第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や金融緩和政策の効果により、緩やかな回復基調にあるものの、円安の進行に伴う輸入原材料価格の上昇や消費税増税による影響の長期化懸念など、依然として先行き不透明な状況が続きました。

このような経営環境の下、当社グループは、イノベーション(成長戦略)とコスト・リダクションを経営の二本柱とし、事業活動を推進しました。

国内事業では、シリアル食品「フルグラ®」の生産能力を増強し、その売上と市場シェアを拡大することができました。また、ポテトチップスが好調に推移し、高い市場シェアをさらに拡大することができました。
 海外事業では、海外売上比率30%以上を目指し、海外事業の強化を図りました。シンガポールでは売上の拡大を目的として、販売代理店を子会社化しました。また、北米では新工場の操業を開始しました。さらに英国では、豆を原料としたスナックの製造・販売を開始しました。一方、中国では業績不振が続いていた子会社、カルビー(杭州)食品有限公司(以下、杭州カルビー)の合弁契約を解消しました。

利益面では、生産効率の向上、及び広告宣伝費の効率的運用等のコスト・リダクションを推進したことにより、過去最高の営業利益率を達成することができました。

 

当連結会計年度の売上高は、食品製造販売事業が好調に推移し、246,129百万円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。円安に伴う原材料価格の上昇及び償却負担増により売上原価率が上昇しましたが、増収効果とコスト・リダクションにより、営業利益は28,125百万円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。たな卸資産廃棄損582百万円、海外事業展開に係る開業費515百万円、及び為替差損638百万円等により、経常利益は26,545百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。杭州カルビーに係る関係会社株式売却益370百万円等により、親会社株主に帰属する当期純利益は16,799百万円(前連結会計年度比19.0%増)となり、売上・利益ともに過去最高を更新しました。

 

 

平成27年3月期

平成28年3月期

伸び率(%)

現地通貨
ベースの
伸び率
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

国内売上高

199,709

89.9

216,807

88.1

+ 8.6

+ 8.6

海外売上高

22,441

10.1

29,321

11.9

+30.7

+25.0

合計

222,150

100.0

246,129

100.0

+10.8

+10.2

 

 

・事業別の状況 

(食品製造販売事業)

食品製造販売事業の売上高は、ポテト系スナックやシリアル食品、海外事業が貢献し、242,879百万円(前連結会計年度比11.0%増)となりました。

・スナック菓子

スナック菓子の売上高は、204,842百万円(前連結会計年度比7.8%増)となりました。

 

①  ポテト系スナック

ポテト系スナックの売上高は、127,147百万円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。「ポテトチップス」は、ベーシックシリーズ(うすしお味・コンソメパンチ・のりしお)や「しあわせバタ~」等が好調に推移しました。また「堅あげポテト」は前年を大きく上回り、お取引先各社のプライベートブランドの製造受託拡大も増収に貢献しました。「じゃがりこ」は、たらこバター味や、発売20周年キャンペーン製品が堅調に伸び、増収となりました。「Jagabee」も、期間限定品や地域限定品等の品揃え強化により、増収となりました。

②  小麦系スナック

小麦系スナックの売上高は、22,007百万円(前連結会計年度比0.2%増)となりました。主力の「サッポロポテトつぶつぶベジタブル」の売上高が前年を下回りましたが、「おさつスナック」や「チーズビット」が堅調に推移し、増収となりました。

③  コーン系スナック

コーン系スナックの売上高は、「ギャレット ポップコーン ショップス®」の新規出店が寄与したこと等により、18,550百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。

④  国内その他スナック

国内その他スナックの売上高は、「ベジップス」が減収となったこと等により、7,815百万円(前連結会計年度比7.0%減)となりました。

⑤  海外事業

海外事業の売上高は、29,321百万円(前連結会計年度比30.7%増)となりました。北米では「Harvest Snaps」、韓国では「Honey Butter Chip」の売上高が伸長し、また新規参入国の売上高も増収に寄与しました。

・その他食品(シリアル食品、ベーカリー)

その他食品の売上高は、38,036百万円(前連結会計年度比31.9%増)となりました。シリアル食品の「フルグラ®」の売上高が大きく伸長しました。「フルグラ®」は、時短・食物繊維・減塩朝食をキーメッセージに、実用的かつ健康的な朝食として認知度が向上し、シリアル市場の成長を牽引する製品として急成長を続けています。

