第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、生産・サービス活動の回復とともに、堅調な雇用・所得情勢による個人消費の底堅さなどから、緩やかに回復しております。世界経済の回復や円安の影響により企業収益が改善していることから、設備投資も緩やかに回復しており、国内のITサービス市場は堅調な成長を続けております。

このような中、当社グループは前期(平成28年6月期)および当連結会計年度(平成29年6月期)の2年間を中期経営計画における投資フェーズと位置付け、「今後の収益基盤となるサービスモデルの開発」と「積極的な人材採用」を進めてまいりました。

当連結会計年度において、売上高は、期初よりプロジェクトが開始された3事業横断型の大型案件の納品などにより順調に推移し、3事業揃って売上高11億円超を達成し、前期比21.7%の増収となりました。一方、利益面においては、来期以降の事業拡大に向けて全社的に人材の積極採用を推進したため、中途採用者の人件費および人材採用費等の増加により利益率が低下しており、営業利益、経常利益は前期を下回りました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、過年度に計上した関係会社株式評価損等が税務上損金算入されたことから税金費用が減少したため、前期を上回りました。

この結果、当連結会計年度の売上高は3,528,047千円(前期比21.7%増)、営業利益は148,023千円(前期比30.5%減)、経常利益は143,529千円(前期比37.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は150,721千円(前期比43.0%増)となりました。

 

当連結会計年度における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

①アナリティクス事業

アナリティクス事業は、顧客企業の有する大量データに関するコンサルティングおよびデータマイニング(注1)の実行、ならびにデータに基づく企業行動の最適化支援を行っております。

当連結会計年度においては、案件の大型化が進むとともに、1年間を通じて計画的な案件受注と人員配置により生産性を維持し、特に第3四半期・第4四半期は連続して3億円超の売上高を達成し、前年同期比30.2%増の大幅な増収となりました。

また、昨今のAI(人工知能)に対する興味・関心の高まりに対しては、「機械学習/ディープラーニング(注2)活用サービス」の提供を開始し、キユーピー株式会社の食品製造ラインにおける画像解析を用いた不良品検知の事例が広くメディアに取り上げられるなど、複数のビジネス適用事例の創出に成功いたしました。

一方、積極的な人材採用や、イベント出展などのマーケティング活動を強化したため、売上高の伸びに対して利益の伸びは限定的となっておりますが、組織体制の整備が進んだことにより、次期以降、組織規模の拡大に応じて売上規模を拡大できる準備が整いました。

この結果、売上高は1,126,895千円(前期比30.2%増)、セグメント利益は358,571千円(前期比12.3%増)となりました。

 

②ソリューション事業

ソリューション事業は、顧客企業に対して、データ蓄積、分析および分析結果に基づく施策実行に必要なソフトウェアの選定および提供ならびにシステム開発および運用を行っております。

当連結会計年度においては、前述の3事業横断型の大型案件に付随して、当事業が取り扱うソフトウェアの納品や大型の受託開発が進んだことを主因とし、売上高は前年同期比34.5%増の大幅な増収となりました。

一方、3事業の中で最も積極的な人材採用を進めた結果、前期末には29名であった従業員数が当連結会計年度末には42名に増加し、人件費および人材採用費が大きく増加したことから、利益面は、前期に比べて減少いたしました。

この結果、売上高は1,208,977千円(前期比34.5%増)、セグメント利益は155,133千円(前期比13.7%減)となりました。

 

③マーケティングプラットフォーム事業

マーケティングプラットフォーム事業は、主にデジタルマーケティング領域において、当社が着目したデータ分析系のアルゴリズムから独自性の強いソフトウェアを自社開発し、SaaS(注3)型サービスを中心とした顧客企業への提供と、その保守業務等を行っております。

当連結会計年度においては、一部の大型案件の規模縮小や、受託開発案件の減少を、DMP(注4)市場シェアNo.1製品(注5)である「Rtoaster※」の新規案件の積み重ねや、連結子会社Mynd(マインド)株式会社の自然言語処理技術を付加した新機能の拡販などで補い、第3四半期・第4四半期は連続で過去最高となる3億円超の売上高を達成いたしました。

