第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、豊かで快適な生活の実現のため、『食』と『健康』で貢献することを使命とし、「日々新たに」をモットーに、以下を経営の基本としています。

・公正で透明性の高い経営を実践することにより、社会から信頼される企業を目指す。

・会社の業績向上を図ることにより、社会に貢献するとともに、従業員・お客様・株主などの信頼と期待にお応えする。

・健康に資する安全な製品・サービスを安定的に提供することにより、お客様の満足と安心を実現する。

 

(2)資本政策の基本的な方針

当社の資本政策は、以下の4点により構成しています。

①中長期的なROE向上

当社は、ROE(株主資本利益率)を持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉えています。売上高利益率、財務レバレッジ、および総資産回転率を常に改善し、2020年3月期5%、2025年3月期8%を目指してまいります。

②安定性の上に業績連動を加味した株主還元

株主還元については、株主資本配当率(DOE)の目標値を設定し、継続性・安定性を保持した上で、当期利益に対する比率(連結配当性向(DPR))目標を設定し、業績が好調な場合の連動性を高めた配当を実施します。配当に加え、自己株式の取得については、市場環境、資本効率等に鑑み適宜実施する可能性があります。

③長期的な成長と総資産回転率向上のための投資採択基準

長期的な成長と総資産回転率向上のための投資の規律として、リスクと戦略性のランク別に、投下資本利益率と投資回収期間を設定し、投資を厳選します。

④財務レバレッジの向上と安定性のバランス

成長投資の加速と株主還元の増大により、財務レバレッジを長期的に改善するとともに、継続的・安定的に企業理念を実現するため、健全なバランスシートを維持し、結果としてROEの持続的な改善を実現します。

 

当社では、こうした資本政策によって、成長投資と安定した株主還元を両立し、持続的な株主価値向上に努めていきます。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略および目標とする経営指標

当社グループは、上記の「(1)会社の経営の基本方針」および「(2)資本政策の基本的な方針」に基づいて、「拡大・成長」を主眼とする中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)を策定しています。

〔中期経営計画の要旨〕

・精製糖事業の経営品質・経営効率No.1企業を目指します。

・当社グループの強みを活かして新たな事業・商材に挑戦し、「総合甘味サプライヤー」として拡大・成長を図ります。また、ツキオカフィルム製薬をはじめとする国内外における新たな事業展開を推進します。

・健康産業事業における、美容・アンチエイジング・リラクゼーションをキーコンセプトとして時代のニーズに合わせた多様な店舗展開を推進します。

・以上の取り組みを支えるため、ガバナンス体制の整備、成長に向けた人材育成、業務効率化等の経営基盤強化を推進します。

 

当社グループは、ROEを持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉えており、以上の経営戦略により、2020年3月期ROE5%、2025年3月期ROE8%の達成を目指してまいります。

なお、中期経営計画は、次のURLからご覧いただくことができます。

(当社ウェブサイト)

https://www.nissin-sugar.co.jp/ir/investor/senryaku.html

 

また、これと並行し、現在、2021年3月期以降の中期経営計画を策定中であり、「豊かで快適な生活の実現のため、『食』と『健康』で貢献する。」という使命のもと、変化する環境に対応できる力強いビジョンを描いてまいります。

 

(4)経営環境および対処すべき課題

当社を取り巻く経営環境につきましては、主力の砂糖その他食品事業において、少子高齢化に伴う人口減少や嗜好の変化等の要因から、国内砂糖消費の減少が続いております。2018年12月30日には「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(TPP11協定)、2019年2月1日には日EU経済連携協定(EPA)が発効しました。競合商品である加糖調製品が現行の糖価調整制度の枠組みに組み入れられ、砂糖の調整金負担が軽減されたものの、加糖調製品に対する低関税輸入枠の設定など輸入量増大につながる制度も導入され、予断を許さない状況となっております。また、労働人口の減少に伴う人件費や物流費の高騰は、業績に重要な影響を与えております。

こうした状況のもと、2019年度を最終年度とする中期経営計画に基づき、精製糖事業の経営品質・経営効率No.1、総合甘味サプライヤー戦略による商材の拡充と国内外における事業領域の拡大に向けた施策を実施しております。

