第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループは1947年の創業以来、医療・高齢者福祉分野におきまして療養環境の向上のみならず、医療・介護従事者の業務改善等に資する製品・サービスを提供してまいりました。近年は福祉用具レンタル卸事業やメンテナンスサービス事業に参入するなど、社会の変化に対応し、事業の多角化を推進しながら、業容の拡大を図っております。

 当社グループの関連する医療・高齢者福祉分野の事業環境につきましては、日本では2025年に団塊世代の全てが75歳以上となるなど高齢化は確実に進むものの、社会保障費の伸びが課題となっております。一方、医療施設・高齢者施設においては、看護・介護スタッフの負担を軽減するための製品・システムや、高度急性期分野等への投資が拡大するものと見込まれます。在宅介護市場においては、政府は「病院から在宅へ」という基本方針の下、在宅で医療・介護を受ける環境を整える方策を打ち出しており、今後の市場拡大が期待されます。

 海外においては、アジア地域を中心として経済成長と共に医療インフラの充実が見込まれ、中国等では将来的にはわが国よりも速いスピードで高齢化が進むと予想されます。他方、生産年齢人口の減少や働き方改革などを背景として企業や個人が一人一人の健康に配慮する傾向や、AI・ITやデータを活用したビジネスの増加など、今後も環境が大きく変化していくことが想定されます。

 このような事業環境のもとで、当社グループは2020年4月に10年後の2030年に向けた目指すべき姿「パラマウントビジョン2030」を公表いたしました。また同ビジョンに基づく中期経営計画では、2020年度から2023年度までを第Ⅰフェーズとし「現行ビジネスの拡大」「変革への基盤構築」「健康事業の本格化」を基本方針として、将来の企業価値向上に向けて取り組んでおります。中長期成長に向けた戦略投資期間と位置づけ、システム関連投資や新規ビジネス投資、設備投資を増加するなどして、数値目標は2023年度売上高890億円、営業利益120億円といたしました。当数値目標につきましては、当連結会計年度において超過したこともあり、新たな数値目標として、第Ⅱフェーズの最終年度2026年度の連結売上高1,200億円、営業利益170億円を公表いたしました。またESG等、環境問題や社会貢献への取組についてもさらに強化してまいります。

 このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大により、医療施設・高齢者施設では看護・介護スタッフの負担が増加したり、感染予防のため手術件数の減少などで医療施設の経営が影響を受けております。在宅介護の分野でも、要介護を判定するための家庭訪問が控えられるなどで要介護認定に遅れが出ております。一部の国においては医療用ベッドの需要が増加しておりますが、総じて業界を取り巻く環境は厳しさを増しております。これらの課題に対しては、感染予防の観点から入院患者や高齢者施設の入居者の状態を非接触で把握できる製品・サービスの拡充や、オンラインを活用したプロモーションや販売方法の強化など、迅速な対応を進めてまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上、リスクと考えられる主な事項を記載いたしました。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生を未然に防止し、かつ万が一発生した場合においても適切に対処する所存であります。

 なお、以下の記載内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであるとともに、当社株式への投資判断に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点をご留意ください。

 

(1)事業環境における制度変更等のリスクについて

当社グループの主力製品である医療・介護用ベッド(以下「ベッド」といいます。)は、医療保険制度や介護保険制度に基づき運営されている医療施設及び高齢者施設並びに要介護の方がいらっしゃるご家庭で使用に供されるものであります。ベッドは、これらの公的制度のもとで公定料金(診療報酬・介護報酬)が設定されている製品ではありませんが、医療保険制度又は介護保険制度等に係る制度変更や定期的な公定料金の改定の影響により、最終顧客である医療施設等の設備投資が減少することも考えられるため、当社グループの事業、業績及び財政状態は、このような制度変更等により悪影響を受ける可能性があります。なお、こうした状況に対応するため、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、医療・介護の分野で長年培ってきた技術や知見をもとに、今後は健康の分野でも皆さまに貢献することを新たな目標とし、取組を強化してまいります。

(2)海外市場での事業拡大に伴うリスクについて

当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつと位置付けております。しかしながら、海外市場においては、国内市場では通常想定されないリスク、たとえば輸出・輸入規制の変更、技術・製造インフラの未整備や人材の確保の難しさ等に関わるリスクも発生する可能性があると考えております。もしこうしたリスクが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、生産拠点・販売拠点の所在する国・販売する地域における政治・経済・社会的状況や関連する規制等の情報(特に各国の環境関連規制、製品の安全性・品質関連規制、医療機器登録関連規制等の強化、変更等)を日々収集し、必要な対応を行っています。