 

(その他)

 その他の売上高は、販売促進ツールの売上高が増加したものの、物流事業の売上高が前年を下回り、3,249百万円(前連結会計年度比0.0%減)となりました。

 

なお、セグメントの業績につきましては、当社グループの報告セグメントが「食品製造販売事業」のみであることから、記載を省略しております。

 

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ4,751百万円増加し、47,323百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加額や法人税等の支払額があったものの、税金等調整前当期純利益及び減価償却費等により、22,541百万円の純収入(前連結会計年度は22,266百万円の純収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー) 

投資活動によるキャッシュ・フローは、「フルグラ®」や北米の生産設備の取得等の有形固定資産の取得による支出等により、14,270百万円の純支出(前連結会計年度は9,422百万円の純支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー) 

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額により、2,859百万円の純支出(前連結会計年度は2,878百万円の純支出)となりました。

 

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

食品製造販売事業

242,764

111.1

合計

242,764

111.1

 

(注)1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 受注実績

当社グループは、主に基準在庫量及び販売の実需見込に基づいた生産方式を採用しておりますので、該当事項はありません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

食品製造販売事業

242,879

111.0

その他

3,249

100.0

合計

246,129

110.8

 

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

販売高
(百万円)

割合(%)

販売高
(百万円)

割合(%)

コンフェックス㈱

25,856

11.6

28,105

11.4

㈱山星屋

27,065

12.2

26,352

10.7

三菱食品㈱

24,231

10.9

26,324

10.7

 

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の経済環境を展望しますと、政府の経済対策や金融緩和政策により一部に緩やかな回復がみられるものの、中国を始めとした世界経済の成長の鈍化、また景気の先行き不透明感から、個人消費の回復は足踏み状態が続くものとみられます。スナック菓子市場及びシリアル市場においては、お客様の嗜好の多様性や食品の安全・安心に対する意識の高まり、より良いものを安くという低価格志向が続くと予想されます。

当社グループは、このような環境の中で、将来の成長に向け、引き続きイノベーション(成長戦略)とコスト・リダクションを経営の二本柱として、継続的成長と高収益体質の実現を図りながら、グローバル食品企業をめざして、スピードと競争力を持って事業活動を推進してまいります。

 

1.イノベーション(成長戦略)

①  海外事業の拡大

日本のスナック菓子市場は少子化の影響等で大きな成長は期待できません。したがって、当社グループが今後継続的な成長を図るためには、海外事業の拡大は必須であると考えております。北米、中国、アジア、西欧を重点地域とし、既参入市場においてはより強固な事業基盤を構築する一方、引き続き新規市場の開拓を進めてまいります。それぞれの地域に受け入れられる価格と製品を提供し、課題に取り組むことで海外事業の拡大を図り、中長期の目標として海外売上比率30%以上を目指します。

②  新製品開発

これまで以上に新製品開発のスピードを高め、安全・安心かつお客様から支持されるユニークで価値ある製品の開発を進めてまいります。毎期、継続して新製品を発売し、新製品売上比率の向上を図ります。

③  国内マーケットシェア拡大

新製品開発及び既存製品のリニューアルやプロモーション活動を通じて、国内スナック菓子市場およびシリアル市場そのものの拡大とその中でのシェアアップを図ります。また、スナック菓子市場のみならず、国内菓子市場のトップシェアを目指します。

④  PepsiCo,Inc.(ペプシコ)との連携強化

世界最大規模の食品・飲料メーカーであるペプシコを戦略的パートナーとして、両社の経営能力を組み合わせ、シナジー効果を発揮してまいります。

⑤  L&A(Licensing & Acquisition:ライセンス契約と事業買収)

優れた企業、製品があれば、国内だけでなく海外も含めて、L&Aの取組みを進めてまいります。

⑥  新規事業開発

当社グループの事業領域から大きく逸脱することはありませんが、新規事業開発にもチャレンジしてまいります。その取り組みの例として、アンテナショップ「カルビープラス」や、シカゴ生まれの老舗ポップコーン・ブランド「ギャレット ポップコーン ショップス®」、百貨店内に直営店舗「GRAND Calbee(グランカルビー)」等を展開しております。常に新しいメッセージを発信し、お客様とのダイレクトコミュニケーションを図ってまいります。

 

 