一方、利益面は、高利益率であった大型案件が縮小したことによる影響に加え、人材採用による人件費および人材採用費の増加のため、前期に比べて減少いたしました。

この結果、売上高は1,193,124千円(前期比5.1%増)、セグメント利益は264,580千円(前期比29.2%減)となりました。

 

※Rtoaster(アールトースター):レコメンドエンジン搭載プライベートDMP

 

(注1)データマイニングとは、企業や社会に大量に蓄積されるデータを解析し、その中に潜む重要なパターンや法則性を抽出すること。

(注2)機械学習とは、人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術・手法のこと。機械学習アルゴリズムを用いることでデータからコンピュータが反復的に学習し、そこに潜んでいる規則やルール、パターンを見つけ出すことができる。人工知能を実現するための要素技術の一つ。

ディープラーニング(深層学習)とは、画像認識分野などで実用化が進む、人工知能を実現する機械学習の手法の一種。人間の脳を模したニューラルネットワークの仕組みを活用したもの。

(注3)SaaSとは、「Software as a Service」の略。アプリケーションソフトの機能を、インターネットを通じて顧客に提供すること。

(注4)DMPとは「Data Management Platform」の略で、企業が様々なデータを集約し活用するために構築する基盤のこと。

(注5)株式会社アイ・ティ・アールが発行する市場調査レポート「ITR Market View:マーケティング管理市場2016」「同2017」において、2年連続で、DMP市場におけるベンダー別売上高およびシェアで1位(2014年度実績、2015年度実績、2016年度予測)を獲得。また、「同2017」において、プライベードDMP市場におけるベンダー別シェアは56.4%(2015年度実績)という圧倒的シェアを獲得。

 

(参考)セグメント別の売上高の前連結会計年度との単純比較

 

前連結会計年度

(平成28年6月期)

当連結会計年度

(平成29年6月期)

対前年増減率

アナリティクス事業

865,447千円

1,126,895千円

30.2%

ソリューション事業

898,712千円

1,208,977千円

34.5%

マーケティングプラットフォーム事業

1,135,276千円

1,193,124千円

5.1%

調整額

-千円

△950千円

2,899,437千円

3,528,047千円

21.7%

(注)売上高にはセグメント間の取引を含みます。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は702,627千円(前年同期比19.4%増)となりました。

 各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、283,801千円(前年同期比33.8%減)となりました。これは主に減価償却費223,754千円、税金等調整前当期純利益171,318千円、前受収益の増加40,486千円、のれん償却額22,195千円が計上された一方で、法人税等の支払額135,369千円、未払金の減少40,798千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、141,742千円(前年同期比31.7%減)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出102,936千円、有形固定資産の取得による支出50,417千円、敷金及び保証金の差入による支出44,637千円が計上された一方で、関係会社の整理による収入29,682千円、事業譲渡による収入26,500千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、28,203千円(前年同期比91.3%減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出30,000千円があったことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループ(当社および連結子会社、以下同じ。)は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(2)受注状況

 当社グループは、概ね受注から納品までの期間が短いため記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年 7月 1日

至 平成29年 6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

アナリティクス事業

1,126,895

30.2

ソリューション事業

1,208,977

34.5

マーケティングプラットフォーム事業

1,193,124

5.1

調整額

△950

合計

3,528,047

21.7

(注)1 売上高にはセグメント間の取引を含みます。

2 主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合がいずれも10%未満であるため記載を省略しております。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

政府が成長戦略として掲げる「第4次産業革命」の推進において、ビッグデータやAI(人工知能)、IoT(注1)の活用が重点施策として謳われるように、データ活用関連ビジネスを取り巻く市場は成長が期待されております。

