なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っている。
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、米国では雇用情勢の改善が続き、景気は堅調さを維持しており、欧州でも緩やかな回復が続いている。また中国では輸出が堅調に推移している。一方で北朝鮮情勢や中東を中心とした地政学リスクや米国を発信源とする通商問題、EUの英国離脱問題等が懸念され、先行きは不透明な状況にある。その中でわが国経済は、輸出の堅調な推移と雇用環境の改善を背景に回復基調を維持している。
当社グループを取り巻く事業環境は、造船事業においては“船腹及び建造設備の過剰”という構造が依然として継続し、厳しい状況が続いている。バルクキャリアーの海運市況については、用船料は船型によりばらつきはあるものの、僅かながらも回復基調にある。さらなる回復への期待が高まっており、新規制対応をトリガーに新造船の需要を喚起する兆しが見えつつある。
当社の新造船事業では、NOx排出3次規制やH-CSR(新共通構造規則)の新規則を適用し燃費性能を向上させた82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアーに加え、新規則適用の64千重量トン型スプラマックス・バルクキャリアーをクラス最大級の積載量にして新たに開発し、営業を展開中である。一方、一般商船の受注環境が依然として厳しい中で、フェリーに続き特殊船や作業船などを受注することで、建造メニューの多角化にも取り組んでいる。住友精化㈱(セイカエンジニアリング㈱を吸収合併)と共同開発を行っている舶用LNG燃料供給システムは引合いが増加しており、販売拡大に努めている。
これまで陸上事業及びレジャー事業を当社グループの「第二のコアビジネス」として位置付け、事業の多角化に取り組んできたが、これを一層強化することがグループ全体の経営安定化のための喫緊の課題と考え、陸上事業・レジャー事業を営む2つの事業会社グループを2018年4月2日に統合し、M&Tグループ(Machinery & Technology Group)として再編するとともに、同グループを統括・支援する会社としてサノヤスMTG㈱を同日設立した。続いて6月の定時株主総会においてM&Tグループ各社の株式をサノヤスMTG㈱に移転させる「吸収分割契約」について承認を得、7月2日をもって効力が発生した。
M&T事業では、底堅い内外需を背景に半導体産業や自動車産業向け精密機械加工、建設向け工事用エレベーター、化粧品等の乳化装置・攪拌機の販売等が堅調に推移した。精密機械加工を主業としているサノヤス精密工業㈱は、同社の関西地区内3生産拠点を本社のある兵庫県三田市に集約し、生産効率の一層の向上を図る目的で現在新工場建設を進めており、2018年3月に一期工事が完成し、現在二期工事が進行中である。ショットブラストマシン等を製造販売する㈱大鋳(大阪府高槻市)は、2018年5月に宮崎工場の隣接地を取得し工場の拡張に着手した。また、サノヤス・ライド㈱が営業しているお台場パレットタウンの大観覧車の電飾をネオン管からLEDに切り替えるリニューアル工事を2018年6月に完了した。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は前年同四半期比247百万円(2.1%)減少の11,727百万円となり、営業利益は前年同四半期比508百万円(148.6%)増加の850百万円、経常利益は前年同四半期比611百万円(177.8%)増加の955百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同四半期比522百万円(116.0%)増加の973百万円となった。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、外国為替相場の変動要因がある。造船事業において売上の大半を占める新造船は、海外向けの輸出比率が高く、米ドル建ての契約が大宗を占めており、円相場の変動リスクに晒されている。当第1四半期連結会計期間においては、円安が進行したことにより今後製造する米ドル建受注済新造船の円換算売上見込額が増加した結果各船の採算が改善し、前連結会計年度末において積み増した受注工事損失引当金を取り崩したこと等により、前年同四半期比増益となった。一定のルールに基づき為替予約を行うことで、為替リスクヘッジに努めているが、年単位の期先に亘る米ドル建て債権を全額ヘッジすることは行っていない。また、原材料、資材、エネルギー価格の変動も経営成績に重要な影響を与える要因の一つである。当第1四半期連結会計期間においても、原材料の大きな部分を占める鋼材価格の値上げ圧力に晒されており、資材調達部門において価格交渉に努めているが、市場価格の変動影響は避けられず、効率化等の原価低減活動の中で吸収すべく努めている。
なお当社グループは受注産業の特性、特に、新造船受注においては海運市況に強い影響を受ける船価相場の動向と新規受注の有無、当該四半期に工事進行基準によって売上計上される新造船工事の個船別採算、加えて各四半期決算期末における外国為替相場の水準が大きく影響するため、四半期業績が年度業績に必ずしも連動しない。
セグメント別の業績は次のとおりである。
なお当第1四半期連結会計期間から、報告セグメントを従来の「造船事業」「陸上事業」「レジャー事業」の3区分から「造船事業」「M&T事業」の2区分に変更している。また、前第1四半期連結累計期間の「M&T事業」の実績については作成することが困難なため、前年同四半期比の記載をしていない。
①造船事業
新造船事業は上記の通り、需給の飽和状態が恒常化し、依然として船価の回復が見られない中で受注活動に努めた結果、新規制対応の82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアー2隻を受注した。一方、引渡しは、82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアー1隻であり、受注隻数残高は17隻となった。受注は市況動向を見極めながら臨機応変に対応することを優先し、受注残高を約2.5年分確保する営業方針に沿って引き続き注力していく。また、新造船事業を補完すべく取り組んできたマリン・修繕船事業は、修繕船の他、LPGタンクの建造等が順調に進捗している。この結果、新造船事業にマリン・修繕船事業及びプラント事業を含めた造船事業全体の受注残高は、工事進行基準による金額にして41,815百万円となった。
造船事業の売上高は、前年同四半期比798百万円(9.9%)減少の7,269百万円となった。また、当第1四半期において、円安が進行したことにより今後製造する米ドル建受注済新造船の円換算売上見込額が増加した結果各船の採算が改善し、前連結会計年度末において積み増した受注工事損失引当金を取り崩したこと等により、営業利益は前年同四半期比402百万円(104.9%)増加の787百万円となった。
②M&T事業