(3)特定の資材等の調達に伴うリスクについて

当社グループの資材等の調達については、特殊な資材等があるため、少数特定の仕入先からしか入手できないものや、仕入先や供給品の切替えや代替が困難なものがあります。当社グループは、そのような事態に陥らないよう努めておりますが、もし不可欠な資材に供給の遅延・中断があり当該資材の供給不足が生じ、タイムリーに調達できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。

(4)製品や部品(製品等)の欠陥によるリスクについて

当社グループの製品は、品質システムに関する国際規格や各種の自社基準に基づき製造されており、当社グループは製品の品質管理には万全の体制を敷いており、また賠償責任保険を付保するなどの対応をとっておりますが、もし予測し得ない製品等の欠陥が生じ、それが大規模な無償交換(リコール)につながる場合には、多大な費用負担が生じ当社グループの社会的な信用も低下することが予想され、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。

(5)自然災害等によるリスクについて

地震等の自然災害又は大規模火災等により、当社グループや調達先の生産拠点に重大な損害が発生し、操業中
止、生産や出荷の遅延や減少等が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性
があります。なお、このような事態に備え、大地震等の発生を想定した事業継続計画(BCP)を策定し、安否確認システムや緊急時の連絡網を整備するとともに、定期的に訓練を行うなどの取組を行っています。

(6)新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症に対しては、当社グループでは従業員の安全を最優先に各種防止措置を講じておりますが、取引先である医療機関・高齢者介護施設等から、感染拡大防止措置として製品納入の延期や営業訪問の制限などの要請が発生しました。感染拡大が収まらないもしくは一度収束しても再度拡大した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。今後は、インターネットを活用した非訪問型の営業活動や、感染症対応として非接触での見守り等に利用できる製品の強化などに取り組んでまいります。

また、(1)-(6)のリスクに対して、当社グループとしては、個々のリスクへの対応を強化するとともに、様々な角度から事業の幅を広げ、個別のリスクにより特定の事業に影響が生じてもグループ経営の継続性への影響は軽微に留められるよう努めてまいります。例として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、医療・介護の分野に加えて健康の分野に取り組むことは、事業分野別のリスクによる影響の軽減につながります。また日本全国において事業を行うことや、日本・インドネシア・中国・インドなど複数の国で事業を大きくしていくことで、特定の地域や国でリスクが生じても他の地域や国での事業への影響は軽微となります。当社グループ最大の生産拠点である千葉工場が損害を受けた場合や、感染症等で営業活動が制限されるなどのリスクに対しては、福祉用具レンタル卸事業など継続的なサービスを強化していくことで、売り切り事業モデルのリスクによる影響を軽減できると考えております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたこと等により持ち直しの動きがみられたものの、下期に入り新たな変異株の拡大が確認されたことで、経済活動が再度制限されることになりました。また、原材料価格および物流費の高騰、半導体をはじめとする部品供給不足、さらには国際情勢の緊迫化などにより厳しい環境が続きました。

 当社グループの関連する医療・介護分野におきましては、同ウイルス感染症の拡大防止・収束に向けて最前線で活動する方々の負担の長期化が問題視されています。当社グループにおきましては、製品の提供のみならず医療施設内におけるさまざまなサービス業務等を継続していくことで医療・介護体制の維持に貢献したいと考えております。

 当社グループは2020年4月1日付で、2030年に向けた目指すべき姿「パラマウントビジョン2030」を策定いたしました。「医療・介護から健康まで、すべての人に笑顔を」を掲げ、医療・介護の分野で長年培ってきた技術や知見をもとに、健康の分野でも皆様に貢献することを目指しております。

 当連結会計年度におきましては、医療事業では国内における製品販売、レンタル・リース、メンテナンスサービスが順調に推移いたしました。海外につきましては、中国、シンガポールを中心に売上を伸ばしました。介護事業では介護施設向けおよび在宅介護向けの製品販売、福祉用具レンタル卸が引き続き堅調に推移しております。健康事業ではテレビ・ラジオ・ソーシャルメディアでのプロモーション活動の強化のほか新製品の投入等の効果により他の事業と同様に前年を上回って推移いたしました。

