当社グループは1947年の創業以来、医療・高齢者福祉分野におきまして療養環境の向上のみならず、医療・介護従事者の業務改善等に資する製品・サービスを提供してまいりました。近年は福祉用具レンタル卸事業やメンテナンスサービス事業に参入するなど、社会の変化に対応し、事業の多角化を推進しながら、業容の拡大を図っております。
当社グループの関連する医療・高齢者福祉分野の事業環境につきましては、日本では2025年に団塊世代の全てが75歳以上となるなど高齢化は確実に進むものの、社会保障費の伸びが課題となっております。一方、医療施設・高齢者施設においては、看護・介護スタッフの負担を軽減するための製品・システムや、高度急性期分野等への投資が拡大するものと見込まれます。在宅介護市場においては、政府は「病院から在宅へ」という基本方針の下、在宅で医療・介護を受ける環境を整える方策を打ち出しており、今後の市場拡大が期待されます。
海外においては、アジア地域を中心として経済成長と共に医療インフラの充実が見込まれ、中国等では将来的にはわが国よりも速いスピードで高齢化が進むと予想されます。他方、生産年齢人口の減少や働き方改革などを背景として企業や個人が一人一人の健康に配慮する傾向や、AI・ITやデータを活用したビジネスの増加など、今後も環境が大きく変化していくことが想定されます。
このような事業環境のもとで、当社グループは10年後の2030年に向けた目指すべき姿「パラマウントビジョン2030」と同ビジョンに基づき2020年度から2022年度までの3年間を第1フェーズとする新たな中期経営計画を策定いたしました。ビジョンは「医療・介護から健康まで、すべての人に笑顔を」とし、医療・介護の分野で長年培ってきた技術や知見をもとに、今後は健康の分野でも皆さまに貢献することを新たな目標としております。また、ESG等、環境問題や社会貢献への取組についてもさらに強化してまいります。
中期経営計画では、基本方針として「現行ビジネスの拡大」「健康事業の本格化」「変革への基盤構築」を掲げ、将来の企業価値向上に向けて取り組んでまいります。
なお2021年3月期の業績予想ならびに中期経営計画の目標数値につきましては、現時点において新型コロナウイルス感染症の影響を合理的に算定することが困難であるため未定としております。今後の動向を見極めながら算定が可能となった段階で、速やかに開示いたします。
このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大により、医療施設・高齢者施設では看護・介護スタッフの負担が増加したり、感染予防のため手術件数の減少などで医療施設の経営が影響を受けております。在宅介護の分野でも、要介護を判定するための家庭訪問が控えられるなどで要介護認定に遅れが出ております。一部の国においては医療用ベッドの需要が増加しておりますが、総じて業界を取り巻く環境は厳しさを増しております。これらの課題に対しては、感染予防の観点から入院患者や高齢者施設の入居者の状態を非接触で把握できる製品・サービスの拡充や、オンラインを活用したプロモーションや販売方法の強化など、迅速な対応を進めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
以下において、当社グループの事業展開上、リスクと考えられる主な事項を記載いたしました。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生を未然に防止し、かつ万が一発生した場合においても適切に対処する所存であります。
なお、以下の記載内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであるとともに、当社株式への投資判断に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点をご留意ください。
(1)事業環境における制度変更等のリスクについて
当社グループの製品のほとんどは、公的規制のもとで提供されているものであります。すなわち主力製品である医療・介護用ベッド(以下「ベッド」といいます。)は、医療保険制度や介護保険制度に基づき運営されている医療施設及び高齢者施設並びに要介護の方がいらっしゃるご家庭で使用に供されるものであります。ベッドは、これらの公的制度のもとで公定料金(診療報酬・介護報酬)が設定されている製品ではありませんが、医療保険制度又は介護保険制度等に係る制度変更や定期的な公定料金の改定の影響により、最終顧客である医療施設等の設備投資が減少することも考えられるため、当社グループの事業、業績及び財政状態は、このような制度変更等により悪影響を受ける可能性があります。なお、こうした状況に対応するため、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、医療・介護の分野で長年培ってきた技術や知見をもとに、今後は健康の分野でも皆さまに貢献することを新たな目標とし、取組を強化してまいります。
(2)海外市場での事業拡大に伴うリスクについて
