当社グループは1947年の創業以来、医療・高齢者福祉分野におきまして療養環境の向上のみならず、医療・介護従事者の業務改善等に資する製品・サービスを提供してまいりました。近年は福祉用具レンタル卸事業やメンテナンスサービス事業に参入するなど、社会の変化に対応し、事業の多角化を推進しながら、業容の拡大を図っております。
当社グループの関連する医療・高齢者福祉分野の事業環境につきましては、日本では2025年に団塊世代の全てが75歳以上となるなど高齢化は確実に進むものの、社会保障費の伸びが課題となっております。一方、医療施設・高齢者施設においては、看護・介護スタッフの負担を軽減するための製品・システムや、高度急性期分野等への投資が拡大するものと見込まれます。在宅介護市場においては、政府は「病院から在宅へ」という基本方針の下、在宅で医療・介護を受ける環境を整える方策を打ち出しており、今後の市場拡大が期待されます。
海外においては、アジア地域を中心として経済成長と共に医療インフラの充実が見込まれ、中国等では将来的にはわが国よりも速いスピードで高齢化が進むと予想されます。他方、生産年齢人口の減少や働き方改革などを背景として企業や個人が一人一人の健康に配慮する傾向や、AI・ITやデータを活用したビジネスの増加など、今後も環境が大きく変化していくことが想定されます。
当社グループは2020年4月1日付で、2030年に向けた目指すべき姿「パラマウントビジョン2030」を策定いたしました。「医療・介護から健康まで、すべての人に笑顔を」を掲げ、医療・介護の分野で長年培ってきた技術や知見をもとに、健康の分野でも皆様に貢献することを目指しております。同ビジョンに基づく中期経営計画では、第Ⅰフェーズ(2020年度から2023年度)の重点施策である「現行ビジネスの拡大」「健康事業の本格化」「変革への基盤構築」及び第Ⅱフェーズ(2024年度から2026年度)の基本方針である「リカーリングビジネスの拡大」「健康事業の進化」「アジア注力エリアでの飛躍」に注力し、2026年度の業績目標として売上高1,200億円、営業利益170億円を目指しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、企業理念と長期ビジョン達成のプロセスにおいてESGの考え方を重視し、重点課題の解決に積極的に取り組むことを通じてSDGsの達成に貢献し、持続可能な社会の実現と信頼される企業活動を目指しています。
ESG・SDGsの観点で「1.持続的な医療・介護体制整備の支援」「2.すべての人が健康でいきいきと暮らせる環境づくり」「3.製品安全の追求」「4.従業員の健康・ダイバーシティ・働き方改革の推進」「5.環境に配慮した事業活動」「6.コンプライアンスの徹底」の6つの重点課題(マテリアリティ)に整理し、パラマウントビジョン2030及び中期経営計画に、これらマテリアリティの施策を組み込み推進してまいります。
(1)サステナビリティ全般
①ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関する活動を管理推進する組織として、サステナビリティ委員会を設置いたしました。
サステナビリティ委員会は、気候変動や人的資本などのサステナビリティ課題に関する基本戦略、活動の実施状況、情報開示等について議論し、適宜取締役会に上程・報告をし、取締役会は、サステナビリティ委員会から報告を受け、必要に応じて監督・指示を行います。
②リスク管理
サステナビリティ関連リスクの管理プロセスとして、サステナビリティ委員会を通じて、これらの分析、対策の立案、進捗管理等を実践いたします。
「リスク管理基本規程」に基づき、気候変動をはじめとするサステナビリティに関する課題を「サステナビリティ委員会」が、その他の全社的な課題を「経営会議」がそれぞれ分析、対策の立案と推進、進捗管理等を実践し、取締役会にて一元的なリスクマネジメント体制を構築しております。
(2)気候変動への対応(TCFD提言に沿った情報開示)
当社グループは、ESG経営推進のための重点課題(マテリアリティ)のひとつとして「5.環境に配慮した事業活動」を掲げており、地球と調和した持続可能な社会を構築するため、企業活動や製品のライフサイクル全体にわたって環境負荷の低減を目指しております。
そのため、気候変動への対応は社会全体が直面する課題であり、当社にとっても中長期的な課題と捉え、気候変動に係るリスク及び機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響について、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿って下記のとおり整理をしております。
①戦略
当社はIEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(2℃未満シナリオ及び4℃シナリオ※)を参照し、2050年までの長期的な当社への影響を考察し、次のとおりシナリオ分析を実施いたしました。
なお、当社にとっての影響の大きさや発生の可能性の2軸からリスク・機会を抽出し、当社への事業インパクト(3段階)を評価して重点となる項目を絞り込み、対策を整理しています。今後も戦略としてのレジリエンスを高めながら、事業計画等と連動させて脱炭素社会の実現に向けて貢献していきます。
※2℃未満シナリオ :気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化などの対策が取られるシナリオ
4℃シナリオ :気温上昇の結果、異常気象などの物理的影響が生じるシナリオ
気候変動に関する主なリスクと機会及び対応
凡例 ▲:リスク ●:機会
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シナリオ |
リスク・機会 |
事業 インパクト |
当社への影響 |
当社の対策 |
