(1)業績
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境としては、世界経済は、中国の景気拡大の減速懸念はあるものの、アメリカでの個人消費を中心とした回復等により、緩やかな回復傾向が続くと見込まれております。一方、日本経済においては、各種政策の効果もあって企業収益や雇用・所得環境は改善傾向にあり、引き続き緩やかに回復していくことが期待されております。当社グループの主要な事業領域であるスマートフォンの市場規模が拡大するなかで、海外スマートフォンメーカー各社が国内市場・グローバル市場においてシェアを伸ばし、そのなかでも韓国・中国等アジアメーカーが大きなシェアを占めております。
このような状況のなか、当社グループとしては、グローバル市場における海外スマートフォンメーカー及び半導体メーカーへの営業活動を積極化させ、新規顧客の開拓や追加での案件獲得など成果を出してきております。
ネットワークサービス分野では、当社グループ製品のサービス事業への展開を実施しており、当社グループの基幹技術を用いたネットワークサービスのビジネスモデル構築に取り組んでおります。また、先行的な研究開発投資として、機械学習の新たな手法であるDeep Learningを使用した画像認識技術の開発にも取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、2,037,515千円(前連結会計年度比45.0%増)となりました。
また、売上原価、販売費及び一般管理費について、集中と選択を心がけることで効率的な投資に努め、新規投資余力の拡大をしてきた結果、営業損益については742,430千円の利益(前連結会計年度比151.4%増)となりました。また、経常損益については、直近の円安傾向により主として保有する外貨預金及び外貨建債権の評価替による為替差益43,749千円を計上したことにより785,505千円の利益(前連結会計年度比138.4%増)となりました。当期純損益については、法人税等301,990千円、繰延税金資産を追加計上した影響で、法人税等調整額△120,860千円を計上したことにより604,374千円の利益(前連結会計年度比95.5%増)となり、当連結会計年度は増収増益となりました。
なお、当社グループの報告セグメントは単一であるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,036,168千円(前連結会計年度末比728,522千円増)となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、763,718千円(前連結会計年度は173,737千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を785,505千円、減価償却費を44,240千円計上したこと、未払金の増加額28,988千円、前受金の増加額43,956千円となった一方で、売上債権の増加額17,905千円、たな卸資産の増加額14,584千円、法人税等の支払額138,338千円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、61,104千円(前連結会計年度は33,322千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出額30,883千円、無形固定資産の取得による支出額21,529千円、投資有価証券の取得による支出額8,500千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、6,896千円(前連結会計年度は92,375千円の収入)となりました。これは主に、借入金の返済による支出額43,724千円、新株予約権の行使に伴う新株の発行による収入額48,705千円によるものであります。
当社グループは、ソフトウェア・ライセンス事業を行っておりますが、事業セグメントを区分開示する重要性が乏しいため、報告セグメントは単一であり、記載を省略しております。
(1)生産実績
当社グループは、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度の収益区分別の受注状況は、次のとおりであります。
|
事業収入の名称 |
当連結会計年度 (自 平成26年11月1日 至 平成27年10月31日) |
|||
|
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
開発収入 |
80,594 |
90.4 |
8,000 |
20.1 |
|
サポート収入 |
87,683 |
94.4 |
28,516 |
395.8 |
|
合計 |
168,277 |
92.4 |
36,516 |
