第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や訪日外国人客の消費拡大等を背景に、緩やかな景気回復基調が続いております。一方で、地政学的リスクの高まり、米国の関税政策の動向、為替相場の不安定な推移等、依然として先行き不透明な状況が続いております。日銀短観(2025年6月調査)によれば、大企業・製造業の景況感は、米国の関税政策を巡る不透明感が高まったものの、価格転嫁の進展や原材料高が一服したことにより、2四半期ぶりに小幅に改善し、大企業・非製造業の景況感は、物価高に起因する消費者マインドの停滞等により、2四半期ぶりに悪化しました。

医薬品業界につきましては、2025年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2025」(骨太の方針2025)の中で、「創薬エコシステムの発展やヘルスケア市場の拡大、創薬力の基盤強化に向け、一体的に政策を実現する」と明記され、患者に革新的な医薬品を届ける使命を担う医薬品産業の重要性が、改めて示されたものと受け止められております。このような業界の動向の中において、当社グループのような創薬ベンチャーが果たすべき役割はますます大きくなっております。

このような環境下において、当中間連結会計期間における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。

 

上市済みのヒト用医薬品につきましては、HK inno.N Corporation(本社:韓国・オソン、以下「HKイノエン社」)が韓国で販売中の胃酸分泌抑制剤K-CAB®(一般名:tegoprazan、以下「tegoprazan」)の売上が引き続き好調に推移しております。当中間連結会計期間の売上は、処方データで1,047億ウォン(前年同期比14.3%増、約115億円/1韓国ウォン=0.11円)となりました。韓国の消化性潰瘍治療薬市場でのシェアは15%であり、引き続きシェア第1位を維持しております。

Tegoprazanのグローバル展開も着実に進展しております。当社は、HKイノエン社との間で、tegoprazanの開発・製造及び販売の再実施許諾権(サブライセンス権)付き独占的ライセンス契約を締結しており、HKイノエン社及び同社からライセンスまたは製品輸出を受けた世界各国の提携先企業によってtegoprazanに関する事業活動が進められております。当中間連結会計期間末の時点でtegoprazanは世界54カ国に進出しておりますが、HKイノエン社は2028年までに世界100カ国に進出することを目指しています。また、HKイノエン社は、K-CAB®をはじめとするtegoprazan製品について、2030年の全世界における年間売上高3兆ウォンの達成を目指しています。

当中間連結会計期間末の時点でtegoprazan製品が販売されている国は、韓国、中国、モンゴル、フィリピン、メキシコ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、ペルー、チリ、コロンビア、ドミニカ共和国、ニカラグア、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドル及びパナマの17カ国であり、当社は、HKイノエン社を通じて、製品の売上高等に応じたロイヤルティを受領しております。東南アジアや中南米の国々でも承認審査が進行中であるほか、米国及びカナダ等の国々で臨床開発が進められております。

当中間連結会計期間においては、HKイノエン社は、Southern XP IP Pty Ltd(本社:オーストラリア・ビクトリア州、以下「Southern XP社」)に対して、オーストラリア・ニュージーランドを対象地域としたライセンス契約を締結しました。Southern XP社は、20年以上製薬事業を営んできたオーストラリアの製薬会社であり、オーストラリア及びニュージーランド内の医薬品の登録及び流通に強みを持つ企業です。本契約の締結により、Southern XP社は、オーストラリア及びニュージーランドにおけるtegoprazan製品の独占流通及び販売権を取得しました。当社は、HKイノエン社とのライセンス契約に基づき、HKイノエン社がSouthern XP社から受け取る収益の一部を受け取る権利を保有しております。

 

2025年5月には、HKイノエン社は、Tabuk Pharmaceutical Manufacturing Company(本社:サウジアラビア・リヤド、以下「Tabuk社」)との間で、中東・北アフリカ地域において昨年4月に締結したライセンス契約の地域拡大契約を締結しました。これにより、Tabuk社の対象地域は、エジプト、スーダン、エチオピア、モロッコ、イエメン、リビアの6カ国が追加となり、合計16カ国に拡大されました。Tabuk社は、中東・北アフリカ地域において強力な販売網及びマーケティング能力を有するサウジアラビアの大手製薬企業であり、同地域におけるtegoprazanの市場浸透と更なる拡大が期待されます。

