第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境としては、国内経済は、新興国経済の減速や円高の影響等から輸出・生産面に鈍さが見られましたが、個人消費は、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移し、総じて緩やかな回復基調を続けました。一方、世界経済は、政府の金融政策等が景気を下支えし、全体として緩やかに景気が回復していたものの、欧州の政治問題や新興国経済の減速等、先行き不透明感が残りました。

当社グループの主要な事業領域であるスマートフォン市場は、これまで2ケタ台の成長を続けてきましたが、2016年は大幅な減速となりました。一方、新たな事業領域としては、産業界におけるIoT活用の気運の高まりを受け、人工知能(AI)・ディープラーニング(深層学習)技術を利用しようとする動きが世界規模で散見されるようになりました。

このような状況の中、当社グループのカメラデバイス事業においては、グローバル市場における海外スマートフォンメーカー及び半導体メーカーへの営業活動を積極化させ、新規顧客の開拓や追加での案件獲得等成果を出しております。また、ネットワークサービス事業においては、以前より研究開発を行ってきたディープラーニングを中心とした画像認識技術等の基幹技術を用いたネットワークサービスによるビジネスモデルの構築において一定の成果が出てきております。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,143,376千円(前連結会計年度比5.2%増)、営業利益824,788千円(前連結会計年度比11.1%増)、経常利益753,043千円(前連結会計年度比4.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は507,817千円(前連結会計年度比16.0%減)となりました。なお、営業外費用として、為替差損71,059千円を計上いたしました。これは主として保有する外貨預金及び外貨建債権の評価替によるものです。セグメントの業績は、次のとおりであります。

当社グループは事業セグメントを区分開示する重要性が乏しかったため、セグメント情報の記載を省略しておりましたが、当連結会計年度より、量的な重要性が増加したことに伴い、「カメラデバイス事業」「ネットワークサービス事業」の2つを報告セグメントとして、セグメント情報を記載しております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を当該報告セグメントの区分に基づき作成した数値で比較しております。

 

①カメラデバイス事業

「カメラデバイス事業」は、スマートフォンを中心として車載、監視カメラ、業務・産業機器等への組込み向け製品のライセンス、開発及びサポート等を行っております。

当事業においては、中国顧客向けロイヤリティ収入や車載向け開発収入が大幅に増加した一方、他地域顧客向けのロイヤリティ収入が減少したこと等により、当セグメントの売上高は、前年同期比3.3%減の1,827,619千円となりました。一方、当セグメントの営業利益は、売上高が減少したものの協力企業等に対する支払手数料等費用が減少したため、前年同期比1.5%増の1,237,801千円となりました。

 

 

第12期連結会計年度

(自 平成26年11月1日

至 平成27年10月31日)

第13期連結会計年度

(自 平成27年11月1日

至 平成28年10月31日)

前年同期比

増減率

売上高(千円)

1,890,249

1,827,619

△3.3%

セグメント利益(千円)

1,219,850

1,237,801

1.5

 

②ネットワークサービス事業

「ネットワークサービス事業」は、画像処理技術やディープラーニングを中心とした画像認識技術を用いたシステムのクラウドサービス事業者等へのライセンス、開発及びサポート等を行っております。

当事業においては、主として前期におけるクラウドサービス事業者等向け試作案件がロイヤリティ収入に結実し増加したこと、及び建設・FA(ファクトリーオートメーション)・放送等の新規事業領域において試作案件を獲得したことにより、当セグメントの売上高は、前年同期比114.4%増の315,756千円となりました。また、当セグメントの営業利益は、前述の売上高の増加により、130,780千円(前年同期は90,244千円の営業損失)となりました。

 

 

第12期連結会計年度

(自 平成26年11月1日

至 平成27年10月31日)

第13期連結会計年度

(自 平成27年11月1日

至 平成28年10月31日)

前年同期比

増減率

売上高(千円)

147,265

315,756

114.4

セグメント利益又は損失(△)(千円)