2.コスト・リダクション

収益力と価格競争力を高めるために、あらゆる事業、分野において一層のコスト・リダクションへの取組みを進めてまいります。収益構造改革を推進し、国内はもとよりグローバル市場での競争力を持ち、経営環境の変化に左右されない強い事業基盤の構築を目指します。

①  原材料費の低減

仕入先との協働、仕入れルート・産地の多様化、内製化等を進めることにより、さらなる価格低減に努めてまいります。あわせて、研究開発本部を中心に製品設計の見直しを行うことで、コスト削減効果を高めてまいります。

②  生産の効率化及び稼働率の向上

工場毎の生産アイテムの見直し、人員の適正化、標準化などにより、生産の効率化を進めます。またマーケティング政策や営業活動との連携により、生産の平準化を図り、工場稼働を最適化します。すべてのお客様に魅力的で値ごろ感のある製品・サービスを提供することを目指します。

③  販売費及び一般管理費の適正化

販売費及び一般管理費の中で最も大きな割合を占める販売費については、プロモーション活動を効率的かつ効果的に行い、効率化を進めてまいります。物流費については輸配送の効率化を推進します。また本社費を含むすべての経費の適正化を図ります。

 

 

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下の通りです。必ずしも事業上の重要なリスクとは考えていない事項についても、当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、以下の記載内容及び将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①  製品開発

当社グループは、自然素材のもつ栄養や美味しさを最大限活かし、ユニークで価値ある製品を提供するための研究開発活動を行っております。一方で、お客様の嗜好の多様性や健康志向の高まり、国内の少子高齢化等、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。このような市場の変化にいかに迅速に対応し、付加価値の高い製品を開発できるかが、今後の当社グループの事業拡大にとって重要な課題となっております。このため当社グループでは、新製品開発、現行製品の改良、コストダウン、基礎研究の分野で研究開発活動を毎期計画的に実施しております。しかしながら、これらの開発投資が成功し、全て新製品の発売につながるという保証はなく、また研究開発テーマが、市場ニーズと乖離して受け入れられない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②  原材料の調達

ポテトチップス、じゃがりこ、Jagabee等ポテト系スナックの原料となる生のじゃがいもは、日本においては植物防疫法により原則輸入が認められておりません。当社グループは、国産生じゃがいもの品質、数量、価格における安定した調達を実現するために、ポテト系スナックの発売当初から契約栽培による調達体制の構築を図ってまいりました。この契約栽培により安定的な調達が可能となっておりますが、作況によっては、じゃがいもの不作によって量の確保ができず、販売機会を失う恐れや、緊急調達によるコスト増等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、食油や包装資材といった原材料全般にわたって、需給動向や原油価格、外国為替相場の変動等により調達価格が変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③  製品の安全性

近年、消費者からの食品に対する安全性への要求はますます高まっております。メーカーとしての責任を果たし、この要求に応えるべく当社グループでは、原材料の品質、生産工程等を厳格に管理し、製品の品質や異物混入等には万全の注意を払っておりますが、原材料や製造工程等に想定外の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、平成14年4月にスウェーデン政府より、炭水化物を多く含む食品を焼く又は揚げることにより発がん性物質(アクリルアミド)が生成される旨の調査結果が発表されましたが、厚生労働省は平均的な摂取量であれば人に対する影響は想定されないとしており、これまでのところ当社グループの経営成績は影響を受けておりません。しかしながら、将来的にはスナック菓子業界全体に影響を与える問題に発展する可能性があります。

 

 

④  競合リスク

当社グループは、国内スナック菓子市場及びシリアル市場において、安定して高いシェアを維持しておりますが、国内同業他社や巨大外国資本の参入あるいはM&Aによる業界再編等により競争が激化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、同業他社が当社グループより低価格での製品提供を行い、対抗する必要が生じた場合には、販売価格の引き下げの選択、その結果として利益率の低下等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤  グローバル展開

当社グループは、国内市場に限らず海外の子会社を通じて事業展開を推進しております。中長期的な成長を図るためには海外事業の強化、拡大は必須であると考えており、今後はより一層のスピードと競争力を持って事業展開を図っていく方針です。しかしながら、グローバル市場開拓が進まない場合、当社グループの成長戦略の見直しが行われる可能性があります。また、当社グループが事業展開を図っていく様々な国や地域における政治的、経済的状況等の変化や外国為替相場の変動等が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑥  大株主との関係

