第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループはOur Value(企業理念、グループビジョン、およびコーポレートメッセージ)を基盤として、2030年に向けた2030ビジョンを定めています。1949年の創立以来、私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしへの貢献を実践してきました。変わらぬOur Valueのもと、中長期の社会課題に対応し、事業機会を捉えて、次なる成長に向けた変革に踏みだしていくことが重要です。国内では多様化する顧客ニーズを掘り起こし、新たな価値を提供し続けるとともに、海外での事業成長を加速させ、新たな食領域への事業拡張に挑戦することで、Next Calbee & Beyondの実現を目指します。

 

Our Value


2030ビジョン

 

 


 

2030目指す姿

 

 

海外市場と新たな食領域を、成長の軸として確立する

 

 

(2)当社グループを取り巻く事業環境

当社グループを取り巻く足元での事業環境変化としては、新型コロナウイルスによる消費者行動の変化や、地政学的リスクを背景とした急激なエネルギー・原材料価格の高騰、サプライチェーンの混乱、為替変動リスク等が挙げられます。2024年3月期は、社会活動正常化に伴う経済の回復が見込まれるものの、原材料価格等の高騰の継続、インフレによる消費マインドの縮小など、依然として厳しい状況が続くことが予想されます。

中長期的には、温暖化等の地球環境の変化による資源獲得競争の激化が進む中、サプライチェーンにおける環境負荷や人権への配慮がより強く求められています。また、国内市場では少子高齢化や単身世代の拡大、生活スタイルの変化によって食に対する価値観の多様化が進む一方、グローバルマーケットでは新興国での中間所得層の拡大等によって食料需要の増大が想定されています。当社グループは、このような事業環境への変化は持続可能な成長の機会でもあると捉えています。

 

(3)成長戦略

<3か年変革プラン>

2023年度から2025年度の3か年を改革期として「Change 2025」と名付け、主に以下のテーマについて取り組み、次なる成長に向けての基盤確立を実行します。

①収益力強化

国内コア(スナック・シリアル)事業においては、量的拡大から脱却し、マーケティング、ブランド強化による付加価値向上を目指すとともに、限られた資産・資源を活用して、利益を最大化するための販売・稼働計画の最適化を図ります。

②事業ポートフォリオ変革

中長期的に成長機会の大きい領域を、グローバル(特に北米、中国)、アグリビジネス(ばれいしょ、甘しょ、豆等)、食と健康に定め、積極的に資源を投下します。

③事業基盤強化

事業環境変化に対応し、スピーディな経営を実行する組織へと変革し、戦略人財(経営人財、グローバル人財、DX人財)の育成・強化を促進します。

 

<成長ガイダンス(2023年度~2025年度)>       

オーガニック売上成長率

+4~6%

連結営業利益成長率

+6~8%

ROE

10%以上

 

 

<財務方針>
2023年度から2025年度の3か年で創出する営業キャッシュ・フローの総額は900億円程度を想定しています。これに加え、手元資金等300億円程度、借入金を活用し、成長投資、効率化投資、株主還元へ配分します。
 3か年で国内コア事業からのキャッシュ創出力をより強くし、ESG対応や自動化、省人化対応等の生産性向上と、中長期での事業ポートフォリオ変革につながる成長分野(海外、新規領域)への投資を行います。

 

3ヵ年(2023年度-2025年度)のキャッシュアロケーション


 

 

(4)サステナブル経営の進化

サステナビリティは、カルビーグループの成長において重要な事業の基盤です。カルビーグループは、自然素材を活かして人々の健康に役立つ商品をつくるという想いのもと、顧客や取引先をはじめとするステークホルダーとの共創を行ってきました。環境問題やサプライチェーン上の人権問題など企業を取り巻くあらゆる社会課題のうち、カルビーグループが将来にわたって事業活動を継続するために重要な課題をマテリアリティとして定め、重点テーマを設定しています。なお、2020年に特定した8つのマテリアリティについては、外部環境の変化を踏まえ、人権や生物多様性の課題など、より重要性が高いテーマを追加し、5つのマテリアリティと13の課題に再特定しています。

<5つのマテリアリティ>

(1)  人々の健やかなくらしと多様なライフスタイルへの貢献

(2)  農業の持続可能性向上

(3)  持続可能なサプライチェーンの共創

(4)  地球環境への配慮

(5)  多様性を尊重した全員活躍の推進

今後も様々な課題に対し、ステークホルダーとともに取り組むことで、社会価値と経済価値を持続的に創出するサステナブル経営を進化させていきます。

なお、サステナブル経営の詳細については、2 サステナビリティに関する考え方及び取組をご参照ください。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)サステナブル経営

私たちを取り巻く事業環境は不確実性を増し、環境問題やサプライチェーン上の人権問題など持続可能な社会の実現への対応が強く求められる中、カルビーグループはサステナビリティを経営の根幹に据えています。

私たちの提供価値は、農作物や海産物などの自然の恵みを活かして、おいしく楽しく健やかさに資する商品をお届けし、人々の健やかなくらしに貢献することであり、自然と生活者の間に立ってライフラインをつなぐことが私たちの存在意義だと考えています。企業活動を通して持続的成長と持続可能な社会を実現し、ステークホルダーとともに新たな価値を創造する「サステナブル経営」を実践していきます。

 

①ガバナンス

 取締役会がサステナブル経営に関する監督の責任を持ち、その推進については、2019年に設置したサステナビリティ委員会が担っています。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長兼CEOが管掌し、原則年2回開催しています。マテリアリティの特定及び重点テーマの設定を行い、各分科会で推進する重点テーマのロードマップの審議や進捗状況のレビューを実施し、その内容を取締役会に定期的に報告しています。

 


 

②戦略

 サステナブル経営の中心戦略として、マテリアリティにおいて決定した重点テーマに取り組んでいます。取り組むべき社会課題を明確にするべく、「ステークホルダーにとっての重要度」と「自社における重要度」の二つの側面から重要課題をマテリアリティとして特定し、重点テーマを決定しました。重点テーマ別分科会を設置し、役付役員をオーナーとして、マテリアリティごとに設定した各重点テーマにおける戦略の立案・実行を推進しています。

 これらの重点テーマに優先的に社内資源を配分することで、経営へのリスクを回避し、イノベーション創出の機会ととらえて、中長期的な成長を実現することを目指します。

 

③リスク管理

 サステナビリティ関連のリスク及び機会の管理は、各重点テーマの目標達成状況およびロードマップの進捗レビューで行っています。その内容はサステナビリティ委員会で検討を行い、継続的にモニタリングし、取締役会に報告しています。

 

 

④指標及び目標

 特定した重点テーマ別にKPI(重点評価指標)を設定し、進捗管理を行っています。なお、下記は2020年に特定した旧マテリアリティに基づく進捗状況を表しています。

カテゴリ

マテリアリティ

重点テーマと主な施策

目標(KPI)