△90,244

130,780

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,100,095千円(前連結会計年度末比1,063,926千円増)となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、298,486千円(前連結会計年度は763,718千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を747,013千円、減価償却費を50,858千円計上したこと、たな卸資産の減少額16,980千円となった一方で、売上債権の増加額22,785千円、未払金の減少額61,744千円、前受金の減少額42,927千円、法人税等の支払額380,205千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、114,333千円(前連結会計年度は61,104千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出61,629千円、無形固定資産の取得による支出17,264千円、投資有価証券の取得による支出20,000千円、敷金及び保証金の差入による支出17,177千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、907,295千円(前連結会計年度は6,896千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出28,340千円、株式の発行による収入1,250,674千円、自己株式の取得による支出315,039千円によるものであります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年11月1日

至 平成28年10月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

カメラデバイス事業

440,321

593.6

109,423

479.3

ネットワークサービス事業

208,260

221.3

39,175

286.2

合計

648,582

385.4

148,599

406.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当連結会計年度より、「カメラデバイス事業」「ネットワークサービス事業」の2つを報告セグメントとして、セグメント情報を記載しております。前年同期比較については、前年同期の数値を当該報告セグメントの区分に基づき作成した数値で比較しております。

 

(3)販売実績

①当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年11月1日

至 平成28年10月31日)

前年同期比(%)

カメラデバイス事業

1,827,619

△3.3

ネットワークサービス事業

315,756

114.4

合計

2,143,376

5.2

(注)1.当連結会計年度より、「カメラデバイス事業」「ネットワークサービス事業」の2つを報告セグメントとして、セグメント情報を記載しております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を当該報告セグメントの区分に基づき作成した数値で比較しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年11月1日

   至 平成27年10月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年11月1日

   至 平成28年10月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Huawei Device Co.,Ltd.

260,445

12.8

479,011

22.4

株式会社デンソー

229,183

10.7

Samsung Electronics Co.,Ltd.

260,713

12.8

219,089

10.2

LG Electronics Inc.

391,210

19.2

215,309

10.1

Sony Mobile Communications Inc.

367,028

18.0

Motorola Mobility LLC

284,073

13.9

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.前連結会計年度の株式会社デンソーに対する販売実績はありません。

5.当連結会計年度のSony Mobile Communications Inc.及びMotorola Mobility LLCに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

②主な製品別の販売実績は、次のとおりであります。

ソフトウェア製品名

前連結会計年度

(自 平成26年11月1日

至 平成27年10月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年11月1日

至 平成28年10月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Morpho Panorama Giga Pixel

286,343

14.1

482,619

22.5

PhotoSolid

244,746

12.0

324,211

15.1

Morpho HDR

237,071

11.6

194,936

9.1

MovieSolid

152,713

7.5

181,333

8.5

Morpho Scene Classifier

39,079

1.9

152,355

7.1

Morpho Effect Library

28,127

1.4

114,181

5.3

Morpho Hyperlapse

79,963

3.9

77,982

3.6

Morpho Deep Learning System

56,800

2.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【対処すべき課題】

当社グループは、『新たなイメージング・テクノロジーを創造する集団として、革新的な技術を最適な「かたち」で実用化させ、技術の発展と豊かな文化の実現に貢献する』ことを理念としております。現在は、スマートフォン市場が主要な事業領域ですが、カメラデバイスの活用の広がりとともに、事業領域は広範になりつつあります。特に、様々な事業領域で活用がはじまりつつあるIoT技術においては、膨大な画像情報の処理技術や画像認識技術が必要不可欠になるものと思われます。当社グループでは『全ての「カメラ」に知能を持たせる 』ことを中期経営ビジョンに掲げ、画像処理と画像認識技術の融合による新たな技術開発及び製品開発に積極的に取り組んでまいります。これらを実現させるために当社が取り組むべき主要な課題等は、以下のとおりであります

 

