当社グループは、2004年の創業来、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」を変わらぬミッションとして、顧客企業のデータを活用した経営改善を支援してきました。
私たちは、ビッグデータ、AI、IoT、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、時代ごとにキーワードは違えど、その根底はデータを分析・活用して価値に変え、企業活動に変化と改善をもたらすことであると考えています。
私たちは、データを価値に変えるために必要な「分析力(国内随一のデータサイエンティスト数)」、「エンジニアリング力(市場No.1製品を自社開発・提供できる技術力)」、「ビジネス力(データ活用を支援した企業は業種問わず1,000社超)」の3つの力を有した、世界でも稀有な企業だと認識しております。この3つの力を有することは、顧客企業のデータを活用した経営改善を、コンセンプトデザインから運用まで一貫してサービス提供できるという業界内でも際立った強みに繋がっております。
世界的に増え続ける人口(減り続ける日本の人口)と、限られた資源、加速する環境変化の中、私たちは「データ活用のプロフェッショナル」として、ビジネスに、データに基づく高度化とイノベーションを与え、世界の持続可能性の向上に寄与していくことを経営方針としております。
政府は、成長戦略として掲げる「第四次産業革命」の技術革新をあらゆる産業や社会生活に取り入れることにより、さまざまな社会課題を解決する「Society 5.0」を世界に先駆けて実現することを謳っています。そして、その根源となるのが「データ」の活用であると位置づけられているとおり、データ活用関連ビジネスを取り巻く市場はさらなる成長が期待されております。
また、市場調査会社による調査では、データとデジタル技術を活用してビジネスモデルを変革する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」への投資は、年率約25%で成長すると予想されております。
このような中、当社グループは、データ活用のリーディングカンパニーとしての市場内でのプレゼンス(存在感)を維持・拡大し、さらなる成長を目指すために、2019年5月10日開催の当社取締役会において、中期経営計画(2020年6月期~2023年6月期)を決議し、同日に対外公表いたしました。その概要は以下のとおりです。
<定量目標>
<基本方針>
当社グループは、中期経営計画の達成状況を判断するための客観的な指標として、事業規模の拡大を示す売上高と、事業規模の拡大に必須となる組織規模の拡大を示す従業員数を重要な指標としたうえで、事業の収益力を示すものとして経常利益を重視しております。また、資本効率の観点からROEも考慮しております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がある中でも、当社グループは、上記最終年度の計画(2023年6月期において連結売上高115億円、連結経常利益20億円)を変更しておりません。
これは、コロナ禍によりDXが必須であるという認識がより一層高まり、アンダー/アフターコロナにおいてDX投資、データ活用投資が必ず回復・増大するものと考えられるためです。
そして、この最終年度の目標を達成するには、DX、データ活用に関する需要を十分に取り込むための優秀な人材の採用・育成を、継続的に推進する必要があると考えております。
次期(2021年6月期)という短期的な目線に立つと、新型コロナウイルス感染症拡大により、同感染症の影響を強く受ける業界から受託する案件(既存案件を含む)が減少する可能性があることに加え、新規案件の受注が決定してもその開始時期が遅れることなどが想定されます。そのため、次期上期の売上高は当期並みとなる可能性があり、下期以降の売上高が回復に転じるかどうかについても同感染症拡大の影響次第となります。
その他、2020年9月29日時点の、同感染症拡大による影響は、以下のとおりとなっております。
この一方で、当連結会計年度における人材採用の進捗、給与体系の見直しにより、固定費である社員人件費は大きく増加しております。加えて、次期においては、同感染症の影響により大手企業の採用意欲が停滞する可能性を好機として、コロナ禍においても自立的に活動できるリーダー層以上を中心に、86名の増員を計画しております。
以上より、次期の連結売上高は66億円~72億円程度に留まる可能性があり、売上高がこの水準に留まった場合の連結営業利益・経常利益は2億円~5億円程度、親会社株主に帰属する当期純利益は1.4億円~3.5億円となる見込みです。
(業績予想については、現時点において入手可能な情報に基づき作成したものであり、不確定な要素を含んでおります。そのため、経済環境をはじめとする様々な要因の変化により、実際の業績はこれと異なる可能性があります。)
このような中で次期において対処すべき課題は、以下のとおりです。
(1)大規模組織再編を経て、機能連携による総合力の発揮へ