進捗

商品を通じた貢献

①食の安全・安心の確保

安全・品質に関する予防と監視

安心への取り組み

お客様の声を活用した商品改善

②健やかさと多様なライフスタイルへの貢献

健やかさに配慮した商品の提供

製品塩分量の段階的削減

タンパク質を多く含む商品の売上構成拡大

2024年3月期

販売商品の塩分相当量(※1)20%削減(2019年3月期比)

タンパク質を多く含む商品(※2)売上構成比10%

2023年3月期

販売商品の塩分相当量6.25%削減

タンパク質を多く含む商品売上構成比5.12%

サプライチェーンを通じた貢献

③農業の持続可能性向上

環境に配慮した持続的な調達:ばれいしょの安定調達

品種の開発、科学的栽培の推進

農作業の省力化

産地の分散化、供給先の多様化

2030年

国産ばれいしょ調達量40万トン

(2019年3月期比:20%増)

2023年3月期

国産ばれいしょ調達量352,565トン

④原料調達・物流の効率化と安定的な確保

環境に配慮した持続的な調達:認証パーム油の使用

B&C(ブック&クレーム)によるクレジットの入札・購入

マスバランス認証マーク使用に向けた取組の推進

2030年

認証パーム油100%使用

 

2022年4月

マスバランス方式による認証パーム油100%使用を達成

2022年9月

RSPO認証マーク付き商品の発売開始

地球環境・コミュニティへの貢献

⑤地球環境への配慮

温室効果ガス排出量削減

Scope1,2における削減

電力購入先の転換、省エネ活動、工場発電など

Scope3における削減

段ボールサイズの変更、配送頻度減・積載率向上

2030年

温室効果ガス総排出量30%削減

(2019年3月期比)

2022年3月期(※4)

11.4%削減

Scope1:2.9%削減

Scope2:51.5%削減

Scope3:6.7%削減

資源保全/循環型社会の実現

製品フードロス削減

水使用量削減

3Rの促進

2024年3月期

製品フードロス20%削減

(2019年3月期比)

2030年

水の総使用量10%削減

(2019年3月期比)

廃棄物排出量10%削減

(2019年3月期比)

2022年3月期(※4)

製品フードロス11.8%削減

水の総使用量1.2%増加

廃棄物排出量7.2%削減

プラスチック容器代替・削減

石油由来プラスチック包材の削減

代替原料への転換やリサイクルの促進

2030年

環境配慮型素材50%使用

2050年

環境配慮型素材100%使用

2023年3月期

プラスチック包材の削減量40.39トン

⑥人・地域社会・コミュニティとのつながりの深化

フードコミュニケーションの活性化

スナックスクール(食育)の拡張

工場見学の活性化、進化

2024年3月期

フードコミュニケーション(※3)参加者数累計(5か年)40万人

2023年3月期

参加者数累計301,175人

地域社会への貢献

環境領域での活動拡大

健康(健やかさ)領域の活動強化

経営基盤の確立

⑦多様性を尊重した全員活躍の推進

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

人材育成の強化

働き方改革

2024年3月期

女性管理職比率30%超

男性育児休業取得率100%

障がい者雇用率2.5%

2023年3月期

女性管理職比率23.3%

男性育児休業取得率100%(※5)

障がい者雇用率2.65%

⑧コーポレート・ガバナンスの強化

コーポレート・ガバナンス組織・体制の整備

コンプライアンス・リスク管理の強化

ステークホルダーの人権の尊重

 

(注)製品フードロス削減および国内ばれいしょ調達目標は(株)ポテトかいつかを除くカルビー国内グループを対象、温室効果ガス削減目標はカルビー(株)およびカルビーポテト(株)帯広工場を対象、その他指標はカルビー(株)を対象

※1 販売した全商品重量に占める販売した全商品の塩分含有量

※2 総エネルギー摂取量に占めるタンパク質の構成比が13%以上のもの

※3 カルビー・スナックスクール、工場見学などの食育活動

※4 2022年3月期の実績を記載。2023年3月期の実績は2023年秋頃公開の予定です。

  (https://www.calbee.co.jp/sustainability/materiality.php

※5 2023年3月期より、(育児休暇取得者数+企業独自に育児を目的とした休暇制度の利用者数)/配偶者が出産した人数)で算出

 

〈具体的な取組事例〉
 サプライチェーンを通じた貢献:環境に配慮した持続的な調達(認証パーム油の使用)

 

 カルビーグループ(国内)では、主に生産のフライ工程などに調理油としてパーム油を年間約4万トン調達しています。環境や人権に配慮した認証パーム油を2030年までに100%使用とする目標を掲げ、2021年7月から順次国内工場にてマスバランス方式(※1)の認証パーム油への切り替えを開始し、2022年4月には国内全工場に同方式を導入済みです。また、2022年9月より、「RSPO(※2)認証マーク」を主力商品4種類6品目のパッケージに表示を開始し、対象を順次拡大しております。(2023年5月末現在、15品目に表示)

 


 

(注)

※1 マスバランス方式:製造・流通過程で認証油と非認証油が混合される認証モデル。物理的には非認証油も含んでいるが、購入した認証油の数量は保証

※2 RSPO:持続可能なパーム油のための円卓会議。(Roundtable on Sustainable Palm Oil)の略称。WWF(世界自然保護基金)とパーム油産業に関わるステークホルダー(メーカー、小売り、環境団体など)によって設立された非営利の会員組織

 

  なお、2022年に外部環境の変化を踏まえ、2020年に特定したマテリアリティの見直しを行いました。新たに特定した、5つのマテリアリティと13の課題については、次のとおりです。

 


 

 各施策およびKPI等の詳細につきましては、今後、ホームページ等で公開する予定です。

 (https://www.calbee.co.jp/sustainability/materiality.php

 

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)

 特に気候変動はカルビーグループの事業の持続的成長に影響を及ぼす重要課題であると認識しています。2020年2月に賛同した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言を踏まえ、気候変動シナリオ分析に着手し、以下の枠組みで取組を進めています。

 

①ガバナンス

 代表取締役社長兼CEOがプロジェクトオーナーとなり、経営企画本部、サステナビリティ推進室を含めたバリューチェーンに関わるメンバーで、気候変動シナリオの検討を実施しました。検討したシナリオに基づき最重要リスクと機会の特定、ならびにその対応策を策定し、経営委員会の審議を経て、取締役会に報告しています。策定したリスクと機会の対応策については、中長期の経営戦略に反映しています。

 

②戦略

 気候変動による中長期の事業リスクと機会の特定にあたり、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表する「世界の平均気温が4℃以上上昇する」4℃シナリオ、「世界の平均気温がパリ協定で合意した2℃未満の上昇に抑える」2℃シナリオの2つのシナリオで、温室効果ガス排出規制による影響と、主要原料(ばれいしょ)の調達と生産を中心に分析し、整理しました。

 その結果、2℃シナリオでは災害の激甚化による工場と原料生産地の直接的な被害と、環境意識の高まりによる消費者行動の変化が大きなインパクトになり、4℃シナリオでは災害の激甚化による工場と原料生産地の被害に加え、日照時間不足によるばれいしょ収量の減少の影響が大きいことが分かりました。