精製糖事業においては、今福工場(大阪市城東区)において、製品品質の安全・安心の向上を目指したFSSC22000認証を全製品に拡大いたしました。2019年度は、同工場において、販売好調の「きび砂糖」の需要増に対応した設備の竣工・稼働を目指してまいります。

2017年に当社子会社に加わったツキオカフィルム製薬株式会社につきましては、食用純金箔事業において、皇位継承に伴う全国的な祝賀ムードを背景として売上高を順調に伸ばしており、また、フィルム事業においても当社販売ルートの活用により、営業基盤が強化されております。今後も同社とのシナジー効果を追求し、経営基盤の強化に注力してまいります。

健康産業事業においては、総合フィットネスクラブ「ドゥ・スポーツプラザ」、ホットヨガ&コラーゲンスタジオ「BLEDA(ブレダ)」の多店舗展開を行ってまいります。2019年2月には、主として東京都を中心に、総合フィットネスクラブ「NAスポーツクラブA-1」とジム特化型の24時間コンパクトジム「A-1 EXPRESS」を運営する株式会社エヌエーシーシステムが当社グループに加わり、同社とのシナジーの創出に注力し、収益基盤を拡大するとともに、多様化する顧客ニーズにお応えしてまいります。

倉庫事業においては、冷蔵倉庫・普通倉庫ともに在庫水準の回復により順調に業績を伸ばしておりますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックによる物流需要を取り込み、さらなる業績向上を目指してまいります。

これらの成長を支える経営基盤の強化についても力を入れ、社員が明るく、楽しく、真剣に働き、会社とともに成長する風土と体制作りを始めとして、業務効率化、リスク管理、CSR、IRの各分野において重点課題を設定し、推進してまいります。

今後も、企業価値の向上に努めるとともに、公正で透明性の高い事業運営を行い、すべてのステークホルダーの皆さまの信頼とご期待にお応えしてまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があるものと考えています。なお、将来に関する事項の記載は、当連結会計年度末日現在において判断したものです。

①精製糖への依存と農業政策等の影響に関するもの

当社グループは、売上高の約9割を砂糖その他食品事業によっており、その主力製品は精製糖です。そのため業績は、精製糖業界を取り巻く環境の変化を受けやすい構造にあります。

精製糖業界は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等の適用を受けており、政府の農業政策および「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(TPP11協定)等の国際経済協定の影響を受けます。

②食品の安全に関するもの

当社グループは、豊かで快適な生活の実現のため、『食』と『健康』で貢献することを使命とし、食品の安全性向上のためのさまざまな施策を実施しています。しかし、特に近年の食品業界においては、食の安全に関わる問題が数多く発生しており、当社グループの取組みの想定を超える事態が生じた場合、製品の回収等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③原料および精製糖の価格変動に関するもの

精製糖の原料である輸入粗糖は、海外原糖相場と為替相場の影響を受けて価格が変動します。製品の販売価格は、これらの相場に従って変動する傾向にありますが、価格競争等により、原料価格の上昇の一部または全部を製品価格に転嫁できない状態が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④災害等に関するもの

当社グループは、国内各地にて事業活動を行っていますが、地震等の大規模自然災害等が発生し、生産や物流機能に支障が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤情報システムに関するもの

当社グループは、生産、販売、管理等の情報をコンピュータにより管理しており、コンピュータウイルス感染やハッカーからの攻撃等による被害および外部への社内情報の漏洩が生じないように施策を実施しています。しかし、当社グループの取組みの想定を超える事態が発生し、情報システムに障害が生じたり、外部へ社内情報が流出する事態が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項の記載は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態および経営成績の状況

a.財政状態

当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ2,485百万円増加し、62,224百万円となりました。

当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ2,127百万円増加し、11,036百万円となりました。

当連結会計年度末における純資産合計は前連結会計年度末に比べ358百万円増加し、51,188百万円となり、自己資本比率は82.3%(前連結会計年度末比2.8ポイント減)となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、自然災害等の影響を受けたものの、企業収益や設備投資は全般に底堅く、個人消費は雇用・所得環境の改善を背景に緩やかに持ち直していましたが、米中貿易摩擦の影響もあり、期末にかけて製造業を中心に景況感が悪化しました。