当連結会計年度の期初(2020年7月)において、当社グループは、各事業が有していた同種の機能・職種を同一部門に集約する大規模な組織再編を行いました。これは、国内企業のデータ活用ニーズに応えるには、単一のサービス提供ではなく、当社グループの営業力、提案力、技術力を結集した「総合力」を発揮していく必要があるためです。
当連結会計年度においては新組織の定着化に時間と労力をかけてまいりましたが、次期は「総合力」を発揮する段階と位置付け、当社グループのさまざまなサービスを組み合わせた総合提案を進め、より一層案件の大型化に注力してまいります。
(2)リモートワークの活用を前提とした働き方における人材育成と機能連携
当社グループは、積極的な人材採用により日々新たな社員の入社があるため、社員の定着化・育成とリモートワークをいかに両立させていくかは、当社グループにとって非常に大きな課題です。
加えて、「総合力」の発揮を目的として各機能・職種間の連携を一段と深める動きも、リモートワークと両立させていく必要があります。
次期においては、これらの課題をふまえて働き方や各種制度の検証を重ね、当社グループが持続的な成長を続けるためにふさわしいワークスタイルの確立を目指し、検討を続けてまいります。
(3)事業成長のための資本活用として、株式会社電通グループと合弁会社を設立
当社グループは、事業成長のための資本活用の一つとして、2020年7月20日付にて、株式会社電通グループと合弁会社「株式会社電通クロスブレイン」を設立いたしました。
本合弁会社は、デジタルマーケティングによる既存顧客との関係強化の支援と、データ分析とその分析結果に基づくマーケティング施策の立案と実行を事業領域とし、2020年10月をめどに事業を開始する予定であり、当社グループは、次期において、本合弁会社の立ち上げに注力いたします。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
ただし、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、将来的には、現時点で予見できないリスクや重要とみなされていないリスクの影響を受ける可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当社グループは、経営体質の強化および経営の透明性・健全性を一層向上させることを目的に、リスクマネジメント委員会を任意の委員会として設置しています。同委員会は取締役CFO、情報システム部門長を中心に構成されており、リスクマネジメントに関する統括的監督機能を持ち、会社全体の各種リスクに対する対応方針および組織ごとのリスク対策について指示・監督等を行い、その状況を取締役会に報告しております。
(1)現状の事業戦略における、全社共通のリスク
|
カテゴリ |
リスクの内容 →リスクが顕在化した場合の影響 |
リスクに対する主要な取り組み |
|
中期経営計画の達成に必要な |
採用の遅れにより、必要な人員の質または量が不足する →中期経営計画にて目標として定めた業績の達成時期が遅れる可能性 |
・人事部門の強化および人事部門以外が採用活動へ十分なリソースを配分することによる、全社的な採用活動への注力 ・リファラル採用の活性化 など |
|
新たに採用した人材に対する教育が進まない →受注するプロジェクトに制約発生、または、受注したプロジェクトの品質・利益率低下による業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・オンボーディングの仕組みの確立、教育研修制度の充実 など |
|
|
退職率の上昇や、重要な人材の流出 →受注するプロジェクトに制約発生、または、受注したプロジェクトの品質・利益率低下による業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・従業員がやりがい・働きがいを感じられる魅力的な業務環境の構築 ・キャリアプランや報酬体系の整備・改善と、上司・部下における対話の促進 ほか |
|
|
新型コロナ |
同感染症拡大の影響を強く受ける業界から受託する既存案件の、規模縮小の長期化 →業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・既存顧客との関係を良好に継続することによる案件規模の回復 ・同感染症拡大の影響が比較的小さい業界への新規営業の推進 ほか |
|
コロナ禍により一時的に停滞している攻めのIT投資が正常化する時期の遅れ →新規受注が進まず、中期経営計画にて目標として定めた業績の達成時期が遅れる可能性 |
・同感染症拡大の影響が比較的小さい業界への新規営業の推進 ほか |
|
|
コロナ罹患者の発生やリモートワークによる品質低下、納品遅延 → 業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・リモートワークを併用した働き方の構築と、感染拡大防止のための各種ガイドラインの整備 ほか |