① 人材の育成等について

当社グループが属するソフトウェア業界は、常に革新的な技術・サービスが求められる業界であります。既存製品の機能向上はもとより、市場の技術革新に速やかに対応しながら、より先進的な技術を創出する必要があります。そのためには、高度かつ専門的な知識・技術を有した人材の育成及び定着を図ることが重要であります。加えて、新規事業領域への展開に向けた当該領域技術・業界動向に精通した専門知識及びスキルを有した優秀な人材の確保が必要になってくるものと考えております。

 

② 知的財産権の確保等について

当社グループは研究開主導型の企業として、既存の技術とは一線を画す新たな技術を世に送り出すことを社業の礎としております。ただIT・ソフトウェア分野においては、国内外大手電機メーカーや欧米IT・ソフトウェア企業等各社が知的財産権の取得に積極的に取り組んでおり、当社グループの属する画像処理の分野も例外ではありません。

新規性のある独自技術の保護及び当社の活動領域の確保のために、独自の技術分野については、他社に先立って特許権の取得、活用、維持をすすめていく方針であります。

当社グループでは、専門的知識(弁理士資格等)を有した社員を知的財産部門に配置し、技術部門との情報共有を密に図るとともに、他社の知的財産権の調査や出願手続き等の一部は外部パートナーを活用しながら適切に取り組んでまいります。具体的には、事業全体の価値向上に寄与する特許権の取得を推進し、潜在的資産価値の最大化に向けて積極的に取り組むとともに、知的財産権の調査においては他社の知的財産権の侵害を回避し、安定・継続した事業の推進に寄与してまいります。

 

海外市場への展開について

現在の当社グループが、事業規模を拡大させるためには海外展開が重要なテーマとなります。

当社グループでは、現在、海外市場に精通した人材を採用することで営業体制を強化するとともに、関係する企業との良好な関係の構築、幅広いネットワークを有したビジネスパートナーとの事業連携を通じ、海外顧客への直接的な営業活動を実施しておりますが、今後においては、販売面のみならず、技術開発面でも、提携等を積極化させ、事業拡大に努めてまいります。

 

④ 新規事業領域への展開について

当社グループは、現在、スマートフォン市場が主要な事業領域となっておりますが、カメラデバイスの活用の広がりとともに、事業領域は広範になりつつあります。特に、様々な事業領域で活用がはじまりつつあるIoT技術においては、膨大な画像情報の処理技術や画像認識技術が必要不可欠になるものと思われます。このような事業機会は、当社グループの成長戦略の基軸になるものと考えており、そのためにソフトウェアによる画像処理技術やディープラーニング等を使用した画像認識技術等の開発を推進することにより、積極的に事業領域の拡大を図っていく方針であります。

 

当社グループが中長期的に新たな事業領域として検討している分野は以下のとおりであります。

ⅰ)ネットワークサービス分野※

ⅱ)その他組込分野(車載、監視カメラ等)

以上の分野を戦略的に重要なターゲットと位置付けて、効果的な営業活動と更なるマーケティング活動を実施し、段階的に新たな柱としていく方針であります。

※ネットワークサービス分野とは、高速化するネットワーク環境に適応した製品の提供及び今後の市場規模拡大が見込まれるクラウドコンピューティング分野への製品提供までを含む総称であります。

 

⑤ 内部管理体制の強化について

当社グループ事業の継続的な発展を実現させるためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は必須であり、そのために財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。

コーポレート・ガバナンスに関しては、内部統制委員会事務局による定期的モニタリングの実施と監査役や監査法人との良好な意思疎通を図ることにより適切に運用しておりますが、ステークホルダーに対して経営の適切性や健全性を確保しつつも、ベンチャー企業としての俊敏さも兼ね備えた全社的に効率化された組織体制の構築にむけて更に内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業、財務状態等、また投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

