1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   株式会社TMKR

所在地  東京都江東区東砂2丁目14番5号

 

2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式

 

3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1)意見の内容

 当社は、2025年9月24日開催の当社取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。

 なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。

 

(2)意見の根拠及び理由

 本「(2)意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

① 本公開買付けの概要

 公開買付者は、本書提出日現在において、本公開買付けを通じて株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を取得及び所有することを主たる目的として、当社の代表取締役社長である木村友彦氏(所有株式数(注1):1,780,701株、所有割合(注2):3.17%、当社の第5位株主、以下「木村友彦氏」といいます。)により2025年8月29日付で設立された株式会社であるとのことです。本書提出日現在、木村友彦氏の資産管理会社である株式会社シートック(所有株式数:4,266,300株、所有割合:7.61%、当社の第2位株主、以下「シートック」といいます。)が、公開買付者の株式の全てを所有しており、木村友彦氏が、公開買付者の代表取締役を務めているとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は当社株式を所有していないとのことです。

(注1) 木村友彦氏の所有する当社株式1,780,701株には、役職員向け譲渡制限付株式(以下に定義します。)31,803株が含まれているとのことです。また、木村友彦氏は、本書提出日現在、当社の役員持株会(以下「当社役員持株会」といいます。)を通じた持分に相当する当社株式208株(小数点以下を切り捨てております。以下、当社役員持株会を通じた持分に相当する当社株式について同じです。)を間接的に所有しているとのことですが、かかる当社株式は、木村友彦氏が直接に所有するものではないため、木村友彦氏の所有株式には含まれていないとのことです。以下、木村友彦氏の所有株式数において同じです。

(注2) 「所有割合」とは、当社が2025年7月30日に提出した「2026年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2025年6月30日現在の当社の発行済株式総数(57,598,692株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(1,533,017株)を控除した株式数(56,065,675株)に、当社が2025年7月25日に実施した自己株式処分の対象となる譲渡制限付株式(報酬)に係る株式数(23,237株)を加算した株式数(56,088,912株。以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。

 

 今般、公開買付者は、東京証券取引所プライム市場に上場している当社株式を非公開化することを目的として、当社株式の全て(但し、譲渡制限付株式(報酬)として当社及びその子会社の役職員に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「役職員向け譲渡制限付株式」といいます。)及び譲渡制限付株式インセンティブとして当社の従業員持株会(以下「当社従業員持株会」といいます。)に付与された当社の譲渡制限付株式(以下、「当社従業員持株会向け譲渡制限付株式」といい、役職員向け譲渡制限付株式と併せて「本譲渡制限付株式」といいます。)を含み、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式(以下に定義します。)を除きます。)を取得するための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、2025年9月24日に本公開買付けを実施することを決定したとのことです。

 本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注3)に該当し、木村友彦氏及び木村友彦氏の親族であり、当社の代表取締役副社長である木村陽祐氏(以下「木村陽祐氏」といいます。)は、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定しているとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は、当社のその他の役員との間で本公開買付け後の役員就任について何らの合意も行っていないとのことです。本取引後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本取引後、当社と協議しながら決定していく予定であるとのことです。

(注3) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、一般に、買収対象会社の経営陣が、買収資金の全部又は一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取引をいいます。

 

 本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、①木村友彦氏(所有株式数:1,780,701株、所有割合:3.17%、当社の第5位株主)並びに②シートック(所有株式数:4,266,300株、所有割合:7.61%、当社の第2位株主)、③木村友彦氏の資産管理会社である株式会社ワイズライト(所有株式数:1,375,700株、所有割合:2.45%、以下「ワイズライト」といいます。)及び④木村友彦氏の資産管理会社である株式会社ラピスラズリ(所有株式数:1,375,700株、所有割合:2.45%、以下「ラピスラズリ」といいます。)並びに⑤木村友彦氏の親族である木村憲司氏(所有株式数(注4):1,728,512株、所有割合:3.08%、当社の第6位株主、以下「木村憲司氏」といいます。)並びに⑥木村陽祐氏の資産管理会社である有限会社レッジウッド(所有株式数:4,146,000株、所有割合:7.39%、当社の第3位株主、以下「レッジウッド」といいます。)及び⑦木村陽祐氏の資産管理会社である株式会社シオン(所有株式数:1,375,700株、所有割合:2.45%、以下「シオン」といいます。)との間で、2025年9月24日付で公開買付不応募契約(以下「本不応募契約」といいます。)をそれぞれ締結し、それぞれが所有する当社株式の全て(所有株式数:合計16,048,613株、所有割合:合計28.61%)について本公開買付けに応募しない旨、本公開買付けが成立した場合には、本株主総会(下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)において、当社の株主を公開買付者、木村友彦氏、シートック、ワイズライト、ラピスラズリ及び木村憲司氏のみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)に関連する各議案に賛成する旨を合意しているとのことです。また、木村友彦氏との間の本不応募契約においては、本公開買付けの決済完了後に、木村友彦氏が公開買付者に対して出資し、公開買付者の普通株式(注5)を取得することを、木村憲司氏との間の本不応募契約では、本公開買付けの決済完了後に、木村憲司氏が公開買付者に対して出資し、公開買付者のA種優先株式(注6)を取得すること(以下、総称して「本出資」といいます。)をそれぞれ合意しているとのことです。また、シートック、ワイズライト、ラピスラズリ、木村憲司氏、レッジウッド及びシオンとの間の本不応募契約においては、本スクイーズアウト手続として行われる会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第180条に基づく当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)の効力発生前に公開買付者の要請があった場合には、木村友彦氏に対して、所有する当社株式の全てを無償で貸し付ける(以下「本貸株取引」といいます。)旨をそれぞれ合意しているとのことです。また、レッジウッド及びシオン並びにシートック、ワイズライト及びラピスラズリとの間の本不応募契約においては、(本貸株取引を実施した場合には本株式併合の効力発生後本貸株取引を解消した上で)当社がレッジウッド及びシオンそれぞれが所有する当社株式の全て並びにシートックが所有する当社株式のうち本株式併合の効力発生直前時の当社株式1,088,930株に相当する株式数、ワイズライトが所有する当社株式のうち本株式併合の効力発生直前時の当社株式980,037株に相当する株式数及びラピスラズリが所有する当社株式のうち本株式併合の効力発生直前時の当社株式1,161,525株に相当する株式数を取得する(以下「本自己株式取得」といい、本自己株式取得に係る自己株式取得価格を「本自己株式取得価格」といいます。)旨(注7)をそれぞれ合意しているとのことです。

(注4) 木村憲司氏の所有する当社株式1,728,512株には、役職員向け譲渡制限付株式12,118株が含まれており、本不応募合意株式(以下に定義します。)には含まれるとのことですが、譲渡制限が付されているため、本貸株取引の合意の対象としていないとのことです。また、木村憲司氏は、本書提出日現在、当社役員持株会を通じた持分に相当する当社株式31株を間接的に所有しておりますが、かかる当社株式は、木村憲司氏が直接に所有するものではないため、木村憲司氏の所有株式には含まれていないとのことです。以下、木村憲司氏の所有株式数において同じです。

(注5) 木村友彦氏が本出資により取得することを予定している普通株式の1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格である3,530円(但し、本スクイーズアウト手続として株式併合を実施する場合、株式併合における当社株式の併合の割合に基づき形式的な調整を行う予定です。)にする予定であるとのことであり、ディスカウントした価格で発行する予定はないとのことです。木村友彦氏による公開買付者の普通株式1株当たりの払込価額は実質的に本公開買付価格よりも有利な条件が設定されているわけではないことから、公開買付価格の均一性規制(金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。)第27条の2第3項。以下同じです。)の趣旨に反するものではないと考えているとのことです。

(注6) 木村憲司氏が本出資により取得することを予定しているA種優先株式は、無議決権株式、かつ、普通株式に優先し剰余金の配当を受けられる旨の定めがある種類株式であるとのことです。なお、公開買付者は、①A種優先株式においては普通株式に優先する順位で剰余金の配当を受けられる旨の定めが置かれる予定であるとのことですが、当該配当の実施の有無は本取引の実施後における当社の経営状況及び財務状況並びに市況等を踏まえて都度決定することが予定されているものであること、及び②A種優先株式の1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価を本公開買付価格と同一の価格である3,530円(但し、本スクイーズアウト手続として株式併合を実施する場合、株式併合における当社株式の併合の割合に基づき形式的な調整を行う予定とのことです。)にする予定であるとのことであり、ディスカウントした価格で発行する予定はなく、木村憲司氏による公開買付者のA種優先株式1株当たりの払込価額は、実質的に本公開買付価格よりも有利な条件が設定されているわけではないことから、公開買付価格の均一性規制の趣旨に反するものではないと考えているとのことです。

(注7) 本自己株式取得は、本株式併合の効力発生後、有価証券報告書提出義務免除承認前に実施する可能性があるとのことですが、当社株式の上場廃止後であり、上場廃止後の株式は自社株公開買付け(法第27条の22の2に定める公開買付けをいいます。以下同じです。)の対象となる「上場株券等」(法第24条の6第1項、令第4条の3)に該当しないため、公開買付者は、自社株公開買付けを実施しない予定であるとのことです。また、本自己株式取得価格は、みなし配当の益金不算入規定が適用されることを考慮して、本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額が仮にレッジウッド、シオン、シートック、ワイズライト及びラピスラズリが本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と同額以下となる金額として、本株式併合の効力発生前の当社株式1株当たり2,755円を予定しているとのことです。本自己株式取得は、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させる観点から、公開買付者がレッジウッド、シオン、シートック、ワイズライト及びラピスラズリに提案したものであるとのことです。

 

 また、公開買付者は、①木村陽祐氏(所有株式数(注8):753,378株、所有割合:1.34%)、②木村友彦氏の親族である木村恭介氏(所有株式数(注9):1,724,802株、所有割合:3.08%、当社の第7位株主、以下「木村恭介氏」といいます。)、③木村友彦氏の親族である木村知恵子氏(所有株式数:67,698株、所有割合:0.12%)、④木村友彦氏の親族である木村和恵氏(所有株式数:67,684株、所有割合:0.12%)、⑤木村友彦氏の親族である古賀麻衣子氏(所有株式数:234,800株、所有割合:0.42%)及び⑥古賀成憲氏(所有株式数:18,000株、所有割合:0.03%、以下、総称して「創業家応募合意株主」といいます。)との間で、2025年9月24日付で公開買付応募契約(以下「本応募契約(創業家応募合意株主)」といいます。)をそれぞれ締結し、それぞれが所有する当社株式の全て(所有株式数:合計2,866,362株、所有割合:合計5.11%、以下「創業家応募合意株式」といいます。)について、本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。

 さらに、公開買付者は、①木村友彦氏の親族であり、当社の特別顧問である木村通秀氏(所有株式数:1,718,232株、所有割合:3.06%、当社の第8位株主、以下「木村通秀氏」といいます。)及び②木村通秀氏の資産管理会社である株式会社ラムーン(所有株式数:6,704株、所有割合:0.01%、以下「ラムーン」といい、木村通秀氏と併せて「木村通秀氏関連株主」といいます。)との間で、2025年9月24日付で公開買付応募・不応募契約(以下「本応募・不応募契約」といいます。)をそれぞれ締結し、木村通秀氏関連株主の所有する当社株式1,724,936株のうち904,484株(注10)(所有割合:1.61%)を本公開買付けに応募し、残りの820,452株(注11)(所有割合:1.46%、以下「木村通秀氏関連株主不応募株式」といいます。)は本公開買付けに応募しない旨及び本公開買付けが成立した場合には本株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨を合意しているとのことです。なお、木村通秀氏関連株主不応募株式は、本スクイーズアウト手続として行われる本株式併合により1株に満たない端数となることが想定されているとのことです。

 加えて、公開買付者は、公益財団法人木村看護教育振興財団(注12)(所有株式数:701,200株、所有割合:1.25%、以下「木村看護財団」といいます。)との間で、2025年9月24日付で公開買付応募契約(以下「本応募契約(木村看護財団)」といいます。)を締結し、その所有する当社株式の全て(以下「木村看護財団応募合意株式」といいます。)について本公開買付けに応募する旨、及び本公開買付けの決済完了後に、木村看護財団が公開買付者に対して、本公開買付けに木村看護財団応募合意株式を応募することにより受領する対価の全額(但し、木村看護財団に適用ある税金及び費用が発生する場合、当該金額を除きます。)を再投資し、公開買付者の劣後特約付社債(注13)を引き受けること(以下「本財団再投資」といいます。)を合意しているとのことです。

(注8) 当該所有株式数753,378株(所有割合:1.34%)には、木村陽祐氏の所有する当社株式775,022株(所有割合:1.38%)のうちの役職員向け譲渡制限付株式21,644株(所有割合:0.04%)は、譲渡制限が付されており本公開買付けに応募できないことから含まれておらず、創業家応募合意株式にも含まれていないとのことです。また、木村陽祐氏は、本書提出日現在、当社役員持株会を通じた持分に相当する当社株式72株を間接的に所有しているとのことですが、かかる当社株式は、木村陽祐氏が直接に所有するものではないため、木村陽祐氏の所有株式には含まれていないとのことです。

(注9) 木村恭介氏は、本書提出日現在、当社役員持株会を通じた持分に相当する当社株式31株を間接的に所有しているとのことですが、かかる当社株式は、木村恭介氏が直接に所有するものではないため、木村恭介氏の所有株式には含まれていないとのことです。

(注10) 904,484株には、木村通秀氏が所有する897,832株(所有割合:1.60%)及びラムーンが所有する6,652株(所有割合:0.01%)が含まれているとのことです。

(注11) 820,452株には、木村通秀氏が所有する820,400株(所有割合:1.46%)及びラムーンが所有する52株(所有割合:0.00%)が含まれているとのことです。

(注12) 公益財団法人木村看護教育振興財団は、1991年3月に木村友彦氏の親族である木村隆輔氏によって設立され、2011年4月に公益財団法人化しており、本書提出日現在、木村憲司氏が代表理事を務めているとのことです。日本における医学・医療の高度化に伴い、看護教育及び看護実践の充実・向上を図るために必要な助成を行い、もって看護職者の育成に寄与することを目的としており、海外看護研修助成、看護研究助成、専門看護師奨学金助成及び看護に関する講演会の開催等を実施しているとのことです。

(注13) 木村看護財団が本財団再投資により取得することを予定している劣後特約付社債の条件は、木村看護財団が当社から従前受領していた年間株式配当金額と同程度の利息を毎年受領することができる水準を基礎として、公開買付者及び木村看護財団が協議の上公開買付者が決定する予定とのことです。

 

 以上のとおり、公開買付者は本公開買付けに関して、(ア)木村友彦氏、シートック、ワイズライト、ラピスラズリ、木村憲司氏、レッジウッド、シオン及び木村通秀氏関連株主(以下、総称して「本不応募合意株主」といいます。)との間で、それぞれが所有する当社株式の合計16,869,065株(所有割合:合計30.08%、以下「本不応募合意株式」といいます。)について本公開買付けに応募しない旨並びに(イ)創業家応募合意株主、木村通秀氏関連株主及び木村看護財団との間で、それぞれが所有する当社株式の合計4,472,046株(所有割合:合計7.97%、以下「本応募合意株式」といいます。)について本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。

 本不応募契約、本応募契約(創業家応募合意株主)、本応募・不応募契約及び本応募契約(木村看護財団)の詳細については、下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