|
|
個人情報を |
何らかの理由による情報流出 →当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜の可能性 |
・ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)およびプライバシーマーク制度の認証維持活動を通じた、従業員の情報セキュリティ意識の向上・強化 ・リモートワークに適応した情報セキュリティ体制の構築 ・機密情報へのアクセス管理等の厳格化 ほか |
(2)現状の事業戦略における、セグメント別のリスク
|
カテゴリ |
リスクの内容 →リスクが顕在化した場合の影響 |
リスクに対する主要な取り組み |
|
システム障害 (ソリューション事業、マーケティングプラットフォーム事業) |
自然災害や不正アクセス、ネットワーク障害等によるシステムダウン →SaaS型の、マーケティングプラットフォーム事業における「Rtoaster」、ソリューション事業における「Probance」のサービス提供が一時的に停止することにより、当社グループへの損害賠償請求の可能性 |
・発生可能性からするとリスクは甚大ではないとの認識ではあるが、データ分散の検討等は進める |
|
個人情報を (マーケティングプラットフォーム事業) |
法改正等により、「Rtoaster」で活用するCookieデータの活用が制限される →「Rtoaster」のサービス価値が下がり、マーケティングプラットフォーム事業の売上高が減少する可能性 |
・国内外の法改正等に関する最新情報の把握 ・仕様変更に対応できる開発体制の構築 ほか |
|
ブラウザ仕様の変更等により、Cookieデータが取得しづらくなる →「Rtoaster」のサービス価値が下がり、マーケティングプラットフォーム事業の売上高が減少する可能性 |
・国内外の最新のITトレンドの把握 ・仕様変更に対応できる開発体制の構築 ほか |
|
|
競合製品の台頭 (ソリューション事業、マーケティングプラットフォーム事業) |
当社取扱製品の競争力が低下 →解約発生や新規受注不振により、ソリューション事業、マーケティングプラットフォーム事業の売上高が減少する可能性 |
・最新の市場トレンドおよび顧客のニーズを捉えた機能開発・改善 ・対策を講じるための業界内トレンドの調査・把握 ほか
|
(3)中長期的の視点から事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク
|
カテゴリ |
リスクの内容 →リスクが顕在化した場合の影響 |
リスクに対する主要な取り組み |
|
競合の |
当社より質・量ともに勝る人材ポートフォリオを持つ競合企業の台頭 →当社グループの競争力が相対的に低下し、業界内での存在感を失い、業績が伸び悩む・悪化する可能性 |
・先進的で実践的なデータ活用の実績を積み重ねることにより、人材の質を高め続けるとともに、採用競争力もさらに高める ・人材採用・育成に対する投資を決して止めない ほか |
|
人的サービスに |
当社の人的サービスを置き換えることが可能な先進技術・新サービス等の出現 →当社グループの人材が保有するノウハウが陳腐化し、業績が伸び悩む・悪化する可能性 |
・基本的には、特定の技術だけでは顧客企業の課題は解消しないものと認識 ・いくつもの技術やサービスを人間の知恵で組み合わせて顧客課題を解決する領域、先進技術や新サービスでは補いきれない人的サービスの付加価値が生きる領域において、先進的で実践的なデータ活用の実績を積み重ねる ほか |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による未曽有の状況により、その成長見通しの大幅な下方修正を余儀なくされており、感染再拡大も懸念される中、先行きが見えない状況が続いております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が比較的小さいと言われるITサービス市場においては、テレワーク環境を整えるためのIT投資は増えているものの、大多数の業種における経済的打撃は、当然のことながらITサービス市場、特にBtoBビジネスの成長にマイナス影響を及ぼすことが想像されます。
このような中、当連結会計年度は当社グループの新・中期経営計画(2020年6月期~2023年6月期)の初年度にあたり、高度IT人材をはじめとするデータ活用人材の確保が最優先課題であるとの認識のもと、人材採用・育成への投資、給与体系の見直しと組織再編への投資、オフィス環境改善への投資を積極的に進めてまいりました。
当連結会計年度の売上高は、これまでに採用した人材の戦力化により、3事業ともに市場の需要を取り込んで好調に推移し、前年同期比16.6%増の成長となりました。しかし、本年2月からは新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、新規案件を獲得するための営業活動が制限された結果、第3四半期・第4四半期の売上高を例年のように伸ばすことができず、期初の想定には届かない増収率となりました。