77.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
①当連結会計年度の収益区分別の販売実績は、次のとおりであります。
(単位:千円)
|
事業収入の名称 |
当連結会計年度 (自 平成26年11月1日 至 平成27年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
ロイヤリティ収入 |
1,858,038 |
147.4 |
|
開発収入 |
96,536 |
194.6 |
|
サポート収入 |
82,940 |
86.7 |
|
合計 |
2,037,515 |
145.0 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成25年11月1日 至 平成26年10月31日) |
当連結会計年度 (自 平成26年11月1日 至 平成27年10月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
LG Electronics Inc. |
268,767 |
19.1 |
391,210 |
19.2 |
|
Sony Mobile Communications Inc., |
262,217 |
18.7 |
367,028 |
18.0 |
|
Motorola Mobility LLC |
275,225 |
19.6 |
284,073 |
13.9 |
|
Samsung Electronics Co.,Ltd. |
187,800 |
13.4 |
260,713 |
12.8 |
|
Huawei Device Co.,Ltd. |
- |
- |
260,445 |
12.8 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.Sony Mobile Communications Inc.,は、平成26年7月1日付けでSony Mobile Communications ABとの契約が承継されたものであります。
4.前連結会計年度のHuawei Device Co.,Ltd.に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
②主な製品別の販売実績は、次のとおりであります。
|
ソフトウェア製品名 |
前連結会計年度 (自 平成25年11月1日 至 平成26年10月31日) |
当連結会計年度 (自 平成26年11月1日 至 平成27年10月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
Morpho Panorama Giga Pixel |
89,076 |
6.3 |
286,343 |
14.1 |
|
PhotoSolid |
156,762 |
11.2 |
244,746 |
12.0 |
|
Morpho HDR |
209,212 |
14.9 |
237,071 |
11.6 |
|
FaceSolid |
82,964 |
5.9 |
225,906 |
11.1 |
|
Morpho Panorama |
230,138 |
16.4 |
183,464 |
9.0 |
|
MovieSolid |
109,828 |
7.8 |
152,713 |
7.5 |
|
Morpho Video Denoiser |
116,740 |
8.3 |
134,759 |
6.6 |
|
Morpho Hyperlapse |
- |
- |
79,963 |
3.9 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、『新たなイメージング・テクノロジーを創造する集団として、革新的な技術を最適な「かたち」で実用化させ、技術の発展と豊かな文化の実現に貢献する』ことを理念としております。現在は、スマートフォン市場が戦略的事業ドメインですが、スマートフォンの市場規模が拡大し、海外スマートフォンメーカー各社が国内市場・グローバル市場においてシェアを伸ばしております。加えて、今後はネットワークの高速化・クラウド化等の進展に応じた画像処理技術や認識サービスが出現してくることが想定されます。このような環境のもと、当社グループでは“すべてのカメラに知能を持たせる”ことを中期経営ビジョンに掲げており、顧客ニーズに適応した新たな技術開発及び製品開発に積極的に取り組んでまいります。これらを実現させるために当社が取り組むべき主要な課題等は、以下のとおりであります。
① 人材の育成等について
