第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、年初にかけて増加した輸出や生産の影響および個人消費の回復基調から、緩やかな回復が続いております。企業収益は円安による輸出企業の業績改善や内外需の持ち直しにより回復が続いており、設備投資も緩やかな増加傾向にある中、国内のITサービス市場は堅調な成長を続けております。

このような中、当社グループは、国内におけるビッグデータの利活用に対する認知度向上と、アナリティクス需要の高まりを追い風とし、データ分析のリーディングカンパニーとして、データ分析に関連する3事業をトータルに展開できる強みを活かし、積極的な営業活動を推進いたしました。

当連結会計年度の売上面は、マーケティングプラットフォーム事業の成長が牽引し、概ね堅調に推移いたしました。一方、利益面は、第3四半期までは前年度を上回り好調に推移しておりましたが、第4四半期において、アナリティクス事業の売上高が想定を下回ったこと、および、全社的に積極的な人材採用を行ったことによる人材採用費の増加等が影響し、営業利益、経常利益は前年度を下回る結果となりました。また、連結子会社および投資有価証券に係る特別損失106,123千円を計上したことにより、当期純利益は大きく減少いたしました。

この結果、当連結会計年度の売上高は2,712,822千円(前年同期比6.7%増)、営業利益は149,344千円(前年同期比17.3%減)、経常利益は99,190千円(前年同期比35.6%減)、当期純損失は17,789千円(前年同期は当期純利益66,117千円)となりました。

 

当連結会計年度における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

①アナリティクス事業

アナリティクス事業は、企業の有する大量データを分析するデータマイニングと、その分析結果に基づく企業行動の最適化支援を、幅広い顧客向けに提供している当社グループ創業の事業です。

当連結会計年度におきましては、引き続き、データ分析に係るさまざまな業種からの受託分析業務が堅調に推移いたしました。しかしながら、例年最も高収益となる第4四半期の売上高が想定を下回ったため、売上高は前年度比ほぼ横ばいとなりました。また、連結子会社である株式会社ミディーや中国現地法人のコスト負担が、利益を押し下げる結果となりました。

この結果、売上高は817,708千円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は96,594千円(前年同期比19.1%減)となりました。

 

②ソリューション事業

ソリューション事業は、顧客企業に対して、データ分析および分析結果に基づくマーケティング活動に必要なソフトウェアのライセンス提供とシステム開発を行っております。

当連結会計年度におきましては、前第2四半期に大型受注があったこともあり、第3四半期までは売上高が前年同期比で横ばいの状況が続いておりましたが、第4四半期にかけて、新規製品「Tableau(タブロー、ビジネス・インテリジェンスツール)」の販売が好調に推移したことや、高単価の「SAP® Predictive Analytics(エスエーピー・プレディクティブ・アナリティクス、ビッグデータ対応データマイニグ・ソフトウェア)」を複数受注したことが、売上面の伸長に繋がりました。一方、利益面は、一部製品の仕入率の変更の影響等により、前年度を下回りました。

この結果、売上高は915,332千円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益は181,679千円(前年同期比19.5%減)となりました。

 

③マーケティングプラットフォーム事業

マーケティングプラットフォーム事業は、当社が着目したデータ分析系のアルゴリズムから独自性の強いソフトウェアを自社開発し、SaaS型サービス(注1)による顧客企業への提供と、その保守業務等を行っております。

当連結会計年度におきましては、主力サービスである「Rtoaster(アールトースター、レコメンドエンジン搭載プライベートDMP)」において、従来のレコメンドエンジン(注2)としての活用に加え、プライベートDMP(注3)としての導入が進み、好調を牽引いたしました。また、第1四半期から第3四半期までは、契約終了案件の影響により売上高が微減傾向にありましたが、前年度より対応を進めていた大型案件の導入が完了したことにより、第4四半期の売上高は回復いたしました。

この結果、売上高は979,806千円(前年同期比16.9%増)、セグメント利益は371,892千円(前年同期比14.4%増)となりました。

(注1)アプリケーションソフトの機能をインターネットを通じて顧客に提供すること。

(注2)ウェブサイト訪問者のウェブサイト上での行動を自動的に分析し、過去に閲覧・購入した商品と関連性があり、購買意欲をかきたてるような商品を自動的に推奨するツールのこと。

