(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出・生産が横ばいで推移する中、個人消費の弱含みに加え、英国のEU離脱に伴う先行き不透明感の強まりが懸念されております。一方、企業業績の改善の動きがいったん弱まる中でも、設備投資は設備の維持・更新を中心に緩やかに回復しており、国内のITサービス市場は堅調な成長を続けております。
このような中、当社グループは、昨年9月15日付にて平成31年6月期を最終年度とする中期経営計画を発表し、当連結会計年度はその初年度として、既存3事業の成長に集中し、今後の収益基盤となるサービスモデルの開発と人材育成による組織体制の強化を進めてまいりました。
売上面は、ビッグデータ活用への関心の高まりを背景に、長期・大型の案件の拡大、ストック型(注1)売上高の伸長を目指した営業活動を行い、堅調に推移いたしました。
利益面は、前連結会計年度に実施したグループ会社の事業整理によりグループ会社の損失が利益を押し下げる状況が解消されたこと、および、アナリティクス事業における売上高の増加による利益率の改善により、前年度を大きく上回りました。また、当連結会計年度を通じて積極的に行う予定であった中途採用が下期に偏ったことを主因とし、期初に想定した社員人件費および人材採用費の増加が限定的なものにとどまったことも、利益を押し上げる一因となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は2,899,437千円(前年同期比6.9%増)、営業利益は213,029千円(前年同期比42.6%増)、経常利益は230,020千円(前年同期比131.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は105,381千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失17,789千円)となりました。
当連結会計年度における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。
①アナリティクス事業
アナリティクス事業は、顧客企業の有する大量データに関するコンサルティングおよびデータマイニング(注2)の実行、ならびにデータに基づく企業行動の最適化支援を行っております。
当連結会計年度におきましては、売上面は、当期の事業方針である案件の長期化・大型化の取り組みにより第2四半期連結会計期間(平成27年10月1日~平成27年12月31日)以降復調し、第3四半期連結会計期間(平成28年1月1日~平成28年3月31日)においては四半期あたり過去最高の売上高を更新しました。
案件の長期化・大型化には、当事業におけるストック型売上高の創出を目的として取り組んだ、予測・最適化アルゴリズムをシステム化するようなアナリティクスソリューションの開発案件(注3)の獲得も寄与しております。
利益面は、案件の大型化による顧客単価の上昇に加え、人員配置の効率化によりデータサイエンティストの稼働率が改善したこと(注4)、および、前連結会計年度に行った事業整理により連結子会社の損失がなくなったことにより、利益額・利益率ともに大きく改善いたしました。
この結果、売上高は865,447千円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益は319,212千円(前年同期比230.5%増)となりました。
②ソリューション事業
ソリューション事業は、顧客企業に対して、データ蓄積、分析および分析結果に基づく施策実行に必要なソフトウェアの選定および提供ならびにシステム開発および運用を行っております。
当連結会計年度におきましては、売上面は、ストック型売上高の拡大に寄与する「Probance※」製品が、マーケティングオートメーション(注5)市場の拡大を追い風に、当事業の中心プロダクトのひとつに成長いたしました。
また、「SAP® BusinessObjects™ Predictive Analytics※」のライセンス販売などのフロー型(注6)売上高については、上期は前年度を下回り推移しましたが、下期には同製品の販売や受託開発案件が堅調に推移し、通期の売上高は前年比横ばいとなりました。
利益面は、人員増や、「Probance」製品の開発費用およびマーケティング費用発生の影響もあり、売上高同様に前年比横ばいとなりました。
この結果、売上高は898,712千円(前年同期比1.8%減)、セグメント利益は179,733千円(前年同期比1.1%減る)となりました。
③マーケティングプラットフォーム事業
マーケティングプラットフォーム事業は、主にデジタルマーケティング領域において、当社が着目したデータ分析系のアルゴリズムから独自性の強いソフトウェアを自社開発し、SaaS(注7)型サービスを中心とした顧客企業への提供と、その保守業務等を行っております。
当連結会計年度におきましては、売上面は、一部の大型案件において売上高の縮小がありましたが、これを新規案件の獲得で補い、安定的に成長いたしました。また、主力製品である「Rtoaster※」が、株式会社アイ・ティ・アールが発行する市場調査レポート「ITR Market View:マーケティング管理市場2016」(注8)において、DMP(注9)市場におけるベンダー別売上金額およびシェアで1位(2014年度実績、2015年度予測)を獲得したことが、さらなる引き合いの増加にも繋がっております。加えて、前年度に連結子会社化したMynd(マインド)株式会社との共同開発により「Mynd plus※」の提供を開始し、「Rtoaster」と連携した案件創出が進んでおります。
利益面は、Mynd株式会社の連結子会社化によるコスト増や、ソフトウェア資産の減価償却費の増加、今期より新たに開始した受託開発案件により事業全体の利益率としては低下しておりますが、従来のSaaS型サービスは高利益率を維持しております。
この結果、売上高は1,135,276千円(前年同期比15.9%増)、セグメント利益は373,718千円(前年同期比0.5%増)となりました。
※Probance(プロバンス):マーケティングオートメーションプラットフォーム
