第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「勝てる分野」における事業の確立により安定した経営基盤を獲得しつつ、今後大きな成長が見込まれるIoT(注)・AI市場における事業を拡大することで、同分野で世界をリードする「AI Computing Company」となることを目標としております。卓越した知識・経験さらに情熱を持つ人材による研究開発と顧客中心の市場アプローチとのバランスを保ち、顧客課題、社会課題の解決に求められる最適かつ先進的なソリューションを提供することを通じて、企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)経営環境

当社グループの属する半導体業界では、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う巣ごもり需要はピークアウトしたものの、様々な産業における旺盛な需要による半導体の供給不足が継続し、自動車も含め半導体を使用した電子機器の生産に影響が出ています。中期的にも、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT、人工知能(AI)、ビッグデータ、次世代高速通信規格、自動運転向けの需要の拡大が見込まれます。

当社グループの事業領域であるAI分野においては、足下の困難を含めた社会課題の解決や安心安全社会の実現に向けたイノベーションの加速やAIの果たす役割の増大が予想されます。市場の規模拡大を背景に、異業種を含めた新規参入や既存プレーヤーの事業強化の動きが顕著な競争環境にあります。AI業界には、AI導入に関する課題・戦略のサポートを行うコンサルティング企業、AIアルゴリズム/ソフトウエア提供に特化する企業、顧客からAI開発を受託する企業、クラウドサービスや機械学習アルゴリズムの開発環境を提供する大手クラウド事業者等、様々なプレーヤーがいます。また、当社の注力分野・市場であるロボティクス(低速自動運転車両等の自律走行ロボット、協働ロボット等)分野や安全運転支援システム(ドライバーモニタリングシステム、ヒヤリハット解析等)分野は市場拡大が予想されています。

当社グループは主要事業の一つとして、アミューズメント(パチンコ・パチスロ遊技機)業界向けに画像処理プロセッサーの開発・製造・販売を行っております。遊技人口の減少や足下の新型コロナ感染症流行の影響により、遊技機の販売は年々減少しており、市場としては成熟・減少期にありますが、販売台数は依然年間百万台を超えており、市場の絶対的規模はまだまだ大きいとも言えます。当社は、遊技機市場のボラティリティを注視しつつ、当社のユニークな2D・3D統合チップの優位性を発揮できる市場セグメントにおけるシェア拡大を目指してまいります。

 

(3)経営基本戦略と優先的に対処すべき課題

 世界的な社会・環境の大きなトピック・課題である「少子高齢化」、「コロナ禍」、「気候変動」等に対して、その克服に社会や政界・経済界全体として取り組む機運が高まっています。当社グループは、これらの社会環境の変化をチャンスと捉え、社会・環境課題、顧客課題の解決に貢献することによって、利益を獲得し企業価値を向上させるCSV (Creating Shared Value)経営を実現することを、中長期的な経営戦略の基本方針としております。

 

①顧客製品・サービスの開発サイクル全体に亘る付加価値提供

 企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体に亘り、アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアライセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開、付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図ってまいります。また、顧客プロジェクトで培ったテクノロジー・ノウハウに基づく標準製品・サービスの開発・提供により、顧客開発に柔軟、迅速に対応するとともに、利益率の向上を図ってまいります。

 

②注力市場での取り組み

 当社は、創業以来の強みであるグラフィックス技術と同技術から派生、涵養したAI(人工知能)・ディープラーニング技術を活用することで差異化が可能で、市場成長が期待でき、社会・環境課題解決にも貢献する、安全運転支援分野(セーフティ分野)、ロボティクス分野に対して、それぞれの市場ライフサイクルに合わせた基本戦略を実行してまいります。

 

a. 安全運転支援分野(セーフティ分野)

 本分野は、改正道路交通法の施行やドライブレコーダー特約付き自動車保険の拡充等もあり、ドライブレコーダーを活用したリアルタイムの事故防止やヒヤリハット事象を活用した安全運転教育の需要が拡大しており、市場としては成長期にあると認識しております。