当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつと位置付けております。しかしながら、海外市場においては、国内市場では通常想定されないリスク、たとえば輸出・輸入規制の変更、技術・製造インフラの未整備や人材の確保の難しさ等に関わるリスクも発生する可能性があると考えております。もしこうしたリスクが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、生産拠点・販売拠点の所在する国・販売する地域における政治・経済・社会的状況や関連する規制等の情報(特に各国の環境関連規制、製品の安全性・品質関連規制、医療機器登録関連規制等の強化、変更等)を日々収集し、必要な対応を行っています。
(3)特定の資材等の調達に伴うリスクについて
当社グループの資材等の調達については、特殊な資材等があるため、少数特定の仕入先からしか入手できないものや、仕入先や供給品の切替えや代替が困難なものがあります。当社グループは、そのような事態に陥らないよう努めておりますが、もし不可欠な資材に供給の遅延・中断があり当該資材の供給不足が生じ、タイムリーに調達できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。
(4)製品や部品(製品等)の欠陥によるリスクについて
当社グループの製品は、品質システムに関する国際規格や各種の自社基準に基づき製造されており、当社グループは製品の品質管理には万全の体制を敷いており、また賠償責任保険を付保するなどの対応をとっておりますが、もし予測し得ない製品等の欠陥が生じ、それが大規模な無償交換(リコール)につながる場合には、多大な費用負担が生じ当社グループの社会的な信用も低下することが予想され、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。
(5)自然災害等によるリスクについて
地震等の自然災害又は大規模火災等により、当社グループや調達先の生産拠点に重大な損害が発生し、操業中
止、生産や出荷の遅延や減少等が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性
があります。なお、このような事態に備え、大地震等の発生を想定した事業継続計画(BCP)を策定し、安否確認システムや緊急時の連絡網を整備するとともに、定期的に訓練を行うなどの取組を行っています。
(6)新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症に対しては、当社グループでは従業員の安全を最優先に各種防止措置を講じておりますが、お取引先である医療機関・高齢者介護施設等から、感染拡大防止措置として製品納入の延期や営業訪問の制限などの要請が発生しました。感染拡大が収まらないもしくは一度収束しても再度拡大した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。今後は、インターネットを活用した非訪問型の営業活動や、感染症対応として非接触での見守り等に利用できる製品の強化などに取り組んでまいります。
また、(1)-(6)のリスクに対して、当社グループとしては、個々のリスクへの対応を強化するとともに、様々な角度から事業の幅を広げ、個別のリスクにより特定の事業に影響が生じてもグループ経営の継続性への影響は軽微に留められるよう努めてまいります。例として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、医療・介護の分野に加えて健康の分野に取り組むことは、事業分野別のリスクによる影響の軽減につながります。また日本全国において事業を行うことや、日本・インドネシア・中国・インドなど複数の国で事業を大きくしていくことで、特定の地域や国でリスクが生じても他の地域や国での事業への影響は軽微となります。当社グループ最大の生産拠点である千葉工場が損害を受けた場合や、感染症等で営業活動が制限されるなどのリスクに対しては、福祉用具レンタル卸事業など継続的なサービスを強化していくことで、売り切り事業モデルのリスクによる影響を軽減できると考えております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、期初より個人消費等の持ち直しが見られ、緩やかな回復基調で推移いたしましたが、期末にかけて発生した新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化いたしました。
このような環境のもと、当社グループにおきましては「既存事業の維持・拡大」「海外事業拡大の加速」「新たな成長の芽となる技術の開発とビジネスモデルの創造」を重点施策とした中期経営計画「2020プラン」の達成に向け、積極的に事業を展開いたしました。