(注3)Data Management Platformの略。広告主・メディア・ECサイトなどが保有するさまざまな大量データを収集・分析し、主にマーケティング用途での利用・活用を可能にするデータ基盤のこと。

 

(参考)セグメント別の売上高の前連結会計年度との単純比較

 

前連結会計年度

(平成26年6月期)

当連結会計年度

(平成27年6月期)

対前年増減率

アナリティクス事業

819,671千円

817,708千円

△0.2%

ソリューション事業

885,337千円

915,332千円

3.4%

マーケティングプラットフォーム事業

838,023千円

979,806千円

16.9%

調整額

△1,548千円

△25千円

2,541,484千円

2,712,822千円

6.7%

(注)売上高にはセグメント間の取引を含みます。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は696,769千円(前年同期比63.3%増)となりました。

 各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、431,764千円(前年同期比16.6%増)となりました。これは主に減価償却費268,043千円、減損損失70,733千円、持分法による投資損益57,995千円、売上債権の減少56,681千円、仕入債務の増加46,562千円、税金等調整前当期純利益29,634千円が計上された一方で、法人税等の支払額128,935千円、債務免除益36,415千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、310,271千円(前年同期比42.2%減)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出159,557千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出104,665千円、有形固定資産の取得による支出27,398千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、147,968千円(前年同期比34.3%減)となりました。これは主に短期借入れによる収入390,000千円、長期借入れによる収入346,677千円が計上された一方で、短期借入金の返済による支出490,000千円、長期借入金の返済による支出100,505千円があったことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループ(当社および連結子会社、以下同じ。)は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(2)受注状況

 当社グループは、概ね受注から納品までの期間が短いため記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

アナリティクス事業

817,708

△0.2

ソリューション事業

915,332

3.4

マーケティングプラットフォーム事業

979,806

16.9

調整額

△25

合計

2,712,822

6.7

(注)1 売上高にはセグメント間の取引を含みます。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成25年7月1日

至 平成26年6月30日)

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ヤフー株式会社

524,561

20.6

411,283

15.2

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

政府の成長戦略における課題として、企業の生産性向上がますます重要視される中、ビッグデータや人工知能などIT活用に対する関心の高まりにより、データ分析関連ビジネスを取り巻く市場は成長を続けるものと予想されます。

当連結会計年度までは、既存3事業と、グループ各社による新規事業を同時に伸長させることを目指してまいりましたが、新規事業において採算化の目途が立たないものに関しては、当連結会計年度において事業の縮小・停止の判断を行いました。

次期におきましては、既存3事業の成長に集中し、今後の収益基盤となるサービスモデルの開発と、人材育成による組織体制の強化に注力し、中期成長に向けた準備を整えてまいります。

具体的には、今後の収益基盤として、3事業ともにストック型(注1)の売上高の増加に取り組み、収益の安定化と利益率の向上に取り組みます。組織体制の強化においては、人材育成による中間層の育成に注力し、さらなる組織規模の拡大にも対応できる組織基盤の構築に取り組みます。加えて、3事業の枠内に収まらない顧客とのリレーションや、これまでにない新しいタイプの案件開発に特化した部門と、多岐にわたる当社保有技術の取りまとめや、先進技術の評価・取り込みに特化した部門を新設し、3事業が現業に集中して取り組める体制を整えると同時に、IoT(注2)領域、非マーケティング領域(製造業、物流業など)への取り組みを拡大してまいります。

また、事業を継続するグループ会社(株式会社Qubitalデータサイエンス、Mynd株式会社)につきましては、既存3事業の成長に貢献するものとして位置付け、採算化を実現してまいります。

 

(注1)顧客数に応じて比例的に安定収益を得られるビジネスのこと。

(注2)「Internet of Things(モノのインターネット)」の略。コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在するさまざまなモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。

 

セグメント別の課題は以下のとおりであります。

 