 本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の下限を20,486,500株(所有割合:36.53%)に設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(20,486,500株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方で、本公開買付けは当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得することにより、当社株式の非公開化を目的としているとのことですので、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。買付予定数の下限は、本基準株式数に係る議決権数(560,889個)に3分の2を乗じた数(小数点以下を切り上げ。373,926個)から本譲渡制限付株式(注14)のうち当社取締役(但し、重複計上を避けるため、本不応募合意株式を所有する本不応募合意株主に含まれる木村友彦氏を除きます。)が所有している株式数(合計37,145株、所有割合:0.07%)に係る議決権数の合計(371個)(注15)及び本不応募合意株式に係る議決権数(168,690個)を控除した議決権数(204,865個)に、当社の単元株式数である100を乗じた数(20,486,500株)としているとのことです。かかる買付予定数の下限を設定したのは、公開買付者は、本公開買付けにおいて、当社株式を非公開化することを目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本株式併合の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け成立後に公開買付者及び本不応募合意株主が当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することとなるようにするためであるとのことです。

(注14) 当社従業員持株会向け譲渡制限付株式を本公開買付けに応募することを可能とするため、当社は、2025年9月24日開催の当社取締役会において、当社従業員持株会向け譲渡制限付株式に関して当社が当社従業員持株会との間で締結した、2023年1月27日付け割当契約書及び2024年9月18日付け割当契約書につき、各契約で定められた譲渡制限期間中に当社株式を対象とする公開買付けが開始された場合において、当社が本公開買付けに賛同し株主に対して応募を推奨する旨の決議を行い、これが維持されている場合には、当該譲渡制限を解除する旨を含む、各割当契約書の変更契約を締結することを決議しております。したがって、本譲渡制限付株式のうち、当社従業員持株会向け譲渡制限付株式については、本公開買付けへの応募が可能となる予定です。

(注15) 役職員向け譲渡制限付株式に関しては、譲渡制限が付されていることから本公開買付けに応募することができませんが、2025年9月24日開催の当社取締役会において、上場廃止を前提とした本公開買付けに賛同する意見を表明することを決議しており、当該決議に際しては、役職員向け譲渡制限付株式を割り当てられている取締役(該当する取締役4名のうち木村友彦氏及び木村陽祐氏を除く2名(所有株式数:合計15,501株、所有割合:合計0.03%))が賛成の議決権を行使していることから、本公開買付けが成立した場合には本スクイーズアウト手続に賛同することを見込んでいるとのことです(なお、当社の取締役のうち、木村陽祐氏は、公開買付者との間で、当社の株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨を口頭で合意しているとのことです。)。したがって、買付予定数の下限を考慮するにあたって、当社取締役の所有する役職員向け譲渡制限付株式に係る議決権の数を控除しているとのことです。

 

 公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

 また、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、決済の開始日の1営業日前までに、株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)からの合計141,626百万円を限度とした借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)を行うことにより本公開買付けに係る決済に要する資金を賄う予定とのことです。本銀行融資に係る融資条件の詳細は、みずほ銀行と別途協議の上、本銀行融資に係る融資契約において定めることとされているとのことですが、本銀行融資に係る融資契約では、公開買付者が本取引により取得する当社株式が担保に供されるほか、本スクイーズアウト手続の完了後は、当社の一定の資産等が担保に供される予定であるとのことです。なお、公開買付者は、株式会社三井住友銀行(以下「三井住友銀行」といいます。)から、本銀行融資の初回実行後に本銀行融資に係る一部の債権及び契約上の地位を譲り受ける旨の、公開買付者及びみずほ銀行宛コミットメントレターを受領しているとのことです。これに伴い、三井住友銀行は本銀行融資に関するコ・アレンジャーに就任しているとのことです。

 以下、本取引のストラクチャーを図示するとともに、概要を説明すると大要以下のとおりであるとのことです。

 

Ⅰ.本公開買付けの実行前(現状)

 本書提出日現在において、本不応募合意株主(木村通秀氏関連株主を除きます。)が当社株式16,048,613株(所有割合:28.61%)、創業家応募合意株主が当社株式2,888,006株(所有割合:5.15%)、木村通秀氏関連株主が当社株式1,724,936株(所有割合:3.08%)、木村看護財団が当社株式701,200株(所有割合:1.25%)、その他の株主が残りの当社株式34,726,157株(所有割合:61.91%)を所有しているとのことです。

 

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Ⅱ.本公開買付け

 本公開買付けにおいては、公開買付者は、当社株式を非公開化することを目的としているため、買付予定数の下限(20,486,500株)を設定しており、応募株券等の合計が買付予定数の下限に満たない場合は、応募株券等の全ての買付け等を行わないとのことです。また、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全ての買付け等を行うとのことです。

 

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Ⅲ.本出資・本財団再投資

 本公開買付けに係る決済の完了後、木村友彦氏は公開買付者の普通株式を引き受けることにより、また、木村憲司氏は公開買付者のA種優先株式を引き受けることにより、公開買付者に出資することを予定しているとのことです。加えて、本公開買付けに係る決済の完了後に、木村看護財団が公開買付者の劣後特約付社債を引き受けることにより、公開買付者に再投資することを予定しているとのことです。

 

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Ⅳ.本貸株取引

 本出資及び本財団再投資完了後、本株式併合の効力発生直前時において、公開買付者及び木村友彦氏以外に、公開買付者及び木村友彦氏がそれぞれ所有する当社株式の数のうち最も少ない数以上の当社株式を所有する当社の株主が存在することを可及的に避け、本スクイーズアウト手続の安定性を高めるため、公開買付者が必要と判断した場合には、本株式併合の効力発生に先立ち、木村友彦氏は、本不応募合意株主(木村友彦氏及び木村通秀氏関連株主を除きます。)の所有する当社株式の全てを無償で借り受ける可能性があるとのことです。

 

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Ⅴ.本株式併合の実施

 公開買付者は、本公開買付け成立後、当社に対して本スクイーズアウト手続の実施を要請し、本貸株取引を実施した場合には本貸株取引の効力発生後、当社の株主を公開買付者及び木村友彦氏のみとするための本株式併合を実施するとのことです。

 

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Ⅵ.本貸株取引の解消

 本貸株取引を実施した場合には、本株式併合の効力発生後、本貸株取引を解消し、本貸株取引における借主である木村友彦氏が、本不応募合意株主(木村友彦氏及び木村通秀氏関連株主を除きます。)に対して、借り受けた当社株式の全てを返還する予定であるとのことです。

 また、木村友彦氏が、借り受けた当社株式と同等の価値の当社株式を返還できるようにするため、公開買付者は、当社に対して、公開買付者の別途指定する基準日及び割合をもって、当社株式の分割を行うことを要請する予定であるとのことですが、具体的な条件及び日程等の詳細については本書提出日現在未定であるとのことです。

 

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Ⅶ.本自己株式取得

 本貸株取引を実施した場合には本貸株取引の解消後、当社がレッジウッド及びシオンそれぞれが所有する当社株式の全て並びにシートックが所有する当社株式のうち本株式併合の効力発生直前時の当社株式1,088,930株に相当する株式数、ワイズライトが所有する当社株式のうち本株式併合の効力発生直前時の当社株式980,037株に相当する株式数及びラピスラズリが所有する当社株式のうち本株式併合の効力発生直前時の当社株式1,161,525株に相当する株式数を取得することを予定しているとのことです。

 

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Ⅷ.本合併

 公開買付者は、本自己株式取得の完了後速やかに、公開買付者を吸収合併存続会社、当社を吸収合併消滅会社とする吸収合併(以下「本合併」といいます。)を行い、公開買付者の株主を木村友彦氏、シートック、ワイズライト、ラピスラズリ及び木村憲司氏のみとすることを予定しているとのことですが、その具体的な日程等の詳細については本書提出日現在未定であるとのことです。なお、本合併前の当社の株主のうち木村友彦氏、シートック、ワイズライト及びラピスラズリは本合併後に公開買付者の普通株式を所有し、木村憲司氏は本合併後に公開買付者のA種優先株式を所有することとなる予定であるとのことです。

 

<本合併前>

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<本合併後>

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② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

 当社は、公開買付者より、本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程につき、以下の説明を受けております。

 

 当社は、1947年5月、創業者である木村隆輔氏が個人で創業し、病院用ベッドの生産を開始したことを起源としております。当社の完全子会社であるパラマウントベッド株式会社の前身である木村寝台工業株式会社の株式を管理することを目的として、1982年10月に木村興産株式会社として設立されました。また、木村寝台工業株式会社は、創業者である木村隆輔氏によって、病院用ベッドの生産・販売を目的として1950年5月に設立され、1987年3月、商号をパラマウントベッド株式会社に変更いたしました。パラマウントベッド株式会社の株式については、1987年12月に東京店頭市場に登録され、1993年12月に東京証券取引所市場第二部に上場、1996年9月には東京証券取引所市場第一部に上場しました。

 その後、当社の前身である木村興産株式会社は、2011年2月に商号を現社名であるパラマウントベッドホールディングス株式会社に変更し、当社は、同年10月、パラマウントベッド株式会社との株式交換により、パラマウントベッド株式会社を完全子会社化するとともに、同月、当社株式は東京証券取引所に上場しました。今般の東京証券取引所における市場区分の見直しにより2022年4月4日から東京証券取引所プライム市場に上場しております。

 本書提出日現在、当社グループ(当社並びにその子会社19社及び関連会社1社をいいます。以下同じです。)は、医療・介護用ベッド、マットレス、病室用家具、医療用器具備品等の製造及び販売を行うパラマウントベッド株式会社、ベッド・マットレスの点検・修理・消毒、メンテナンスリース等のサービスの提供するパラテクノ株式会社、パラマウントベッド製品をはじめとするさまざまな福祉用具を貸与事業者へ貸し出しする福祉用具レンタル卸事業を行うパラマウントケアサービス株式会社を中心に事業を展開しております。当社グループは、2020年4月1日付で、2030年に向けた目指すべき姿「パラマウントビジョン2030」(以下「長期ビジョン」といいます。)を策定し、「医療・介護から健康まで、すべての人に笑顔を」を掲げ、医療・介護の分野で長年培ってきた技術や知見をもとに、健康の分野でも皆様に貢献することを目指しております。当社グループの事業内容は以下のとおりです。

 

(a)医療事業

 救命救急やICUなどの高度急性期(注1)や、一般急性期(注2)、慢性期(注3)、回復期リハビリテーション(注4)などの医療の現場でご使用いただくベッドやマットレス、病室用家具、医療用器具備品等の製造販売のほか、販売した製品のメンテナンスサービスや製品をより安全にご使用いただくためのコンサルティングサービス等を展開しています。具体的なコンサルティングサービス等としては医療施設内の業務サポートサービスと患者満足度向上支援サービス(常駐サービス)を行っており、患者のバイタルサイン(注5)の記録や状況把握などを効率化して看護業務の負担軽減に寄与する「スマートベッドシステム」、医療従事者の作業をお手伝いする「看護助手業務(注6)」、「ベッドセンター業務(注7)」、「コンシェルジュ業務(注8)」、「医療機器保守管理業務(注9)」などを通じて病院経営を支援しております。

(注1) 「高度急性期」とは、急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する環境のことをいいます。

(注2) 「一般急性期」とは、急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する環境のことをいいます。

(注3) 「慢性期」とは、長期にわたり療養する環境のことをいいます。

(注4) 「回復リハビリテーション」とは、急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する環境のことをいいます。

(注5) 「バイタルサイン」とは、生命徴候のことで、体温、脈拍、呼吸、血圧などの生命に関わる基本的な身体状態を表す指標のことをいいます。

(注6) 「看護助手業務」とは、ベッド清掃・ベッドメイキングや食事の配膳・下膳、給茶、病棟内の備品点検等の業務のことをいいます。

(注7) 「ベッドセンター業務」とは、ベッドや備品のメンテナンス、在庫の中央管理等の業務のことをいいます。

(注8) 「コンシェルジュ業務」とは、特別室入院患者への病棟・病室のご案内、入院生活のお手伝い等の業務のことをいいます。

(注9) 「医療機器保守管理業務」とは、医療機器の回収・清拭・点検や、国内外の医療機器メーカーの機器に対してのコールセンター業務・修理・定期点検などの業務受託のことをいいます。

 

(b)介護事業

 特別養護老人ホームや老人保健施設、有料老人ホームなどの高齢者施設、在宅などで介護される際にご使用いただくベッドやマットレス、移乗用具等の製造販売のほか、福祉用具を貸与事業者にレンタルする事業、いわゆる福祉用具レンタル卸事業を展開しています。当社が提供するクラウド型見守り支援システム「眠りCONNECT(注10)」及び同システムの主軸となる当社の製品である体動センサー「眠りSCAN(注11)」の販売・レンタルをはじめ、介護施設の運営に必要な各種用具・備品・サービスの提供を通じて、利用者の療養環境の整備や人手不足が大きな課題である介護関連事業者の業務効率化に貢献しております。

(注10) 「眠りCONNECT」とは、被介護者の睡眠時間や心拍数、呼吸数、排せつなどの情報を一元管理でき、管理者やスタッフ間の共有が簡単な見守り支援システムのことをいいます。

(注11) 「眠りSCAN」とは、マットレスの下に敷くだけで睡眠・覚醒・起き上がり・離床・呼吸数などが遠隔で確認でき、特に夜間の見守りなどにおいて、利用者の安全性を担保しつつ、介護従事者の負担を軽減する機器のことをいいます。

 

(c)健康事業

 当社グループは、長年にわたり、医療・介護用のベッドやマットレスの開発を中心に、パラマウントベッド睡眠研究所(注12)にて“睡眠”に関する様々な研究を積み上げてきた知見を活かして、よりよい睡眠を叶える電動ベッドやマットレス、枕などの製品を開発・販売し、健康的でその人らしい暮らしをサポートしております。また、今後は、テクノロジーを用いて睡眠の問題を解決する「スリープテック」サービスを拡充していきます。

(注12) 「パラマウントベッド睡眠研究所」とは、パラマウントベッド株式会社が2009年に設立した睡眠に関する専門研究開発部門のことをいいます。

 

(d)海外展開

 当社グループは上記(a)乃至(c)の各事業について、国内のみならず、インドネシア、タイ、ベトナム及びシンガポールを含めた東南アジア・中国・インドに現地拠点を構えて事業展開するとともに、シンガポールにはアジア地域統括会社であるパラマウントベッド アジア パシフィックを設立して、将来的な需要増加が見込めるアジア地域を有望な市場として注力しております。

 

 当社グループは1947年5月の創業以来、医療・介護分野におきまして療養環境の向上のみならず、医療・介護従事者の業務改善等に資する製品・サービスを提供してまいりました。近年は福祉用具レンタル卸事業やメンテナンスサービス事業を展開するなど、社会の変化に対応し、事業の多角化を推進しながら、業容の拡大を図っております。また、現在当社グループは、長期ビジョンにおける中期経営計画(以下「本中期経営計画」といいます。詳細は、2025年5月14日付で当社が公表した「中期経営計画に関するお知らせ」をご参照ください。)の第Ⅱフェーズ(2024年3月期から2027年3月期)の重点施策である「リカーリングビジネスの拡大」、「健康事業の進化」、「アジア注力エリアでの飛躍」に注力しております。

 当社グループの関連する医療・介護分野の事業環境につきましては、日本では2025年に団塊世代の全てが75歳以上となり、高齢化が確実に進んでいるものの、社会保障費の伸びが課題となっているとともに、政府の「病院から在宅へ」の基本方針の下、病院のベッド数自体は減少していくことが予想されると認識しております。また、国内において常態化する人手不足への対応や光熱費・資材価格の高止まりなど医療・高齢者施設経営にとって厳しい環境が続いていると考えております。一方、看護・介護スタッフの負担を軽減するための製品・システムや、高度急性期分野等への投資が拡大するものと見込まれます。在宅介護市場は、高齢化の進展を背景として、今後の市場拡大が期待されます。また、生産年齢人口の減少や働き方改革などを背景として企業や個人が一人一人の健康に配慮する傾向の高まりや、AI・ITやデータを活用したビジネスの増加によって、ヘルスケア産業でも新しい価値創造やイノベーションが加速されるという意味合いにおいて、今後も環境が大きく変化していくことが想定されます。

