当社グループは、2004年の創業来、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」を変わらぬミッションとして、顧客企業のデータを活用した経営改善を支援してまいりました。
私たちは、ビッグデータ、AI、IoT、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、時代ごとにキーワードは違えど、その根底はデータを分析・活用して価値に変え、企業活動に変化と改善をもたらすことであると考えております。
私たちは、データを価値に変えるために必要な「分析力(国内随一のデータサイエンティスト数)」、「エンジニアリング力(市場No.1製品を自社開発・提供できる技術力)」、「ビジネス力(データ活用を支援した企業は業種問わず1,000社超)」の3つの力を有した、世界でも稀有な企業だと認識しております。この3つの力を有することは、顧客企業のデータを活用した経営改善を、コンセプトデザインから運用まで一貫してサービス提供できるという業界内でも際立った強みに繋がっております。
世界的に増え続ける人口(減り続ける日本の人口)と、限られた資源、加速する環境変化の中、私たちは「データ活用のプロフェッショナル」として、ビジネスに、データに基づく高度化とイノベーションを与え、世界の持続可能性の向上に寄与していくことを経営方針としております。
2022年6月に日本政府より示された「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)」には、その内容に、「人への投資」の抜本強化、量子・人工知能(AI)などの科学技術分野での国家戦略の明確化、デジタル推進人材の育成などが盛り込まれました。日本国内においては、依然として高度IT人材の不足感が強く、日本企業がデジタル変革を起こすためには、クライアント企業に伴走しデジタル変革を牽引できるようなITベンダーの存在が欠かせない状況が続いていると言えます。
このような状況をふまえると、デジタル変革を起こすうえでの血液と言える「データ」の活用に関する需要は高まり続けるものと考えられるため、当社は引き続き「データ活用の総合力」を発揮するための組織体制の拡大・強化に努め、データ活用のリーディングカンパニーとしての市場でのプレゼンス(存在感)を維持・拡大し、さらなる成長を目指しております。
当社が、2019年5月10日開催の取締役会において決議し、対外公表した中期経営計画(2020年6月期~2023年6月期)の概要は以下のとおりであります。
<定量目標>
<基本方針>
当社グループは、中期経営計画の達成状況を判断するための客観的な指標として、事業規模の拡大を示す売上高と、事業規模の拡大に必須となる組織規模の拡大を示す従業員数を重要な指標としたうえで、事業の収益力を示すものとして経常利益を重視しております。また、資本効率の観点からROEも考慮しております。
同計画の最終年度となる2023年6月期は、中期経営計画にて目標としている年率20%前後の売上成長を目指したいと考えております。また、当社は、2022年7月29日付にて、株式会社TimeTechnologiesの全株式を取得(子会社化)いたしましたので、2023年6月期第1四半期より連結決算に移行いたします。この影響もふまえ、2023年6月期の通期連結業績予想は、売上高10,300百万円、営業利益1,100百万円、経常利益1,140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益800百万円としており、対処すべき課題を次のとおり認識しております。
1.向上した採用力をベースに、人材基盤の拡充と強化を推進
当社は、現・中期経営計画の基本方針のひとつに「多様な人材の採用・育成を含む組織規模の拡大」を掲げ、年率20%前後の人員増加を進めております。前事業年度(2021年6月期)までは採用人数が目標を下回る状況が続きましたが、先行投資として進めてきた人事部門の増強、人事部門と各部門の強固な連携による採用活動への人的リソースの投下による効果が当事業年度より表れ、IT業界における採用競争が激化する中でも、新卒・中途社員ともに順調に新規採用が進むようになってきております。
この強化・向上した人材採用力をベースに、翌事業年度(2023年6月期)においても引き続き新規採用を推進するとともに、当社の未来をつくる人材基盤の拡充と強化に努めてまいります。
2.各事業にて、既存の延長線上ではない成長戦略を推進
プロフェッショナルサービス事業は、これまでは人材供給量が制約条件となって、選別受注をせざるを得ない傾向にありましたが、今後は、前述のとおり人材採用力が向上していることをふまえると、よりアグレッシブな営業戦略を描いていけるものと考えております。翌事業年度においては、同事業がターゲットとする業界、高めるべきケイパビリティを明確にし、営業部門とデリバリー部門が一体となって新規案件の開拓と、既存案件の大型化・長期化を実現する事業体制を、より強固なものに進化させてまいります。
