第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

政府が成長戦略として掲げる「第4次産業革命」の推進において、ビッグデータやAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)の活用が重点施策として謳われるように、データ活用関連ビジネスを取り巻く市場は成長が期待されております。

このような中、当社グループは、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」という企業理念のもと、中長期的に目指す姿を「Analytics Innovation Company(アナリティクスとエンジニアリングを駆使した革新的かつ実践的なソリューションで最高の価値を提供する)」とし、現在、平成31年6月期を最終年度とする中期経営計画(平成28年6月期~平成31年6月期)を推進しております。

当連結会計年度において中期経営計画で掲げた方針通りに事業規模が拡大し始めていることに加え、専門企業の力を使ってデータ活用を推進したいと考える企業のニーズが拡大しているという外部環境もふまえ、次期においても引き続き規模の拡大を推進してまいります。

 

当社グループの3事業ともに、さらなる事業規模の拡大には組織規模(従業員数)の拡大が必須となります。しかし、当社が求めるデータ活用人材は日本国内で大いに不足しているため、採用競争は一段と激しさを増し、職種によっては給与水準の高騰も見られます。そのため、当社グループが組織規模を維持・拡大していくには、次期以降における給与水準の見直しや、社員にとって働きがいのある職場環境の構築が重要な経営課題であると認識しており、目標とする利益水準との兼ね合いを見ながら対処をしてまいります。

 

事業別の対処すべき課題は、次のとおりです。

 

(アナリティクス事業)

昨今のAIブームにより企業のデータ活用意欲は高まり続けている一方で、自社内では高度な分析知識を持つ人材の確保が一層困難となってきているため、当事業を取り巻く市場は、3事業の中で最も力強く伸びていくものと思われます。

当事業が今後も市場の伸びに引けを取らない成長を実現するためには、組織規模(従業員数)の拡大が重要課題となり、次期においても積極的な採用活動と既存社員の戦力化に向けた育成を進めてまいります。同時に、案件の長期化・大型化を推進するために、3事業のサービス・製品をフル活用した戦略的な総合提案を加速してまいります。

また、AI関連市場においては、適用領域や業界に特化したサービス、ツール群が続々と発表されておりますが、当事業においては、顧客ごとの経営課題に応じてカスタマイズ型の提案・課題解決ができる強みを活かし、幅広い業種からの大型プロジェクトの受注を進めてまいります。

加えて、企業内でデータ活用人材を教育・育成したいという需要は高まり続けており、当社の提供する「データ活用人材育成サービス」による安定的な収益確保にも努めてまいります。

 

(ソリューション事業)

アナリティクス事業を取り巻く市場が拡大を続けているのと同様に、ソリューション事業が展開するデータ分析環境のシステムインテグレーションサービスや、データの加工・分析・可視化等を自動化するソフトウェアに対する需要も好調に推移しております。加えて、これらソフトウェアを使いこなすための人材が企業内に不足していることを主因とし、分析支援やソフトウェアの運用支援業務に対する需要も大きく拡大しております。

当事業においても、これらの需要を取り込んでさらなる成長を目指すために、組織規模(従業員数)の拡大を重要課題とし、次期においても積極的な採用活動と既存社員の戦力化に向けた育成を進めてまいります。

また、RPA(注)に対する急激な需要の高まりに対応するため、当社が2014年から提供しているRPAツール「ブレインロボ(BrainRobo)」に関する体制を強化し、当事業の主要プロダクトの1つに成長させるべく販促活動を行ってまいります。

 

(注)RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション、Robotic Process Automation)とは、認知技術(ルールエンジン・機械学習・人工知能等)を活用した、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取り組みのこと。

(マーケティングプラットフォーム事業)

国内のデジタルマーケティング市場、インターネット広告市場は、海外製・国内製を問わず、また、豊富な機能を有する高価格帯のツールから単一機能に特化した低価格帯のツールまで、多種多様なツールの乱立が続いております。