 これに対して、自社の温室効果ガスの削減を進めるとともに、ばれいしょの品種転換や品種開発、産地の分散化を進めます。また、エシカル消費への対応や、持続可能な原料の商品開発などが機会の創出になると考えています。今後は、継続的にリスク・機会の見直しや対応策の具体化を進め、中長期の経営戦略に反映させることで、持続可能な社会を実現する企業活動に取り組んでいきます。

 

・移行リスク

リスク項目

事業への影響

影響度

(※1)

時期

(※2)

リスク対応策

進捗

炭素価格の上昇

炭素税導入により工場の操業や原材料などのコストが増加する

中期

再生エネルギーの使用

製造拠点のカーボンオフセット電力への切り替え

(国内13工場中9工場)

メタネーション(水素と二酸化炭素からメタンガスを生成し、燃料化)の使用

新宇都宮工場にて、排水処理施設で発生するバイオガス(メタン)を活用した発電装置を設置

消費者の環境意識の高まりによる行動変化

気候変動によって環境に配慮した商品へ消費行動が拡大する

中期

環境配慮型商品や認証商品への取組

・国内カルビーグループ工場にて、環境や人権に配慮した「RSPO認証パーム油」の使用、2022年9月より「RSPO認証マーク」を主力商品4種類6品目に表示開始

・FSC認証包材の使用

石油由来プラスチックの使用規制

石油由来原料の規制によって包材価格が上昇する。消費者意識が高まり、バイオプラスチック使用商品の選択が高まる

中期

リサイクルの推進

株式会社アールプラスジャパン(※3)へ参画し、リサイクル原料調達の実証実験を行い、使用済みプラスチックの再資源化を推進

脱石油由来プラスチックへの転換

・軟包材商品に使用するインキをバイオマスインキに切り替え

・スタンドパック包装商品の包材をバイオマスPETおよびバイオマスインキ使用に切り替え

 

(注)

※1 営業利益 大:50億円以上、中:20~50億円、小:20億円以下

※2 短期:2024年、中期:2030年頃

※3 プラスチック起因の課題解決に向け、アネロテック社(Anellotech inc.)と低環境負荷で効率的なプラスチック再資源化の技術開発を進め、回収プラスチックの選別処理企業、モノマー・ポリマー・包装容器製造企業、商社や飲料・食品メーカー等連携して、技術の実用化に取り組んでいる共同出資会社。

 

・物理的リスク

リスク項目

事業への影響

影響度

(※1)

時期

(※2)

リスク対応策

進捗

平均気温の上昇による原材料育成影響

気温上昇によってばれいしょの比重の低下が発生する

中期

ばれいしょの品種の転換・開発

気候変動に対応する耐暑性、晩成型品種および病害抵抗性に対応するための新品種の開発

栽培技術の確立

・土壌水分状態に合わせたイリゲーション(かん水)の実施

・土壌状態に適した施肥プログラムの開発

・デコンパクターを使用した、耕盤層破壊による根域拡大

降水・気温パターンの変化

降水・気象パターンが変化することで、日照時間が減少し、ばれいしょの生育不良や収量の低下が発生する

中期

産地の分散化

道央・東北・九州北部の産地を拡大

海外産ばれいしょの輸入ルートの確保

・北米地域の拡大

・米国以外の地域からのばれいしょ輸入に向けた準備

異常気象の続発化(豪雨、台風、洪水など)

暴風雨などにより収穫時期のばれいしょ圃場の被害が拡大、工場の被災や物流寸断が長期化することで、調達・生産・供給量が減少する

短期

異常気象を想定したBCPの策定

国内生産拠点のBCPを更新

主要商品の生産拠点の分散化

物流効率等も考慮し、商品群の特性に応じた生産拠点の検討

ハザードマップに基づく工場建設

生産拠点の水没リスクの確認を実施

海外グループ工場からの供給

・2018年~「Honey Butter Chip」輸入(韓国)

・2022年~「熱浪」輸入(香港)

 

(注)

※1 営業利益 大:50億円以上、中:20~50億円、小:20億円以下

※2 短期:2024年、中期:2030年頃

 

・機会

機会項目

進捗

エシカル消費に対応した商品開発

・RSPO認証パーム油やFSC認証紙を使用した商品の発売

・ポテトチップスのパッケージサイズ変更により、輸送効率を向上させ、CO2の排出量を削減

・じゃがポックルの長さの規格を改定(原料を無駄なく活かす)

環境配慮型素材を使用した包装容器への転換

・プラスチック使用量の削減としてバイオマスPETの使用、バイオマスインキ使用、紙製品の拡大

・段ボールやカートンにおけるFSC認証紙の使用

気候変動に対応したばれいしょの品種開発と転換

気候変動に対応する耐暑性、晩成型品種および病害抵抗性に対応するための新品種の開発

農業の省人化による原料調達確保・拡大

・多畦ハーベスターの導入運用を促進し、作業時間を削減

・ばれいしょ輸送受入れ体制を増強

・コントラクターの推進

持続可能な原料の探索と商品開発

ホクレン様と北海道農産物の振興に向けた連携協定

・北海道産ばれいしょの安定生産調達体制の構築

・北海道産ばれいしょを中心とした新商品開発ならびに販売促進

・ばれいしょ以外の農産物を用いた新たな「食領域」の共同開発など

長期保存が可能な食品の開発

 ・災害食大賞2021ローリングストック部門最優秀賞(フルグラビッツBOX)
 ・ポテトチップス等の賞味期限延長

 

 

 

③リスク管理

 事業への影響度、発生頻度によるリスクレベルを総合的に評価し、評価した重要リスクは、コンプライアンス・リスク諮問委員会が妥当性を検証し確認した上で、代表取締役社長兼CEOが議長であるコンプライアンス・リスク対策会議が決定した重要なリスクの内容と対策を、取締役会に報告します。

 


 

④指標と目標

 温室効果ガスの排出抑制に向けて、2030年までに温室効果ガス排出量を30%削減(2019年3月期比)することを目指します。さらに、2050年にはScope1,2で温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指します。

(単位:千t-CO2)

項目

対象

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

Scope1&2実績

カルビー(国内)およびカルビーポテト帯広工場

170.4

167.9

156.7

133.7

Scope1実績

105.0

102.1

102.6

102.0

Scope2実績

65.4

65.8

54.1

31.7

Scope3実績

359.2

369.0

376.2

335.3

 

 

 

(3)人的資本に関する考え方および取り組み

カルビーグループの競争優位性を支え、企業価値向上・創造の源泉であるのが人的資本です。持続的な人財の確保、継続した人財の育成、ならびにそれを支える環境の整備、企業風土の醸成は、企業の持続的な成長に最も重要な課題の一つであると認識し、様々な取り組みを行っています。

 

①人財育成方針(人財ビジョン)

 

2030ビジョンの実現に向けて、「全員活躍」を目指します


②人財育成方針(3つの方針)