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2℃未満シナリオ |
炭素税導入 ▲炭素税・排出量取引による調達・物流・操業コスト増加 |
★★★ |
炭素税が課税されることにより、鉄鋼材料等の調達価格の上昇・工場等における自社操業コストの上昇、物流コストの上昇が想定され、当社への事業インパクトは大きいと考えられる。 |
・低炭素材料への切り替え ・拠点間の輸送効率化等による輸送量の削減 ・自社由来CO₂排出量(Scope1/2)の削減計画策定 |
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脱炭素政策の強化 ▲再エネ調達コスト増加 ●環境に配慮した技術、サービス需要の増加 |
★★ |
脱炭素政策が強化され、電力を全て再生可能エネルギーに切り替える必要が生じ追加コストが発生するが、当社への影響は小さいと考えられる。 一方で、当社の環境に配慮した技術・サービスの需要の増加が見込まれる。 |
・自社由来CO₂排出量(Scope1/2)の削減計画策定 ・顧客の環境に関する意識の変化の素早い把握及び、その時々に顧客が求めている環境配慮型製品の開発・提供 |
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ステークホルダーの意識変化 ▲気候変動への対応不備と評判低下 ●顧客の環境意識の高まりによるレンタル・アフターサービス需要の増加 |
★★★ |
適切な環境対応に関する情報開示、GHG排出量削減目標の設定を行わなかった場合、各ステークホルダーからの評判低下リスクが発生しうるが、当社は今後も適切な開示に努める方針であるため、影響は一定程度と考えられる。 一方で、顧客の廃棄コスト削減志向が強まることで、レンタル需要・部品交換等のアフターサービス需要が高まるため、当社への事業インパクトは大きいと考えられる。 |
・TCFD等の気候変動に関する情報開示を適切に開示することによる、環境に配慮した経営を行っている企業としての評判の維持・向上 ・環境配慮型製品の供給、GHG排出量削減目標の策定・達成による、環境に対して責任を果たす企業としての評判の維持・向上 ・リカーリングビジネスの拡大の加速化及び、センシング技術・AI・IoTなどを活用した 新たなリカーリングビジネスメニューの開発 |
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4℃シナリオ |
急性リスク (風水害の激甚化) ▲原料調達先の自然災害への被災による操業停止リスク ▲生産拠点が被災する事による操業停止リスク ▲集中豪雨による物流の遮断 ●防災製品・サービス需要の拡大 ●風水害発生時の迅速かつ安定的な供給による信頼の確保 |
★★★ |
取引額が大きい調達先や、生産拠点、物流網が風水害による被災を受けた場合、操業が停止し逸失利益が生じる可能性がある。 一方で、風水害が激甚化・多発化するため、防災製品・サービスの需要が増加する。 また、災害発生時に迅速かつ安定的に供給対応することで、当社への信頼確保の機会ともなると考えられ、当社への事業インパクトは大きいと考えられる。 |
・複数社購買、複数拠点在庫、汎用品の採用等の推進 ・災害時も製品の安定供給を維持するための安全在庫の確保と、他生産拠点との連携による迅速な生産対応 ・被災した物流ルートの代替として他の地域から緊急出荷が可能な体制の確立 ・自然災害の発生時に有効な製品・サービスの開発、供給体制の拡充、外部発信・PR |
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慢性リスク (気温の上昇、温暖化) ▲気温上昇対応コストの増加 ●気温上昇に伴う睡眠の質の低下対策に資する製品・サービス需要の増加 ●気温上昇に伴う医療・看護・介護業務の効率化に資する製品・サービスの需要増加 |
★★★ |
気温が上昇した場合、従業員の健康維持のために空調コスト等の気温上昇に対応するためのコストが発生する可能性がある。 一方で、気温上昇に伴う睡眠の質の低下の対策需要、医療・看護・介護業務のサポート需要が拡大することによる当社製品(スリープテック製品・スマートベッドシステム等)の需要が見込まれるため、当社への事業インパクトは大きいと考えられる。 |
・高効率な空調機の導入等による空調コストの軽減 ・スリープテック製品・スマートベッドシステムの開発・販売及び外部発信・PR |
②指標と目標
指標につきましては、Scope1/Scope2に該当するGHG(CO₂)排出量とし、算定対象はパラマウントベッドホールディングス株式会社・パラマウントベッド株式会社といたしました。
2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、上記算定対象会社におけるScope1/Scope2に該当するGHG排出量を、2030年までに30%削減(2013年比)することを目標に取り組みます。
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Scope1/Scope2排出量 |
2013年 |
2022年 |
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パラマウントベッドホールディングス株式会社 + パラマウントベッド株式会社 |
6,813t-CO2 |
6,550t-CO2 |
(3)人的資本
当社グループは、2030年に向けた目指すべき姿「パラマウントビジョン2030」を実現するため、「先進の技術と優しさで、快適なヘルスケア環境を創造します」という理念のもと、社内外の力を最大限に活用し更なる価値創造を目指します。人的資本に関しては、「現場主義を大切にし 社業を通じて社会貢献する人材を育成する」という基本的な考え方に基づき、下記の方針を立て、取り組みを進めてまいります。
①人材育成方針