当連結会計年度末時点において、PepsiCo, Inc.(以下、「PepsiCo」という)はその100%子会社FRITO-LAY GLOBAL INVESTMENTS B.V.(以下、「FLGI」という)を通じて当社株式の20.00%(潜在株式数考慮後)を保有しており、当社はPepsiCoの持分法適用関連会社であります。当社株式を直接保有するFLGIはPepsiCoの100%子会社であるため、当社普通株式の議決権等に関する実質的な判断については、PepsiCo が行っております。なお、PepsiCoは、世界最大規模の食品飲料メーカーの1つであり、ニューヨーク証券取引所に株式を上場しております。また当社と同業であるスナック菓子事業については、同社の子会社であるFrito-Lay North America, Inc.を中心としたグループ各社でグローバル展開をしております。

当社とPepsiCoは、両社の経営能力を組み合わせシナジー効果を発揮することが、両社の継続的な成長に必要との判断から、平成21年6月24日に戦略的提携契約(以下「本契約」という)を締結しました。PepsiCoとのパートナーシップを強固なものとするため、PepsiCoの100%子会社であるFLGIに対して第三者割当増資を実施し、あわせてPepsiCoの子会社ジャパンフリトレー㈱の株式の100%を取得いたしました。

なお、本契約において、PepsiCoは日本国内においてスナック菓子事業を営まない旨の合意がなされていることから当社と競合関係にはなりえず、また海外での事業展開については何ら制約を受けていないことから、当社の経営判断や事業展開の制約にならないものと認識しております。

当社は、PepsiCoとの戦略的提携関係を維持し、企業価値の向上に努める所存でありますが、将来においてPepsiCoの経営方針や事業戦略の変更が生じた場合、当社は提携によるシナジー効果を発揮できない可能性があります。また、何らかの要因により本契約が解消された場合には、日本国内においてPepsiCoグループと競合関係が生じる可能性があります。これらの事象が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

a.人的関係

当連結会計年度末時点において、当社グループとPepsiCoグループとの間で重要な人的関係はありません。

 

b.取引関係

当社子会社のジャパンフリトレー㈱はPepsiCoグループのFrito-Lay, Inc.よりスナック菓子の輸入を行っております。また、当社子会社のCalbee North America, LLCは、PepsiCoグループのFrito-Lay North America, Inc.にスナック菓子の販売を行っております。

 

c.資本関係 

PepsiCoとの本契約においては、提携関係を維持するとの観点から、PepsiCoが当社株式の持株比率について、20%の水準を超えない旨を定められております。なお、将来において、PepsiCoもしくは当社の経営方針や事業戦略の変更が生じた場合あるいは経営環境の変化等により、PepsiCoの当社に対する持株比率が変更される可能性があります。

 

⑦  法的規制

当社グループは事業活動を遂行するにあたり、食品衛生法、景品表示法、計量法、不正競争防止法、植物防疫法及び消費者安全法等、様々な法的規制を受けております。今後、これらの規制の改廃もしくは新たな法的規制が設けられた場合には、それらに対応するための追加コスト等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、事業活動に必要な各種許認可等を受けておりますが、法令違反等により認可等が取り消された場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑧  天災リスク

当社グループでは、生産ラインの中断による潜在的なリスクを回避するため、必要と考えられる定期点検を行っております。また、生産拠点を分散させることにより安定供給体制を構築しております。しかしながら、天災等による生産設備における災害については完全に防止できる保証はありません。こうした影響は、売上高の低下、コストの増加を招く可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6 【研究開発活動】

当社グループは「自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します」という企業理念の下、自然素材のもつ栄養やおいしさを最大限活かし、ユニークで価値ある製品を提供するための研究開発活動を行っております。研究開発活動は研究開発本部を中心に175名体制で、基礎研究、製品及び技術開発、研究施設併設のパイロットプラントでの製品化を一貫して行っております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、2,195百万円(売上比0.9%)であり、その主な活動内容は次のとおりであります。

基礎研究の分野においては、国内におけるじゃがいもの長期的な安定確保、品質向上を図るために、新品種の開発革新を目的として、他社と共同で帯広畜産大学に開設しました「バレイショ遺伝資源開発学講座」を継続して、中間育種開発を行っております。また、2014年度に開始した馬鈴薯やフルグラ原料の有効成分の研究を継続し,一部具体的な有効成分を明らかにすることができました。