イ.経営・グローバル・DX人財の育成強化

  Off-JT、タフアサインメントの両軸で、未来のカルビーグループをリードする人財の育成を強化します。

.社員1人ひとりの成長とキャリア自律の支援

  挑戦機会を提供し、成長を支援すると共に、主体的・能動的にキャリアを切り拓いていくことを支援しま

  す。また日常では得られない気づきや視野拡大の機会を提供します。

ハ.互いに成長しあえる、組織風土の醸成

  育成責任をもつ役職者の人財・組織開発力の向上を支援します。価値創造のために、立場に関係なく意見

  を出し合い、互いの強みを発揮できるような心理的安全な土壌のある職場風土を創ります。

 

 ③ 社内環境整備に関する方針

従業員一人ひとりが、自ら効率的に生産性高く働くことを目指し、性別のみならず、属性、個々の価値観などの垣根を越えた多様な従業員全員が、健康で安心して仕事に取り組むため社内環境の整備に取り組みます。

イ.安全・安心な職場づくり

従業員が安全かつ快適に業務を遂行できる環境および要員体制を整備するとともに、チーム内・組織間のコミュニケーションの活性化と良質化を図ります。

ロ.多様で柔軟な働き方の推進

従業員を取り巻く個々の事情やライフスタイルの多様化に合わせて、柔軟に働き方を選択でき、また休暇   

が取得しやすい環境を整備、推進します

ハ.健やかな心と体づくりの推進

従業員が自身の健康に関心を持ち、健康維持・増進に向けて主体的に行動することをめざし、健康リテラシー(知識・行動)を高める施策を実施するとともに、医療職が積極的にかかわり、専門的支援を行います。

 

④人財の育成および社内環境整備方針に関する指標の内容・目標と実績

全員活躍の状況を「カルビーグループメンバーシップサーベイ」の結果、人財の育成および社内環境整備方針をふまえて人と組織における課題を7つ設定し、それぞれ目標達成向けた取り組みを推進しています。

 

イ.全員活躍の状態

2019年3月期より「カルビーグループメンバーシップサーベイ」を実施し、従業員の働きがいを可視化し、エンゲージメントを高めることを重視しています。サーベイの結果については社内ワークショップで共有し、役職者同士の対話を通して背景にある課題を捉え、改善に向けた具体的な施策を講じています。また、中でも「全員活躍の状況」(「会社の成長への貢献意欲」と「仕事での能力発揮」のいずれも高いと回答した割合)を重視しています。

 


 

ロ.人と組織における課題に対する目標と主な取り組み

人と組織における課題

目標/指標(2022年度実績)

主な取り組み

課題①

多様な価値観や背景を持った人財が活躍できる職場風土

◆女性管理職比率30%(23.3%)

◆障がい者雇用率2.5%(2.65%)

◆男性育児休職取得率100%(100%)

 ※上記は2023年度目標値

・女性リーダー育成プログラムの実施

・副業の解禁とカルビっとワーカー(副業受入)による多様な経験の共有

・Calbee New Workstyleの導入

課題②

持続的成長のキーである経営人財のサクセッションプランニング

◆重要戦略ポジションの候補者の充実

・全社人財育成会議を設置し、選抜・育成・評価サイクルの策定

・社外アセスメントの活用およびエグゼクティブコーチングの実施

・社外育成機関への派遣

・経営人財・リーダー育成プログラムの開発・実施

課題③

グローバル戦略を実現する人財確保

◆グローバルでの貢献意志のある社員の充実

・グローバルタレントマネジメント(採用・配置・育成・評価)の構築

・若手/中堅向けのグローバルプログラムの実施

・海外トレーニーの実施

 

課題④

新しい価値創造と生産性向上を実現するDX人財確保

◆DXプログラムの受講者数の増加

・データ活用を中心とした実践型DXプログラムの実施

・社内DXカンファレンスの開催による意識向上

 

 

 

人と組織における課題

目標/指標(2022年度実績)

主な取り組み

 

課題⑤

自ら学び、キャリアを描き、貢献意欲の高い自律型人財の確保

◆キャリア自律の促進

・メンバーシップサーベイ:キャリア自律項目のスコアの向上

・選択型プログラム受講者数の増加

・「キャリア探究ノート」の導入と上司とのキャリアに関する対話の奨励

・年代別キャリアデザインプログラムの実施

・社内公募制度や公募型プログラムの拡充

・若手社員とのキャリア面談および育成計画の策定と計画的ローテーションの実施

課題⑥

心理的安全な土壌のある職場づくり

◆心理的安全性の向上

メンバーシップサーベイ:心理的安全性項目のスコアの向上

・心理的安全性の役職者向けワークショップの開催

・1on1の推進

課題⑦

健やかな心と体づくりの推進

◆労災度数率(2.70)

◆平均有給休暇取得率(80.0%)

◆年間実労働時間数(1人あたり1,794時間)

◆総合健診受診率(100%)

・安全意識向上キャンペーン実施と経営層の現場巡回

・安全運転教育、運転適性診断、運転記録証明取得の実施

・健康診断、人間ドックの受診勧奨

・体調不良者、休復職者の早期対応体制の構築と医療職による面談を実施

 

 

 

3 【事業等のリスク】

 当社グループの戦略・事業その他を遂行する上でのリスクについて、経営者が投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主な事項を以下に記載しています。また、以下に記載したリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅したものではなく、これ以外のリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。なお、以下の記載内容および将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループでは、「内部統制システムの整備に関する基本方針」を踏まえ、コンプライアンス・リスク管理体制を構築しており、コンプライアンス・リスク対策会議が対応策を検討・決定し、その進捗について管理します。さらにリスク発生の可能性が高まった場合、あるいはリスクが具現化した場合には、必要に応じて緊急対策本部を設置し、リスクの低減を図っていきます。しかしながら、リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(1)製品の安全性に関するリスク

 安全で安心な製品を提供することは、当社グループにとって最も重要な社会的責任であり、お客様との信頼関係を築くためにも不断の努力を続けてまいります。万一、不測の事態により、お客様の健康を脅かす可能性が生じた場合は、お客様の安全を最優先に考え、迅速に対応いたします。

 当社グループでは、製品のリスクを回避するための規格設計の審査と、原材料調達プロセス及び製品の生産プロセスの監査を行い、規格どおりの製品が実現できているかどうか、製品の品質検査を行う形で品質保証体制を築いています。また、原材料の調達・生産・物流・製品流通・店頭・お客様までのサプライチェーン全体でトレーサビリティを実現しています。お客様からのご指摘低減に向けて、お客様の声に耳を傾け、内容を分析し、サプライチェーン全体での改善を図っています。

 しかしながら、品質に問題が万一生じて、製品の安全性に疑義が持たれた場合には、製品の回収や販売の中止を余儀なくされ、お客様からの信頼を失う可能性や、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)製品開発に関するリスク

