当社グループは、2004年の創業来、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」を変わらぬミッションとして、顧客企業のデータを活用した経営改善を支援してきました。
私たちは、ビッグデータ、AI、IoT、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、時代ごとにキーワードは違えど、その根底はデータを分析・活用して価値に変え、企業活動に変化と改善をもたらすことであると考えています。
私たちは、データを価値に変えるために必要な「分析力(国内随一のデータサイエンティスト数)」、「エンジニアリング力(市場No.1製品を自社開発・提供できる技術力)」、「ビジネス力(データ活用を支援した企業は業種問わず1,000社超)」の3つの力を有した、世界でも稀有な企業だと認識しております。この3つの力を有することは、顧客企業のデータを活用した経営改善を、コンセンプトデザインから運用まで一貫してサービス提供できるという業界内でも際立った強みに繋がっております。
世界的に増え続ける人口(減り続ける日本の人口)と、限られた資源、加速する環境変化の中、私たちは「データ活用のプロフェッショナル」として、ビジネスに、データに基づく高度化とイノベーションを与え、世界の持続可能性の向上に寄与していくことを経営方針としております。
政府は、デジタル化への集中投資・実装とその環境整備(デジタルニューディール)を掲げ、民間企業による攻めのIT投資を後押しする姿勢を強めております。2020年末に経済産業省が発表した「DXレポート2」においては、国内企業には総じてコロナ禍によるデジタル変革への危機感はあるものの、「DXの取り組みを始めている企業」と「まだ何も取り組めていない企業」に二極化しつつあること、そして、これらの企業を支援するITベンダーに求められる役割も変化しており、従来型の受託業務とは決別し、クライアント企業を支援・伴走のうえDXを牽引するのが新たなITベンダー像であることが述べられています。
クライアント企業とITベンダーの一層の共創推進が求められる中、DX推進に必須の「データ活用」に関連する需要は高まり続けるものと考えられるため、当社グループは、引き続き「データ活用」の総合力を発揮するための組織体制の拡大・強化に努め、データ活用のリーディングカンパニーとしての市場内でのプレゼンス(存在感)を維持・拡大し、さらなる成長を目指します。
当社が、2019年5月10日開催の取締役会において決議し、対外公表した中期経営計画(2020年6月期~2023年6月期)の概要は以下のとおりです。
<定量目標>
<基本方針>
当社グループは、中期経営計画の達成状況を判断するための客観的な指標として、事業規模の拡大を示す売上高と、事業規模の拡大に必須となる組織規模の拡大を示す従業員数を重要な指標としたうえで、事業の収益力を示すものとして経常利益を重視しております。また、資本効率の観点からROEも考慮しております。
同計画の3年目となる2022年6月期は、足元の受注活動が新型コロナウイルス感染症拡大前を上回る水準に達してきていることをふまえ、中期経営計画にて目標としている年率20%前後の売上成長へ回復させることを目指します。
また、利益面においては、今後の持続的成長の礎とするための、投資を伴う3つの重点アクション(積極的な人材採用の継続、プロダクト事業の再成長、組織力強化のためのオフィス集約・移転)を実行しながら、売上成長と同等の利益成長を実現することを目指します。
これにより、次期の通期連結業績予想は、売上高8,500百万円(前期比19.7%増)、営業利益1,020百万円(同19.8%増)、経常利益1,080百万円(同22.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円(同16.4%増)としております。
(業績予想については、現時点において入手可能な情報に基づき作成したものであり、不確定な要素を含んでおります。そのため、経済環境をはじめとする様々な要因の変化により、実際の業績はこれと異なる可能性があります。)
<投資を伴う3つの重点アクションの概要>
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
ただし、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、将来的には、現時点で予見できないリスクや重要とみなされていないリスクの影響を受ける可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当社グループは、経営体質の強化および経営の透明性・健全性を一層向上させることを目的に、リスクマネジメント委員会を任意の委員会として設置しています。同委員会は取締役CFO、情報システム部門長を中心に構成されており、リスクマネジメントに関する統括的監督機能を持ち、会社全体の各種リスクに対する対応方針および組織ごとのリスク対策について指示・監督等を行い、その状況を取締役会に報告しております。
(1)現状の事業戦略における、全社共通のリスク
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カテゴリ |
リスクの内容 →リスクが顕在化した場合の影響 |
リスクに対する主要な取り組み |
