当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、パーパス「Making the Image Intelligent」のもと、当社創業以来のユニークな強みである画像インテリジェンスの力により、現実世界の問題を解決し、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスの創造に努めております。顧客課題、社会課題等の解決と収益・利益の獲得を両立させることにより、企業価値の向上を果たしてまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
世界的な社会・環境の大きなトピック・課題である「少子高齢化」、「気候変動」等に対して、その克服に社会や政界・経済界全体として取り組む機運が高まっています。当社グループは、これらの社会環境の変化をチャンスと捉え、社会・環境課題、顧客課題の解決に貢献することによって、利益を獲得し企業価値向上を実現することを、中長期的な経営戦略の基本方針としております。
①顧客製品・サービスの開発サイクル全体に亘る付加価値提供
企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体に亘り、アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアライセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開、付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図ってまいります。また、顧客プロジェクトで培ったテクノロジー・ノウハウに基づく標準製品・サービスの開発・提供により、顧客開発に柔軟、迅速に対応するとともに、利益率の向上を図ってまいります。
②注力市場での取り組み
当社は、創業以来の強みであるグラフィックス技術を生かし、絶対的な市場規模を持つアミューズメント分野に画像処理半導体を提供するキープレーヤーとして存在感を発揮しております。また、グラフィックス技術とそこから派生、涵養したAI(人工知能)・ディープラーニング技術を活用することで差異化が可能で、市場成長が期待でき、社会・環境課題解決にも貢献するロボティクス・セーフティ分野およびその応用ドメインに注力しております。
a. アミューズメント分野
当社の画像処理半導体RS1は、従来別々の半導体を使用していた2Dタイトルと3Dタイトルの共通プラットフォーム化を実現し、さらには、遊技機向けに仕様を最適化したことで、複数の基板で構成された機能のワンボード化も可能にしております。これにより遊技機メーカーの課題である遊技機の製造コスト削減や、コンテンツ開発環境の統合によるタイトル開発コストの削減が可能になります。
当社は、このユニークな2D・3D統合チップであるRS1を引き続きスマートパチスロ(スマスロ)を含むパチスロやパチンコ向けに量産出荷するとともに、その優位性を発揮できる市場セグメントにおけるシェア拡大を目指してまいります。
b. ロボティクス・セーフティ分野
当社は、ロボティクス分野では、ローコストで環境変動に強いビジュアルSLAM(VSLAM)であるZIA SLAMとそれをベースにした自律運転のフルパイプラインであるZIA MOVEおよび高速かつ高精度な距離推定を実現するステレオビジョンIPであるZIA SVを取り揃えております。ロボット導入効果の高い製造業、運輸物流業、建設業、ビルの施設管理等向けのサービスロボットの開発においてAMR/AGVベンダー、サービスプロバイダーとの協業を進めてまいります。協働ロボットの目の役割を果たすCambrianビジョンシステムのビジネスについては、精度、速度、ピッキング対象の広範さ、外乱光に対する堅牢性等の競合他社優位性が評価され、顧客製造インラインへの本格導入を含む製品納入や商談が進捗しております。今後は、インライン化を加速させ、ビジネス規模の拡大を図ってまいります。
また、セーフティ分野では、ドライブレコーダーを活用したリアルタイムの事故防止やヒヤリハット事象を活用した安全運転教育の需要に対して、クラウド(ZIA Cloud SAFE)からエッジ(ZIA SAFE)までの一貫サービスが提供できる競争優位性を生かし、初期ライセンスやプロフェッショナルサービスの提供に加えて、リカーリングビジネスを展開しております。加えて、ドライブレコーダーの活用に留まらず、市場拡大が期待できるより広範なセーフティ領域であるスマートシティ関連(人の属性・流れ・数、危険検知・予知等)の分野において、PoC案件の発掘・獲得から商用化に取り組んでおります。
近年、人間の作業者と同じ空間で稼働する協働ロボットや物流倉庫の自律搬送ロボット等の普及が進んでいます。ロボティクス技術の進化と社会実装が進むほど、人・モノとの接触やそのリスクを検知するセーフティ技術が重要となっています。ロボティクスとセーフティの両分野を統合的に捉えたビジネスの可能性を追求してまいります。
③新たな事業による成長の加速
新たに取り組む次世代エッジ半導体事業とFA事業のダブルの成長エンジンにより、更なる収益拡大を目指してまいります。
低消費電力、高性能、高いセキュリティ要件を同時に満たす革新的なエッジAI半導体をモビリティ、スマートファクトリー、ドローン、スマートカメラ等の成長市場に投入することによって、収益拡大を図ってまいります。
また、FA事業においても、AMR、AGFといったロボット本体やそのコントローラー、センサー、モーターなどロボットを構成するキーコンポーネントとソフトウエアをワンストップで提供することにより、拡大する物流業/製造業スマート化の需要を取り込み、事業の成長を図ってまいります。加えて、提携製品と当社の画像認識技術・AI技術、画像半導体技術の融合により、更なる競争力強化を図り、市場シェアの拡大を目指してまいります。
両事業をアミューズメント事業に続く第二、第三の事業の柱とし、企業価値の飛躍的な向上を図ってまいります。
(1) サステナビリティの基本方針と取組み
当社グループは、存在意義ともいえるパーパス「Making the Image Intelligent」のもと、当社創業以来のユニークな強みである画像インテリジェンスの力により、現実世界の問題を解決し、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスの創造に努めております。パーパスを起点とし、社会および当社の中長期的な持続可能性の観点から、取締役会での決議を経て、サステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)として「事業活動を通じた持続可能な社会の実現」を特定し、それを支える「人的資本のアライメントと充実」とともに、方針とKPIを定めております。