当社グループは、2030年の目指す姿として、「医療・介護から健康まで、すべての人に笑顔を」というビジョンを掲げております。同ビジョンの中でも、企業の力の源泉は人材だと考えており、人材基盤の強化を重要なテーマと置いています。
同ビジョンに基づく中期経営計画では、第Ⅰフェーズ(2020年度から2023年度)において「現行ビジネスの拡大」「健康事業の本格化」「変革への基盤構築」を、第Ⅱフェーズ(2024年度から2026年度)において「リカーリングビジネスの拡大」「健康事業の進化」「アジア注力エリアでの飛躍」に注力することをそれぞれの基本方針としており、これらを推進し、更なる成長を続ける企業となるため、ビジネス変革に対応した人材基盤を構築するための取り組みを進めております。
〈求める人材像〉
自ら新しいことにチャレンジし、コミュニケーションを大切にして、未来のパラマウントベッドグループを創り出すことができる人材
求める人材像を実現し、中期経営計画を推進していくためには、特に『エンゲージメント』『育成』『スキル/経験』『リーダーシップ』『サクセッションプラン』『採用』の観点から人材基盤を強化していくことが重要と捉えております。そのために、「やり甲斐の創出」と「成長支援」を軸とした各種取り組みを通じて、人材育成に取り組んでいきます。具体的には、「従業員全体の育成強化」「グローバル人材の採用・育成」の2つの観点から、以下の取り組みを推進し、指標の管理を行ってまいります。
指標欄に特に注記のない場合は、パラマウントベッド株式会社を対象に集計しております。
a.従業員全体の育成強化
「やり甲斐の創出」と「成長支援」を軸とした人材育成を推進するため、従業員の自発的な学びである≪学習≫と、仕事を通じて身に付ける≪経験≫を重視した施策を実施しております。学習を活かした経験を積み、経験が新たな学びを生むサイクルによって、従業員の成長を常に促進してまいります。
≪学習≫
従業員の学ぶ意欲と行動力を後押しする自己啓発制度として、学びの集合体である「パラマウントキャンパス」を整備し、160を超える通信教育講座を提供しております。さらに、学びをポイント化して昇格要件に組み込むことで、従業員の成長を促してまいります。
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2021年 |
2022年 |
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「パラマウントキャンパス」受講者数 |
876人 |
845人 |
また、高度専門人材の育成のため、ビジネススクールや大学院への派遣、DX講座の開設を実施しております。
≪経験≫
期待役割/行動の明確化、個々の特性に応じた活躍機会の拡大を図るため、推進項目の達成と評価への紐づけをより明確にした新たな人事制度を導入し、従業員のチャレンジと学びを推進しております。
また、新しいことへのチャレンジを希望する従業員を後押しするため、部署への配属を公募する「キャリアチャレンジ制度」を整備しております。
さらに、個々の能力に応じた経験を提供するため、職種別人材像・個々の能力を見える化し、適材適所の配置や従業員ごとに適した教育施策へと結びつけています。具体的には、選抜者研修を実施しており、選抜者同士の人材交流やディベート・プレゼン研修、経営会議の場での提言を通じてリーダーシップの育成を図っております。
加えて、中長期的な視点からの幹部人材の発掘・育成に取り組んでまいります。
b.グローバル人材の採用・育成
グローバル化への対応力を高めるため、高い語学力を持つ人材や海外で活躍したいという強い意欲を持つ人材を積極的に採用しております。
入社後もTOEICのスコアアップ支援等の語学教育を充実させているほか、2020年にはキャリアチャレンジ制度の一環として「海外トレーニー制度」を構築し、公募で期間限定の海外勤務体験をする機会を作る取り組みも行っております。
②社内環境整備方針
当社グループの製品・サービスは、性別や国籍を問わず、多様な方々に医療・介護の現場で利用していただいています。そのため、従業員の持つ多様な国籍や世代、性別といったバックグラウンドから生まれる感性を、製品開発・サービス提供に活かしていくことが重要です。また、そうした多様性が、パラマウントベッドグループの強みとなっております。
当社グループの従業員が持つ多様性をより活かすため、相互理解や信頼関係構築に向けた「コミュニケーションを尽くす風土」、そして業界のトップにあり続けることにこだわって各人が新しい分野に挑戦し続けるための「挑戦を援(たす)ける風土」の醸成を進めております。多様な「人財」一人一人が活躍し、健康でハピネスを感じられる環境づくりを継続することで、パラマウントビジョン2030や中期経営計画にある変革への基盤構築をさらに推進させてまいります。
当社グループでは上記を踏まえ、『ダイバーシティ』『精神的健康』『身体的健康』『コンプライアンス/倫理』の観点から、社内環境整備を推進してまいります。
マテリアリティに掲げている「4.従業員の健康・ダイバーシティ・働き方改革の推進」、「6.コンプライアンスの徹底」と合わせて、以下の取り組みを進めてまいります。
a.ダイバーシティの推進
当社グループの強みである多様性をより促進するため、従業員それぞれのライフイベントに応じた制度を整備しております。
女性活躍の推進に向けて、産前産後休暇制度 / 育児休業制度 / 子の看護休暇制度 / 短時間勤務制度など各種制度の整備・充実や、新卒採用における女性比率を30%確保するなど、行動計画を立てて実践しております。
女性の視点を活かした製品づくりプロジェクトとして「Tsubaki Project」を発足し、産婦人科や小児科向けの製品のマーケティングや女性に共感してもらえる商品企画提案を行っています。同プロジェクトから生まれた製品が、「第11回キッズデザイン賞の奨励賞」「キッズデザイン協議会会長賞」及び「第5回かわいい感性デザイン賞の企画賞」を受賞いたしました。