 当社においても、前年度からランニングロイヤリティ収入やサブスクリプション収入を計上するなど、初期ライセンスやプロフェッショナルサービスの提供に加えて、リカーリングビジネスの展開が始まっています。当社は、クラウド(ZIA™ Cloud SAFE)からエッジ(ZIA™ SAFE)までの一貫サービスが提供できる競争優位性により、既存顧客案件の深耕と新規顧客への参入を果たし、マーケットリーダーを目指してまいります。

 また、ドライブレコーダーの活用に留まらず、市場拡大が期待できるより広範なセーフティ領域である公共交通機関の危険検知・予知やスマートシティ関連(人の属性・流れ・数、危険検知・予知等)の分野において、エコシステムとの連携により、PoC案件の発掘・獲得から将来的な商用化時のビジネス獲得に備えます。

 

b. ロボティクス分野

 本分野は、労働人口の減少に伴い、製造業、運輸物流業、農業を始めとした様々な産業における省人・省力化、生産性向上の流れの中で、自律走行ロボットや協働ロボットの市場拡大が予想されていますが、多くの顧客がPoC(概念実証)の段階にあり、市場としては導入期にあると認識しております。市場全体は非常に大きく、かつ広範に亘りますので、攻略すべき産業分野、自社の強みを活かして何を行い、エコシステムとの連携により何を補完、強化していくかを明確にして、自律走行ロボット、協働ロボット、さらにその二つを組み合わせた先端的なロボットの領域を中心に、メリハリの利いたビジネス展開と収益・利益獲得が肝要であります。

 まず、自社技術の磨き込み、絞り込みに注力します。具体的には、既存のロボティクス分野向けZIAシリーズであるZIA™ SLAMやZIA™ MOVE等の精度、機能の更なる向上と、競争優位性を発揮できる要素技術の開発、製品化を図ります。

 続いて、他社との協業、エコシステム構築においては、まずは本分野のリードカスタマーかつ業務資本提携先のヤマハ発動機株式会社とのビジネスについては、引き続き開発ロードマップに沿った様々な製品のAI化に貢献し、協議のもと協業成果の外販化にも取り組んでまいります。また、技術商社、SIer、サービス/テックプラットフォーマー等のエコシステムとの協業により、ロボット導入効果の高い製造業、運輸物流業等へのリーチを広げてまいります。

 協働ロボットの目の役割を果たすCambrianビジョンシステムのビジネスについては、精度、速度、ピッキング対象の広範さ、コストパフォーマンス等の強みを活かし、顧客案件の最大化を図ります。

 さらには、Cambrianビジョンシステムと当社OCR機能、Non-CADピッキング機能等の組み合わせや付加価値の取れるIPコアライセンスビジネスへの比重を高めること等によって、事業の高付加価値化、高収益化を追求してまいります。

③持続的な競争優位性・成長の確保

 当社は、安全運転支援分野において、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を利用したSaaS型安全運転支援サービスであるZIA™ Cloud SAFEによるSaaS (Software as a Service)、安全運転支援システム開発プラットフォームであるZIA™ SAFEによるPaaS (Platform as a Service)、顧客のドライブレコーダーを活用したサービスをインフラとしたIaaS(Infrastructure as a Service)を展開しております。今後は、同様の取り組みをロボティクス分野やその他の成長分野に水平展開し、各種プラットフォーマーやサービス提供事業者等のエコシステムとの緊密な連携によるネットワーク効果を発揮し、注力分野におけるXaaSを幅広い顧客に提供するプラットフォーマーとして、持続的でオルガニックな成長を目指してまいります。また、注力事業分野におけるサービスの競争力の強化・補完に資する

M&Aや事業提携により、ノンオルガニックな成長も積極的に検討してまいります。

 以上の取り組みにより、持続的な競争優位性の確保、持続的成長を目指してまいります。

 

(注)IoT(Internet of Things)とは、パソコン、スマートフォン・タブレット、ゲーム機等の情報通信機器にとどまらず、社会で利用される様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり、相互に通信することにより、自動認識、自動制御、遠隔計測などが行われることをいいます。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する項目のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)並びに株価等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

なお、リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、そのリスクの複雑性から明確化は難しいものの、当社グループが研究開発を重視したファブレス半導体・IPベンダーであるという特性とリスクの関係性の高さから、「特に重要なリスク」と「重要なリスク」に分類しております。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(特に重要なリスク)