続いて、翌事業年度のプロダクト事業は、円安による海外製品の仕入高やクラウド利用料の増加が一定程度続くことを前提に、売上拡大とコストコントロールの両面を推し進めることが求められる一年となります。主力3製品である「Rtoaster」、「Probance」、「Brandwatch」の収益改善を強力に推し進める一方で、2022年7月29日付にて株式取得した株式会社TimeTechnologiesが開発・提供する「Ligla」(*1)の投入により、顧客の認知・獲得からリテンション(*2)までの全ての施策を実施できる製品ラインナップを整え、データを起点としたマーケティング・ソリューションをより一層強化してまいります。
加えて、両事業ともに、現・中期経営計画期間において進めてきた他社との業務提携関係(伊藤忠商事株式会社との資本業務提携、株式会社りそなホールディングスとの資本業務提携、株式会社電通グループとの合弁会社の設立)を基盤に、既存の延長線上ではない事業開発と収益創出にも取り組んでいく必要があると認識しております。
3.持続可能な成長実現に向けて経営体制の刷新へ
現・中期経営計画において、事業規模・組織規模の急拡大を進めてきた当社は、翌事業年度において、500名超から成る組織が、その人数規模をさらに拡大しながら、売上高100億円超を目指す体制となります。この規模の拡大に適応し、次期中期経営計画においても持続的に成長するためには、現在の、創業者および取締役が経営と事業執行の両方を司る経営体制を進化させることが求められていると認識しております。
このような背景から、当社は、2022年10月1日より執行役員制度を導入することを決議いたしました(詳細は、2022年8月23日公表の「執行役員制度の導入に関するお知らせ」をご参照ください)。この執行役員制度の導入により、当社は業務執行上の意思決定をより現場に近い位置で行うことで業務執行の機動性を高めるとともに、積極的な抜擢・登用を含めた次世代経営層の育成方法の多様化を実現し、持続的な成長を実現できる経営体制を構築していきたいと考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社が判断したものであり、不確定な要素を含んでおります。そのため、経済環境をはじめとする様々な要因の変化により、実際の業績はこれと異なる可能性があります。
(*1)「Ligla(リグラ)」は、「LINE」特化型のマーケティングオートメーションであります。
(*2)マーケティングにおいて、リテンションは既存顧客の維持を指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
ただし、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、将来的には、現時点で予見できないリスクや重要とみなされていないリスクの影響を受ける可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当社グループは、経営体質の強化および経営の透明性・健全性を一層向上させることを目的に、リスクマネジメント委員会を任意の委員会として設置しております。同委員会は取締役CFO、情報システム部門長を中心に構成されており、リスクマネジメントに関する統括的監督機能を持ち、会社全体の各種リスクに対する対応方針および組織ごとのリスク対策について指示・監督等を行い、その状況を取締役会に報告しております。
(1)現状の事業戦略における、全社共通のリスク
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カテゴリ |
リスクの内容 →リスクが顕在化した場合の影響 |
リスクに対する主要な取り組み |
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中期経営計画の達成に必要な |
採用の遅れにより、必要な人員の質または量が不足する →業績目標未達 |
・人事部門の強化および人事部門以外が採用活動へ十分なリソースを配分することによる、全社的な採用活動への注力 ・リファラル採用の活性化 ほか |
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新たに採用した人材に対する教育が進まない →受注するプロジェクトに制約発生、または、受注したプロジェクトの品質・利益率低下による業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・オンボーディングの仕組みの確立、教育研修制度の充実 ほか |
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退職率の上昇や、重要な人材の流出 →受注するプロジェクトに制約発生、または、受注したプロジェクトの品質・利益率低下による業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・従業員がやりがい・働きがいを感じられる魅力的な業務環境の構築 ・キャリアプランや報酬体系の整備・改善と、上司・部下における対話の促進 ほか |