このような中、当社グループは、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来を創る」という企業理念のもと、中長期的に目指す姿を「Analytics Innovation Company(アナリティクスとエンジニアリングを駆使した革新的かつ実践的なソリューションで最高の価値を提供する)」とし、現在、平成31年6月期を最終年度とする中期経営計画(平成28年6月期~平成31年6月期、最終年度に連結売上高60億円、連結経常利益10億円を目標)を推進してまいりました。

当連結会計年度末にて当該計画の前半2年間を終了いたしましたが、成長のベースとなる社員の増員ペースおよび売上高(特にストック型売上高、注2)の増加ペースに7~9ヶ月の遅れが生じているため、最終年度における数値見通しを、連結売上高50億円、連結経常利益7億円としております。

中期経営計画の進捗に遅れはあるものの、その主因は増員ペースの遅れなどの内部要因であり、事業環境そのものは追い風が吹いている状況に変わりはないため、今後もこれまで同様に、「顧客企業のビジネスをデータを活用して革新するような長期案件・大型案件を拡大・獲得すること」を主軸として推進してまいります。

 

(注1)IoT(アイオーティ)とは、「Internet of Things」の略。日本語では「モノのインターネット」と訳され、あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、モニタリングやコントロールを可能にするといった概念・コンセプトのこと。

(注2)ストック型とは、顧客数に応じて比例的かつ継続的に安定収益を得られるビジネスのこと。

 

上記の方針に基づくセグメント別の対処すべき課題は、次のとおりです。

 

(アナリティクス事業)

近年、業種や企業規模を問わずデータ活用により経営課題を解決したいと考える企業が増大し、当事業を取り巻く市場は拡大を続けております。加えて、昨今のAIブームがその傾向に拍車をかけており、AIというキーワードを用いたサービスを立ち上げる企業も多数見られるようになってきています。

このような中、当事業は、創業来の強みであるマーケティングアナリティクス領域の成長はもちろんのこと、これに加えてAI活用領域およびデータ活用人材の育成領域の拡大に取り組んでまいります。

当事業におけるAI活用は、国内外のプラットフォーマー(注3)のように新たなAI技術そのものを開発するのではなく、既に利用可能なレベルのAI技術をビジネスに実装していこうという取り組みであり、AI技術と各企業のビジネスを繋ぐ着想と、その実装が可能な点が他社にはない強みです。既に当連結会計年度において、機械学習や深層学習のビジネス活用に成功した実事例を複数発表(注4)しており、次期以降は、業界のAI関連プレイヤーの中での当事業の強み・立ち位置を明確にしながら、これらの先行事例を活かした横展開やサービスパッケージの開発により、事業を拡大していくことが課題となります。

また、企業内でデータ活用を推進する際のキーパーソンとなるデータサイエンティスト(注5)の数が国内に不足していることを背景に、業界随一のデータサイエンティスト組織を有する当事業へのデータ活用・分析案件の引き合いが増加すると同時に、企業内の人材をデータサイエンティストに育成したいという要望も多く寄せられるようになっています。当事業は、この人材育成需要に応えるべく、2013年に開発・提供を開始した「ブレインパッド教育講座」の一層の拡販を推進する組織体制を整え、事業拡大に注力してまいります。

 

(注3)Google、Microsoft、Amazonなど。

(注4)ドローンによる空撮された画像の解析(2016年9月2日発表、エアロセンス株式会社への導入事例)、食品製造ラインにおける画像解析を用いた不良品検知(2016年10月25日発表、キユーピー株式会社への導入事例)、河川の護岸コンクリート画像の解析による劣化検知(2017年6月6日、八千代エンジニヤリング株式会社への導入事例)など。

(注5)データサイエンティストとは、ビッグデータを分析・活用することで、データからビジネス価値を引き出す専門人材のこと。

 

(ソリューション事業)

国内のITソフトウェア市場は、クラウド上で提供されるSaaS型、PaaS型(注6)サービスをはじめとして多種多様な製品が誕生し、市場規模の拡大が続いております。加えて、昨今では「RPA(ロボットによる業務自動化、注7)」への注目も非常に高まっております。