①アナリティクス事業

近年のビッグデータ活用に対する関心の高まりにより、さまざまな業種からのデータ分析に関する相談・問合せは増加傾向にあり、当事業の顧客数も増加しておりますが、その一方で、これらの相談・問合せに広く対応することによる小規模案件の増加が、当事業の利益率改善が進まない要因ともなっております。

このような課題に対応するため、当事業においては、3事業をトータルで提供できる当社の強みを活かし、分析結果から独自のアルゴリズムを構築し顧客企業のシステムへ組み込むところまでを視野に入れた提案や、3事業のソリューションを複数組み合わせた総合的な提案を推進し、案件の大型化と長期化に取り組んでまいります。

特に、アルゴリズム構築を含んだシステム化案件は、当事業の高い分析力と技術力の組み合わせがなくては提供できないサービスであります。納品後は、顧客企業の業務プロセス内で当社のアルゴリズムが搭載されたシステムが日々継続的に稼働することになるため、当事業のストック型の売上高確保に繋がり、収益の安定化と利益率改善に寄与するものと考えております。既に、複数案件においてシステム化に成功しており、次期以降はこれらの成功事例をもとに、積極的な横展開を推進してまいります。

 

②ソリューション事業

国内のITソフトウェア市場は、クラウド上で発展するSaaS型、PaaS型(注3)サービスの高成長により、今後も拡大が続くことが見込まれており、当事業においても、この市場環境を追い風として、事業拡大に取り組むことを課題としております。

当事業の主力製品のひとつであり、収益インパクトの大きい「SAP® Predictive Analytics」について、このたび当社は、販売元のSAPジャパン株式会社よりMaster VAR(再販一次店)に選定されました。これにより、これまで以上にSAPジャパン株式会社との協力体制が強まり、同製品について、より多くの販売機会を得ることが可能になると見込んでおります。

また、当事業においても、ストック型売上高の拡大に積極的に取り組みます。従来より、当事業のストック型売上高を支えている「exQuick(イクスクイック、マーケティング・インテリジェンス・ソリューション)」に加え、大きく発展しているマーケティング・オートメーション(注4)市場に対して、日本企業からの要望に応えた競争力のあるSaaS型ソリューションとなる新製品「Probance One(プロバンス・ワン)」の提供を開始します。本製品は、平成30年6月末までに、200社以上への導入と、累計売上高10億円以上の獲得を目指します。

さらに、同じくストック型となる新製品として、IoT時代に求められるリアルタイム分析処理基盤に活用できる製品「MapR(マップアール)」の販売を推進してまいります。

 

(注3)「Platform as a Service」の略。アプリケーションソフトが稼働するためのハードウェアやOSなどの基盤を、インターネットを通じて顧客に提供すること。

(注4)マーケティング活動のプロセスの自動化を支援するシステムの総称。データベースに蓄積された各種データをもとに顧客や見込み客とのコミュニケーションや、セグメンテーションや効果測定などを行う。

 

③マーケティングプラットフォーム事業

当事業は、レコメンドエンジンおよびプライベートDMP市場において国内売上シェアNo.1(注5)を誇る自社開発製品「Rtoaster」を中核とし、自社・他社の周辺サービスとの連携や、アライアンスの拡大を推し進めてまいりました。変化の激しいデジタルマーケティング(注6)領域においては、引き続き、自社開発製品をベースとした機能拡張やサービス連携を行い、製品を常に進化させていくことを課題としております。

このような課題に対応するべく、当社は、技術基盤をさらに強化するため、平成27年4月に、人工知能、機械学習(注7)、自然言語処理注(注8)に関する高い技術を有するMynd株式会社を連結子会社化いたしました。また、急速に進むパソコンからスマートフォンへのデバイス移行に対応するために、「Rtoaster」の機能をスマートフォンで利用できるようになる「Rtoaster SDK(注9)」の提供や、同分野において高い技術を有するRepro株式会社のアナリティクスツールとのサービス連携を開始いたしました。

これらの活動を含めて、当社は、より高品質な技術基盤の構築とスピード感のある革新的なサービス展開を実現し、独自のマーケティング・ソリューションを提供することで、デジタルマーケティング領域での優位性を一層確立してまいります。