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中期経営計画の達成に必要な |
採用の遅れにより、必要な人員の質または量が不足する →中期経営計画にて目標として定めた業績の達成時期が遅れる可能性 |
・人事部門の強化および人事部門以外が採用活動へ十分なリソースを配分することによる、全社的な採用活動への注力 ・リファラル採用の活性化 など |
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新たに採用した人材に対する教育が進まない →受注するプロジェクトに制約発生、または、受注したプロジェクトの品質・利益率低下による業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・オンボーディングの仕組みの確立、教育研修制度の充実 など |
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退職率の上昇や、重要な人材の流出 →受注するプロジェクトに制約発生、または、受注したプロジェクトの品質・利益率低下による業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・従業員がやりがい・働きがいを感じられる魅力的な業務環境の構築 ・キャリアプランや報酬体系の整備・改善と、上司・部下における対話の促進 ほか |
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新型コロナ |
同感染症拡大の影響を強く受ける業界から受託する既存案件の、規模縮小の長期化 →業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・既存顧客との関係を良好に継続することによる案件規模の回復 ・同感染症拡大の影響が比較的小さい業界への新規営業の推進 ほか |
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コロナ禍により一時的に停滞している攻めのIT投資が正常化する時期の遅れ →新規受注が進まず、中期経営計画にて目標として定めた業績の達成時期が遅れる可能性 |
・同感染症拡大の影響が比較的小さい業界への新規営業の推進 ほか |
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コロナ罹患者の発生やリモートワークによる品質低下、納品遅延 → 業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・リモートワークを併用した働き方の構築と、感染拡大防止のための各種ガイドラインの整備 ほか |
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個人情報を |
何らかの理由による情報流出 →当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜の可能性 |
・ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)およびプライバシーマーク制度の認証維持活動を通じた、従業員の情報セキュリティ意識の向上・強化 ・リモートワークに適応した情報セキュリティ体制の構築 ・機密情報へのアクセス管理等の厳格化 ほか |
(2)現状の事業戦略における、セグメント別のリスク
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カテゴリ |
リスクの内容 →リスクが顕在化した場合の影響 |
リスクに対する主要な取り組み |
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システム障害 (プロダクト事業) |
自然災害や不正アクセス、ネットワーク障害等によるシステムダウン →SaaS型の「Rtoaster」、「Probance」のサービス提供が一時的に停止することにより、当社グループへの損害賠償請求の可能性 |
・発生可能性からするとリスクは甚大ではないとの認識ではあるが、データ分散の検討等は進める |
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個人情報を (プロダクト事業) |
法改正等により、「Rtoaster」で活用するCookieデータの活用が制限される →「Rtoaster」のサービス価値が下がり、プロダクト事業の売上高が減少する可能性 |
・国内外の法改正等に関する最新情報の把握 ・仕様変更に対応できる開発体制の構築 ほか |
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ブラウザ仕様の変更等により、Cookieデータが取得しづらくなる →「Rtoaster」のサービス価値が下がり、プロダクト事業の売上高が減少する可能性 |
・国内外の最新のITトレンドの把握 ・仕様変更に対応できる開発体制の構築 ほか |
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競合製品の台頭 (プロダクト事業) |
当社取扱製品の競争力が低下 →解約発生や新規受注不振により、プロダクト事業の売上高が減少する可能性 |
・最新の市場トレンドおよび顧客のニーズを捉えた機能開発・改善 ・対策を講じるための業界内トレンドの調査・把握 ほか
