第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、これまでの緩やかな動きとは一転、新型コロナウイルス感染症の拡大による未曽有の状況により大幅な下方修正を余儀なくされており、先行きが見えない状況が続いております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が比較的小さいと言われるITサービス市場においては、テレワーク環境を整えるためのIT投資は増えているものの、大多数の業種における経済的打撃は、当然のことながらITサービス市場、特にBtoBビジネスの成長にマイナス影響を及ぼすことが想像されます。

 このような中、当連結会計年度は当社グループの新・中期経営計画(2020年6月期~2023年6月期)の初年度にあたり、高度IT人材をはじめとするデータ活用人材の確保が最優先課題であるとの認識のもと、人材採用・育成への投資、給与体系の見直しと組織再編への投資、オフィス環境への投資を積極的に進めております。そして、この投資により、当連結会計年度の利益成長は限定的となることを期初に発表しております。

 当第3四半期連結累計期間において、売上高は、これまでに採用した人材の戦力化により、3事業ともに市場の需要を取り込んで好調に推移し、前年同四半期比19.7%増の成長となりました。しかし、本年2月からは新型コロナウイルス感染症の影響を受け、新規案件を獲得するための営業活動が制限されたほか、例年の第3四半期売上高の押し上げ要素である年度末需要も振るわなかったこと、および、アナリティクス事業の大型案件において期ずれが1件発生したことにより、会社想定の売上高には1億円程度届きませんでした。

 一方、前述の投資については、予定通り進捗しております。第2四半期までは停滞していた中途採用が好転し第3四半期において18名の増員に成功したことに加え、本年2月には給与体系の見直しによる昇給により社員人件費の増加が進みました。これにより、第3四半期において社員人件費および人材採用費が大きく増加した結果として、営業利益・経常利益は前年並みとなっております。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高4,839,278千円(前年同四半期比19.7%増)、営業利益880,121千円(前年同四半期比1.3%減)、経常利益898,928千円(前年同四半期比0.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益684,333千円(前年同四半期比10.1%増)となりました。

 

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、2020年5月14日発表の「新型コロナウイルス感染症拡大の当社グループへの影響および通期業績予想の修正に関するお知らせ」および「2020年6月期第3四半期 決算補足説明資料」に詳細を記載しております。

 

 続きまして、セグメント別の業績は次のとおりです。

 第1四半期連結累計期間から、報告セグメントごとの業績をより適切に評価管理するため、各事業部別に分散していた営業機能およびマーケティング機能を集約する組織変更を行いました。これに伴い、全社に係る営業費用およびマーケティング費用については、各事業セグメントに配賦しない方法に変更しております。

 なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報および前年同四半期比は、変更後の報告セグメントに基づき作成したものを記載しています。

 

(アナリティクス事業)

 アナリティクス事業は、顧客企業の有する大量データに関するコンサルティングおよびデータマイニング(注1)の実行、ならびにデータに基づく企業行動の最適化支援を行っております。

 当第3四半期連結累計期間においては、国内企業におけるデータ活用意欲の高まりを受けたプロジェクトの大型化・長期化が進み、前年同四半期比22.8%増の成長となりました。しかし、顧客側の事情により大型案件1件の納品が第4四半期に期ずれとなったことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響によりデータ活用人材育成サービス(研修サービス)による売上高が想定を下回ったこと、および、年度末需要の取り込みが進まなかったことなどにより、会社想定の売上高には届きませんでした。

 売上高が想定を下回った一方で、増員および給与体系の見直しによる社員人件費および人材採用費の増加は進んだため、セグメント利益の成長率は、売上高の成長率を下回りました。

 この結果、売上高は2,053,806千円(前年同四半期比22.8%増)、セグメント利益は956,717千円(前年同四半期比19.6%増)となりました。

(注1)データマイニングとは、企業や社会に大量に蓄積されるデータを解析し、その中に潜む重要なパターンや法則性を抽出すること。

 

(ソリューション事業)

 ソリューション事業は、顧客企業に対して、データ蓄積、分析および分析結果に基づく施策実行に必要なソフトウェアの選定および提供ならびにシステム開発および運用を行っております。

