第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は、ペット用医薬品に関わるロイヤルティ収入が収益を底支えするなか、当社グループにとって初となるヒト向け医薬品の販売開始に伴うマイルストン収入を受領し、総じて順調に推移しました。

 

当第1四半期連結累計期間の最大の進展は、導出先のCJ HealthCare Corporation(韓国、以下「CJ社(韓国)」)がtegoprazan(RQ-00000004/CJ-12420/韓国販売名(韓国登録商標):K-CAB®、以下「K-CAB®」又は「tegoprazan」)の販売を2019年3月1日に開始したことであります。K-CAB®は、非びらん性胃食道逆流症(NERD: Non-Erosive Reflux Disease)も含めた胃食道逆流症(GERD:Gastro-Esophageal Reflux Disease)を適応症としたもので、NERDの適応取得はカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB:Potassium-Competitive Acid Blocker)としては世界初のものとなります。CJ社(韓国)はまた、韓国での販売に関して韓国国内有数の製薬企業である鐘根堂(韓国、Chong Kun Dang Pharmaceutical Corp.)とのコ・プロモーション契約を締結、中南米についてはLaboratorios Carnot(メキシコ、以 下「Carnot社(メキシコ)」)との間でメキシコやアルゼンチンを含む中南米17カ国におけるサブライセンス契約を締結し、tegoprazanの市場開拓の端緒を開きました。加えて、CJ社(韓国)の中国のライセンス先であるShandong Luoxin Pharmaceutical Group(中国、以下「Luoxin社(中国)」)による第Ⅲ相臨床試験も順調に進んでおります。

 

当社グループの収益の基盤となっているペット用医薬品についても順調に推移しております。ペットの疼痛治療薬として導出したEP4拮抗薬(GALLIPRANT®/grapiprant/RQ-00000007/AT-001、以下「GALLIPRANT®」)につきましては、Eli Lilly and Companyから分離・独立したElanco Animal Health Inc.(米国、以下「エランコ社(米国)」)と当社グループの導出先であるAratana Therapeutics Inc.(米国、以下「アラタナ社(米国)」)による米国での共同販促が効果を上げ、想定を上回る売上となっております。また、欧州においては、エランコ社(米国)が同薬の販売を開始し、これに伴うマイルストン収入を計上しました。また、犬の食欲不振症の適応を持つグレリン受容体作動薬(ENTYCE®/capromorelin/RQ-00000005/AT-002)につきましては、導出先であるアラタナ社(米国)が着実に販売を拡大し、獣医診療所などからの引き合いが続いております。同薬の開発については、アラタナ社(米国)によって猫の食欲不振を対象にピボタル試験を実施しております。

 

導出済みプログラムにつきましては、統合失調症治療薬としてMeiji Seikaファルマ株式会社にて開発中のセロトニン5-HT2A及びドパミンD2受容体遮断薬(ziprasidone)が現在日本で第Ⅲ相臨床試験を実施しており、2019年内の新薬製造販売承認申請が見込まれます。当社グループが強みとする「イオンチャネル創薬」につきましては、当社グループと旭化成ファーマ株式会社(以下「旭化成ファーマ社」)との共同研究から創出されたP2X7受容体拮抗薬(RQ-00466479/AKP-23494954)が前臨床試験段階にあり、旭化成ファーマ社により開発が順調に進んでおります。このほかEAファーマ株式会社との消化器領域の特定のイオンチャネルを標的とした共同研究により創出された化合物や、マルホ株式会社に導出した選択的ナトリウムチャネル遮断薬についても開発が順調に進んでおります。

 

当社の連結子会社であるテムリック株式会社が、Syros Pharmaceuticals Inc.(米国、以下「シロス社(米国)」)に急性骨髄性白血病(AML)治療薬として導出したレチノイン酸受容体α作動薬(タミバロテン/TM-411/SY-1425)につきましては、アザシチジンとの併用第Ⅱ相臨床試験の初期データが良好だったことを受け、シロス社(米国)は、2019年3月に、併用第Ⅱ相臨床試験の対象患者群に、未治療・高齢AML患者群のみならず、再発・難治性AML患者群も追加することを発表しました。シロス社(米国)独自の「ジーン・コントロール・プラットフォーム」技術を応用したバイオマーカーによる患者の層別化(プレシジョン・メディシン)を用いた開発が進められております。

 

一方、2018年12月に設立したラクオリア イノベーションズ株式会社につきましては、国立大学法人名古屋大学(以下「名古屋大学」)や国立大学法人東京大学を中心にアカデミアとの協業を目指した初期の活動を開始しました。また、ベンチャーキャピタルや投資ファンドの協力を得て、ライフサイエンス領域のベンチャー企業に対する技術開発支援や知財戦略の策定支援の実施に向け準備を行っております。

 

産学官連携につきましては、名古屋大学との間で心不全の新規メカニズムを基にした治療薬に関する共同研究を筆頭に、次の段階へのステップアップを目指して創薬研究活動を進めております。