 海外においては、アジア地域を中心として経済成長とともに医療インフラの充実が見込まれ、また、中国では将来的にはわが国よりも速いスピードで高齢化が進むと予想されると認識しております。

 

 このような状況の下、当社は、上記の事業環境・今後の市場の変化に合わせて、医療・介護用ベッド、マットレス等の売り切りに依存する収益モデルを脱却し、レンタル・リースや、介護事業におけるクラウド型見守り支援システムのシステム利用料、医療事業においては医療施設における看護補助業務請負(上記(a)に記載の看護助手業務、ベッドセンター業務、コンシェルジュ業務及び医療機器保守管理業務)など、継続的に価値を提供するリカーリングビジネス(注13)をより一層拡大させ、顧客との関係性を強化していく必要があると考えております。健康事業では、今後、生産年齢人口の減少が避けられない日本において、健康寿命(注14)を延伸し、医療・介護を受ける方々の増加を抑制していくことが重要であり、社会貢献性の高いビジネスとして、当社の医療・介護事業に続く第三の柱となるように取り組んでおります。一方で当社は医療・介護向けベッドメーカーとしての認知度は高いものの、健康事業関連製品の認知度が低いという課題があり、今後は、当社製品・事業の認知度の向上や、一般個人の消費者の皆様に訴求できる、より良い睡眠環境の構築に寄与する製品・サービスの開発が求められると考えております。

 これらの施策を実施するには、製品の製造・販売だけではなく、リカーリングビジネス拡大のための投資、医療・介護現場において負担を減らせるよう、患者や入居者の情報を自動的に記録し状態を可視化する各種アプリケーションやソフトウェアの開発が不可欠であり、積極的なM&Aによるこれらのリソースの獲得等が重要であると認識しております。

 また、海外展開においては、今後、少子高齢化が進行することが見込まれる中国や、医療水準が先進国並みに引きあがっていくことに伴う市場拡大が期待できるアジアを中心とした地域において、即戦力となるような専門人材を海外現地で獲得することなどにより、グローバルでの競争力のある組織作りをしていくことが求められていると考えております。

(注13) 「リカーリングビジネス」とは、製品・サービスの販売によって取引が終了する売切り型のビジネスモデルとは異なり、特定の顧客・ユーザーへ継続的に価値を提供し対価をいただく収益モデルのことをいいます。

(注14) 「健康寿命」とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことをいいます。

 

 木村友彦氏は、これらの状況を踏まえ、当社グループが既存の各事業をこれまで同様に発展させていくだけでは当社グループの持続的な成長を実現していくことは困難であると考えているとのことであり、具体的には以下の施策を実行することで、当社グループの更なる企業価値向上を実現することが可能であると考えているとのことです。

 

(ⅰ)医療・介護事業における投資拡大

 看護・介護スタッフの負担を軽減するための製品・システムや、高度急性期分野等への投資が拡大するものと見込まれるとのことです。介護市場においては、眠りSCAN、眠りCONNECTのような、効率的に介護できるようなサービスやシステム関連の開発や、福祉用具レンタル卸事業におけるメンテナンス拠点の整備などに一定程度の先行投資が必要になるものと考えているとのことです。また、リカーリングビジネスを進めていくことにより、顧客接点が増え製品開発につながっていくことも想定しているため積極的に投資をしていくことを考えているとのことです。さらに、国内では他業界への人材流出により人手不足が深刻化しているため、テクノロジーの活用やDX(注15)の推進をする必要があると考えているとのことです。

(注15) 「DX」とは、「Digital Transformation」の略で、データやデジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルの創出や既存ビジネスの変革を行うことをいいます。

 

(ⅱ)健康事業・海外展開における製品開発やプロモーション強化によるブランド力の拡大

 健康事業においては、現状、製品ラインナップが少なく、市場においては後発メーカーという位置づけとなるため、製品開発やサービスを一から作り上げる必要があると考えているとのことです。大きな設備投資等を見込んでいるわけではないとのことですが、製品開発やプロモーション強化によるブランド力の拡大に向けた投資が必要と考えているとのことです。現状は短期的なキャッシュ・フローや収益性の観点からはマイナスであるものの、今後、市場の拡大が見込まれると考えているため、注力していく必要があると考えているとのことです。

 海外においてはアジア地域を中心として経済成長とともに医療インフラの充実が見込まれ、中国では将来的には日本よりも速いスピードで高齢化が進むと予想されることから、今後の市場成長が期待できる分野として、先行投資を行っていくことも含めて注力していきたいと考えているとのことです。

 

 一方で、木村友彦氏は、当社が上場を継続する限りは株主や市場を意識した経営が求められ、短期的な利益確保・分配への配慮が必要になることから、短期的なキャッシュ・フローや収益性の悪化を招くおそれがある先行投資や、抜本的な構造改革等を伴う中長期的な施策の実行が難しいと考えているとのことです。また、上記(ⅰ)及び(ⅱ)や本中期経営計画の第Ⅱフェーズ(2024年3月期から2027年3月期)の重点施策であるリカーリング型事業への転換や成長領域の育成等は直ちに収益に貢献するとは限らず、相応の時間と大きなリスクを伴うものであるとのことであり、当社株式の上場を維持したまま、当社の株主に当該リスクを負担いただきつつ、施策の実行を全面的に支持いただくことは難しいと考えているとのことです。加えて、戦略的な対応施策の検討、及び当該施策を速やかに実行に移すための迅速な経営判断がこれまで以上に求められるものと考えているとのことです。

 さらに、木村友彦氏は、上場を維持するために必要となる人的・経済的コスト及び株主や市場からの要求が年々増加する傾向にある中で、上場を維持することの必要性は見出しにくいと考えているとのことであり、上場廃止により、継続的な情報開示に要する費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用等の削減、意思決定の迅速化等が可能になると考えているとのことです。

 また、木村友彦氏は、当社グループが上場以来、社会的な信用の向上や知名度の向上による優秀な人材の確保等、上場会社としてのメリットを享受してきたと認識しているとのことです。他方で、木村友彦氏は、事業活動を行うために必要な資金が確保できている現在の当社グループの財務状況に鑑みても、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は高くなく、また、当社グループの社会的な信用やブランド力は、事業活動を通じて獲得してきたものと考えているとのことであり、非公開化によって失われる性質のものではなく、非公開化後も引き続き社会的な信用やブランド力を維持することが可能であると見ているとのことであり、今後も継続して当社株式の上場を維持することの必要性を見出しにくい状況にあると考えているとのことです。

 加えて、非公開化に伴う一般的なデメリットとして、当社グループが上場会社として享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保並びに取引先の拡大等にマイナスの影響を及ぼす可能性が考えられるとのことですが、当社グループの社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等は事業活動を通じて獲得される部分もあることや当社グループがこれまで培ってきたブランド力や知名度により、非公開化が人材確保に与える影響は大きくないと考えられることから、その程度は限定的であると考えているとのことです。

 このようなことから、木村友彦氏は、当社を非公開化することが当社グループの企業価値向上のために最も有効な手段であるという考えに至ったとのことです。

 

 以上の考えの下、木村友彦氏は、2025年2月上旬に、当社株式の非公開化に関する初期的な検討を開始したとのことです。そして、木村友彦氏は、本取引に関して検討するにあたり、2025年4月中旬に公開買付者、当社、本不応募合意株主、創業家応募合意株主及び木村看護財団(以下、総称して「公開買付関連当事者」といいます。)から独立したファイナンシャル・アドバイザーとして大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、2025年5月上旬に公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業を、2025年5月下旬に公開買付関連当事者から独立した財務・税務に関するデュー・ディリジェンスを担うアドバイザーとしてデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社及びデロイトトーマツ税理士法人をそれぞれ選任し、当社株式の非公開化に係る協議・交渉を行う体制を構築したとのことです。

 また、木村友彦氏は、当社株式の非公開化に関する具体的な検討を進め、2025年6月12日、当社に対し、木村友彦氏が本取引を申し入れた背景や目的、本取引に係るスキーム等を記載した法的拘束力を有しない意向表明書(以下「本提案書」といいます。)を提出したとのことです。その後、木村友彦氏は、2025年6月20日、当社から本取引の提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本取引の実施に向けた協議・交渉に応じる旨の連絡を受けたとのことです。

 そして、木村友彦氏は、2025年7月上旬から2025年8月中旬まで、当社グループに対して財務・税務及び法務等に関するデュー・ディリジェンス(以下「本デュー・ディリジェンス」といいます。)を実施し、本取引の諸条件等についてさらに具体的な検討を進めたとのことです。そして、本デュー・ディリジェンスの結果、当社の財務情報等及び当社の株価の動向等を総合的に勘案し、2025年8月22日、本公開買付価格を3,000円(価格提案書提出日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,660円に対して12.78%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,611円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して14.90%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,560円に対して17.19%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,509円に対して19.57%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨の初回の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、木村友彦氏は、本特別委員会から、2025年8月27日、当該提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案内容の引上げの要請を受けたとのことです。これを受けて、木村友彦氏は、2025年8月28日、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,200円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,626円に対して21.86%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,625円に対して21.90%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,572円に対して24.42%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,510円に対して27.49%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨の第2回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、木村友彦氏は、本特別委員会から、2025年9月1日、当該第2回提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案内容の引上げの要請を受けたとのことです。これを受けて、木村友彦氏は、2025年9月2日、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,350円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,636円に対して27.09%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,640円に対して26.89%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,579円に対して29.90%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,511円に対して33.41%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨の第3回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、木村友彦氏は、本特別委員会から、2025年9月3日、当該第3回提案価格は、依然として本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案内容の引上げの要請を受けたとのことです。これを受けて、木村友彦氏は、2025年9月9日、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,450円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,723円に対して26.70%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,653円に対して30.04%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,587円に対して33.36%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,512円に対して37.34%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨の第4回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、木村友彦氏は、本特別委員会から、2025年9月10日、当該第4回提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、価格の引上げの要請を受けたとのことです。加えて、本特別委員会から、当該第4回提案価格の水準であれば、一般株主の利益を保護する観点から、本公開買付けにおける買付予定数の下限について、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)(以下「MoM」といいます。)の設定を検討されたいとの要請を受けたとのことです。これを受けて、木村友彦氏は、2025年9月12日、本特別委員会の意見を最大限尊重し、改めて当社の財務状況や直近の株価推移等を十分に踏まえて、本公開買付価格を3,500円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,699円に対して29.68%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,660円に対して31.58%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,593円に対して34.98%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,515円に対して39.17%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、当社の財務状況等を総合的に勘案するとこれ以上の提案価格の引上げは困難である旨の第5回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、木村友彦氏は、本特別委員会から、2025年9月12日、当該第5回提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、本公開買付価格として3,800円を検討することを含む提案価格の引上げの要請を受けたとのことです。これを受けて、木村友彦氏は、2025年9月17日、本特別委員会が提示した価格を最大限考慮する観点から、本公開買付価格を3,530円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,706円に対して30.45%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,665円に対して32.46%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,597円に対して35.93%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,517円に対して40.25%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨、当社の財務状況等を踏まえた本取引の実行後における金融機関からの借入れの返済負担等に鑑みれば、これ以上の公開買付価格の引上げは現実的に想定できない旨の第6回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、木村友彦氏は、本特別委員会から、2025年9月17日、当該第6回提案価格について、本公開買付価格として3,650円を検討することを含む提案価格の再度の引上げの要請を受けたとのことです。これを受けて、木村友彦氏は、2025年9月19日、当社の財務状況等を踏まえた本取引の実行後における金融機関からの借入れの返済負担等に鑑みた本取引の現実的な実現可能性を検討した上で、当該第6回提案価格は当社の一般株主の利益に最大限配慮した最終的な提案であり、引き続き本公開買付価格を3,530円とする旨、本取引は、市場株価に相応のプレミアムを加えた公正な価格により当社の一般株主に当社株式の魅力的かつ十分な売却機会を提供するものである一方で、本取引が実行されずにかかる機会が失われることは、当社の一般株主の利益にも資さないものと考えている旨の第7回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、木村友彦氏は、本特別委員会から、2025年9月19日、当該第7回提案価格の妥当性について確認し、本公開買付価格を3,530円とすることについて応諾する旨の回答を受領したとのことです。なお、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募する当社の一般株主の利益に資さない可能性があるため、本公開買付けにおける買付予定数の下限についてMoMは設定しないことについて、公開買付者と本特別委員会との間で合意に至っているとのことです。

 

 以上の協議及び交渉を経て、公開買付者は、2025年9月24日、本公開買付価格を3,530円とし、本取引の一環として本公開買付けを開始することを決定したとのことです。

 

③ 本公開買付け後の経営方針

 公開買付者によれば、本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、木村友彦氏及び木村陽祐氏は、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定しているとのことであり、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の各経営施策を推進する予定であるとのことです。なお、本書提出日現在において、公開買付者と当社のその他の取締役との間には、現時点で決定・想定しているものはなく、本取引後の役員就任や処遇について何らの合意も行っていないとのことです。本取引後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本取引後、当社と協議しながら決定していく予定とのことです。

 また、従業員の方々については、現時点では具体的に決定している事項はないとのことですが、本取引後もこれまでと同等の水準の処遇を提供すべく、インセンティブ・プランや福利厚生制度の実施を検討していくとのことです。

 

④ 当社における意思決定に至る過程及び理由

(ⅰ)検討体制の構築の経緯

 当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2025年6月12日に木村友彦氏より、本提案書の提出を受けたことから、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び「② 当社における独立した法律事務所からの助言」に記載のとおり、本取引における当社及び当社取締役会の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保するために、2025年6月20日開催の当社取締役会決議により、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、みずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、また、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を、それぞれ選任いたしました。

 さらに、当社は、本取引がマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、当社又は当社の一般株主との間に構造的な利益相反の問題が存在するため、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2025年6月20日開催の当社取締役会決議に基づき、本取引の提案を検討するための本特別委員会(本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築いたしました。

 その後、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2025年7月7日開催の本特別委員会において、当社のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所並びに当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。加えて、当社は、2025年6月12日付で木村友彦氏から本提案書を受領して以降、公開買付者、木村友彦氏、本不応募合意株主、創業家応募合意株主及び木村看護財団から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、2025年7月7日、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題ないことについて本特別委員会の承認を受けております(当社おける独立した検討体制の構築についての詳細は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における独立した検討体制の構築」をご参照ください。)。さらに、2025年7月16日、本特別委員会は、株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、本特別委員会の独自の第三者算定機関として選任しております。

 

(ⅱ)検討・交渉の経緯

 当社は、上記の体制の下、当社の経営環境及び事業の状況等を踏まえ、本取引の是非や本公開買付価格を含む本取引の諸条件の公正性について、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や本特別委員会からの意見・指示・要請等に基づき、TMI総合法律事務所及びみずほ証券からの助言を受けながら、公開買付者との間で継続的に協議及び交渉を行い、慎重に検討を行ってきました。

 具体的には、当社は、2025年6月20日に本特別委員会を設置して以降、本特別委員会における検討・協議を進めました。本特別委員会は、2025年7月17日、木村友彦氏に対して本取引の背景・目的、公開買付者が本取引後に実施することを想定している施策及びその他本取引の諸条件等を含む書面による質問事項を送付し、2025年7月24日に書面による回答を受領しました。本特別委員会は、当該回答内容を検討の上、2025年7月30日に木村友彦氏に対して本取引を実施するメリット及び公開買付者が本取引後に実施することを想定している施策等を含む書面による追加質問事項を送付し、2025年8月5日に書面による回答を受領しました。さらに、本特別委員会は、2025年8月20日に木村友彦氏と直接面談を実施し、当該質問事項及び当該追加質問事項に対する回答を踏まえ、質疑応答を行いました。