 当社グループでは、2030ビジョン「Next Calbee & Beyond」を掲げ、当社グループの成長をリードするものづくりとして、自然素材のもつ栄養やおいしさを最大限活かし、ユニークで価値ある製品を国内外へ提供するための研究開発活動を行っております。一方で、お客様の嗜好の多様性・健康志向の高まり・環境問題等、当社グループを取り巻く状況は大きく変化しております。このような市場の変化に迅速に対応し、おいしさの追求、そして付加価値の高い製品や健康を意識した製品を開発することが、今後の事業拡大にとって重要な課題となっています。このため当社グループでは、新商品の開発・既存ブランドのリニューアル・品質改善・コストリダクション・基礎研究の分野で研究開発活動を毎期計画的に実施しております。

 しかしながら、お客様や取引先のニーズに適切に対応できず、適時に製品開発ができなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)原材料や資材の調達リスク

  ①ばれいしょの調達リスク(天候不順とばれいしょ生産農家の減少)

当社グループの主な製品はばれいしょを主たる原料としたポテトチップス、「じゃがりこ」等ポテト系スナックとなります。国産ばれいしょの品質・数量・価格における安定した調達を実現するために、契約栽培による調達体制の構築と、産地の分散化を図っています。また、国内のばれいしょ生産者の減少を見据え、栽培・収穫のサポートや省人化支援等も行っています。日本においては植物防疫法によりばれいしょは原則輸入が認められておりませんが、国産ばれいしょが不足する事態に備え、輸入ばれいしょを取り扱うことのできる工場設備を整備しています。

 しかしながら、作況等によっては、ばれいしょの量の確保ができず、販売機会を失う恐れや、緊急調達によるコスト増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ②ばれいしょの調達リスク(ジャガイモシストセンチュウの拡大)

ジャガイモシストセンチュウは、土中に生息するセンチュウの一種で、植物防疫法の重要病害虫に指定されており、その発生圃場では種ばれいしょの生産が行うことができません。そのため、ジャガイモシストセンチュウの拡大防止対策として、ばれいしょの抵抗性品種への転換を進める必要があります。当社グループでは、ばれいしょ品種構成改革プロジェクトを設立し、お客様の満足する製品品質を実現しながら、ばれいしょ品種構成を改革し、センチュウ抵抗性品種の比率を2025年に50%、2030年には100%にすることを目指しています。

しかしながら、収穫期・アクリルアミド・カラー等の品質条件を満たす新品種の開発が進まないリスク、あるいは新品種の産地全体への普及が進まないリスク、またジャガイモシストセンチュウが想定以上の速度で拡大するリスクがあります。これらのリスクが顕在化し、センチュウ抵抗性品種への転換が遅れた場合には、種ばれいしょが調達できず、ばれいしょの収量の減少や、ばれいしょ加工製品の品質の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ③その他の原材料や資材の調達リスク

当社グループ製品に使用される海外からの輸入原料や資材については、災害や地政学的リスク等、あらゆる調達リスクを考慮し、調達先の複数化・分散化や適正在庫の強化等により、調達の安定化に努めております。

しかしながら、想定を超える原材料・資材価格のさらなる高騰や、輸入先・輸入ルートの変更等による調達価格の上昇が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)海外進出先国の地政学的リスク

 当社グループは海外のさまざまな国・地域で事業を展開しています。進出した国・地域において、想定される紛争・デカップリング・パンデミック等、地政学的リスクへの対応策を事前に検討・実施することで、リスク回避を行っております。

 しかしながら、これらリスクが想定以上に長期化・拡大し、供給難が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)情報セキュリティに関するリスク

 コンピュータシステムやネットワークに悪意を持った攻撃者が不正に侵入し、情報セキュリティインシデントが発生した場合に、当社グループは、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心としたインシデント対応体制を整備しております。また機密情報の紛失・誤用・改ざん等を防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しています。

 しかしながら、サイバーテロ・コンピューターウイルスの感染・不正アクセスによる情報の消失・データの改ざん・個人情報や会社の機密情報の漏洩・停電・災害・ソフトウェアや機器の欠陥等が生じた場合、情報システムの停止または一時的な混乱等により、当社グループの経営成績及び財政状態、並びに社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)コンプライアンスに関するリスク

 当社グループは、国内では食品衛生法・景品表示法・計量法・不正競争防止法・植物防疫及び消費者安全法等、様々な法的規制の適用を受けています。また事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けております。当社グループは企業理念を踏まえ、社会の価値観・倫理・法令・社会に対する責任に基づく行動原理として「カルビーグループ行動規範」を定め、国内または事業を展開する各国において、社内研修制度や啓発活動を通じて、倫理・社会規範、法令及び社内諸規則等を遵守するようコンプライアンスを推進し、法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めています。
 しかしながら、法令等が改正される、または予期し得ない法律・規制等が新たに導入される等の理由による法令違反や社会規範に反した行動により、法令による処罰や許認可の取り消し、訴訟の提起や、お客様をはじめとしたステークホルダーからの信頼を失うことで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)グローバル人財確保に関するリスク

 当社グループでは、事業を支える基盤として、中長期的な視点で人財への投資を強化し、持続的に利益成長できる企業への変革を推進しております。とくに成長戦略「Change 2025」の重点方針の一つである海外事業の拡大を下支えするべく、採用・配置・育成・評価を新たにしくみ化した「グローバルタレントマネジメント」の導入を早急に進めております。

 しかしながら、グローバル人財育成の遅れや、グローバル人財の採用が雇用情勢の変化により十分に確保できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)気候変動によるリスク

 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)においてパリ協定が採択され、各国で批准されたのを機に、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガス削減の取り組みが世界的に進められています。当社グループは温室効果ガス排出量を2030年までに総排出量30%削減(2019年3月期比)、さらに2050年には排出量実質ゼロ(Scope1、2対象)を目指し、更なる省エネルギー化と再生エネルギーの活用等に取り組みます。

 当社は2020年2月から気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、気候変動シナリオ分析を実施しました。分析の結果、災害の激甚化による工場と原料産地の直接的な被害、環境意識の高まりによる消費者行動の変化、ならびに日照時間不足によるばれいしょ収量の減少の影響が大きいことが分かりました。これに対して、温室効果ガスの削減に努めるとともに、ばれいしょの品種転換や品種開発、産地の分散化を進めます。また、エシカル消費への対応や、持続可能な原料の製品開発などが、機会の創出につながると考えています。

 しかしながら、温室効果ガス削減の取り組み進捗次第では、炭素税が導入された場合、事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、消費者の購買行動が変化する可能性、ばれいしょの品質が毀損する可能性、台風や豪雨などによる生産設備の被害の甚大化・操業停止、サプライチェーンの寸断等が発生する等の可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

※Scope1は、自社(工場・オフィス・車など)での燃料の使用によるCO2の直接排出、Scope2は、自社が購入した電気・熱・蒸気の使用によるCO2の間接排出を指します。

 