また、当社グループは、社会・環境の課題・リスクを成長の機会と捉え、社会・環境課題、顧客課題の解決に貢献することによって、利益を獲得し企業価値向上を実現することを、中長期的な経営戦略の基本方針と位置付けることにより、サステナビリティと中期経営計画の統合の取組みを行っております。
(2) サステナビリティ重要課題に対する取組み
[事業活動を通じた持続可能な社会の実現]
当社グループは注力分野であるロボティクス分野およびセーフティ分野において、少子高齢化による労働人口不足の克服、安心安全社会の実現といった持続可能な社会の実現に資する製品・サービスの創造、提供を進めております。また、IPコアライセンス事業において、低炭素社会の実現に資する製品・サービスの創造、提供を進めております。
① ガバナンス
サステナビリティに関する方針や計画および進捗は毎月の定時取締役会にて審議、報告されます。また、年一回事業計画立案時、並びに必要性に応じて社長によるレビューを行い、各部門およびグループ会社の重要課題を確認し、取締役会にフィードバックされます。
② 戦略
ロボティクス分野では、労働人口減少の克服に向けて、製造業、運輸物流業、農業を始めとした様々な産業における省人・省力化、生産性向上の取組みがされている中、自律走行ロボットや協働ロボットの市場拡大が予想されています。当社グループは、自律走行ロボットの開発に資する製品・サービスの創造・提供、並びに協働ロボットの目の役割を果たすCambrianビジョンシステムのビジネスの拡大により、労働人口減少の克服に貢献してまいります。
セーフティ分野では、ドライブレコーダーを活用したリアルタイムの事故防止やヒヤリハット事象を活用した安全運転教育の需要が拡大しております。当社グループは、クラウドからエッジまでの一貫サービスが提供できる競争優位性により、安全運転実現に貢献するとともに、より広範なセーフティ領域であるスマートシティ関連(人の属性・流れ・数、危険検知・予知等)の分野における製品・サービスの創造・提供により、安心安全社会の実現に貢献してまいります。
また、普及が進む協働ロボットや物流倉庫の自律搬送ロボットは人間の作業者と同じ空間で稼働します。ロボティクス技術の進化と社会実装が進むほど、人・モノとの接触やそのリスクを検知するセーフティ技術が重要となっています。ロボティクスとセーフティの両分野を統合的に捉えたビジネスを追求することにより、さらなる持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
さらには、その他分野(ディジタル機器向けAI/GPU IPコアライセンス事業等)や2025年3月期に開発に着手し、2026年3月期に事業開始予定の次世代エッジAI半導体事業において、顧客製品の省電力化ひいては低炭素社会の実現に資する製品・サービスの創造・提供を進めてまいります。
③ リスク管理
リスク管理については、年一回事業計画立案時、並びに必要性に応じて社長によるレビューを行い、サステナビリティに関わる潜在的なリスクや機会を特定し、適切な対策を講じます。その実効性の評価は、監査役や内部監査部門が実施することで、透明性と信頼性を確保しております。
④ 指標及び目標
ロボティクス分野、セーフティ分野およびその他分野の売上高をKPIとしております。
2025年3月期は、主にセーフティ分野においてドライブレコーダー関連の新規案件が少なかったこと、並びにその他分野において前年度の大型メンテナンス・サポート案件が剥落したことにより、前年度実績を下回りました。
|
2024年3月期 |
2025年3月期 |
|
374百万円 |
298百万円 |
今後は、省電力性能に優れた次世代エッジAI半導体の販売、セーフティ分野・ロボティクス分野を融合した付加価値の高い差異化された製品やサービスの創出、提供も合わせ、売上高の成長を図ってまいります。
(3) 人的資本に関する取組み
当社グループには、世界各国からGPUやAIの優れた研究者・開発者が集まり、Diversity & Inclusion(多様な人材が集まり、皆が活かされていること)の経営理念のもと、国際競争力につながる多様な発想を生かした先進的な研究開発が行われています。
当社グループは、パーパスにある「現実世界の問題を解決し、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスの創造」には、パーパスに共感、共鳴する人材がそれを業務遂行や意思決定の指針とし、自らスキルを高め、革新的な製品・サービスを創造していく、好循環を作り出すことが重要と考えております。
① 戦略
挑戦する風土の醸成、自律的キャリアの形成、優秀な人材の育成・採用、生産性向上に資する人事施策を推進するとともに、パーパスへの共感、共鳴を含む従業員のエンゲージメント向上を重視した施策を実行してまいります。
(a) 人材の育成に関する方針
<人材の多様性確保>
新卒採用、キャリア採用とも、年齢、性別、国籍に関係なく、有能で多様な人材を採用しており、特に外国人技術者については、これまで世界十数か国の出身者を採用し、常時十数名程度の外国人技術者が勤務しております。過年度においては外国人技術者を部署長、部門長に任命、さらには取締役に選任した実績があり、また、連結子会社(在ベトナム)においても女性技術者が開発プロジェクトの責任者を務めるなど、外国人技術者、女性技術者の積極採用とその定着、育成、登用に努めております。
また、過年度において、年齢、性別、国籍に関係なく、所定の要件を満たす従業員に対し、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを付与し、中長期的かつ持続的な勤務を促すこと等を目的として、譲渡制限付株式付与制度を導入しております。
<人材育成>
自社開発案件、顧客からの受託開発案件、協業先との共同開発案件等の様々な業務遂行を通じて能力、専門知識の向上を図り、人材の育成を図ることはもちろん、コンプライアンス、ハラスメント防止、情報セキュリティに係る全社員を対象としたテーマ別研修や新入社員(新卒、中途)研修、ジュニア・ミドル社員研修、新任マネージャー研修等の基本的な階層別研修の実施に加え、部門長クラス向けに経営幹部養成研修の受講を推奨、支援しております。