①技術の進展等について

当社の事業は、画像処理やグラフィックス処理技術およびAI技術に密接に関連しておりますが、これらの技術の進展は著しく、短期間で新製品が発売され、高機能化も進んでおります。

当社としては、技術動向を注視しつつ、技術力を向上させることで、技術の進展に対応していく方針であります。しかしながら、当社が予想しない新技術の開発・普及により事業環境が急変し、当社が迅速または適切に対応できない場合、または、競合他社が当社を上回る技術を開発し、当社技術が陳腐化した場合には、当社の製品・サービスの売上減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

②販売先の市場動向による経営成績への影響について

当社製品は、アミューズメント機器、車載製品、産業機器、モバイル・コンシューマー機器等の市場向けであり、これら顧客の機器製品にソフトウエアおよびハードウエアとして組み込まれて使用されております。これら市場の製品はいずれもライフサイクルが短く、技術革新のスピードも早いため、当社の売上・利益を維持し、増大させるためには、市場の動向を見極めた上で新市場の開拓を積極的に行う必要があります。

当社としては、日頃から顧客や外部機関等からの情報を分析することにより、市場動向の変化に応じて、新規製品の開発、新市場の開拓に取り組んでおりますが、これら市場の動向に当社の予想以上の変化があり、当社の新規製品の開発または新市場の開拓が遅れた場合には、当社の製品・サービスの売上減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

③研究開発について

当社は、画像処理、グラフィックス処理、AI等の分野において、今後のニーズの変化に対応できる新技術と新製品の開発を行っております。このための各研究開発プロジェクトは、成長する市場が必要とする機能を想定しながら実施しておりますが、投下した研究開発費の全てを回収できるとは限らず、この場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、何らかの事情で開発が大幅に遅れたり、開発自体が頓挫する事態に至った場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

④人材の確保・育成について

当社は、今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。そのため、人材に報いるための報酬体系、株式報酬制度等を導入しておりますが、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社の事業拡大が制約を受けることにより、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(重要なリスク)

①代表者への依存について

当社の代表取締役である山本達夫は、過去にエンジニアとして従事していた経験もあり、当社の事業内容、技術全般に精通しております。また、これまでに培った広い人脈を活かして、自ら国内外への営業活動も行っており、当社の技術面・営業面での同氏への依存度は非常に高くなっております。その高依存を極力緩和すべく、2020年6月19日付で、代表取締役を2名体制にするとともに、AI技術に精通した人材が取締役に就任いたしましたが、特に技術面・営業面における同氏への依存度は引き続き高いことが見込まれます。

このような状況下において、退任等何らかの要因により、同氏の当社における業務執行が困難となった場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績等および事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

②LSI製品の販売体制について

当社は、LSI製品の販売は商社を介した代理店販売を基本としております。当社の主要販売代理店である株式会社レスターエレクトロニクスに対する当連結会計年度の売上高は1,195百万円で全売上高の71.7%を占めており、その大半はLSI製品の売上高であります。同社含め販売代理店とは良好な関係を構築しておりますが、今後販売代理店との関係に問題が生じた場合には、LSI製品の販売に支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

③LSI製品の製造委託について

当社は、製造設備を持たない会社として研究開発業務に特化した事業活動を行っておりますので、LSI事業の製品製造に関しては半導体メーカーやモジュールメーカーに委託しております。製造委託先については、その技術水準、製造能力、管理能力、経営安定度等を慎重に検討した上で、選定しております。しかしながら、製造委託先において十分な生産枠が確保できない場合や通常想定することができない事象により製造委託先の設備に問題等が発生するなど、何らかの理由により委託先における製造に支障が生じた場合、または、委託先との製造委託契約が終了し、適切な代替委託先が確保できない場合、LSI製品の製造に支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

④半導体、部材等の供給不足について

当社はファブレス企業であるため、製品事業において、製造委託先や仕入先に製品の製造を依存しております。そのため、生産ラインの事前確保、製品・支給部品の早期発注等により、機会損失を可能な限り低減させておりますが、半導体、部材等の世界的な供給不足の影響により、当社への製品納入が停滞した場合には、当社の製品売上の減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、半導体・部材の供給不足により、当社のLSI製品、IP、ソフトウエア等を搭載した顧客製品の製造が停滞した場合にも、当社の製品売上やロイヤリティ収入の減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑤第三者の知的財産権を侵害する可能性について