① 新技術及び新製品の開発について

当社グループが属するソフトウェア業界は、常に新しい技術が誕生し、技術や製品の陳腐化が早い事業環境にあります。研究開発型企業である当社グループは、独自の画像処理技術を強みとして、いち早くディープラーニング(深層学習)等新たな技術にも着目し、製品・技術開発に最大限取り組んでおりますが、市場ニーズに適応しない製品投入、新製品等の市場投入時期の遅れ、他社による革新的な技術開発や製品投入、ソフトウェアを搭載するプラットフォーム等環境の急変等の事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② スマートフォン市場の変動について

当社グループは、現在、ネットワークサービス事業や車載等新規事業の成長に努めておりますが、現時点での連結売上高はスマートフォン向け製品に依存している状況です。また、当社グループ製品のスマートフォン市場におけるシェアは、その技術的優位性及び高い競争力から更に伸長する見込みで、この高い依存は当面継続すると考えられます。そのため、当該市場の成長の鈍化や後退、主要顧客であるスマートフォンメーカーの販売動向が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 販売価格の動向について

当社グループの主要顧客であるスマートフォンメーカーは、端末の性能向上や機能の充実とともに、原価低減を追求して製品開発を進めているため、ソフトウェア製品を提供する当社グループは、常に製品の低価格化を要求される状況にあります。

現時点では、当社グループの製品力及びラインナップ強化により、価格の維持と包括提案等による収益維持を実現しておりますが、当社グループが市場ニーズに適応した新製品の開発や既存製品の機能追加ができなかった場合、また、新規及び既存の競合により低価格製品の販促があった場合や当社顧客による自社製品への置き換えが可能となった場合には、買手の交渉力が脅威となり価格が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 知的財産権について

当社グループは、他社との差別化及び競争上の優位性確保のため、特許の獲得と保護に努めており、また、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な調査のもとに製品開発を行っております。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産権を侵害したり、或いは当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害したり、侵害したとして提訴されたりする可能性があります。このような事象等により係争問題が発生した場合には、多額の費用及び経営資源が費やされ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 特定人物への依存について

当社グループは、経営及び研究開発において、代表取締役社長である平賀督基に多くを依存しています。当社グループでは、適切な権限委譲を図るための組織整備や社内の人材育成等を行うことにより、平賀督基に依存しない経営体質の構築を進めてまいりますが、何らかの理由で平賀督基が当社事業を継続することが困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 特定の外部委託先への依存度について

当社グループは、中核技術の開発以外の開発サポート業務や販売・保守サービスにおいて、外部委託先との連携を積極的に推進することで、その相乗効果による効率的な業務体制の構築に努めておりますが、何らかの事由により委託先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 海外事業展開について

当社グループはグローバルな事業展開を加速しており、海外取引が増加傾向にあります。そのため、各国政府の予期しない法律や規制・税制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化、異なる商慣習による取引先の信用リスク、為替変動、協力企業の業務状況等の事象が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 事業提携・資本提携・企業買収等について

当社グループは、事業の拡大や競争力強化のため、他社との事業提携・資本提携及び他社の買収等を行うことがあります。これらの意志決定に際しては、必要かつ十分な検討をしておりますが、経済環境の変化等の影響により、期待した収益や成果を充分に得られなかった場合には、当社グループの事業展開及び業績、財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 人材確保及び育成について

当社グループは、研究開発型企業として継続的に事業を発展させるためには、特に開発技術部門の有能な人材の確保と育成が欠かせないものと考えております。そのため、インターンシップの導入や人事評価制度の整備、福利厚生の充実、有能な人材の積極的採用及び育成を心がけております。しかしながら、必要な人材の採用が想定通り進まなかった場合や、重要な人材が社外に流出した場合等には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 自然災害及び事故等について

当社グループ及び当社取引先の事業拠点が、地震及び台風等の自然災害、事故、火災、テロ等の被害を受けた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 情報セキュリティーについて

