第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 企業理念及び中期的な会社の経営方針等

当社グループは、『新たなイメージング・テクノロジーを創造する集団として、革新的な技術を最適な「かたち」で実用化させ、技術の発展と豊かな文化の実現に貢献する』ことを理念としております。

当社グループでは『Rise above what we see, to realize what we feel ― 人間の目を拡張し、感動に満ちた世界を実現しよう ―』を新たにビジョンとして掲げ、画像処理と画像認識技術の融合による新たな技術開発及び製品開発に積極的に取り組んでまいります。

 

(2) 対処すべき課題

当社が取り組むべき主要な課題等は、以下のとおりであります

① 新規事業領域への展開について

当社グループは、スマートフォン市場を主要な事業領域としておりますが、カメラデバイスやIoT技術の活用の広がりとともに事業領域が広範になりつつあります。

中でも高度な画像処理や画像認識が必要とされる領域における技術開発は、当社グループの成長戦略の柱になるものと考えており、ソフトウェアによる画像処理技術やディープラーニング等を活用した画像認識技術等の開発を積極的に推進し、事業規模の拡大を図っていく方針であります。

 

② 海外市場への展開について

当社グループが更に事業規模を拡大させるためには海外展開の加速が重要なテーマとなります。これまで、海外市場に精通した人材採用を進めることで社内の海外営業体制を強化するとともに、幅広いネットワークを有したビジネスパートナーとの事業連携を進め、海外顧客への営業活動を強化してまいりました。

今後においては、高い技術力を持つ海外企業との連携による技術開発力の強化や管理部門におけるグローバル人材採用を進め海外展開の加速による事業規模拡大に努めてまいります。

 

③ 内部管理体制の強化について

当社グループ事業の継続的な発展を実現させるためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は必須であり、そのために内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。

コーポレート・ガバナンスに関しては、内部統制委員会による定期的モニタリングの実施と改善を図ることにより適切に運用しております。ステークホルダーに対して経営の適切性や健全性を確保しつつ、ベンチャー企業としての俊敏さも兼ね備えたグループ全体的に効率化された組織体制の更なる強化に取り組んでまいります。

 

④ 人材の育成等について

当社グループが属するソフトウェア業界は、常に革新的な技術・サービスが求められる業界であります。既存製品の機能向上はもとより、市場の技術革新に速やかに対応しながら、より先進的な技術を創出する必要があります。そのためには、高度かつ専門的な知識・技術を有した人材の育成及び定着を図ることが重要であります。加えて、新規事業領域への展開に向けた当該領域技術・業界動向に精通した専門知識及びスキルを有した優秀な人材の確保が必要になってくるものと考えております。

 

⑤ 知的財産権の確保等について

当社グループは研究開発主導型の企業として、既存の技術とは一線を画す新たな技術を世に送り出すことを社業の礎としております。ただIT・ソフトウェア分野においては、国内外大手電機メーカーや欧米IT・ソフトウェア企業等各社が知的財産権の取得に積極的に取り組んでおり、当社グループの属する画像処理の分野も例外ではありません。

新規性のある独自技術の保護及び当社の活動領域の確保のために、独自の技術分野については、他社に先立って特許権の取得、活用、維持をすすめていく方針であります。

当社グループでは、専門的知識を有した社員を知的財産部門に配置し、技術部門との情報共有を密に図るとともに、他社の知的財産権の調査や出願手続き等の一部は外部パートナーを活用しながら適切に取り組んでまいります。具体的には、事業全体の価値向上に寄与する特許権の取得を推進し、潜在的資産価値の最大化に向けて積極的に取り組むとともに、知的財産権の調査においては他社の知的財産権の侵害を回避し、安定・継続した事業の推進に寄与してまいります。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

なお、記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

リスク項目

リスク内容

リスクへの対応策

新技術及び新製品の開発

当社グループが属するソフトウェア業界は、常に新しい技術が誕生し、技術や製品の陳腐化が早い事業環境にあります。市場ニーズに適応しない製品投入、新製品等の市場投入時期の遅れ、他社による革新的な技術開発や製品投入、ソフトウェアを搭載するプラットフォーム等環境の急変等の事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

独自の画像処理技術を強みとして、ディープラーニング(深層学習)技術を初めとした製品・技術開発に取り組んでおります。

また、インターンシップの導入や人事評価制度の整備、福利厚生の充実、人材の積極的採用により開発技術部門の有能な人材の確保及び育成に努めてまいります。

知的財産権

第三者が当社グループの知的財産権を侵害したり、或いは当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害したり、侵害したとして提訴されたりする可能性があります。このような事象等により係争問題が発生した場合には、多額の費用及び経営資源が費やされ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