このような中、当事業は、ソフトウェアのライセンス仕入・販売ビジネスと、RPAの組み込みを含むデータ活用プラットフォームの構築(SI、注8)ビジネスの両軸を伸ばしていくために、当連結会計年度に従業員数が約1.4倍となる大きな人材投資を行いました。次期以降は、この人員増を売上・収益の拡大に繋げていくことが最重要課題となります。

ソフトウェアのライセンス仕入・販売ビジネスにおいては、よりレバレッジの利いた利益拡大が課題となります。まず、これまで当事業の成長を牽引してきた「SAP® Predictive Analytics※」を中心に、SAPジャパン株式会社とのパートナー関係をさらに強化し、その製品提供範囲を「SAP HANA®※」「SAP® IQ※」まで拡大することで、案件の大型化を実現してまいります。また、激戦区であるMA(注9)ツール領域においては、業界内の認知度が高まってきた「Probance※」の拡販に引き続き取り組んでまいります。

一方、データ活用プラットフォームの構築支援ビジネスにおいては、注目度の高いRPA領域への事業拡大に加え、他の2事業から派生するSI案件を取り込むことで、事業間のシナジー創出に取り組んでまいります。

 

※SAP® Predictive Analytics(エスエーピー・プレディクティブ・アナリティクス)

 :ビッグデータ対応 機械学習・予測分析システム

※SAP HANA®(エスエーピー・ハナ):インメモリコンピューティング

※SAP® IQ(エスエーピー・アイキュー):ビッグデータ・ウェアハウス

※Probance(プロバンス):マーケティングオートメーションプラットフォーム

 

(注6)PaaSとは、「Platform as a Service」の略。アプリケーションソフトが稼働するためのハードウェアやOSなどの基盤を、インターネットを通じて顧客に提供すること。

(注7)RPAとは、「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略。AIやロボットを活用した業務自動化の取り組みのこと。

(注8)SIとは「システムインテグレーション」の略。顧客の要望する情報システムを構築する請負サービスのこと。

(注9)MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動の運用プロセスの自動化を支援するシステムの総称。

 

(マーケティングプラットフォーム事業)

国内のデジタルマーケティング(注10)市場は、国内EC市場の拡大やスマートデバイスの普及とともに急拡大しており、海外ベンダーや国内ITベンチャー企業の参入により、多種多様な製品が誕生し、市場が複雑化・混沌化する状況が続いております。また、小売・通販業界をはじめとするデジタルマーケティングの先進企業に加えて、中堅企業や保守的な企業向けの市場の活性化が想定されます。

このような中、当事業が開発・提供するDMP市場No.1製品「Rtoaster」については、ここ数年発生していた大型案件の規模縮小による減収の影響がなくなり、契約数の増加がそのままストック型売上高の増加につながるようになります。当連結会計年度に拡充・構築した組織体制を活かして新規契約の獲得と既存契約の維持に努めるとともに、製品そのものの競争力を維持・向上させるための改善にも注力してまいります。

また、新たな自社開発製品の開発を進め、「Rtoaster」に続く収益基盤の創出にチャレンジすることも、重要課題の一つとして取り組んでまいります。

 

(注10)デジタルマーケティングとは、デジタルメディア・デジタルデバイスを駆使したマーケティング活動全般のこと。Webサイトを中心に置くWebマーケティングよりも広範な概念であり、Webサイト、ソーシャルメディア、モバイルアプリ、電子メールなど、多種多様なチャネルを組み合わせ、最適なマーケティング成果を獲得するための活動のこと。

 

最後に、企業におけるデータ活用ニーズの高まりにより、当社グループに寄せられる営業案件の中には、顧客企業の経営全体や事業全体に関わるデータ活用がテーマとなったものも数多く含まれるようになってきています。このような需要を取り込んでいくうえでは、今後は大手コンサルティング会社や大手SIerの提案領域と重なることも想定し、当社グループの各種サービスを組み合わせた総合提案を行う専門部署を設立いたしました。次期以降はこの部署を中心として、企業の経営層向けに、コンサルテーションから分析設計、ツール導入、運用までを一貫して提案するような大型案件を創出することで、収益の成長スピードを一段と増していく方針です。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。