 

当連結会計年度の業績は、売上高は48,755百万円(前期比0.1%減)、営業利益は3,167百万円(同53.3%増)、経常利益は3,410百万円(同32.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,336百万円(同24.6%増)となりました。セグメントの概況は以下のとおりです。

 

[砂糖その他食品事業]

海外原糖市況につきましては、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限)において1ポンド当たり12.33セントで始まり、インド・タイなど主要生産国の増産見通しによる世界砂糖需給の供給過剰感から、9月下旬に当期安値となる9.83セントまで下落しました。その後、最大砂糖輸出国ブラジルの通貨レアルの急伸や、原油価格の高騰などの影響から、10月下旬に当期高値となる14.24セントまで上昇しましたが、インド・タイの順調な生産状況等を背景に12.53セントまで値を戻して当期を終了しました。

また、国内精糖市況(日本経済新聞掲載、東京)につきましては、上白糖1kg当たり189~190円で始まりましたが、ニューヨーク市場粗糖先物相場の下落を受け、7月下旬には187~188円と2円下落し、そのまま当期を終了しました。

このような状況のもと、主力の砂糖につきましては、家庭内調理の減少による家庭用製品の減少や、相次ぐ自然災害の影響により、全体の出荷量は前期を下回りましたが、当社独自製品の顆粒状で水に溶けやすい「フロストシュガー」や梅酒向け氷砂糖は好調に推移しました。その他食品につきましては、ツキオカフィルム製薬株式会社が通期で寄与したことにより増収となりました。

利益面では、エネルギーコストや物流コストの上昇があったものの、採算を重視した販売に努めたことに加え、前期に比べ退職給付費用やM&A関連費用が減少したことや、会計方針の変更による減価償却費の減少等から増益となりました。

 

以上の結果、砂糖その他食品事業合計の売上高は44,875百万円(前期比0.7%減)、セグメント利益は2,848百万円(同63.2%増)となりました。

[健康産業事業]

健康産業事業におきましては、総合フィットネスクラブ「ドゥ・スポーツプラザ」と女性専用のホットヨガ&コラーゲンスタジオ「BLEDA(ブレダ)」を展開しています。

当連結会計年度においては、新たにBLEDA2店舗を開業するとともに、総合フィットネスクラブ2店舗および24時間営業コンパクトジム10店舗を展開する株式会社エヌエーシーシステムを連結子会社化し、事業基盤の拡大と顧客ニーズの多様化・専門化への対応を行っています。

業績につきましては、新規出店費用の増加、株式会社エヌエーシーシステムの株式取得関連費用の発生に加え、総合フィットネスクラブ既存店が、近隣への競合店出店による影響を受けたことにより、売上高は2,361百万円(前期比2.3%増)となったものの、セグメント利益は16百万円(同84.1%減、当該取得関連費用控除前セグメント利益80百万円(同24.0%減))となりました。

なお、株式会社エヌエーシーシステムの業績につきましては、みなし取得日を2019年3月31日としているため、上記に含めていません。

 

[倉庫事業]

倉庫事業におきましては、冷蔵倉庫、普通倉庫ともに前期低調に推移した在庫水準が回復し、売上高は1,518百万円(前期比16.1%増)、セグメント利益は302百万円(同40.9%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より1,233百万円減少し、8,470百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、4,250百万円の収入となりました。

主なものは、税金等調整前当期純利益3,452百万円、減価償却費795百万円、のれん償却額232百万円、持分法による投資利益△134百万円、利息及び配当金の受取額133百万円、法人税等の支払額△422百万円、ならびに売上債権の増加、たな卸資産の増加、仕入債務の増加、その他の流動資産の減少およびその他の流動負債の減少による394百万円です。

なお、前年同期は3,710百万円の収入であり、主なものは、税金等調整前当期純利益2,511百万円、減価償却費871百万円、のれん償却額58百万円、持分法による投資利益△241百万円、利息及び配当金の受取額615百万円、法人税等の支払額△767百万円、ならびに売上債権の増加、たな卸資産の減少、仕入債務の増加、その他の流動資産の増加およびその他の流動負債の増加による999百万円です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、3,620百万円の支出となりました。

