第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、企業理念を、「私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。」と定めています。そしてカルビーを取り巻くステークホルダーに対する考え方として、カルビーのグループビジョンを、「顧客・取引先から、次に従業員とその家族から、そしてコミュニティから、最後に株主から、尊敬され、賞賛され、そして愛される会社になる」と定めています。これらのカルビーの価値観を具現化するコーポレートメッセージとして、「掘りだそう、自然の力。」を定めています。これらを当社グループの経営の基本方針として、企業価値の更なる向上を図ってまいります。

 

(2)当社グループを取り巻く中長期的な事業環境

今後の当社グループを取り巻く中長期的な事業環境においては、新興国の経済成長により、先進国と新興国の経済格差が縮まり、生活水準が上昇する中、資源確保の競争激化や資源枯渇、環境問題が深刻化すると想定されます。一方、先進国、新興国双方での貧富の差の拡大などの社会問題も広がると懸念されます。国内では、少子高齢化の進展と労働力不足の深刻化、単身世帯割合の増加などが見込まれ、社会との共創やデジタル技術などにより社会的課題を解決しながら、多様化するニーズに応えていくことが重要になると考えられます。

 

(3)長期ビジョン (2030ビジョン)

このような事業環境の変化の中で当社グループを持続的に成長させるため、2030年に目指す姿として2030ビジョン「Next Calbee 掘りだそう、自然の力。食の未来をつくりだす。」を策定しました。多様化する顧客のニーズを掘り起こして新たな価値を提供し続けるとともに、海外事業の成長を加速させ、新たな食領域への事業拡張に挑戦します。また、社会との共創を進めて社会的課題を解決し、持続可能な地球環境の実現に取り組みます。海外市場と新たな食領域を成長の軸として確立し、2030年に海外売上高比率40%超、新規食領域売上高比率20%超の達成を目指します。

 

(4)中期経営計画と対処すべき重点課題

長期ビジョンを達成するためのステップとして 、中期経営計画を策定し、注力すべき6つの重点課題を定めました。中期経営計画の基本方針を「次世代へ続く成長への変革と挑戦」とし、事業環境の変化に対応した基盤作りを通して、変革と挑戦による持続的成長を実現します。定量目標として2024年3月期に売上高3,100億円、営業利益400億円の達成を目指します。

 

中期経営計画の6つの重点課題は次の通りです。

 

① 国内既存事業

国内スナック・シリアル事業で新たな価値の創出と高収益を実現します。スナック事業を革新し、多様な消費者ニーズを捉えた新しい価値のある商品を多く展開するとともに収益性の向上を図ります。また、菓子というジャンルに留まらず、カラダ想いの軽食「fine snack」を提案し、おいしさ・楽しさ・健やかさを提供するとともに、たんぱく質・脂質・炭水化物のバランスを意識した商品ポートフォリオを展開します。さらに、シリアル事業の拡大に向け、ブランドの強化に加え、従来の「朝のフルグラ事業」から、機能性・簡便性などの付加価値を高め、消費者の多様なライフスタイルを支える「ライフスタイルサポート食事業」への転換を図ります。これらを支える事業基盤の強化のため、サプライチェーンの連携強化による生産供給の最適化、デジタル・トランスフォーメーションによる生産性向上と、より働きやすい職場環境の実現、流通取引先との戦略的パートナーシップによる顧客の経験価値の最大化を推進していきます。

 

 

② 海外事業

北米・中華圏・英国・インドネシアを海外の重点4地域と定め、これらの地域での収益基盤を確立します。市場特性に合わせながら当社ブランドの浸透を図るとともに、各市場での販路を拡大し、事業基盤の強化・効率化を進めます。さらに、当社の加工技術を活かし、外部資源も柔軟に活用しながら、スナック・シリアル以外の新しい商品ラインアップを展開します。

 

③ 新規事業

新たな食領域での事業の確立に挑戦します。まず、馬鈴しょ事業において事業領域の拡大を進めるなど、素材起点での新事業を確立します。また、素材を活かす独自の加工技術を開発します。さらに、新たな収益獲得モデルとしてサービス型事業の構築、未来顧客のニーズや期待に応えるための新たな食領域での事業創出に取り組みます。

