第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、ペット用医薬品やヒト向け医薬品に関わるロイヤルティ収入が順調に推移したほか、導出済みプログラムに関わるマイルストン収入を受領し、底堅く推移しております。

 

当社グループにとって初のヒト向け医薬品となったtegoprazan(RQ-00000004/CJ-12420/韓国販売名(韓国登録商標):K-CAB®、以下「tegoprazan」)は、導出先のCJ HealthCare Corporation(韓国、以下「CJ社(韓国)」)が、2019年3月に韓国で販売を開始し、2019年7月には「胃潰瘍」の効能を追加しました。また、CJ社(韓国)は、tegoprazanの世界的な販路拡大に向けサブライセンス活動を進めており、2019年9月にはインドネシアの有力企業であるPT Kalbe Farma Tbk(インドネシア、以下「カルベ社(インドネシア)」)との間でサブライセンス契約を締結し、順調に市場を拡大しております。

 

ペットの疼痛治療薬として導出したEP4拮抗薬(GALLIPRANT®/grapiprant/RQ-00000007/AT-001、以下「GALLIPRANT®」)は、Elanco Animal Health Inc.(米国、以下「エランコ社(米国)」)の販促が効果を上げ、米国や欧州で好調に売上を伸ばしております。加えて、犬の食欲不振症の適応を持つグレリン受容体作動薬(ENTYCE®/capromorelin/RQ-00000005/AT-002、以下「ENTYCE®」)につきましてもエランコ社(米国)の「コマーシャル・ポートフォリオ(commercial portfolio)」に組み込まれた効果もあり、着実に販売を拡大しております。

なお、エランコ社(米国)は2019年7月に、当社グループのGALLIPRANT®とENTYCE®の導出先であるAratana Therapeutics Inc.(米国、以下「アラタナ社(米国)」)を子会社化し、新たな販売体制を構築しております。

 

導出活動につきましては、2019年9月に当社グループとCJ社(韓国)は、グローバルパートナーシップを拡大することで基本合意しました。今後、当社グループとCJ社(韓国)は、tegoprazanの北米や欧州における開発・販売・製造の権利をCJ社(韓国)に供与するライセンス契約を2019年11月下旬までに締結する予定です。

 

統合失調症治療薬として導出したセロトニン5-HT2A及びドパミンD2受容体遮断薬(ziprasidone)につきましては、2019年9月にMeiji Seikaファルマ株式会社(以下「Meiji Seikaファルマ社」)が、統合失調症の急性増悪期の患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験の結果について、特に問題となる有害事象は認めなかったものの、主要評価項目において、プラセボ群との間に統計学的な有意差を認めなかったことを公表しました。Meiji Seikaファルマ社は、本試験で得られた結果を詳細に解析・評価し、引き続き今後の開発計画および開発戦略について検討しております。

 

当社グループとEAファーマ株式会社(以下「EAファーマ社」)との間で進めておりました、特定のイオンチャネルを標的とした共同研究により創出された医薬品候補化合物につきましては、2019年9月に一定のマイルストンを達成しました。現在、EAファーマ社が本化合物を有効成分とする消化器領域の治療薬としての開発を進めております。

 

共同研究および産学官連携につきましては、2019年7月に当社グループとあすか製薬株式会社との間で、新薬の創出を目指し、特定のイオンチャネルを標的とした創薬研究に関する共同研究契約を締結したほか、名古屋市立大学 薬学系研究科 病態生化学分野(築地仁美講師)と、筋委縮性側策硬化症(ALS)の新規治療薬の創出に向けた共同研究契約を締結し、初期探索研究を開始しております。2019年9月には、株式会社 Epigeneronとの間で、特発性小児ネフローゼ症候群治療薬の創出に向け、新規創薬標的分子の探索段階から共同で創薬研究を開始する共同研究および事業化オプションに関する契約を締結しました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、事業収益708百万円(前年同四半期比32.9%増)、営業損失534百万円(前年同四半期は、営業損失835百万円)、経常損失527百万円(前年同四半期は、経常損失818百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失531百万円(前年同四半期は、親会社株主に帰属する四半期純損失844百万円)となりました。

なお、事業費用の総額は1,242百万円(前年同四半期比9.2%減)、その主な内訳は事業原価165百万円(前年同四半期比196.4%増)、研究開発費638百万円(前年同四半期比21.4%減)及びその他の販売費及び一般管理費437百万円(前年同四半期比12.4%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資 産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産合計は、前連結会計年度末に比べ155百万円減少(3.8%減)し、3,896百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加105百万円及び投資有価証券の減少262百万円によるものであります。

(負 債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ41百万円減少(21.4%減)し、153百万円となりました。これは主に、前受金の増加13百万円及び未払金の減少54百万円によるものであります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ113百万円減少(3.0%減)し、3,743百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使による資本金及び資本準備金の増加371百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失531百万円の計上及びその他有価証券評価差額金の増加31百万円によるものであります。

 

以上の結果、自己資本比率は95.6%(前連結会計年度末比0.7ポイント増)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ29百万円増加(1.6%増)し、1,859百万円(前年同四半期は2,119百万円)となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、前年同四半期に比べ303百万円増加し544百万円(前年同四半期比126.2%増)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失522百万円及び減価償却費101百万円を計上したことのほか、売上債権の増加59百万円、前払費用の増加60百万円による資金の使用及び仕入債務の増加3百万円による資金の獲得によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により獲得した資金は、前年同四半期に比べ429百万円増加し226百万円(前年同四半期比は、資金の使用203百万円)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入301百万円のほか、有形固定資産の取得による支出62百万円及び無形固定資産の取得による支出21百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は、前年同四半期に比べ275百万円増加し375百万円(前年同四半期比276.0%増)となりました。これは主に、新株予約権行使による株式の発行による収入371百万円及び新株予約権の発行による収入4百万円によるものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