主なものは、余資の運用である有価証券の純増額△2,000百万円、今福工場(大阪市城東区)の

FSSC22000認証対応包装設備等の有形固定資産の取得による支出△940百万円、ならびに関連会社日本ポート産業株式会社の株式を一部売却したことによる、関係会社株式の売却による収入500百万円および株式会社エヌエーシーシステムを連結子会社化したことに伴い発生した連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△977百万円です。

なお、前年同期は1,948百万円の支出であり、主なものは、有形固定資産の取得による支出△742百万円、ツキオカフィルム製薬株式会社を連結子会社化したことに伴い発生した連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△1,091百万円です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,864百万円の支出となりました。

主なものは、連結子会社であるツキオカフィルム製薬株式会社の株式追加取得に伴い発生した連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出△199百万円、ならびに配当金の支払額△1,564百万円です。

なお、前年同期は2,979百万円の支出であり、主なものは、ツキオカフィルム製薬株式会社を連結子会社化したことに伴い発生した短期借入金の純減額△500百万円、長期借入金の返済による支出△841百万円、ならびに配当金の支払額△1,585百万円です。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

 至 2019年3月31日)

前期比(%)

砂糖その他食品事業(百万円)

28,653

95.7

(注)1.金額は製造原価によっており、内部取引額を除いています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

b.受注実績

 生産は原則として見込み生産であり、少量の受託加工を除き受注生産は行っていません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

 至 2019年3月31日)

前期比(%)

砂糖その他食品事業(百万円)

44,875

99.3

健康産業事業(百万円)

2,361

102.3

倉庫事業(百万円)

1,518

116.1

合計(百万円)

48,755

99.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住商フーズ㈱

10,669

21.9

9,736

20.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項の記載は、当連結会計年度末において判断したものです。

 

①重要な会計方針および見積もり

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針および見積もりについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりです。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は25,803百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,572百万円増加しました。これは主に現金及び預金が233百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が200百万円、有価証券が1,000百万円、原材料及び貯蔵品が555百万円それぞれ増加したことによるものです。固定資産は36,421百万円となり、前連結会計年度末に比べ913百万円増加しました。これは主に有形固定資産が612百万円、無形固定資産が532百万円それぞれ増加した一方で、投資その他の資産が232百万円減少したことによるものです。

上記の内、株式会社エヌエーシーシステム(健康産業事業)を連結子会社化したことに伴い増加した主なものは、現金及び預金等の流動資産105百万円、建物及び構築物等の固定資産500百万円、のれん761百万円です。なお、のれんの金額は、当連結会計年度末において取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算出された金額です。

この結果、資産合計は62,224百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,485百万円増加しました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は8,182百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,928百万円増加しました。これは主に支払手形及び買掛金が1,293百万円、未払法人税等が635百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債は2,854百万円となり、前連結会計年度末に比べ198百万円増加しました。これは主に資産除去債務が213百万円増加したことによるものです。

上記の内、株式会社エヌエーシーシステムを連結子会社化したことに伴い増加した主なものは、前受金等の流動負債172百万円、資産除去債務等の固定負債179百万円です。

この結果、負債合計は11,036百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,127百万円増加しました。

(純資産)

当連結会計年度末における株主資本は48,008百万円となり、前連結会計年度末に比べ519百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益2,336百万円および剰余金の配当1,567百万円、資本剰余金の減少199百万円によるものです。

資本剰余金につきましては、2018年12月21日付にて連結子会社ツキオカフィルム製薬株式会社(砂糖その他食品事業)の株式を追加取得し、完全子会社化したことにより、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 平成25年9月13日)に基づき、追加取得により増加した親会社(当社)の持分と追加投資額の差額が減少したものです。なお、利益剰余金につきましては、上記の親会社株主に帰属する当期純利益および剰余金の配当のほか、関連会社日本ポート産業株式会社の株式を一部売却し、持分法適用範囲から除外したことにより、48百万円減少しています。

また、その他の包括利益累計額は3,179百万円となり、前連結会計年度末に比べ161百万円減少しました。これは主にその他有価証券評価差額金が93百万円、退職給付に係る調整累計額が68百万円それぞれ減少したことによるものです。