 

④ 経営基盤

グローバル経営と持続的成長を支える基盤の強化を図ります。分権化を進め自立的実行力による全員活躍とマネジメント人財の育成強化を進めます。また、グローバル経営に向けたガバナンスやIT人財を強化します。さらに、働き方改革の深化を進め、女性活躍推進によるダイバーシティ経営のみならず、個々の従業員の能力を最大限活かすインクルージョンを推進します。研究開発の機能強化と拠点最適化にも着手し、オープンイノベーションを活用した顧客の要望に機動的に対応する商品開発の仕組みを構築します。

 

⑤ 社会共創

持続可能な開発目標(SDGs)を見据えた持続可能社会と事業成長の両立の実現に向け、様々な取り組みを実行します。当社の事業にとって重要な要素である農産物の原料調達において、生産者とのパートナーシップの更なる緊密化を進め、国産原料の調達量を増加させるとともに、農業活動への支援を行います。また、人々の健やかなくらしの実現のために、食育活動などを通じて顧客との継続的関係の深化を図ります。さらに、地域社会への貢献を軸とした社会貢献活動を推進します。また、温室効果ガスの排出量削減や、商品の賞味期限延長等によるフードロスの削減、人権に配慮した調達を進めるなど、持続可能なサプライチェーンの取り組みを推進します。

 

⑥ ペプシコとの連携強化

当社グループと、ペプシコの両社がもつ事業基盤やリソースを活用し、新たな事業提携による連携強化を模索します。具体的には、国内ではフリトレーブランドの販売を強化、海外ではペプシコの販売網を活用、さらに、持続可能社会の取り組みに向けた情報共有と技術連携等の検討を進めます。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下の通りです。必ずしも事業上の重要なリスクとは考えていない事項についても、当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、以下の記載内容及び将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①  製品開発

当社グループは、自然素材のもつ栄養や美味しさを最大限活かし、ユニークで価値ある製品を提供するための研究開発活動を行っております。一方で、お客様の嗜好の多様性や健康志向の高まり、国内の少子高齢化等、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。このような市場の変化にいかに迅速に対応し、付加価値の高い製品を開発できるかが、今後の当社グループの事業拡大にとって重要な課題となっております。このため当社グループでは、新製品開発、現行製品の改良、コストダウン、基礎研究の分野で研究開発活動を毎期計画的に実施しております。しかしながら、これらの開発投資が成功し、全て新製品の発売につながるという保証はなく、また研究開発テーマが、市場ニーズと乖離して受け入れられない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②  原材料の調達

ポテトチップス、「じゃがりこ」等ポテト系スナックの原料となる馬鈴しょは、日本においては植物防疫法により原則輸入が認められておりません。当社グループは、国産馬鈴しょの品質、数量、価格における安定した調達を実現するために、ポテト系スナックの発売当初から契約栽培による調達体制の構築を図ってまいりました。この契約栽培により安定的な調達が可能となっておりますが、作況によっては、馬鈴しょの不作によって量の確保ができず、販売機会を失う恐れや、緊急調達によるコスト増等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、食油や包装資材といった原材料全般にわたって、需給動向や原油価格、外国為替相場の変動等により調達価格が変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③  製品の安全性

近年、消費者からの食品に対する安全性への要求はますます高まっております。メーカーとしての責任を果たし、この要求に応えるべく当社グループでは、原材料の品質、生産工程等を厳格に管理し、製品の品質や異物混入等には万全の注意を払っておりますが、原材料や製造工程等に想定外の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、2002年4月にスウェーデン政府より、炭水化物を多く含む食品を焼く又は揚げることにより発がん性物質(アクリルアミド)が生成される旨の調査結果が発表されましたが、厚生労働省は平均的な摂取量であれば人に対する影響は想定されないとしており、これまでのところ当社グループの経営成績は影響を受けておりません。しかしながら、将来的にはスナック菓子業界全体に影響を与える問題に発展する可能性があります。

 

 