 また、本公開買付価格については、当社は、2025年8月22日に木村友彦氏から、当社が2026年3月期の中間配当及び期末配当を行わないこと、並びに2026年3月期より株主優待制度を廃止することを前提として、本公開買付価格を3,000円とする旨の提案を受けて以降、木村友彦氏及び公開買付者との間で上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、協議・検討を重ねてきました。

 具体的には、2025年8月22日、木村友彦氏より、本公開買付価格を3,000円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,660円に対して12.78%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,611円に対して14.90%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,560円に対して17.19%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,509円に対して19.57%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨の初回の価格提案書を受領しました。これに対して、2025年8月27日、本特別委員会は、当該提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案価格の引上げを要請しました。

 その後、2025年8月28日、木村友彦氏より、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,200円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値の2,626円に対して21.86%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,625円に対して21.90%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,572円に対して24.42%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,510円に対して27.49%のプレミアムが加えられた価格です。)とする旨の第2回目の価格提案書を受領しました。これに対して、本特別委員会は、2025年9月1日、当該第2回提案価格は、依然として本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案価格の引上げを要請しました。

 その後、2025年9月2日、木村友彦氏より、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,350円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,636円に対して27.09%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,640円に対して26.89%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,579円に対して29.90%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,511円に対して33.41%のプレミアムが加えられた価格です。)とする旨の第3回目の価格提案書を受領しました。これに対して、本特別委員会は、2025年9月3日、当該第3回提案価格は、依然として本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案価格の引上げを要請しました。

 その後、2025年9月9日、木村友彦氏より、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,450円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値の2,723円に対して26.70%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,653円に対して30.04%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,587円に対して33.36%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,512円に対して37.34%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨の第4回目の価格提案書を受領しました。これに対して、本特別委員会は、2025年9月10日、第4回提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案価格の引上げを要請しました。加えて、本特別委員会は、第4回提案価格の水準であれば、一般株主の利益を保護する観点から、本公開買付けにおける買付予定数の下限について、MoMの設定が必要である旨を返答しました。

 その後、2025年9月12日、木村友彦氏より、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,500円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,699円に対して29.68%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,660円に対して31.58%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,593円に対して34.98%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,515円に対して39.17%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨及び本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募する当社の一般株主の利益に資さない可能性があるため、MoMは設定しない予定である旨の第5回目の価格提案書を受領しました。これに対して、本特別委員会は、2025年9月12日、第5回提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、本公開買付価格を3,800円とすることを検討することを含む提案価格の引上げを要請しました。加えて、本特別委員会は、第5回提案価格の水準であれば、一般株主の利益を保護する観点から、本公開買付けにおける買付予定数の下限について、MoMの設定が必要である旨を返答しました。

 その後、2025年9月17日、木村友彦氏より、本特別委員会が提示した価格を最大限考慮する観点から、本公開買付価格を3,530円(同提案日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,706円に対して30.45%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,665円に対して32.46%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,597円に対して35.93%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,517円に対して40.25%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とする旨、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募する当社の一般株主の利益に資さない可能性があるため、MoMは設定しない予定である旨、当社の財務状況等を踏まえた本取引の実行後における金融機関からの借入れの返済負担等に鑑みれば、これ以上の公開買付価格の引上げは現実的に想定できない旨の第6回目の価格提案書を受領しました。これに対して、本特別委員会は、2025年9月17日、第6回提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、本公開買付価格を3,650円とすることを検討することを含む提案価格の引上げを要請しました。加えて、本特別委員会は、提案価格の引上げ要請を真摯に検討いただくことを条件に、MoMを設定しないことも許容する旨を返答しました。

 その後、2025年9月19日、木村友彦氏より、当社の財務状況等を踏まえた本取引の実行後における金融機関からの借入れの返済負担等に鑑みた本取引の現実的な実現可能性を検討した上で、当該第6回提案価格は当社の一般株主の利益に最大限配慮した最終的な提案であり、引き続き本公開買付価格を3,530円とする旨、本取引は、市場株価に相応のプレミアムを加えた公正な価格により当社の一般株主に当社株式の魅力的かつ十分な売却機会を提供するものである一方で、本取引が実行されずにかかる機会が失われることは、当社の一般株主の利益にも資さないものと考えている旨の第7回目の価格提案書を受領しました。これに対して、本特別委員会は、3,530円という公開買付価格は一般株主にとって公正な価格であると最終的に判断したこと、及び、第7回提案価格は、累次に亘る本特別委員会の価格引上げ要請に応じて価格が引き上げられた末に、最終的に引上げ要請に応じられないとの回答に至ったものであるという交渉経緯を踏まえると、これ以上の価格引上げは難しいと考えられたことから、2025年9月19日、第7回提案価格に応諾する旨を返答しました。

 

(ⅲ)判断の内容

 以上の経緯の下、当社は、リーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2025年9月22日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

 また、当社は、みずほ証券から、2025年9月22日付で当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(みずほ証券)」といいます。)の提供を受けております。(本株式価値算定書(みずほ証券)の概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。)。

 さらに、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから、2025年9月22日付で当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス)」といいます。)及び本公開買付価格3,530円が当社の一般株主にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の提供も受けております(本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンの概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。

 その上で、当社は、TMI総合法律事務所から受けた法的助言、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言及びみずほ証券から取得した本株式価値算定書(みずほ証券)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引の諸条件は公正なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。

 その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載の公開買付者が企図する施策の内容は合理的であり、本取引を通じて当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであるとの判断に至りました。

 

(ア)医療・介護事業における投資拡大

 上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、日本では2025年に団塊世代の全てが75歳以上となるなど高齢化は確実に進むものの、政府の「病院から在宅へ」の基本方針の下、病院のベッド数自体は減少していくことが予想されると認識しております。また、国内において常態化する人手不足への対応や光熱費・資材価格の高止まりなど医療・高齢者施設経営にとって厳しい環境が続いていると考えております。当社としては、中長期的な事業価値の向上のためには高機能ベッドや看護・介護スタッフの負担を軽減する製品・サービスを売切りではなくリカーリングすることが、当社と顧客との関係性を強化していくために重要であり、それらが当社の中長期的な事業拡大に繋がるものと考えております。しかしながら、上記のリカーリングビジネスの拡大及び収益性の向上のためには、リカーリング資産への先行投資だけでなく、リカーリングの対象となる製品のメンテンナンス拠点への投資等に加え、リカーリングビジネスの拡大に必要なテクノロジーの活用やDXの推進に向けて、アプリケーション及びソフトウェアの開発のための先行投資が必要となります。

 したがって、リカーリングビジネスを当社グループ全体の収益の柱としていくためには相当期間を要し、短期的なキャッシュ・フローや収益性の悪化を招くおそれがあることから、資本市場から十分な評価が得られない可能性があると考えております。

 本取引を通じて、当社株式を非公開化することで、短期的な利益にとらわれず、中長期的な企業価値向上の観点から大胆な先行投資を実行することが可能になることから、今まで以上にリカーリングビジネスの拡大に注力することが可能になる点でメリットがあると考えております。

 

(イ)健康事業における製品開発やプロモーション強化によるブランド力の拡大

 上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、中長期的な企業価値の向上のためには、今後、市場の拡大が見込まれる健康事業に注力し、医療・介護事業に続く第三の柱とすることを目指しておりますが、現状、医療・介護向けのベッドメーカーとしての認知度は高いものの、健康事業関連製品については、一般個人の消費者の皆様には十分に認知されていない状況であると考えております。そのため、新たな製品開発や一般個人の消費者へ向けたプロモーション強化によるブランド力の拡大に向けた先行投資が必要な状況です。これらの投資を収益に繋げていくためには相応の期間を要するため、短期的な目線での収益化との両立が困難な状況です。

 上記(ア)と同様に、本取引を通じて、当社株式を非公開化することで、短期的な利益にとらわれず、中長期的な企業価値向上の観点から大胆な先行投資を実行することが可能になる点にメリットがあると考えております。

 

(ウ)海外事業の拡大

 海外事業においては、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、アジア地域を中心として経済成長とともに医療インフラの充実が見込まれることから、今後の市場成長が期待できる分野と認識しております。一方で、アジア地域における当社の認知度は未だ十分であるとはいえず、今後認知度の向上に向けた先行投資や、各国の現地で即戦力となる人材を獲得していく必要があります。この点についても、上記(ア)及び(イ)と同様に、事業拡大や収益性の向上には期間を要するところ、本取引を通じて、当社株式を非公開化することで、短期的な利益にとらわれず、中長期的な企業価値向上の観点から大胆な先行投資を実行することが可能になる点にメリットがあると考えております。

 

 一方で、本取引を通じて当社株式を非公開化することによるデメリットについても検討しました。この点、本取引の実施により、当社は上場を廃止することが企図されているところ、これにより、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用や知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の維持・拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられますが、当社は医療用・介護用ベッド業界において既に高い知名度・信用を有しており、一定のブランド力を確立できていると認識しております。したがって、取引先の維持・拡大に与える影響は限定的であると考えており、また、人材の確保については、当社の業界内における高い知名度・信用・ブランド力に加えて、当社グループへの入社を希望する人材の多くは当社の事業を通して社会貢献をすることに意義を見出していると認識しており、入社理由は必ずしも上場企業であることには限られないと考えられることも踏まえると、非公開化による影響は限定的であると考えております。

 さらに、当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなるものの、当社の事業活動を行うために必要な資金が確保できている現在の財務状況等に鑑みると、エクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は低いと考えております。

 以上のことから、当社は、2025年9月24日開催の取締役会において、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。

 また、当社は、以下(ⅰ)から(ⅵ)に記載の点から、本公開買付価格(3,530円)は当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保されたものであり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

 

(ⅰ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているみずほ証券による本株式価値算定書(みずほ証券)における当社株式の株式価値算定結果によれば、本公開買付価格が、市場株価基準法及び類似企業比較法の上限値を上回り、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく1株当たり株式価値レンジの中央値を上回っていること

(ⅱ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、(a)プルータス・コンサルティングによる本株式価値算定書(プルータス)における当社株式の株式価値算定結果によれば、本公開買付価格が、市場株価法の上限値を上回り、かつ、DCF法に基づく1株当たり株式価値レンジの範囲内であること、また、(b)プルータス・コンサルティングが、本公開買付価格が当社の一般株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを表明していること

(ⅲ)本公開買付価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年9月22日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日の終値2,687円に対して31.37%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,673円に対して32.06%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,605円に対して35.51%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,520円に対して40.08%のプレミアムが加算されたものであり、経済産業省が策定した「公正なM&Aの在り方に関する指針」の公表日である2019年6月28日以降に公表され、かつ2025年9月22日までに成立した、当社が上場している市場である東京証券取引所プライム市場の上場会社(2022年4月4日に東京証券取引所にて市場区分が見直される以前に公表された事例においては、東京証券取引所市場第一部の上場会社)を対象としたマネジメント・バイアウト(MBO)による非公開化を企図した公開買付けの事例36件(但し、不成立となったものの、再度公開買付けを実施したことにより成立した事例を除く。)におけるプレミアムの中央値(公表前営業日の終値に対するプレミアムでは40.83%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは44.92%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは44.62%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは43.33%)との比較において、概ね遜色ない水準と考えられること、また、当社株式の上場来最高値である2,960円(2018年2月1日のザラ場)に対して19.26%のプレミアムが付されていること

(ⅳ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」に記載のとおり、本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であり、一般株主の利益への配慮がなされていると認められること

(ⅴ)本公開買付価格が、上記措置が採られた上で、当社と木村友彦氏及び公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること

(ⅵ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会より取得した本答申書においても、本公開買付価格は公正なものであると考えられる旨の意見が示されていること

 

 以上より、当社は、2025年9月24日開催の取締役会において当社の意見として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。なお、かかる当社取締役会決議は、本公開買付け及び本スクイーズアウト手続の実施により当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。

 上記取締役会決議の詳細は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。

 なお、当社の取締役のうち、(ⅰ)木村友彦氏は本取引の提案者であるとともに公開買付者の代表取締役であり、かつ、本取引終了後も継続して当社の代表取締役として当社の経営に関与することを予定していること、(ⅱ)木村陽祐氏は、同氏が公開買付者との間で応募契約を、また同氏が取締役を務める同氏の資産管理会社であるレッジウッド及びシオンが公開買付者との間で本不応募契約を締結しており、かつ、本取引終了後も継続して当社の代表取締役として当社の経営に関与することを予定していることから、両氏は当社取締役会における本公開買付けの意見表明に係る議案の審議及び決議には一切参加しておらず、また、本取引に関し、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。また、岡ゆかり氏は、一身上の都合から上記の当社取締役会を欠席いたしましたが、同氏については、上記の取締役会に先立ち、当社取締役会が本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことに賛同する旨を別途確認しております。

 

(3)算定に関する事項

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 当社は、公開買付関連当事者のいずれからも独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、みずほ証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年9月22日に、本株式価値算定書(みずほ証券)を取得いたしました。なお、みずほ証券は、公開買付関連当事者のいずれの関連当事者にも該当しておりません。みずほ証券は、当社の株主たる地位を有しており、また、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行は、公開買付者に対して買付資金等に係る融資を行うことを予定しているほか、当社に対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を実施しておりますが、みずほ証券によれば、みずほ証券は法第36条及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4の適用法令に従い、みずほ証券の社内において、フィナンシャル・アドバイザー業務及び当社株式の価値算定業務を担当する部署と当社の株式等を保有する同社の別部署との間において情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置を講じている他、みずほ証券とみずほ銀行間の情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ証券の株主たる地位及びみずほ銀行の貸付人の地位とは独立した立場で、当社の株式価値の算定を行っているとのことです。当社は、当社の株式価値算定にあたり、みずほ証券において適切な利益相反管理体制が構築され、かつ実施されていると判断し、みずほ証券を第三者算定機関に選定いたしました。なお、当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」乃至「⑦ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保」をご参照ください。)を踏まえると、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、本取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

 

(ⅱ)算定の概要

 みずほ証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価基準法を、比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社の市場価値との比較において株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値算定を行っております。

 みずほ証券が上記の手法に基づいて算定した当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価基準法:2,520円から2,687円

類似企業比較法:2,038円から2,406円

DCF法   :2,149円から4,225円

 

 市場株価基準法では、算定基準日を2025年9月22日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値2,687円、過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,673円、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,605円及び過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,520円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,520円から2,687円までと算定しております。

 類似企業比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場企業として、株式会社トーカイ、フランスベッドホールディングス株式会社、株式会社日本ケアサプライ及び株式会社幸和製作所を選定した上で、EBITDAマルチプルを用いて、当社株式の1株当たりの価値の範囲を2,038円から2,406円までと算定しております。

 DCF法では、当社が足元の収益環境及び当社の業績等を踏まえて現時点で合理的に予測可能な期間を対象期間として作成した2026年3月期から2029年3月期までの4期分の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における財務予測、当社の2026年3月期第1四半期における財務情報、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期第2四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,149円から4,225円までと算定しております。割引率は加重平均資本コストとし、5.9%~7.3%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長法及びEXITマルチプル法を採用しております。永久成長法では永久成長率を、外部環境等を総合的に勘案の上、0.0%~1.4%とし、継続価値を133,140百万円から195,676百万円と算定しております。EXITマルチプル法では企業価値に対するEBITDAの倍率を、類似企業比較法で選定した上場企業の水準を勘案の上、3.2倍~4.0倍とし、継続価値の範囲を78,496百万円から100,504百万円までと算定しております。

 また、非事業用資産として、投資有価証券を当社の企業価値に加算しております。

 

 みずほ証券がDCF法の算定の前提とした本事業計画に基づく財務予測は以下のとおりとのことです。当該財務予測には、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれませんが、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2027年3月期においては、設備投資の増加及び売上高増に伴う運転資本の増加により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおり、2028年3月期においては、運転資本の増加幅の減少により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。2029年3月期においては、設備投資額減少の影響により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。