 

(注5)平成27年7月1日現在当社調べ。

(注6)数多くのIT技術が応用された、IT・デジタルデータを用いたマーケテング技術のこと。

(注7)コンピュータが収集した過去のデータの中から導き出した知識やルールを、新たに収集したデータに適用することで、そのデータの意味を認識・分類したり、未来に起きることを判断・予測したりする技術のこと。

(注8)人間が日常的に使っている言語をコンピュータに処理させる一連の技術であり、人工知能と言語学の一分野。

(注9)「Software Development Kit」の略。アプリに各種機能を追加していく開発キットのこと。

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。

 

(1)事業内容および法的規制に係わるリスクについて

①市場と競合について

「Rtoaster」をはじめとする当社グループ開発のSaaS型サービスについては、類似のサービスを提供している会社が存在するため、これらの会社が当社グループと同様のサービスを開発・販売した場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

アナリティクス事業については、データマイニング業務が一般的となって市場が拡大した場合、中長期的には競合会社の新規参入や既存のデータ分析会社との競争激化等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、データマイニング市場の今後の成長性や展望を正確に予測することは困難でありますが、市場拡大が当社見込みと異なった推移となる場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

②当社サービスの効果について

当社グループは、顧客の属性や行動予測の算出や、マーケティング上の合理的な施策を顧客に提供することにより直接的・間接的に企業の収益に貢献するビジネスを行っております。算出した予測や施策については、社内で慎重に検証したうえで顧客に提供しておりますが、仮に提供した予測や施策に技術的な誤りが存在した場合や、予測や施策の実行の結果、顧客に著しい損害を与えた場合は、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、業績に影響が生じる可能性があります。

 

③情報の保護について

当社グループは、業務上、顧客より提供された機密情報を取り扱う場合があるため、顧客と業務委託契約を締結し、情報管理責任者より権限を付与された担当者のみがデータにアクセスできるようにするなど、情報漏えいの防止に努めております。加えて、マーケティングプラットフォーム事業における「webレコメンデーションならびに広告配信技術、データ分析技術を利用したSaaSサービスの提供」の範囲において、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格であるISO27001の認証を取得しております。

また、個人情報を取り扱う場合もあることから、個人情報の適切な取得、管理、運用を行うことを目的として、一般財団法人日本情報経済社会推進協会の運用するプライバシーマークを取得しております。

しかしながら、何らかの理由で顧客の機密情報や個人情報が外部に流出した場合、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、業績に影響が生じる可能性があります。
 

④プロジェクトの検収時期の変動あるいは赤字化による業績変動の可能性について

当社グループでは、顧客の検収に基づき売上高を計上しております。そのため、当社グループはプロジェクト毎の進捗を管理し、計画どおりに売上高および利益が計上できるように努めておりますが、プロジェクトの進捗如何では、納期が変更されることもあります。この結果、検収時期の変更により売上計上時期が変動し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

また、プロジェクトは、想定される工数を基に売上見積を作成し受注しております。そのため、当社グループは顧客との認識の齟齬や想定工数の乖離が生じることがないよう、慎重に工数の算定をしております。しかしながら、業務の大半が顧客企業から受領するデータの内容に依存することから、工数の見積もり時に想定されなかった不測の事態等の発生により、工数が増加すると、プロジェクトの収支が悪化する場合があり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

⑤システム開発について

当社グループは、様々なデータ解析技術を用いてシステムおよびソフトウェアの開発を行っております。当社グループの開発した製品に不具合が生じた場合や、開発が予定通りに進まなかったこと等の理由により、利用者が損害を被った場合は、損害賠償の支払などにより、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

⑥システム障害について

当社グループはインターネットを利用した事業を行っておりますが、天災、事故、不正アクセス等による通信ネットワークの切断などにより、システム障害が発生する可能性があります。当社グループではデータのバックアップ、データセンターへの分散配置などによりトラブルに対する万全の備えをしておりますが、システム障害が発生した場合は、一時的なサービス提供の停止等により、業績に影響が生じる可能性があります。

 