一方、前述の投資については、予定通り進捗いたしました。第2四半期までは停滞していた中途採用が好転し、期初目標を超える年間66名の増員に成功したことに加え、本年2月には給与体系の見直しによる昇給を行いました。これにより社員人件費および人材採用費が大きく増加した結果として、営業利益・経常利益は、前年に比べ10%程度の減益となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は6,621,348千円(前期比16.6%増)、営業利益は1,061,096千円(前期比10.4%減)、経常利益は1,078,543千円(前期比11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は857,955千円(前期比2.6%減)となりました。
当連結会計年度における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に評価管理するため、各事業部別に分散していた営業機能およびマーケティング機能を集約する組織変更を行いました。これに伴い、全社に係る営業費用およびマーケティング費用については、各事業セグメントに配賦しない方法に変更しております。
以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の報告セグメントに基づき作成したものを記載しています。
a.アナリティクス事業
アナリティクス事業は、顧客企業の有する大量データに関するコンサルティングおよびデータマイニング(注1)の実行、ならびにデータに基づく企業行動の最適化支援を行っております。
当連結会計年度においては、国内企業におけるデータ活用意欲の高まりを受けたプロジェクトの大型化・長期化が一段と進みました。
しかし、本年2月からは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、新規案件を獲得するための営業活動が制限されたことや、対面型のデータ活用人材育成サービス(研修サービス)が苦戦したことなどにより、売上高は前年同期比23.1%増に留まり、期初想定の売上高には届きませんでした。
コスト面では、増員および給与体系の見直しによる社員人件費および人材採用費の増加が進みましたが、プロジェクトの大型化・長期化による案件利益率の高まりが費用増を吸収し、セグメント利益も増益となりました。
この結果、売上高は2,951,318千円(前期比23.1%増)、セグメント利益は1,333,653千円(前期比22.3%増)となりました。
(注1)データマイニングとは、企業や社会に大量に蓄積されるデータを解析し、その中に潜む重要なパターンや法則性を抽出すること。
b.ソリューション事業
ソリューション事業は、顧客企業に対して、データ蓄積、分析および分析結果に基づく施策実行に必要なソフトウェアの選定および提供ならびにシステム開発および運用を行っております。
当連結会計年度においては、売上高は、主力製品であるストック型(注2)売上高となる「Probance※」、「Brandwatch(旧Crimson Hexagon Forsight™ Platform)※」の新規受注や、データ分析環境開発案件等の受注が堅調に推移いたしました。その一方で、当事業の取扱製品であった他社製機械学習ソフトウェアのリブランドに伴い、同ソフトウェアのライセンス販売やそれに付随する導入支援案件による売上高の減少幅が期初の想定を超えたため、売上高は、前年同期比11.6%増の成長に留まり、期初想定の売上高には届きませんでした。
売上高が想定を下回った一方で、増員および給与体系の見直しによる社員人件費および人材採用費の増加は進んだため、セグメント利益は減益となりました。
この結果、売上高は2,037,363千円(前期比11.6%増)、セグメント利益は514,025千円(前期比11.4%減)となりました。
※Probance(プロバンス)
:マーケティングオートメーション(マーケティング活動の運用プロセスの自動化を支援するシステム)領域の製品
※Brandwatch(ブランドウォッチ)
(旧Crimson Hexagon ForSight™ Platform、クリムゾンヘキサゴン・フォーサイト・プラットフォーム)
:Twitter、InstagramなどのSNSデータを多角的に分析できるソーシャルリスニング・プラットフォーム。2018年にBrandwatchとCrimson Hexagonが合併しており、2019年にはブランド統合された。
(注2)ストック型とは、顧客数に応じて比例的に安定収益を得られるビジネスのこと。
c.マーケティングプラットフォーム事業
マーケティングプラットフォーム事業は、主にデジタルマーケティング領域において、当社が着目したデータ分析系のアルゴリズムから独自性の強いソフトウェアを自社開発し、SaaS(注3)型サービスを中心とした顧客企業への提供と、その保守業務等を行っております。