M&T事業においては、国内の設備投資が堅調に推移する中、建設向け工事用エレベーターと化粧品等の乳化装置・攪拌機の販売が好調であった。また国内の遊園機械の販売や修繕事業が好調に推移した。顧客ニーズに即した受注活動に努めた結果、受注残高は6,784百万円となった。売上高は4,457百万円、営業利益は159百万円となった。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,309百万円減少し、40,169百万円となった。これは主に、受取手形及び売掛金が1,229百万円、有価証券が500百万円それぞれ増加したものの、現金及び預金が2,876百万円、その他流動資産が1,304百万円それぞれ減少したこと等によるものである。
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて835百万円増加し、25,992百万円となった。これは主に、有形固定資産が481百万円、投資有価証券が453百万円それぞれ増加したこと等によるものである。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,462百万円減少し、29,795百万円となった。これは主に、受注工事損失引当金が1,051百万円、支払手形及び買掛金が732百万円、短期借入金が450百万円それぞれ減少したこと等によるものである。
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は、前連結会計年度末に比べて53百万円減少し、21,877百万円となった。これは主に、リース債務が278百万円増加したものの、長期借入金が404百万円減少したこと等によるものである。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,043百万円増加し、14,489百万円となった。これは主に、資本剰余金が162百万円減少したものの、利益剰余金が973百万円、その他有価証券評価差額金が291百万円それぞれ増加したこと等によるものである。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はない。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条3号に掲げる事項)は次のとおりである。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社は、当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上していくことを可能とする者が望ましいと考えています。もっとも、上場会社として当社株式の自由な売買が行われている以上、特定の者の大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強制するおそれがあるもの、株主の皆様が買付けの条件等について検討したり、当社取締役会が代替案を提案したりするための十分な時間や情報を提供しないもの等も散見されます。また、造船事業及びM&T事業を手掛ける当社グループの経営においては、当社グループが保有する有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、当社グループに与えられた社会的使命、それら当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を構成する要素等への理解に基づく中長期的な視野を持った経営施策が必要不可欠です。かかる買付行為がなされる場合や当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者によりかかる中長期的視野を欠く経営がなされる場合、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益や当社グループに関わる全てのステークホルダーの利益は毀損されることになる可能性があります。
従って、当社としましては、このような当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。
② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社グループは、環境への配慮と安全が担保された高品質の製品・サービスの提供を通じて、ステークホルダーから信頼され、社会にとって魅力ある企業として持続的に発展することを目指しています。また、効率的で透明性の高い経営体制を確立し、激変する経営環境の下での着実な利益による成長を通して企業価値を継続的に高めていくことが企業経営の使命であると考えています。
この様な考えの下、基本方針の実現、すなわち当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益確保・向上に向けて次のとおり取組んでいます。
祖業である造船事業で長年培った技術とものづくりに懸ける精神を他分野に展開し、経営の安定化を図るとともに、造船事業を“コア事業”と造船事業以外の様々な多角化事業を“第二のコア事業”と位置付け、持株会社体制の下で競争力・収益力の強化に向けてそれぞれの事業に応じた諸施策を推進しています。特に、事業規模の比較的小さな会社の集合体である“第二のコア事業”については、各社を専ら統括・支援する会社を設立することにより、各社と課題を共有し、ものづくり、安全推進、経営管理ほか全ての面での強化・拡充に取組んでいます。
また当社では、執行役員制度の導入及び監査等委員会設置会社の移行により、迅速な意思決定、機動的な業務執行の実践とともに取締役会の監査・監督機能の一層の強化に取り組んでいます。加えて、任意の指名・報酬委員会を設置し、経営の透明性・公正性の担保を図っています。さらに、代表取締役社長である委員長を中心に、取締役会から委員を委嘱された当社及び子会社の取締役をもって構成する内部統制推進委員会を設置し、内部統制プロセスの有効性の検証・監督、実効性向上施策を協議することにより、業務の適正性の確保に努めています。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてます。
④ 各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記の各取組みは、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではなく、いずれも①の基本方針に沿うものです。
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は70百万円である。
当社は、2018年4月27日開催の取締役会において、2018年7月2日を効力発生日とする会社分割(吸収分割)により、当社のM&Tグループを統括・支援する機能を、当社100%出資の連結子会社であるサノヤスMTG㈱に承継させる会社分割契約締結の決議を行い、同日付で締結している。
なお、詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載している。