当社は当連結会計年度末現在において、提供するIPコア・LSI製品の技術および制作する表現物等に関して、第三者より知的財産権を侵害する旨のクレーム、侵害訴訟等を提起する等の通知は受けておりません。

当社は、当社のIPコア技術が第三者の特許権を侵害する可能性につき調査を行っておりますが、当社が提供するIPコア・LSI製品の技術および表現物等が、特許権その他第三者の知的財産権を侵害する可能性を完全に排除することは困難であり、今後このような第三者の知的財産権を侵害する旨のクレームを受け、または侵害訴訟を提起され、当社の事業が差し止められ、または損害賠償等の金銭的な負担を強いられる等の結果となった場合、当社の経営成績等および社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

⑥自然災害及び事故等について

当社及び当社取引先の事業拠点が、地震、台風等の自然災害や火災等の事故、テロ等により被害を受けた場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑦新型コロナウイルス等の感染拡大によるリスク

当社の役職員に新型コロナウイルス等の疫病の感染が拡大した場合、一時的に事業活動を停止すること等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。2020年に入って世界的大流行となった新型コロナウイルス感染症への対応として、テレワーク(在宅勤務)の対象を全従業員に拡大するとともに、在社時の感染予防の徹底、ウェブ会議の活用、不要不急の外出・出張・会食等の中止等により、感染リスクの極小化を図り、感染時(もしくはその疑いがある場合)の対応も明確に定めております。

また、新型コロナウイルス等の感染症の拡大・長期化によって、遊技機市場が著しく低迷した場合や顧客の開発投資意欲が低下した場合、それぞれ当社の画像処理プロセッサー「RS1」の販売減少やプロフェッショナルサービス事業の停滞により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑧情報管理体制について

当社は研究開発をはじめとする当社の事業活動に際して情報管理が重要であると認識しており、このため、コンピューター・ウィルスの検知、ファイアウォールの構築等の外部からの侵入に対する予防策および情報へのアクセス可能な管理者の制限、当社と役職員および顧客等との間における機密保持契約の締結、入退出管理等の情報流出対策を講じるとともに、ハード面での障害時により業務への支障が生じないようデータ管理の多重化を行うなど、情報管理に関するシステムと社内体制の構築を行っております。

しかしながら、これらのシステム・体制によっても情報漏洩の可能性を完全に排除することは困難であり、今後何らかの理由により当社の技術情報等重要な情報が社外に流出した場合、当社の競争優位性が損なわれ、当社の経営成績等および事業運営に影響する可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症流行の長期化の影響により全体的に厳しい状況が続きました。足元では、円安傾向の加速が経済に与える影響が懸念されます。先行きについては、ワクチンブースター接種の加速化および治療薬の普及による感染拡大防止策や重症化予防策を講じつつ、経済活動のレベルを上げていくという極めて難しい舵取りが要求されています。また、世界においては、新規感染者数が多い中でも、より積極的な経済活動を行うことを優先する動きが欧米を中心に見られる一方で、中国ではゼロコロナ政策の一環で一部都市のロックダウンが行われるなど、全体的には新型コロナウイルス感染症によるダメージからの経済の立ち直りにはまだまだ時間を要する状況です。また、ウクライナ情勢等の地政学的リスクが増大する中、原材料価格の上昇や供給面での制約等による下振れリスクが懸念されます。

 当社グループの属する半導体業界では、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う巣ごもり需要はピークアウトしたものの様々な産業における旺盛な需要による半導体の供給不足が継続し、自動車も含め半導体を使用した電子機器の生産に影響が出ています。中期的にも、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTや人工知能(AI)、ビッグデータ、次世代高速通信規格、自動運転向けの需要拡大が見込まれます。

 当社グループの事業領域であるAI/ビジュアル・コンピューティング分野においては、少子高齢化に伴う労働人口の減少、コロナ禍、気候変動等の社会・環境課題の解決、安心安全社会の実現に向けたイノベーションの加速やAIの果たす役割の増大が予想されます。