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新型コロナ |
同感染症拡大の影響を強く受ける業界から受託する既存案件の、規模縮小の長期化 →業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・既存顧客との関係を良好に継続することによる案件規模の拡大 ・同感染症拡大の影響が比較的小さい業界への新規営業の推進 ほか |
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攻めのIT投資の遅れ →業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・同上 |
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コロナ罹患者の発生やリモートワークによる品質低下、納品遅延 → 業績目標未達、業績悪化の可能性 |
・リモートワークを併用した働き方の構築と、感染拡大防止のための各種ガイドラインの整備 ほか |
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個人情報を |
何らかの理由による情報流出 →当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜の可能性 |
・ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)およびプライバシーマーク制度の認証維持活動を通じた、従業員の情報セキュリティ意識の向上・強化 ・リモートワークに適応した情報セキュリティ体制の構築 ・機密情報へのアクセス管理等の厳格化 ほか |
(2)現状の事業戦略における、セグメント別のリスク
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カテゴリ |
リスクの内容 →リスクが顕在化した場合の影響 |
リスクに対する主要な取り組み |
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システム障害 (プロダクト事業) |
自然災害や不正アクセス、ネットワーク障害等によるシステムダウン →SaaS型の「Rtoaster」、「Probance」のサービス提供が一時的に停止することにより、当社グループへの損害賠償請求の可能性 |
・発生可能性からするとリスクは甚大ではないとの認識ではあるが、データ分散の検討等は進める |
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個人情報を (プロダクト事業) |
法改正等により、「Rtoaster」で活用するCookieデータの活用が制限される →「Rtoaster」のサービス価値が下がり、プロダクト事業の売上高が減少する可能性 |
・国内外の法改正等に関する最新情報の把握 ・仕様変更に対応できる開発体制の構築 ほか |
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ブラウザ仕様の変更等により、Cookieデータが取得しづらくなる →「Rtoaster」のサービス価値が下がり、プロダクト事業の売上高が減少する可能性 |
・国内外の最新のITトレンドの把握 ・仕様変更に対応できる開発体制の構築 ほか |
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競合製品の台頭 (プロダクト事業) |
当社取扱製品の競争力が低下 →解約発生や新規受注不振により、プロダクト事業の売上高が減少する可能性 |
・最新の市場トレンドおよび顧客のニーズを捉えた機能開発・改善 ・対策を講じるための業界内トレンドの調査・把握 ほか
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円安の進行、長期化 |
海外製品の仕入高やクラウド利用料の増加 →プロダクト事業の利益率が低下する可能性 |
・プロダクトの販売価格の見直し ・その他のコストの適正化 ほか |
(3)中長期的な視点から事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク
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カテゴリ |
リスクの内容 →リスクが顕在化した場合の影響 |
リスクに対する主要な取り組み |
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競合の |
当社より質・量ともに勝る人材ポートフォリオを持つ競合企業の台頭 →当社グループの競争力が相対的に低下し、業界内での存在感を失い、業績が伸び悩む・悪化する可能性 |
・先進的で実践的なデータ活用の実績を積み重ねることにより、人材の質を高め続けるとともに、採用競争力もさらに高める ・人材採用・育成に対する投資を決して止めない ほか |