 

(1)事業内容および法的規制に係わるリスクについて

①市場と競合について

自社開発製品である「Rtoaster」をはじめとする当社グループ開発のSaaS型サービスについては、類似のサービスを提供している会社が存在するため、これらの会社が当社グループと同様のサービスを開発・販売した場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

アナリティクス事業については、顧客企業の有する大量データに関するコンサルティング業務およびデータマイニング業務が一般的となって市場が拡大した場合、中長期的には競合会社の新規参入や既存のデータ分析会社との競争激化等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該市場の今後の成長性や展望を正確に予測することは困難でありますが、市場拡大が当社見込みと異なった推移となる場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

②当社サービスの効果について

当社グループは、顧客の属性や行動予測の算出や、マーケティング上の合理的な施策を顧客に提供することにより直接的・間接的に企業の収益に貢献するビジネスを行っております。算出した予測や施策については、社内で慎重に検証したうえで顧客に提供しておりますが、仮に提供した予測や施策に技術的な誤りが存在した場合や、予測施策の実行の結果、顧客に著しい損害を与えた場合は、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、業績に影響が生じる可能性があります。

 

③情報の保護について

当社グループは、業務上、顧客より提供された機密情報を取り扱う場合があるため、顧客と業務委託契約を締結し、情報管理責任者より権限を付与された担当者のみがデータにアクセスできるようにするなど、情報漏えいの防止に努めております。加えて、マーケティングプラットフォーム事業における「webレコメンデーションならびに広告配信技術、データ分析技術を利用したSaaSサービスの提供」の範囲において、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格であるISO27001の認証を取得しております。

また、個人情報を取り扱う場合もあることから、個人情報の適切な取得、管理、運用を行うことを目的として、一般財団法人 日本情報経済社会推進協会の運用するプライバシーマーク制度を取得しております。

しかしながら、何らかの理由で顧客の機密情報や個人情報が外部に流出した場合、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、業績に影響が生じる可能性があります。

 

④プロジェクトの検収時期の変動あるいは赤字化による業績変動の可能性について

当社グループでは、顧客の検収に基づき売上高を計上しております。そのため、当社グループはプロジェクト毎の進捗を管理し、計画どおりに売上高および利益が計上できるように努めておりますが、プロジェクトの進捗如何では、納期が変更されることもあります。この結果、検収時期の変更により売上計上時期が変動し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

また、プロジェクトは、想定される工数を基に売上見積を作成し受注しております。そのため、当社グループは顧客との認識の齟齬や想定工数の乖離が生じることがないよう、慎重に工数の算定をしております。しかしながら、業務の大半が顧客企業から受領するデータの内容に依存することから、工数の見積もり時に想定されなかった不測の事態等の発生により、工数が増加し、プロジェクトの収支が悪化する場合があり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

⑤システム開発について

当社グループは、様々なデータ解析技術を用いてシステムおよびソフトウェアの開発を行っております。当社の開発した製品に不具合が生じた場合や、開発が予定どおりに進まなかったこと等の理由により、利用者が損害を被った場合は、損害賠償の支払などにより、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

⑥システム障害について

当社グループはインターネットを利用した事業を行っておりますが、天災、事故、不正アクセス等による通信ネットワークの切断などにより、システム障害が発生する可能性があります。当社グループではデータのバックアップ、データセンターへの分散配置などによりトラブルに対する万全の備えをしておりますが、システム障害が発生した場合は、一時的なサービス提供の停止等により、業績に影響が生じる可能性があります。

 

⑦知的財産について

当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性については、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、ロイヤリティの支払や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