当社グループは、事業遂行にあたり、多数の技術情報や顧客情報を有しております。これらの情報の外部への流出を防ぐため、当社グループでは、社内規程の制定、従業員への教育等管理を徹底しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合には、当社グループの社会的信用に影響を与えるとともに、その対応のための不測の費用負担や、損害賠償等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 内部管理体制について

当社グループは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営の重要課題のひとつと位置づけており、内部統制システムの適切な運用に努め、同システムの充実・強化を継続的に図っております。業務運営においては、役職員の不正及び不法行為の防止に万全を期しておりますが、万が一不正及び不法行為が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態、社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 配当政策について

当社グループは、現在成長過程にあり、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を目指しております。そのため、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来配当は実施しておりません。

しかしながら、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、将来的には、業績の推移・財務状況、事業・投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスを図りながら検討していく方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

 

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

(1)研究開発方針

当社グループでは、創業以来、新たなイメージング・テクノロジー(画像処理技術)を創造する集団として、革新的な技術を最適な「かたち」で実用化させ、技術の発展と豊かな文化の実現のために研究開発活動に取り組んでおります。

また、当社グループの研究開発活動は、他社との技術的な差異化を強みとした技術開発を基本としていることから、中核技術にかかる研究開発は社内リソースで賄う一方、中核技術に関わらない間接的工程については、信頼のおける外部協力会社を積極的に活用することで、開発リソースの「選択と集中」に努めております。

中長期的な経営戦略に基づく研究開発活動では、画像処理技術と画像認識技術の融合による技術・製品開発を積極的に推進しております。

  画像処理技術 …カメラの物理的・光学的な限界から生じる課題を軽減・解決することを目的とした技術

  画像認識技術 …多層構造の最先端ニューラルネットワーク技術による機械学習

 

(2)研究開発費及び概要

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、221,341千円であります。主なセグメントの研究開発活動の状況は、次のとおりであります。

 

① カメラデバイス事業

 スマートフォンの高画素化や高速化に合わせた静止画及び動画の補正ソフトウェア製品やパノラマ等画像加工製品の開発等実施いたしました。当事業に係る当連結会計年度の研究開発費は87,289千円であります。

 

② ネットワークサービス事業

ディープラーニング(深層学習)技術を利用したソフトウェア製品やシステム開発、ネットワーク環境における動画ソリューションの製品開発等を実施いたしました。当事業に係る当連結会計年度の研究開発費は57,200千円であります。

 

③ その他

画像処理や画像認識に係る基礎研究や既存技術の効率化のための技術開発等を実施いたしました。各セグメントに属さないその他研究開発費は76,851千円であります。

 

(3)研究開発活動の成果の権利化

当社グループは、研究活動の成果により発明した技術について、国内において特許出願を行う他、特許協力条約に基づく国際出願やパリ条約に基づく優先権を主張した対応海外出願を活用し、積極的に国内外で権利化を推進しております。

当連結会計年度末現在における保有特許数は、国内では37件、海外では米国、欧州、中国、韓国などで53件の合計90件を有しております。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。特に、コンピューター・ソフトウェアといった無形資産の会計方針については昨今の我が国における企業会計ルールに則り、透明性を重視し、外部専門家の意見を適宜受けながら作成しております。ソフトウェア会計は世界的にも比較的新しい企業会計の分野であるため、国内外の同会計ルールの制定・改訂が将来行われる可能性がありますが、当社グループとしてはそういった流れ・傾向を慎重に見極め、必要な対応をとっていきたいと考えております。

また、当社経営陣は、財務諸表の作成に際して、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。

(資産)

流動資産合計は、3,724,927千円(前連結会計年度末比1,070,730千円増)となりました。これは主に、現金及び預金が1,063,926千円、売掛金が22,785千円がそれぞれ増加し、繰延税金資産が17,680千円減少したことによるものであります。

固定資産合計は、338,727千円(同50,050千円増)となりました。これは主に、有形固定資産が37,109千円、投資有価証券が13,969千円、敷金及び保証金が14,122千円増加し、繰延税金資産が14,991千円減少したことによるものであります。