④  競合リスク

当社グループは、国内スナック菓子市場及びシリアル市場において、安定して高いシェアを維持しておりますが、国内同業他社や巨大外国資本の参入あるいはM&Aによる業界再編等により競争が激化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、同業他社が当社グループより低価格での製品提供を行い、対抗する必要が生じた場合には、販売価格の引き下げの選択、その結果として利益率の低下等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤  グローバル展開

当社グループは、国内市場に限らず海外の子会社を通じて事業展開を推進しております。中長期的な成長を図るためには海外事業の強化、拡大は必須であると考えており、今後はより一層のスピードと競争力を持って事業展開を図っていく方針です。しかしながら、グローバル市場開拓が進まない場合、当社グループの成長戦略の見直しが行われる可能性があります。また、当社グループが事業展開を図っていく様々な国や地域における政治的、経済的状況等の変化や外国為替相場の変動等が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑥  大株主との関係

当連結会計年度末時点において、PepsiCo, Inc.(以下、「PepsiCo」という)はその100%子会社FRITO-LAY GLOBAL INVESTMENTS B.V.(以下、「FLGI」という)を通じて当社株式の20.01%(潜在株式数考慮後)を保有しており、当社はPepsiCoの持分法適用関連会社であります。当社株式を直接保有するFLGIはPepsiCoの100%子会社であるため、当社普通株式の議決権等に関する実質的な判断については、PepsiCo が行っております。なお、PepsiCoは、世界最大規模の食品飲料メーカーの1つであり、米国NASDAQに株式を上場しております。また当社と同業であるスナック菓子事業については、同社の子会社であるFrito-Lay North America, Inc.を中心としたグループ各社でグローバル展開をしております。

当社とPepsiCoは、両社の経営能力を組み合わせシナジー効果を発揮することが、両社の継続的な成長に必要との判断から、2009年6月24日に戦略的提携契約(以下「本契約」という)を締結しました。PepsiCoとのパートナーシップを強固なものとするため、PepsiCoの100%子会社であるFLGIに対して第三者割当増資を実施し、あわせてPepsiCoの子会社ジャパンフリトレー㈱の株式の100%を取得いたしました。

なお、本契約において、PepsiCoは日本国内においてスナック菓子事業を営まない旨の合意がなされていることから当社と競合関係にはなりえず、また海外での事業展開については何ら制約を受けていないことから、当社の経営判断や事業展開の制約にならないものと認識しております。

当社は、PepsiCoとの戦略的提携関係を維持し、企業価値の向上に努める所存でありますが、将来においてPepsiCoの経営方針や事業戦略の変更が生じた場合、当社は提携によるシナジー効果を発揮できない可能性があります。また、何らかの要因により本契約が解消された場合には、日本国内においてPepsiCoグループと競合関係が生じる可能性があります。これらの事象が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

a.人的関係

当連結会計年度末時点において、当社グループとPepsiCoグループとの間で重要な人的関係はありません。

 

b.取引関係

当社子会社のジャパンフリトレー㈱はPepsiCoグループのFrito-Lay, Inc.よりスナック菓子の輸入を行っております。

 

c.資本関係 

PepsiCoとの本契約においては、提携関係を維持するとの観点から、PepsiCoが当社株式の持株比率について、20%の水準を超えない旨を定められております。なお、将来において、PepsiCoもしくは当社の経営方針や事業戦略の変更が生じた場合あるいは経営環境の変化等により、PepsiCoの当社に対する持株比率が変更される可能性があります。

 

⑦  法的規制

当社グループは事業活動を遂行するにあたり、食品衛生法、景品表示法、計量法、不正競争防止法、植物防疫法及び消費者安全法等、様々な法的規制を受けております。今後、これらの規制の改廃もしくは新たな法的規制が設けられた場合には、それらに対応するための追加コスト等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、事業活動に必要な各種許認可等を受けておりますが、法令違反等により認可等が取り消された場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑧  天災リスク

当社グループでは、生産ラインの中断による潜在的なリスクを回避するため、必要と考えられる定期点検を行っております。また、生産拠点を分散させることにより安定供給体制を構築しております。しかしながら、天災等による生産設備における災害については完全に防止できる保証はありません。こうした影響は、売上高の低下、コストの増加を招く可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1) 経営成績の分析