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(3)中長期的の視点から事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク
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カテゴリ |
リスクの内容 →リスクが顕在化した場合の影響 |
リスクに対する主要な取り組み |
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競合の |
当社より質・量ともに勝る人材ポートフォリオを持つ競合企業の台頭 →当社グループの競争力が相対的に低下し、業界内での存在感を失い、業績が伸び悩む・悪化する可能性 |
・先進的で実践的なデータ活用の実績を積み重ねることにより、人材の質を高め続けるとともに、採用競争力もさらに高める ・人材採用・育成に対する投資を決して止めない ほか |
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人的サービスに |
当社の人的サービスを置き換えることが可能な先進技術・新サービス等の出現 →当社グループの人材が保有するノウハウが陳腐化し、業績が伸び悩む・悪化する可能性 |
・基本的には、特定の技術だけでは顧客企業の課題は解消しないものと認識 ・いくつもの技術やサービスを人間の知恵で組み合わせて顧客課題を解決する領域、先進技術や新サービスでは補いきれない人的サービスの付加価値が生きる領域において、先進的で実践的なデータ活用の実績を積み重ねる ほか |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一年を通じて続く中、度重なる緊急事態宣言の発出もあり、経済の回復ペースは緩やかなものに留まりました。国内ICT市場においては、コロナ禍が長期化する中でビジネスから日常生活のあらゆる場面でのデジタル化が加速していることや、デジタルトランスフォーメーション(DX)促進税制の創設など政府がIT投資を後押しする姿勢も強まっており、同市場は底堅く成長しております。
このような中、当社グループは、同感染症拡大の影響があるなかでも、中期経営計画(2020年6月期~2023年6月期)の最終年度の計画(2023年6月期において連結売上高115億円、連結経常利益20億円)を変更しておりません。これは、コロナ禍によりDXが必須であるという認識がより一層高まり、DX投資、データ活用投資が必ず回復・増大していくものと考えられるためです。そして、この最終年度の目標を達成するためには、DX、データ活用に関する需要を十分に取り込むための優秀な人材の採用・育成を継続的に推進する必要があると考えております。
中期経営計画の2年目にあたる当連結会計年度において、売上高は、期初の段階では、同感染症拡大の影響を強く受ける業界から受託する既存案件の売上縮小等により、前年並みに留まることをワーストケースと想定しておりました。実際、上期の売上高は、既存案件の売上縮小と、新規受注までに要する期間の長期化、案件開始時期の遅れなどにより前年同四半期並みの水準で推移いたしましたが、第2四半期連結会計期間以降は受注活動の活発化によって同感染症拡大の影響が底を打ち、下期累計の売上高は前年同四半期比13.6%増に回復し、通期売上高は前年同期比7.2%増となりました。
一方、利益面は、引き続き積極的な人材採用を進めることを主因に前年同期比で減益となる前提を置いており、実際に通期の利益面は減益となったものの、売上高の回復、期中の各種費用の節減・適正化、人材採用数が計画に満たなかったこと等により、期初の想定を上回って着地いたしました。
この結果、下期の業績は前年同四半期比で増収増益に転化しており、当連結会計年度の売上高は7,101,347千円(前期比7.2%増)、営業利益は851,296千円(前期比19.8%減)、経常利益は883,514千円(前期比18.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は601,443千円(前期比29.9%減)となりました。
なお、営業利益、経常利益に比べて親会社株主に帰属する当期純利益の減益幅が大きいのは、前連結会計年度に特別利益として投資有価証券売却益97,779千円の計上があった一方で、当連結会計年度には次期に計画されているオフィス集約・本社移転に伴う特別損失26,018千円が計上されているためであります。
当連結会計年度における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。
当社グループは、当連結会計年度から、各サービスを強化しながら、より相互の連携に取り組むことで一層の成長を実現するべく、コンサルティング、人的支援を中心とする「プロフェッショナルサービス事業」と、プロダクトの提供を中心とする「プロダクト事業」の2つへ報告セグメントを変更いたしました。
以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
a.プロフェッショナルサービス事業
プロフェッショナルサービス事業は、データ分析、システム開発を含むコンサルティング、人的支援を通じて、顧客企業のデータ活用支援を行う事業です。