(9)自然災害やパンデミックのリスク

 当社グループでは、大規模地震・風水害等の自然災害リスクの軽減を図るため、生産拠点や原材料等調達業者の分散化や複数購買を進めております。また自然災害だけでなく、感染症の拡大等が複合的に発生した事態を想定した「オールハザード型BCP(事業継続計画)」を推進し、重要製品の早期供給再開等、レジリエンスの高い事業体制の確保に努めております。

 しかしながら、災害によってサプライチェーン寸断が長期化し、取引先に対して製品を供給できない場合、機械設備・施設の復旧長期化や多額の費用が発生した場合、原材料価格のさらなる高騰や原材料確保の困難が想定以上に生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)国内の製品供給が滞るリスク

 運送・物流業界の「2024年問題」に代表されますように、国内の物流環境は、少子高齢化による労働人口減少や、ECの拡大による宅配便増加の影響、物流業界特有の長時間労働もあり、輸配送車両の不足が懸念されます。当社グループは、輸配送車両の安定的確保のため、自動化とAI活用のサプライチェーン・マネジメント改革による待機時間の減少・配送頻度の減少・納品先の集約・パレット輸送の促進等、「ホワイト物流活動」を推進し、ドライバーに選ばれる物流を目指しております。

 しかしながら、将来において、適切な費用で輸配送車両を確保できるという保証はなく、製品供給が滞る、あるいは輸配送費等が上昇する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)大株主との関係

 当連結会計年度末時点において、PepsiCo, Inc.(以下、「PepsiCo」という)はその100%子会社FRITO-LAY GLOBAL INVESTMENTS B.V.(以下、「FLGI」という)を通じて当社株式の21.41%を保有しており、当社はPepsiCoの持分法適用関連会社であります。当社株式を直接保有するFLGIはPepsiCoの100%子会社であるため、当社普通株式の議決権等に関する実質的な判断については、PepsiCo が行っております。なお、PepsiCoは、世界最大規模の食品飲料メーカーのひとつであり、米国NASDAQに株式を上場しております。

 また当社と同業であるスナック菓子事業については、同社の子会社であるFrito-Lay North America, Inc.を中心としたグループ各社でグローバル展開をしております。

 当社とPepsiCoは、両社の経営能力を組み合わせ、シナジー効果を発揮することが、両社の継続的な成長に必要との判断から、2009年6月24日に戦略的提携契約(以下「本契約」という)を締結しました。PepsiCoとのパートナーシップを強固なものとするため、PepsiCoの100%子会社であるFLGIに対して第三者割当増資を実施し、あわせてPepsiCoの子会社ジャパンフリトレー㈱の株式を2009年7月に100%を取得いたしました。

 なお、本契約において、PepsiCoは日本国内においてスナック菓子事業を営まない旨の合意がなされていることから当社と競合関係にはなりえず、また海外での事業展開については何ら制約を受けていないことから、当社の経営判断や事業展開の制約にならないものと認識しております。

 当社は、PepsiCoとの戦略的提携関係を維持し、企業価値の向上に努める所存でありますが、将来においてPepsiCoの経営方針や事業戦略の変更が生じた場合、当社は提携によるシナジー効果を発揮できない可能性があります。また、何らかの要因により本契約が解消された場合には、日本国内においてPepsiCoグループと競合関係が生じる可能性があります。また、将来において、PepsiCoもしくは当社の経営方針や事業戦略の変更が生じた場合あるいは経営環境の変化等により、PepsiCoの当社に対する持ち株比率が変更される可能性があります。

 

(12)知的財産権に関するリスク

 当社グループでは専門部署を設置し、各種知的財産権の保護・管理を徹底すると同時に、第三者の保有する権利を侵害しないように努めております。

 しかしながら、当社グループの知的財産権を第三者によって不正に利用されたり、また当社が第三者により知的財産権侵害の追及を受ける場合等には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当連結会計年度における世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢等による原材料やエネルギー価格の高騰、新型コロナウイルス感染症による中国市場の混乱などにより、先行きが不透明で厳しい状況が続きました。日本経済においては、原材料・エネルギー価格の高騰や急激な円安進行の影響を受けましたが、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むなかで景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。

このような経営環境のもと、当社グループは「長期ビジョン(2030ビジョン)」と「中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)」に基づき、持続的な成長と社会価値創出に向けた事業活動を推進するとともに、収益改善のために原材料価格等の高騰に対応した機動的な価格・規格改定の実施、海外や新たな食領域の事業拡大に取り組みました。なお、2023年2月には2024年3月期から始まる新たな3か年の成長戦略を策定、発表しております。

 

国内事業においては、上期は原料ばれいしょ不足による影響を最小限に食い止めるため、ばれいしょ以外を原料とするコーン・豆系スナック等の拡売を進めました。ばれいしょ不足懸念が解消された秋以降は、スナック菓子全体として販促活動の再開や新製品の発売等を行い、需要拡大に取り組みました。一方、コスト高騰への対応としては全カテゴリーで段階的に価格・規格改定を実施しました。

海外事業では、北米、中華圏を始めとする重点地域における事業拡大に注力しました。北米ではホールディングス体制のもと営業・マーケティング・開発の連携強化や経営の効率化を進めました。中華圏では、プロモーションの強化によりカルビーブランドの浸透を図るとともに、品揃え強化に向けて中国現地および周辺国での生産基盤の整備を進めました。なお、市場特性や競合環境を見極めながら北米や英国等で価格・規格改定を実施し、コスト高騰を吸収しながら収益改善に結びつけました。

サステナブル経営の推進に関しては、再生可能エネルギーの有効活用や生産拠点でのスマートエネルギーネットワーク事業の活用推進、環境省の支援事業である「サプライチェーンの脱炭素化推進モデル事業」への参画など、温室効果ガス総排出量削減に向けた活動を進めました。持続可能な調達に関する取組みでは、サプライヤーとのエンゲージメントを目的としたサプライヤーアセスメントを開始しました。また、国内全工場においてRSPO認証パーム油(マスバランス方式)へ切り替えが完了したことに伴い、2022年9月より「RSPO認証マーク」を表示した製品を発売しました。BCPについても取組みを強化しており、当連結会計年度では国内2工場でレジリエンス認証を取得しました。なお、外部環境の変化を踏まえ、マテリアリティに人権や生物多様性の課題など重要性が高いテーマを追加して見直しを行っております。

 

当連結会計年度の売上高は、279,315百万円(前連結会計年度比13.8%増)となりました。国内事業は、上期には原料ばれいしょ不足による販促抑制の影響があったものの、価格・規格改定後もスナック菓子の需要が堅調に推移したことと、行動制限や入国規制の緩和に伴うお土産需要の回復で、増収となりました。海外事業は、北米、中華圏、英国、インドネシア等においてスナック菓子の販売が拡大し、増収となりました。

営業利益は、下期は価格・規格改定効果でコスト高騰によるマイナス影響を吸収できたものの、通期では原材料価格や動力費の高騰の影響が大きく、22,233百万円(前連結会計年度比11.5%減)となりました。売上高営業利益率は8.0%(前連結会計年度比2.3ポイント低下)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、14,772百万円(前連結会計年度比18.2%減)となりました。