製品開発の分野においては、お客様の多様な嗜好に対応し、市場の拡大、活性化を図るためにポテトチップス、じゃがりこ、フルグラ等の製品ラインアップの拡充に取り組んでいます。一方、新しい業態、売り場へのチャレンジとして、りんご、たまねぎ、にんじん等の国産野菜を独自の加工方法により、素材のおいしさを最大限に引き出した製品や,和菓子をヒントにしたスナック製品の開発等に取り組みました。

技術開発の分野においては、既存製品の品質維持・改善を目指すとともに、引き続き原料や製法の変更による原価低減活動を行いました。また、ポップコーン用にキャラメル・コーティング技術を独自開発しました、さらに、英国、インドネシアの子会社での生産開始に向けた技術支援やタイ子会社への新製品開発支援を行いました。

 

 

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社グループが判断、予想したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

また、この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

①  貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

②  繰延税金資産の回収可能性の評価

当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。

③  退職給付費用及び退職給付債務

退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は、連結貸借対照表においては負債(又は資産)として計上されますが、連結損益計算書においては将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。

④  有価証券及び投資有価証券の減損

当社グループでは、有価証券及び投資有価証券を保有しており、満期保有目的の債券については償却原価法により評価し、その他有価証券のうち時価のあるものについては時価法を、時価のないものについては原価法により評価しております。また、時価のある有価証券については、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合にはすべて減損処理を行い、30%から50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。他方、時価のない株式については、実質価額が取得価額と比べて50%以上下落したものについては「著しく下落した」ものとし、回復可能性が十分な根拠により裏付けられる場合を除き減損処理を行っております。

当社グループでは、有価証券及び投資有価証券について必要な減損処理をこれまで行ってきておりますが、将来の市況悪化や投資先の業績不振等により、現状の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が生じ、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度に比べ12,909百万円増加し、174,878百万円となりました。この主な要因は、コマーシャルペーパーの償還等により有価証券が減少したものの、現金及び預金並びに有形固定資産が増加したこと等によるものです。有形固定資産は、売上が好調な「フルグラ®」や北米の新工場取得等の生産設備の取得等により増加しました。

負債は、支払手形及び買掛金が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ240百万円増加し、43,408百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度に比べ12,669百万円増加し、131,469百万円となりました。

 

自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.4ポイント上昇し、69.1%となりました。また、1株当たり純資産額は905円20銭となりました。

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、食品製造販売事業が好調に推移し、246,129百万円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。

食品製造販売事業の売上高は、スナック菓子やシリアル食品、海外事業が貢献し、242,879百万円(前連結会計年度比11.0%増)となりました。

スナック菓子の売上高は、204,842百万円(前連結会計年度比7.8%増)となりました。

その他食品の売上高は、38,036百万円(前連結会計年度比31.9%増)となりました。シリアル食品の「フルグラ®」の売上高が大きく伸長しました。「フルグラ®」は、時短・食物繊維・減塩朝食をキーメッセージに、実用的かつ健康的な朝食として認知度が向上し、シリアル市場の成長を牽引する製品として急成長を続けています。

その他の売上高は、販売促進ツールの売上高が増加したものの、物流事業の売上高が前年を下回り、3,249百万円(前連結会計年度比0.0%減)となりました。

(売上総利益)

売上総利益は、円安に伴う原材料価格の上昇及び償却負担増により売上原価率が上昇しましたが、増収効果とコスト・リダクションにより、前連結会計年度に比べ9,472百万円増加し、107,033百万円(前連結会計年度比9.7%増)となりました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ5,529百万円増加し、78,908百万円となりました。増加の要因は、国内や北米等において販売促進費が増加した他、運賃が増加したこと等によるものです。

(営業利益)

上記の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ3,942百万円増加し、28,125百万円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。

(経常利益)

上記の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ929百万円増加し、26,545百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、杭州カルビーに係る関係会社株式売却益370百万円や生産設備の減損損失の計上等により、前連結会計年度に比べ2,684百万円増加し、16,799百万円(前連結会計年度比19.0%増)となりました。

 

この結果、1株当たり当期純利益金額は125円88銭となりました。また、自己資本利益率は14.6%となり、前連結会計年度に比べ0.9ポイント上昇しました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況  1 業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。