 製品開発におきましては2021年6月、医療施設向けベッドの主力製品「メーティスPROシリーズ」のモデルチェンジを行いました。また同年7月、在宅向け介護用ベッド「楽匠プラスシリーズ」に音声操作機能を追加。同年12月には使用される方の負担軽減と快適性を追求したベッド設置式介護リフト「エレベオ」を、2022年3月には抗ウイルス性、耐薬品性を併せ持つ医療・介護用マットレスをそれぞれ発売いたしました。健康事業では2021年9月、医療用ベッドの技術を応用し、ソファに座るようなリラックスした姿勢がとれる一般家庭向け電動ベッド「INTIME(インタイム)3000」を発売いたしました。さらに新サービスといたしまして同年10月、INTIMEシリーズ購入者に対して、居室内のベッド移動や介護の相談等、生活を多方面から支援する有料サービスプランを開始いたしました。

 ヘルスケア分野における事業多角化の一環といたしましては2021年7月、パラマウントベッド株式会社が西日本電信電話株式会社と共同出資を行い、データを活用したオンラインヘルスケアサービスを提供する事業会社「NTT PARAVITA株式会社」を設立いたしました。両社の持つICT技術を活用し、未病状態の発見に資するデータの提供を行うことで、サービスを利用される方の健康で充実した生活の維持をサポートする事業を展開してまいります。

 当社グループは創業以来、社業を通じての社会貢献を目指して活動してまいりました。ESG経営推進のためのマテリアリティ(重要課題)として「環境に配慮した事業活動」「すべての人が健康でいきいきと暮らせる環境づくり」等を掲げております。当連結会計年度の新たな取り組みといたしまして、当社グループが事業展開をするインドネシア共和国におけるマングローブの植林活動をスタートさせました。また、パラマウントケアサービス株式会社が取り扱うレンタル用品の梱包材の原料にバイオマスプラスチックを採用いたしました。今後も様々な取り組みを行い、循環型社会・脱炭素社会の実現への貢献を目指してまいります。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a. 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ99億23百万円増加し、1,642億81百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ20億71百万円増加し、426億6百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ78億52百万円増加し、1,216億75百万円となりました。

b. 経営成績

 次に当連結会計年度における主要な品目別売上高は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

品目

当連結会計年度

前年度増減 (%)

ベッド

28,785

マットレス

5,601

病室・居室用家具

6,546

医療用器具備品

7,540

レンタル

25,124

部品等

4,340

その他

12,413

合計

90,352

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は903億52百万円となりました。営業利益は前期比7億57百万円増(6.5%増)の123億40百万円、経常利益は同81百万円増(0.6%増)の135億43百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同4億81百万円増(5.6%増)の90億92百万円となりました。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日) 等を適用しております。これにより、顧客への財又はサービスの提供における当社グループの役割が代理人に該当する取引について、従来顧客から受け取る対価の総額を収益として計上していましたが、当該対価の総額から第三者に対する支払額を差し引いた純額で収益を認識する方法に変更しています。この結果、当該基準適用前と比較して売上高は減少し、売上総利益率等は増加しております。そのため、当連結会計年度における当期の経営成績の状況に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 会計方針の変更」に記載のとおりであります。

 また、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、454億62百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、増加した資金は78億22百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益134億37百万円、減価償却費78億98百万円等の増加と、法人税等の支払額41億87百万円、賃貸資産の増加額84億42百万円等の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、減少した資金は2億20百万円となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得額77億52百万円、有形固定資産の取得額10億47百万円等による減少と、有価証券及び投資有価証券の売却額79億40百万円等の増加によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、減少した資金は33億65百万円となりました。これは主に、配当金の支払額30億54百万円等の減少によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

 販売の実績については「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

a. 生産実績

(単位:百万円)

 

品目

当連結会計年度

前年度増減(%)

ベッド

38,697

13.5

マットレス

7,906

20.2

病室・居室用家具

4,638

18.6

医療用器具備品

3,477

17.0

その他

6,402

10.1

合計

61,123

14.5

(注)1.金額は販売価格によって表示しております。

2.当社グループはベッド関連事業の単一セグメントであるため、品目別の生産実績を記載しております。

 

b. 商品仕入実績

(単位:百万円)

 

品目

当連結会計年度

前年度増減(%)