当連結会計年度において、当社グループは引き続きイノベーション(成長戦略)とコスト・リダクションを経営の基本方針として、事業活動を推進しました。

国内事業においては、前期には馬鈴しょ不足がポテト系スナックの生産・販売に大きな影響をもたらしましたが、当期は十分な馬鈴しょの確保とともに、ポテトチップスの増量キャンペーン等の積極的な販売活動を行いました。また、新たな顧客層の獲得に向けた取組みとして、「とうもりこ」や「えだまりこ」等の個食サイズの新スナック商品の宣伝活動と全国販売を展開しました。シリアル食品「フルグラ」は、既存商品のサイズラインアップ拡充などの施策により、新規顧客の開拓に努めました。一方、事業の選択と集中を図るため、2018年4月にガーデンベーカリー株式会社(パンおよび菓子類の製造販売)の株式の一部を、2018年9月にカルネコ株式会社(販促物の制作および販売)の全株式を譲渡しました。

海外事業においては、北米、中華圏、インドネシア、英国等の事業拡大に注力しました。北米では、既存スナック商品の販売促進活動や新商品の展開を進めると同時に、原価低減や販促費のコントロールを行い、収益改善に努めました。「フルグラ」の中国への販売拡大に向けて、2018年8月から京都工場での生産を開始するとともに、販売チャネルの拡大を図りました。インドネシアでは、好調な需要を背景にポテトチップスの生産能力を増強しました。英国では、さらなる事業拡大とブランド強化に向けて、2018年10月にポテトチップスブランドを有する製菓会社Seabrook Crisps Limitedの事業を買収しました。一方、海外事業における採算性を精査した結果、フィリピンでのスナック菓子製造・販売の合弁事業を解消することを決定し、2018年9月にCalbee-URC,Inc.の全株式を譲渡、ライセンス契約による当社ブランド商品の製造・販売へと変更しました。

 

当連結会計年度の売上高は、248,655百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。営業利益は、26,964百万円(前連結会計年度比0.5%増)となり、営業利益率は10.8%(前連結会計年度比0.1ポイント改善)になりました。国内事業においては、ポテトチップス等の売上増加による利益貢献があったものの、原材料費や動力費、物流費等のコスト上昇の影響を受けました。海外事業においては、北米での廃棄ロスや労務費削減による原価低減や、中国向け「フルグラ」の売上拡大による利益の増加が貢献しました。経常利益は、為替差益406百万円等により27,432百万円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。また、2018年9月に連結子会社のカルネコ株式会社の全株式を譲渡したことによる関係会社株式売却益2,378百万円を特別利益に計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は、19,429百万円(前連結会計年度比12.1%増)となりました。
   

 

2018年3月期

2019年3月期

伸び率(%)

現地通貨
ベースの
伸び率
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

国内売上高

217,774

86.6

208,193

83.7

△4.4

△4.4

海外売上高

33,801

13.4

40,461

16.3

+19.7

+20.8

合計

251,575

100.0

248,655

100.0

△1.2

△1.0

 

 

 事業別の売上高は以下のとおりです。

売上高

2018年3月期

2019年3月期

金額
(百万円)

金額
(百万円)

伸び率
(%)

① 食品製造販売事業

247,577

246,064

△0.6

 国内食品製造販売事業

213,775

205,602

△3.8

 

国内スナック菓子

175,575

180,499

+2.8

国内シリアル食品

23,836

23,817

△0.1

国内その他食品

14,363

1,285

△91.0

 海外食品製造販売事業

33,801

40,461

+19.7

 

海外スナック菓子

31,266

35,178

+12.5

海外シリアル食品

2,534

5,283

+108.5

②  その他事業

3,998

2,590

△35.2

合計

251,575

248,655

△1.2

 

 

① 食品製造販売事業

(国内食品製造販売事業)