また、2025年4月、HKイノエン社は、サブライセンス先であるSebela Pharmaceuticals Inc.(本社:米国・ジョージア州)の一部門であるBraintree Laboratories(本社:米国・マサチューセッツ州、以下「Braintree社」)が米国で実施中の第Ⅲ相臨床試験(以下「TRIUMpH試験」)について、良好なトップライン結果を発表しました。TRIUMpH試験は、EE(びらん性胃食道逆流症)及びNERD(非びらん性胃食道逆流症)を対象とした米国第Ⅲ相臨床試験のピボタル試験として実施されています。TRIUMpH試験において、tegoprazanはEE試験とNERD試験の両方で全ての主要評価項目と副次評価項目を達成しました。特にEE試験では、全体患者群及び中等度から重度の疾患を有する患者群において、2週間及び8週間の治癒率について、PPI(lansoprazole)に対して統計学的優越性が示されました。また、NERD試験では、tegoprazanが胸焼けと胃酸逆流症状を完全に改善する有効性が確認されました。さらに、TRIUMpH試験の各試験における治療関連有害事象の発生率は3%以下であり、一般に軽度かつ一過性でした。各試験における重篤な治療関連有害事象の発生率は2%以下であり、tegoprazanとPPI及びプラセボ対照群間で同等でした。Tegoprazanとlansoprazoleの血清ガストリン平均値は、治療期間中正常範囲(0-180 pg/ml)内に維持されました。Braintree社は、TRIUMpH試験のうちEE試験を2025年第3四半期に完了し、EE及びNERDの両方を適応症として2025年第4四半期に米国FDAに承認申請を提出する予定です。

このほか、2025年5月には、HKイノエン社の提携先であるDr. Reddy’s Laboratories(本社:インド・ハイデラ バード)が、インド中央医薬品標準管理機構(Central Drugs Standard Control Organization (CDSCO))より販売承認を取得しました。

ペット用医薬品につきましては、Elanco Animal Health Inc.(本社:米国・インディアナ州、以下「Elanco社」)に導出した犬の骨関節炎治療薬GALLIPRANT®(一般名:grapiprant)、犬の食欲不振症の適応を持つENTYCE™(一般名:capromorelin)、及び猫の体重減少管理の適応を持つELURA™(一般名:capromorelin)の売上が順調に推移しております。

その他の導出済みプログラムにつきましても、導出先及びサブライセンス先の企業において前臨床開発段階以降の取り組みが進められております。

 

導出準備プログラムにつきましては、自社開発を進めているグレリン受容体作動薬の前臨床試験を完了し、提携先獲得を目指した事業開発活動を実施しております。また、tegoprazanにつきましては、日本における開発・製造・販売にかかる権利を当社が保有しておりますが、前年に引き続き当中間連結会計期間にも提携先候補企業との協議を進めております。その他の導出準備プログラムにつきましても、対面での面談とオンライン会議を機動的に組み合わせて提携先獲得を目指した事業開発活動を実施いたしました。

 

探索研究段階につきましては、引き続き、新たな開発化合物の創出に向けた探索研究を進めております。当社グループは、既存技術と新技術の相乗効果によって創薬バリューチェーンを強化することで従来の技術では対処が困難とされてきた未開拓の創薬標的(遺伝子・タンパク質等)に対する医薬品を生み出すことを重要な成長戦略とし、「モダリティ」、「創薬標的」、「疾患領域」及び「基盤技術」の4つの切り口で、技術及びパイプラインの強化に取り組んでおります。

モダリティ及び創薬標的につきましては、連結子会社であるファイメクス株式会社(本社:神奈川県藤沢市、以下「ファイメクス」)を中核として創薬の新たなモダリティである標的タンパク質分解誘導剤の研究開発を進めております。ファイメクスは、アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、以下「アステラス製薬」)とともに、ファイメクスが保有する、標的タンパク質分解誘導剤に特化した独自のプラットフォーム技術であるRaPPIDS™(Rappid Protein Proteolysis Induced Discovery System)を用いて、がんを標的疾患として複数の標的を対象とした標的タンパク質分解誘導剤の探索に取り組んでおり、当中間連結会計期間においては、特定の1つのプログラムについて、次段階の初期目標を達成し、アステラス製薬から一時金を受領いたしました。当該プログラムにおける今後の研究開発においては、アステラス製薬での更なる検討により開発候補化合物の同定に向けた研究を行います。開発候補化合物が同定され、新たな医薬品の製品化に至った場合、ファイメクスは、開発、申請・承認、販売等の進捗に応じたマイルストンとして最大で150億円を上回る金額を受領するとともに、製品の売上高に対して一桁台の料率のロイヤルティを受領する可能性があります。