 

 

事業別売上高は以下のとおりです。

 

2022年3月

2023年3月

金額
(百万円)

金額
(百万円)

伸び率
(%)

国内食品製造販売事業

188,048

207,116

+10.1

 

国内スナック菓子

176,888

194,031

+9.7

国内シリアル食品

24,696

24,210

△2.0

国内その他

12,018

13,729

+14.2

リベート等控除

△25,553

△24,854

海外食品製造販売事業

57,370

72,198

+25.8

食品製造販売事業 計

245,419

279,315

+13.8

 

*「国内スナック菓子」「国内シリアル食品」「国内その他」の売上高はリベート等控除前の金額を記載しています。

 

(食品製造販売事業)

 食品製造販売事業は、国内事業、海外事業ともに前連結会計年度比で増収となりました。

 

(国内食品製造販売事業)

・国内スナック菓子

国内スナック菓子は、前連結会計年度比で増収となりました。

国内スナック菓子の製品別売上高は以下のとおりです。

 

2022年3月

2023年3月

金額
(百万円)

金額
(百万円)

伸び率
(%)

ポテトチップス

83,434

90,932

+9.0

じゃがりこ

34,871

39,990

+14.7

新価値製品・その他スナック

58,582

63,108

+7.7

国内スナック菓子 計

176,888

194,031

+9.7

 

*1 製品別の売上高はリベート等控除前の金額を記載しています。

*2 前期まで「ポテト系スナック(Jagabee/じゃがポックル)」「小麦系スナック」「コーン系・豆系スナック」「その他スナック」に区分していたスナックを、当期から「新価値製品・その他スナック」とし、前期の数値も組み替えて記載しています。

 

・ポテトチップスは、価格・規格改定効果に加えて、秋の北海道産原料ばれいしょの収穫量が計画通り確保できたことにより数量が伸長し、前連結会計年度に比べ増収となりました。発売30周年を迎えリニューアルやプロモーションを行った「堅あげポテト」や、上期のばれいしょ不足に対応して輸入製品を拡大したこと等が貢献しました。

・じゃがりこは、外出先での需要が高まったこと等を背景にコンビニエンスストアでの販売が伸長したことに加え、TVコマーシャルやパッケージリニューアルが奏功し、前連結会計年度に比べ増収となりました。

・新価値製品・その他スナックは、コーン系スナックと土産用製品が好調で、前連結会計年度に比べ増収となりました。コーン系スナックは、ばれいしょ製品の供給が不足する中で販売に注力したことに加え、相対的な値ごろ感から需要が高まりました。また、国内旅行需要の回復や外国人旅行客の受け入れ再開により「じゃがポックル」等の土産用製品が好調に推移しました。

 

 

・国内シリアル食品

国内シリアル食品の売上高は、新製品「ベイクドオーツ」の発売による増収があったものの、基幹製品の売上が減少し、24,210百万円(前連結会計年度比2.0%減)となりました。

 

・国内その他

国内その他の売上高は、甘しょ事業が伸長し、13,729百万円(前連結会計年度比14.2%増)となりました。

 

(海外食品製造販売事業)

 海外食品製造販売事業は、前連結会計年度比で増収となりました。

 海外食品製造販売事業の地域別売上高は以下のとおりです。

 

2022年3月

2023年3月

金額
(百万円)

金額
(百万円)

伸び率(%)

現地通貨

ベースの

伸び率

(%)

北米

16,156

22,228

+37.6

+15.0

中華圏

19,590

23,405

+19.5

+6.0

その他地域

28,692

36,227

+26.3

+15.1

リベート等控除

△7,069

△9,662

海外食品製造販売事業 計

57,370

72,198

+25.8

+11.3

 

*1 中華圏:中国、香港

*2 その他地域:英国、インドネシア、韓国、タイ、シンガポール、豪州

*3 地域別の売上高はリベート等控除前の金額を記載しています。

*4  前期まで別掲していた「英国」「インドネシア」を、当期から「その他地域」に含め、前期の数値も組み替えて記載しています。

 

・北米は、主力の豆系スナック「Harvest Snaps」は価格改定効果とパッケージリニューアルやラインアップの拡充により伸長し、「かっぱえびせん」等の日本発の製品はエスニック売り場での堅調な需要に加えて販路拡大を行ったことで、前連結会計年度に比べ増収となりました。

・中華圏は、ゼロコロナ政策に伴うロックダウンにより製品発売スケジュールや小売店舗での展開に遅れが生じたものの、品揃えの強化や販路拡大により前連結会計年度に比べ増収となりました。スナック菓子は「Honey Butter Chip」や当期より販売を開始したBaby&Kids向け製品が寄与しました。シリアル食品は新製品ミューズリーの発売や「フルグラ 糖質オフ」の拡販、新規ECチャネルへの進出が貢献しました。

・その他地域は、英国やインドネシアでの伸長や、タイのGreenday Global社(スナックの製造・販売)が新たに連結子会社に加わったことにより、前連結会計年度に比べ増収となりました。英国では、ポテトチップスの価格改定効果と「Harvest Snaps」の拡売が貢献しました。インドネシアでは、ポテトチップスや小麦系スナック「KrisBee」等すべての製品カテゴリーで伸長しました。

 

当社グループの経営方針・経営戦略等の進捗状況の評価を行うために有用な指標の状況は下記のとおりであります。

 

2023年3月期実績

2023年3月期目標(期初)

連結売上高

2,793億円

2,680億円

連結営業利益

222億円

255億円

国内営業利益率

9.5%

10.9%

海外売上高

722億円

685億円

 

 

 

(2) 財政状態の分析

 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ2,496百万円増加し、239,095百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得に加えて売上拡大に伴い棚卸資産および売掛金が増加したためです。有形固定資産の増加の主なものは、広島の新工場建設によるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ3,268百万円増加し、56,408百万円となりました。この主な要因は、売上拡大に伴い支払手形及び買掛金が増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ771百万円減少し、182,686百万円となりました。この主な要因は、株主への一層の利益還元と資本効率の向上を図ることを目的として自己株式を取得したことによるものです。

この結果、自己資本比率は72.8%となり、前連結会計年度末に比べ1.3ポイント低下しました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ19,378百万円減少し、30,292百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益が減少したことにより、前連結会計年度と比べ3,016百万円収入が減少し、19,310百万円の純収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有価証券の償還による収入が減少したことにより、前連結会計年度と比べ23,973百万円支出が増加し、20,329百万円の純支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に前連結会計年度にポテトかいつかの長期借入金を親子ローンに切り替えたことにより、前連結会計年度と比べ5,163百万円支出が減少し、20,004百万円の純支出となりました。

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

・資金需要の動向

当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では製品製造のための原材料費、労務費、経費および販売活動のための販売費、人件費、物流費等の支払いがあります。投資活動に係る資金支出では主に設備投資や成長投資にかかる資金需要、財務活動に係る資金支出は主に親会社の配当金にかかる資金需要があります。これらの資金需要に対しては、営業活動によるキャッシュ・フローに加えて、手元資金等や借入金を活用する計画です。

