び一般管理費に計上したことによるものであります。また、当第1四半期連結累計期間におきましては、有価証券利息5百万円及び為替差損54百万円のほか、投資有価証券償還損14百万円を計上しております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、期首に比べ321百万円減少し、2,152百万円(前年同四半期は1,129百万円)となりました。

当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、68百万円(前年同四半期は376百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失299百万円を計上したことのほか、前払費用の増加160百万円、前渡金の減少171百万円及び売上債権の減少133百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、266百万円(前年同四半期は269百万円の獲得)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入113百万円、投資有価証券の償還による収入210百万円のほか、投資有価証券の取得による支出516百万円及び有形固定資産の取得による支出71百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は、64百万円(前年同四半期は実績なし)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入であります

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当社グループの研究開発活動における当第1四半期連結累計期間の研究開発費は、386百万円となりました。また、当第1四半期連結累計期間における主な研究開発の概況は、以下のとおりであります。

 

① 自社の研究開発及び共同研究開発

(探索段階)

炎症性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトは、複数のリード化合物を見出し、特性評価を開始しております。

製薬企業等との共同研究については、本年3月に旭化成ファーマ社との共同研究においてマイルストン達成に伴う一時金を受領し、ライセンス契約を締結することとなりました。今後は、旭化成ファーマ社が本化合物を有効成分とする治療薬の開発を進めてまいります。

 

製薬企業等との共同研究については以下のとおり実施しております。

会社名

開始月

内容

インタープロテイン株式会社

平成25年2月

疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究

XuanZhu Pharma Co., Ltd.

平成27年12月

疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究

 

(前臨床開発段階)

(a) グレリン受容体作動薬(RQ-00433412)

がんに伴う食欲不振/悪液質症候群を目標適応症として開発中の本化合物は、特性評価を完了し、次段階である前臨床開発試験に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

(b) TRPM8遮断薬(RQ-00434739)

神経障害性疼痛(化学療法起因性冷アロディニア)を目標適応症として開発中の本化合物は、特性評価を完了し、次段階である前臨床開発試験に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

(c) モチリン受容体作動薬(RQ-00201894)

胃不全麻痺、 機能性胃腸症、術後イレウスを目標適応症として開発中の本化合物は、第Ⅰ相臨床試験実施に必要な前臨床試験(in vivo薬効薬理試験、薬物動態試験、毒性試験(GLP基準)、安全性薬理試験(GLP基準))が終了いたしました。現時点で次の臨床開発段階に進むにあたって問題となる所見は認められておりません。

 

(臨床開発段階)

(a) 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)

胃不全麻痺、 機能性胃腸症、慢性便秘を目標適応症として開発中の本化合物は、共同研究先であるヴァージニア・コモンウェルス大学 パーキンソン病・運動障害疾患センター(米国、Virginia Commonwealth University, Parkinson's and Movement Disorders Center、以下「VCU」)による医師主導治験が平成28年8月から開始されました。本試験につきましては、VCUがマイケル・J・フォックス財団パーキンソン病研究機関から研究助成金を受けて、パーキンソン病患者における合併症である胃不全麻痺に対する安全性と有効性の検討を目的とする臨床研究として進められています。今後、ZTE Biotech社(中国)との合弁会社で中国を中心に開発が進められる予定です。

 

(b) カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan)

胃食道逆流症(RE/NERD)を目標適応症として開発中の本化合物は、米国に引き続き、日本での第Ⅰ相臨床試験を終了しています。開発が進んでいる韓国の臨床試験データも活用し、導出に向けた協議を引き続き進めてまいります。

(c) 5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)

下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)を目標適応症として開発中の本化合物は、英国における第Ⅰ相臨床試験(健康成人及び患者を対象)が終了し、治験総括報告書の作成が完了しました。今後、ZTE Biotech社(中国)との合弁会社で中国を中心に開発が進められる予定です。

 

② 導出先の開発状況

(a) カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan)

胃食道逆流症(RE/NERD)を主目標適応症としてCJ社(韓国)で開発中の本化合物は、昨年8月に韓国食品医薬品安全処(MFDS:Ministry of Food and Drug Safety)への承認申請がCJ社(韓国)によって行われました。今後は新薬許可の手続きを経て、薬価収載後、本年12月の発売予定となっております。また、中国での開発も順調に進められております。

(b) セロトニン5-HT2AおよびドパミンD2受容体遮断薬(ziprasidone)

統合失調症治療薬としてMeiji Seikaファルマ株式会社で開発中の本化合物は、日本において第Ⅲ相臨床試験を実施中です。本剤は、米国ファイザー社によって75ヶ国で販売されており、米国精神医学会の治療ガイドラインには統合失調症治療薬の第一選択薬のひとつとして収載されています。

(c) EP4拮抗薬(Galliprant®、 RQ-00000007、 AT-001、grapiprant、動物薬)

ペットの疼痛治療薬として導出先であるアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、アラタナ社(米国)及びエランコ社(米国)により昨年1月に米国で販売を開始しました。また、本年1月には欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)の販売承認を取得し、販売開始に向けて準備が進められております。

(d) グレリン受容体作動薬(Entyce®、 RQ-00000005、AT-002、capromorelin、動物薬)

ペットの食欲不振治療薬としてアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、アラタナ社(米国)により昨年10月に販売を開始しました。またアラタナ社(米国)では、本剤についてネコを対象とした食欲不振治療薬としても開発を進めており、一昨年12月にネコにおける長期毒性試験を開始しております。

(e) EP4拮抗薬(RQ-00000007、 AAT-007、grapiprant)

株式会社AskAt(以下「AskAt社」)のライセンス先で臨床試験実施のための準備が進められております。

(f) EP4拮抗薬(RQ-00000008、 AAT-008)

AskAt社のライセンス先で開発のための準備が進められております。

(g) シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬(RQ-00317076、AAT-076)

AskAt社のライセンス先で臨床試験実施のための準備が進められております。

(h) 選択的ナトリウムチャネル遮断薬(化合物コード非開示)

本化合物は、昨年12月にマルホ株式会社(以下「マルホ社」)に導出いたしました。今後は、マルホ社が本化合物を有効成分とする治療薬の開発を進めてまいります。

(i) P2X7受容体拮抗薬(RQ-00466479、AKP-23494954)

本化合物は、旭化成ファーマ社との共同研究により創出され、本年3月に前臨床段階への移行に伴い導出いたしました。今後は、旭化成ファーマ社が本化合物を有効成分とする神経障害性疼痛治療薬として開発を進めてまいります。