 このような環境下において、当社グループは、社会・環境課題の解決への貢献と収益・利益の獲得を両立し、企業価値を向上させるCSV(Creating Shared Value)経営を実現することを、中期経営計画の基本方針としています。注力分野である安全運転支援分野及びロボティクス分野において、企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体に亘り、アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアライセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開し、付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図ってまいります。

 

 当連結会計年度の注力分野における具体的な取り組みと成果としては、まず安全運転支援分野において、エッジからクラウドに亘る既存プロジェクトからのリカーリング収益を獲得するとともに、新規顧客や既存顧客の新規プロジェクト向けに新規ライセンスやプロフェッショナルサービスを提供しました。

 ロボティクス分野においては、高精度SLAMソフトウエア「ZIA™ SLAM」を包含し、自律走行ロボットの自動・自律運転に必要となる認知・判断・操作に機能拡張したAIソフトウエア「ZIA™ MOVE」のリリースや新たにイメージセンサーのHDR(ハイダイナミックレンジ)機能に対応したイメージシグナルプロセッサ(ISP)コア「ZIA™ ISP」のアップグレード版の提供を行うなど、AIポートフォリオ「ZIA™シリーズ」を充実させました。また、業務資本提携先のヤマハ発動機株式会社の陸海空に亘る製品へのAI実装プロジェクトをはじめとして、フランスProphesee社、株式会社マクニカ等との協業案件を含め、様々な業界に属する顧客のPoCプロジェクトや実用化案件を発掘、推進しました。さらには、資本業務提携先のCambrian社の協働ロボット向けビジョンシステムのビジネスにおいて、協働ロボットのレンタル、販売および導入支援サービスを展開する高島ロボットマーケティング株式会社と「郵便物自動仕分けシステム」を共同開発するなど用途開発を進めるとともに、最終顧客の省人化や生産性向上に向けた具体的案件に進捗がありました。

 アミューズメント分野においては、画像処理半導体「RS1」の大型受注に対する量産出荷を継続するとともに、引き続きこのユニークな2D・3D統合チップの優位性を発揮できる市場セグメントにおけるシェア拡大を目指しています。

 

 当連結会計年度の業績につきましては、製品事業において「RS1」の量産出荷を継続するとともに、量産ドローン向けカメラモジュールやCambrian社の協働ロボット向けビジョンシステムの売上を計上しました。IPコアライセンス事業においては、安全運転支援分野およびロボティクス分野向けの新規ライセンスを獲得するとともに、安全運転支援分野においてリカーリング収益を計上しました。また、プロフェッショナルサービス事業においては、NEDOプロジェクトの受託収入は剥落したものの、安全運転支援分野およびロボティックス分野向けのAI受託開発サービスが活発化しました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、1,667百万円(前年同期比65.2%増)、営業損失は126百万円(前年同期営業損失425百万円)、経常損失は122百万円(前年同期経常損失361百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は、投資有価証券評価損33百万円を計上したため157百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純損失364百万円)となりました。

 

 当社グループは、単一セグメントであるためセグメント別の記載はしていませんが、事業別業績の概要は以下のとおりです。

 

①IPコアライセンス事業

 ディジタルスチルカメラやOA機器等のディジタル機器向けGPU IPの新規ライセンス収入およびランニングロイヤリティ収入に加え、安全運転支援分野およびロボティクス分野における新規ライセンス収入や安全運転支援分野におけるリカーリング収益の計上により、売上高は173百万円(前年同期144百万円)となりました。

②製品事業

 「RS1」の量産出荷による売上、量産ドローン向けカメラモジュールの売上、Cambrian社ビジョンシステムの売上等の計上により、売上高は1,199百万円(前年同期658百万円)となりました。

③プロフェッショナルサービス事業

 前年同期に計上したNEDOからの受託収入は剥落したものの、安全運転支援分野およびロボティクス分野向けのAI受託開発案件の活発化により、売上高は295百万円(前年同期206百万円)となりました。

 

 また、分野別業績の概要は以下のとおりです。

①安全運転支援分野

 IPコアライセンス事業における新規ライセンス収入およびリカーリング収益やプロフェッショナルサービス事業における新規・既存顧客プロジェクトへの売上等により、売上高は163百万円(前年同期49百万円)となりました。