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、事業収益347百万円(前年同四半期比12.3%減)、営業損失104百万円(前年同四半期は、営業損失240百万円)、経常損失95百万円(前年同四半期は、経常損失285百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失102百万円(前年同四半期は、親会社株主に帰属する四半期純損失311百万円)となりました。

なお、事業費用の総額は452百万円(前年同四半期比29.0%減)、その主な内訳は事業原価88百万円(前年同四半期比366.5%増)、研究開発費209百万円(前年同四半期比45.8%減)及びその他の販売費及び一般管理費154百万円(前年同四半期比33.2%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資 産)

当第1四半期連結会計期間末における総資産合計は、前連結会計年度末に比べ26百万円減少(0.7%減)し、4,025百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少364百万円、売掛金の増加232百万円によるものであります。

(負 債)

当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ41百万円増加(21.0%増)し、236百万円となりました。これは主に、買掛金の増加74百万円、未払金の減少31百万円によるものであります。

(純資産)

当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ67百万円減少(1.8%減)し、3,789百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失102百万円の計上、その他有価証券評価差額金の増加21百万円及び新株予約権の増加13百万円によるものであります。

 

以上の結果、自己資本比率は93.5%(前連結会計年度末比1.4ポイント減)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ457百万円減少(25.0%減)し、1,371百万円(前年同四半期は2,152百万円)となりました。

当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、前年同四半期に比べ317百万円増加し385百万円(前年同四半期比465.1%増)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失95百万円を計上したことのほか、売上債権の増加232百万円、前払費用の増加157百万円による資金の使用及び仕入債務の増加74百万円による資金の獲得によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、前年同四半期に比べ187百万円減少し78百万円(前年同四半期比70.4%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出58百万円及び無形固定資産の取得による支出19百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は、前年同四半期に比べ60百万円減少し4百万円(前年同四半期比93.3%減)となりました。これは主に、新株予約権の発行による収入4百万円によるものであります

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当社グループの研究開発活動における当第1四半期連結累計期間の研究開発費は、209百万円となりました。また、当第1四半期連結累計期間における主な研究開発の概況は、以下のとおりであります。

 

① 自社の研究開発及び共同研究開発

(探索段階)

心不全の新規メカニズムを基にした治療薬の創出を目的として、名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座 循環器内科学(室原豊明教授・竹藤幹人助教)との共同研究を進めているCRHR2拮抗薬のプロジェクトでは、リード化合物を見出し、特性評価を実施しております。

 

当第1四半期連結累計期間においては、上記以外について重要な変更はありません。

 

(前臨床開発段階)

当第1四半期連結累計期間においては、前臨床開発段階について重要な変更はありません。

 

(臨床開発段階)

当第1四半期連結累計期間においては、臨床開発段階について重要な変更はありません。

 

② 導出先の開発状況

(a) カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(tegoprazan)

CJ社(韓国)で開発中の本化合物は、胃食道逆流症(GERD)を適応症として2018年7月に韓国において製造販売承認を取得し、2019年3月に販売を開始しました。なお、韓国では、適応追加のための臨床試験が進められております。また、CJ社(韓国)の中国のライセンス先であるLuoxin社(中国)は、2018年10月に中国における第Ⅲ相臨床試験を開始しております。加えて、CJ社(韓国)は、2018年12月にVimedimex Medi-Pharma JSC(ベトナム)、2019年2月にCarnot社(メキシコ)との間でサブライセンス契約を締結しております。

(b) EP4拮抗薬(GALLIPRANT®

ペットの疼痛治療薬としてアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、アラタナ社(米国)及びエランコ社(米国)により2017年1月に米国で販売を開始し、順調に売上を拡大しております。また、2018年1月には欧州においても製造販売承認を取得し、2019年3月に販売を開始しました。

 

当第1四半期連結累計期間においては、上記以外について重要な変更はありません。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、2019年2月8日付で2021年12月期までの新たな中期経営計画『Gaia 2021』(以下「Gaia 2021」という。)を策定・公表しており、Gaia 2021の達成に向けた継続的なリード化合物・開発化合物の創出を目指す研究開発体制のさらなる強化が必要であると考えております。Gaia 2021では、長期的に安定した財務基盤を維持しつつ、当該計画を支えるための資金調達戦略についても併せて策定しており、事業活動のための適切な水準の流動性の維持及び市場から理解を得られる株主価値向上に根ざした明確なEquity storyを持った資金調達戦略の提示と実行を基本方針としております。

当第1四半期連結累計期間においては、中期経営計画「Gaia 2021」の推進に向け、以下に充当する目的で第15回新株予約権を発行しております。

①「探索研究」段階に係る継続的なリード化合物・開発化合物の創出のための研究開発費

②「前臨床試験」段階以降に係る研究開発費

③「ラクオリア イノベーションズ」による創薬シーズ発掘のための投資資金

また、当第1四半期連結会計期間末における流動比率は899.8%となっており、十分な流動性を維持できているものと認識しております。

当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。