当社グループが属するソフトウェア業界は、常に革新的な技術・サービスが求められる業界であります。既存製品の機能向上はもとより、市場の技術革新に速やかに対応しながら、より先進的な技術を創出する必要があります。そのためには、高度かつ専門的な知識・技術を有した人材の育成及び定着を図ることが重要であります。加えて、新規事業領域への展開に向けた当該領域技術・業界動向に精通した専門知識及びスキルを有した優秀な人材の確保が必要になってくるものと考えております。
② 知的財産権の確保等について
当社グループは研究開主導型の企業として、既存の技術とは一線を画す新たな技術を世に送り出すことを社業の礎としております。ただIT・ソフトウェア分野においては、国内外大手電機メーカーや欧米IT・ソフトウェア企業等各社が知的財産権の取得に積極的に取り組んでおり、当社グループの属する画像処理の分野も例外ではありません。
新規性のある独自技術の保護及び当社の活動領域の確保のために、独自の技術分野については、他社に先立って特許権の取得、活用、維持をすすめていく方針であります。
当社グループでは、専門的知識(弁理士資格等)を有した社員を知的財産部門に配置し、技術部門との情報共有を密に図るとともに、他社の知的財産権の調査や出願手続き等の一部は外部パートナーを活用しながら適切に取り組んでまいります。具体的には、事業全体の価値向上に寄与する特許権の取得を推進し、潜在的資産価値の最大化に向けて積極的に取り組むとともに、知的財産権の調査においては他社知的財産権の侵害を回避し、安定・継続した事業の推進に寄与してまいります。
③ 海外市場への展開について
現在の当社グループが、スマートフォン分野で事業規模を拡大させるためには海外展開が重要なテーマとなります。特に、アジア市場での収益獲得機会を増大しなければなりません。当社グループの主力であるスマートフォン分野では、海外スマートフォンメーカーがグローバル市場でのシェアを拡大し、更なる成長に向けて積極的な技術開発・投資活動を行っております。
当社グループでは、海外市場において当該業界に精通した人材で構成する営業体制の強化が必要となります。現在は、海外市場に精通した人材を採用することで営業体制を強化するとともに、関係する企業との良好な関係の構築、海外スマートフォンメーカー等との幅広いネットワークを有したビジネスパートナーとの事業連携を通じ、各海外スマートフォンメーカーへの直接的な営業活動を実施しております。今後、海外の通信事業者との関係強化や半導体メーカー等を通じた販売を実現すべく、パートナーシップや業務面での提携等を積極化させ、当社グループ独自の画像処理技術を世界規模で広く普及させるべく積極的に取り組んでまいります。
④ 新規事業領域への展開について
当社グループは、スマートフォン分野に特化した技術開発及び製品開発を行っておりますが、当社グループ技術の強みは画像処理に関連する幅広い分野に応用可能な点であると考えております。昨今、カメラ等の撮像素子が高性能・高画素化し、加えて安価になっていることから様々なデジタル機器に搭載されるようになり、利用用途は拡大しています。当社グループでは、様々な分野に当社グループ技術及び製品を普及させるためにハードウェア化(記述言語化)に取り組んでまいります。一方、中期的視点では、カメラデバイスの小型化、高性能化、低コスト化、多様化に加え、通信速度の高速化とクラウド化の進展も加わった画像処理技術や画像処理による認識サービスが出現してくることを想定しております。これらの事業機会は、当社グループの成長戦略の基軸になるものと考えており、そのためにソフトウェアによる画像処理技術が優位性を発揮できる分野に対して積極的に研究開発等を推進していく方針であります。
加えて、画像データから得られる各種情報を活用した新たな分野を創出し、例えばDeep Learningを使用した画像認識技術などの開発を推進することにより、積極的に事業領域の拡大を図っていく方針であります。
当社グループが中長期的に新たな事業ドメインとして検討している領域は以下のとおりであります。
ⅰ)ネットワークサービス分野※
ⅱ)その他組込分野(車載、監視カメラなど)
以上の分野を戦略的に重要なターゲットと位置付けて、効果的な営業活動と更なるマーケティング活動を実施し、段階的に新たな柱としていく方針であります。
※ネットワークサービス分野とは、高速化するネットワーク環境に適応した製品の提供及び今後の市場規模拡大が見込まれるクラウドコンピューティング分野への製品提供までを含む総称であります。
⑤ 内部管理体制の強化について
当社グループ事業の継続的な発展を実現させるためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は必須であり、そのために財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。