・国内スナック菓子

国内スナック菓子の売上高は、前連結会計年度に比べ増収となりました。ポテトチップスの需要増により売上が伸長したことに加えて、新たな素材を使った新商品が増収に貢献しました。一方、「Jagabee」、小麦系スナックおよびコーン系・豆系スナックは、ポテトチップスの需要増の反動からの回復が弱く、売上が減少しました。

国内スナック菓子の製品別売上高は以下のとおりです。

売上高

2018年3月期

2019年3月期

金額
(百万円)

金額
(百万円)

伸び率
(%)

 ポテト系スナック 

126,305

133,068

+5.4

 

 ポテトチップス

77,007

84,129

+9.2

 じゃがりこ

35,695

37,402

+4.8

 Jagabee/じゃがポックル

13,602

11,537

△15.2

 小麦系スナック

22,405

20,775

△7.3

 

 

 かっぱえびせん

10,707

9,705

△9.4

 サッポロポテト等

11,697

11,069

△5.4

 コーン系・豆系スナック

16,785

15,882

△5.4

 その他スナック

10,078

10,773

+6.9

国内スナック菓子 計

175,575

180,499

+2.8

 

 

・ポテト系スナックの売上高は、前連結会計年度に比べ増収となりました。ポテトチップスは、前年第1四半期において馬鈴しょ不足から販売アイテムの調整を行った影響と、当期実施した増量キャンペーン効果等により、「うすしお味」に代表される定番品および「堅あげポテト」の売上が拡大しました。また、個食サイズの新商品「とうもりこ」および「えだまりこ」が、TVコマーシャルの展開とともに全国販売を開始し、「じゃがりこ」は増収となりました。一方「Jagabee/じゃがポックル」は、「じゃがポックル」が堅調に推移したものの、「Jagabee」の定番品等の販売不振により減収となりました。

・小麦系スナックの売上高は、「かっぱえびせん」の期間限定品の投入等を実施したものの、前期の好調な需要までに至らず、前連結会計年度に比べ減収となりました。

・コーン系・豆系スナックの売上高は、当期に発売したジャパンフリトレーの「ドラゴンポテト」が売上に貢献するも、「チートス」等はポテトチップスの需要増の反動からの回復が弱く、前連結会計年度に比べ減収となりました。

・その他スナックの売上高は、個食サイズの新商品「miino(ミーノ)」および「極じゃが」の売上が拡大し、前連結会計年度に比べ増収となりました。一方、「ポテトチップスクリスプ」は新フレーバーの展開を進めるも、販売不振により、売上が減少しました。

 

・国内シリアル食品

国内シリアル食品の売上高は、前連結会計年度とほぼ横ばいとなりました。国内の新規顧客開拓に向けた「フルグラ」のSサイズや個食用サイズのラインアップの拡充とともに、「フルグラ糖質オフ」のリニューアルや期間限定品の投入等を継続的に実施したものの、需要の底上げには至りませんでした。一方、中国小売店舗向けの「フルグラ」の需要は順調に拡大しました。

 

・国内その他食品

国内その他食品の売上高は、ベーカリー事業を2018年4月に譲渡したことから、前連結会計年度に比べ大幅に減収となりました。

 

(海外食品製造販売事業)

・海外スナック菓子

 海外スナック菓子の売上高は、前連結会計年度に比べ増収となりました。欧州においては、2018年10月に英国の製菓会社Seabrook Crisps Limitedの事業を買収したことにより、大幅に増収となりました。豪州においては、市場参入以来、豆系スナック「Harvest Snaps」の売上の拡大が続きました。インドネシアでは、ポテトチップス「Potabee」や2018年3月から販売開始したコーン系スナック「Krisbee Krunchy」の貢献等により増収となりました。北米においては、オーガニック豆を使用した「Harvest Snaps」の販売を開始するも、大手顧客における導入が遅れたことにより、売上が伸び悩みました。一方、韓国では、販売不振が継続し売上が減少しました。

 

・海外シリアル食品

海外シリアル食品の売上高は、前連結会計年度に比べ大幅に増収となりました。中国向けの「フルグラ」は、日本国内の生産拠点の拡大とともに、前期に開始した越境Eコマースに加え、当期から開始した中国国内のEコマースにより、販売を拡大しました。