資金需要の具体的な内容

  設備投資…既存事業の持続的成長・生産性向上、海外生産体制強化

  成長投資…成長基盤獲得のための新規事業、DX推進、M&A等

  株主還元…連結ベースの総還元性向50%以上、DOE4%目途

 

 当連結会計年度末時点での資金支出の状況は以下のとおりです。

 

2020年3月期

(百万円)

2021年3月期

(百万円)

2022年3月期

(百万円)

2023年3月期

(百万円)

設備投資

8,751

11,205

12,123

25,668

成長投資

7,558

13,330

1,492

2,604

株主還元

6,425

6,693

18,691

18,723

合計

22,735

31,229

32,307

46,996

 

 

・資金調達の方法

 当社グループの資金調達の方法としては、営業活動により得られたキャッシュ・フローに加えて金融機関からの借入金等を活用します。当社及び国内連結子会社においてはキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、グループ内資金を一元管理することにより、余剰資金を集中管理し資金の流動性確保、資金効率の向上を図っております。また、更なる資金の流動性を補完することを目的に複数の金融機関との間に当座貸越契約を締結しており、事業運営上の必要な資金の流動性は十分に確保していると認識しております

 

(4) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 また、この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

①固定資産の減損

 当社グループは、営業活動から生ずる損益の継続的な赤字や市場価格の著しい下落等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。将来の市況悪化等により事業計画が修正される場合、減損処理を行う可能性があります。

 なお、当社グループの無形固定資産のうち主なものは株式会社ポテトかいつかを取得したことにより発生したのれんであります。これに対する会計上の見積りにつきましては「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

②棚卸資産の評価

 当社グループは、棚卸資産の評価方法として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。需要の変化によって過剰または滞留となった棚卸資産については、適正な価値で評価されるように評価減を行う可能性があります。

 

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

 ①生産実績

   当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

食品製造販売事業

312,080

12.3

合計

312,080

12.3

 

(注)1  金額は、販売価格によっております。

 

 ② 受注実績

当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 ③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

食品製造販売事業

277,672

13.8

その他

1,643

13.4

合計

279,315

13.8

 

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が前連結会計年度および当連結会計年度で10%以上の相手先はございません。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 (当社とカルビーポテト㈱との吸収分割)

 当社は、グループ生産体制の合理化、効率化をすすめ、国内でのさらなる競争力強化を図るため、当社の連結子会社であるカルビーポテト㈱が帯広工場で営むスナック菓子の製造事業を会社分割により承継することを決議し、分割契約書を締結いたしました。

 

(1)分割の方式

 当社を吸収分割承継会社とし、カルビーポテト㈱を分割会社とする吸収分割方式であります。

 

(2)分割に係る割当ての内容

 カルビーポテト㈱は当社の100%子会社であるため、本分割による株式その他金銭等の割り当てはありません。

 

(3)分割の期日

2023年4月1日

 

(4)承継会社が承継する権利義務

 当社は、効力発生日における本事業の資産、負債、契約その他の権利義務を、吸収分割契約において定める範囲で承継いたします。

 

(5)吸収分割承継会社となる会社の概要

 資本金  12,046百万円

 事業内容 食品製造販売事業

 

(米国子会社の合併)

当社の連結子会社であるCalbee America,Inc.は、海外事業で重点地域としている北米市場において、生産・販売・マーケティング面での更なる一体化により北米市場における効率的な事業展開を推進するため、同社の子会社であるCalbee North America, LLC及びWarnock Food Products, Incを吸収合併することといたしました。

 

(1)合併の方式

 Calbee America,Inc.を存続会社とする吸収合併方式であります。

 

(2)合併に係る割当ての内容

 Calbee North America, LLC及びWarnock Food Products, IncはCalbee America,Inc.の100%子会社であるため、本合併による株式その他金銭等の割り当てはありません。

 

(3)合併の期日

2023年4月1日

 

(4)吸収合併存続会社となる会社の概要

 資本金  1,005百万円

 事業内容 有価証券の保有

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、「自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。」という企業理念のもと、自然素材のもつ栄養やおいしさを最大限に活かし、ユニークで価値ある製品を提供するための研究開発活動を行っております。

当社の研究開発本部では、基礎研究、製品及び技術開発から研究施設併設のパイロットプラントでの製品化までを一貫して行っております。

基礎研究の分野では、ばれいしょの安定的な調達と品質向上に関する研究として、帯広畜産大学と共同で開設した「バレイショ遺伝資源開発学講座」において中間育種開発を行っております。また、ばれいしょやフルグラ原料の有効成分の研究を行っており、ばれいしょの研究では、未利用資源であるばれいしょの皮から抽出した「ポテトセラミド」の摂取による肌への有効性を確認し、論文として掲載されました。

製品開発の分野では、国内、海外の消費者の変化や多様な嗜好に対応し、市場の拡大、活性化を図るため、スナック、シリアルの製品ラインアップの拡充や、中長期戦略に基づく新たな製品開発を行っております。国内においては、豆系スナック「miino(ミーノ)」のラインアップの拡充を行いました。「miino(ミーノ)」の原料(大豆)に新潟県栗島の在来種を使用し、持続可能な未来を目指す「栗島一人娘プロジェクト」は、第3回新潟SDGsアワードの大賞を受賞いたしました。また、植物由来の原材料を使用したプラントベース食をもっとおいしく身近なものにするための「Plant Based Calbee」プロジェクトとして、大豆粉を発酵させた植物性の飲むヨーグルト「SOYぐる」、大豆由来のシリアル食品「SOY’s flakes」等を発売しました。また、海外における新製品開発も継続して行っており、中国向けシリアル「烘焙麦片」(ミューズリー)を現地生産で発売しました。

技術開発の分野では、新たな素材・製法による付加価値の提供と加工技術の探索を行っております。当期は、素材の彩りとおいしさがそのまま残るネオオーブン製法(ノンフライ)を用いた「フルーツスナックフルッツ いちご」他3品を発売しました。また、包装容器に使用する素材を、2030年までに環境配慮型素材50%使用、2050年までに100%使用とすることを目標として、包材や包装技術の開発を進めております。当期はプラスチック使用量を従来比で約半分に抑えた紙表記フィルムの製品を発売しました。

また、消費者の課題解決を主眼に、新たな視点と従来とは異なるアプローチでの研究開発活動も行っております。より良い睡眠をサポートすることを目的とした可食性フィルム「にゅ~みん」(当社初の機能性食品)を2022年に発売し、株式会社S’UIMINとの戦略的パートナーシップを通して、睡眠の質を高める新製品・サービスの創造を推進してまいります。また、2023年4月には、株式会社メタジェン、株式会社サイキンソーとの共同開発により、パーソナライズフードプログラム「Body Granola(ボディグラノーラ)」を開始いたしました。お客さまの腸内環境を検査し、それぞれの腸内環境に合った素材のグラノーラを定期購買頂く新たなサービスです。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、3,681百万円であります。