コーポレート・ガバナンスに関しては、内部統制委員会事務局による定期的モニタリングの実施と監査役や監査法人との良好な意思疎通を図ることにより適切に運用しておりますが、ステークホルダーに対して経営の適切性や健全性を確保しつつも、ベンチャー企業としての俊敏さも兼ね備えた全社的に効率化された組織体制の構築にむけて更に内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要であると考えられる事項については、積極的に開示しております。
但し、以下では当社グループの事業等に関するリスクを全て網羅するものではありませんのでご留意下さい。なお、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 新技術及び新製品の開発に関するリスクについて
当社グループは、研究開発主導型のベンチャー企業であります。現在はスマートフォンを中心とした技術及び製品を開発し、新たな付加価値を提供することにより、当社グループの技術的な信頼性及び認知度を高めながら事業規模の拡大に努めております。将来の成長は、技術的優位性の維持と、市場のニーズに適応した付加価値の高い製品の開発に依存します。
当社グループが属するソフトウェア業界は、常に新しい技術が誕生し、技術の陳腐化が早い事業環境にあり、直近ではスマートフォン等ハード機器自体の変化や革新も急速に進行しているため、環境の変化に適応した革新的な技術やサービス、事業環境の変化への適合が求められる業界であります。
従いまして、急速な技術進歩に支えられた当業界においては、将来の成長可能性は常に不確実性を伴っております。
当社グループでは、独自の画像処理技術を強みとして、新たな技術開発及び製品開発に取り組んでおりますが、①想定以上の急激な技術革新や開発スピードの早期化、②市場ニーズに適応しない製品の投入、③新製品等の市場への投入時期の遅れによる製品の陳腐化、④スマートフォン等ハード機器の急激な技術革新に伴う市場ニーズの急変等の事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 収益構造について
① 利用許諾契約について
当社グループは、これまで培ったノウハウをもとに新技術を創出し実用的な製品を開発しております。現在は、主要な顧客である通信事業者、スマートフォンメーカー、半導体メーカー等に対して当該製品の利用を許諾することによりロイヤリティ収入として売上高を計上しております。平成27年10月期のロイヤリティ収入は売上高全体の91.2%と高い構成比となっております。
現時点では、当社グループのソフトウェア製品はスマートフォン市場において技術的優位性があり、高い競争力を維持しているものと考えておりますが、競合製品の台頭や代替技術の出現により、製品又は技術が陳腐化した場合には、収益の低下を招く可能性があります。また市場での大幅なシェア変動等が起った場合には、当社グループ製品利用状況に変動が起こり、収益の低下を招く可能性があります。当該事象が顕在化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ロイヤリティ単価の変動について
ロイヤリティ収入の価格設定方法は、当社グループの対価基準を元に、顧客との間で協議して設定した出荷数見積と利用期間をもとに設定されます。対価の受け取り方法は、出荷数実績に応じて収受する方式と、ライセンス期間にわたり一定の金額を収受する方法に大別されます。
当社グループの属するソフトウェア業界では、急速な技術進歩により市場規模を拡大させてまいりましたが、最近の事業環境は都度大きく変化しており、スマートフォンメーカー各社及び通信事業者各社は端末原価の低減を図ることにより競争力の維持を図っております。また、競争のグローバル化により、スマートフォンメーカーの集約化が進んでおり、価格交渉力が強くなってきている状況にあります。
現時点では、当社グループの製品力強化及びラインナップ強化により、価格の維持と包括提案等による収益維持を実現しておりますが、当社グループが市場ニーズに適応した新製品の開発又は既存製品の機能追加ができなかった場合には、買手の交渉力が脅威となりロイヤリティ単価が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 知的財産権について
当社グループは、画像処理技術を中核技術とする研究開発主導型のベンチャー企業であります。当社グループの属するソフトウェア業界では、国内外大手電機メーカーや欧米IT・ソフトウェア企業等が様々な領域において特許を取得しており、画像処理の分野においても一部では基本特許が取得されています。このような状況の中、当社グループは既存の技術とは一線を画す新たな技術を創出し、他社に押さえられていない領域において積極的に知的財産権を取得し、活用、維持をすすめていく方針であります。