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2021年 |
2022年 |
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女性従業員の育児休業取得率 |
66.7% |
166.7% |
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新卒採用における女性比率(入社人数比) |
30.0% |
29.6% |
業務内容及び難易度に応じた65歳までの定年再雇用制度を整備し、シニア人材の持っている力を最大限活かしていただける取り組みを行っております。
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2021年 |
2022年 |
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定年再雇用制度利用者率 |
90.0% |
100.0% |
また、在籍社員の「副業・兼業制度」や退職従業員の「カムバック制度」を実施し、外部の知見や価値観の吸収を促進し、組織の多様性向上を推進しています。
b.従業員の健康への取り組み
関連会社と連携し、睡眠を足掛かりとした生活改善に向けたサービス提供に向けた実証実験を行っております。睡眠状態を計測するアプリケーションの使用を従業員に展開することで、従業員の睡眠改善支援に役立てています。
うつ病の理解とその対応方法を従業員の研修プログラムの一環として取り入れ、未然防止に努めております。また、個人でストレスチェックが可能なように社内ネットを構築するとともに、外部相談窓口の整備、産業医との連携を密にした相談体制の充実を行っております。
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2021年 |
2022年 |
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ストレスチェック受検率 |
86.3% |
85.9% |
上記をはじめとする各種取り組みが認められ、健康保険組合が実施する「健康優良企業の認証」や、経済産業省及び日本健康会議が共同で認定する「健康経営優良法人2023」に認定されました。
c.働き方改革の推進
一人ひとりのライフスタイルに沿ったワークライフマネジメントをできるように、働き方の改革を進めております。
具体的には、育児・介護と仕事の両立支援のため、テレワーク制度 / エリア営業制度 / 勤務地限定制度 / 配偶者同行休職制度といった施策を複合的に実施しております。
d.コンプライアンスの徹底
事業活動を通じた社会貢献を実践することで社会的責任を果たし、企業価値の一層の向上を図るため、入社時には必ずコンプライアンス研修を実施しているほか、企業倫理ガイドブックの作成や研修での活用、企業倫理室からのメッセージの定期配信を行っております。
遵守状況を把握するため、従業員意識調査の実施、通報窓口の設置を通じて、多面的なモニタリングを行っています。
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2021年 |
2022年 |
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コンプライアンス研修の受講率 |
100.0% |
100.0% |
以下において、当社グループの事業展開上、リスクと考えられる主な事項を記載いたしました。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生を未然に防止し、かつ万が一発生した場合においても適切に対処する所存であります。
なお、以下の記載内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであるとともに、当社株式への投資判断に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点をご留意ください。
(1)事業環境における制度変更等のリスクについて
当社グループの主力製品である医療・介護用ベッド(以下「ベッド」といいます。)は、医療保険制度や介護保険制度に基づき運営されている医療施設及び高齢者施設並びに要介護の方がいらっしゃるご家庭で使用に供されるものであります。ベッドは、これらの公的制度のもとで公定料金(診療報酬・介護報酬)が設定されている製品ではありませんが、医療保険制度又は介護保険制度等に係る制度変更や定期的な公定料金の改定の影響により、最終顧客である医療施設等の設備投資が減少することも考えられるため、当社グループの事業、業績及び財政状態は、このような制度変更等により悪影響を受ける可能性があります。なお、こうした状況に対応するため、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、医療・介護の分野で長年培ってきた技術や知見をもとに、今後は健康の分野でも皆さまに貢献することを新たな目標とし、取り組みを強化してまいります。
(2)海外市場での事業拡大に伴うリスクについて
当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつと位置付けております。しかしながら、海外市場においては、国内市場では通常想定されないリスク、たとえば輸出・輸入規制の変更、技術・製造インフラの未整備や人材の確保の難しさ等に関わるリスクも発生する可能性があると考えております。もしこうしたリスクが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、生産拠点・販売拠点の所在する国・販売する地域における政治・経済・社会的状況や関連する規制等の情報(特に各国の環境関連規制、製品の安全性・品質関連規制、医療機器登録関連規制等の強化、変更等)を日々収集し、必要な対応を行っています。