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人的サービスに |
当社の人的サービスを置き換えることが可能な先進技術・新サービス等の出現 →当社グループの人材が保有するノウハウが陳腐化し、業績が伸び悩む・悪化する可能性 |
・基本的には、特定の技術だけでは顧客企業の課題は解消しないものと認識 ・いくつもの技術やサービスを人間の知恵で組み合わせて顧客課題を解決する領域、先進技術や新サービスでは補いきれない人的サービスの付加価値が生きる領域において、先進的で実践的なデータ活用の実績を積み重ねる ほか |
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社は、2021年12月1日付で連結子会社であるMynd株式会社を吸収合併したことにより連結子会社が存在しなくなったため、2022年6月期第2四半期より連結決算から非連結決算へ移行しております。
①財政状態および経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大懸念が一年を通じて続く中、ウクライナ情勢に起因する資源価格の高騰や急激な円安の進行による物価上昇が、企業業績や国内消費回復の重しとなり、先行き不透明な状態が続きました。一方、国内ICT市場は、ビジネスから日常生活のあらゆる場面でのデジタル化が加速する中、企業システムのクラウド移行や、サブスクリプションビジネスの拡大を背景に、底堅い成長を続けております。
このような中、当事業年度は当社の中期経営計画(2020年6月期~2023年6月期の4年間)の3年目にあたり、売上高は、受注活動がコロナ禍前を上回る水準に達してきていることをふまえて、中期経営計画において目標とする年率20%前後の売上成長へ回復させる計画としておりました。また、利益面は、今後の当社の持続的な成長の礎とするための、投資を伴う3つの重点アクション(積極的な人材採用の継続、プロダクト事業の再成長、組織力強化のためのオフィス集約・移転)を実行しながら、売上成長と同等の利益成長を実現することを目指し、事業運営を行いました。
実際、第3四半期累計期間までは、プロフェッショナルサービス事業が業績全体を牽引し、売上高・利益面ともに期初の想定を上回り、好調に推移いたしました。しかしながら、第4四半期会計期間の売上高は、プロフェッショナルサービス事業における案件の期ずれ等、およびプロダクト事業におけるフロー売上高の減少により、想定を下回りました。
売上高が想定を下回る一方で、新卒・中途社員の入社により従業員数が第4四半期会計期間中に54名純増したこと、急激な円安の進行による海外製品の仕入高やクラウド利用料の増加によりプロダクト事業の利益率が低下したこと、新オフィスへの移転による一過性の費用が発生したこと等による費用増により、第4四半期会計期間の利益は第3四半期会計期間を大きく下回りました。
その一方で、本年6月28日付にて株式会社TimeTechnologiesの株式取得(子会社化)を決議するなど、プロダクト事業の再成長のための投資判断を行いました。
この結果、当事業年度の売上高は8,561,311千円(前年同期比20.6%増)、営業利益は1,144,952千円(前年同期比36.0%増)、経常利益は1,166,580千円(前年同期比31.2%増)、当期純利益は803,246千円(前年同期比49.3%増)となり、2022年1月25日に公表した個別業績予想を下回ったものの、前年同期比では大きな成長を達成いたしました。
当事業年度における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、当社は、当事業年度より非連結決算へ移行したことから、セグメント別の業績について、前事業年度との比較は行っておりません。
a.プロフェッショナルサービス事業
プロフェッショナルサービス事業は、データ分析、システム開発を含むコンサルティング、人的支援を通じて、顧客企業のデータ活用支援を行う事業であります。
当事業年度において、第3四半期累計期間までは、データ活用に対する強い需要をもとに、案件の長期化・大型化が進んだことにより、売上高・利益面ともに期初の想定を上回るペースで好調に推移いたしました。
しかしながら、第4四半期会計期間においては、主に、案件の期ずれが複数件発生したこと、複数の中型案件が年度末(2022年3月末)に区切りを迎えたことに対し、その売上減を補う新規売上を確保できなかったことから、売上高は第3四半期会計期間と比べ6.2%下回る結果となりました。当事業は、総費用に占める従業員人件費等の固定費の割合が大きいため、売上減が利益減に直結する形となり、第4四半期会計期間のセグメント利益は第3四半期会計期間と比べ12.8%下回る結果となりました。
この結果、売上高は6,075,311千円、セグメント利益は2,543,090千円となりました。
b.プロダクト事業
プロダクト事業は、自社製および他社製プロダクトの提供を通じて、顧客企業のデータ活用支援を行う事業であります。