このような混沌とする市場において新規顧客を獲得していくために、当事業は、主力製品「Rtoaster」が国内製の完成された製品として多機能かつ高精度なパーソナライズができる点、DMP市場No.1製品であるというネームバリューと豊富な導入成功実績があるという点を活かした販促活動を展開してまいります。また、デジタルマーケティングコンサルタントによる運用支援や、「Rtoaster」以外の製品を組み合わせた複合提案を推進することで、企業内での当社製品の活用度合いや定着率を一層高めてまいります。

また、DMP領域に続く新たな収益基盤づくりへのチャレンジとして、運用型広告の業務効率化やインハウス化を支援するサービスラインナップを揃えていくための、製品開発投資、新製品立ち上げのための販促投資にも注力してまいります。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。

 

(1)事業内容および法的規制に係わるリスクについて

①市場と競合について

自社開発製品である「Rtoaster」をはじめとする当社グループ開発のSaaS型サービスについては、類似のサービスを提供している会社が存在するため、これらの会社が当社グループと同様のサービスを開発・販売した場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

アナリティクス事業については、顧客企業の有する大量データに関するコンサルティング業務およびデータマイニング業務が一般的となって市場が拡大した場合、中長期的には競合会社の新規参入や既存のデータ分析会社との競争激化等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該市場の今後の成長性や展望を正確に予測することは困難でありますが、市場拡大が当社見込みと異なった推移となる場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

②当社サービスの効果について

当社グループは、顧客の属性や行動予測の算出や、マーケティング上の合理的な施策を顧客に提供することにより直接的・間接的に企業の収益に貢献するビジネスを行っております。算出した予測や施策については、社内で慎重に検証したうえで顧客に提供しておりますが、仮に提供した予測や施策に技術的な誤りが存在した場合や、予測施策の実行の結果、顧客に著しい損害を与えた場合は、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、業績に影響が生じる可能性があります。

 

③情報の保護について

当社グループは、業務上、顧客より提供された機密情報を取り扱う場合があるため、顧客と業務委託契約を締結し、情報管理責任者より権限を付与された担当者のみがデータにアクセスできるようにするなど、情報漏えいの防止に努めております。加えて、マーケティングプラットフォーム事業における「webレコメンデーションならびに広告配信技術、データ分析技術を利用したSaaSサービスの提供」の範囲において、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格であるISO27001の認証を取得しております。

また、個人情報を取り扱う場合もあることから、個人情報の適切な取得、管理、運用を行うことを目的として、一般財団法人 日本情報経済社会推進協会の運用するプライバシーマーク制度を取得しております。

しかしながら、何らかの理由で顧客の機密情報や個人情報が外部に流出した場合、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、業績に影響が生じる可能性があります。

 

④プロジェクトの検収時期の変動あるいは赤字化による業績変動の可能性について

当社グループでは、顧客の検収に基づき売上高を計上しております。そのため、当社グループはプロジェクト毎の進捗を管理し、計画どおりに売上高および利益が計上できるように努めておりますが、プロジェクトの進捗如何では、納期が変更されることもあります。この結果、検収時期の変更により売上計上時期が変動し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

また、プロジェクトは、想定される工数を基に売上見積を作成し受注しております。そのため、当社グループは顧客との認識の齟齬や想定工数の乖離が生じることがないよう、慎重に工数の算定をしております。しかしながら、業務の大半が顧客企業から受領するデータの内容に依存することから、工数の見積もり時に想定されなかった不測の事態等の発生により、工数が増加し、プロジェクトの収支が悪化する場合があり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

⑤システム開発について

当社グループは、様々なデータ解析技術を用いてシステムおよびソフトウェアの開発を行っております。当社の開発した製品に不具合が生じた場合や、開発が予定どおりに進まなかったこと等の理由により、利用者が損害を被った場合は、損害賠償の支払などにより、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

⑥システム障害について

当社グループはインターネットを利用した事業を行っておりますが、天災、事故、不正アクセス等による通信ネットワークの切断などにより、システム障害が発生する可能性があります。当社グループではデータのバックアップ、データセンターへの分散配置などによりトラブルに対する万全の備えをしておりますが、システム障害が発生した場合は、一時的なサービス提供の停止等により、業績に影響が生じる可能性があります。