(3)特定の資材等の調達に伴うリスクについて
当社グループの資材等の調達については、特殊な資材等があるため、少数特定の仕入先からしか入手できないものや、仕入先や供給品の切替えや代替が困難なものがあります。当社グループは、そのような事態に陥らないよう努めておりますが、もし不可欠な資材に供給の遅延・中断があり当該資材の供給不足が生じ、タイムリーに調達できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。
(4)製品や部品(製品等)の欠陥によるリスクについて
当社グループの製品は、品質システムに関する国際規格や各種の自社基準に基づき製造されており、当社グループは製品の品質管理には万全の体制を敷いており、また賠償責任保険を付保するなどの対応をとっておりますが、もし予測し得ない製品等の欠陥が生じ、それが大規模な無償交換(リコール)につながる場合には、多大な費用負担が生じ当社グループの社会的な信用も低下することが予想され、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。
(5)自然災害等によるリスクについて
地震等の自然災害又は大規模火災等により、当社グループや調達先の生産拠点に重大な損害が発生し、操業中
止、生産や出荷の遅延や減少等が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性
があります。なお、このような事態に備え、大地震等の発生を想定した事業継続計画(BCP)を策定し、安否確認システムや緊急時の連絡網を整備するとともに、定期的に訓練を行うなどの取り組みを行っています。
(6)情報セキュリティに関するリスクについて
当社グループは事業の特性上、個人情報を含む様々な機密情報を保有しており、情報システムに対するセキュリティ対策を実施するとともに機密情報の漏洩がないよう情報管理に努めております。しかしながら、クラウドサービスやネットワークの大規模な障害、サイバー攻撃等の想定を超える出来事により、情報システムの停止や情報流出が発生した場合、当社グループの社会的な信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。なお、このような事態に備え損害賠償保険に加入するとともに、従業員の情報セキュリティ意識を向上させるなど、当該リスクの軽減を図る取り組みを行っています。
また、(1)-(6)のリスクに対して、当社グループとしては、個々のリスクへの対応を強化するとともに、様々な角度から事業の幅を広げ、個別のリスクにより特定の事業に影響が生じてもグループ経営の継続性への影響は軽微に留められるよう努めてまいります。例として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、医療・介護の分野に加えて健康の分野に取り組むことは、事業分野別のリスクによる影響の軽減につながります。また日本全国において事業を行うことや、日本・インドネシア・中国・インドなど複数の国で事業を大きくしていくことで、特定の地域や国でリスクが生じても他の地域や国での事業への影響は軽微となります。当社グループ最大の生産拠点である千葉工場が損害を受けた場合や、感染症等で営業活動が制限されるなどのリスクに対しては、福祉用具レンタル卸事業など継続的なサービスを強化していくことで、売り切り事業モデルのリスクによる影響を軽減できると考えております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動正常化に向けた動きが進み景気に緩やかな持ち直しの動きがみられたものの、原材料価格の高騰や不安定な為替動向、ウクライナ情勢の長期化等、先行きにつきましては不透明な状況が続きました。
ウィズコロナの新たな段階への移行が進む一方で、当社グループの主要顧客である医療・介護関連機関においては、引き続き大きな影響を受けております。当社グループといたしましては、さまざまな製品及びサービス業務の提供を継続していくことで医療・介護体制の維持に貢献したいと考えております。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高では医療・介護・健康の各事業がそれぞれ前連結会計年度を上回り堅調に推移いたしました。医療事業におきましては医療機関スタッフの働き方改革への取組推進等に伴う需要の増加にフレキシブルに対応し、製品販売やメンテナンスサービス、リカーリングビジネス等が売上を伸ばしました。介護事業におきましては、在宅介護向けでは主力ベッドの販売が引き続き好調なことに加えて2022年3月に発売した新製品が通年寄与したほか、福祉用具レンタル卸も堅調に推移いたしました。介護施設向けでは各種補助金等の効果もあり見守り用途の介護ロボット新規導入需要やベッド等の更新需要が拡大しました。健康事業におきましては、物価上昇に伴う耐久消費財への消費マインドに停滞感が見られましたが、プロモーション活動等、認知度の向上に努めたこと等により新製品の販売を中心に伸長いたしました。
トピックスといたしましては、介護事業において福祉用具レンタル卸事業を展開するパラマウントケアサービス株式会社が、レンタル用品のメンテナンス等を行う大規模基幹拠点を2022年5月に大阪府高槻市、同年11月に神奈川県厚木市にてそれぞれ開設いたしました。同社の大規模基幹拠点は千葉大平メンテナンスセンター(千葉県山武市)とあわせて、3拠点体制となります。近隣のセンターが担当しているレンタル用品のメンテナンス・消毒・保管業務を集約して効率化・省力化を進めるほか配送体制を見直し、拡大する需要に迅速に対応できる体制構築を推進します。また、同社は2022年5月、全国23のメンテナンス拠点すべてにおいて、貸出福祉用具のメンテナンス工程の管理に関する標準規格「JIS Y2001」の要求事項に適合していることを認定されました。この認定は「あんぜん整備認定制度」とも呼ばれ、「貸出福祉用具メンテナンス事業者」の安全に対する工程管理を「JIS Y2001」に従って第三者機関が評価、認定するもので、パラマウントケアサービスは全国初の認定となりました。