⑦知的財産について

当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性については、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、ロイヤリティの支払や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

(2)当社グループの事業体制に係わるリスクについて

①小規模組織であることについて

当社グループは、連結従業員数が161名(平成27年6月30日現在)であり、会社の規模が小さいため、社内体制も組織規模に応じたものになっております。今後も引き続き、事業の拡大に合わせ、積極的な人員増強、内部管理体制の充実を図る方針ですが、人材の獲得および管理体制の強化が順調に進まなかった場合には、適切かつ十分な組織的対応ができず、業務に影響が生じる可能性があります。

 

②人材確保・維持について

当社グループの事業は、業務の拡大に応じて、各分野における一定水準以上の専門スキルを有する人材を確保していくことが必要だと考えております。こうした人材の確保が計画どおりに進まない場合や、重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、結果、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

なお、事業規模の拡大に合わせて、人件費は増加する傾向が続くものと認識しておりますが、景気の変動等で急激に需要が縮小した場合は、結果として大きな損失を出す可能性があります。また、技術力を維持するため、人材の教育には時間と費用をかけて取り組んでおりますが、教育の効果が出ない可能性や教育費が固定費に占める割合が高まる可能性があり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

(3)その他

①配当政策について

 当社グループは、株主の皆様に対する利益配分を経営上の重要な課題の一つとして認識しており、将来的には配当による利益還元を実施したいと考えております。しかしながら、現在当社グループは、成長過程にあると認識しており、事業上獲得した資金については中長期的な事業成長に向けた新規投資に充当したいと考えており、当期および次期において配当は実施いたしません。

 

②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社グループは、当社役員および従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。本有価証券報告書提出日の前月末現在、新株予約権による潜在株式数は496,720株であり、同日時点の発行済株式総数6,733,752株の7.4%に相当しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、意思決定の根拠をデータに求めるという顧客企業のニーズに対応し、最適で実現可能なソリューションを提供するために、高性能なソフトウェアの開発や、マーケティングにおいて必要となる大規模な最適化問題の高速な計算方法及び独自のアルゴリズムの研究、開発および進化を研究開発部門において行っております。

なお、当連結会計年度における研究開発費として35,311千円計上しております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針および見積もり

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表の作成に当たりまして、連結会計年度末日における資産および負債の数値、連結会計期間に係る収益および費用に影響を及ぼすような仮定や見積もりを必要とします。これらの仮定や見積もりについては不確実性が存在するため、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。

 当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、〔第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)〕に記載のとおりであります。

 

(2)財政状態の分析

 当連結会計年度末における資産合計は、1,956,176千円となり、前連結会計年度末に比べ118,984千円増加しました。

 流動資産の残高は、1,213,581千円となり、前連結会計年度末に比べ201,902千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加270,115千円があった一方で、受取手形及び売掛金の減少54,368千円によるものであります。また、固定資産の残高は742,594千円となり、前連結会計年度末に比べ82,918千円減少しました。これは主に無形固定資産の増加20,129千円があった一方で、有形固定資産の減少64,613千円、投資その他の資産の減少38,433千円によるものであります。

 負債合計は、813,478千円となり、前連結会計年度末に比べ132,549千円増加しました。

 流動負債の残高は、452,409千円となり、前連結会計年度末に比べ57,416千円減少しました。これは主に買掛金の増加48,209千円、1年内返済予定の長期借入金の増加47,857千円、前受収益の増加25,734千円があった一方で、短期借入金の減少100,000千円、未払法人税等の減少73,485千円、未払費用の減少22,228千円によるものであります。また、固定負債の残高は361,068千円となり、前連結会計年度末に比べ189,965千円増加しました。これは主に長期借入金の増加168,866千円、固定負債その他の増加14,743千円によるものであります。

 純資産合計は、1,142,697千円となり、前連結会計年度末に比べ13,565千円減少しました。これは主に為替換算調整勘定の増加2,579千円があった一方で、利益剰余金の減少17,789千円によるものであります。この結果、自己資本比率は58.3%となりました。

 

(3)経営成績の分析

〔第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績〕をご参照ください。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

〔第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー〕をご参照ください。