しかしながら、組込系ソフトウェアは、知的財産権として保護したとしても、当社グループ技術を模倣した類似製品について権利侵害を特定することが困難であり、効果的に模倣を防止できない可能性があります。当該事象が顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 業界の動向について
当社主要市場であるスマートフォン市場では、新興国企業の介入等により市場規模の拡大がおこり、競争のグローバル化と競合メーカーのシェア争いが進み、各社とも今までにない積極的な技術開発と差別化への投資を行っております。
当社グループでは、これら海外スマートフォンメーカーへの直接的アプローチに加え、海外の通信事業者や半導体メーカー等を通じた関係強化により販売機会の拡大を目指しておりますが、当社グループが市場ニーズに適応した新製品の開発又は既存製品の機能追加ができなかった場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また新規事業としてネットワークサービス事業やその他組込事業への積極的な投資を行っておりますが、いずれの業界においても競争のグローバル化と業界構造の継続的な変化が起こっております。
これら業界動向に先駆け、当社グループとしては先進的な技術開発や販売活動をおこなっておりますが、当社グループが十分に対応できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 特定人物への依存について
当社グループの創業者であり、代表取締役社長である平賀督基は、東京大学及び同大学院において画像処理技術を専門に研究を行ってまいりました。特に、ビジュアリゼーション、3次元グラフィックス、画像認識といった分野で世界最先端の様々な技術に触れ、また自らもそれらを専門に研究を行ってきたことが当社の礎となっております。平賀督基は、当社グループの最高責任者として、経営方針及び事業戦略等を決定するとともに新規技術のアイデア創出から当該技術の製品化にわたり重要な役割を果たしております。今後においても、特に研究開発については、平賀督基に依存する側面が大きいものと考えられます。当社グループでは、適切な権限委譲を図るための組織整備や社内の人材育成等を行うことにより、平賀督基に依存しない経営体質の構築を進めてまいりますが、何らかの理由で平賀督基が当社事業を継続することが困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 自然災害および事故等について
当社グループおよび当社取引先の事業拠点が、地震および台風等の自然災害、事故、火災、テロ等の被害を受けた場合、当社の事業活動に支障が生じ、業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 海外事業展開について
当社グループはグローバルな事業展開を加速しておりますが、海外市場での事業展開には、各国政府の予期しない法律や規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化、異なる商慣習による取引先の信用リスク、為替変動等の要因により、事業展開及びその成果が当初予測と異なる場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
(1) 研究開発活動の方針
当社グループでは、新たなイメージング・テクノロジー(画像処理技術)を創造する集団として、革新的な技術を最適な「かたち」で実用化させ、技術の発展と豊かな文化の実現のために研究開発活動に取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、他社との技術的な差異化を強みとした技術開発を基本としていることから、中核技術にかかる研究開発は社内リソースで賄う一方、中核技術に関わらない間接的工程については、信頼のおける外部協力会社を積極的に活用することで、開発リソースの「選択と集中」に努めております。
なお、当社グループの事業は事業セグメントを区分開示する重要性が乏しいため、報告セグメントは単一であることにより、セグメント別の記載を省略しております。
(2) 研究開発体制
当社グループでは、画像処理に係る基盤技術等を新規に創出する部門、顧客のニーズに合わせた応用製品を開発したり、半導体(チップ)へ組込むために必要な言語化をしたり、技術(機能)や製品の評価を行う部門を、それぞれ設置しております。各部門には相当数の開発者が在籍しております。今後は、ネットワークサービス分野や新たなカメラデバイス分野へ展開可能な新たな製品の開発を積極化させるべく、開発体制の強化に努めてまいります。
(3) パートナーシップ
研究開発の強化と効率化に向けたパートナーシップとして下記を推進してまいります。
① 既存の顧客との更なる関係強化によるニーズの早期把握と迅速かつ効果的な技術開発
② 国内外のスマートフォンメーカーや半導体メーカーとの連携強化による先行開発の推進