 

⑦知的財産について

当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性については、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、ロイヤリティの支払や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

(2)当社グループの事業体制に係わるリスクについて

①小規模組織であることについて

当社グループは、連結従業員数が263名(平成30年6月30日現在)であり、会社の規模が小さいため、社内体制も組織規模に応じたものになっております。今後も引き続き、事業の拡大に合わせ、積極的な人員増強、内部管理体制の充実を図る方針ですが、人材の獲得および管理体制の強化が順調に進まなかった場合には、適切かつ十分な組織的対応ができず、業務に影響が生じる可能性があります。

 

②人材確保・維持について

当社グループの事業は、業務の拡大に応じて、各分野における一定水準以上の専門スキルを有する人材を確保していくことが必要だと考えております。こうした人材の確保が計画どおりに進まない場合や、重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、結果、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

なお、事業規模の拡大に合わせて、人件費は増加する傾向が続くものと認識しておりますが、景気の変動等で急激に需要が縮小した場合は、結果として大きな損失を出す可能性があります。また、技術力を維持するため、人材の教育には時間と費用をかけて取り組んでおりますが、教育の効果が出ない可能性や教育費が固定費に占める割合が高まる可能性があり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

(3)その他

①配当政策について

 当社グループは、株主の皆様に対する利益配分を経営上の重要な課題の一つとして認識しており、将来的には配当による利益還元を実施したいと考えております。しかしながら、現在当社グループは、成長過程にあると認識しており、事業上獲得した資金については中長期的な事業成長に向けた新規投資に充当したいと考えており、当期および次期において配当は実施いたしません。

 

②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社グループは、主に当社役員および従業員に対するインセンティブを目的として、条件付発行可能潜在株式として取り扱われる新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が将来的に所定の条件を満たし、権利行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。本有価証券報告書提出日の前月末現在、新株予約権が行使可能となるための所定の条件は満たされておらず、希薄化効果は発現しておりませんが、新株予約権による潜在株式数は672,800株であり、同日時点の発行済株式総数6,760,572株の10.0%に相当しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出、生産活動の緩やかな回復に加えて、堅調な雇用・所得情勢を背景とした個人消費の回復が起点となり、緩やかに持ち直しております。また、企業収益が安定的に推移する中で企業の設備投資意欲は底堅く、国内のITサービス市場は堅調な成長を続けております。

このような中、当社グループにとっての当連結会計年度は、現在推進中の中期経営計画(平成28年6月期~平成31年6月期。平成29年8月時点では、最終年度に連結売上高50億円、連結経常利益7億円の見通し)の後半2年間への折り返しとなる1年でした。当社グループは、当連結会計年度を成長フェーズが始まる1年目と位置付け、人材採用・育成への投資は継続する一方で、市場の拡大に引けをとらない売上成長と確実な利益確保に取り組み、その方針通りに事業規模の拡大が進んだ1年となりました。

当連結会計年度において、売上高は、3事業ともに前期までに採用した人員の戦力化が進み、前期比22.8%増の成長となりました。利益面も、売上高に追随して伸長しているほか、案件の大型化・長期化および効率的なプロジェクト管理により案件利益率が高まる傾向が続いており、前期に比べ大きく増加しております。

この結果、当連結会計年度の売上高は4,331,758千円(前期比22.8%増)、営業利益は584,828千円(前期比295.1%増)、経常利益は596,443千円(前期比315.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は406,823千円(前期比169.9%増)となりました。

 

当連結会計年度における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

a.アナリティクス事業

アナリティクス事業は、顧客企業の有する大量データに関するコンサルティングおよびデータマイニング(注1)の実行、ならびにデータに基づく企業行動の最適化支援を行っております。

当連結会計年度においては、国内企業におけるデータ活用に対する需要は高まり続け、当社グループに寄せられる営業案件についても、顧客企業の経営全体や事業全体に関わるテーマが増加いたしました。これにより当事業が実施するプロジェクトの大型化・長期化が一段と進み、売上高が大きく成長しました。加えて、利益面は、効率的なプロジェクト管理により案件利益率が向上し、前期に比べ大幅な増益となりました。