※SAP® BusinessObjects™ Predictive Analytics(エスエーピー・ビジネスオブジェクツ・プレディクティブ・アナリティクス):ビッグデータ対応 機械学習・予測分析システム
※Rtoaster(アールトースター):レコメンドエンジン搭載プライベートDMP
※Mynd plus(マインドプラス):自然言語処理エンジン
(注1)ストック型とは、顧客数に応じて比例的かつ継続的に安定収益を得られるビジネスのこと。
(注2)データマイニングとは、企業や社会に大量に蓄積されるデータを解析し、その中に潜む重要なパターンや法則性を抽出すること。
(注3)アナリティクスソリューションの開発案件とは、データから分析・予測した結果をアルゴリズム化して顧客企業のシステムに組み込み、そのシステムの運用・保守までを行うような案件のこと。納品後は、顧客企業の業務プロセス内で当社のアルゴリズムが搭載されたシステムが日々継続的に稼働することになるため、ストック型売上高の創出に繋がる。
(注4)データサイエンティストの社員人件費は固定費であるため、案件稼働の空きが少なく稼働率が高まるほど利益率が高まる事業構造となっている。
(注5)マーケティングオートメーションとは、マーケティング活動の運用プロセスの自動化を支援するシステムの総称。データベースに蓄積された各種データをもとに見込み客や顧客とのコミュニケーションを精緻に自動化するほか、効果測定もシステム化し、従来は不可能であったOne to Oneでのきめ細やかなマーケティング施策を行うことができる。
(注6)フロー型とは、ストック型とは異なり、単発で商品を販売したり、業務を請け負うようなビジネスのこと。
(注7)SaaS型とは、「Software as a Service」の略。アプリケーションソフトの機能を、インターネットを通じて顧客に提供すること。
(注8)上記、市場シェア・市場分析・市場推移に関しては、株式会社アイ・ティ・アールが発行している「ITR Market View:マーケティング管理市場2016」に記載された内容を引用したもの。
(注9)DMPとは、「Data Management Platform」の略。企業がさまざまなデータを集約し、活用するために構築する基盤のこと。
(参考)セグメント別の売上高の前連結会計年度との単純比較
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前連結会計年度 (平成27年6月期) |
当連結会計年度 (平成28年6月期) |
対前年増減率 |
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アナリティクス事業 |
817,708千円 |
865,447千円 |
5.8% |
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ソリューション事業 |
915,332千円 |
898,712千円 |
△1.8% |
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マーケティングプラットフォーム事業 |
979,806千円 |
1,135,276千円 |
15.9% |
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調整額 |
△25千円 |
-千円 |
- |
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計 |
2,712,822千円 |
2,899,437千円 |
6.9% |
(注)売上高にはセグメント間の取引を含みます。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は588,671千円(前年同期比15.5%減)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、428,689千円(前年同期比0.7%減)となりました。これは主に減価償却費257,276千円、税金等調整前当期純利益190,867千円、未払金の増加59,380千円が計上された一方で、仕入債務の減少53,057千円、売上債権の増加46,617千円、法人税等の支払額28,612千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、207,615千円(前年同期比33.1%減)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出155,639千円、投資有価証券の取得による支出33,300千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、322,855千円(前年同期は、147,968千円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出327,853千円があったことによるものであります。
(1)生産実績
当社グループ(当社および連結子会社、以下同じ。)は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(2)受注状況
当社グループは、概ね受注から納品までの期間が短いため記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日) |
|
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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アナリティクス事業 |
865,447 |
5.8 |
|
ソリューション事業 |
898,712 |
△1.8 |
|
マーケティングプラットフォーム事業 |
1,135,276 |
15.9 |
|
調整額 |
- |
- |
|
合計 |
2,899,437 |
6.9 |
(注)1 売上高にはセグメント間の取引を含みます。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年7月1日 至 平成27年6月30日) |
