なお、重要事象等は存在していない。
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、米国では雇用情勢の改善が続き景気は堅調さを維持しており、欧州は英国のEU離脱問題を抱えるものの、仏国の政権安定化で欧州の政治リスクはひとまず後退し、緩やかな回復が続いている。中国においては、小売り・生産は底堅さを維持しており、輸出も堅調に推移している。わが国経済では、企業の設備投資は改善に向かうとともに、雇用環境の良好さを背景に個人消費は持ち直しつつあり、景気は緩やかな回復基調にある。
当社グループを取り巻く事業環境は、造船事業においては、船腹及び建造設備の過剰という構造が依然として継続しているが、当第1四半期では、バルクキャリアーの船価が欧州船主を中心とした一部の投機的な発注により一時上昇したものの継続せず、引き続き低迷した状況にある。また、海運市況の主な指標である用船料(チャーター料)も、中国の鉄鋼市場が生産調整を経て回復基調にあるため、鉄鉱石や原料炭の荷動きも増加に転じているものの、依然として続く新造船の高い供給圧力により持ち直しには至らず、バルクキャリアーの運賃指標(BDI)は引き続き低い水準にある。一方で、船舶の環境に関わる国際規則への対応では、CSR-HとNOx3次規制に対応したパナマックス・バルクキャリアーや、EEDI(エネルギー効率設計指標)のフェーズ3をクリアした次世代パナマックス・バルクキャリアーの開発を完了し、現在は2020年に発効予定のSOxの次期排ガス規制に備えた開発を進めている。また、平成28年8月に竣工した自航式多目的船「AUGUST EXPLORER」が公益法人日本船舶海洋工学会の主催するシップ・オブ・ザ・イヤー2016「特殊船部門賞」の受賞が平成29年5月に決定し、その優れた機能性から高い評価を得ている。また、セイカエンジニアリング㈱(兵庫県加古郡播磨町)と共同で開発を進めている舶用LNG燃料供給システムは、受注に向けた実設計の段階に入った。また、水島製造所と大阪製造所において、平成28年度から3ヶ年をかけて老朽設備の更新や省力化設備の導入を行っているが、平成29年度はジブクレーン1基の更新等を進めている。
陸上事業及びレジャー事業においては、これらを当社グループの「第2のコア事業」として位置づけ収益拡大を経営課題に掲げているが、陸上事業では、精密機械加工を主業とする加藤精機㈱とケーエス・サノヤス㈱の2社をサノヤス精密工業㈱に平成29年4月1日に経営統合し、経営の効率化を推進するとともに、生産管理・商品開発の強化を図る。また、レジャー事業では、一昨年に万博記念公園内の大型複合施設「EXPOCITY」(大阪府吹田市)においてオープンした「ポケモンEXPOジム」は、今後も収益改善が見込めないと判断し、平成29年9月をもって営業を終了することとした。遊園地運営事業においては、沖縄県北谷町にて新たに観覧車の運営受託を開始した。
当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は前年同四半期比152百万円(1.3%)減少の11,974百万円となり、営業利益は342百万円(前年同四半期は2,552百万円の営業損失)、経常利益は343百万円(前年同四半期は2,618百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は450百万円(前年同四半期は2,769百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となった。
なお当社グループは受注産業の特性、特に、新造船受注においては海運市況に強い影響を受ける船価相場の動向と新規受注の有無、当該四半期に工事進行基準によって売上計上される新造船工事の個船別採算、加えて各四半期決算期末における外国為替相場の水準が大きく影響するため、四半期業績が年度業績に必ずしも連動しない。
セグメント別の業績は次のとおりである。
①造船事業
上記の通り新造船、特にバルクキャリアーの新造船需給の緩和状態が恒常化し、船価が低迷を続けている中において受注活動に努めたが、当第1四半期において新造船の受注はなかった。一方、新造船の引渡しは、60千重量トン型スプラマックス・バルクキャリアー1隻、82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアー1隻の計2隻を引渡したので、受注残高は21隻となり、営業の方針としている約3年分は引き続き維持している。また、新造船事業を補完すべく取り組んできたマリン・修繕船事業は、修繕船の他、水島製造所における改修船、LPG船用タンクの建造等が順調に進捗している。この結果、新造船にマリン・修繕船事業及びプラント事業を含めた造船事業の受注残高は、工事進行基準による金額にして50,809百万円となった。
造船事業の売上高は、前年同四半期比295百万円(3.5%)減少の8,067百万円となった。また、営業損益は、前第1四半期では急速に円高が進み赤字となったが、当第1四半期は円相場が安定的に推移したことにより384百万円の営業利益(前年同四半期は2,198百万円の営業損失)となった。
②陸上事業
陸上事業においては、国内の設備投資が回復基調にある中、特に半導体産業及び自動車産業向けの精密機械加工が好調であり、また化粧品用機械製造も引き続き良好だった。さらに顧客ニーズに即した受注活動に努めた結果、当第1四半期連結会計期間末の受注残高は3,996百万円となった。売上高は、前年同四半期比184百万円(6.7%)増加の2,925百万円となった。営業利益は前年同四半期比131百万円(561.4%)増加の155百万円となった。
③レジャー事業
レジャー事業においては、前第1四半期において熊本地震により遊園地運営事業が大きな影響を受け、売上高及び営業利益ともに大幅に落ち込んだが、当第1四半期は順調に推移している。なお、当第1四半期連結会計期間末の受注残高は、遊園機械の受注が振るわなかったため223百万円となった。売上高は、前年同四半期比42百万円(4.1%)減少の981百万円となった。営業損益は、前述の「ポケモンEXPOジム」及び豪州観覧車事業での赤字により、11百万円の営業損失(前年同四半期は176百万円の営業損失)となった。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,187百万円減少し、43,001百万円となった。これは主に、現金及び預金が1,897百万円、仕掛品が120百万円それぞれ増加したものの、受取手形及び売掛金が2,437百万円、その他流動資産が785百万円それぞれ減少したこと等によるものである。