(b) 社内環境整備に関する方針
<労働環境の整備>
a. フレックスタイム制、在宅勤務制を採用し、柔軟な働き方を実現しております。
b. 技術者については、かねてより専門業務型裁量労働制を導入し、基本的に全員を対象として適用しております。
c. 以下の通り、法令の要件を上回る優遇措置を実施しております。
・健康管理制度
事業場の労働者数が少数(50人未満)のため、労働安全衛生法上の実施義務はありませんが、以下の施策を継続して実施し、従業員の心身の健康維持、増進に努め、同法が定める努力義務を果たしております。
・ストレスチェックの実施
・産業医の選任
・産業医による長時間労働(60時間超で設定、法定は80時間超)発生時の個別健康相談
・健康診断結果、ストレスチェック結果の産業医による個別フォローアップ面談指導
・衛生委員会の設置、定例開催
・育児短時間勤務制度
改正育児・介護休業法の施行に伴い、法が定める育児短時間勤務制度における適用年齢は「小学校就学前」のところ、育児・介護休業規程において、その適用年齢を「小学校4学年修了まで」と定め、適用しております。
<エンゲージメント向上施策>
a. 表彰制度の設定・周知により、社内の称賛文化の醸成、普及、浸透に努めております。
b. タウンミーティングの実施により、経営陣と社員との対話型コミュニケーションを図り、双方向の意思疎通、理解を深め、ボトムアップも意識しております。
c. 従業員エンゲージメント調査を定期的に継続して実施し、経時変化、人員構成変動に伴う変化等を把握、分析し、エンゲージメントの改善・向上施策に役立ててまいります。
d. 会社がその活動費を補助する社内同好会制度の導入・運用により、業務以外の交流を促進することで、社内コミュニケーションの活性化、従業員のエンゲージメント向上に努めております。
連結子会社については、在外子会社1社のみであり、設立後の経過年数は未だ5年で、事業規模、組織・人員規模は極めて小規模であるため、提出会社と同様の上記方針を導入しておりません。
② 指標および目標
従業員のエンゲージメントの状態を表す従業員エンゲージメント指標をKPIとしておりますが、同指標につきましては、複数年に亘るエンゲージメント調査の実施結果とその経年変化等を勘案し、数年後に目標設定、開示することが適切と考えております。
その他の指標、目標につきましても、今後の業績、組織・人員体制等の変化をふまえ、実効性ある最適な管理指標の採用、目標の設定を引き続き慎重に模索、検討してまいります。
上記①に記載の提出会社における各方針に係る当年度の実績(特記事項)は、以下のとおりであります。
<人材の多様性確保>
外国人技術者は、新たに1名採用いたしました。
<エンゲージメント向上>
a. 経営陣と社員との対話型コミュニケーションを図り、双方向の意思疎通、理解を深めるため、全社員を対象としたタウンミーティングを例年通り実施いたしました。
b. 従業員エンゲージメントの改善・向上を図るため、第2回、第3回従業員エンゲージメント調査(45問、4点リッカート尺度)を実施し、10点満点中、全項目の総合平均点はそれぞれ7.0点、7.2点となりました。
c. 社内同好会制度を新たに導入し、従業員の提案により5つの同好会が設立され、延べ36人の従業員が参加しています(一人2同好会まで参加可能)。
<労働環境の整備>
a. コアタイム(1日のうち、必ず就業しなければならない時間帯)がないフレックスタイム制(フルフレックス制)を新たに導入し、より柔軟な働き方を可能としました。
連結子会社については、在外子会社1社のみであり、設立後の経過年数は未だ5年で、事業規模、組織・人員規模は極めて小規模であるため、提出会社と同様の施策を実施しておりません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する項目のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)並びに株価等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、そのリスクの複雑性から明確化は難しいものの、当社グループが研究開発を重視したファブレス半導体・IPベンダーであるという特性とリスクの関係性の高さから、「特に重要なリスク」と「重要なリスク」に分類しております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(特に重要なリスク)
①技術の進展等について
当社の事業は、画像処理やグラフィックス処理技術およびAI技術に密接に関連しておりますが、これらの技術の進展は著しく、短期間で新製品が発売され、高機能化も進んでおります。
当社としては、技術動向を注視しつつ、技術力を向上させることで、技術の進展に対応していく方針であります。しかしながら、当社が予想しない新技術の開発・普及により事業環境が急変し、当社が迅速または適切に対応できない場合、または、競合他社が当社を上回る技術を開発し、当社技術が陳腐化した場合には、当社の製品・サービスの売上減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
②販売先の市場動向による経営成績への影響について
当社製品は、アミューズメント機器、車載製品、産業機器、モバイル・コンシューマー機器等の市場向けであり、これら顧客の機器製品にソフトウエアおよびハードウエアとして組み込まれて使用されております。これら市場の製品はいずれもライフサイクルが短く、技術革新のスピードも早いため、当社の売上・利益を維持し、増大させるためには、市場の動向を見極めた上で新市場の開拓を積極的に行う必要があります。
当社としては、日頃から顧客や外部機関等からの情報を分析することにより、市場動向の変化に応じて、新規製品の開発、新市場の開拓に取り組んでおりますが、これら市場の動向に当社の予想以上の変化があり、当社の新規製品の開発または新市場の開拓が遅れた場合には、当社の製品・サービスの売上減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③研究開発について
当社は、画像処理、グラフィックス処理、AI等の分野において、今後のニーズの変化に対応できる新技術と新製品の開発を行っております。このための各研究開発プロジェクトは、成長する市場が必要とする機能を想定しながら実施しておりますが、投下した研究開発費の全てを回収できるとは限らず、この場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、何らかの事情で開発が大幅に遅れたり、開発自体が頓挫する事態に至った場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④人材の確保・育成について