病室用家具他

10,206

△19.3

合計

10,206

△19.3

 

c. 受注実績

 見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、医療事業においては、新型コロナウィルス感染症の影響で前連結会計年度では病床確保のためのベッド等の需要が発生した海外においてその反動減があったものの、国内ではベッド等の販売、レンタル・リース、メンテナンスサービスが順調に推移しました。介護事業においては、主に介護施設において見守り支援システムとして利用されているセンサー「眠りSCAN」の安定した需要と、在宅介護分野で2020年8月に発売した「楽匠プラスシリーズ」の販売が引き続き好調であったことに加え、福祉用具レンタル卸事業の拡大等により売上を伸ばしました。健康事業においては、テレビ・ラジオ・ソーシャルメディアでのプロモーション活動や、医療用ベッドの技術を応用して2021年9月に発売した「INTIME3000」等の効果により売上が増加しました。製品開発においては、「INTIME3000」のほか、医療施設向けベッドの主力製品「メーティスPROシリーズ」のモデルチェンジ等が売上増に貢献しました。その結果、売上高は903億52百万円となりました。なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、前連結会計年度との正確な比較はできませんが、単純比較では前連結会計年度比31億81百万円増(3.7%増)、実質的には約55億円増(約6%増)となっております。

 売上総利益は、当連結会計年度後半にかけて資材高騰や円安の影響で売上原価が増加したものの、売上増とベッド等自社製品売上割合の増加等により、前連結会計年度比25億95百万円増(6.4%増)の430億31百万円、売上総利益率は同1.2ポイント増の47.6%となりました。なお、上記「収益認識に関する会計基準」等の影響で売上総利益率が上昇している側面もありますが、自社製品売上割合の増加等により実質的にも上昇しております。

 営業利益は、前連結会計年度比7億57百万円増(6.5%増)の123億40百万円となりました。これは主に、売上総利益が前連結会計年度と比べて25億95百万円増加したことに対し、販売費及び一般管理費が人件費や売上増に伴う運送費等の増加と中長期的成長に向けた戦略投資を強化したものの、前連結会計年度と比べて18億37百万円増(6.4%増)と売上総利益の増加以内に収まったことによるものです。

 経常利益は、投資事業組合運用益が減少したものの、営業利益及び為替差益の増加等により、前連結会計年度比81百万円増(0.6%増)の135億43百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、同4億81百万円増(5.6%増)の90億92百万円となりました。

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては,「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 当社の資本の財源については、将来の事業拡大に向けた設備等への投資は、事業活動の結果獲得した利益剰余金を充当することを基本としつつ、財務状況や金融市場の状況を勘案しながら機動的な政策を取ることとしております。内部留保については、急激な事業環境の変化への備えとして充実した自己資本を維持し、利益処分は、株主還元と将来の事業拡大に向けた投資および内部留保を勘案した上で実施しております。

 資金の流動性については、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、454億62百万円となりました。この現金及び現金同等物の過半は円建てであり、当連結会計年度末の流動負債(253億87百万円)の返済に必要な流動性を十分に満たしていると認識しております。

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、1株当たり当期純利益(EPS)を重視しております。これは、本来の事業活動により得た利益や事業成長の結果が反映されやすく、かつ配当金など株主還元の原資でもあり、株主の皆様にとって理解しやすい指標であると認識しております。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、「先進の技術と優しさで、快適なヘルスケア環境を創造します。」という企業理念に基づき、中核子会社であるパラマウントベッド株式会社 技術開発本部の研究開発部、要素技術部、開発部、デザイン部、IBSソリューション開発部の合計5部門と睡眠研究所が担当しております。なお、役割分担の概要は以下のとおりです。

 研究開発部は、医療・介護・健康等の分野での、新技術の調査・先行開発、機械学習などの解析技術開発・評価を行っております。要素技術部は、制御回路・センサー・組込みソフト・通信/ネットワーク・アプリケーション等、電装システム関連の製品/サービスの先行開発及び技術開発を行っております。開発部は、国内外の医療看護現場や介護現場の問題解決やニーズに対応した製品開発及び床ずれ防止や快適な睡眠を提供するためのマットレスの開発を行っております。デザイン部は、ユーザー視点に立った安全で使い勝手の良いデザイン開発、ブランディングに関わるデザイン監修を行っております。IBSソリューション開発部は主に医療分野のベッドサイドケア業務を支援するソリューションの企画・設計・開発・導入・保守を行っております。睡眠研究所は、睡眠に関する研究、および要素技術の開発、睡眠に関する製品の評価、情報収集・発信を行っております