③ ネットワークサービス分野での各社との関係構築と需要創出に向けた製品開発
④ その他新規技術や新規カメラデバイスへの対応に向けた事業者等との連携強化による技術開発
(4) 研究開発の成果等
主な研究開発の成果は以下のとおりであります。
①新たな基盤技術の開発
・画像の認識及び検出に係る技術開発
・高速ビューワに係る技術開発
②新たな基盤技術を応用した新製品の基礎研究及び開発
・動画高速再生に係る技術開発
・霞除去に係る技術開発
③既存製品の付加価値を高めるための機能追加
・静止画手ブレ補正ソフトウェアに係る技術
・動画手ブレ補正ソフトウェアに係る技術
・パノラマ画像生成ソフトウェアに係る技術
・超解像ソフトウェアに係る技術
(5) 研究開発費
当連結会計年度における当社グループの研究開発は、前述(4)①~③に開発テーマを絞り、積極的な研究開発活動を実施しました。その結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は161,800千円となっております。
(6) 研究開発活動の成果の権利化
当社グループは、研究活動の成果により発明した技術について、国内において特許出願を行う他、特許協力条約に基づく国際出願やパリ条約に基づく優先権を主張した対応海外出願を活用し、積極的に国内外で権利化を推進しております。
当連結会計年度末現在における保有特許数は、国内では32件、海外では米国、欧州、中国、韓国などで36件の合計68件を有しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。特に、コンピューター・ソフトウェアといった無形資産の会計方針については昨今の我が国における企業会計ルールに則り、透明性を重視し、外部専門家の意見を適宜受けながら作成しております。ソフトウェア会計は世界的にも比較的新しい企業会計の分野であるため、国内外の同会計ルールの制定・改訂が将来行われる可能性がありますが、当社グループとしてはそういった流れ・傾向を慎重に見極め、必要な対応をとっていきたいと考えております。
また、当社経営陣は、財務諸表の作成に際して、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
(資産)
流動資産合計は、2,654,197千円(前連結会計年度末比733,518千円増)となりました。これは主に、現金及び預金が728,522千円、売掛金が18,066千円、仕掛品が14,584千円がそれぞれ増加し、未収消費税等が29,074千円減少したことによるものであります。
固定資産合計は、288,676千円(同137,854千円増)となりました。これは主に、有形固定資産が9,091千円、投資有価証券が8,500千円、繰延税金資産が123,926千円増加し、無形固定資産が4,952千円減少したことによるものであります。
以上の結果、資産合計は2,942,874千円(同871,372千円増)となりました。
(負債)
流動負債合計は、546,438千円(前連結会計年度末比235,725千円増)となりました。これは主に、買掛金が5,124千円、未払金が24,196千円、未払法人税等が166,131千円、前受金が43,956千円それぞれ増加し、一年以内返済予定の長期借入金が19,076千円減少したことによるものあります。
固定負債合計は、70,547千円(同27,648千円減)となりました。これは主に、長期借入金が24,648千円減少したことによるものであります。
以上の結果、負債合計は616,986千円(同208,076千円増)となりました。
(純資産)
純資産合計は、2,325,887千円(前連結会計年度末比663,296千円増)となりました。これは主に、新株予約権の行使による新株の発行により資本金が24,352千円及び資本剰余金が24,352千円増加したこと、当期純利益の計上により利益剰余金が604,374千円増加したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、グローバル市場における海外スマートフォンメーカー及び半導体メーカーへの営業活動を積極化させ、新規顧客の開拓や追加での案件獲得に成果を出してきております。
ネットワークサービス分野では、当社グループ製品のサービス事業への展開を実施しており、当社グループの基幹技術を用いたネットワークサービスのビジネスモデル構築に取り組んでおります。一方で集中と選択を心がけることで効率的な投資に努め、新規投資余力の拡大をしてきた結果、増収増益となりました。
営業損益は前連結会計年度比151.4%増の742,430千円の利益、経常損益は前連結会計年度比138.4%増の785,505千円の利益となりました。
当期純損益は前連結会計年度比95.5%増の604,374千円の利益となりました。
(売上高)