当事業年度においては当事業の再成長を期し、主力プロダクトに人材をはじめとして経営資源を集中させ、それ以外にかかる費用の適正化を図るとともに、当事業に係る部門を集約する組織変更を実施し、部門連携の促進によるセールス・マーケティングプロセス機能および販売力の強化に取り組んでまいりました。第4四半期会計期間においては、従前から決定していた大型案件の契約終了や主力ではないプロダクトの販売終了によるストック売上高の減少を新規案件の獲得で補うことができた一方で、人的支援サービスによるフロー型売上高が減少したため、第4四半期会計期間の売上高は、第3四半期会計期間と比べ5.9%下回る結果となりました。これに加えて、急激な円安進行により、海外製品の仕入高やクラウド利用料が増加したことが費用の重しとなり、第4四半期会計期間のセグメント利益は第3四半期会計期間と比べ46.4%下回る結果となりました。
この結果、売上高は2,486,000千円、セグメント利益は610,798千円となりました。
続いて、当事業年度末における資産合計は、主に建物(純額)の増加463,229千円を主因とする固定資産の増加により6,148,543千円となり、前事業年度末に比べ361,926千円増加いたしました。
当事業年度末における負債合計は、主に資産除去債務の増加147,670千円を主因とする固定負債の増加により1,300,903千円となり、前事業年度末に比べ196,736千円増加いたしました。
当事業年度末における純資産合計は、4,847,640千円となり、前事業年度末に比べ165,189千円増加いたしました。これは主に繰越利益剰余金の増加803,246千円があった一方で、自己株式の増加655,490千円によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当社は、当事業年度より非連結決算へ移行したことから、キャッシュ・フローの状況について、前事業年度との比較は行っておりません。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は2,908,239千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、1,125,414千円となりました。これは主に税引前当期純利益1,057,922千円、減価償却費233,640千円、未払費用の増加106,581千円、売上債権の減少80,190千円、契約負債の増加55,284千円があった一方で、法人税等の支払額356,234千円、棚卸資産の増加52,278千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、948,969千円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出407,645千円、敷金及び保証金の差入による支出263,238千円、投資有価証券の取得による支出120,000千円、無形固定資産の取得による支出110,929千円、資産除去債務の履行による支出47,418千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、698,783千円となりました。これは自己株式の取得による支出698,783千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当社は、概ね受注から納品までの期間が短いため記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年 7月 1日 至 2022年 6月30日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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プロフェッショナルサービス事業 |
6,075,311 |
- |
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プロダクト事業 |
2,486,000 |
- |
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調整額 |
- |
- |
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合計 |
8,561,311 |
- |
(注)1. 当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
当事業年度 (自 2021年 7月 1日 至 2022年 6月30日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
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ヤフー株式会社 |
1,032,168 |
12.1 |
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伊藤忠商事株式会社 |
918,002 |
10.7 |