当連結会計年度 (自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円 |
割合(%) |
|
|
ヤフー株式会社 |
411,283 |
15.2 |
- |
- |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 当連結会計年度のヤフー株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
政府が成長戦略として掲げる「第4次産業革命」に、ビッグデータ、IoT(注1)、人工知能の活用がうたわれるように、データ活用への期待の高まりにより、データ活用関連ビジネスを取り巻く市場は成長を続けるものと予想されます。
このような中、当社グループは平成31年6月期を最終年度とする中期経営計画(平成31年6月期の連結売上高60億円、連結経常利益10億円の達成を目標)を発表いたしました。計画の実現に向けた経営戦略といたしましては、当社の強みであるアナリティクスとエンジニアリングを駆使し、顧客企業のビジネスプロセスをデータを活用して革新するような長期・大型の案件を獲得・拡大していくことを掲げております。
売上面の成長に向けては、事業横断型の長期・大型案件の獲得と、人材採用による組織拡大および人材育成による組織強化を推し進めてまいります。また、利益面の成長に向けては、既存3事業への経営資源の集中による生産性向上と、ストック型売上高の拡大を推し進めてまいります。
そのうえで、翌連結会計年度(平成29年6月期)は、当連結会計年度から引き続き、今後の収益基盤となるサービスモデルの開発と、人材採用・人材育成への投資を重要課題として進めてまいります。
上記の方針に基づくセグメント別の対処すべき課題は、次のとおりです。
(アナリティクス事業)
近年、データ活用により経営課題を解決したいと考える企業は業種を問わず増加しておりますが、同時に、何から手をつければよいか、データ活用をどのように推進すればよいかという点に悩まれている企業が多いのも事実です。
当事業においては、これらの企業の相談先としてのポジショニングを強固なものにするためのブランディング活動に取り組むとともに、幅広いニーズへの対応が可能となるように、営業、コンサルティング、データ分析・予測、アナリティクスソリューションの開発・運用まで、データ活用に関する課題にあらゆる側面から対応できる体制を強化いたします。
創業来の強みであるマーケティングアナリティクス領域においては、EC・通販企業における豊富な案件実績を活かし、実店舗を持つ流通業や製造業などに対しても、提案を拡大してまいります。また、非マーケティング領域に対しては、IoTや人工知能などの新しい技術を活かした提案力・分析実行力の強化に取り組んでまいります。
加えて、データサイエンティストによるコンサルティング組織を組成することにより、顧客企業にいち早くアナリティクスを取り入れた課題解決方法を提示できる体制を整え、案件受注までの提案期間の短縮や、既存顧客からのリピート売上高の増加、アナリティクスソリューションの開発によるストック型売上高の増加に取り組み、案件の長期化・大型化ならびにストック化による収益基盤の強化を図ってまいります。
(ソリューション事業)
国内のITソフトウェア市場は、クラウド上で提供されるSaaS型、PaaS(注2)型サービスをはじめとして、多種多様な製品が誕生し、市場規模の拡大が続いております。
当事業においては、データ分析・データ活用のための適切なツール選定やシステム構築を、ベンダーフリーの立場から提案・実施できるという強みを活かし、市場環境を追い風とした事業拡大を図ってまいります。また、事業効率化を図るために、注力する製品についての選択と集中を行い、営業人員の増加とマーケティングおよびプロモーションの強化に取り組んでまいります。
収益基盤の安定化に繋がるストック型売上高の増加に向けては、かねてより安定的な収益を維持している「exQuick※」に加え、主要プロダクトのひとつに成長した「Probance」製品のさらなる拡販を推し進めてまいります。
また、1件あたりの収益貢献が大きくフロー型売上高となる「SAP® BusinessObjects™ Predictive Analytics」や受託開発案件については、それぞれ、SAPジャパン株式会社、日本マイクロソフト株式会社とのパートナーシップなどを活かし、より多くの販売機会を創出してまいります。
(マーケティングプラットフォーム事業)
当事業が属するデジタルマーケティング(注3)市場は、インターネット技術の進歩やスマートデバイスの普及とともに急拡大しており、海外ベンダーや国内ITベンチャー企業の参入により、市場が複雑化・混沌化する状況が続いております。
このような市場環境の中、当事業においては、企業が自社内に蓄積するデータ資産をマーケティングにフル活用していただくことに重きをおき、プライベートDMP(注4)製品の開発・提供に一貫して注力してまいりました。結果、主力製品である「Rtoaster」は国内DMP市場においてトップシェアを築いております。
引き続き、市場そのものの拡大と市場トップシェアという追い風を事業成長に繋げるため、営業人員の増加による営業組織の強化と、他社とのアライアンス等によるレバレッジを効かせた販売戦略の立案、製品導入コンサルタントによるプロフェッショナルサービスの充実に取り組んでまいります。
加えて、最先端の機械学習(注5)技術などを自社製品に取り入れてきたノウハウと実績をベースに、「Rtoaster」に続く新製品の開発に本格的に着手するとともに、連結子会社であるMynd株式会社とともに「Mynd plus」の拡販と、同社の自然言語処理技術を活かした新サービスの開発を検討してまいります。
※exQuick(イクスクイック):マーケティング・インテリジェンス・ソリューション
(注1)IoT(アイオーティ)とは、「Internet of Things」の略。日本語では「モノのインターネット」と訳され、あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、モニタリングやコントロールを可能にするといった概念・コンセプトのこと。