(2)当社グループの事業体制に係わるリスクについて

①小規模組織であることについて

当社グループは、連結従業員数が219名(平成29年6月30日現在)であり、会社の規模が小さいため、社内体制も組織規模に応じたものになっております。今後も引き続き、事業の拡大に合わせ、積極的な人員増強、内部管理体制の充実を図る方針ですが、人材の獲得および管理体制の強化が順調に進まなかった場合には、適切かつ十分な組織的対応ができず、業務に影響が生じる可能性があります。

 

②人材確保・維持について

当社グループの事業は、業務の拡大に応じて、各分野における一定水準以上の専門スキルを有する人材を確保していくことが必要だと考えております。こうした人材の確保が計画どおりに進まない場合や、重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、結果、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

なお、事業規模の拡大に合わせて、人件費は増加する傾向が続くものと認識しておりますが、景気の変動等で急激に需要が縮小した場合は、結果として大きな損失を出す可能性があります。また、技術力を維持するため、人材の教育には時間と費用をかけて取り組んでおりますが、教育の効果が出ない可能性や教育費が固定費に占める割合が高まる可能性があり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

(3)その他

①配当政策について

 当社グループは、株主の皆様に対する利益配分を経営上の重要な課題の一つとして認識しており、将来的には配当による利益還元を実施したいと考えております。しかしながら、現在当社グループは、成長過程にあると認識しており、事業上獲得した資金については中長期的な事業成長に向けた新規投資に充当したいと考えており、当期および次期において配当は実施いたしません。

 

②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社グループは、主に当社役員および従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。本有価証券報告書提出日の前月末現在、新株予約権による潜在株式数は702,800株であり、同日時点の発行済株式総数6,760,572株の10.4%に相当しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、データを活用して経営を改善したいと考える顧客企業のニーズに対応するべく、最新のデータマイニング技術の研究や、独自の分析アルゴリズムを用いたソフトウェアの開発等を行っております。近年は、人工知能や機械学習・深層学習といった新しいキーワードとともに国内外で技術革新が進んでおり、当社グループの技術部門においても、これら最先端の技術を研究し自社サービスに取り入れるための活動を行っております。

なお、当連結会計年度における研究開発費として173千円計上しております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針および見積もり

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表の作成に当たりまして、連結会計年度末日における資産および負債の数値、連結会計期間に係る収益および費用に影響を及ぼすような仮定や見積もりを必要とします。これらの仮定や見積もりについては不確実性が存在するため、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。

 当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、〔第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)〕に記載のとおりであります。

 

(2)財政状態の分析

 当連結会計年度末における資産合計は、1,898,809千円となり、前連結会計年度末に比べ65,455千円増加しました。

 流動資産の残高は、1,331,302千円となり、前連結会計年度末に比べ128,006千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加113,955千円、未収還付法人税等の増加42,687千円があった一方で、繰延税金資産の減少13,911千円、仕掛品の減少8,455千円によるものであります。また、固定資産の残高は567,506千円となり、前連結会計年度末に比べ62,551千円減少しました。これは主に有形固定資産の増加23,135千円、投資その他の資産の増加17,273千円があった一方で、無形固定資産の減少102,960千円によるものであります。

 負債合計は、496,803千円となり、前連結会計年度末に比べ84,661千円減少しました。

 流動負債の残高は、420,848千円となり、前連結会計年度末に比べ70,235千円減少しました。これは主に前受収益の増加40,486千円、流動負債その他の増加12,431千円、未払費用の増加9,342千円があった一方で、未払法人税等の減少87,510千円、未払金の減少45,127千円によるものであります。また、固定負債の残高は75,955千円となり、前連結会計年度末に比べ14,426千円減少しました。これは主に資産除去債務の増加20,851千円があった一方で、長期借入金の減少30,000千円によるものであります。

 純資産合計は、1,402,005千円となり、前連結会計年度末に比べ150,116千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加150,661千円によるものであります。この結果、自己資本比率は73.6%となりました。

 

(3)経営成績の分析

〔第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績〕をご参照ください。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

〔第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー〕をご参照ください。