2. 当事業年度より非連結決算へ移行したことから、前事業年度との比較は行っておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものであります。
①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当事業年度の売上高8,561,311千円は、当社の期初予想8,500,000千円を超えるものでありますが、2022年2月10日付にて修正した業績予想8,600,000千円を下回るものであり、下期の業績が業績予想の修正時点の想定を下回ったというものとなります。これは、上期においては、プロフェッショナルサービス事業を中心に高稼働が実現したものの、下期においては、プロダクト事業の伸び悩みの影響がある一方で、プロフェッショナルサービス事業において案件の終了(ウクライナ情勢や円安影響を理由とする案件終了もある)や納品時期の期ずれ(当初の終了予定時期に案件が終了せず、翌事業年度に売上計上がずれ込んだもの)が発生したことが要因となっております。売上高が下期に伸び悩み、第3、第4四半期会計期間の2四半期連続で売上高が直前四半期を下回ったことは、継続的な業績拡大を志向し、また新卒社員の戦力化を下期より見込んで事業運営を行う当社として、良い状況とはいえません。もっとも、上期が好調であったために下期が苦戦したように見えることが、この2四半期連続の売上高減少の要因のひとつでもあるため、翌事業年度においても売上高の減少が継続するものとは想定しておりません。
当事業年度の経常利益1,166,580千円も、期初予想1,080,000千円を上回るものでありますが、2022年2月10日付にて修正した業績予想1,250,000千円を下回るものであり、売上高と同じく、下期の業績が業績予想の修正時点の想定を下回ったというものとなります。これは、前述した売上高の伸び悩み以外に、下期は堅調に人材採用が進んだこと、円安により海外製品の仕入高およびドルベースで算出されるクラウドサービスの利用料が増加したことが要因となっております。なお、オフィスの移転に伴う費用増は、期初に想定した範囲に収まっております。また、第4四半期会計期間の営業利益の減少のうち65百万円程度については、オフィス移転に伴う一過性の費用であり、翌事業年度以降に継続するものではありません。
なお、当社の当事業年度末の従業員数は、前事業年度末比106名増という期初目標を下回る76名増に留まりましたが、前事業年度の58名増、前々事業年度の66名増からは増員ペースを加速できているものであり、また、下期の人材採用が好調であったことからも採用力の改善が進んでいるものと認識しております。ただし、過去の人材採用の遅れを一気に取り戻すような年率20%を大きく超える積極採用は、適切な人材の採用および育成の観点から容易ではないとの認識もあり、今後も年率20%程度の増員ペースを継続したいと考えております。
そして、当事業年度のROEは、中期経営計画において目標としているROE20%程度を下回る16.9%となりました。当社は、自己株式取得を行いROEの低下を防止する対応を行っておりますが、この16.9%という結果は、オフィス移転および中期的な収益向上のための積極的な人材採用等の投資により当期純利益の増加が限定的になると考えた期初の想定の範囲内であります。また、自己資本の規模の大きさについても、手元資金を活用するM&Aのような資本活用に備えているものとなります。なお、前事業年度に続き、2022年8月10日開催の当社取締役会において、株主の皆さまへの利益還元と資本効率の向上を図るとともに、役員・従業員に対する株式報酬への活用、自己株式を利用した M&A・資本提携等への活用などを目的として、自己株式の取得を決議しております。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(プロフェッショナルサービス事業)
当事業年度において、プロフェッショナルサービス事業は、引き続き国内企業によるDX投資の拡大が見込まれる中で、顧客企業の経営全体や事業全体に関わる案件獲得を推進することによる収益拡大を目指してまいりました。前述のとおり、上期は稼働率が高い水準で推移し、売上高・利益も好調であった一方で、下期においては案件の終了等から稼働率が低下したこと、不採算の大型案件の影響により他の案件の獲得が限定的となったこと、そして事業年度末における納品時期の期ずれが発生したことなどから、第3、第4四半期会計期間と2四半期連続の減収となっております。しかしながら、売上高は6,075,311千円と事業年度単位での拡大を見せており、利益面も各四半期会計期間で6億円超、年間のセグメント利益率が41.9%となり、当社として適正と考え、目指している40%超のセグメント利益率を確保しております。2四半期連続での減収となったのは、上期の高稼働の反動と第4四半期会計期間における若干の低迷の影響であり、今後は、従業員数の増加および組織成長に応じた収益の拡大が可能と考えております。