 

 海外食品製造販売事業の地域別売上高は以下のとおりです。

売上高

2018年3月期

2019年3月期

金額
(百万円)

金額
(百万円)

伸び率(%)

北米

9,843

9,941

+1.0

アジア

 中華圏

8,718

11,339

+30.1

 韓国

5,283

4,636

△12.2

 その他アジア・豪州

8,551

10,350

+21.0

欧州

1,404

4,193

+198.6

海外食品製造販売事業 計

33,801

40,461

+19.7

 

 *1  中華圏:中国、台湾、香港  

 *2 その他アジア・豪州:タイ、フィリピン、シンガポール、インドネシア、オーストラリア

 

② その他事業

その他事業には、主に物流事業、販売促進ツール関連事業が含まれておりますが、販促物の制作および販売を行うカルネコ株式会社の全株式を2018年9月に譲渡したことから、前連結会計年度に比べ大幅に減収となりました。

 

 (2) 財政状態の分析

 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ10,715百万円増加し、202,750百万円となりました。この主な要因は、資金運用のために有価証券を取得し、増加したことによるものです。

 負債は、退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ3,106百万円減少し、42,260百万円となりました。

 純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ13,822百万円増加し、160,490百万円となりました。

 この結果、自己資本比率は75.9%となり、前連結会計年度末に比べ3.3ポイント上昇しました。

 

 (3) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ6,769百万円減少し、35,425百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、主として売上債権が減少したことにより前連結会計年度と比べ18,262百万円収入が増加し、27,620百万円の純収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出の増加および有価証券の償還による収入の減少、ならびに連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことにより前連結会計年度と比べ22,089百万円支出が増加し、28,347百万円の純支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、主として前期に非支配株主からの増資があったために収入が減少となり、前連結会計年度と比べ776百万円支出が増加し、6,227百万円の純支出となりました。

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報) 

 当社グループの重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載の通りであります。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

食品製造販売事業

245,283

△0.7

合計

245,283

△0.7

 

(注)1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

食品製造販売事業

246,064

△0.6

その他

2,590

△35.2

合計

248,655

△1.2

 

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

(自  2017年4月1日

至  2018年3月31日)

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

販売高
(百万円)

割合(%)

販売高
(百万円)

割合(%)

三菱食品㈱

28,080

11.2

29,749

12.0

㈱山星屋

24,127

9.6

25,679

10.3

コンフェックス㈱

22,392

8.9

25,176

10.1

 

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは「自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します」という企業理念の下、自然素材のもつ栄養やおいしさを最大限活かし、ユニークで価値ある製品を提供するための研究開発活動を行っております。

研究開発本部では、基礎研究、製品及び技術開発から研究施設併設のパイロットプラントでの製品化までを一貫して行っております。

基礎研究の分野においては、国内における馬鈴しょの長期的な安定確保、品質向上を図るために、新品種の開発を目的として、帯広畜産大学と共同で開設した「バレイショ遺伝資源開発学講座」において、中間育種開発を行っております。また、馬鈴しょやフルグラ原料の有効成分の研究を行っており、特にアクリルアミドの生成に関する基礎的研究を実施し、当社商品中に含まれるアクリルアミドの濃度をさらに低減出来るよう努力し続けております。

製品開発の分野においては、国内の消費者の変化や多様な嗜好に対応し、市場の拡大、活性化を図るため、既存製品のスナック、シリアル等の製品ラインアップの拡充と新製品の開発に取り組んでいます。当期は個食タイプのラインナップの拡充や減塩等の健康志向に対応する商品や従来とは異なる機能・効能を訴求した商品等の開発に重点的に取り組みました。さらに、海外における新製品開発の支援等も継続して行いました。

技術開発の分野においては、馬鈴しょの加工に関する最先端技術の実験研究を経て、国内のほぼ全てのポテトチップス工場に歩留り向上のための設備導入を開始し、品質の維持・改善、原価低減に取り組みました。また、新たな付加価値の提供を目指し、既存の加工技術を応用、発展させた製法開発等も継続して行いました。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、2,660百万円であります。