 

また、2025年5月、株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(本社:愛知県名古屋市、以下「DWTI」)と共同で実施中の眼疾患治療薬創製に向けた共同研究について、良好な結果が得られました。本共同研究は、2022年12月より開始し、当社は、自社のイオンチャネル創薬技術を活かして特定のイオンチャネルを標的とした化合物群(以下「本化合物群」)の合成を担当し、DWTIは自社の眼科領域での評価技術を活かして薬効薬理試験等により本化合物群の眼疾患治療薬の可能性を検証してきました。その結果、網膜疾患の動物モデルにおいて良好な薬理作用が確認されました。共同研究は継続中であり、本結果をもとに更なる検証を進め、次の段階への協業の可能性を追求してまいります。

さらに、がん治療薬の創出を目標として、mRNAを標的とする低分子医薬品の創出に向けた共同研究を株式会社Veritas In Silico(本社:東京都品川区)と進めております。当中間連結会計期間においては、共同研究で取り扱う標的遺伝子の研究範囲を拡大すると共に、双方のノウハウを活かして複数遺伝子に対するスクリーニングを実施し、開発化合物の創出を目指した創薬研究の起点となり得る低分子化合物を複数取得しました。

このほか、2025年3月、当社は、日産化学株式会社(本社:東京都中央区、以下「日産化学」)との間で、日産化学が保有する新規創薬研究成果の一部を対象とした独占的ライセンス契約を締結しました。本ライセンス契約の締結により、当社は、日産化学の研究成果の一部である特定の神経疾患に関するノウハウに関して、全世界で研究・開発・販売を行うための再実施権付独占的通常実施権を取得し、開発候補品を創製、開発に向けた取り組みを進めております。

 

当社は、2025年3月21日、HKイノエン社との間で資本業務提携契約を締結し、HKイノエン社に対して第三者割当による新株式の発行を決議し、当社普通株式2,592,100株を割り当て、2025年4月18日に払込手続きが完了いたしました。

本提携は、HKイノエン社による出資を通じた財務基盤の強化と、両社間の戦略的なパートナーシップの構築を目的としております。これにより、研究開発をはじめ多岐にわたる分野で相乗効果を創出し、企業価値の最大化を目指します。なお、調達資金は、①探索研究段階に係る継続的な開発化合物の創出のための研究開発費(共同研究や外部委託等の外部との連携を含みます。)、②グレリン受容体作動薬等、前臨床試験段階以降にある既存化合物の価値向上のための研究開発費(原薬製造、前臨床試験、臨床試験等を含みます。)、③設備投資のための投資資金に充当してまいります。当中間連結会計期間においては、HKイノエン社と下半期の共同研究開始に向けた協議を進める等、本提携に基づく取り組みを推進しております。

 

当社連結子会社であるテムリック株式会社(本社:東京都新宿区)がSyros Pharmaceuticals Inc.(本社:米国・マサチューセッツ州)に導出したレチノイン酸受容体α作動薬(タミバロテン/AM80/TM-411/SY-1425)については、両社間で今後の事業戦略について協議した結果、2025年4月11日付けで双方の合意のもとライセンス契約を終了いたしました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、事業収益1,535百万円(前年同期比8.9%増)、営業損失190百万円(前年同期は、営業損失154百万円)、経常損失291百万円(前年同期は、経常損失277百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失354百万円(前年同期は、親会社株主に帰属する中間純損失323百万円)となりました。

なお、事業費用の総額は、1,726百万円(前年同期比10.3%増)となり、その主な内訳は事業原価389百万円(前年同期比71.4%増)、研究開発費782百万円(前年同期比6.1%減)及びその他の販売費及び一般管理費554百万円(前年同期比9.7%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資 産)

当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ280百万円増加(2.9%増)し、9,936百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加193百万円、有価証券の増加87百万円、前払費用の増加116百万円及びのれんの減少98百万円によるものであります。

(負 債)

当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ435百万円減少(10.7%減)し、3,649百万円となりました。これは主に、契約負債の減少113百万円及び長期借入金の減少256百万円によるものであります。