当連結会計年度において、上期は、同感染症拡大の影響を強く受ける業界から受託する既存のデータ分析案件の規模縮小等により苦戦しましたが、その後の受注活動の活発化に伴い、下期においては、売上高・利益面ともに、前年同四半期を上回る水準に回復いたしました。
この結果、売上高は4,867,534千円(前期比12.0%増)、セグメント利益は1,840,881千円(前期比7.2%増)となりました。
b.プロダクト事業
プロダクト事業は、自社製および他社製プロダクトの提供を通じて、顧客企業のデータ活用支援を行う事業です。
当連結会計年度において、売上高は、同感染症拡大の影響を強く受ける業界からの売上規模縮小を新規受注、既存顧客へのアップセルで補った一方で、新規受注による売上増が想定に届かず、前連結会計年度をやや下回りました。利益面においては、従業員数の増加等により社員人件費をはじめ費用の増加が見込まれていましたが、主要プロダクトへのリソース集中や、各種コストの適正化により収益性の維持に努めた結果、前年並みのセグメント利益を維持することができました。
この結果、売上高は2,233,813千円(前期比1.8%減)、セグメント利益は671,707千円(前期比3.6%減)となりました。
(参考)セグメント別の売上高の前連結会計年度との単純比較
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前連結会計年度 (2020年6月期) |
当連結会計年度 (2021年6月期) |
対前年増減率 |
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プロフェッショナルサービス事業 |
4,347,145千円 |
4,867,534千円 |
12.0% |
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プロダクト事業 |
2,274,203千円 |
2,233,813千円 |
△1.8% |
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調整額 |
-千円 |
-千円 |
- |
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計 |
6,621,348千円 |
7,101,347千円 |
7.2% |
続いて、当連結会計年度末における資産合計は、主に現金及び預金の増加446,042千円、受取手形及び売掛金の増加165,718千円を主因とする流動資産の増加により5,778,683千円となり、前連結会計年度末に比べ794,884千円増加しました。
当連結会計年度末における負債合計は、主に賞与引当金の増加70,943千円、未払法人税等の増加68,287千円を主因とする流動負債の増加により1,104,495千円となり、前連結会計年度末に比べ149,236千円増加しました。
当連結会計年度末における純資産合計は、4,674,187千円となり、前連結会計年度末に比べ645,648千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加601,443千円によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は3,430,730千円(前年同期比14.9%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、779,789千円(前年同期比2.4%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益857,138千円、減価償却費207,809千円、賞与引当金の増加70,943千円、未払金の増加32,967千円、事務所移転費用引当金の増加26,018千円、持分法による投資損失11,628千円が計上された一方で、法人税等の支払額249,029千円、売上債権の増加165,718千円、前受収益の減少34,191千円、たな卸資産の増加14,031千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、378,031千円(前年同期比55.8%増)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出208,463千円、投資有価証券の取得による支出140,200千円、有形固定資産の取得による支出29,455千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、44,284千円(前年同期比88.6%減)となりました。これは新株予約権の行使による株式の発行による収入44,284千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループ(当社および連結子会社、以下同じ。)は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、概ね受注から納品までの期間が短いため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年 7月 1日 至 2021年 6月30日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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プロフェッショナルサービス事業 |