既存事業におきましては、期末に、新型コロナウイルス感染拡大防止措置を講じる医療施設・高齢者施設等による製品納入の延期要請が増加したものの、製品販売事業、メンテナンス事業及びレンタル卸事業が概ね予算通りの売上となりました。製品開発といたしましては、検査台・ストレッチャー・いすとして使用できる処置台「ムーヴィス」を2019年4月に、重症患者対応から立位支援までを行う急性期医療向けベッド「アリウスシリーズ」を同年12月にそれぞれ発売いたしました。また、各施設向けの木製品等の販売強化を目指し、住宅設備や家具資材等の製造・卸売り事業を行うサダシゲ特殊合板株式会社の全株式を2019年10月に取得いたしました。
海外事業につきましては、販売拡大に向けて引き続き海外各拠点における人員の拡充や新製品の開発・再編に注力した結果、全体的に見るとほぼ予算通り推移いたしました。
新たなビジネスモデルにおきましては、高齢者の見守り等に利用できる「眠りSCAN」等、センサー技術を応用した製品の拡販に努めております。「眠りSCAN」につきましてはさらなる普及を目指し、1年単位のレンタルサービスを2019年12月にスタートいたしました。同製品の見守り支援システムとしての取組は「介護の人材不足・高度化に対応し、貢献できるシステム」である等として、経済産業省等が主催する「第8回ものづくり日本大賞」において経済産業大臣賞を受賞いたしました。また、コンシューマー向けでは、“眠りの自動運転”を実現した新製品「Active Sleep BED」を2019年6月に、遠隔での見守りができる電動ベッド「INTIME2000i」を同年7月に発売いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億51百万円増加し、1,442億57百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ14億27百万円増加し、371億91百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億75百万円減少し、1,070億66百万円となりました。
b. 経営成績
次に当連結会計年度における主要な品目別売上高は、以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、サダシゲ特殊合板株式会社の株式取得に伴い、品目区分の名称を「病室用家具」から「病室・居室用家具」に変更いたしました。
(単位:百万円)
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品目 |
当連結会計年度 |
前年度増減 (%) |
|
ベッド |
24,091 |
△5.5 |
|
マットレス |
4,834 |
△0.3 |
|
病室・居室用家具 |
7,534 |
1.0 |
|
医療用器具備品 |
6,088 |
0.9 |
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レンタル |
21,201 |
9.9 |
|
部品等 |
3,614 |
△4.3 |
|
その他 |
15,013 |
14.0 |
|
合計 |
82,379 |
2.9 |
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比22億90百万円増(2.9%増)の823億79百万円となりました。
営業利益につきましては、人件費、運送費等の増加のほか、新型コロナウイルス感染症の影響による納入の遅延などにより、同6億74百万円減(6.4%減)の99億6百万円となりました。
次に、経常利益につきましては、同7億77百万円減(7.1%減)の101億45百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失の減少により同3億39百万円増(5.1%増)の70億43百万円となりました。
また、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、350億9百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は90億87百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益102億79百万円、減価償却費68億95百万円、退職給付に係る負債の増加額2億30百万円等の増加と、法人税等の支払額33億2百万円、リース債務の支払額26億19百万円等の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は35億79百万円となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得額53億69百万円、有形固定資産の取得額27億51百万円等による減少と、有価証券及び投資有価証券の売却額65億94百万円等の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は74億75百万円となりました。これは主に、市場買付け等による自己株式の取得額43億82百万円、配当金の支払額29億99百万円等の減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