売上高は、前連結会計年度比45.0%増の2,037,515千円となりました。
収益区分別にみると、ロイヤリティ収入は、海外スマートフォンメーカー及び半導体メーカーへの営業活動を積極化させ、新規顧客の開拓や追加での案件獲得などの成果により、前連結会計年度比47.4%増の1,858,038千円となりました。開発収入は、ネットワークサービス分野を中心に開発案件が増加し、前連結会計年度比で94.6%増の96,536千円となりました。サポート収入については、ネットワークサービス分野におけるサポート収入は増加したものの、前連結会計年度に引き続き、海外メーカー各社との取引において、商習慣等の違い等により実装(ポーティング)支援等による収入が減少しており、前連結会計年度比13.3%減の82,940千円と減収となりました。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度比70.8%増の498,580千円となりました。
これは主に、海外メーカーへのサポート体制強化のための外部委託が増加したこと、協力企業などに対する支払手数料等が増加したことにより、前連結会計年度から大幅に増加いたしました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比2.7%減の796,504千円となりました。
主な要因として、①海外スマートフォンメーカー及び半導体メーカーへの営業活動を積極化させたこと。②ネットワークサービス分野で、当社グループの基幹技術を用いたネットワークサービスのビジネスモデル構築に取り組んできたこと。③機械学習の新たな手法であるDeep Learningを使用した画像認識技術の開発にも取り組んできたこと。が挙げられますが、集中と選択を心がけることで効率的な投資に努め、前連結会計年度の同程度の費用となりました。
(営業外損益)
営業外損益においては、引き続き円安傾向であったことにより、保有する外貨預金及び外貨建債権の評価替による為替差益を43,749千円、設備投資資金として調達した借入金に係る支払利息1,156千円を計上いたしました。また、法人税等301,990千円、当期より繰延税金資産を追加計上した影響で法人税等調整額△120,860千円を計上いたしました。
(4)キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの属するソフトウェア業界は、事業の特性から常に新しい技術が創出され技術の陳腐化が早い事業環境にあります。またスマートフォンの急速な普及等、ハードウェアの進化により大幅な事業環境の変化が起り得ます。
このような環境の中で、常に環境の変化に適応した革新的な技術やサービスの提供が求められております。従いまして、研究開発投資について継続的に実施していくことが求められ、かつ投下した研究開発投資等は比較的短期間のうちに成果に結実しなければならないものと認識しており、必然的に資金の循環は早くなるものと考えております。
今後につきましては、引き続き積極的に先行投資的な事業資金を投じていく方針であることから、現状の事業資金は、手元流動性の高い現金及び現金同等物として保持していく方針であります。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは研究開発主導型のベンチャー企業として、主にスマートフォン向けの技術開発及び製品開発を行い、新たな付加価値を提供することにより事業を推進してまいりました。昨今のスマートフォン市場での環境変化が示すように、当社グループ事業領域では今後の動向を予測し難い状況になっており、市場動向には留意しなければならない状況にあります。
当社グループの中期的な成長は、当該市場における技術的な優位性の維持と市場ニーズに迅速に適応した付加価値の高い製品の開発に依存しております。また、中長期的な成長を実現させるためには、今後成長が見込まれる市場に対する研究開発・製品開発を行い、事業領域拡大を実現させていくことが必要となってまいります。
昨今のスマートフォン市場では、新興国中心に需要の拡大が見込まれるもののオープンプラットフォーム化により業界がボーダレス化しております。一方、通信速度の高速化による新たなサービスの出現によりスマートフォンを入り口としたネットワーク・サービスは拡大し、加えてスマートフォン以外の様々なモバイル端末機器にも通信機能やカメラ機能が搭載されるなど事業環境は著しく変化しております。他方、スマートフォン等ハード機器の急激な技術革新も起りつつあり、市場ニーズの急変も十分起りえる環境にあります。