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて186百万円増加し、26,559百万円となった。これは主に、投資有価証券が196百万円増加したこと等によるものである。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,383百万円減少し、29,535百万円となった。これは主に、設備関係支払手形が961百万円増加したものの、その他流動負債が762百万円、短期借入金が450百万円、支払手形及び買掛金が444百万円、前受金が259百万円、賞与引当金が245百万円それぞれ減少したこと等によるものである。
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は、前連結会計年度末に比べて71百万円減少し、22,221百万円となった。これは主に、繰延税金負債が109百万円減少したこと等によるものである。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて454百万円増加し、17,804百万円となった。これは主に、資本剰余金が163百万円減少したものの、利益剰余金が450百万円、その他有価証券評価差額金が132百万円それぞれ増加したこと等によるものである。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はない。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条3号に掲げる事項)は次のとおりである。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社は、当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上していくことを可能とする者が望ましいと考えております。もっとも、上場会社として当社株式の自由な売買が行われている以上、特定の者の大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強制するおそれがあるもの、株主の皆様が買付けの条件等について検討したり、当社取締役会が代替案を提案したりするための十分な時間や情報を提供しないもの等も散見されます。また、船舶部門及び陸上部門を手掛ける当社グループの経営においては、当社グループが保有する有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、当社グループに与えられた社会的使命、それら当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を構成する要素等への理解に基づく中長期的な視野を持った経営施策が必要不可欠です。かかる買付行為がなされる場合や当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者によりかかる中長期的視野を欠く経営がなされる場合、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益や当社グループに関わる全てのステークホルダーの利益は毀損されることになる可能性があります。
従って、当社としましては、このような当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。
② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社グループは、造船業を祖業として、「まごころこめて生きた船を造る」という、ものづくりに懸ける精神と培った技術を他分野に展開し、安全、環境の配慮と技術に裏打ちされた確かな品質・性能を備えた製品の提供を通じて、ステークホルダーである株主の皆様、顧客、仕入先、協力会社、金融機関、従業員から信頼され、社会にとって魅力ある企業として持続的に発展することを目指しています。
造船業界においては、“二つの過剰”(過剰船腹・過剰建造能力)による需給ギャップが大きく、生き残りをかけ、統合や合従連衡、海外進出といった規模拡大を図る動きも見られる中、当社を取り巻く環境も厳しい状況が続くことが見込まれます。
このような環境の下、当社は、グループの原点である造船業を「コア事業」、造船業以外の様々な多角化事業(陸上・レジャー事業)を「第2のコア事業」と位置付け、体質を強化し、環境の変化に柔軟に対応しながら、この二つの事業のバランスのとれた成長を通じて企業価値を持続的に高めていくため、「高い技術力」「強い現場力」「コスト競争力」「不断の経営革新」「人財重視経営」を基軸とする諸施策を推し進め、将来に亘って成長を続け、収益力を高める基盤づくりに取り組んでおります。また、グループ各社は、それぞれの事業環境に応じたビジネスモデルを構築し、「自立と自律」を目標にして一層の社業発展に努めております。
さらに、当社は、コーポレート・ガバナンスの強化の一環として、執行役員制度を導入しており、経営の「意思決定」及び「監督」機能と「業務執行」機能の分離を進めているほか、経営環境の変化に迅速に対応できる機動的な経営体制の確立と取締役の経営責任を明確にするために取締役の任期を1年としております。また、取締役会の監督機能を高め経営の透明性を向上させるべく、3名の社外取締役と2名の社外監査役を独立役員として招聘しております。このような体制整備のほか、当社グループでは情報開示をより一層充実させることによって、株主の皆様やその他外部からのチェック機能を高め、経営の透明度を高めてまいりたいと考えております。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
④ 各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記の各取組みは、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではなく、いずれも①の基本方針に沿うものであります。
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は40百万円である。