製品開発におきましては2022年11月、ひとつのペダル操作ですべてのキャスターをロック・解除できる介護向け「移動ロック付きベッドサイドテーブル」を発売いたしました。脚部の形状を見直すことで利用者の使い勝手も向上しました。
事業の多角化の一環といたしましては2022年10月、パラマウントベッド株式会社がSBIインベストメント株式会社と共同で、医療・介護・健康の各領域に強みを持つ国内外の有望なスタートアップ企業を投資対象とするCVC(コーポレート ベンチャー キャピタル)ファンド「PARAMOUNT BED-SBI Healthcare Fund1号投資事業有限責任組合」を設立いたしました。当該ファンドを通じて、自社と外部ベンチャー企業の技術やノウハウ、人脈などを組み合わせ、新たなシナジーを発揮することで、「パラマウントビジョン2030」の実現に向けて新規事業の機会創出を図ります。
当社グループは創業以来、社業を通じての社会貢献を目指して活動しております。ESG経営推進のためのマテリアリティ(重要課題)として「環境に配慮した事業活動」「すべての人が健康でいきいきと暮らせる環境づくり」等を掲げております。当連結会計年度の新たな取り組みといたしまして、「次世代を担う世代への育成支援」を目的に、睡眠の大切さを学ぶ教育プログラムを2022年6月に開発し、希望する教員に対する無償提供を行いました。また同年10月には、当社グループ初の統合報告書「パラマウントベッドホールディングス統合報告書2022」を公開いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ80億11百万円増加し、1,722億93百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ9億89百万円増加し、435億96百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ70億22百万円増加し、1,286億97百万円となりました。
b. 経営成績
次に当連結会計年度における主要な品目別売上高は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
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品目 |
当連結会計年度 |
前年度増減 (%) |
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ベッド |
33,427 |
16.1 |
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マットレス |
6,328 |
13.0 |
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病室・居室用家具 |
6,983 |
6.7 |
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医療用器具備品 |
8,453 |
12.1 |
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レンタル |
26,935 |
7.2 |
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部品等 |
4,953 |
14.1 |
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その他 |
11,926 |
△3.9 |
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合計 |
99,009 |
9.6 |
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比86億56百万円増の990億9百万円(9.6%増)、営業利益は同11億12百万円増(9.0%増)の134億52百万円、経常利益は同5億95百万円増(4.4%増)の141億39百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億22百万円増(1.3%増)の92億15百万円となりました。なお、パラマウントベッド ベトナムは、当社グループにおける重要性が増したため、当連結会計年度より連結子会社としております。
また、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、456億63百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は91億51百万円となりました。これは主に、賃貸資産の増加額80億5百万円や法人税等の支払額46億85百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益138億12百万円、減価償却費84億82百万円等により資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は63億32百万円となりました。これは主に、有価証券の売却による収入19億94百万円等があったものの、投資有価証券の取得による支出28億98百万円、無形固定資産の取得による支出19億88百万円等により資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は32億32百万円となりました。これは主に、配当金の支払額33億21百万円等により資金が減少したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