事業環境としては、今後も、ウクライナ情勢や円安に伴う経済環境の変化の影響を受ける業界からの受注の減少や、コロナ禍による影響が大きい業界からの新規受注や売上規模の回復に時間がかかる可能性がある一方で、これらの影響がデジタル化などの社会変化を促進する中で、DXをテーマとする企業変革やデータ活用に対する需要は継続・拡大し続けることを想定しているため、これらの需要を捉えて案件を獲得し、収益を拡大していくことが可能であると認識しております。
(プロダクト事業)
当事業年度において、プロダクト事業は、大規模案件の受注活動への注力から中小型案件獲得への再注力を狙った一年でありましたが、主力ではないプロダクトの販売終了による売上高の減少が継続的に発生し、また、第4四半期会計期間において従前から決定していた大型案件の終了があったこともあり、拡大に注力したストック型売上高が第4四半期会計期間に減少するなど、ストック型売上高の拡大が限定的となりました。また、第2、第3四半期会計期間において、フロー型売上高(人的支援サービスによるものが主体)が拡大したこともあり、当事業年度の売上高は2,486,000千円となりましたが、セグメント利益は610,798千円に留まりました。この結果、セグメント利益率は24.6%となり、当社として適正と考え、目指している30%を下回るものとなりました。
プロダクト事業は、自社開発製品、他社製品を問わず、月額サービス利用料等によるストック型売上高の継続的な拡大が重要となる事業であるため、解約を抑止するだけでなく、一定程度は発生し得る解約による売上高の減少を補うような新規の営業活動が不可欠であります。変化の激しいデジタルマーケティング領域において新規案件を獲得するには、主力製品「Rtoaster(アールトースター)」がかつて謳っていた2018年までの3年連続「DMP市場No.1」といったキーワードから、CX、CDPといった新たなトレンドワードにより生み出される需要に対応する必要があります。このトレンドの変化に対する対応として、2020年10月に「Rtoaster」のリブランドを発表しており、その浸透に努めておりましたが、その効果が限定的であり、新規案件の獲得が当社の想定を下回っているため、事業の立て直しが必要であると認識しております。
なお、日本国内のEC事業は今後も拡大が見込まれており、デジタルマーケティング領域への投資や各種製品の活用が進んでいくなかで、製品間の競争も継続していくと想定しております。このような競争は、デジタルマーケティングの変化・進化のなかで、今後も継続するものと想定しております。そのため、利益を度外視した短期的な成長ではなく、当社の扱う製品の進化・変化(提携・M&A等による新たな製品の取扱いを含む)と共に、利益と成長をバランスさせた成長を実現したいと考えております。
財政状態の分析は、次のとおりであります。
当事業年度末における資産合計は、6,148,543千円となり、前事業年度末に比べ361,926千円増加いたしました。
流動資産の残高は、4,437,579千円となり、前事業年度末に比べ482,392千円減少いたしました。これは主に現金及び預金の減少482,259千円によるものであります。
また、固定資産の残高は1,710,963千円となり、前事業年度末に比べ844,319千円増加いたしました。これは主に建物(純額)の増加463,229千円、差入保証金の増加263,238千円、投資有価証券の増加136,949千円があった一方で、繰延税金資産の減少29,884千円によるものであります。
当事業年度末における負債合計は、1,300,903千円となり、前事業年度末に比べ196,736千円増加いたしました。
流動負債の残高は、1,151,476千円となり、前事業年度末に比べ47,452千円増加いたしました。これは主に未払金の増加104,189千円、未払費用の増加98,094千円、契約負債(前事業年度においては前受収益)の増加55,284千円 があった一方で、未払法人税等の減少108,867千円、資産除去債務の減少57,195千円、事務所移転費用引当金の減少26,018千円、賞与引当金の減少21,440千円によるものであります。
また、固定負債の残高は149,426千円となり、前事業年度末に比べ149,284千円増加いたしました。これは主に資産除去債務の増加147,670千円によるものであります。
当事業年度末における純資産合計は、4,847,640千円となり、前事業年度末に比べ165,189千円増加いたしました。これは主に繰越利益剰余金の増加803,246千円、その他有価証券評価差額金の増加13,130千円があった一方で、自己株式の増加655,490千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は78.8%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況分析)
当社は、プロフェッショナルサービス事業のように固定資産投資の必要性が小さい事業における利益の多くをキャッシュ生成につなげているだけでなく、プロダクト事業においても、自社開発製品と他社製品の販売を組み合わせることにより、ソフトウエア資産を中心とする固定資産の増加を限定的なものとしながらの利益確保を実現しております。