当社は、今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。そのため、人材に報いるための報酬体系、株式報酬制度等を導入しておりますが、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社の事業拡大が制約を受けることにより、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(重要なリスク)
①代表者への依存について
当社の代表取締役である山本達夫氏は、過去にエンジニアとして従事していた経験もあり、当社の事業内容、技術全般に精通しております。また、これまでに培った広い人脈を活かして、自ら国内外への営業活動も行っており、当社の技術面・営業面での同氏への依存度は高くなっております。
このような状況下において、退任等何らかの要因により、山本氏の当社における業務執行が困難となった場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績等および事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
②LSI製品の販売体制について
当社は、LSI製品の販売は商社を介した代理店販売を基本としております。当社の主要販売代理店である株式会社レスターに対する当連結会計年度の売上高は2,777百万円で全売上高の90.2%を占めており、その大半はLSI製品の売上高であります。同社含め販売代理店とは良好な関係を構築しておりますが、今後販売代理店との関係に問題が生じた場合には、LSI製品の販売に支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③LSI製品の製造委託について
当社は、製造設備を持たない会社として研究開発業務に特化した事業活動を行っておりますので、LSI事業の製品製造に関しては半導体メーカーやモジュールメーカーに委託しております。製造委託先については、その技術水準、製造能力、管理能力、経営安定度等を慎重に検討した上で、選定しております。しかしながら、製造委託先において十分な生産枠が確保できない場合や通常想定することができない事象により製造委託先の設備に問題等が発生するなど、何らかの理由により委託先における製造に支障が生じた場合、または、委託先との製造委託契約が終了し、適切な代替委託先が確保できない場合、LSI製品の製造に支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④半導体、部材等の供給不足について
当社はファブレス企業であるため、製品事業において、製造委託先や仕入先に製品の製造を依存しております。そのため、生産ラインの事前確保、製品・支給部品の早期発注等により、機会損失を可能な限り低減させておりますが、世界的な需要増やサプライチェーンの脆弱性等に伴う半導体、部材等の供給不足の影響により、当社への製品納入が停滞した場合には、当社の製品売上の減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、半導体・部材の供給不足により、当社のLSI製品、IP、ソフトウエア等を搭載した顧客製品の製造が停滞した場合にも、当社の製品売上やロイヤリティ収入の減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤第三者の知的財産権を侵害する可能性について
当社は当連結会計年度末現在において、提供するIPコア・LSI製品の技術および制作する表現物等に関して、第三者より知的財産権を侵害する旨のクレーム、侵害訴訟等を提起する等の通知は受けておりません。
当社は、当社のIPコア技術が第三者の特許権を侵害する可能性につき調査を行っておりますが、当社が提供するIPコア・LSI製品の技術および表現物等が、特許権その他第三者の知的財産権を侵害する可能性を完全に排除することは困難であり、今後このような第三者の知的財産権を侵害する旨のクレームを受け、または侵害訴訟を提起され、当社の事業が差し止められ、または損害賠償等の金銭的な負担を強いられる等の結果となった場合、当社の経営成績等および社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
⑥自然災害及び事故等について
当社及び当社取引先の事業拠点が、地震、台風等の自然災害や火災等の事故、テロ等により被害を受けた場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦感染症等の流行について
新興の感染症等の流行により遊技機市場が著しく低迷した場合や顧客の開発投資意欲が低下した場合、それぞれ当社の画像処理プロセッサー「RS1」の販売減少やプロフェッショナルサービス事業の停滞により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧情報管理体制について
当社は研究開発をはじめとする当社の事業活動に際して情報管理が重要であると認識しており、このため、コンピューター・ウィルスの検知、ファイアウォールの構築等の外部からの侵入に対する予防策および情報へのアクセス可能な管理者の制限、当社と役職員および顧客等との間における機密保持契約の締結、入退出管理等の情報流出対策を講じるとともに、ハード面での障害時により業務への支障が生じないようデータ管理の多重化を行うなど、情報管理に関するシステムと社内体制の構築を行っております。
しかしながら、これらのシステム・体制によっても情報漏洩の可能性を完全に排除することは困難であり、今後何らかの理由により当社の技術情報等重要な情報が社外に流出した場合、当社の競争優位性が損なわれ、当社の経営成績等および事業運営に影響する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用の緩やかな改善、名目賃金の増加、企業部門の堅調な業績等により、景気は緩やかに回復しました。しかし、円安の継続、物価やエネルギーコストの高騰等による経済、国民生活に与える影響が顕在化しています。また、世界の景気も総じて持ち直しの動きが見られましたが、金融引き締めによる影響に加え、中国経済の先行き懸念、足元の地政学的リスクの増大など下振れリスクに留意が必要です。