4,867,534 |
12.0 |
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プロダクト事業 |
2,233,813 |
△1.8 |
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調整額 |
- |
- |
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合計 |
7,101,347 |
7.2 |
(注)1 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年 7月 1日 至 2020年 6月30日) |
当連結会計年度 (自 2020年 7月 1日 至 2021年 6月30日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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伊藤忠商事株式会社 |
691,210 |
10.4 |
878,425 |
12.4 |
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ヤフー株式会社 |
721,875 |
10.9 |
872,332 |
12.3 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当連結会計年度の売上高7,101,347千円(前期比7.2%増)は、当社の期初予想の範囲内に留まるものであり、売上高の年間成長率が前期の16.6%を下回るだけでなく、1桁成長に留まるものとなりました。これは、旅行業界、エンターテインメント業界を中心としてコロナ影響を強く受けた既存顧客の売上規模が縮小する中で、前期から当連結会計年度の上期にかけての緊急事態宣言等により、その縮小した売上高を補うための新規の営業活動に遅れが生じたことによる影響でありました。
経常利益は、883,514千円(前期比18.1%減)となり、期初予想は上回るものでしたが、前期を下回るものとなりました。これは、売上高の伸びが限定的となる中でも、将来の収益拡大を目指す上では組織規模の拡大を不可欠と考えて積極的な人材採用を進め、社員人件費・人材採用費が増加したことが主な要因となっています。加えて、前期のサテライトオフィス開設に伴う費用増が、当連結会計年度においては全期間にわたる費用増となったことも、利益の減少に影響しております。なお、期初予想を上回った要因としては、コロナ禍にて各種費用が節減されたことに加え、人材採用数が計画を下回ったことが主な要因となります。
なお、ブレインパッド単体の従業員数は、前期末比86名増という期初目標を下回る58名増に留まり、前期の66名増も下回るものとなりました。人材採用ペースがやや弱含んだのは、当連結会計年度の売上成長度合いに対応したものでありましたが、次期以降の成長に必要な人員数としては不足するものであり、次期においてはさらに積極的な採用が必要であると認識しており、直近5年間のうち3年間(2017年6月期、2018年6月期、前期)で実現した年率20%超の増員ペースを取り戻す必要があると考えております。
そして、当連結会計年度のROEは、中期経営計画において目標としている連結ROE20%程度を下回る13.8%となりました。これは、前述のとおり、売上高の伸びが限定的な中で組織拡大を優先して利益が減少したことに加え、コロナ禍による業績悪化リスクに備え、手元資金を手厚く確保しておくことを重視した結果となります。なお、中期経営計画においては、M&Aを含め資本活用が進まない場合には、自己株式の取得や配当等による株主還元を含む資本効率の向上についても対応していくことを想定しております。なお、当連結会計年度終了後の財政状態をふまえ、当社は、2021年8月12日開催の取締役会において、株主の皆様への利益還元と資本効率の向上を図るとともに、役員・従業員に対する株式報酬への活用、自己株式を利用した M&A・資本提携等への活用などを目的に、自己株式の取得を決議しております。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(プロフェッショナルサービス事業)
プロフェッショナルサービス事業は、当連結会計年度においても引き続き国内企業によるDX投資の拡大が見込まれる中、顧客企業の経営全体や事業全体に関わる案件獲得を推進することによる収益拡大を目指してまいりましたが、コロナ禍により上期の売上成長が限定的となったため、売上高は前期比12.0%増、セグメント利益は7.2%増に留まりました。しかし、コロナ影響を強く受ける業界以外への営業活動が進んだ下期においては、売上高は前年同期比22.1%増、セグメント利益は前年同期比41.4%増となり、従業員数の増加および組織成長に応じた収益の拡大が進んでおります。
今後もしばらくはコロナ影響が大きい業界からの新規受注や売上規模の回復は簡単ではないと思われる一方で、社会変化が急速に進む中でのDXをテーマとした企業変革やデータ活用に対する需要は高まり続けることを想定しているため、これらの需要を捉えて案件を獲得し、収益を拡大していくことが可能であると認識しております。
(プロダクト事業)