当社は、このようなキャッシュ・フロー創出力のある事業により事業運営および成長に必要な資金需要をまかなっております。また、事業運営に必要な資本的支出のうち固定資産となりうるものは、組織拡大を支えるオフィス移転や、プロダクト事業の自社開発ソフトウエアの保守・改善のための継続的な開発に伴うものが主たるものとなります。
そのため、当社グループの通常の事業運営における投資としては、人材採用や昇給などの人的分野に関するものが最重要であると認識しております。この人的分野に対する投資は、人材の質を維持・確保するためにも、事業の営業キャッシュ・フローの範囲内で行う方針としており、当事業年度においても、人的分野の投資は営業キャッシュ・フローの範囲で実施したものと分析しております。なお、当事業年度に実施したオフィス移転は大きな投資ではありますが、当事業年度の営業キャッシュ・フローの範囲に収まるといえる投資となっております。
なお、当事業年度においては手元資金を利用したM&A等の実施がありませんでしたが、2022年6月28日付にて取締役会決議し、2022年7月29日に株式取得した株式会社TimeTechnologiesの子会社化のための現金の支出が同日に発生いたしました。手元資金については、今後もこのようなM&Aの可能性を含めて、事業運営に必要な規模感に調整していくことを想定しております。
(財務戦略の考え方)
既存事業の成長については、営業キャッシュ・フローの範囲内での投資を予定しているため、外部資金の調達を伴うような資本的支出や人的分野への投資は予定しておりません。そして、事業の安定的な運営に必要な水準を超えた資金については、M&Aを含む事業成長のために有効活用することが、企業価値向上のための最優先課題であると認識しております。ただし、資本の有効活用が進まない場合には、平均ROE20%程度の数値目標の達成に向けて、ROEの不用意な低下を避ける観点でも、自己株式の取得、配当などの株主還元を検討していくものとなります。なお、前述のとおり、当社は2022年8月10日開催の取締役会において、自己株式の取得を決議しております。
なお、当社グループが属する市場の急成長に対応していくためには、他社との提携や買収案件に対応するための資金を機動的に確保する必要があると認識しており、流動性の高い資金を比較的厚めに保持することが重要であると考えていると同時に、手元資金では対応できない買収等の案件を実行するための金融機関等からの借入や資本市場での調達についても検討する可能性があります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たりまして、事業年度末日における資産および負債の数値、事業年度に係る収益および費用に影響を及ぼすような仮定や見積りを必要とします。これらの仮定や見積りについては不確実性が存在するため、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
(連結子会社の吸収合併)
当社は、2021年8月12日開催の取締役会において、2021年12月1日を効力発生日として、当社の完全子会社であるMynd株式会社を吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(株式取得による会社等の買収)
当社は、2022年6月28日開催の取締役会において、株式会社TimeTechnologiesの全株式を取得し連結子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約書を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(株式取得による会社等の買収)」に記載のとおりであります。
(資本業務提携契約)
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相手方の名称 |
契約の名称 |
契約締結日 |
契約内容 |
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伊藤忠商事株式会社 |
資本業務提携契約 |
2020年11月19日 |
データを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に関する資本業務提携 |
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株式会社りそなホールディングス |
資本業務提携契約 |
2022年2月22日 |
両社のさらなる事業領域の拡大と地域経済の発展に貢献する取り組みを加速することを目的とした資本業務提携 |
当社は、データを活用して経営を改善したいと考える顧客企業のニーズに対応するべく、最新の分析技術の研究や、独自の分析アルゴリズムを用いたソフトウェアの開発等を行っております。近年は、人工知能や機械学習・深層学習といったキーワードとともに国内外で技術革新が進んでおり、当社の技術部門においても、これら最先端の技術を研究し自社サービスに取り入れるための活動を行っております。
当事業年度における研究開発費の総額は