 

 

(5)研究開発活動

当社グループの研究開発活動における当第3四半期連結累計期間の研究開発費は、638百万円となりました。また、当第3四半期連結累計期間における主な研究開発の概況は、以下のとおりであります。

 

① 自社の研究開発及び共同研究

(探索段階)

(a) 心不全の新規メカニズムを基にした治療薬の創出を目的として、名古屋大学大学院 医学系研究科 病態内科学講座 循環器内科学(室原豊明教授・竹藤幹人助教)と共同研究を進めているCRHR2拮抗薬のプロジェクトでは、複数の開発候補化合物を見出し、特性評価を実施しております。

(b) 岐阜薬科大学 生体機能解析学大講座 薬効解析学研究室(原英彰教授兼副学長)と、網膜静脈閉塞症(RVO;retinal vein occlusion)治療薬に関する共同研究を開始しました。

(c) あすか製薬株式会社と新薬の創出を目指し、特定のイオンチャネルを標的とした創薬研究に関する共同研究を開始しました。

(d) 名古屋市立大学 薬学系研究科 病態生化学分野の築地仁美講師と、筋委縮性側策硬化症(ALS)の新規治療薬の創出に向けた共同研究を開始しました。

(e) 株式会社 Epigeneronとの間で、特発性小児ネフローゼ症候群治療薬の創出に向け、新規創薬標的分子の探索段階から共同で創薬研究を開始する共同研究および事業化オプションに関する契約を締結し、共同研究の開始に向け準備を進めております。

 

当第3四半期連結累計期間においては、上記以外について重要な変更はありません。

 

(前臨床開発段階)

当第3四半期連結累計期間においては、前臨床開発段階について重要な変更はありません。

 

(臨床開発段階)

当第3四半期連結累計期間においては、臨床開発段階について重要な変更はありません。

 

② 導出先の開発状況

(a) カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(tegoprazan)

CJ社(韓国)にて開発を行った本化合物は、2019年3月に韓国で販売を開始しております。なお、韓国では適応追加のための臨床試験が進められております。CJ社(韓国)は、2018年12月にVimedimex Medi-Pharma JSC(ベトナム)、2019年2月にはLaboratorios Carnot(メキシコ)、2019年9月にはカルベ社(インドネシア)との間でサブライセンス契約を締結致しました。

(b) セロトニン5-HT2A及びドパミンD2受容体遮断薬(ziprasidone)

統合失調症治療薬として開発中の本化合物は、2019年9月にMeiji Seikaファルマ社が、統合失調症の急性増悪期の患者を対象とした国内臨床第Ⅲ相試験の結果、特に問題となる有害事項は認めなかったものの、主要評価項目において、プラセボ群との間に統計学的な有意差を認めなかったことを公表しました。Meiji Seikaファルマ社は、本試験で得られた結果を詳細に解析・評価し、引き続き今後の開発計画および開発戦略について検討しております。

(c) EP4拮抗薬(GALLIPRANT®

ペットの疼痛治療薬としてアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、2017年1月に米国で販売を開始し、2019年3月に欧州においても販売を開始しました。2019年7月にエランコ社がアラタナ社(米国)を子会社化したことにより、2019年9月以降は本化合物の販売主体はエランコ社(米国)となっております。

(d) EP4拮抗薬(RQ-00000007、AAT-007、grapiprant)

株式会社AskAt(以下「AskAt社」)に導出した本化合物は、中国のサブライセンス先において、2019年6月にがん領域での第Ⅰ相臨床試験を開始しました。

(e) CB2作動薬(RQ-00202730/AAT-730)

AskAt社に導出した本化合物は、2019年9月に、AskAt社とOxford Cannabinoid Technologies Ltd(英国)との間で、ライセンス契約および業務提携契約を締結致しました。

(f)特定のイオンチャネルを標的とした医薬品候補化合物(化合物コード非開示)

EAファーマ社との共同研究から創出された本化合物は、共同研究契約終了後もEAファーマ社にて開発が継続され、順調に進展しております。2019年9月には、共同研究契約にてあらかじめ定めていたマイルストンを達成いたしました。

 

当第3四半期連結累計期間においては、上記以外について重要な変更はありません。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、2019年2月8日付で2021年12月期までの新たな中期経営計画『Gaia 2021』(以下「Gaia 2021」という。)を策定・公表しており、Gaia 2021の達成に向けた継続的なリード化合物・開発化合物の創出を目指す研究開発体制のさらなる強化が必要であると考えております。Gaia 2021では、長期的に安定した財務基盤を維持しつつ、当該計画を支えるための資金調達戦略についても併せて策定しており、事業活動のための適切な水準の流動性の維持及び市場から理解を得られる株主価値向上に根ざした明確なEquity storyを持った資金調達戦略の提示と実行を基本方針としております。2019年9月6日付にて、中期経営計画を修正しておりますが、資金調達計画については重要な変更はありません。

当第3四半期連結累計期間においては、第15回新株予約権を発行し、当該新株予約権の行使により、348百万円の資金調達を致しました。行使率は50.9%であり、未行使新株予約権による資金調達の可能性があります。

当第3四半期連結会計期間末における自己資本比率は95.6%と健全な財政状態にあると認識しております。また、流動比率は1663.4%であり、十分な流動性を確保していると認識しております。

当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。