当連結会計年度において、売上高は、DMP(注4)市場のトップクラス製品である「Rtoaster※」のライセンス提供に伴うプロフェッショナルサービスほか各種提案が好調に推移いたしました。また、カスタマーサクセス部門の新設により、既存案件を維持・拡大する活動が効果を生み、競争が激化するデジタルマーケティング領域において前年同期比12.3%増の成長となりました。
加えて、利益面も、ストック型売上高の増加および付加価値の高いプロフェッショナルサービスの売上伸長に伴う利益率の向上により、給与体系の見直しによる社員人件費の増加を吸収し、セグメント利益の成長率は、売上高の成長率を上回りました。
この結果、売上高は1,632,666千円(前期比12.3%増)、セグメント利益は565,981千円(前期比25.1%増)となりました。
※Rtoaster(アールトースター)
:多彩なマーケティングアクションをデータから実現する、国内トップクラスのレコメンドエンジン搭載プライベートDMP
(注3)SaaSとは、「Software as a Service」の略。アプリケーションソフトの機能を、インターネットを通じて顧客に提供すること。
(注4)DMPとは「Data Management Platform」の略で、企業が様々なデータを集約し活用するために構築する基盤のこと。
(参考)セグメント別の売上高の前連結会計年度との単純比較
|
|
前連結会計年度 (2019年6月期) |
当連結会計年度 (2020年6月期) |
対前年増減率 |
|
アナリティクス事業 |
2,396,762千円 |
2,951,318千円 |
23.1% |
|
ソリューション事業 |
1,825,736千円 |
2,037,363千円 |
11.6% |
|
マーケティングプラットフォーム事業 |
1,454,415千円 |
1,632,666千円 |
12.3% |
|
調整額 |
-千円 |
-千円 |
- |
|
計 |
5,676,914千円 |
6,621,348千円 |
16.6% |
続いて、当連結会計年度末における資産合計は、主に現金及び預金の増加908,127千円を主因とする流動資産の増加により4,983,798千円となり、前連結会計年度末に比べ1,116,156千円増加しました。
当連結会計年度末における負債合計は、主に賞与引当金の減少139,054千円、未払法人税等の減少122,601千円を主因とする流動負債の減少により955,258千円となり、前連結会計年度末に比べ223,381千円減少しました。
当連結会計年度末における純資産合計は、4,028,539千円となり、前連結会計年度末に比べ1,339,538千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加857,955千円によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は2,984,687千円(前年同期比43.7%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、761,458千円(前年同期比26.7%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,176,478千円、減価償却費182,789千円、たな卸資産の減少40,213千円、売上債権の減少17,708千円が計上された一方で、法人税等の支払額427,210千円、賞与引当金の減少139,054千円、投資有価証券売却益97,779千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、242,572千円(前年同期比6.1%増)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入99,180千円があった一方で、無形固定資産の取得による支出132,982千円、有形固定資産の取得による支出94,900千円、投資有価証券の取得による支出60,000千円、敷金及び保証金の差入による支出53,869千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、389,241千円(前年同期は該当ありません。)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入389,534千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループ(当社および連結子会社、以下同じ。)は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、概ね受注から納品までの期間が短いため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年 7月 1日 至 2020年 6月30日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