また、昨今のAIブームを受け、AIを活用して経営改善したいと考える企業の需要に一層応えることを目的に、本年3月、AI活用の検討ステージごとに当社による支援内容を体系化した新サービスプラン「+AI(プラスエーアイ)」を発表したほか、AIのビジネス活用事例を複数発表し反響を得ております。

この結果、売上高は1,599,845千円(前期比42.0%増)、セグメント利益は559,585千円(前期比56.1%増)となりました。

 

(注1)データマイニングとは、企業や社会に大量に蓄積されるデータを解析し、その中に潜む重要なパターンや法則性を抽出すること。

 

b.ソリューション事業

ソリューション事業は、顧客企業に対して、データ蓄積、分析および分析結果に基づく施策実行に必要なソフトウェアの選定および提供ならびにシステム開発および運用を行っております。

当連結会計年度において、売上高は、ストック型(注2)である「Probance※」「Crimson Hexagon※」などのライセンス販売に加え、データ分析環境構築に伴う開発案件、主力製品である「SAP® Predictive Analytics※」を活用した分析支援案件の受注が積み重なり、好調に推移いたしました。さらに、利益面は、売上伸長による増益に加え、当社が販売したソフトウェアライセンスに関する運用支援案件が増加したことにより案件利益率が改善し、前期に比べ大幅な増益となりました。

この結果、売上高は1,407,165千円(前期比16.4%増)、セグメント利益は301,165千円(前期比94.1%増)となりました。

 

※Probance(プロバンス):

市場が拡大しているマーケティングオートメーション(マーケティング活動の運用プロセスの自動化を支援するシステム)領域の製品。

 

※Crimson Hexagon ForSight™ Platform(クリムゾンヘキサゴン)

:Twitter、InstagramなどのSNSデータを多角的に分析できるソーシャルリスニング・プラットフォーム。

 

※SAP® Predictive Analytics(エスエーピー・プレディクティブ・アナリティクス)

:データマイニングを自動化し、圧倒的な効率化を可能にした機械学習・予測分析システム。

 

(注2)ストック型とは、顧客数に応じて比例的に安定収益を得られるビジネスのこと。

 

c.マーケティングプラットフォーム事業

マーケティングプラットフォーム事業は、主にデジタルマーケティング領域において、当社が着目したデータ分析系のアルゴリズムから独自性の強いソフトウェアを自社開発し、SaaS(注3)型サービスを中心とした顧客企業への提供と、その保守業務等を行っております。

当連結会計年度において、売上高は、DMP(注4)市場シェアNo.1製品(注5)である「Rtoaster※」のストック型売上高が好調に推移し、4四半期連続で3億円超の売上高を達成いたしました。さらに、利益面は、売上伸長による増益に加え、ストック売上高の増加に伴う利益率の改善により、前期に比べ増益となりました。

また、本年3月には、「Rtoaster」の4年ぶりとなるメジャーバージョンアップを実施し、企業のマーケティング担当者がより簡単に、マーケティング施策の立案から成果創出までのPDCAを容易に一元管理・実行できる新機能を拡充しております。加えて、企業の運用型広告(注6)の担当者向けの新サービス・ツールを開発・発表し、DMP領域に続く収益基盤づくりにも取り組み始めております。

この結果、売上高は1,324,747千円(前期比11.0%増)、セグメント利益は322,471千円(前期比21.9%増)となりました。

 

※Rtoaster(アールトースター):レコメンドエンジン搭載プライベートDMP

 

(注3)SaaSとは、「Software as a Service」の略。アプリケーションソフトの機能を、インターネットを通じて顧客に提供すること。

(注4)DMPとは「Data Management Platform」の略で、企業が様々なデータを集約し活用するために構築する基盤のこと。

(注5)株式会社アイ・ティ・アールが発行する市場調査レポート「ITRMarket View:メール/Webマーケティング市場2018」「ITRMarket View:マーケティング管理市場2017」において、3年連続で、DMP市場におけるベンダー別売上高およびシェアで1位(2014年度、2015年度、2016年度)を獲得。加えて、同社にて2015年度から調査が開始されたプライベートDMP市場のベンダー別売上金額シェアにおいても、2年連続で1位(2015年度、2016年度)を獲得いたしました。