当社グループの属する半導体業界では、2023年に底打ちした市場を生成AI(人工知能)向け需要が牽引しています。中期的にも、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTやAI、ビッグデータ、次世代高速通信規格、自動運転向け等の需要拡大が見込まれます。
当社グループの事業領域であるAI/ビジュアル・コンピューティング分野においては、少子高齢化に伴う労働人口の減少、気候変動等の社会・環境課題の解決や安全安心社会の実現に向けたイノベーションの加速やAIの果たす役割の増大が予想されます。
このような環境下において、当社グループは、「Making the Image Intelligent」というパーパスのもと、当社の創業来の強みである画像インテリジェンス(画像の知能化)の力で現実世界の問題を解決し、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスを創造することに取り組んでおります。アミューズメント分野およびIP分野の安定成長による確固たる事業基盤のもと、ロボティクスおよびセーフティ分野、その応用分野である半導体製造装置領域等において、企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体をサポートしております。また、アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアライセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開し、付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図っております。
当連結会計年度の注力分野における具体的な取り組みと成果としては、まずセーフティ分野において、安全運転支援向けにエッジからクラウドに亘る既存プロジェクトからのリカーリング収益を獲得するとともに、より広範なセーフティ分野向けを中心にプロフェッショナルサービスを提供いたしました。
ロボティクス分野においては、自律走行ロボット(AMR)向けのZIA MOVEライセンス提供に加えて、自律走行ロボット領域、半導体製造装置領域、映像点検領域、モデルベース開発ツールのRTMapsに関連した建設機械領域向け等にプロフェッショナルサービスを提供しました。また、資本業務提携先のCambrian社のピッキングロボット向けビジョンシステムについては、透明パーツ、光沢パーツの認識精度や外乱光等の環境変化へのロバスト性の競争優位性が評価され、製造インラインへの本格導入を含む製品納入や商談が進捗するとともに、各種展示会への出展によるマーケティング・リード獲得を推進いたしました。更には、世界をリードする中国ロボティクス企業3社と販売代理店契約を締結し、AMR、AGF(無人搬送フォークリフト)といったロボット本体やそのコントローラー、センサー、モーターなどロボットを構成するキーコンポーネントとソフトウエアの提供を2025年4月より開始いたしました。当社開発のVisual SLAMに加えてLiDARベースの製品を揃え、AMR向けにワンストップソリューションを提供してまいります。
アミューズメント分野においては、スマートパチスロを含むパチスロやパチンコ向けに画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、引き続きこのユニークな2D・3D統合チップの優位性を発揮できる市場セグメントにおけるシェア拡大を目指しております。
新たな取り組みとして、2025年2月13日に公表した「新たな事業の開始に関するお知らせ」に記載の通り、高い画像処理技術を持つ台湾iCatch Technology社を戦略的パートナーとして、今後成長が期待されるエッジAI市場向けに次世代エッジAI半導体事業を開始いたしました。低消費電力、高性能、高いセキュリティ要件を同時に満たす革新的なエッジAI半導体を実現することで、世界の急速なエッジAIニーズの拡大に応えるとともに、本事業をアミューズメント事業に続く当社の長期的な事業基盤、成長エンジンとしてまいります。開発は順調に進んでおり、事業(販売)開始は2026年3月期第4四半期を予定しております。
当連結会計年度の業績につきましては、製品事業において画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、Cambrianビジョンシステム等を出荷いたしました。IPコアライセンス事業においては、GPUやロボティクス向け新規ライセンス収入、AI/GPUランニングロイヤリティ収入、セーフティ分野およびロボティクス分野におけるリカーリング収益、メンテナンスサポート収入等を計上いたしました。また、プロフェッショナルサービス事業においては、AI/GPU受託開発サービスを提供いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、3,077百万円(前連結会計年度比2.0%増)、営業利益は265百万円(前連結会計年度比19.2%減)、経常利益は271百万円(前連結会計年度比17.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は157百万円(前連結会計年度比52.6%減)となりました。
なお、第3四半期連結会計期間に上記の次世代エッジAI半導体の開発費79百万円を計上しております。また、第4四半期連結会計期間に、特別損失として投資有価証券評価損42百万円を計上するとともに、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産45百万円を取り崩すこととし、法人税等調整額に計上いたしました。
当社グループは、単一セグメントであるためセグメント別の記載はしておりませんが、事業別業績の概要は以下のとおりであります。
①IPコアライセンス事業
ディジタルスチルカメラ、4Kテレビ、OA機器等のディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入に加え、セーフティ分野およびロボティクス分野におけるリカーリング収益、GPU/ロボティクス新規ライセンス収入およびメンテナンスサポート収入の計上により、売上高は124百万円(前年同期170百万円)となりました。