販売の実績については「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
a. 生産実績
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(単位:百万円) |
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品目 |
当連結会計年度 |
前年度増減(%) |
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ベッド |
39,335 |
1.7 |
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マットレス |
8,610 |
8.9 |
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病室・居室用家具 |
7,675 |
65.5 |
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医療用器具備品 |
3,510 |
1.0 |
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その他 |
6,700 |
4.7 |
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合計 |
65,832 |
7.7 |
(注)1.金額は販売価格によって表示しております。
2.当社グループはベッド関連事業の単一セグメントであるため、品目別の生産実績を記載しております。
b. 商品仕入実績
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(単位:百万円) |
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品目 |
当連結会計年度 |
前年度増減(%) |
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病室用家具他 |
10,173 |
△0.3 |
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合計 |
10,173 |
△0.3 |
c. 受注実績
見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上・利益ともに前連結会計年度を上回りました。国内では、医療・介護・健康の各事業において、製品販売が伸びたことに加え、近年強化してきた、継続的に収益をあげられるリカーリングビジネスが拡大いたしました。事業別に見ると、医療事業では、製品とサービスを組み合わせて病院経営の効率化に貢献できる提案を強化してきた成果が出始めており、介護事業では在宅分野の製品ラインアップを拡充して販売が伸びたことに加え、福祉用具レンタル卸事業も堅調に推移し、健康事業では2021年9月に発売した「INTIME3000」が通年で売上増に貢献いたしました。海外では、現地通貨ベースではほぼ横ばいでしたが、為替レートの影響で円換算の売上が増加いたしました。その結果、売上高は前連結会計年度比86億56百万円増(9.6%増)の990億9百万円となりました。なお、中期経営計画第Ⅱフェーズ最終年度である2026年度に45%を目指している国内売上高リカーリング比率は、当連結会計年度では35.3%となりました。
売上総利益は、原材料価格の高騰や円安の影響で売上原価が増加したものの、売上増並びに年度後半に実施した価格改定効果等により、前連結会計年度比41億70百万円増(9.7%増)の472億2百万円、売上総利益率はほぼ横ばいの47.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比30億58百万円増(10.0%増)の337億49百万円、販管費率はほぼ横ばいの34.1%となりました。事業拡大と売上増に伴い人件費や運送費等が増加したほか、中期経営計画第Ⅰフェーズの重点施策のひとつである「変革への基盤構築」として、新しい基幹業務システムを2023年度後半に稼働開始させるべく準備を進めており、そのシステム構築に係る投資費用が増加いたしました。
営業利益は、前連結会計年度比11億12百万円増(9.0%増)の134億52百万円となりました。原材料ほか各種コストの上昇や基盤構築費用が増加したものの、売上増による利益の増加が上回ったことによるものです。
経常利益は、為替差益が前連結会計年度ほどは発生しなかったものの、営業利益の増加等により、前連結会計年度比5億95百万円増(4.4%増)の141億39百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、同1億22百万円増(1.3%増)の92億15百万円となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては,「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源については、将来の事業拡大に向けた設備等への投資は、事業活動の結果獲得した利益剰余金を充当することを基本としつつ、財務状況や金融市場の状況を勘案しながら機動的な政策を取ることとしております。内部留保については、急激な事業環境の変化への備えとして充実した自己資本を維持し、利益処分は、株主還元と将来の事業拡大に向けた投資および内部留保を勘案した上で実施しております。