この結果、当連結会計年度末における純資産合計は51,188百万円となり、前連結会計年度末に比べ358百万円増加し、自己資本比率は82.3%(前連結会計年度末比2.8ポイント減)となりました。

2)経営成績

(売上高)

売上高は、砂糖その他食品事業における主力の砂糖全体の出荷量が前期を下回ったことなどにより、前期比0.1%減の48,755百万円となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価は、前期比3.5%減の37,959百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、のれん償却額の増加等により、前期比3.3%増の7,629百万円となりました。

(営業利益)

営業利益は、前期比53.3%増の3,167百万円となりました。

セグメント別の営業利益については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりです。

(営業外収益、営業外費用)

営業外収益は、受取配当金および持分法による投資利益の減少等により、前期比47.2%減の286百万円となりました。

営業外費用は、支払利息の増加等により、前期比11.8%増の43百万円となりました。

(経常利益)

経常利益は、前期比32.8%増の3,410百万円となりました。

(特別利益、特別損失)

特別利益は、関連会社日本ポート産業株式会社の株式を一部売却したことから、前期比97百万円増の99百万円となりました。

特別損失は、固定資産売却損の減少等により、前期比2百万円減の56百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比24.6%増の2,336百万円となりました。

 

b.経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

今後のわが国経済の見通しは、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな成長を続けていますが、米国保護主義姿勢の強まりに端を発する中国経済の減速などから、景況感の悪化が見込まれています。

当社グループを取り巻く環境につきましては、主力の砂糖その他食品事業において、少子高齢化に伴う人口減少や嗜好の変化等の要因から、国内砂糖消費の減少が続いております。2018年12月30日には「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(TPP11協定)、2019年2月1日には日EU経済連携協定(EPA)が発効しました。競合商品である加糖調製品が現行の糖価調整制度の枠組みに組み入れられ、砂糖の調整金負担が軽減されたものの、加糖調製品に対する低関税輸入枠の設定など輸入量増大につながる制度も導入され、予断を許さない状況となっております。また、労働人口の減少に伴う人件費や物流費の高騰は、業績に重要な影響を与えております。こうした状況のもと、当社グループは中期経営計画に沿い、引き続き精製糖事業の経営品質・経営効率No.1企業に向けた取り組みを進めるとともに、総合甘味サプライヤーとしての商材の拡充と国内外における事業領域の拡大に向けた施策を着実に実施してまいります。

次期につきましては、砂糖その他食品事業においては、販売好調な「きび砂糖」の需要増に対応するため、今福工場(大阪市城東区)にて新たな設備の竣工・稼働を目指してまいります。2017年に当社子会社に加わったツキオカフィルム製薬株式会社につきましては、食用純金箔事業において、皇位継承に伴う全国的な祝賀ムードを背景として売上高を順調に伸ばしており、また、フィルム事業においても当社販売ルートの活用により、営業基盤が強化されております。今後も同社とのシナジー効果を追求し、経営基盤の強化に注力してまいります。

健康産業事業につきましては、総合フィットネス既存店は、近隣への競合店出店による影響を受け、厳しい事業環境が予想されますが、女性専用のホットヨガ&コラーゲンスタジオ「BLEDA(ブレダ)」や、新たに当社グループに加入した株式会社エヌエーシーシステムが経営する24時間営業コンパクトジム「A-1 EXPRESS」の積極的出店により、増大する顧客ニーズの多様化・専門化に応えるサービスを拡充してまいります。倉庫事業につきましては、冷蔵倉庫・普通倉庫ともに在庫水準の回復により順調に業績を伸ばしていますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックによる物流需要を取り込み、一層の稼働率向上に努めてまいります。

当社グループは、ROE(株主資本利益率)を持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉えており、中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)を策定し、2020年3月期ROE5%、2025年3月期ROE8%を目指しています。

 

c.資本の財源および資金の流動性

1)キャッシュ・フロー

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②
キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

2)資金需要

当社グループの資金需要については、主に運転資金需要と設備資金需要です。

主な運転資金需要は、製品を製造するための原材料の仕入と製造費、商品の仕入、販売費及び一般管理費等です。

主な設備資金需要は、砂糖生産設備等の経常的更新費用と販売好調の「きび砂糖」の需要増に対応した生産設備の新設です。

 