②製品事業
「RS1」の堅調な量産出荷に加えて、Cambrianビジョンシステム等の売上の計上により、売上高は2,855百万円(前年同期2,758百万円)となりました。
③プロフェッショナルサービス事業
ロボティクス分野、セーフティ分野におけるAI受託開発サービスならびにアミューズメント分野における受託開発サービスの提供により、売上高は97百万円(前年同期87百万円)となりました。
また、分野別業績の概要は以下のとおりであります。
①セーフティ分野
主に、IPコアライセンス事業におけるリカーリング収益およびより広範なセーフティ分野向けプロフェッショナルサービスの提供により、売上高は38百万円(前年同期71百万円)となりました。
②ロボティクス分野
主に、IPコアライセンス事業におけるAMR向けの新規ライセンス提供、製品事業におけるCambrianビジョンシステムの売上計上およびAMR領域、半導体製造装置領域、映像点検領域向けを含むプロフェッショナルサービスの提供により、売上高は168百万円(前年同期168百万円)となりました。
③アミューズメント分野
主に、「RS1」の量産出荷売上の計上により、売上高は2,779百万円(前年同期2,642百万円)となりました。
④その他分野
主に、IPコアライセンス事業におけるGPU新規ライセンス提供、ディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入およびメンテナンスサポート収入の計上により、売上高は90百万円(前年同期134百万円)となりました。
(2)当期の財政状態の概況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計額は4,092百万円となり、前連結会計年度末に比べ172百万円増加しました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が158百万円及び売掛金及び契約資産が165百万円増加し、現金及び預金が73百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債および固定負債は合計で480百万円となり、前連結会計年度末に比べ18百万円増加しました。これは主に、買掛金が114百万円増加し、未払法人税が32百万円及び未払消費税が47百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計額は3,611百万円となり、前連結会計年度末に比べ153百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が157百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は88.2%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,529百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、93百万円の収入となりました。主な増加要因は、減価償却費27百万円及び税金等調整前当期純利益229百万円、仕入債務の増加額114百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額165百万円及び未払消費税の減少額47百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、167百万円の支出となりました。主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出158百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローはありません。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
93.5 |
89.2 |
81.3 |
88.2 |
88.2 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
250.2 |
128.5 |
225.1 |
308.5 |
134.9 |
2021年3月期より連結ベースの財務数値により計算しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(4)生産、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
|
仕入実績(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
|
IPコアライセンス事業 |
- |
- |
|
製品事業 |
1,705,029 |
101.6 |
|
プロフェッショナルサービス事業 |
- |
- |
|
合計 |
1,705,029 |
101.6 |
(注)金額は仕入価格によっております。
b.受注状況
当連結会計年度の受注状況を事業部門別に示すと次のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|||
|
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前連結会計年度比 (%) |
|
|
IPコアライセンス事業 |
- |
- |
- |
- |
|
製品事業 |
82,982 |
1.9 |
287,151 |
9.4 |
|
プロフェッショナルサービス事業 |
90,512 |
95.6 |
586 |
7.8 |
|
合計 |
173,495 |
3.9 |
287,738 |
9.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.IPコアライセンス事業には、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
|
販売実績(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
|
IPコアライセンス事業 |
124,558 |
72.9 |
|
製品事業 |
2,855,737 |
103.5 |
|
プロフェッショナルサービス事業 |
97,426 |
111.8 |
|
合計 |
3,077,721 |
102.0 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社レスター |