(注2)PaaSとは、「Platform as a Service」の略。アプリケーションソフトが稼働するためのハードウェアやOSなどの基盤を、インターネットを通じて顧客に提供すること。
(注3)デジタルマーケティングとは、デジタルメディアを駆使したマーケティング活動全般のこと。Webサイトを中心に置くWebマーケティングよりも広範な概念であり、Webサイト、ソーシャルメディア、モバイルアプリ、電子メールなど、多種多様なチャネルを組み合わせ、最適なマーケティング成果を獲得するための活動のこと。
(注4)プライベートDMPとは、企業がさまざまな自社データや外部データを集約し、活用するために構築する基盤のこと。
(注5)機械学習とは、人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術・手法のこと。機械学習アルゴリズムを用いることでデータからコンピュータが反復的に学習し、そこに潜んでいる規則やルール、パターンを見つけ出すことができる。人工知能を実現するための要素技術のひとつでもある。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。
(1)事業内容および法的規制に係わるリスクについて
①市場と競合について
自社開発製品である「Rtoaster」をはじめとする当社グループ開発のSaaS型サービスについては、類似のサービスを提供している会社が存在するため、これらの会社が当社グループと同様のサービスを開発・販売した場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
アナリティクス事業については、顧客企業の有する大量データに関するコンサルティング業務およびデータマイニング業務が一般的となって市場が拡大した場合、中長期的には競合会社の新規参入や既存のデータ分析会社との競争激化等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該市場の今後の成長性や展望を正確に予測することは困難でありますが、市場拡大が当社見込みと異なった推移となる場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
②当社サービスの効果について
当社グループは、顧客の属性や行動予測の算出や、マーケティング上の合理的な施策を顧客に提供することにより直接的・間接的に企業の収益に貢献するビジネスを行っております。算出した予測や施策については、社内で慎重に検証したうえで顧客に提供しておりますが、仮に提供した予測や施策に技術的な誤りが存在した場合や、予測施策の実行の結果、顧客に著しい損害を与えた場合は、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、業績に影響が生じる可能性があります。
③情報の保護について
当社グループは、業務上、顧客より提供された機密情報を取り扱う場合があるため、顧客と業務委託契約を締結し、情報管理責任者より権限を付与された担当者のみがデータにアクセスできるようにするなど、情報漏えいの防止に努めております。加えて、マーケティングプラットフォーム事業における「webレコメンデーションならびに広告配信技術、データ分析技術を利用したSaaSサービスの提供」の範囲において、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格であるISO27000の認証を取得しております。
また、個人情報を取り扱う場合もあることから、個人情報の適切な取得、管理、運用を行うことを目的として、一般財団法人 日本情報経済社会推進協会の運用するプライバシーマーク制度を取得しております。
しかしながら、何らかの理由で顧客の機密情報や個人情報が外部に流出した場合、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、業績に影響が生じる可能性があります。
④プロジェクトの検収時期の変動あるいは赤字化による業績変動の可能性について
当社グループでは、顧客の検収に基づき売上高を計上しております。そのため、当社グループはプロジェクト毎の進捗を管理し、計画どおりに売上高および利益が計上できるように努めておりますが、プロジェクトの進捗如何では、納期が変更されることもあります。この結果、検収時期の変更により売上計上時期が変動し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
また、プロジェクトは、想定される工数を基に売上見積を作成し受注しております。そのため、当社グループは顧客との認識の齟齬や想定工数の乖離が生じることがないよう、慎重に工数の算定をしております。しかしながら、業務の大半が顧客企業から受領するデータの内容に依存することから、工数の見積もり時に想定されなかった不測の事態等の発生により、工数が増加し、プロジェクトの収支が悪化する場合があり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
⑤システム開発について
当社グループは、様々なデータ解析技術を用いてシステムおよびソフトウェアの開発を行っております。当社の開発した製品に不具合が生じた場合や、開発が予定どおりに進まなかったこと等の理由により、利用者が損害を被った場合は、損害賠償の支払などにより、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
⑥システム障害について
当社グループはインターネットを利用した事業を行っておりますが、天災、事故、不正アクセス等による通信ネットワークの切断などにより、システム障害が発生する可能性があります。当社グループではデータのバックアップ、データセンターへの分散配置などによりトラブルに対する万全の備えをしておりますが、システム障害が発生した場合は、一時的なサービス提供の停止等により、業績に影響が生じる可能性があります。
⑦知的財産について