他社との差別化及び競争上の優位性確保のため、特許の獲得と保護に努めております。

また、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な調査のもとに製品開発を行っております。

特定の市場/顧客への依存

当社グループの連結売上高はスマートフォン向け製品が依然として高い比率を占めている状況です。そのため、当該市場の成長の鈍化や後退、主要顧客であるスマートフォンメーカーの販売動向が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、当社グループ製品の顧客に対する販売及び開発業務の受託の多くを特定の主要顧客に依存しております。この取引関係に何らかの急激な変化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

取引先との継続的で良好な関係の維持に努めるとともに、スマートフォン以外の領域におけるビジネス拡大及び新規顧客への取引展開を加速し、リスク分散に努めております。

海外事業展開

当社グループはグローバルな事業展開を加速しており、海外取引が増加傾向にあります。そのため、各国政府の予期しない法律や規制・税制の変更、移転価格税制による課税、社会・政治及び経済情勢の変化、異なる商慣習による取引先の信用リスク、為替変動、協力企業の業務状況等の事象が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、グローバルな経営体制を構築し、情報収集体制を含む内部統制の強化に努めております。

また、貿易取引における代金回収リスクを低減するため、貿易保険によるヘッジをしております。

さらに、為替リスクを低減するため、為替予約によるヘッジをしております。

特定人物への依存

当社グループは、経営及び研究開発において、代表取締役社長である平賀督基に多くを依存しています。何らかの理由で平賀督基が当社事業を継続することが困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

適切な権限委譲を図るための組織整備や社内の人材育成等を行うことにより、平賀督基に依存しない経営体質の構築を進めております。

 

リスク項目

リスク内容

リスクへの対応策

自然災害、事故及び感染症等

当社グループ及び当社取引先の事業拠点が、地震及び台風等の自然災害、事故、火災、テロ等の被害を受けた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い事業遂行が不能となる場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

事象の発生内容に応じて対策本部を設置する等、グループ一体で事態対応が行われるような体制を整備いたします。

また、従業員の安全確保、社会的要請への最大限の協力、事業遂行の維持を目的として「新型コロナウイルス感染予防対策」ガイドラインを策定し、これに沿って組織的な感染予防対策を実施しております。

内部管理体制

業務運営においては、役職員の不正及び不法行為の防止に万全を期しておりますが、万が一不正及び不法行為が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態、社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営の重要課題のひとつと位置づけており、内部統制システムの適切な運用に努め、同システムの充実・強化を継続的に図っております。

また、海外子会社が事業展開において重要な役割を担ってきており、各海外子会社の内部統制整備をはじめ、管理部門の人材確保等管理体制の強化を図っております。

提携及び買収

他社との事業提携・資本提携及び他社の買収において、経済環境の変化等の影響により、期待した収益や成果を充分に得られなかった場合には、当社グループの事業展開及び業績、財務状態に影響を及ぼす可能性あります。

当社グループは、戦略的提携及び買収を適切に実践し、その後の持続的な成長を目指すため、対象企業や資産に対する詳細なデューディリジェンスと価値評価、取締役会での十分な審議、投資後の事業運営のモニタリング等を実施しております。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるスマートフォン市場は、新通信規格「5G(第5世代移動通信システム)」に対応した端末の出荷が好調となっています。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大により、我が国では経済活動が停滞し景気が急速に悪化しました。世界的には段階的な経済活動の再開により一部持ち直しの傾向はみられるものの、依然として先行きの不透明感が強い状況です。

人工知能(AI)を活用した関連産業の市場は、生産性向上や製品・サービス品質向上を目指す企業ニーズの高まりを受け、良好な状況が続いております。

このような状況下において当社は、2019年10月期に開始した3カ年の中期経営計画「Vision2021」を推進いたしました。最終年度となる当連結会計年度は、引き続き「モルフォ画像技術のデファクトスタンダード化」「成長スピード加速」を中期経営目標に設定し、「経営資源の重点配分」「グローバル化加速」「経営基盤強化」を施策の柱に据え、目標達成に向けて取り組んでまいりました。2021年10月期より新しいビジョンとして「Rise above what we see, to realize what we feel -人間の目を拡張し、感動に満ちた世界を実現しよう-」を掲げ、画像処理、画像認識及びその組み合わせにより、中期経営目標の実現に向け引き続き取り組んでまいりました。