2,641,612 |
87.6 |
2,777,354 |
90.2 |
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状況および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりです。
・売上高 3,077百万円(前連結会計年度比2.0%増)
製品(RS1)の売上に加えて、IPの新規ライセンス、ランニングロイヤリティ収入、プロフェッショナルサービスにおけるAI関連の受託開発売上等を計上しました。詳細は、後述の事業別の経営成績(売上高)に関する認識および分析・検討結果に記載のとおりであります。
・売上総利益 1,323百万円(前連結会計年度比3.8%増)、売上総利益率42.9%
売上原価に製品の仕入原価、プロフェッショナルサービスに係る受託開発原価等を計上したことによるものです。
・販売費及び一般管理費 1,057百万円(前連結会計年度比11.8%増)
労務費、研究開発費等を計上しました。
・営業利益 265百万円(前連結会計年度比19.2%減)
・経常利益 271百万円(前連結会計年度比17.8%減)
・親会社株主に帰属する当期純利益 157百万円(前連結会計年度比52.6%減)
第3四半期連結会計期間にエッジAI半導体の開発費79百万円を計上しています。また、第4四半期連結会計期間に、特別損失として投資有価証券評価損42百万円を計上するとともに、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産45百万円を取り崩すこととし、法人税等調整額に計上しました。
・1株当たり当期純利益(EPS) 49円96銭(前連結会計年度1株当たり当期純利益105円33銭)
当社グループは単一セグメントでありますが、当連結会計年度の事業別の経営成績(売上高)は以下のとおりです。
・IPコアライセンス事業 124百万円(前連結会計年度170百万円)
当連結会計年度は、ディジタル機器向けGPU IPの新規ライセンス収入、安定的なセーフティ分野のリカーリング収益やディジタル機器向けGPU関連のランニングロイヤリティ収入等を計上しましたが、前年同期のGPU IPメンテナンスサポート大型案件の剥落により売上高は減少しました。
・製品事業 2,855百万円(前連結会計年度2,758百万円)
当連結会計年度は、当社の画像処理半導体「RS1」の堅調な量産出荷に加えて、Cambrianビジョンシステム等の売上等を計上したことにより、売上高は伸長しました。
・プロフェッショナルサービス事業 97百万円(前連結会計年度87百万円)
当連結会計年度は、AI受託開発サービスにおいて、より広範なセーフティ分野向け、ロボティクス分野では、自律走行ロボット向け、半導体製造装置向け、建設機械向けのプロフェッショナルサービス収入を計上したことにより、売上高は増加しました。
当連結会計年度末の財政状況は以下のとおりです。
・流動資産 3,297百万円(前連結会計年度3,272百万円)
主な内訳は、現金及び預金2,529百万円、売掛金及び契約資産411百万円、有価証券200百万円であります。
・固定資産 794百万円(前連結会計年度647百万円)
主な内訳は、有形固定資産40百万円、ソフトウエア仮勘定158百万円、投資有価証券536百万円であります。
・流動負債 461百万円(前連結会計年度443百万円)
主な内訳は、画像処理半導体の仕入計上に伴う買掛金310百万円、未払金89百万円、契約負債23百万円であります。
・固定負債 19百万円(前連結会計年度18百万円)
・純資産 3,611百万円(前連結会計年度3,457百万円)
主な内訳は、資本金1,838百万円および資本剰余金1,858百万円、親会社株主に帰属する当期純利益157百万円を計上した結果による利益剰余金△86百万円であります。
・自己資本比率 88.2%
以上の財政状況および経営成績の状況を踏まえた経営者の視点による分析・検討内容は以下のとおりです。
・当連結会計年度の経営成績は、アミューズメント市場向けグラフィックプロセッサー「RS1」の増収に加えて、ロボティクス分野のプロフェッショナルサービス事業の伸長が、IPコアライセンス事業におけるメンテナンスサポート大型案件の剥落をカバーし、売上高は前連結会計年度比2.0%増となりました。利益面は、主にエッジAI半導体の開発費79百万円を研究開発費に計上したこと、特別損失として投資有価証券評価損42百万円を計上したこと、並びに繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産45百万円を取り崩すこととし、法人税等調整額に計上したことにより、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ73百万円減少し2,529百万円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
・営業活動によるキャッシュ・フロー 93百万円の収入(前連結会計年度は660百万円の収入)
主な増加要因は、減価償却費27百万円および税金等調整前当期純利益229百万円、仕入債務の増加額114百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額165百万円及び未払消費税の減少額47百万円であります。
・投資活動によるキャッシュ・フロー 167百万円の支出(前連結会計年度は500百万円の支出)
主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出158百万円であります。
・財務活動によるキャッシュ・フロー 0百万円の収入(前連結会計年度は0百万円の支出)
財務活動によるキャッシュ・フローはありません。
当社の運転資金需要のうち主なものは、製造委託しているLSI製品の仕入費用および製造費用、販売費および一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、半導体開発投資、設備投資、システム投資等によるものです。当社は、運転資金ならびに投資目的の資金需要には、主として自己資金を充当することを基本方針としております。この方針に従い、当連結会計年度における半導体開発費用、運転資金、IT機器等の設備投資資金については、自己資金を充当しました。