 なお、本事業計画は、本取引の取引条件の公正性を検討することを目的として、当社の足元の事業状況や事業環境等に関して、物価高・賃金上昇等の経済環境の変化が与える影響を踏まえて作成したものであり、公開買付者、木村友彦氏及び木村陽祐氏はその作成過程に一切関与しておりません。

 また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。

 

(単位:百万円)

 

 

2026年3月期

(9ヶ月)

2027年3月期

2028年3月期

2029年3月期

売上高

90,742

121,698

128,933

136,470

営業利益

12,714

14,022

14,940

16,097

EBITDA

22,313

27,479

29,378

31,517

フリー・キャッシュ・フロー

4,010

111

3,202

7,072

 (注) みずほ証券は、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。

 

② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 本特別委員会は、本諮問事項(下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」において定義します。)について検討するにあたり、本公開買付価格を含む取引条件の公正性を担保するために、公開買付関連当事者及び本公開買付けを含む本取引から独立した独自の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対して、当社株式の価値算定及び本公開買付価格の財務的観点からの公正性についての意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2025年9月22日付で、本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンを取得いたしました。

 なお、プルータス・コンサルティングは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に関するプルータス・コンサルティングに対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

 

(ⅱ)算定の概要

 プルータス・コンサルティングは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値算定を行っております。

 プルータス・コンサルティングが上記の手法に基づいて算定した当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価法:2,520円から2,687円

DCF法 :3,291円から3,935円

 

 市場株価法では、算定基準日を2025年9月22日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値2,687円、過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,673円、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,605円及び過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,520円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,520円から2,687円までと算定しております。

 DCF法では、当社が足元の収益環境及び当社の業績等を踏まえて現時点で合理的に予測可能な期間を対象期間として作成した本事業計画における財務予測、直近までの業績動向、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期第2四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,291円から3,935円までと算定しております。割引率は加重平均資本コストとし、6.10%~7.53%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長法を採用し、永久成長率を理論上想定される長期的な経済環境等を踏まえ0%とし、継続価値の範囲を157,282百万円から194,037百万円までと算定しております。

 また、非事業用資産として、余剰現預金(当社の現預金から、過去の資金繰り実績等を総合的に考慮し推計した事業用現預金を控除して算出しております。)を加算するとともに、当社の保有する投資有価証券についても加算しております。

 

 プルータス・コンサルティングがDCF法の算定の前提とした本事業計画に基づく財務予測は以下のとおりとのことです。当該財務予測には、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれませんが、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれます。具体的には、2026年3月期においては、運転資本の増加により、フリー・キャッシュ・フローのマイナスを見込んでおり、2027年3月期においては、設備投資の増加及び売上高の増加に伴う運転資本の増加により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおり、2028年3月期においては、運転資本の増加幅の減少の影響により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおり、2029年3月期においては、設備投資額減少の影響により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。

 

 また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。

 

(単位:百万円)

 

 

2026年3月期

(9ヶ月)

2027年3月期

2028年3月期

2029年3月期

売上高

90,742

121,698

128,933

136,470

営業利益

12,714

14,022

14,940

16,097

EBITDA

22,134

27,252

29,150

31,290

フリー・キャッシュ・フロー

▲1,544

63

2,426

6,318

 (注) プルータス・コンサルティングは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。

 

(ⅲ)本フェアネス・オピニオンの概要

 本特別委員会は、2025年9月22日付で、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格3,530円が当社の一般株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得しております(注1)。本フェアネス・オピニオンは、本事業計画に基づく当社株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格3,530円が、当社の一般株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータス・コンサルティングが、当社から、当社グループの事業の現状、事業見通し等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社株式の価値算定結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータス・コンサルティングが必要と認めた範囲内での当社グループの事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータス・コンサルティングにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。

(注1) プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオンの作成及び提出並びにその基礎となる株式価値の算定を行うに際して、当社から提供され又は当社と協議した情報及び基礎資料、一般に公開されている資料について、それらが正確かつ完全であること、当社株式の株式価値の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でプルータス・コンサルティングに対して未開示の事実はないことを前提としてこれらに依拠しており、独自にそれらの調査、検証を実施しておらず、その調査、検証を実施する義務も負っておりません。

プルータス・コンサルティングが、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた当社の事業見通しその他の資料は、当社の経営陣により当該時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としており、プルータス・コンサルティングはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明していません。

プルータス・コンサルティングは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提供も受けておりません。従って、プルータス・コンサルティングは当社及びその関係会社の支払い能力についての評価も行っておりません。プルータス・コンサルティングは、法律、会計又は税務の専門機関ではありません。従って、プルータス・コンサルティングは本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものではございません。

本フェアネス・オピニオンは、当社が本公開買付けに関する意見を表明するに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものです。したがって、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何らの意見を述べるものではありません。

本フェアネス・オピニオンは、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見も述べるものではありません。したがって、プルータス・コンサルティングは本フェアネス・オピニオンに依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負いません。

プルータス・コンサルティングは、当社への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有しておりません。したがって、本フェアネス・オピニオンは株主の皆様に対して本公開買付けに関する応募その他のいかなる行動も推奨するものではありません。

本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が、当社の一般株主にとって財務的見地から公正か否かについて、本フェアネス・オピニオンの提出日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、同日までにプルータス・コンサルティングに供され又はプルータス・コンサルティングが入手した情報に基づいて、同日時点における意見を述べたものです。今後の状況の変化によりこれらの前提が変化しても、プルータス・コンサルティングはその意見を修正、変更又は補足する義務を負いません。

本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではありません。

 

(4)上場廃止となる見込み及びその理由

 当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことですので、かかる手続が実行された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。

 

(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

 公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社株式を非公開化する方針であり、本公開買付けにおいて、公開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、当社において以下のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

 具体的には、公開買付者は、会社法第180条に基づく当社株式に係る本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本株主総会」といいます。)の開催を当社に要請する予定とのことです。なお、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者及び本不応募合意株主は、本株主総会において上記各議案に賛成する予定であるとのことです。

 本株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当該端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主の皆様(公開買付者、当社及び本不応募合意株主を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定であるとのことです。また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者及び本不応募合意株主(木村通秀氏関連株主を除きます。以下、特記しない限り、本「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において同じです。)が当社の発行済株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、当社及び本不応募合意株主を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定であるとのことです。当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。

 なお、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本株式併合の効力発生直前時において、公開買付者及び木村友彦氏以外に、公開買付者及び木村友彦氏がそれぞれ所有する当社株式の数のうち最も少ない数以上の当社株式を所有する当社の株主が存在することを可及的に避け、本スクイーズアウト手続の安定性を高めるため、公開買付者が必要と判断した場合には、本不応募合意株主(木村友彦氏及び木村通秀氏関連株主を除きます。)は、本株式併合の効力発生に先立ち、その所有する当社株式の全てを無償で木村友彦氏に対して譲り渡す本貸株取引を実施する予定であるとのことです。

 本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(公開買付者、当社及び本不応募合意株主を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、当社及び本不応募合意株主を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定であるとのことですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様は、上記申立てを行うことができることになる予定であるとのことです。なお、これらの申立てがなされた場合における、当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 なお、本譲渡制限付株式のうち役職員向け譲渡制限付株式については、その割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、株式併合(当該株式併合により、付与対象者の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなる場合に限ります。)に関する事項が当社の株主総会で承認された場合(但し、株式併合の効力発生日(以下「株式併合効力発生日」といいます。)が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)には、当社取締役会の決議により、本譲渡制限付株式の払込期日を含む月から当該承認の日(以下「株式併合承認日」といいます。)を含む月までの月数を12で除した数(但し、1を超える場合は1とみなします。)に、株式併合承認日において付与対象者が所有する本譲渡制限付株式の数を乗じた数(但し、計算の結果、1株未満の端数が生ずる場合には、これを切り捨てます。)の本譲渡制限付株式について、これに係る譲渡制限を解除され、(b)上記(a)に規定する場合、当社は、株式併合効力発生日の前営業日をもって、株式併合効力発生日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得するとされております。本スクイーズアウト手続においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、株式併合承認日をもって譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、本株式併合の対象とし、上記割当契約書の(b)の規定に従い、株式併合効力発生日の前営業日をもって、株式併合効力発生日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部について、当社において無償取得する予定であるとのことです。また、本譲渡制限付株式のうち当社従業員持株会向け譲渡制限付株式については、その割当契約書において、譲渡制限期間中に、株式併合(当該株式併合により、付与対象者の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなる場合に限ります。)に関する事項が当社の株主総会で承認された場合(但し、株式併合効力発生日が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)には、当社取締役会の決議により、株式併合承認日において当社従業員持株会向け譲渡制限付株式のうち各会員の有する持分に応じた数の本譲渡制限付株式の全てについて、これに係る譲渡制限を解除されることとされております。本スクイーズアウト手続においては、上記割当契約書の規定に従い、株式併合承認日をもって譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、本株式併合の対象とする予定であるとのことです。

 上記の手続については、関係法令の改正や関係法令についての当局の解釈等の状況、本公開買付け後の公開買付者の当社株式の所有割合、公開買付者及び本不応募合意株主以外の当社株主の当社株式の所有状況等によっては、実施に時間を要し、又はそれと概ね同等の効果を有するその他方法に変更する可能性があるとのことです。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(公開買付者、当社及び本不応募合意株主を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定であるとのことです。以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、決定次第、当社が速やかに公表する予定ですが、本株主総会を開催する場合には2026年1月中旬を目途に開催されることを見込んでいるとのことです。

 なお、本公開買付けは、本株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものではありません。加えて、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

 公開買付者及び当社は、本公開買付けがマネジメント・バイアウト(MBO)に該当する取引の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在することを踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。

 なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、MoMの買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の一般株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、MoMの買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を実施していることから、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。

 また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券に当社株式の価値算定を依頼し、2025年9月22日付で本株式価値算定書(みずほ証券)を取得しました。なお、当社は、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられており、本取引に係る公正性が十分に担保されていると判断したことから、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、みずほ証券は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会において、みずほ証券を当社の第三者算定機関とすることについて承認しております。

 本株式価値算定書(みずほ証券)の概要は、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

 

② 当社における独立した法律事務所からの助言

 当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を確保するために、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、同事務所から、本公開買付けを含む本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、TMI総合法律事務所は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会において、TMI総合法律事務所を当社のリーガル・アドバイザーとすることについて承認しております。また、TMI総合法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)特別委員会の設置の経緯

 当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、本取引がマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、当社又は当社の一般株主との間に構造的な利益相反の問題が類型的に存在するため、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2025年6月20日開催の当社取締役会決議に基づき、公開買付関連当事者及び本取引の成否のいずれからも独立した委員である後藤芳一氏(当社社外取締役(監査等委員)、株式会社ソディック社外取締役)及び岡ゆかり氏(弁護士、当社社外取締役(監査等委員))の2名によって構成される特別委員会を設置いたしました。

 その後、第1回特別委員会が開催される前である2025年7月1日に、本特別委員会は、2025年6月27日開催の当社定時株主総会で当社の社外取締役(監査等委員)に選任された白井あれい氏(株式会社ベネッセコーポレーション大学・社会人カンパニーDE&I事業開発部部長)及び播磨奈央子氏(公認会計士)の2名を、本特別委員会の委員として追加選任いたしました。白井あれい氏及び播磨奈央子氏は、公開買付関連当事者及び本取引の成否のいずれからも独立しています。

 なお、当社は、当社の社外取締役(監査等委員)である髙橋一夫氏については、2023年3月31日まで、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券の顧問であったことから、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避を徹底するべく、本特別委員会の委員として選任しておりません。

 その後、岡ゆかり氏は、一身上の都合により、本特別委員会の審理に十分に参加できない可能性があることから、第4回特別委員会後の2025年8月18日付で、同氏の意向により、本特別委員会の委員を辞任いたしました。なお、同氏の辞任の他に委員は変更されておりません。

 なお、本特別委員会の互選により、後藤芳一氏を本特別委員会の委員長として選定しております。また、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定の報酬を支払うものとしております。

 そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(a)本取引の是非(本取引が当社企業価値の向上に資するかを含む。)に関する事項、(b)本取引の取引条件の公正性(買収対価の水準、買収の方法及び買収対価の種類その他の取引条件が公正なものとなっているかを含む。)に関する事項、(c)本取引の手続の公正性(取引条件の公正さを担保するための手続が十分に講じられているかを含む。)に関する事項、及び、(d)上記(a)乃至(c)その他の事項を踏まえ、本取引が一般株主にとって公正であるか否か(以下(a)乃至(d)の事項を「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの点についての答申書を当社に提出することを委嘱いたしました。

 また、本特別委員会への諮問にあたり、当社取締役会は、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の意見を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うこととし、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引を行う旨の意思決定を行わないこととする旨を決議しております。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)本特別委員会自ら公開買付者と協議・交渉することができる権限、(b)本特別委員会の判断により、当社の役職員(利益相反のおそれがないものに限る。)をして、上記協議・交渉に関与させることができる権限及び公開買付者との交渉を当社やアドバイザー等が行う場合でも、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与えることができる権限、(c)本特別委員会が必要と認めるときは、当社の費用負担の下、特別委員会独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができる権限、並びに、本取引に係る当社のアドバイザーを指名し、又は変更を求めることができるほか、当社のアドバイザーに対して必要な指示を行うことができる権限、(d)本特別委員会が必要と認めるときは、木村友彦氏及び本取引の成否から独立した社外取締役又は社外有識者を特別委員会の委員として選任することができる権限をそれぞれ付与しております。

 

(ⅱ)特別委員会における検討の経緯

 本特別委員会は、2025年7月7日から2025年9月22日まで合計11回開催され、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。

 具体的には、本特別委員会は、まず、2025年7月7日、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてのみずほ証券、並びにリーガル・アドバイザーとしてのTMI総合法律事務所について、公開買付関連当事者からの独立性及び専門性に問題がないことを確認し、それぞれを当社のアドバイザーとして選任することを承認しております。また、本特別委員会は、必要に応じて当社のアドバイザー等から専門的助言を得ることとし、複数の第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等が問題ないことを確認し、2025年7月16日、プルータス・コンサルティングを本特別委員会独自の算定機関として選任し、当社株式の価値算定及びフェアネス・オピニオンの表明を依頼することを決定いたしました。さらに、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制についても、当社から説明を受けた上で、独立性・公正性の観点から問題がないことを確認し、承認しております。

 本特別委員会は、TMI総合法律事務所から、特別委員会の設置が求められる背景、特別委員会の役割等についての説明を受け、本取引に関する意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定にあたっての留意事項等についての法的助言を踏まえ、本取引における手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。また、本特別委員会は、木村友彦氏及び公開買付者並びに当社より提出された各検討資料その他必要な情報・資料等の収集及び検討を行うとともに、木村友彦氏に対して本取引の背景・目的、公開買付者が本取引後に実施することを想定している施策及びその他本取引の諸条件等を含む質問事項を送付し、回答を受けました。その後、木村友彦氏に対して本取引を実施するメリット及び公開買付者が本取引後に実施することを想定している施策等を含む追加質問事項を送付し、回答を受けた上で、当社に対して本取引の背景・目的、本取引を行うことを必要と考える理由、本取引実施後の経営体制及び実施予定の施策等の当社としての認識についてインタビューを実施しました。

 その上で、本特別委員会は、木村友彦氏と直接面談をして、当該質問事項及び当該追加質問事項を踏まえた本取引の内容、背景、意義・目的、本取引後に検討している施策の内容について、説明を受けております。

 また、本特別委員会は、本事業計画について、公開買付者、木村友彦氏、本不応募合意株主、創業家応募合意株主及び木村看護財団から独立した者によって作成されていることを確認するとともに、当社から重要な前提条件について説明を受け、最終的な本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認し、承認しております。