 

 当連結会計年度の研究開発費は1,697百万円であり、主な成果は以下のとおりであります。

 

(1)在宅向け介護用ベッド「楽匠プラスシリーズ」に音声操作機能を追加

 2021年7月、在宅向け介護用ベッド「楽匠プラスシリーズ」のスマートフォンアプリに、指先によるボタン操作が難しい方でも音声などの情報をもとにベッドを操作できる機能を追加いたしました。身体が不自由な方の身体機能に応じた社外製の操作スイッチとの連携も可能です。

 

(2)医療・介護で培った技術を健康のために応用した一般家庭向けベッド「INTIME3000」

 高い機能性とデザイン性に加えベッド上での快適性を追求した一般家庭向け電動ベッドブランド「INTIME」シリーズから、ソファに座るようなリラックスした姿勢をとれる背上げ機構を搭載した「INTIME3000」を2021年9月に発売いたしました。背を上げるとベッド全体を足先側が低くなるように傾斜することで、従来の電動ベッドで背上げをした時の座位姿勢に比べて足先が下がるため、ソファに座っている姿勢に近い、よりリラックスした姿勢がとれます。

 また、「INTIME3000」は、身体に非装着でベッド上にいる方の心拍・呼吸・体動の測定ができ、眠りの状態を見守るセンサー「Active Sleep ANALYZER」を搭載できます。日々の睡眠状況の確認やベッドの操作・設定等をスマートフォンアプリで行えるほか、眠ったことを検知してベッドを水平にし、設定した起床時刻になるとベッドの背を上げることで覚醒を促す「眠りの自動運転」機能の利用が可能になります。

 

(3)新興国の付加価値を求める病院に向けた医療用電動ベッド「Qualitas Nx シリーズ」

 新興国向けの医療用電動ベッド「Qualitas Nx シリーズ」(クオリタス エヌ エックス)を2021年10月に発売いたしました。ベッドからの転落リスクを生むベッド側面のすき間をなくした全面サイドレール形状を採用して安全性の向上を図ったほか、腹部の圧迫軽減などを実現した背上げ動作機構、シンプルながらも優美さと高級感を兼ね備えたデザイン、販売先国の嗜好に合わせた柄や色合いのデザインシートの用意など、機能性とデザイン性を向上いたしました。

 

(4)ベッド設置式介護リフト「エレベオ」

 当社の在宅介護向けベッドに組み付ける設置式リフト「エレベオ」を、2021年12月に発売いたしました。ベッドとの間で生じるすき間のリスクを低減したほか、リフトとベッドを1つのリモコンで操作できるなど、ベッドとリフトを共に自社開発しているからこそ可能な安全性と利便性を最大化したリフトになっております。

 

(5)感染対策に配慮した抗ウイルスタイプのマットレスを追加

 体圧分散性と動きやすさの使い分けが可能なリバーシブルマットレス「エバーフィットC3」と、静止型では最高レベルの体圧分散性能とずれ軽減機能で床ずれ予防をサポートするマットレス「エバープラウド」に、抗ウイルスカバーモデルを追加し、2022年3月に販売を開始いたしました。抗ウイルス加工が施されたマットレスカバーは、カバーに付着したウイルスを、抗ウイルス成分によって減少させます。また、本マットレスのカバーは、高濃度の次亜塩素酸ナトリウムやアルコールで消毒しても抗ウイルス性が保たれます。清拭消毒によるメンテナンス性と抗ウイルス性を両立いたしました。

(6)ユニットを共通化した在宅向け介護用ベッド「クオラONE」

 2022年3月、在宅介護用電動ベッド「クオラONE」を全国発売いたしました。在庫管理効率を向上するためにベッド本体を構成するユニットを共通化するとともに、組立時の配線の簡素化などの貸与事業者のメリットとなる構造の改善を図りました。また、背上げ動作を改善して圧迫感・ずれを軽減したほか、ベッドとスマホアプリの連携による利便性向上など、利用者向けの機能アップを行いました。

 

※「クオラONE」「楽匠プラスシリーズ」「エレベオ」「INTIME」「Active Sleep」「眠りの自動運転」「エバーフィット」「エバープラウド」「Qualitas Nx」は、パラマウントベッド株式会社、またはグループ会社の登録商標です。