当連結会計年度においては、成長スピード加速を実現すべく、アライアンスを軸にしたオープンイノベーション推進に積極的に取り組みました。当社技術との親和性が高いと思われるテクノロジー関連企業との連携を通じ、実用的かつ付加価値が高い製品及びサービスの短期間での市場投入や、双方のノウハウ・チャネルを生かした企画及び事業機会の拡大を図りました。

主軸事業であるスマートフォン向けソフトウェアのライセンシングにおいては、米中貿易摩擦の影響に伴い、当社主要取引先の端末出荷台数が伸び悩んだこと、特定取引先において半導体不足の影響により当社製品が搭載される端末モデルの販売数量が減少したこと、並びに取引先のモバイル事業撤退等に伴い、当社が収受するロイヤリティが減少し、売上が鈍化しております。当社グループとしては、スマートフォンカメラの機能を左右する半導体メーカーとの連携を強化するとともに、引き続きグローバルな事業展開を推進してまいります。また、開発収入の領域においては、既存顧客からの車載機器向け売上高が一時的に減少しておりましたが、第3四半期連結累計期間より回復基調となっています。

新規のビジネス展開としては、引き続きスマートフォン関連ビジネスに限らない収益多様化の取り組みを活発化させ、継続的な収益獲得に向け取り組んでおります。2020年11月、防犯カメラの映像から混雑状況を判定する映像解析ソフトウェア「SECURE群衆カウントソリューション」を株式会社セキュアと共同開発し、セキュア社より提供開始されました。2021年5月には、100%子会社であるモルフォAIソリューションズが、国立国会図書館より「OCR処理プログラムの研究開発作業」の委託事業を受託しました。2021年9月には、株式会社ミックウェアと、車載機器開発におけるソフトウェアの付加価値向上に向けた相互の協力、並びに新しいビジネスの協創を目的として資本業務提携を開始しました。

費用面では、中長期的な成長に向け、優秀な人材の採用や研究開発などの先行投資に注力いたしました。

 

ⅰ)財政状況

当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。

 

(資産)

流動資産合計は、4,077,386千円(前連結会計年度末比798,670千円減)となりました。これは主に、現金及び預金が1,045,501千円、前払費用が23,017千円減少したことによるものであります。

固定資産合計は、472,777千円(同44,549千円減)となりました。これは主に、有形固定資産が21,408千円、ソフトウェアが14,354千円、投資有価証券が5,762千円減少したことによるものであります。

以上の結果、資産合計は4,550,163千円(同843,219千円減)となりました。

 

(負債)

流動負債合計は、362,386千円(前連結会計年度末比110,567千円増)となりました。これは主に、買掛金が68,479千円、未払金が30,946千円増加したことによるものであります。

固定負債合計は、38,065千円(同7,553千円増)となりました。これは主に、資産除去債務が376千円増加したことによるものであります。

以上の結果、負債合計は400,451千円(同118,120千円増)となりました。

 

(純資産)

純資産合計は、4,149,712千円(前連結会計年度末比961,339千円減)となりました。これは主に資本金及び資本剰余金がそれぞれ9,804千円増加したこと、自己株式の取得等により自己株式が199,291千円、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が793,422千円減少したことによるものであります。

 

ⅱ)経営成績

この結果、当連結会計年度における業績は、海外子会社の貢献などにより売上高は1,730,737千円(前連結会計年度比16.5%減)、人材確保や研究開発など将来の成長に向けた先行費用の増加により営業損失は881,603千円(前連結会計年度は営業損失143,535千円)、経常損失は841,229千円(前連結会計年度は経常損失136,625千円)となりました。なお、当社子会社であるTop Data Science社について、ロイヤリティ型ビジネスモデル構築の遅れなどにより子会社化当時に想定していた期間での投資回収は厳しい状況となったため、当子会社に係るのれん減損損失38,217千円を特別損失として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純損失は793,422千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失652,159千円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,391,708千円(前連結会計年度末
比1,045,501千円減)となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、653,580千円(前連結会計年度は62,547千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失865,994千円、減価償却費110,701千円を計上し、法人税等の支払額42,548千円、法人税の還付額136,205千円等となった一方で、売上債権の増加額136,833千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、175,868千円(前連結会計年度は275,111千円の支出)となりました。これは主に、預け金の支出337,200千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、257,002千円(前連結会計年度は767千円の収入)となりました。これは主に、
自己株式取得による支出198,236千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ⅰ)生産実績

当社グループは、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

ⅱ)受注実績

当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

ソフトウェア関連事業

682,941

125

223,967

198

合計

682,941

125

223,967

198

(注)1.当社の事業は単一セグメントであります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ⅲ)販売実績

a. 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

前年同期比(%)

ソフトウェア関連事業

1,730,737

83.5

合計

1,730,737

83.5

(注)1.当社グループの事業は単一セグメントであります。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年11月1日

   至 2020年10月31日)

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

   至 2021年10月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Motorola Mobility LLC

265,523

12.8

326,595

18.9

株式会社デンソー

245,233

11.8

214,479

12.4

Huawei Device Co.,Ltd.