(注6)運用型広告とは、特定の広告枠を固定的に購入するのではなく、アドテクノロジーを活用して、広告枠、入札額、ターゲット、クリエイティブ(制作物)などを変動させながら出稿方法を最適化するインターネット広告のこと。

 

(参考)セグメント別の売上高の前連結会計年度との単純比較

 

前連結会計年度

(平成29年6月期)

当連結会計年度

(平成30年6月期)

対前年増減率

アナリティクス事業

1,126,895千円

1,599,845千円

42.0%

ソリューション事業

1,208,977千円

1,407,165千円

16.4%

マーケティングプラットフォーム事業

1,193,124千円

1,324,747千円

11.0%

調整額

△950千円

-千円

3,528,047千円

4,331,758千円

22.8%

(注)売上高にはセグメント間の取引を含みます。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,266,963千円(前年同期比80.3%増)となりました。

各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、760,857千円(前年同期比168.1%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益597,097千円、減価償却費180,967千円、賞与引当金の増加51,609千円、未払金の増加49,303千円、法人税等の還付額43,254千円が計上された一方で、売上債権の増加258,562千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、151,475千円(前年同期比6.9%増)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出109,249千円、有形固定資産の取得による支出42,385千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、45,046千円(前年同期比59.7%増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出45,000千円があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループ(当社および連結子会社、以下同じ。)は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

当社グループは、概ね受注から納品までの期間が短いため記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年 7月 1日

至 平成30年 6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

アナリティクス事業

1,599,845

42.0

ソリューション事業

1,407,165

16.4

マーケティングプラットフォーム事業

1,324,747

11.0

調整額

合計

4,331,758

22.8

(注)1 売上高にはセグメント間の取引を含みます。

2 主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合がいずれも10%未満であるため記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成に当たりまして、連結会計年度末日における資産および負債の数値、連結会計期間に係る収益および費用に影響を及ぼすような仮定や見積もりを必要とします。これらの仮定や見積もりについては不確実性が存在するため、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、〔第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)〕に記載のとおりであります。

 

②財政状態の分析

当連結会計年度末における資産合計は、2,691,589千円となり、前連結会計年度末に比べ792,780千円増加しました。

流動資産の残高は、2,160,671千円となり、前連結会計年度末に比べ829,369千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加564,335千円、受取手形及び売掛金の増加258,562千円、繰延税金資産の増加35,378千円があった一方で、未収還付法人税等の減少42,687千円によるものであります。また、固定資産の残高は530,917千円となり、前連結会計年度末に比べ36,589千円減少しました。これは主に有形固定資産の増加1,668千円があった一方で、無形固定資産の減少39,534千円によるものであります。

当連結会計年度末における負債合計は、883,301千円となり、前連結会計年度末に比べ386,497千円増加しました。

流動負債の残高は、827,042千円となり、前連結会計年度末に比べ406,194千円増加しました。これは主に未払法人税等の増加265,909千円、未払金の増加55,424千円、賞与引当金の増加51,609千円、流動負債その他の増加44,626千円があった一方で、1年内返済予定の長期借入金の減少30,000千円によるものであります。また、固定負債の残高は56,259千円となり、前連結会計年度末に比べ19,696千円減少しました。これは主に長期借入金の減少15,000千円、固定負債その他の減少5,011千円によるものであります。

純資産合計は、1,808,287千円となり、前連結会計年度末に比べ406,282千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加406,823千円によるものであります。この結果、自己資本比率は67.0%となりました。

 

③当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、効率的な案件獲得と実行がなされるとともに、成長する市場での激しい採用競争における増員目標未達により人材関連費用が当初想定額を下回ることなどがあり、期初予想を大きく上回る利益達成となりました。目標未達とはいえ40名超の増員を実現し、かつ売上高の成長だけでなく、利益率を前年度に比べて大きく改善したことは、当社グループの事業運営への安心感および市場における存在感の維持・拡大をもたらすものであると考えております。もっとも、採用を含む人事関連施策については、より一層の拡充の必要性を認識いたしました。