②ロボティクス分野

 IPコアライセンス事業における売上拡大、製品事業におけるドローン量産向けカメラモジュールやCambrian社ビジョンシステムの売上計上、AI受託開発案件の活発化により、売上高は236百万円(前年同期166百万円)となりました。

③アミューズメント分野

 「RS1」の量産出荷売上の計上により、売上高は1,155百万円(前年同期646百万円)となりました。

④その他分野

 ディジタル機器向けGPU IPの新規ライセンス収入およびランニングロイヤリティ収入等を計上したものの、前年同期に計上したNEDOからの受託収入の剥落等により、売上高は111百万円(前年同期148百万円)となりました。

 

(2)当期の財政状態の概況

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計額は3,472百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円減少しました。これは主に、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は売掛金)が231百万円増加し、現金及び預金が63百万円および固定資産が52百万円減少したことによるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債および固定負債は合計で376百万円となり、前連結会計年度末に比べ149百万円増加しました。これは主に、買掛金が128百万円および未払消費税等が41百万円増加したことによるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計額は3,095百万円となり、前連結会計年度末に比べ154百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が157百万円減少したことによるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は89.2%となりました。

 

(3)当期のキャッシュ・フローの概況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ109百万円減少し2,002百万円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、39百万円の支出(前連結会計年度は36百万円の収入)となりました。主な増加要因は、仕入債務の増加額128百万円および減価償却費71百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額231百万円および税金等調整前当期純損失155百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、77百万円の支出(前連結会計年度は68百万円の収入)となりました。主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出40百万円および固定資産の取得による支出37百万円であります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、0百万円の支出(前連結会計年度は1百万円の支出)となりました。減少要因は、自己株式の取得による支出0百万円であります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

88.2

83.8

92.2

93.5

89.2

時価ベースの自己資本比率(%)

834.8

548.5

162.3

250.2

128.5

2021年3月期より連結ベースの財務数値により計算しております。

自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

a.仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

仕入実績(千円)

前年同期比(%)

IPコアライセンス事業

製品事業

878,303

177.0

プロフェッショナルサービス事業

2,086

582.5

合計

880,390

177.3

(注)金額は仕入価格によっております。

 

b.受注状況

 当連結会計年度の受注状況を事業部門別に示すと次のとおりであります。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

IPコアライセンス事業

製品事業

2,801,440

425.6

1,602,300

プロフェッショナルサービス事業

272,321

127.5

15,050

39.8

合計

1,471,461

352.6

1,617,350

4,276.6

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.IPコアライセンス事業には、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

販売実績(千円)

前年同期比(%)

IPコアライセンス事業

173,762

120.0

製品事業

1,199,140

182.1

プロフェッショナルサービス事業

295,089

142.9

合計

1,667,991

165.2

 

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社レスターエレクトロニクス

407,073

40.3

1,195,113

71.7

加賀電子株式会社

216,617

21.5

ヤマハ発動機株式会社

110,977

11.0

2.当連結会計年度の加賀電子株式会社およびヤマハ発動機株式会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状況および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりです。

・売上高 1,667百万円(前年同期比65.2%増)

製品(RS1)の売上に加えて、IPの新規ライセンス、ランニングロイヤリティ収入、プロフェッショナルサービスにおけるAI関連の受託開発売上等を計上しました。詳細は、後述の事業別の経営成績(売上高)に関する認識および分析・検討結果に記載のとおりであります。

・売上総利益 604百万円(前年同期比80.3%増)、売上総利益率36.2%

売上原価に製品の仕入原価、プロフェッショナルサービスに係る受託開発原価等を計上したことによるものです。

・販売費及び一般管理費 731百万円(前年同期比3.8%減)

労務費、研究開発費等を計上しました。

・営業損失 126百万円(前年同期営業損失425百万円)

売上利益が販売費及び一般管理費を吸収できず、営業損失を計上しました。

・経常損失 122百万円(前年同期経常損失361百万円)

 

・親会社株主に帰属する当期純損失 157百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純損失364百万円)

特別損失に投資有価証券評価損33百万円を計上したことおよび法人税等を1百万円計上したことによるものです。

・1株当たり当期純損失(EPS) △49円93銭(前年同期1株当たり当期純損失△116円03銭)

 