アナリティクス事業 |
2,951,318 |
23.1 |
|
ソリューション事業 |
2,037,363 |
11.6 |
|
マーケティングプラットフォーム事業 |
1,632,666 |
12.3 |
|
調整額 |
- |
- |
|
合計 |
6,621,348 |
16.6 |
(注)1 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年 7月 1日 至 2019年 6月30日) |
当連結会計年度 (自 2019年 7月 1日 至 2020年 6月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
ヤフー株式会社 |
598,361 |
10.5 |
721,875 |
10.9 |
|
伊藤忠商事株式会社 |
214,125 |
3.8 |
691,210 |
10.4 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当連結会計年度は、売上高が6,621,348千円(前期比16.6%増)となり、当社の期初予想を下回るものとなりました。これまでの人材の強化および戦力化により前期比二桁成長ではありましたが、期初予想を下回る部分については、第3四半期からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響により下期の新規案件獲得が進まなかったこと、および第2四半期から顕在化してきたソリューション事業において生じた他社製機械学習ソフトウェアのリブランドに伴う売上減が影響したものとなりました。
経常利益は、1,078,543千円(前期比11.2%減)となり、こちらも期初予想を下回るものとなりました。これは、売上拡大が期初予想を下回るなか、期初計画通りの人材採用・育成へのリソース配分増加、給与体系見直しによる社員人件費・人材採用費の増加が進んだことが要因となっています。なお、中長期の成長を見据えて組織体制の再編を2019年7月に実施し、販売部門を各事業側から共通部門となる本社側に移管しております。そして、期中に販売部門および管理部門の増員も進めたため、本社費の増加が大きいものとなりました。また、人員増に対応するため、当連結会計年度にサテライトオフィスの開設を行っており、その費用増も利益減少に影響しております。
なお、従業員数については、ブレインパッド単体で期初目標とした前期末比65名増を上回る66名の増員を果たし、次期以降の成長に必要な人材の確保はできております。また、前期(2019年6月期)に前期末比16.1%に留まった増員率は、当連結会計年度に21.8%に改善し、2017年6月期~2018年6月期の2年間において毎年実現した年率20%超の増員ペースを取り戻すものとなっています。
そして、当連結会計年度のROEは、中期経営計画において目標としている連結ROE20%程度を上回る25.6%となりました。ROEが過去の水準から低下している認識はありますが、新型コロナウイルス感染症拡大による業績悪化リスクがあるだけでなく、これまで以上にさまざまな投資機会が増大する可能性をふまえ、現時点では、手元資金を手厚く確保しておくことを重視する必要性を認識しております。なお、今後、世の中の経済情勢をはじめ同感染症拡大の影響が安定するなどの変化があり次第、 改めて資本活用の方針を再検討することにより、資本効率の向上についても対応していくことを想定しております。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(アナリティクス事業)
アナリティクス事業は、新卒社員や中途社員の採用および戦力化等ならびに顧客企業の経営全体や事業全体に関わる案件を狙うことによる売上高および利益の拡大を目指し、その実現が進んだため、前期比23.1%増の売上成長を実現しております。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響下である第4四半期の売上高が過去最高の四半期売上高となったことについては、大型案件が第3四半期から第4四半期に期ずれしたことにより実現したものであり、通期では新型コロナウイルス感染症拡大の影響、特に同感染症拡大の影響を強く受ける業界から受託する既存案件における案件規模の縮小の影響、および研修サービスの一時中止・オンライン型への変更による影響により、期初想定の売上高に届かないものとなりました。なお、利益面については、案件の大型化が一段と進み、社員人件費・人材採用費の増加を吸収し、前期比22.3%増の増益となりました。