今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、事業拡大に向けた技術優位性の維持向上と開発体制の強化のための人的投資等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、自己資金を充当する予定であります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
業務資本提携契約
|
相手方の名称 |
契約締結日 |
契約内容 |
|
株式会社UKCホールディングス(現株式会社レスター) |
2014年5月9日 |
業務提携 ①マシンビジョン・ソリューション共同開発 ②IP販売 ③事業展開に資する経営資源の相互活用 ④その他提携事項 資本提携 当社株式の保有 |
|
ヤマハ発動機株式会社 |
2019年5月10日 |
業務提携 ①AI技術の応用によるアルゴリズム開発から製品搭載に至る最終製品化プロセスにおける協業 ②低速度領域における自動・自律運転システムの開発 ③ロボティクス技術を活用した農業領域等における省力化・自動化システムの開発 ④モビリティ製品全般に向けての先進安全運転支援システムの開発 資本提携 当社株式の保有 |
|
Cambrian Inc. |
2021年4月29日 |
販売代理 ①Cambrian社製ビジョンシステムの日本国内での独占販売 ②Cambrian社製ビジョンシステムのアジア地域での販売 |
|
2021年5月3日 |
業務提携 ①ソフトウエアの共同開発 ②導入・技術コンサルティング |
|
|
2021年6月10日 |
資本提携 Cambrian社株式の保有 |
|
|
2023年11月29日 |
追加出資 Cambrian社株式の追加取得 |
|
|
iCatch Technology Inc. |
2024年9月30日 |
次世代エッジAI半導体の開発および販売 ①基本契約 ②ASIC開発およびSoC販売 ③IPライセンス契約 ④SDKライセンス契約 |
(注)「企業内容等の開示に関する内閣府令および特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(令和5年12月22日内閣府令第81号)附則第3条第4項の規定により、2024年4月1日前に締結した契約については記載を省略しております。
1.研究開発体制
当社グループは、GPUに関わるIPコア、人工知能に関わるIPコア、ソフトウエア、ソリューションおよびモジュール並びにLSI/SoC開発に係る研究開発活動を行っております。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。
2.開発状況および開発成果
人工知能技術を用いた画像認識・解析に関わる組み込み機器向けハードウエアIPコアおよびソフトウエア並びにエッジAI半導体の開発を進めております。また、これら技術を活用したソリューション提供も推進しており、グラフィックスLSIについてはアミューズメント業界向けに量産出荷を行っております。
(1)開発状況
①エッジAI半導体の開発
FP4/ViT対応 4TOPS NPU、Stereo Visionアクセラレータ、2D GPUレンダリングエンジン、4K HDR ISP等をワンチップ化した次世代エッジAI SoC「Di1」の開発に着手しました。
②人工知能に関わるIPコアの開発
FP16~FP4/INT8混在演算に対応した40TOPS超のスケーラブルNPU IP「A3000V2」を開発しました。
③人工知能に関わるソリューションの開発
人工知能に関わるIPコア技術を活用したソリューションや、顧客ニーズに合わせた人工知能関連ソリューション開発を推進しております。
セーフティ分野では、モデルベース開発(MBD)ツールであるdSPACE社RTMapsに連携させたDMS(Driver Monitoring System)ライブラリをリリースしました。
ロボティクス分野では、低速車両をターゲットとした自律走行用パイプラインである「ZIA SLAM」、「ZIA MOVE」の堅牢性の向上、機能拡張、精度向上を継続するとともに、マルチロボット制御機能の強化を行いました。また、高速・高精度な距離計測を実現するStereo Vision IP「ZIA SV」を活用した架線検知アルゴリズムを開発しました。
④アミューズメントプラットフォーム向けグラフィックスLSI等の開発
株式会社バンダイナムコセブンズと共同開発した、次世代アミューズメントプラットフォーム向けグラフィックスLSI「RS1」の量産を継続するとともに、顧客向けサポートを行っております。
(2)開発成果
①エッジAI半導体の開発
開発は順調に進捗しており、2026年3月期第4四半期に事業(出荷)開始を予定しております。
②人工知能に関わるIPコアの開発
「A3000V2」のSoC/FPGA事前検証環境を提供し、国内車載カメラSoCベンダーで評価が進行中であります。
③人工知能に関わるソリューション
セーフティ分野では、ドライブレコーダーを活用した安全運転支援分野において、エッジからクラウドに亘る既存プロジェクトからのリカーリング収益を獲得するとともに、新規顧客や既存顧客の新規プロジェクト向けに新規ライセンスやプロフェッショナルサービスを提供しております。また、モデルベース開発プラットフォームに関連したプロフェッショナルサービスを建設機械向けに提供しました。
ロボティクス分野では、低速車両をターゲットとした自律走行用パイプライン「ZIA MOVE」を複数社に評価ライセンスを提供しました。株式会社GEクリエイティブの最新AMRには量産採用が決定し、食品工場特有の複雑かつ厳しい環境においても、極めて高い精度と安定性を実現しています。加えて、建設重機「バックホウ」のアームが架空線や障害物等に接触する事故の防止という現場ニーズに応えるべく、2024年11月25日に島根県雲南市において、国土交通省中国地方整備局主導で「ZIA SV」の架線検知機能の実証実験が行われました。また、Cambrian社の協働ロボット向けビジョンシステムは、透明パーツ・光沢パーツを含む対象部品の認識精度・速度、および外乱光等の環境変化へのロバスト性の競争優位性が評価され、自動車産業を中心とした製造ラインへの複数導入を含む販売、商談が進捗するとともに、三品(食品、医薬品、化粧品)産業からの引合いが継続しております。
④アミューズメントプラットフォーム向けグラフィックスLSI
主にスマートパチスロを含むパチスロ向けに「RS1」の堅調な量産出荷を継続しております。
3.研究開発費
当連結会計年度における研究開発費総額は