 

 今後の当社グループの経営成績に重大な影響を与え得る要因としては、当社取扱製品の競争力低下や、人材の流出などがあると考えております。

 ソリューション事業およびマーケティングプラットフォーム事業において、取扱製品の競争力が低下した場合には、新規案件の獲得上の問題だけでなく、既存案件の契約更新拒絶や解約等に及ぶ可能性もあり、経営成績に重大な影響を与えることとなります。

 また、人材を大きな資産として事業運営を行っている当社グループにおいては、当社グループからの集団的な引抜き等、多数の人材流出が起きた場合には、案件の獲得および実行が困難になるだけでなく、人材市場における当社グループの評判の低下により、新たな人材獲得への障害となる可能性があります。

 当社グループの資本の財源および資金の流動性については、キャッシュ・フロー創出力の高い事業の安定的な成長により資金需要をまかなっておりますが、急成長する市場における機動的な他社との提携や買収案件に対応するための資金を確保するためにも、流動性の高い資金を比較的厚めに保持することとしております。

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループの3事業ともに市場の伸びが大きい領域と想定しているため、事業規模の拡大を示す売上高と、事業規模の拡大に必須となる組織規模の拡大を示す従業員数を重要な指標としたうえで、事業の収益力を示すものとして経常利益を重視しております。また、資本効率の観点からROEも考慮しております。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

(アナリティクス事業)

 アナリティクス事業は、他セグメントおよび本社部門からの人員異動と新卒や中途人材の戦力化等により売上高および利益の拡大を目指し、また顧客企業の経営全体や事業全体に関わる案件も増加したため、前期比42.0%増の売上成長を実現しております。AI領域を中心としたデータ活用市場の急拡大により、AI領域での先進的な取組みも実現するとともに、案件の大型化および長期化を背景に効率的な案件獲得と案件実行を実現したため、利益面でも売上高の拡大以上となる前期比56.1%増の成長となりました。

 

(ソリューション事業)

 ソリューション事業は、特殊な大型案件に依存することない持続的な成長および利益確保を目指し、これを実現することができました。まず売上面では、ストック型商材のライセンス販売やデータ分析環境構築に伴う開発案件の受注、分析ソフトウェアを活用した分析・利活用の支援案件もあり、前期比16.4%増の成長となりました。利益面でも、売上伸張の影響に加え、これまでに採用した人材の戦力化とその戦略化人材を活用した分析・利活用の支援案件の増加もあり、前期比で利益倍増に迫る94.1%増の大きな成長を実現することができました。

 

(マーケティングプラットフォーム事業)

 マーケティングプラットフォーム事業は、月額サービス利用料等のストック型売上高の継続的な拡大を狙い、第1四半期から第3四半期までは連続増収となりましたが、第4四半期においては中規模解約の影響があり、減収となりました。そのため、売上高が前期比11.0%増の伸びに留まりましたが、ストック型売上高の増加は利益額への貢献が大きいため、運用サポート人員の増加や新製品の開発投資があるなかでも、利益面では売上高以上の前期比21.9%増となりました。主力の「Rtoaster」が属するDMP市場の競争激化および同領域の製品を採用済または採用検討を行う企業層のすそ野の広がりからも、本事業における競争力維持のためには、新商品の投入や契約獲得・継続のためのサポートコストの増加が必要な状況であると認識しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、データを活用して経営を改善したいと考える顧客企業のニーズに対応するべく、最新の分析技術の研究や、独自の分析アルゴリズムを用いたソフトウェアの開発等を行っております。近年は、人工知能や機械学習・深層学習といった新しいキーワードとともに国内外で技術革新が進んでおり、当社グループの技術部門においても、これら最先端の技術を研究し自社サービスに取り入れるための活動を行っております。

なお、当連結会計年度において該当事項はありません。