以上の結果、資産合計は4,063,654千円(同1,120,780千円増)となりました。

(負債)

流動負債合計は、253,680千円(前連結会計年度末比292,758千円減)となりました。これは主に、買掛金が5,774千円、未払金が59,431千円、未払法人税等が155,726千円、前受金が42,927千円、預り金が11,866千円それぞれ減少したことによるものあります。

固定負債合計は、53,145千円(同17,402千円減)となりました。これは主に、資産除去債務が7,245千円増加し、長期借入金が24,648千円減少したことによるものであります。

以上の結果、負債合計は306,825千円(同310,160千円減)となりました。

(純資産)

純資産合計は、3,756,829千円(前連結会計年度末比1,430,941千円増)となりました。これは主に、第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ614,837千円、新株予約権の行使による新株の発行により資本金及び資本剰余金が10,500千円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が507,817千円増加したこと、自己株式の取得により315,039千円減少したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度において、カメラデバイス事業においては、グローバル市場における海外スマートフォンメーカー及び半導体メーカーへの営業活動を積極化させ、新規顧客の開拓や追加での案件獲得等成果を出しております。また、ネットワークサービス事業においては、以前より研究開発を行ってきたディープラーニングを中心とした画像認識技術等の基幹技術を用いたネットワークサービスによるビジネスモデルの構築において一定の成果が出てきております。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,143,376千円(前連結会計年度比5.2%増)、営業利益824,788千円(前連結会計年度比11.1%増)、経常利益753,043千円(前連結会計年度比4.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は507,817千円(前連結会計年度比16.0%減)となりました。

 

① 売上高及び営業利益

セグメント別の業績については、次のとおりであります。

カメラデバイス事業においては、中国顧客向けロイヤリティ収入や車載向け開発収入が大幅に増加した一方、他地域顧客向けのロイヤリティ収入が減少したこと等により、当セグメントの売上高は、前年同期比3.3%減の1,827,619千円となりました。一方、当セグメントの営業利益は、売上高が減少したものの協力企業等に対する支払手数料等費用が減少したため、前年同期比1.5%増の1,237,801千円となりました。

ネットワークサービス事業においては、主として前期におけるクラウドサービス事業者等向け試作案件がロイヤリティ収入に結実し増加したこと、及び建設・FA(ファクトリーオートメーション)・放送等の新規事業領域において試作案件を獲得したことにより、当セグメントの売上高は、前年同期比114.4%増の315,756千円となりました。また、当セグメントの営業利益は、前述の売上高の増加により、130,780千円(前年同期は90,244千円の営業損失)となりました。

上記以外に各報告セグメントに帰属しない一般管理費及び研究開発費等543,793千円を調整額として計上しております。前連結会計年度の調整額は387,176千円であります。

 経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益

営業外損益において、営業外費用として為替差損71,059千円を計上いたしました。これは主として保有する外貨預金及び外貨建債権の評価替によるものであります。また、特別損益において、特別損失として投資有価証券評価損6,030千円を計上いたしました。これは保有する投資有価証券の評価額が下落したことによるものであります。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの属するソフトウェア業界は、事業の特性から常に新しい技術が創出され技術の陳腐化が早い事業環境にあります。またスマートフォンの急速な普及等、ハードウェアの進化により大幅な事業環境の変化が起り得ます。

このような環境の中で、常に環境の変化に適応した革新的な技術やサービスの提供が求められております。従いまして、研究開発投資について継続的に実施していくことが求められ、かつ投下した研究開発投資等は比較的短期間のうちに成果に結実しなければならないものと認識しており、必然的に資金の循環は早くなるものと考えております。

今後につきましては、引き続き積極的に先行投資的な事業資金を投じていく方針であることから、現状の事業資金は、手元流動性の高い現金及び現金同等物として保持していく方針であります。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

(7)経営者の問題意識と今後の方針

「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載の通りであります。