当社グループは単一セグメントでありますが、当連結会計年度の事業別の経営成績(売上高)は以下のとおりです。

・IPコアライセンス事業 173百万円(前年同期144百万円)

当連結会計年度は、ディジタルスチルカメラやOA機器等のディジタル機器向けGPU IPの新規ライセンス収入およびランニングロイヤリティ収入に加え、安全運転支援分野およびロボティクス分野における新規ライセンス収入や安全運転支援分野におけるリカーリング収益を計上したことにより、売上高は伸長しました。

 

・製品事業 1,199百万円(前年同期658百万円)

当連結会計年度は、当社の画像処理半導体「RS1」の遊技機向け量産出荷、量産ドローン向けカメラモジュールおよび協働ロッボット向けCambrian社ビジョンシステムの売上等を計上しました。主に、旧規則遊技機から新規則遊技機への入れ替え需要に伴うRS1の大型受注により、売上高は伸長しました。

 

・プロフェッショナルサービス事業 295百万円(前年同期206百万円)

当連結会計年度は、前年同期に計上したNEDOからの受託収入は剥落したものの、安全運転支援分野およびロボティクス分野向けのAI受託開発案件の活発化により、売上高は伸長しました。

 

 

当連結会計年度末の財政状況は以下のとおりです。

・流動資産 2,784百万円(前年同期2,736百万円)

主な内訳は、現金及び預金2,002百万円、売掛金及び契約資産388百万円、有価証券300百万円であります。

・固定資産 688百万円(前年同期740百万円)

主な内訳は、投資有価証券507百万円、ソフトウエア50百万円であります。

・流動負債 358百万円(前年同期208百万円)

主な内訳は、画像処理半導体の仕入計上に伴う買掛金260百万円、未払消費税等41百万円であります。

・固定負債 18百万円(前年同期18百万円)

・純資産 3,095百万円(前年同期3,250百万円)

主な内訳は、資本金1,838百万円および資本剰余金1,858百万円、親会社株主に帰属する当期純損失157百万円を計上した結果による利益剰余金△597百万円であります。

・自己資本比率 89.2%

 

 以上の財政状況および経営成績の状況を踏まえた経営者の視点による分析・検討内容は以下のとおりです。

・当連結会計年度の経営成績は、前年同期に計上したNEDOからの受託収入は剥落したものの、アミューズメント市場向けのグラフィックプロセッサーRS1の販売が顧客からの大型受注を受けて大幅増となるとともに、安全運転支援分野、ロボティクス分野の顧客案件も増加したことから、売上高は前年同期比65.2%増となりました。利益面は、売上高の伸長に伴い大幅に改善したものの、営業損失、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失を計上する結果となりました。

・今後につきましても、2021年5月14日に公表した中期経営計画に沿って、社会・環境課題解決への貢献と利益獲得・向上を両立させることで、引き続き企業価値の向上に努めてまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ109百万円減少し2,002百万円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

・営業活動によるキャッシュ・フロー 39百万円の支出(前連結会計年度は36百万円の収入)

主な増加要因は、仕入債務の増加額128百万円、減価償却費71百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額231百万円および税金等調整前当期純損失155百万円であります。

・投資活動によるキャッシュ・フロー 77百万円の支出(前連結会計年度は68百万円の収入)

主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出40百万円および固定資産の取得による支出37百万円であります。

・財務活動によるキャッシュ・フロー 0百万円の支出(前連結会計年度は1百万円の支出)

要因は、自己株式の取得による支出0百万円であります。

当社の運転資金需要のうち主なものは、製造委託しているLSI製品の仕入費用および製造費用、販売費および一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、システム投資等によるものです。当社は、運転資金ならびに投資目的の資金需要には、主として自己資金を充当することを基本方針としております。この方針に従い、当連結会計年度における運転資金、IT機器等の設備投資資金については、自己資金を充当しました。

今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、事業拡大に向けた技術優位性の維持向上と開発体制の強化のための人的投資等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、自己資金を充当する予定であります。

 

③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 業務資本提携契約

相手方の名称

契約締結日

契約内容

株式会社UKCホールディングス(現株式会社レスターホールディングス)

2014年5月9日

業務提携

①マシンビジョン・ソリューション共同開発

②IP販売

③事業展開に資する経営資源の相互活用

④その他提携事項

資本提携

当社株式の保有

ヤマハ発動機株式会社

2019年5月10日

業務提携

①AI技術の応用によるアルゴリズム開発から製品搭載に至る最終製品化プロセスにおける協業

②低速度領域における自動・自律運転システムの開発

③ロボティクス技術を活用した農業領域等における省力化・自動化システムの開発

④モビリティ製品全般に向けての先進安全運転支援システムの開発

資本提携

当社株式の保有

Cambrian Inc.