 当第3四半期連結累計期間において、売上高は、主力製品であるストック型(注2)売上高となる「Probance※」、「Crimson Hexagon Forsight™ Platform※」の新規受注や、データ分析環境開発案件等の受注が堅調に推移いたしました。その一方で、当事業の取扱製品であった他社製機械学習ソフトウェアのリブランドに伴い、同ソフトウェアのライセンス販売やそれに付随する導入支援案件による売上高の減少幅が期初の想定を超えたため、売上高は想定よりも下回り、前年同四半期比21.7%増の成長に留まりました。

 売上高が想定を下回った一方で、増員および給与体系の見直しによる社員人件費および人材採用費の増加は進んだため、利益面は前年並みとなりました。

 この結果、売上高は1,559,115千円(前年同四半期比21.7%増)、セグメント利益は440,470千円(前年同四半期比3.3%増)となりました。

 

※Probance(プロバンス):

マーケティングオートメーション(マーケティング活動の運用プロセスの自動化を支援するシステム)領域の製品。

※Crimson Hexagon ForSight™ Platform(クリムゾンヘキサゴン・フォーサイト・プラットフォーム):

Twitter、InstagramなどのSNSデータを多角的に分析できるソーシャルリスニング・プラットフォーム。

2018年にBrandwatchと合併しており、2019年にはブランド統合が発表されている。

 

(注2)ストック型とは、顧客数に応じて比例的に安定収益を得られるビジネスのこと。

 

(マーケティングプラットフォーム事業)

 マーケティングプラットフォーム事業は、主にデジタルマーケティング領域において、当社が着目したデータ分析系のアルゴリズムから独自性の強いソフトウェアを自社開発し、SaaS(注3)型サービスを中心とした顧客企業への提供と、その保守業務等を行っております。

 当第3四半期連結累計期間において、売上高は、DMP(注4)市場のトップクラス製品である「Rtoaster※」のライセンス提供に伴うプロフェッショナルサービスほか各種提案が好調に推移し、競争が激化するデジタルマーケティング領域において前年同四半期比12.7%増の成長となりました。

 加えて、利益面も、ストック型売上高の増加および付加価値の高いプロフェッショナルサービスの売上伸長に伴う利益率の向上により、増員および給与体系の見直しによる社員人件費および人材採用費の増加を吸収し、前年同四半期に比べ増益となりました。

 この結果、売上高は1,226,356千円(前年同四半期比12.7%増)、セグメント利益は455,663千円(前年同四半期比17.7%増)となりました。

 

※Rtoaster(アールトースター):

多彩なマーケティングアクションをデータから実現する、国内トップクラスのレコメンドエンジン搭載プライベートDMP

 

注3)SaaSとは「Software as a Service」の略で、アプリケーションソフトの機能を、インターネットを通じて顧客に提供すること。

(注4)DMPとは「Data Management Platform」の略で、企業が様々なデータを集約し活用するために構築する基盤のこと。

 

②財政状態の状況

(資産の部)

当第3四半期連結会計期間末の流動資産の残高は、3,878,489千円となり、前連結会計年度末に比べ646,502千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加571,034千円、仕掛品の増加52,051千円、流動資産その他の増加46,175千円があった一方で、受取手形及び売掛金の減少22,758千円によるものであります。

また固定資産の残高は、862,922千円となり、前連結会計年度末に比べ227,267千円増加しました。これは主に投資その他の資産の増加141,052千円、有形固定資産の増加66,047千円、無形固定資産その他の増加45,281千円があった一方で、ソフトウェアの減少19,006千円、のれんの減少6,107千円によるものであります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ873,770千円増加し、4,741,412千円となりました。

(負債の部)

当第3四半期連結会計期間末の流動負債の残高は、802,813千円となり、前連結会計年度末に比べ308,359千円減少しました。これは主に前受収益の増加33,397千円、未払費用の増加16,543千円があった一方で、未払法人税等の減少159,934千円、賞与引当金の減少149,987千円、流動負債その他の減少41,346千円、未払金の減少9,902千円によるものであります。

また固定負債の残高は、83,868千円となり、前連結会計年度末に比べ16,401千円増加しました。これは主に資産除去債務の増加23,336千円があった一方で、固定負債その他の減少6,935千円によるものであります。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ291,958千円減少し、886,681千円となりました。

 

(純資産の部)

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、3,854,730千円となり、前連結会計年度末に比べ1,165,729千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加684,333千円、資本金の増加242,748千円、資本剰余金の増加242,748千円によるものであります。

この結果、自己資本比率は81.3%となりました。

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

該当事項はありません。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。