当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性については、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、ロイヤリティの支払や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(2)当社グループの事業体制に係わるリスクについて
①小規模組織であることについて
当社グループは、連結従業員数が177名(平成28年6月30日現在)であり、会社の規模が小さいため、社内体制も組織規模に応じたものになっております。今後も引き続き、事業の拡大に合わせ、積極的な人員増強、内部管理体制の充実を図る方針ですが、人材の獲得および管理体制の強化が順調に進まなかった場合には、適切かつ十分な組織的対応ができず、業務に影響が生じる可能性があります。
②人材確保・維持について
当社グループの事業は、業務の拡大に応じて、各分野における一定水準以上の専門スキルを有する人材を確保していくことが必要だと考えております。こうした人材の確保が計画どおりに進まない場合や、重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、結果、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
なお、事業規模の拡大に合わせて、人件費は増加する傾向が続くものと認識しておりますが、景気の変動等で急激に需要が縮小した場合は、結果として大きな損失を出す可能性があります。また、技術力を維持するため、人材の教育には時間と費用をかけて取り組んでおりますが、教育の効果が出ない可能性や教育費が固定費に占める割合が高まる可能性があり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(3)その他
①配当政策について
当社グループは、株主の皆様に対する利益配分を経営上の重要な課題の一つとして認識しており、将来的には配当による利益還元を実施したいと考えております。しかしながら、現在当社グループは、成長過程にあると認識しており、事業上獲得した資金については中長期的な事業成長に向けた新規投資に充当したいと考えており、当期および次期において配当は実施いたしません。
②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、主に当社役員および従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。本有価証券報告書提出日の前月末現在、新株予約権による潜在株式数は804,320株であり、同日時点の発行済株式総数6,733,752株の11.9%に相当しております。
該当事項はありません。
当社グループは、データを活用して経営を改善したいと考える顧客企業のニーズに対応するべく、最新のデータマイニング技術の研究や、独自の分析アルゴリズムを用いたソフトウェアの開発等を行っております。近年は、人工知能や機械学習・深層学習といった新しいキーワードとともに国内外で技術革新が進んでおり、当社グループの技術部門においても、これら最先端の技術を研究し自社サービスに取り入れるための活動を行っております。
なお、当連結会計年度における研究開発費として5,048千円計上しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、連結会計年度末日における資産および負債の数値、連結会計期間に係る収益および費用に影響を及ぼすような仮定や見積もりを必要とします。これらの仮定や見積もりについては不確実性が存在するため、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、〔第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)〕に記載のとおりであります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、1,833,354千円となり、前連結会計年度末に比べ122,822千円減少しました。
流動資産の残高は、1,203,295千円となり、前連結会計年度末に比べ10,285千円減少しました。これは主に受取手形及び売掛金の増加46,548千円、仕掛品の増加24,489千円、繰延税金資産の増加15,640千円、前払費用の増加10,081千円があった一方で、現金及び預金の減少108,097千円によるものであります。また、固定資産の残高は630,058千円となり、前連結会計年度末に比べ112,536千円減少しました。これは主に無形固定資産の減少67,281千円、有形固定資産の減少35,837千円、投資その他の資産の減少9,417千円によるものであります。
負債合計は、581,465千円となり、前連結会計年度末に比べ232,012千円減少しました。
流動負債の残高は、491,084千円となり、前連結会計年度末に比べ38,674千円増加しました。これは主に未払法人税等の増加81,864千円、未払金の増加60,896千円、前受収益の増加24,031千円があった一方で、1年内返済予定の長期借入金の減少66,853千円、買掛金の減少53,415千円によるものであります。また、固定負債の残高は90,381千円となり、前連結会計年度末に比べ270,687千円減少しました。これは主に長期借入金の減少261,000千円によるものであります。
純資産合計は、1,251,888千円となり、前連結会計年度末に比べ109,190千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加110,074千円によるものであります。この結果、自己資本比率は68.0%となりました。
(3)経営成績の分析
〔第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績〕をご参照ください。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
〔第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー〕をご参照ください。