 その上で、みずほ証券から本株式価値算定書(みずほ証券)について、また、プルータス・コンサルティングから本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンについて、それぞれ説明を受け、当社株式価値算定の前提等に関するヒアリング調査を行いました。

 また、本特別委員会は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社が、2025年8月22日に木村友彦氏から本公開買付価格を3,000円とする提案を受領して以降、当社の第三者算定機関であるみずほ証券及び本特別委員会独自の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングによる当社株式の価値算定の結果並びに本フェアネス・オピニオンや公開買付者との交渉方針等を含めた助言、また、TMI総合法律事務所からの特別委員会の意義・役割等を含む本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容についての助言を踏まえ、公開買付者の影響を排除した公正な手続によって本公開買付価格の検討を重ね、みずほ証券を通じて、取引条件に関する公開買付者との交渉過程に実質的に関与してまいりました。

 

(ⅲ)特別委員会における判断内容

 本特別委員会は、以上のような経緯の下、本諮問事項について慎重に協議・検討した結果、2025年9月22日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。答申の理由を含む本答申書の詳細については、別添1をご参照ください。

(Ⅰ)答申内容

(a)本取引は当社の企業価値向上に資すると認められる(本取引の目的は是である。)。

(b)本取引の取引条件は公正である。

(c)本取引に係る手続は公正である。

(d)上記(a)乃至(c)その他の事項を踏まえ、本取引は、当社の一般株主にとって公正である。

(Ⅱ)答申理由

(a)本取引の是非(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)に関する事項について

(ア)本取引の目的等の概要

 本特別委員会は、本取引の目的及び本取引により向上することが見込まれる当社の企業価値の具体的内容等について、本取引の提案者であり、公開買付者の代表取締役を務める木村友彦氏及び当社に対して書面での質疑応答及びヒアリングを行った。それらの内容をまとめると、大要、以下のとおりである。

ア 本取引の目的等に関する木村友彦氏の認識

-当社グループは、現在、医療・介護用ベッド、マットレス、病室用家具、医療用器具備品等の製造及び販売を行うパラマウントベッド株式会社、ベッド・マットレスの点検・修理・消毒、メンテナンスリース等のサービスを提供するパラテクノ株式会社、パラマウントベッド製品をはじめとするさまざまな福祉用具を貸与事業者へ貸し出しする福祉用具レンタル卸事業を行うパラマウントケアサービス株式会社を中心に、医療・介護分野において療養環境の向上のみならず、医療・介護従事者の業務改善等に資する製品・サービスを提供してきた。近年は福祉用具レンタル卸事業やメンテナンスサービス事業を展開するなど、社会の変化に対応し、事業の多角化を推進しながら、業容の拡大を図っている。また、当社グループは、2020年4月1日付で、長期ビジョンを策定し、「医療・介護から健康まで、すべての人に笑顔を」を掲げ、医療・介護の分野で長年培ってきた技術や知見をもとに、健康の分野でも皆様に貢献することを目指しており、現在は、本中期経営計画の第Ⅱフェーズ(2024年3月期から2027年3月期)の重点施策である「リカーリングビジネスの拡大」、「健康事業の進化」、「アジア注力エリアでの飛躍」に注力している。

-当社は、当社グループの関連する医療・介護分野の事業環境においては、日本では2025年に団塊世代の全てが75歳以上となり、高齢化が確実に進んでいるものの、社会保障費の伸びが課題となっているとともに、政府の「病院から在宅へ」の基本方針の下、病院のベッド数自体は減少していくことが予想されると認識しており、国内において常態化する人手不足への対応や光熱費・資材価格の高止まりなど医療・高齢者施設経営にとって厳しい環境が続いていると考えている。一方で、看護・介護スタッフの負担を軽減するための製品・システムや、高度急性期分野等への投資が拡大するものと見込まれ、在宅介護市場は、高齢化の進展を背景として、今後の市場拡大が期待されると考えている。また、生産年齢人口の減少や働き方改革などを背景として、企業や個人が一人一人の健康に配慮する傾向の高まりや、AI・ITやデータを活用したビジネスの増加によって、ヘルスケア産業でも新しい価値創造やイノベーションが加速されるという意味合いにおいて、今後も環境が大きく変化していくことが想定される。海外においては、アジア地域を中心として経済成長とともに医療インフラの充実が見込まれ、中国では将来的にはわが国よりも速いスピードで高齢化が進むと予想されると認識している。

-このような状況の下、当社は、上記の事業環境・今後の市場の変化に合わせて、医療・介護用ベッド、マットレス等の売り切りに依存する収益モデルを脱却し、レンタル・リースや、介護事業におけるクラウド型見守り支援システムのシステム利用料、医療事業においては医療施設における看護補助業務請負(看護助手業務、ベッドセンター業務、コンシェルジュ業務及び医療機器保守管理業務)など、継続的に価値を提供するリカーリングビジネスをより一層拡大させ、顧客との関係性を強化していく必要があると考えている。健康事業では、今後、生産年齢人口の減少が避けられない日本において、健康寿命を延伸し、医療・介護を受ける方々の増加を抑制していくことが重要であり、社会貢献性の高いビジネスとして、当社の医療・介護事業に続く第三の柱となるように取り組んでいる。一方で当社は医療・介護向けベッドメーカーとしての認知度は高いものの、健康事業関連製品の認知度が低いという課題があり、今後は、当社製品・事業の認知度の向上や、一般個人の消費者の皆様に訴求できる、より良い睡眠環境の構築に寄与する製品・サービスの開発が求められると考えている。

-これらの施策を実施するには、製品の製造・販売だけではなく、リカーリングビジネス拡大のための投資、医療・介護現場において負担を減らせるよう、患者や入居者の情報を自動的に記録し状態を可視化する各種アプリケーションやソフトウェアの開発が不可欠であり、積極的なM&Aによるこれらのリソースの獲得等が重要であると考えている。また、海外展開においては、今後、少子高齢化が進行することが見込まれる中国や、医療水準が先進国並みに引きあがっていくことに伴う市場拡大が期待できるアジアを中心とした地域において、即戦力となるような専門人材を海外現地で獲得することなどにより、グローバルでの競争力のある組織作りをしていくことが求められていると考えている。

-木村友彦氏は、これらの状況を踏まえ、当社グループが既存の各事業をこれまで同様に発展させていくだけでは当社グループの持続的な成長を実現していくことは困難であると考えており、具体的には以下の施策を実行することで、当社グループの更なる企業価値向上を実現することが可能であると考えている。

(ⅰ)医療・介護事業における投資拡大

 看護・介護スタッフの負担を軽減するための製品・システムや、高度急性期分野等への投資が拡大するものと見込まれる。介護市場においては、眠りSCAN、眠りCONNECTのような、効率的に介護できるようなサービスやシステム関連の開発や、福祉用具レンタル卸事業における、メンテナンス拠点の整備などに一定程度の先行投資が必要になるものと考えている。また、リカーリングビジネスを進めていくことにより、顧客接点が増え製品開発につながっていくことも想定しているため積極的に投資をしていくことを考えている。さらに、国内では他業界への人材流出により人手不足が深刻化しているため、テクノロジーの活用やDXの推進をする必要があると考えている。

(ⅱ)健康事業・海外展開における製品開発やプロモーション強化によるブランド力の拡大

 健康事業においては、現状、製品ラインナップが少なく、市場においては後発メーカーという位置づけとなるため、製品開発やサービスを一から作り上げる必要があると考えている。大きな設備投資等を見込んでいるわけではないものの、製品開発やプロモーション強化によるブランド力の拡大に向けた投資が必要と考えている。現状は短期的なキャッシュ・フローや収益性の観点からはマイナスであるものの、今後、市場の拡大が見込まれると考えているため、注力していく必要があると考えている。海外においてはアジア地域を中心として経済成長とともに医療インフラの充実が見込まれ、中国では将来的には日本よりも速いスピードで高齢化が進むと予想されることから、今後の市場成長が期待できる分野として、先行投資を行っていくことも含めて注力していきたいと考えている。

-一方で、木村友彦氏は、当社が上場を継続する限りは株主や市場を意識した経営が求められ、短期的な利益確保・分配への配慮が必要になることから、短期的なキャッシュ・フローや収益性の悪化を招くおそれがある先行投資や、抜本的な構造改革等を伴う中長期的な施策の実行が難しいと考えている。また、上記「(ⅰ)医療・介護事業における投資拡大」及び「(ⅱ)健康事業・海外展開における製品開発やプロモーション強化によるブランド力の拡大」や本中期経営計画の第Ⅱフェーズ(2024年3月期から2027年3月期)の重点施策であるリカーリング型事業への転換や成長領域の育成等は直ちに収益に貢献するとは限らず、相応の時間と大きなリスクを伴うものであり、当社株式の上場を維持したまま、当社の株主に当該リスクを負担いただきつつ、施策の実行を全面的に支持いただくことは難しいと考えている。加えて、戦略的な対応施策の検討、及び当該施策を速やかに実行に移すための迅速な経営判断がこれまで以上に求められるものと考えている。

-さらに、木村友彦氏は、上場を維持するために必要となる人的・経済的コスト及び株主や市場からの要求が年々増加する傾向にある中で、上場を維持することの必要性は見出しにくいと考えており、上場廃止により、継続的な情報開示に要する費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用等の削減、意思決定の迅速化等が可能になると考えている。

-また、木村友彦氏は、当社グループが上場以来、社会的な信用の向上や知名度の向上による優秀な人材の確保等、上場会社としてのメリットを享受してきたと認識している。他方で、木村友彦氏は、事業活動を行うために必要な資金が確保できている現在の当社グループの財務状況に鑑みても、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は高くなく、また、当社グループの社会的な信用やブランド力は、事業活動を通じて獲得してきたものと考えており、非公開化によって失われる性質のものではなく、非公開化後も引き続き社会的な信用やブランド力を維持することが可能であり、今後も継続して当社株式の上場を維持することの必要性を見出しにくい状況にあると考えている。

-加えて、非公開化に伴う一般的なデメリットとして、当社グループが上場会社として享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保並びに取引先の拡大等にマイナスの影響を及ぼす可能性が考えられるが、当社グループの社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等は事業活動を通じて獲得される部分もあることや当社グループがこれまで培ってきたブランド力や知名度により、非公開化が人材確保に与える影響は大きくないと考えられることから、その程度は限定的であると考えている。

イ 本取引の目的等に関する当社の認識

-本特別委員会が当社から書面での質疑応答及びヒアリングしたところによれば、当社としても、以下の点等を踏まえると、公開買付者が企図する施策の内容は合理的であり、本取引を通じて当社株式を非公開化することが、当社の企業価値向上に資するものであると判断している。

(ⅰ)医療・介護事業における投資拡大

 日本では2025年に団塊世代の全てが75歳以上となるなど高齢化は確実に進むものの、政府の「病院から在宅へ」の基本方針の下、病院のベッド数自体は減少していくことが予想されると認識している。また、国内において常態化する人手不足への対応や光熱費・資材価格の高止まりなど医療・高齢者施設経営にとって厳しい環境が続いていると考えている。当社としては、中長期的な事業価値の向上のためには高機能ベッドや看護・介護スタッフの負担を軽減する製品・サービスを売切りではなくリカーリングすることが、当社と顧客との関係性を強化していくために重要であり、それらが当社の中長期的な事業拡大に繋がるものと考えている。しかしながら、上記のリカーリングビジネスの拡大及び収益性の向上のためには、リカーリング資産への先行投資だけでなく、リカーリングの対象となる製品のメンテンナンス拠点への投資等に加え、リカーリングビジネスの拡大に必要なテクノロジーの活用やDXの推進に向けて、アプリケーション及びソフトウェアの開発のための先行投資が必要となる。

 したがって、リカーリングビジネスを当社グループ全体の収益の柱としていくためには相当期間を要し、短期的なキャッシュ・フローや収益性の悪化を招くおそれがあることから、資本市場から十分な評価が得られない可能性があると考えている。

 本取引を通じて、当社株式を非公開化することで、短期的な利益にとらわれず、中長期的な企業価値向上の観点から大胆な先行投資を実行することが可能になることから、今まで以上にリカーリングビジネスの拡大に注力することが可能になる点でメリットがあると考えている。

(ⅱ)健康事業における製品開発やプロモーション強化によるブランド力の拡大

 当社は、中長期的な企業価値の向上のために、今後、市場の拡大が見込まれる健康事業に注力し、医療・介護事業に続く第三の柱とすることを目指しているが、現状、医療・介護向けのベッドメーカーとしての認知度は高いものの、健康事業関連製品については、一般個人の消費者の皆様には十分に認知されていない状況であると考えている。そのため、新たな製品開発や一般個人の消費者へ向けたプロモーション強化によるブランド力の拡大に向けた先行投資が必要な状況である。これらの投資を収益に繋げていくためには相応の期間を要するため、短期的な目線での収益化との両立が困難な状況である。

 上記(ⅰ)と同様に、本取引を通じて、当社株式を非公開化することで、短期的な利益にとらわれず、中長期的な企業価値向上の観点から大胆な先行投資を実行することが可能になる点にメリットがあると考えている。

(ⅲ)海外事業の拡大

 海外事業においては、アジア地域を中心として経済成長とともに医療インフラの充実が見込まれることから、今後の市場成長が期待できる分野と認識している。一方で、アジア地域における当社の認知度は未だ十分であるとはいえず、今後認知度の向上に向けた先行投資や、各国の現地で即戦力となる人材を獲得していく必要がある。この点についても、上記(ⅰ)「医療・介護事業における投資拡大」及び(ⅱ)「健康事業における製品開発やプロモーション強化によるブランド力の拡大」と同様に、事業拡大や収益性の向上には期間を要するところ、本取引を通じて、当社株式を非公開化することで、短期的な利益にとらわれず、中長期的な企業価値向上の観点から大胆な先行投資を実行することが可能になる点にメリットがあると考えている。

 

-その他、本取引の実施により、当社は上場を廃止することが企図されているところ、これにより、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用や知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の維持・拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられるが、当社は、医療用・介護用ベッド業界において既に高い知名度・信用を有しており、一定のブランド力を確立できていると認識しており、したがって、取引先の維持・拡大に与える影響は限定的であると考えている。

-また、人材の確保については、当社の業界内における高い知名度・信用・ブランド力に加えて、当社グループへの入社を希望する人材の多くは当社の事業を通して社会貢献をすることに意義を見出していると認識しており、入社理由は必ずしも上場企業であることには限られないと考えられることも踏まえると、非公開化による影響は限定的であると考えている。

-また、当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなるものの、当社の事業活動を行うために必要な資金が確保できている現在の財務状況等に鑑みると、エクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は低いと考えている。

(イ)論点と評価

ア 当社が置かれた経営環境の認識について

 木村友彦氏は、当社グループが属する医療・介護分野の事業環境として、①医療・高齢者施設経営にとって厳しい環境が続いている一方、在宅介護市場は、高齢化の進展を背景として、今後の市場拡大が期待される、②ヘルスケア産業でも新しい価値創造やイノベーションが加速されるという意味合いにおいて、今後も環境が大きく変化していくことが想定される、③海外においては、アジア地域を中心として経済成長とともに医療インフラの充実が見込まれる、といった認識を有しているところ、これらの認識は、本特別委員会が当社からヒアリングした内容とも概ね一致しており、特に不合理な点は認められない。

イ 木村友彦氏が構想する企業価値向上に向けた施策案について

 木村友彦氏が想定している医療・介護事業における投資拡大、健康事業・海外展開における製品開発やプロモーション強化によるブランド力の拡大といった施策の内容は、上記の当社の経営環境を十分に踏まえたものであるとともに、具体的かつ実践的であり、また、本特別委員会が当社からヒアリングした内容とも整合的であり、不合理なものではないと考えられる。