当社グループでは、これら市場環境の変化に迅速に対応しながら、技術的な優位性を維持し且つ市場ニーズに適応した付加価値の高い製品開発を推進することが将来の成長の成否を分けるものと認識しており、事業環境の変化に迅速に適応できなければ経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(7)経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、前述のとおり、現状はスマートフォン市場を中心とした収益構造となっておりますが、今後も引き続き成長性を維持していくために、①海外市場への積極的な展開によるシェア拡大、②国内市場では通信速度の高速化によるネットワークを活用した新たなサービスに対応した製品開発、③カメラデバイスの小型化、高性能化、低コスト化の進行により収益獲得機会が顕在化しつつある車載・産業機器等の新たな分野への参入を重点施策に掲げて経営資源を投入しており、中期事業計画の達成に向けて、以下のような戦略にて取り組んでおります。
① 海外市場では、一部の海外スマートフォンメーカーが市場シェアを拡大し、更なる成長にむけ積極的な技術開発・投資活動を行っております。海外スマートフォンメーカーへの販売機会を拡大すべく、既存製品の機能向上及び新規製品・技術の開発へ取り組むとともに、関係する企業や業務委託先との連携を強固にすることにより、海外への積極的な展開に取り組んでおります。
② 通信速度の高速化等によりネットワーク上では大容量の画像データ等がやり取りされ、また膨大に蓄積されるようになっております。従いまして、ネットワーク・サービスに対応した製品開発としては、既存技術の応用や新規技術の創出によりネットワーク・サーバー上においても当社製品(機能)が利用可能な技術及び製品・アプリケーションの開発を推進します。画像データ等を様々なモバイル機器等を介して、例えば軽快な操作感を維持したまま閲覧等できるようにすること、端末・サーバーを問わず画像データの検索を簡易に行えるようにすることはユーザーへの新たな付加価値の提供になるものと考えて取り組んでおります。
③ カメラデバイスは小型化、高性能化、低コスト化、多様化が実現されてきており、通信速度の高速化とクラウド化の進展も相まって、通信機能とカメラ機能を備えた各種デバイスやシステムが出現し、当社の事業機会は確実に増大しております。当社では、この新たな事業機会を獲得して中長期的な成長戦略の基軸とすべく、積極的な研究開発等に取り組んでおります。
(8) 経営者の問題意識と今後の方針
当社グループは、スマートフォンをはじめとするモバイル端末業界において、独自の画像処理技術を用いた各種製品を創出し、且つ幅広い市場に対して付加価値の高い製品を提供しつづけるために、現時点で入手可能な情報をもとに、事業環境の変化に配慮しながら最善の経営方針を立案するよう努めております。
しかしながら、スマートフォン市場の環境変化は著しく、スマートフォン普及に伴うメーカー間のシェア変動や競争の激化等、市場の拡大と並行して大幅な業界構造の変化や、通信仕様の高速化による新たな市場の出現など、今後の動向を予測し難い状況になっており、市場動向には留意しなければならない状況にあります。
一方、撮像素子の小型化、高性能化、低コスト化、多様化により、カメラ機能が様々なデバイスに搭載され始めており、これに通信機能を備えた各種製品が発売されて、新たなサービスが出現するなど事業機会は拡大しております。
このような環境下において当社グループでは、中長期的な成長を目指し、複数の海外スマートフォンメーカーとの取引開始やロイヤリティ契約締結の実現、画像処理技術が展開可能な様々な市場への活動・投資を行いました。その結果、当連結会計年度は増収増益を実現できました。今後これら活動をより積極的に推進していくことで事業規模の拡大に努めてまいります。
当社グループの強みは、ソフトウェアの研究開発及び技術開発力にあり、上記の実現及び今後の成長には革新的な技術開発が不可欠となります。そのため、短期的なスマートフォン市場に最適化された主力製品の性能向上と新規製品の開発により、競合技術・企業への優位性確立と海外スマートフォンメーカーとの取引拡大を実現するとともに、新たな事業領域にむけた技術及び製品の開発に注力してまいります。特に機械学習の新たな手法であるDeep Learningを使用した画像認識系の技術を活用したネットワーク・サービス等市場への参入、今後成長が見込まれるComputational Photography分野での研究開発投資等は当社における戦略的開発領域となり、中長期的な成長には欠かせない投資と位置付けております。
財務面においては、市場環境変化が著しく、市場動向の予測が従前より難しくなってきていることから、キャッシュ・フローを重視した経営を推進してまいります。当連結会計年度末においても現預金等キャッシュについては投資・成長を実現していくのに十分な水準を確保しております。今後についても重点領域の明確化により効率的に中長期的な投資を実現しつつ事業の安定的な成長を実現し、財務面における成長と安定の両立した経営に努めてまいります。