今後、新型コロナウイルス感染症拡大の影響下であっても、国内企業によるDX向けの投資拡大が見込まれているため、当事業の拡大は可能と想定しております。ただ、同感染症の本事業への影響の大部分は、同感染症のマイナス影響を強く受けた業界における案件規模の縮小であり、同業界からの新規受注または案件規模の回復は今後も短期的には難しいものと認識しております。その縮小等を他業界から補う必要があるため、同感染症がプラス影響となっている業界や影響が少ない業界からの、DXをテーマとした顧客企業の経営全体や事業全体に関わる案件を増加することが必要であると認識しております。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、当連結会計年度において、これまで遅れていた人員規模の拡大を実現し、データ分析環境構築の案件および分析領域以外のストック型商材のライセンス販売を拡大することを企図しておりました。これらの拡大は想定通り進みましたが、他社製機械学習ソフトウェアのリブランドの影響で、期初想定を超えて、このソフトウェア販売の低迷およびこのソフトウェアを活用した分析・利活用の支援案件の低迷が生じたため、本事業の売上高の拡大は、前期比11.6%増の成長に留まりました。また、利益面は、売上高が伸び悩む中、今後の人員規模の拡大のため社員人件費・人材採用費が増加したため、前期比11.4%減の減益となりました。
本事業においては、現時点では、新型コロナウイルス感染症の拡大による大きな影響を受けておりません。ただ、アナリティクス事業と同様に、同感染症のマイナス影響を強く受けた業界における案件拡大や新規受注が難しくなるため、本事業の拡大のためには、同感染症がプラス影響となっている業界や影響が少ない業界における受注の拡大が必要と認識しております。
(マーケティングプラットフォーム事業)
マーケティングプラットフォーム事業は、月額サービス利用料等のストック型売上高の継続的な拡大が重要となる事業です。本事業では、カスタマーサクセス部門を設けることでの既存案件の維持および大規模顧客を中心とした新規顧客の獲得によるストック型売上高の拡大を狙うだけでなく、フロー型となる開発や人的支援の拡大も企図しておりました。その結果として、第1四半期から第3四半期までは連続増収となりましたが、第4四半期においてはフロー型の拡大が停滞した影響もあり、第3四半期に比べて減収となり、通期売上高は前期比12.3%増となりました。なお、小規模の顧客を対象としている新規サービスへの注力を弱めていること、当社グループ全体として競争の激しい小規模顧客よりも大規模顧客への対応に注力していることから、顧客数が減少しております。なお、ストック型売上高の増加は利益額への貢献が大きいことに加えて、新サービスへの開発投資が抑制されていることから、利益面は前期比25.1%増と大幅増益となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、主力製品である「Rtoaster(アールトースター)」が、主にEC事業等を対象顧客としているため、同感染症拡大によるマイナス影響は限定的であり、日本国内のEC事業の急拡大による売上高の増加も生じております。ただ、同感染症により多様な業界においてEC事業が拡大しているという事業環境においては、競合企業によるマーケティング投資や営業投資の加速なども見込まれるため、本事業における競争力維持のために、グループ全体での大型案件の獲得だけでなく、主力製品におけるマーケティングの効率化、関連商品の投入や契約獲得・継続のための体制強化が必要な状況であると認識しております。
財政状態の分析は、次のとおりであります。
当連結会計年度末における資産合計は、4,983,798千円となり、前連結会計年度末に比べ1,116,156千円増加しました。流動資産の残高は、4,108,534千円となり、前連結会計年度末に比べ876,548千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加908,127千円、前払費用の増加38,078千円があった一方で、仕掛品の減少40,213千円、受取手形及び売掛金の減少17,708千円によるものであります。また、固定資産の残高は875,263千円となり、前連結会計年度末に比べ239,608千円増加しました。これは主に投資有価証券の増加58,599千円、投資その他の資産の「その他」の増加58,278千円、差入保証金の増加53,869千円、建物(純額)の増加42,334千円、ソフトウエアの増加31,281千円があった一方で、繰延税金資産の減少15,494千円によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、955,258千円となり、前連結会計年度末に比べ223,381千円減少しました。流動負債の残高は、872,902千円となり、前連結会計年度末に比べ238,271千円減少しました。これは主に、未払金の増加17,843千円、買掛金の増加10,361千円があった一方で、賞与引当金の減少139,054千円、未払法人税等の減少122,601千円、前受収益の減少12,265千円によるものであります。また、固定負債の残高は82,356千円となり、前連結会計年度末に比べ14,889千円増加しました。これは主に資産除去債務の増加23,415千円によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、4,028,539千円となり、前連結会計年度末に比べ1,339,538千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加857,955千円、新株の発行によって資本金が242,914千円増加、資本剰余金が242,914千円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は80.8%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況分析)