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ716百万円増加(12.9%増)し、6,286百万円となりました。これは主に、第三者割当増資等に伴う資本金及び資本剰余金の増加1,040百万円、親会社株主に帰属する中間純損失354百万円の計上によるものであります。

 

以上の結果、自己資本比率は62.9%(前連結会計年度末比5.5ポイント増)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前連結会計年度末に比べ280百万円増加(8.9%増)し、3,422百万円(前年同期は、3,114百万円)となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、242百万円(前年同期比87.3%増)となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失291百万円及び減価償却費98百万円及びのれん償却額138百万円を計上した一方で、前払費用の増加115百万円及び契約負債の減少113百万円による資金の使用によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、52百万円(前年同期比98.6%減)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出200百万円、定期預金の払戻による収入200百万円及び有形固定資産の取得による支出48百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は、672百万円(前年同期比78.9%減)となりました。これは主に、株式発行による収入1,018百万円、長期借入金の返済による支出256百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式取得による支出50百万円及びリース債務の返済による支出37百万円によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当中間連結会計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、782百万円であります。また、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、事業活動のための適切な流動性の確保及び株主価値向上のための資金調達戦略の実行を基本方針としております。

資本の財源につきましては、医薬品の上市品目が増えたことにより、長期的かつ安定的なロイヤルティ収入が主要な財源となっております。一定規模以上の臨床開発を除き、ロイヤルティ収入を財源として医薬品の研究開発を進めてまいります。また、今後の臨床開発等の資金需要に対して、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するため、金融機関とコミットメントライン契約を締結しているほか、ファイナンス・リースや銀行借入等のチャネルの活用により財務基盤の強化を図っております。

資金の流動性につきましては、当中間連結会計期間末における流動比率は479.8%となっており、十分な流動性を確保できているものと認識しております。

当中間連結会計期間の中間連結キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

3【経営上の重要な契約等】

(資本業務提携契約及び株主間契約)

(1)契約の概要

当社は、2025年3月21日付で、HKイノエン社との間で、資本業務提携契約および株主間契約を締結いたしました。これらの契約は、同社との戦略的パートナーシップ構築と財務基盤の強化を目的としたものであり、当社は同社を割当先とする第三者割当による新株式2,592,100株の発行を同日付で決議し、2025年4月18日付で払込が完了しております。

この結果、同社は2025年6月末時点で当社の発行済株式総数の10.60%を保有する筆頭株主となっております。

また、株主間契約においては、同社が当社の取締役候補者1名を指名する権利および取締役会に出席するオブザーバー1名を派遣する権利、並びに当社が新たに株式等を発行する場合(公募増資等一定の例外を除く)に、保有比率に応じた優先引受権を有することが定められています。

なお、本契約は、HKイノエン社または柿沼佑一氏のいずれかの保有株式が当社の発行済株式総数の5%未満となった場合、自動的に終了いたします。

 

(2)資本業務提携の目的

本提携は、第三者割当増資による資金調達と、HKイノエン社との戦略的パートナーシップの構築を目的としています。

同社は、当社が創出した胃酸分泌抑制剤「tegoprazan」を導入し、世界で初めて上市した企業であり、当社とは開発段階から継続的な協力関係を築いてまいりました。本提携により、当社は研究開発、国内事業化、共同研究などの分野で協業を深め、相乗効果を創出し、企業価値の最大化を目指します。

 

(3)取締役会における検討状況その他の意思決定に至る過程

当社は、2024年12月以降、HKイノエン社との間で複数回の面談を実施し、資本業務提携と株主間契約に関する提案を受けました。今後の研究開発投資の加速と資金調達の必要性を総合的に勘案し、本提携の意義を確認のうえ、2025年3月21日開催の取締役会において本件を決議しました。

なお、株主間契約の当事者である柿沼佑一氏は特別利害関係人に該当するため、当該取締役会の審議および決議には参加しておりません。

 

(4)本契約が当社の企業統治に及ぼす影響

本契約に基づき、HKイノエン社は当社取締役候補者1名の指名権および取締役会オブザーバーの派遣権を保有しますが、当社の取締役会構成員の過半数を占めるものではなく、意思決定に対する過度な影響は及ぼさないと判断しております。当社は監査等委員会設置会社としての企業統治体制を維持しており、独立社外取締役を含む取締役会により、公正かつ客観的な意思決定を確保しています。従って、現時点において当社の企業統治に重大な影響を及ぼすものではないと考えております。