販売の実績については「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
a. 生産実績
|
(単位:百万円) |
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品目 |
当連結会計年度 |
前年度増減(%) |
|
ベッド |
28,260 |
△8.3 |
|
マットレス |
5,793 |
△9.4 |
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病室・居室用家具 |
3,348 |
7.2 |
|
医療用器具備品 |
2,580 |
△11.2 |
|
その他 |
3,707 |
20.1 |
|
合計 |
43,690 |
△5.7 |
(注)1.金額は販売価格によって表示しております。
2.当社グループはベッド関連事業の単一セグメントであるため、品目別の生産実績を記載しております。
b. 商品仕入実績
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(単位:百万円) |
|
品目 |
当連結会計年度 |
前年度増減(%) |
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病室用家具他 |
14,979 |
△7.8 |
|
合計 |
14,979 |
△7.8 |
c. 受注実績
見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は、介護人材不足および建設費の高騰などにより特別養護老人ホーム等の新築案件が減少し、期末に新型コロナウイルス感染拡大防止措置を講じる医療施設・高齢者施設等による製品納入の延期要請が増加したものの、メンテナンス事業や福祉用具レンタル卸事業の拡大に加え、検査台・ストレッチャー・いすとして使用できる処置台「ムーヴィス」、重症患者対応から立位支援までを行う急性期医療向けベッド「アリウスシリーズ」、コンシューマー向けに“眠りの自動運転”を実現した「Active Sleepシリーズ」などの新製品の発売や、ベッド上のご利用者様の心拍、呼吸を非装着でリアルタイムに測定する「眠りSCAN」の販売増加などで売上が伸びました。また、住宅設備や家具資材等の製造・卸売り事業を行うサダシゲ特殊合板株式会社を2019年10月に買収したことなどにより、前連結会計年度比22億90百万円増(2.9%増)の823億79百万円となりました。
売上総利益は、病室用家具等仕入品の割合の増加等で売上総利益率が低下したものの、売上高の増加により利益が増加し、前連結会計年度比4億38百万円増(1.2%増)の368億8百万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度比6億74百万円減(6.4%減)の99億6百万円となりました。これは主に、売上総利益が前連結会計年度と比べて増加したものの、販売費及び一般管理費が、消費税増税前に消耗工具等の備品を購入したことに加え、人件費、運送費等の増加により、前連結会計年度と比べて11億13百万円増(4.3%増)の269億2百万円となったことによるものです。
経常利益は、営業利益の減少と、円高による為替差損の増加等により、前連結会計年度比7億77百万円減(7.1%減)の101億45百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上した関係会社株式評価損がなくなったことなどにより、同3億39百万円増(5.1%増)の70億43百万円となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては,「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源については、将来の事業拡大に向けた設備等への投資は、事業活動の結果獲得した利益剰余金を充当することを基本としつつ、財務状況や金融市場の状況を勘案しながら社債を発行するなど、機動的な政策を取ることとしております。内部留保については、急激な事業環境の変化への備えとして充実した自己資本を維持し、利益処分は、株主還元と将来の事業拡大に向けた投資および内部留保を勘案した上で実施しております。
資金の流動性については、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、350億9百万円となりました。この現金及び現金同等物の過半は円建てであり、当連結会計年度末の流動負債(222億12百万円)の返済に必要な流動性を十分に満たしていると認識しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、1株当たり当期純利益(EPS)を重視しております。これは、本来の事業活動により得た利益や事業成長の結果が反映されやすく、かつ配当金など株主還元の原資でもあり、株主の皆様にとって理解しやすい指標であると認識しております。
該当事項はありません。