ウ 本取引の実施がもたらす当社の事業上のメリットについて

 非上場化により、短期的なキャッシュ・フローや収益性の悪化を招く恐れがある先行投資や、抜本的な構造改革等を伴う中長期的な施策を実行しやすくなること、また、戦略的な対応施策の検討、及び当該施策を速やかに実行に移すための迅速な経営判断が実現しやすくなるといったメリットがあると考えられ、これらによって、上記の企業価値向上に向けた施策案が実施しやすくなると考えられるため、これらの点は本取引の実施がもたらすメリットであると考えられる。

 また、上場廃止により、継続的な情報開示に要する費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用等の削減が見込まれるとの認識にも不合理な点は認められない。

エ 本取引の実施がもたらす当社の事業上のデメリットについて

 本取引により当社は非上場会社になるところ、一般的に上場のメリットとしては、社会的信用や知名度の向上による取引先の拡大や人材の確保に対する好影響、資本市場からの資金調達が可能であることなどが挙げられるが、当社は、医療用・介護用ベッド業界において既に高い知名度・信用を有しており、一定のブランド力を確立できており、取引先の維持・拡大に与える影響は限定的であると考えているとの木村友彦氏及び当社の認識、並びに、当社グループへの入社を希望する人材の多くは当社の事業を通して社会貢献をすることに意義を見出しており、非公開化による影響は限定的であるとの当社の認識は、いずれも首肯できるものであり、不合理ではないと考えられる。また、現状において、エクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性が低いとの説明にも不合理な点は認められない。

(ウ)小括

 以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引は当社の企業価値向上に資すると認められる(本取引は「是」である。)と判断するに至った。

 

(b)本取引の取引条件の公正性(買収対価の水準、買収の方法及び買収対価の種類その他の取引の条件が公正なものとなっているか否かを含む。)に関する事項について

(ア)みずほ証券による株式価値算定書

 当社が、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関であるみずほ証券から2025年9月22日付で取得した本株式価値算定書(みずほ証券)によれば、当社株式の1株当たりの株式価値は、市場株価基準法によると2,520円~2,687円、類似企業比較法によると2,038円~2,406円、DCF法によると2,149円~4,225円とされている。

 本特別委員会は、みずほ証券から株式価値評価に用いられた算定方法等について詳細な説明を受けるとともに、みずほ証券及び当社から、評価手法の選択、DCF法の算定の基礎となる当社の事業計画の作成経緯及び財務予測・前提条件等の内容・合理性(フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれている理由、背景及び合理性を含む。)、割引率の算定根拠(リスクプレミアムを考慮していないことの確認を含む。)、継続価値の算定根拠等に関する説明を受けて質疑応答を行った上で検討した結果、DCF法の算定の基礎となる当社の事業計画の作成経緯及び財務予測・前提条件等の内容に不合理な点はなく、また、その他の点についても一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。

 そして、本公開買付価格は、本株式価値算定書(みずほ証券)の市場株価基準法及び類似企業比較法による算定結果のレンジの上限値を超える金額であり、また、DCF法による算定結果のレンジの中央値を超える金額である。

(イ)プルータス・コンサルティングによる株式価値算定書

 本特別委員会が、公開買付関連当事者から独立した特別委員会独自の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから2025年9月22日付で取得した本株式価値算定書(プルータス)によれば、当社株式の1株当たりの株式価値は、市場株価法によると2,520円~2,687円、DCF法によると3,291円~3,935円とされている。

 本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから株式価値評価に用いられた算定方法等について詳細な説明を受けるとともに、プルータス・コンサルティング及び当社から、評価手法の選択、DCF法の算定の基礎となる当社の事業計画の作成経緯及び財務予測・前提条件等の内容・合理性(フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれている理由、背景及び合理性を含む。)、割引率の算定根拠(リスクプレミアムを考慮していないことの確認を含む。)、継続価値の算定根拠等に関する説明を受けて質疑応答を行った上で検討した結果、DCF法の算定の基礎となる当社の事業計画の作成経緯及び財務予測・前提条件等の内容に不合理な点はなく、また、その他の点についても一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。

 そして、本公開買付価格は、本株式価値算定書(プルータス)の市場株価法による算定結果のレンジの上限値を超える金額であり、また、DCF法による算定結果のレンジの範囲内の金額であり、同レンジの中央値に近い水準の金額である。

(ウ)過去の市場株価・同種案件に対するプレミアム水準の妥当性

 本公開買付価格(3,530円)は、本取引の公表予定日の前営業日(2025年9月22日)の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,687円に対して31.37%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、市場株価に対するプレミアムの数値(%)において同様とする。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,673円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同様とする。)に対して32.06%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,605円に対して35.51%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,520円に対して40.08%のプレミアムをそれぞれ加えた金額である。

 かかるプレミアム水準は、経済産業省が策定した「公正なM&Aの在り方に関する指針」の公表日である2019年6月28日以降に公表され、かつ2025年9月22日までに成立した、当社が上場している市場である東京証券取引所プライム市場の上場会社(2022年4月4日に東京証券取引所にて市場区分が見直される以前に公表された事例においては、東京証券取引所市場第一部の上場会社)を対象としたマネジメント・バイアウト(MBO)による非公開化を企図した公開買付けの事例36件(但し、不成立となったものの、再度公開買付けを実施したことにより成立した事例を除く。)におけるプレミアムの中央値(公表前営業日の終値に対するプレミアムでは40.83%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは44.92%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは44.62%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムでは43.33%)との比較において、遜色ない水準と考えられること、また、当社株式の上場来最高値である2,960円(2018年2月1日のザラ場)に対して19.26%のプレミアムが付されていることから、本公開買付価格には合理的かつ妥当なプレミアムが付されているものと評価できる。

(エ)特別委員会による交渉を通じた公開買付価格の引上げ

(ⅰ)公開買付者との協議・交渉の過程

ア 公開買付者との協議・交渉の過程

 本特別委員会は、本公開買付価格について、一般株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的な協議・交渉を、本取引の提案者であり、公開買付者の代表取締役を務める木村友彦氏との間で累次に亘って行っている。

 具体的には、2025年8月22日、木村友彦氏より、本公開買付価格を3,000円(価格提案書提出日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,660円に対して12.78%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,611円に対して14.90%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,560円に対して17.19%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,509円に対して19.57%のプレミアムをそれぞれ加えた価格である。)とする旨の初回の価格提案書を受領した。これに対して、本特別委員会は、2025年8月27日、当該提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案価格の引上げを要請した。

 その後、2025年8月28日、木村友彦氏より、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,200円(第2回価格提案提出日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,626円に対して21.86%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均2,625円に対して21.90%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均2,572円に対して24.42%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均2,510円に対して27.49%のプレミアムが加えられた価格である。)とする旨の第2回目の価格提案書を受領した。これに対して、本特別委員会は、2025年9月1日、当該第2回提案価格は、依然として本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案価格の引上げを要請した。

 その後、2025年9月2日、木村友彦氏より、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,350円(第3回価格提案書提出日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,636円に対して27.09%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均2,640円に対して26.89%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均2,579円に対して29.90%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均2,511円に対して33.41%のプレミアムが加えられた価格である。)とする旨の第3回目の価格提案書を受領した。これに対して、本特別委員会は、2025年9月3日、当該第3回提案価格は、依然として本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案価格の引上げを要請した。

 その後、2025年9月9日、木村友彦氏より、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,450円(価格提案書提出日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,723円に対して26.70%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,653円に対して30.04%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,587円に対して33.36%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,512円に対して37.34%のプレミアムをそれぞれ加えた価格である。)とする旨の第4回目の価格提案書を受領した。これに対して、本特別委員会は、2025年9月10日、第4回提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、提案価格の引上げを要請した。加えて、本特別委員会は、第4回提案価格の水準であれば、一般株主の利益を保護する観点から、本公開買付けにおける買付予定数の下限について、いわゆるMoMの設定が必要である旨を返答した。

 その後、2025年9月12日、木村友彦氏より、当社の財務状況や直近の株価推移等を踏まえて、本公開買付価格を3,500円(価格提案書提出日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,699円に対して29.68%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,660円に対して31.58%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,593円に対して34.98%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,515円に対して39.17%のプレミアムをそれぞれ加えた価格である。)とする旨及び本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募する当社の一般株主の利益に資さない可能性があるため、MoMは設定しない予定である旨の第5回目の価格提案書を受領した。これに対して、本特別委員会は、2025年9月12日、第5回提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、本公開買付価格を3,800円とすることを検討することを含む提案価格の引上げを要請した。加えて、本特別委員会は、第5回提案価格の水準であれば、一般株主の利益を保護する観点から、本公開買付けにおける買付予定数の下限について、MoMの設定が必要である旨を返答した。

 その後、2025年9月17日、木村友彦氏より、本公開買付価格を3,530円(価格提案書提出日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,706円に対して30.45%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,665円に対して32.46%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,597円に対して35.93%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,517円に対して40.25%のプレミアムをそれぞれ加えた価格である。)とする旨、本取引の実行後における当社の財務状況等に鑑みれば、これ以上の公開買付価格の引上げは現実的に想定できないこと及び本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募する当社の一般株主の利益に資さない可能性があるため、MoMは設定しない予定である旨の「最終提案書」と題する第6回目の価格提案書を受領した。これに対して、本特別委員会は、2025年9月17日、第6回提案価格は、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえないとして、本公開買付価格を3,650円とすることを検討することを含む提案価格の引上げを要請した。加えて、本特別委員会は、提案価格の引上げ要請を真摯に検討することを条件に、MoMを設定しないことも許容する旨を返答した。

 その後、2025年9月19日、木村友彦氏より、第6回提案価格は当社の一般株主の利益に最大限配慮した最終的な提案であり、引き続き本公開買付価格を3,530円とする旨、本取引は、市場株価に相応のプレミアムを加えた公正な価格により当社の一般株主に当社株式の魅力的かつ十分な売却機会を提供するものである一方で、本取引が実行されずにかかる機会が失われることは、当社の一般株主の利益にも資さないものと考えている旨の第7回目の価格提案書を受領した。これに対して、本特別委員会は、3,530円という公開買付価格は一般株主にとって公正な価格であると最終的に判断したこと、及び、第7回提案価格は、累次に亘る本特別委員会の価格引上げ要請に応じて価格が引き上げられた末に、最終的に引上げ要請に応じられないとの回答に至ったものであるという交渉経緯を踏まえると、これ以上の価格引上げは難しいと考えられたことから、2025年9月19日、第7回提案価格に応諾する旨を返答した。(なお、当該交渉の結果として、MoMは設定されないこととなったが、これについての本特別委員会としての考え方は、後述(c)(ク)「MoM」に記載のとおりである。)

イ 交渉過程についての評価

(ⅰ)交渉の回数

 上記のとおり、本特別委員会は、公開買付者からの公開買付価格の提案に対して、6度に亘り公開買付価格の引上げを求めて交渉しており、結果的に、5回に亘って公開買付価格を引き上げることに成功している。この点、過去5年間における非公開化を目的としたマネジメント・バイアウト(MBO)事例における公開買付者と対象会社側における公開買付価格の提案とそれに対する回答のやり取りの回数の平均は5回であるところ、このことと比較しても、本特別委員会は公開買付者と通常以上の回数の交渉を行っているといえる。

 このように、本特別委員会は、公開買付者に対する一切の忖度なく、一般株主にとってできるだけ有利な取引条件で本取引が行われるための努力を尽くした交渉をしたといえる。

(ⅱ)交渉の方法

 本特別委員会は、上記の交渉の過程において、第4回提案価格に対する回答までは、敢えて具体的な価格を提示することなく提案価格の引上げを要請した。これは、交渉の前半の段階においては、敢えて本特別委員会の具体的な考え方を明らかにしない方が交渉を有利にし、一般株主にとってより有利な取引条件を引き出すことできる可能性があると考えたためである。

 こうした方針のもとで、本特別委員会は、第5回提案価格に対しては3,800円、第6回提案価格に対しては3,650円との具体的な価格を提示して、提案価格の引上げを要請した。これは、公開買付者からの提案価格の引上げ幅が第2回提案価格において200円、第3回提案価格において150円、第4回提案価格において100円と縮小してきているところ、そのような状況下において一般株主にとってより有利な取引条件を引き出すためには、具体的な価格を提示した方が、その可能性を高めることができると考えたためである。

 また、本特別委員会は、本特別委員会から具体的な価格を提示する時点において本特別委員会が第三者算定機関(みずほ証券及びプルータス・コンサルティング)から説明を受けていた株式価値算定の状況(中間報告)を参照した。具体的には、公開買付者からの第5回提案価格や第6回提案価格は、その時点におけるみずほ証券(当社選任の第三者算定機関)のDCF法に基づく算定のレンジの中央値を超え、また、プルータス・コンサルティング(本特別委員会選任の第三者算定機関)のDCF法に基づく算定のレンジと比較しても、その中央値に近い水準にあったことから、最終的には、本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と言い得る水準を確保しているとの認識を持ちつつ、敢えて「本取引の実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準であるとはいえない」と公開買付者に伝達することにより、一般株主にとってより有利な取引条件を引き出すことを試みた。そして、提示する具体的な価格の検討にあたっては、その時点における第三者算定機関(本特別委員会が独自に依頼した算定機関であるプルータス・コンサルティング)によるDCF法に基づく算定結果のレンジの第3四分位数(注)に近い数字(第5回提案価格に対する回答として提示した3,800円)、又は、中央値を超える数字(第6回提案価格に対する回答として提示した3,650円)を提示することが、本特別委員会からの提示価格に一定の根拠を与え、一般株主にとってより有利な取引条件を引き出すことに資すると考えた。

(注) 第3四分位数とは、レンジの下限から75%に位置する数を意味する。

 さらに、本特別委員会は、いわゆるMoMについても、一般株主にとってより有利な公開買付価格を引き出すための交渉の手段と位置付け、交渉を行った。すなわち、本特別委員会は、第5回提案価格に際して、公開買付者から、MoMに相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考えていることから、同条件の設定をしていないとの説明を受け、かかる理由には一定の合理性が認められ、本取引においてMoMを設定することは必須ではないと考えるに至った。そこで、本特別委員会は、MoMを、一般株主にとってより有利な公開買付価格を引き出すための交渉の手段と位置付け、上記のとおり、第5回提案価格に対する回答において、公開買付者に対し、敢えて「第5回提案価格の水準であれば、一般株主の利益を保護する観点から、本公開買付けにおける買付予定数の下限について、MoMの設定が必要である」と伝達した。かかる交渉により、本特別委員会は、結果的に、第6回提案価格において3,500円(第5回提案価格)から3,530円の価格引上げに成功した。

 このように、本特別委員会は、専門的見地からのアドバイザーの助言も踏まえながら、極めて戦略的に公開買付者との交渉を行った。

(ⅲ)交渉の結果

 上記の交渉の結果として、3,530円という本公開買付価格の決定に至るまでには、当社株式1株当たり3,000円とする木村友彦氏の当初の提案より、530円の価格引上げを実現している。

ウ 交渉過程の手続の公正性

 本取引においては、木村友彦氏の影響を受けることなく当社の一般株主にとってより有利な取引条件を目指した交渉を行うべく、本特別委員会に交渉権限が付与され、本特別委員会を主体として公開買付者との間の公開買付価格に関する交渉が行われた。

 そして、本特別委員会は、公開買付者から価格提案を受けるたびに、特別委員会において専門家の助言を受けながら協議して交渉方針を決定し、公開買付者と交渉した。

 したがって、交渉過程の手続は公正であるといえる。

エ 小括

 以上から、本公開買付価格を含む本取引の取引条件は、本特別委員会による、独立当事者間の取引と実質的に同等の、適切かつ十分な交渉の結果として決定されたものといえる。

 