資金の流動性については、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度比2億1百万円増の456億63百万円となりました。新基幹業務システムの構築や、福祉用具レンタル卸の大規模メンテナンスセンターの開設、中期経営計画第Ⅱフェーズの基本方針のひとつである「リカーリングビジネスの拡大」に向けたレンタル資産の導入など、積極的な先行投資を行ったものの、事業活動によって得られた資金が上回ったためです。この現金及び現金同等物の過半は円建てであり、当連結会計年度末の流動負債(263億円)の返済に必要な流動性を十分に満たしていると認識しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、1株当たり当期純利益(EPS)を重視しております。これは、本来の事業活動により得た利益や事業成長の結果が反映されやすく、かつ配当金など株主還元の原資でもあり、株主の皆様にとって理解しやすい指標であると認識しております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、「先進の技術と優しさで、快適なヘルスケア環境を創造します。」という企業理念に基づき、中核子会社であるパラマウントベッド株式会社 技術開発本部の研究開発部、要素技術部、開発部、デザイン部、IBSソリューション開発部の合計5部門と睡眠研究所が担当しております。なお、役割分担の概要は以下のとおりです。
研究開発部は、医療・介護・健康等の分野での、新技術の調査・先行開発、機械学習などの解析技術開発・評価を行っております。要素技術部は、制御回路・センサー・組込みソフト・通信/ネットワーク・アプリケーション等、電装システム関連の製品/サービスの先行開発及び技術開発を行っております。開発部は、国内外の医療看護現場や介護現場の問題解決やニーズに対応した製品開発及び床ずれ防止や快適な睡眠を提供するためのマットレスの開発を行っております。デザイン部は、ユーザー視点に立った安全で使い勝手の良いデザイン開発、ブランディングに関わるデザイン監修を行っております。IBSソリューション開発部は主に医療分野のベッドサイドケア業務を支援するソリューションの企画・設計・開発・導入・保守を行っております。睡眠研究所は、睡眠に関する研究、および要素技術の開発、睡眠に関する製品の評価、情報収集・発信を行っております。
当連結会計年度の研究開発費は
(1)使い勝手を追求し新型手元スイッチを搭載した一般家庭向けベッド「INTIME1000」
一般家庭向け電動ベッドブランド「INTIME」にラインナップした「INTIME1000」をフルモデルチェンジし、2023年4月に発売いたしました。インテリアに調和するデザインにこだわるとともに、使用シーンに合わせた3つのポジションとして、①上体を起こして過ごすのに適したリーディングポジション、②背と膝を少し上げた楽な姿勢でゆったりと過ごせるリラックスポジション、③ベッドをフラットにするフラットポジションを用意しました。これらのポジションはご利用者の好みに合わせてカスタマイズすることも可能で、各ボタンに好みの姿勢を登録して使用することができます。これまでの電動ベッドになかったくらし方を提案いたします。
手元スイッチは、持ちやすさに配慮してコンパクトに設計し、シンプルかつ分かりやすいアイコン表示で操作性を向上するとともに、LEDライトも装着いたしました。手元スイッチを格納するホルダーは角度調整が可能であるため、LEDライトと組み合わせて間接照明や補助照明として使うことができます。同ホルダーにはUSBポートも付属し、スマートフォン等の充電にも対応いたしました。
(2)新形状の脚部を備えた在宅介護・高齢者施設向け「移動ロック付きベッドサイドテーブル」
脚部をコの字形状とすることで、利用者の足元にスペースを作り、端坐位や車椅子使用時の更なる座位安定に配慮した「移動ロック付きベッドサイドテーブル」を、2022年11月に発売いたしました。本サイドテーブルは、ひとつのペダル操作で、すべてのキャスターをロック・解除することができます。ロックペダルを外側に配置し、介助者には操作がしやすく、利用者は接触しにくいよう安全性と利便性を両立いたしました。
(3)「スマートベッドシステム」の大学病院等への大口導入
2016年にベッドサイドケア情報統合システム「スマートベッドシステム」の事業を開始し、現在、全国7,000病床以上で稼働しております。契約案件数も増加している中、2023年1月に1,000床を超える大学病院の一般病棟全床で稼働を始めました。顧客からの要望に基づきBLEビーコン(Bluetooth Low Energyビーコン)を活用した職員認証及び使用製品登録の半自動化等のカスタマイズを行い、より効果的にご活用いただける形でシステムを導入いたしました。
スマートベッドシステムは今後も継続的に機能を拡張させながら、顧客要望への対応や事業継続性の改善をしてまいります。
(4)医療施設用ベッド「PA-90000シリーズ」、インドネシアにおいて「Good Design 2022」を受賞
2022年6月、パラマウントベッド インドネシアが開発した医療施設用ベッド「PA-90000シリーズ」が「Good Design 2022」を受賞しました。「Good Design 2022」は、インドネシア商業省と日本のグッドデザイン賞を運営する日本デザイン振興会により設立された機関Good Design Indonesiaによって、インドネシアで開発・製造され輸出可能な国際競争力のある、優れたデザインの製品に授与されます。
「PA-90000シリーズ」は背・膝・高さを電動や手動で調節でき、ヘッドボードとフットボードには抗菌性のある樹脂を利用しております。インドネシアで正装にも用いられている布地「バティック」の幾何学模様をイメージしたボードデザインが特長です。デザインを含めたすべての製造プロセスが、インドネシア内で行われていることを評価され、受賞につながりました。
※「Intime」「スマートベッドシステム」は、パラマウントベッド株式会社の登録商標です。