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、アナリティクス事業やソリューション事業におけるサービス提供のように固定資産投資の必要性が小さい事業における利益の多くをキャッシュ生成につなげているだけでなく、マーケティングプラットフォーム事業においても、ソフトウエア資産を中心とする固定資産の増加を限定的なものとしながら利益確保ができております。このようなキャッシュ・フロー創出力のある事業により、事業運営および成長に必要な資金需要をまかなっております。また、事業運営に必要な資本的支出としても、固定資産となりうるものは、組織拡大のためのオフィスの拡大やマーケティングプラットフォーム事業の自社開発ソフトウエアの保守・改善のための継続的な開発に伴うものが主たるものとなります。そのため、当社グループの通常の事業運営における投資としては、人材採用や昇給などの人的分野に対する投資が重要となっております。そして、この人的分野に対する投資については、人材育成によりその質を維持・確保するためにも、事業の営業キャッシュ・フローの範囲内で行う予定となっております。そのため、本連結会計年度においても人的分野の投資およびオフィス増床に伴うキャッシュアウトについてもこの範囲で実施したものと分析しております。
なお、当連結会計年度においては、役員および従業員に対して発行していた新株予約権の行使が進んだため、財務活動によるキャッシュ・フローでの収入が相当規模で生じており、これまでの事業運営に必要な規模をやや超えた水準の現金同等物を保有していると理解しております。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大による各種の影響を考慮し、現時点では、手元資金を手厚く確保しておくことを重視する必要性を認識しており、当面の間は、これまでより高い水準での現金同等物の確保を行うことを想定しております。
(財務戦略の考え方)
既存事業の成長については、営業キャッシュ・フローの範囲内での投資を予定しているため、外部資金の調達を伴うような資本的支出や人的分野への投資は予定しておりません。そして、事業の安定的な運営に必要な水準を超えた資金については、M&Aを含む事業成長のために資本を有効活用することが、企業価値向上のための最優先課題であると認識しております。ただし、資本の有効活用が進まない場合には、平均ROE 20%程度の数値目標の達成に向けて、ROEの不用意な低下を避ける観点でも、自社株買い、配当などの株主還元を検討していくものとなっております。
ただし、当面の財務戦略については、新型コロナウイルス感染症拡大による各種の影響を考慮し、現金同等物の確保を優先した対応を予定しております。
なお、当社グループが属する市場の急成長に対応していくためには、機動的な他社との提携や買収案件に対応するための資金を確保するためにも、流動性の高い資金を比較的厚めに保持することが重要と考えていると同時に、手元資金で対応できない買収等の案件を実行するために、借入や資本市場での調達についても行う可能性があります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、連結会計年度末日における資産および負債の数値、連結会計期間に係る収益および費用に影響を及ぼすような仮定や見積もりを必要とします。これらの仮定や見積もりについては不確実性が存在するため、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、〔第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)〕に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、データを活用して経営を改善したいと考える顧客企業のニーズに対応するべく、最新の分析技術の研究や、独自の分析アルゴリズムを用いたソフトウェアの開発等を行っております。近年は、人工知能や機械学習・深層学習といったキーワードとともに国内外で技術革新が進んでおり、当社グループの技術部門においても、これら最先端の技術を研究し自社サービスに取り入れるための活動を行っております。
なお、当連結会計年度において該当事項はありません。