プロダクト事業においては、大規模案件の受注活動への注力の反動としての中小型案件獲得の停滞傾向や、前期から続く他社製機械学習ソフトウエアのリブランド影響による売上減少が継続する中で、売上高は前期比1.8%減、セグメント利益は前期比3.6%減となりました。
プロダクト事業は、自社開発製品、他社製品を問わず、月額サービス利用料等によるストック型売上高の継続的な拡大が重要となる事業であるため、解約を抑止するだけでなく、一定程度は発生し得る解約による売上減少を補うような新規の営業活動が不可欠であります。変化の激しいデジタルマーケティング領域において新規案件を獲得するには、主力製品「Rtoaster(アールトースター)」がかつて謳っていた2018年までの3年連続「DMP市場No.1」といったキーワードから、CX、CDPといった新たなトレンドワードにより生み出される需要に対応する必要があります。このトレンドの変化に対する対応として、2020年10月に「Rtoaster」のリブランドを発表しており、今後はこのリブランドを契機とする新規案件の獲得をより強力に推し進めていく必要があると認識しております。
日本国内のEC事業は、今後もコロナ禍による収益拡大が見込まれており、デジタルマーケティング領域への投資や各種製品の活用が進んでいくことから、製品間の競争も一層激しくなっていくものと想定しております。そのため、本事業における競争力維持・向上に向け、事業横断の大型案件の獲得だけに頼らず、本事業単体でターゲットとすべき中小型案件獲得への注力を進めるとともに、デジタルマーケティング領域における新たなトレンドに対応した販促活動の強化、新規契約の獲得・既存契約の維持のための体制強化が必要な状況であると認識しております。
財政状態の分析は、次のとおりであります。
当連結会計年度末における資産合計は、5,778,683千円となり、前連結会計年度末に比べ794,884千円増加しました。流動資産の残高は、4,938,142千円となり、前連結会計年度末に比べ829,608千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加446,042千円、差入保証金の増加199,995千円、受取手形及び売掛金の増加165,718千円、仕掛品の増加14,031千円によるものであります。また、固定資産の残高は840,540千円となり、前連結会計年度末に比べ34,723千円減少しました。これは主に投資有価証券の増加128,571千円、繰延税金資産の増加56,189千円、ソフトウエアの増加37,740千円、ソフトウエア仮勘定の増加21,631千円があった一方で、差入保証金の減少199,995千円、建物(純額)の減少39,523千円、投資その他の資産の「その他」の減少32,121千円によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、1,104,495千円となり、前連結会計年度末に比べ149,236千円増加しました。流動負債の残高は、1,104,353千円となり、前連結会計年度末に比べ231,451千円増加しました。これは主に資産除去債務の増加80,295千円、賞与引当金の増加70,943千円、未払法人税等の増加68,287千円、事務所移転費用引当金の増加26,018千円、未払金の増加10,467千円があった一方で、前受収益の減少34,191千円によるものであります。また、固定負債の残高は141千円となり、前連結会計年度末に比べ82,214千円減少しました。これは主に資産除去債務の減少79,989千円によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、4,674,187千円となり、前連結会計年度末に比べ645,648千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加601,443千円、新株の発行によって資本金が22,366千円増加、資本剰余金が22,366千円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は80.9%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況分析)
当社グループは、プロフェッショナルサービス事業のように固定資産投資の必要性が小さい事業における利益の多くをキャッシュ生成につなげているだけでなく、プロダクト事業においても、自社開発製品と他社製品の販売を組み合わせることにより、ソフトウエア資産を中心とする固定資産の増加を限定的なものとしながらの利益確保を実現しております。
当社グループは、このようなキャッシュ・フロー創出力のある事業により事業運営および成長に必要な資金需要をまかなっております。また、事業運営に必要な資本的支出のうち固定資産となりうるものは、組織拡大のためのオフィス拡大や、プロダクト事業の自社開発ソフトウエアの保守・改善のための継続的な開発に伴うものが主たるものとなります。
そのため、当社グループの通常の事業運営における投資としては、人材採用や昇給などの人的分野に対するものが最重要であると認識しております。この人的分野に対する投資は、人材の質を維持・確保するためにも、事業の営業キャッシュ・フローの範囲内で行う方針としており、当連結会計年度においても、人的分野の投資は営業キャッシュ・フローの範囲で実施したものと分析しております。なお、2021年6月29日付にて対外公表したオフィス集約および本社移転は、今後の大きな投資となるものですが、次期の営業キャッシュ・フローの範囲に収まる投資として計画を策定中であります。