3)財務政策

当社グループは運転資金につきましては、短期借入金と自己資金により充当しており、設備資金につきましては、自己資金により充当しています。

また、国内金融機関において合計2,000百万円のコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応可能となっています。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目的の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、ROE(株主資本利益率)を持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉えており、中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)を策定し、2020年3月期ROE5%、2025年3月期ROE8%を目指しています。詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略および目標とする経営指標」に記載のとおりです。

 

 

2018年3月期

実績

2019年3月期

実績

2020年3月期

目標

2025年3月期

目標

ROE(株主資本利益率)

3.7%

4.6%

5.0%

8.0%

 

e.セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

[砂糖その他食品事業]

主力の砂糖につきましては、家庭内調理の減少による家庭用製品の減少や、相次ぐ自然災害の影響により、全体の出荷量は前期を下回りましたが当社独自製品の顆粒状で水に溶けやすい「フロストシュガー」や梅酒向け氷砂糖が好調に推移したことにより、砂糖その他食品事業合計の売上高は前期並みの44,875百万円(前期比0.7%減)となりました。利益面では、エネルギーコストや物流コストの上昇があったものの、採算を重視した販売に努めたことに加え、退職給付費用、M&A関連費用、ならびに会計方針の変更による減価償却費の減少等が増益要因となり、セグメント利益は2,848百万円(同63.2%増)となりました。

当連結会計年度末のセグメント資産は、たな卸資産、機械装置及び運搬具等の増加により、前連結会計年度末に比べ合計で1,698百万円増加し、55,739百万円となりました。

 

[健康産業事業]

健康産業事業におきましては、新規出店費用の増加、株式会社エヌエーシーシステムの株式取得関連費用の発生に加え、総合フィットネスクラブ既存店が、近隣への競合店出店による影響を受けたことにより、売上高は2,361百万円(前期比2.3%増)となりましたが、セグメント利益は16百万円(同84.1%減、当該取得関連費用控除前セグメント利益80百万円(同24.0%減))となりました。

なお、株式会社エヌエーシーシステムの業績につきましては、みなし取得日を2019年3月31日としているため、上記に含めていません。

当連結会計年度末のセグメント資産は、株式会社エヌエーシーシステムの連結子会社化に伴う1,367百万円の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,466百万円増加し、2,744百万円となりました。

 

[倉庫事業]

倉庫事業におきましては、冷蔵倉庫、普通倉庫ともに前期低調に推移した在庫水準が回復し、売上高は1,518百万円(前期比16.1%増)、セグメント利益は302百万円(同40.9%増)となりました。

当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べ679百万円減少し、3,740百万円となりました。

 

なお、詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)精製糖等の共同生産に関する合弁契約

 当社は、2000年10月、大日本明治製糖株式会社および新東日本製糖株式会社との間で新東日本製糖株式会社に

おける精製糖等の共同生産に関する合弁契約を締結しています。

 

(2)株式譲渡に関する契約

 当社は、2018年12月20日開催の取締役会において、株式会社中村屋より、株式会社エヌエーシーシステムの発

行済株式の全てを取得し、同社を完全子会社化することについて決議しました。なお、同日付で株式譲渡契約を

締結し、2019年2月1日に株式取得を完了しました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に

記載のとおりです。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、当社およびツキオカフィルム製薬株式会社において研究開発部門を設置し、研究開発を行っています。

当社においては、総合甘味サプライヤー戦略の一環として、砂糖その他の甘味料の新製品開発や「ガラクトオリゴ糖」の機能研究を行う一方、事業領域拡大の一環として、抗う蝕や難溶性物質の可溶化が期待できる機能性糖質、細胞保護効果が得られる化粧品原料等の非食品分野への用途研究を中心とする研究開発に取り組んでいます。

ツキオカフィルム製薬株式会社においては、フィルムの持つ多様な特性を利用し、可食フィルム・フィルム化粧品・フィルム製剤の3領域において研究開発を推進しています。

これらの研究開発の推進にあたっては、専門性・効率性を高めるため、積極的に大学等の研究機関との連携を深めています。

なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は133百万円であり、砂糖その他食品事業におけるものです。