397,751

19.2

85,282

4.9

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 主な製品別の販売実績は、次のとおりであります。

ソフトウェア製品名

前連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日)

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Morpho Panorama Giga Pixel

469,813

22.7

199,109

11.5

Morpho HDR

202,526

9.8

162,241

9.4

PhotoSolid

200,473

9.7

153,745

8.9

SuperResolution

50,458

2.6

86,797

5.0

Morpho Effect Library

68,769

3.3

69,010

4.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

資金需要及び資金調達につきましては、当社グループの属するソフトウェア業界は、事業の特性から常に新しい技術が創出され技術の陳腐化が早い事業環境にあります。またスマートフォンの急速な普及等、ハードウェアの進化により大幅な事業環境の変化が起こり得ます。

このような環境の中で、当社グループは、常に環境の変化に適応した革新的な技術やサービスの提供が求められております。従いまして、研究開発投資について継続的に実施していくことが求められ、かつ投下した研究開発投資等は比較的短期間のうちに成果に結実しなければならないものと認識しており、必然的に資金の循環は早くなるものと考えております。

今後につきましては、引き続き積極的に先行投資的な事業資金を投じていく方針であることから、現状の事業資金は、手元流動性の高い現金及び現金同等物として保持していく方針であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されており、連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「財務諸表等 注記事項(重要な会計方針」に記載しております。

連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

会計上の見積りが必要となる項目のうち、特に当社グループの財政状態又は経営成績に対して重要な影響を与える可能性があると認識している主な項目は以下のとおりです。

 

ⅰ)繰延税金資産

当社グループの繰延税金資産の回収可能性は、将来の収益力やタックスプランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の発生状況等に基づき判断しております。当該見積り及び当該仮定において、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産の金額に影響を与える可能性があります。

 

ⅱ)固定資産の減損

当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。将来の当該資産又は、資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能価額を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の金額に影響を与える可能性があります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の会計上の見積りに対する影響は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」において記載しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

(1)研究開発方針

当社グループでは、創業以来、新たなイメージング・テクノロジー(画像処理技術)を創造する集団として、革新的な技術を最適な「かたち」で実用化させ、技術の発展と豊かな文化の実現のために研究開発活動に取り組んでおります。

また、当社グループの研究開発活動は、他社との技術的な差異化を強みとした技術開発を基本としていることから、中核技術にかかる研究開発は社内リソースで賄う一方、中核技術に関わらない間接的工程については、信頼のおける外部協力会社を積極的に活用することで、開発リソースの「選択と集中」に努めております。

中長期的な経営戦略に基づく研究開発活動では、画像処理技術と画像認識技術の融合による技術・製品開発を積極的に推進しております。

  画像処理技術 …カメラの物理的・光学的な限界から生じる課題を軽減・解決することを目的とした技術

  画像認識技術 …多層構造の最先端ニューラルネットワーク技術による機械学習

 

(2)研究開発費及び概要

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、553,850千円であります。なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

主な研究開発活動の状況は、次のとおりであります。

スマートフォンの高画素化や高速化に合わせた静止画及び動画の補正ソフトウェア製品やパノラマ等画像加工製品の開発、自然なボケを実現するための要素技術の開発、車載カメラモニタシステム向け技術開発、安全運転支援のための要素技術開発を実施いたしました。また、ディープラーニングを利用したセグメンテーションや物体検出等のソフトウェア製品やシステム開発、及びそれらを様々なプラットフォームで高速に動作させるための要素技術開発を実施いたしました。

その他、画像処理や画像認識及びそれらの組み合わせに係る基礎研究や既存技術の効率化のための技術開発等を実施いたしました。

 

(3)研究開発活動の成果の権利化

当社グループは、研究活動により創出された発明について、国内において特許出願を行う他、特許協力条約に基づく国際出願制度やパリ条約に基づく優先権制度を活用し、海外においても積極的に特許出願を行っております。

当連結会計年度末現在における保有特許数は、国内では49件、海外では米国、欧州、中国、韓国などで113件の合計162件を有しております。