なお、当連結会計年度においては、手元資金を利用したM&A等があまり進まなかったことから、事業運営に必要な規模をやや超えた水準の現金および現金同等物を保有する中で、コロナ禍による不測の事態等を考慮し、手元資金を厚く確保してまいりました。しかし、今後コロナ禍が続く場合であっても、その影響範囲に関してある程度の見通しが立ってきたため、現金および現金同等物については、M&A等の進捗をふまえつつ、事業運営に必要な規模感に調整していくことを想定しております。
(財務戦略の考え方)
既存事業の成長については、営業キャッシュ・フローの範囲内での投資を予定しているため、外部資金の調達を伴うような資本的支出や人的分野への投資は予定しておりません。そして、事業の安定的な運営に必要な水準を超えた資金については、M&Aを含む事業成長のために有効活用することが、企業価値向上のための最優先課題であると認識しております。ただし、資本の有効活用が進まない場合には、平均ROE 20%程度の数値目標の達成に向けて、ROEの不用意な低下を避ける観点でも、自己株式の取得、配当などの株主還元を検討していくものしております。なお、前述のとおり、当社は2021年8月12日開催の取締役会において、自己株式の取得を決議しております。
なお、当社グループが属する市場の急成長に対応していくためには、他社との提携や買収案件に対応するための資金を機動的に確保する必要があると認識しており、流動性の高い資金を比較的厚めに保持することが重要であると考えていると同時に、手元資金では対応できない買収等の案件を実行するための借入や資本市場での調達についても検討する可能性があります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、連結会計年度末日における資産および負債の数値、連結会計年度に係る収益および費用に影響を及ぼすような仮定や見積もりを必要とします。これらの仮定や見積もりについては不確実性が存在するため、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、〔第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)〕に記載のとおりであります。
(資本業務提携契約)
当社は、2020年11月19日開催の取締役会において、伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木 善久、以下「伊藤忠商事」)と、データを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に関する資本業務提携契約を締結することを決議し、同日付で資本業務提携契約を締結いたしました。
(1)資本業務提携の理由
昨今、AI、IoT、ビッグデータ等の技術革新によってデジタル社会における産業構造変化や異業種融合が加速する中、行政のデジタル化の流れも後押しとなり、多くの産業においてDXへの注目度が高まっております。
その一方で、ビジネス変革に主眼をおいたDX推進は、システムベンダーによる製品やサービスの導入のみでは実現ができず、顧客接点で生じる膨大なデータを収集・分析して課題を整理し、マーケットインの発想で新たな顧客体験を実現した上で、その後も継続的にデータを活用することが不可欠です。
当社は、2018年より、伊藤忠商事とDX推進のためのデータ活用事例の創出とそのための基盤・体制構築に着手し、さまざまな事業分野において現場の課題解決のためのノウハウを共同で蓄積してまいりました。現在は、伊藤忠商事グループの各現場において、サプライチェーン関連のデータを活用した発注・在庫・物流の最適化や、店舗等の消費者接点の強化といったデータ活用の実用化が進んできており、その体制をさらに強化するべく、このたびの資本業務提携に至りました。
(2)資本業務提携の内容
①提携の内容
この資本業務提携を通じて、当社と伊藤忠商事は、伊藤忠商事グループのDX化をより一層推進することに加え、伊藤忠商事グループが各業界で有する事業ノウハウと当社のデータ分析・活用ノウハウを結びつけ、グループ以外のさまざまな産業における顧客企業のDX化を促してまいります。
また、システム開発や運用に強みを持つ伊藤忠テクノソリューションズ株式会社をはじめとしたDX関連のソリューションを提供する伊藤忠商事のグループ企業各社とも連携し、各種データを活用した既存事業の拡大や、新規事業創出を推進するとともに、伊藤忠商事グループ、ブレインパッドの相互人材交流を通じて、データ活用機能のさらなる強化を図ってまいります。
②伊藤忠商事に新たに取得された株式の数および発行済株式数に対する割合
223,000株(当社の発行済株式数の3.00%)
当社グループは、データを活用して経営を改善したいと考える顧客企業のニーズに対応するべく、最新の分析技術の研究や、独自の分析アルゴリズムを用いたソフトウェアの開発等を行っております。近年は、人工知能や機械学習・深層学習といったキーワードとともに国内外で技術革新が進んでおり、当社グループの技術部門においても、これら最先端の技術を研究し自社サービスに取り入れるための活動を行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は