(オ)本公開買付け後の手続において交付される対価

 本公開買付けに応募しなかった一般株主は、本公開買付けの後に実施される予定の非公開化の手続において、最終的に金銭が交付されることになるところ、当該手続において交付される金銭の額については、本公開買付価格に株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定である旨が、プレスリリース等で明示される予定である。

 また、本スクイーズアウト手続としては株式併合が予定されているところ、法令上、本公開買付けに応募しなかった株主に対して株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されている。

 以上のとおり、本公開買付けを含む本取引においては、いわゆる強圧性の問題に対応すべく、本公開買付けに応募しなかった少数株主の利益に配慮がなされているといえ、当該スクイーズアウト手続に係る条件には、一定の合理性があると考えられる。

(カ)自己株式取得価格

 本株式併合の効力発生後、当社が、本自己株式取得を行うことが予定されているところ、本自己株式取得の取得価格(本株式併合前の当社株式1株当たり2,755円)は、(ⅰ)法人税法(昭和40年法律第34号、その後の改正を含む。)に定めるみなし配当の益金不算入制度が適用される法人であるレッジウッド、シオン、シートック、ワイズライト及びラピスラズリが本自己株式取得に応じた場合の税引後手取り額として計算される金額が、(ⅱ)仮にレッジウッド、シオン、シートック、ワイズライト及びラピスラズリが本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額として計算される金額と同額以下となるよう設定される予定であり、レッジウッド、シオン、シートック、ワイズライト及びラピスラズリと当社の一般株主との間で不平等は生じない。

(キ)本取引の対価の種類の公正性

 本取引の対価は、本公開買付け及びその後に実施される予定の本スクイーズアウト手続を通じて、現金であることが予定されているところ、公開買付者が非上場会社であることを踏まえると、本取引において、流動性が乏しい公開買付者の株式を対価とするのではなく、金銭を対価とすることは公正であるといえる。

(ク)小括

 以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、買収対価の水準、買収の方法及び買収対価の種類等を含む、本取引の取引条件は公正であると判断するに至った。

 

(c)本取引の手続の公正性(取引条件の公正さを担保するための手続が十分に講じられているかを含む。)に関する事項について

(ア)当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 当社は、本公開買付けに関する意見表明に向けて、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券に当社株式の価値算定を依頼し、2025年9月22日付で本株式価値算定書(みずほ証券)を取得した。なお、みずほ証券は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していない。また、本取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていない。

(イ)当社における独立した法律事務所からの助言

 当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を確保するために、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、同事務所から、本公開買付けを含む本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けている。なお、TMI総合法律事務所は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していない。また、TMI総合法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていない。

(ウ)特別委員会の設置

 当社は、本取引がいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、当社又は当社の一般株主との間に構造的な利益相反の問題が類型的に存在するため、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2025年6月20日開催の当社取締役会決議に基づき、公開買付関連当事者及び本取引の成否のいずれからも独立した委員である後藤芳一(当社社外取締役(監査等委員))及び岡ゆかり(当社社外取締役(監査等委員))の2名によって構成される特別委員会を設置している。

 その後、第1回特別委員会が開催される前である2025年7月1日に、本特別委員会は、2025年6月27日開催の当社定時株主総会で当社の社外取締役(監査等委員)に選任された白井あれい及び播磨奈央子の2名を、本特別委員会の委員として追加選任している。なお、岡ゆかりは、一身上の都合により、本特別委員会の審理に十分に参加できない可能性があることから、第4回特別委員会後の2025年8月18日付で、同氏の意向により、本特別委員会の委員を辞任したが、同氏の辞任の他に委員を変更した事実はない。

 そして、当社は、本取引に係る決定を行うに際しては、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について公正でないと判断した場合には、本取引を行う旨の意思決定は行わないこととしている。

 本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれていない。

 

(エ)本特別委員会による協議・交渉への関与

 本特別委員会は、当社取締役会から本取引の提案者及び公開買付者と直接協議・交渉を行う権限を付与され、当該権限に基づき、みずほ証券及びTMI総合法律事務所の助言を受けながら、上記(b)(エ)アのとおり、本取引の提案者であり、公開買付者の代表取締役である木村友彦氏との間で複数回に亘る価格交渉を行っており、協議・交渉は、本特別委員会が交渉過程に実際に関与する形で行われている。

(オ)本特別委員会による、本特別委員会独自の第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

 本特別委員会は、公開買付関連当事者から独立した独自の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対して、当社株式の価値算定及びフェアネス・オピニオンの表明を依頼し、2025年9月22日付で、本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンを取得した。

 本フェアネス・オピニオンは、本事業計画に基づく当社普通株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格3,530円が、当社の一般株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものである。

 なお、プルータス・コンサルティングは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していない。また、本取引に関するプルータス・コンサルティングに対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の成立を条件に支払われる成功報酬は含まれていない。

(カ)本取引の交渉過程における特別利害関係人の不関与

 当社を代表して本取引を検討・交渉する取締役には、本取引に特別な利害関係を有する者は含まれておらず、その他、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程で、公開買付者、木村友彦氏その他の本取引に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は存在しない。

(キ)本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

 公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期である36営業日に設定している。公開買付期間を法定の最短期間と比較して長期に設定することにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保している。

 また、公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っていない。

 このように、公開買付者及び当社は、上記公開買付期間の設定と併せ、他の買収者による対抗的な買付け等の機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保している。

 なお、本取引においては、積極的なマーケット・チェックが実施されていないものの、情報管理の観点に加え、現時点における不応募合意株式及び応募合意株式の合計所有割合(38.05%)を踏まえると、公開買付者による買収提案に対する対抗提案がなされるとは考えにくいことから、積極的なマーケット・チェックを実施する意義が大きいとはいえない。したがって、積極的なマーケット・チェックが採用されていないことのみをもって、本公開買付けにおける公正性の担保として不十分であることにはならないと考えられ、これを実施しなくても全体として取引条件の公正さが手続的に担保されているといえる。

(ク)MoM

 本公開買付けにおいては、いわゆるMoMに相当する買付予定数の下限は設定されていない。MoMに相当する買付予定数の下限の設定は、公開買付けの強圧性を排除し、一般株主の判断機会を重視するための制度として有益と評価される。もっとも、本取引の提案者であり、公開買付者の代表取締役である木村友彦氏によれば、MoMに相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考えていることから、同条件の設定をしていないとのことであり、かかる理由には一定の合理性が認められる。加えて、上記(ア)乃至(キ)及び下記(ケ)に記載のとおり、本取引においては、他の公正性担保措置が講じられており、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられていることに照らせば、本公開買付けにおいて、同条件が設定されていなくても、本取引の条件の公正性が否定されるものではないと考えられる。

 

(ケ)適切な情報開示及び強圧性の排除

 本取引においては、本公開買付けが成立した場合に、本株式併合について、公開買付者が提出する公開買付届出書、当社が公表するプレスリリース等において、十分な開示がなされることが予定されている。

 株式併合は、本取引に反対する株主に対する株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されるスキームであり、本株式併合を行うにあたり、本公開買付けに応募しなかった当社の株主に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう本株式併合により生じる端数の合計数の売却代金が算定される予定である旨が、プレスリリース等で明示される予定であると認められ、本公開買付けに応募することの強圧性が低減される適切な措置が採られているといえる。

(コ)小括

 以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引においては取引条件の公正さを担保するための手続が十分に講じられており、本取引の手続は公正であると判断するに至った。

 

(d)上記を踏まえ、本取引が一般株主にとって公正であるか否かについて

 上記(a)乃至(c)までにおいて検討した諸事項以外の点に関して、本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引が当社の一般株主にとって公正でないと考えられる事情は特段見当たらない。

 上記を踏まえ、本取引が当社の一般株主に及ぼす影響を慎重に検討した結果、本取引は、当社の一般株主にとって公正であると判断するに至った。

 

④ 本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得

 本特別委員会は、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付関連当事者から独立した独自の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対して、当社株式の価値算定及び本公開買付価格の財務的観点からの公正性についての意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2025年9月22日付で、本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンを取得いたしました。なお、プルータス・コンサルティングは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に関するプルータス・コンサルティングに対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の成立を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)の概要は、上記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。

 

⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認

 当社は、TMI総合法律事務所から受けた法的助言、みずほ証券から取得した本株式価値算定書(みずほ証券)、プルータス・コンサルティングから取得した本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件ついて慎重に検討いたしました。

 その結果、当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、当社取締役会は、本公開買付けについて、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって公正であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年9月24日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社取締役(木村友彦氏及び木村陽祐氏並びに岡ゆかり氏を除く7名)の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。

 なお、当社の取締役のうち、(ⅰ)木村友彦氏は本取引の提案者であるとともに公開買付者の代表取締役であり、かつ、本取引終了後も継続して当社の代表取締役として当社の経営に関与することを予定していること、また、(ⅱ)木村陽祐氏は、同氏が公開買付者との間で応募契約を、また同氏が取締役を務める同氏の資産管理会社であるレッジウッド及びシオンが公開買付者との間で本不応募契約を締結しており、かつ、本取引終了後も継続して当社の代表取締役として当社の経営に関与することを予定していることから、両氏は当社取締役会における本公開買付けの意見表明に係る議案の審議及び決議には一切参加しておらず、また、本取引に関し、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。なお、(ⅲ)岡ゆかり氏は、一身上の都合から上記の当社取締役会を欠席いたしましたが、同氏については、上記の取締役会に先立ち、当社取締役会が本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことに賛同する旨を別途確認しております。

 

⑥ 当社における独立した検討体制の構築

 当社は構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者、木村友彦氏、本不応募合意株主、創業家応募合意株主及び木村看護財団から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社の取締役のうち、(ⅰ)木村友彦氏は本取引の提案者であるとともに公開買付者の代表取締役であり、かつ、本取引終了後も継続して当社の代表取締役として当社の経営に関与することを予定していること、また、(ⅱ)木村陽祐氏は、同氏が公開買付者との間で応募契約を、また同氏が取締役を務める同氏の資産管理会社であるレッジウッド及びシオンが公開買付者との間で本不応募契約を締結しており、かつ、本取引終了後も継続して当社の代表取締役として当社の経営に関与することを予定していることから、両氏は本取引に関する当社取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。当該検討体制は、全て公開買付者、木村友彦氏、本不応募合意株主、創業家応募合意株主及び木村看護財団から独立性の認められる役職員(八田俊之取締役及び当社従業員12名)のみで構成することとし、本書提出日に至るまでかかる取扱いを継続しております。

 また、当社の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。

 

⑦ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

 公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、本公開買付けにおいては、当該期間よりも長期の36営業日に設定しているとのことです。このように、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。

 また、公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、間接的なマーケット・チェックを行い、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。なお、本取引においては、積極的なマーケット・チェックが実施されていないものの、情報管理の観点に加え、現時点における本不応募合意株式及び本応募合意株式の合計所有割合(38.05%)を踏まえると、公開買付者による買収提案に対する対抗提案がなされるとは考えにくいことから、積極的なマーケット・チェックを実施する意義が大きいとはいえず、積極的なマーケット・チェックが採用されていないことのみをもって、本公開買付けにおける公正性の担保として不十分であることにはならないと考えております。

 

(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

① 本不応募契約

 公開買付者は、木村友彦氏、シートック、ワイズライト、ラピスラズリ、木村憲司氏、レッジウッド及びシオンとの間で、2025年9月24日付で本不応募契約をそれぞれ締結し、それぞれが所有する当社株式について本公開買付けに応募しない旨及び本公開買付けが成立した場合には、本株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨を合意しているとのことです。また、木村友彦氏及び木村憲司氏との間の本不応募契約においては、本公開買付けの決済完了後に、木村友彦氏及び木村憲司氏が公開買付者に対してそれぞれ本出資を行って、公開買付者の普通株式及びA種優先株式を引き受けることを合意しているとのことです。また、本自己株式取得完了までの間(木村友彦氏及び木村憲司氏については、本スクイーズアウト手続完了までの間)、それぞれが所有する当社株式の全部又は一部について、譲渡、担保設定その他の処分(本公開買付け以外の公開買付けへの応募を含むが、これに限らない。)を行わず、また、当社株式又は当社株式に係る権利の取得を行わない旨を合意しているとのことです。また、シートック、ワイズライト、ラピスラズリ、木村憲司氏(注1)、レッジウッド及びシオンとの間の本不応募契約においては、本株式併合の効力発生前に公開買付者の要請があった場合には、木村友彦氏との間で本貸株取引を行う旨をそれぞれ合意しているとのことです。また、レッジウッド及びシオン並びにシートック、ワイズライト及びラピスラズリとの間の本不応募契約においては、(本貸株取引を実施した場合には本株式併合の効力発生後本貸株取引を解消した上で)当社が各相手方との間で本自己株式取得を行う旨をそれぞれ合意しているとのことです。

(注1) 木村憲司氏の所有する当社株式には、役職員向け譲渡制限付株式12,118株が含まれており、譲渡制限が付されているため、本貸株取引の合意の対象としていないとのことです。

 

② 本応募契約(創業家応募合意株主)

 公開買付者は、創業家応募合意株主との間で、2025年9月24日付で本応募契約(創業家応募合意株主)をそれぞれ締結し、それぞれが所有する創業家応募合意株式について、本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。なお、公開買付者は、創業家応募合意株主との間で本応募契約(創業家応募合意株主)以外に合意しておらず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭以外に、公開買付者から、創業家応募合意株主に対して供与される利益は存在しないとのことです。

 

③ 本応募・不応募契約

 公開買付者は、木村通秀氏関連株主との間で、2025年9月24日付で本応募・不応募契約をそれぞれ締結し、木村通秀氏関連株主その所有する当社株式について本公開買付けに応募する旨、又は応募しない旨及び本公開買付けが成立した場合には本株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨を合意しているとのことです。また、本スクイーズアウト手続完了までの間、応募しない旨を合意した当社株式の全部又は一部について、譲渡、担保設定その他の処分(本公開買付け以外の公開買付けへの応募を含むが、これに限らない。)を行わず、また、当社株式又は当社株式に係る権利の取得を行わない旨を合意しているとのことです。なお、公開買付者は、木村通秀氏関連株主との間で本応募・不応募契約以外に合意しておらず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭以外に、公開買付者から、木村通秀氏関連株主に対して供与される利益は存在しないとのことです。

 

④ 本応募契約(木村看護財団)

 公開買付者は、木村看護財団との間で、2025年9月24日付で本応募契約(木村看護財団)を締結し、その所有する木村看護財団応募合意株式について本公開買付けに応募する旨、及び本公開買付けの決済完了後に、木村看護財団が公開買付者に対して本財団再投資を行って、公開買付者の劣後特約付社債を引き受けることを合意しているとのことです。なお、公開買付者は、木村看護財団との間で本応募契約(木村看護財団)以外に合意しておらず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭以外に、公開買付者から、木村看護財団に対して供与される利益は存在しないとのことです。

 

4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

普通株式

氏名

役名

職名

所有株式数(株)

議決権の数(個)

木村 友彦

代表取締役社長

1,780,909

17,809

木村 陽祐

代表取締役副社長

775,094

7,750

八田 俊之

取締役

16,903

169

小林 正樹

取締役

11,730

117

大内 健司

取締役(常勤監査等委員)

13,255

132

岡 ゆかり

取締役(監査等委員)

23,021

230

後藤 芳一

取締役(監査等委員)

2,289

22

髙橋 一夫

取締役(監査等委員)

917

9

白井 あれい

取締役(監査等委員)

播磨 奈央子

取締役(監査等委員)

2,624,118

26,241

 (注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。

 (注2) 取締役の岡ゆかり、後藤芳一、髙橋一夫、白井あれい及び播磨奈央子の各氏は、社外取締役であります。

 (注3) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めております。

 

5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

 該当事項はありません。

 

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

 該当事項はありません。

 

7【公開買付者に対する質問】

 該当事項はありません。

 

8【公開買付期間の延長請求】

 該当事項はありません。

以 上