当社グループの「先進の技術と優しさで、快適なヘルスケア環境を創造します。」という企業理念に基づき、研究開発活動を行っております。当社グループの研究開発活動は、中核子会社であるパラマウントベッド株式会社 技術開発本部の研究開発部、要素技術部、開発部、デザイン部、試験評価室、及びグローバル開発部の合計6部門が担当しております。なお、役割分担の概要は以下のとおりです。
研究開発部は、睡眠に関する研究、及び看護・介護業務の効率化と安全に役立つ製品の先行開発を行っております。要素技術部は、ベッドや周辺機器を構成するメカトロニクス技術の開発や情報ネットワーク技術の開発を行っております。開発部は、医療看護現場や介護現場の問題解決やニーズに対応した製品開発及び褥瘡予防や快適な睡眠を提供するためのマットレスの開発を行っております。デザイン部は、ユニバーサルデザインによる安全で使い勝手の良いデザイン開発を行っております。試験評価室は、試作品の要求に対する評価方法の策定と評価を行っております。グローバル開発部は海外各国の医療看護現場での問題解決やニーズに対応した製品開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費は
医療施設向けには、「アリウスシリーズベッド」を開発し、2019年12月に発売いたしました。このベッドに搭載したボトム追従柵は、背上時でも安全な柵の高さが確保でき、ベッドからの患者の転落を予防します。加えて、安定した端座位姿勢がとれるように床高30㎝の低床化を実現し、離床用のグリップを用意しました。これらを組み合わせることで、安全な背上げから、安定した端座位、その後の離床まで、術後の早期離床リハビリを広く支援します。次いで、患者の体重を測定できるデジタルスケールや、安全に関わるサイドレールの昇降状態やキャスターのロック状態を検知するセンサーを搭載した機種、海外向けの機種を追加しました。「アリウスシリーズベッド」は、高度急性期から急性期一般床、海外の各領域に向けたラインアップを揃えております。
また、リハビリ室向けの動画記録装置「Trotto(トロット)」を開発しました。「Trotto」は、リハビリ現場でのカメラの設置、動画の撮影、その動画から動作の時間・距離・角度の測定、以前の映像との比較が簡単にできるシステムです。これによって患者と動作の課題を共有し、リハビリの評価や指導をスムーズにします。
高齢者施設向けには、ベッドで寝ている方の睡眠や起き上がり・離床の状況、心拍・呼吸を測定するセンサー「眠りSCAN」について、Wi-Fi通信機能の向上、薄型化など、施設からあがった改善要望へ対応したモデルチェンジを2019年7月に行いました。なお、「眠りSCAN」は、経済産業省等が主催する「第8回ものづくり日本大賞」において経済産業大臣賞を受賞いたしました。
在宅介護向けには、取り扱うレンタル品目の拡大のため、当社にとっては新たな品目である車いす用スロープ「レッツボード」を2019年9月に発売いたしました。この製品は、設置する玄関先にマッチするデザインや、消耗品の交換頻度や作業効率、安全に設置をしていただくためのユーザビリティに配慮しました。
コンシューマー向けでは、人それぞれに合った睡眠を取ることにより、前向きでアクティブな人生を送るための製品・サービスを総称する新ブランド「Active Sleep」の新製品として、「Active Sleep BED」「Active Sleep MATTRESS」「Active Sleep ANALYZER」を開発し、2019年6月に発売いたしました。「Active Sleep BED」は、睡眠状態を測定する「Active Sleep ANALYZER」を搭載することで、日本で初めて「入眠時」「熟睡時」「起床時」、それぞれの睡眠状態に合わせてベッドの角度が自動で変わる「眠りの自動運転」を実現したベッドです。「Active Sleep MATTRESS」は、身体の部位ごとにエアセルの硬さを変えられ、自分に合った寝心地を提供する「寝心地コントロール」を搭載しております。
また、「INTIME2000iシリーズ」ベッドを同年7月に発売し、こちらも「眠りの自動運転」と「Active Sleep ANALYZER」による睡眠状態のモニタリングができます。さらにこのベッドは、サイドレール等のオプションが装着可能な介護用ベッドに「変身」することもできます。
海外市場では、PT.パラマウントベッド インドネシアにおいて、「PA-8200シリーズ」(透析チェア/Multiple Medical Recliner)を2019年5月に受注を開始しました。海外の透析市場において、これまでは日本向けに開発された透析チェア「L’Za」を輸出して対応しておりましたが、より機能と価格の合った「PA-8200シリーズ」によって売上拡大を進めております。
また、上述の「眠りSCAN」は、タイ・シンガポール・フィリピン・ベトナム・マレーシアをターゲットとしたアジア向けモデルを2019年10月に追加しました。今後も他の海外諸国に向けたモデルを追加していく予定です。
※「アリウス」「Trotto」「眠りSCAN」「レッツボード」「Active Sleep」「眠りの自動運転」「INTIME」は、パラマウントベッド株式会社の登録商標です。