第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はない。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。

 

(1) 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間における世界経済は、世界規模で感染が拡大している新型コロナウイルス禍により先進国から新興国に至るまで大打撃を受け、史上例を見ないほどの急激な低下に見舞われた。感染拡大防止の為、先進国の主要な経済センターをはじめ、大都市圏でのロックダウン(都市封鎖)が実施され、“stay home”の要請を併せ、ピーク時には経済活動はほぼ停止状態となった。その後、感染状況を睨みながら経済活動の再開が図られつつあるが、感染拡大のペースが収まらず、グローバルな経済活動はもとより、国内レベルでの経済活動の全面復活にはまだまだ遠い状況にある。

このような異例な状況の下、当社グループを取り巻く事業環境は、造船事業においては従来からの“船腹及び建造設備の過剰”という構造が依然として継続し、競合する中国や韓国が造船事業を政策的に支援する中、上記グローバル経済の失速に伴う海運マーケットの不調と併せ、厳しい状況が続いている。バルクキャリアーの海運市況は2020年は年明け以降弱含みで推移していたが、4月以降は商談がストップしている状況で、一部指標では上昇局面も見られたものの用船料水準は依然として厳しく、新造船価が回復しない状況が続いている。

このような状況下、当社の新造船では、NOx排出3次規制やH-CSR(新共通構造規則)の新規則を適用し燃費性能を向上させた新82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアーと新64千重量トン型ウルトラマックス・バルクキャリアーに加え、幅広・浅喫水で大容量化を図った新規制適用の41千重量トン型ハンディサイズ・バルクキャリアーを主力船型として、営業を展開している。一方、一般商船以外にフェリー並びに特殊船や作業船などの営業を展開することで、建造メニューの多角化にも取り組んでいる。新造船を補完すべく取り組んでいるガスタンクについては、2020年4月1日付で、「ガスタンク営業部」と「ガスタンク設計部」をガスタンク事業部として独立させ、大阪製造所(大阪府大阪市)に加え水島製造所(岡山県倉敷市)でもLPGタンクの製造設備を導入し、ガス関連事業の拡大・強化を図っている。

M&T事業は、当社グループの「第二のコアビジネス」と位置付け、事業の多角化に加えて、各事業会社の経営基盤強化によるグループ経営の安定化が重要との視点から、グループ内での組織再編を順次進めている。2020年4月1日には、2019年4月にサノヤス・エンジニアリング㈱と㈱大鋳を合併させた新会社に、さらに建設工事用エレベーターの販売・レンタルを主業とするサノヤス建機㈱を追加統合し、経営規模の拡大と機能別組織の充実を実現した。今後は、組織統合により創出した人財の戦略分野へのシフトや開発投資の拡充、既存工場の共同利用等、一層のシナジーを追求する予定である

 

これらの結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は前年同四半期比348百万円(3.2%)増加11,125百万円となり、営業損失は839百万円(前年同四半期は1,081百万円の営業損失)、経常損失は781百万円(前年同四半期は1,086百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は803百万円(前年同四半期は1,092百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となった。

 

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、外国為替相場の変動がある。造船事業において売上の大半を占める新造船は、海外向けの輸出比率が高く、米ドル建ての契約が大宗を占めており、円相場の変動リスクに晒されている。一定のルールに基づき為替予約を行うことで為替リスクヘッジに努めているが、年単位の期先に亘る米ドル建て債権を全額ヘッジすることは行っていない。また、原材料、資材、エネルギー価格の変動も経営成績に重要な影響を与える要因の一つである。原材料の大きな部分を占める鋼材価格の変動については、資材調達部門において価格交渉に努めており、加えて建造工程における効率化等の原価低減活動で吸収すべく努めている。

 

なお当社グループは受注産業の特性、特に、新造船受注においては海運市況に強い影響を受ける船価相場の動向と新規受注の有無、当該四半期に工事進行基準によって売上計上される新造船工事の個船別採算、加えて各四半期決算期末における外国為替相場の水準が大きく影響するため、四半期業績が年度業績に必ずしも連動しない。

 

セグメント別の業績は次のとおりである。

なお前連結会計年度から、従来「M&T事業」に属していた㈱サノテックを「造船事業」に変更している。前第1四半期連結累計期間については、変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較している。

①造船事業

新造船は上記の通り需給の飽和状態に加え、コロナ感染禍という異常な社会・経済の環境下、船価の回復が見られない中で受注活動に努めたが受注実績はなかった。一方、82千重量トン型パナマックス・バルクキャリア-1隻、60千重量トン型スプラマックス・バルクキャリアー1隻を引渡したので、受注隻数残高は11隻となった。受注は厳しい市況状況を見極めながら臨機応変に対応することを優先し、受注残高を約2年分確保する営業方針に沿って引き続き注力していく。また、マリン・ガスタンクについては修繕船及びLPGタンクの営業に注力した。この結果、新造船にマリン、ガスタンク及びプラントを含めた造船事業全体の受注残高は、工事進行基準による金額にして30,316百万円となった。

造船事業の売上高は、新造船の建造ペースを維持した一方、前年同四半期対比採算の良い船が多かったことにより、前年同四半期比749百万円(10.9%)増加7,646百万円となった。しかし、当第1四半期において、円高が進行し、今後製造する米ドル建受注済新造船の円換算売上見込額が減少した結果各船の採算が悪化し、受注工事損失引当金を積み増したこと等により、292百万円の営業損失(前年同四半期は1,173百万円の営業損失)となった。

 

②M&T事業

M&T事業においては、コロナ影響が比較的軽微であった化粧品製造装置の販売が堅調に推移し、また半導体製造装置関連向精密加工が復調してフル操業状態になった一方、その他の事業はコロナ影響を受けて全般的に低迷した。特に緊急事態宣言の発令や海外渡航制限等により休園を余儀なくされた国内・海外遊園地の営業および運営受託への影響は大きく、グループ全体としては売上高・利益とも大きく落ち込む結果となった。この結果、受注残高は8,773百万円となった。売上高は前年同四半期比400百万円(10.3%)減少3,479百万円、営業損失は440百万円(前年同四半期は212百万円の営業利益)となった。

 

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて3,111百万円減少し、34,728百万円となった。これは主に、仕掛品322百万円増加したものの、受取手形及び売掛金1,932百万円 、その他流動資産が885百万円現金及び預金557百万円それぞれ減少したこと等によるものである。

当第1四半期連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,470百万円増加し、27,311百万円となった。これは主に、その他投資資産が328百万円減少したものの、投資有価証券1,167百万円、無形固定資産が520百万円、有形固定資産が118百万円それぞれ増加したこと等によるものである。

 

(負債)

当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,150百万円減少し、26,133百万円となった。これは主に、リース債務110百万円短期借入金57百万円それぞれ増加したものの、支払手形及び買掛金892百万円その他流動負債が654百万円賞与引当金334百万円前受金181百万円1年内返済予定の長期借入金88百万円それぞれ減少したこと等によるものである。

当第1四半期連結会計期間末における固定負債は、前連結会計年度末に比べて625百万円増加し、24,361百万円となった。これは主に、長期借入金226百万円減少したものの、リース債務422百万円繰延税金負債335百万円退職給付に係る負債95百万円それぞれ増加したこと等によるものである。

 

(純資産)

当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて115百万円減少し、11,544百万円となった。これは主に、その他有価証券評価差額金797百万円増加したものの、利益剰余金803百万円資本剰余金163百万円それぞれ減少したこと等によるものである。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はない。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は68百万円である。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。