2021年4月29日

販売代理

①Cambrian社製ビジョンシステムの日本国内での独占販売

②Cambrian社製ビジョンシステムのアジア地域での販売

2021年5月3日

業務提携

①ソフトウェアの共同開発

②導入・技術コンサルティング

2021年6月10日

資本提携

Cambrian社株式の保有

 

 

5【研究開発活動】

1.研究開発体制

当社グループは、GPUに関わるIPコア、人工知能に関わるIPコア、ソフトウエア、ソリューションおよびモジュール並びにLSI開発に係る研究開発活動を行っております。

なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。

2.開発状況および開発成果

人工知能技術を用いた画像認識・解析に関わる組み込み機器向けハードウエアIPコアおよびソフトウエアの開発を進めております。また、これら技術を活用したソリューション提供も推進しており、グラフィックスLSIについてはアミューズメント業界向けにプラットフォームの量産出荷を行っております。

(1)開発状況

①人工知能に関わるソリューション開発

 人工知能に関わるIPコア技術を活用したソリューションや、顧客ニーズに合わせた人工知能関連ソリューション開発およびモジュール開発を推進しております。

 顧客ニーズに合わせたソリューション開発として、安全運転支援分野では、ドライブレコーダーを活用したDMS(Driver Monitoring System)やADAS(Advanced Driver Assistance System)向けソフトウエアの堅牢性の向上、機能拡張に加えて、顧客のカメラやエッジ上の低電力デバイスへの最適化を推進しております。また、本分野で蓄積した技術・ノウハウを活用し、公共交通機関における危険感知のPoC開発を行うなど、より広範な公共安全に資するソリューションの開発を行っております。

 ロボティクス分野では、低速車両をターゲットとした自律走行用パイプラインの堅牢性の向上、機能拡張を継続するとともに、資本業務提携先の米国Cambrian社の協働ロボット向けビジョンシステムと当社AI文字認識ソフトウエアを組み合わせ、高島ロボットマーケティング株式会社と「郵便物自動仕分けシステム」の共同開発を行いました。

②次世代グラフィックスLSIの開発

 株式会社バンダイナムコエンターテインメントと共同開発した、次世代アミューズメントプラットフォーム向けグラフィックスLSI「RS1」の開発では、本製品の量産を推進するとともに、顧客向けソフトウエアスタック開発を行っております。

 

(2)開発成果

①人工知能に関わるIPコア

 人工知能に関わるIPコア「ZIA™ DV720」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)で進めている、AIアクセラレータ開発のための評価プラットフォーム向け実証用評価チップ(AI-One)に搭載されました。同チップを実装した評価ボードを用いて実機での電力・性能の実証評価を行っております。また、2022年5月に公表のとおり、同じく「ZIA™ DV720」がTVS REGZA株式会社のテレビに採用されました。

②人工知能に関わるソリューション

2022年4月に公表のとおり、フランスProphesee社、株式会社レスターエレクトロニクスとともに、イベントベースビジョンテクノロジーを用いたエッジAIプラットフォームとインテグレーションサービスの提供を開始しました。本ソリューションにおいて、当社はProphesee社が用意した機械学習アルゴリズムからAI学習および推論モデル作成後、「ZIA™ DV720」を搭載したFPGAモジュール「ZIA™ C3」やその他エッジAIへのインテグレーションを行い、目標精度、性能の実現に向けてアルゴリズムからハードウエア化までの最適化を行います。

③GPUに関わるIPコア

 2022年3月に公表のとおり、3DグラフィックスIP「ant300」および2DグラフィックスIP「K3000」がOMデジタルソリューションズ株式会社のミラーレス一眼カメラに採用されました。

 

3.研究開発費

当連結会計年度における研究開発費総額は177百万円であります。